JP2009141246A - 部品内蔵プリント配線基板の製造方法 - Google Patents

部品内蔵プリント配線基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な工程で効率よく部品内蔵プリント配線基板を製造可能な部品内蔵プリント配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の配線層を積層して構成された部品内蔵プリント配線基板を製造する部品内蔵プリント配線基板の製造方法において、部品搭載後のコア層1を加熱することにより電極3aと電子部品7とを半田接合するとともに、熱硬化性樹脂6bの硬化反応を進行させる半田接合・樹脂硬化工程において、硬化反応率が加熱終了時において10%〜70%の範囲内となるように熱硬化性樹脂6bの硬化反応を進行させる。これにより、黒化処理工程において熱硬化性樹脂6bが流動することによる不具合を防止するとともに、プリプレグ積層後のプレス工程において熱硬化性樹脂6bの適正な流動を許容して電子部品7の下面への充填性を確保することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の配線層を積層して構成されコア層に電子部品が実装された部品内蔵プリント配線基板の製造方法に関するものである。
近年電子機器の高機能化・小型化の進展に伴い、電子部品が実装された実装基板において実装密度の更なる高度化が求められる傾向にある。このため、電子部品の実装に用いられるプリント配線基板として、複数積層された配線層の内層に電子部品を実装したいわゆる部品内蔵型のものが用いられるようになっている(例えば特許文献1参照)。この特許文献例においては、プリント配線基板に複数層設けられた配線層のうち、内層にチップコンデンサ等のチップ部品を実装する例が示されている。これにより、プリント配線基板の外層に実装される電子部品の一部を内層に取り込むことができ、高密度の実装が実現されるという利点がある。
特開2007−214230号公報
しかしながら上述の特許文献例を含め、実装密度の高密度化を促進する目的で採用されるプリント配線基板の内層への部品内蔵においては、従来より次のような問題点がある。まず従来は、内蔵の対象となる部品の種類は主にコンデンサや抵抗などの受動部品に限定される場合が多く、半導体部品などを含めた基板全体の実装密度の高度化には限界があった。また半導体部品を内層へ実装しようとすれば、基板製造工程においてこれら部品を収容するためのキャビティの加工や部品を封止するための工程など、複雑な工程を経る必要があった。このように、従来技術においては、簡便な工程で効率よく部品内蔵プリント配線基板を製造するための技術が確立されておらず、新しい構成の部品内蔵プリント配線基板の製造方法が望まれていた。
そこで本発明は、簡便な工程で効率よく部品内蔵プリント配線基板を製造可能な部品内蔵プリント配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の部品内蔵プリント配線基板の製造方法は、コア層を含む複数の配線層を積層して構成され前記コア層に電子部品が実装された部品内蔵プリント配線基板を製造する部品内蔵プリント配線基板の製造方法であって、前記コア層の少なくとも一方の面に形成された配線回路を構成する接続用の電極に、半田の酸化膜を除去する活性作用を有する熱硬化性樹脂に半田粒子を含有させた半田接合材料を供給する半田供給工程と、前記半田供給工程後のコア層に前記電子部品を搭載する部品搭載工程と、前記部品搭載工程後のコア層を加熱することにより前記電極と前記電子部品とを半田接合するとともに、前記熱硬化性樹脂の硬化反応を進行させる半田接合・樹脂硬化工程と、前記半田接合・樹脂硬化工程後のコア層を黒化処理することにより、前記配線回路の表面を粗化する黒化処理工程と、前記黒化処理工程後のコア層において、前記電子部品を周囲から囲んで固定する部品固定層を形成するためのプリプレグおよび前記部品固定層の表面に形成される表面層を少なくとも含む複数の配線層を前記コア層と貼り合わせて積層する積層工程と、前記積層工程において形成された積層体を加熱加圧することにより、前記電子部品を周囲から囲んで固定する部品固定層を形成するとともに、前記コア層と前記複数の配線層とを固着させるプレス工程と、前記コア層の配線回路と前記配線層とを接続する層間配線部を形成する層間配線工程と、前記配線層に配線回路を形成する回路形成工程とを含み、前記半田接合・樹脂硬化
工程において、示差走査熱量計によって未硬化の熱硬化性樹脂および硬化反応が進行途中の熱硬化性樹脂をそれぞれ測定の対象として得られた第1の発熱量および第2の発熱量を用い第1の発熱量と第2の発熱量との差を第1の発熱量で除した比率を百分比で示した値によって定義される硬化反応率が、加熱終了時において10%〜70%の範囲内となるように、前記熱硬化性樹脂の硬化反応を進行させる。
本発明によれば、部品搭載後のコア層を加熱することにより電極と電子部品とを半田接合するとともに、熱硬化性樹脂の硬化反応を進行させる半田接合・樹脂硬化工程において、硬化反応率が加熱終了時において10%〜70%の範囲内となるように熱硬化性樹脂の硬化反応を進行させることにより、黒化処理工程において熱硬化性樹脂が流動することによる不具合を防止するとともに、プリプレグ積層後のプレス工程において熱硬化性樹脂の適正な流動を許容して電子部品の下面への充填性を確保することができ、簡便な工程で効率よく部品内蔵プリント配線基板を製造することができる。
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1、図2は本発明の一実施の形態の部品内蔵プリント配線基板の製造方法を示す工程説明図、図3は本発明の一実施の形態の部品内蔵プリント配線基板の製造方法における半田接合・樹脂硬化工程の加熱プロファイルを示す図である。
まず部品内蔵プリント配線基板の製造方法について説明する。図1,図2はコア層を含む複数の配線層を積層して構成されコア層に電子部品が実装された部品内蔵プリント配線基板を製造する方法を工程順に示すものである。図1(a)において、コア層1は絶縁性の樹脂基板2の上面2a、下面2bにそれぞれ配線回路3および配線回路5を形成した構成となっている。配線回路3の内側の端部は電子部品の端子を接続するための電極3aとなっている。すなわち電極3aは、コア層1の少なくとも一方の面(上面2a)に形成された配線回路3を構成する形態となっている。電極3aには、電子部品の端子との半田接合部の形成範囲を囲む配置・形状で予めソルダレジスト4が形成されている。
次いで、図1(b)に示すように、コア層1の少なくとも一方の面(上面2a)に形成された配線回路3を構成する接続用の電極3a上に、半田の酸化膜を除去する活性作用を有する熱硬化性樹脂6bに半田粒子6aを含有させた半田接合材料6を、スクリーン印刷やディスペンサによる塗布などの方法によって供給する(半田供給工程)。ここでは、半田粒子6aとしてAg3.0%,Cu0.5%を含有するSn系の半田の粒子、熱硬化性樹脂6bとしてビスフェノールA型のエポキシ樹脂を用い、エポキシ樹脂には硬化剤(活性剤)としてのオニウム塩が添加されている。
この後、図1(c)に示すように、半田接合材料6が電極3aに供給された半田供給工程後のコア層1に対して、両端部に端子7aを有するチップ型の電子部品7が搭載される(部品搭載工程)。次いで、電子部品7が搭載されたコア層1はリフロー装置に送られ、図1(d)に示すように、部品搭載後のコア層1を加熱することにより、電極3aと電子部品7の端子7aとを半田接合するとともに、熱硬化性樹脂6bの硬化反応を進行させる(半田接合・樹脂硬化工程)。
この半田接合・樹脂硬化工程においては、半田接合材料6中の半田粒子6aが溶融固化することにより、電極3aと端子7aとを接合して電気的に導通させる半田接合部6a*が形成される。このとき、溶融状態の半田が過度に濡れ拡がることによる流動が、電極3aに形成されたソルダレジスト4によって規制され、適正な形状の半田接合部6a*が形成される。なお、ソルダレジスト4は必ずしも必須ではなく、半田の流動に起因する不具
合のおそれがない場合には、ソルダレジスト4を形成しなくてもよい。この半田接合部6a*の形成とともに、熱硬化性樹脂6bの硬化反応が進行してゲル状となった樹脂部6b*が、半田接合部6a*を覆って形成される。このとき樹脂部6b*は電子部品7の下面側の隙間にも侵入するが、隙間内を完全に充填して封止するには至らず、部分的にボイド状態の隙間Sが残留する。
この半田接合・樹脂硬化工程においては加熱によって熱硬化性樹脂6bを完全に熱硬化させるのではなく、熱硬化性樹脂6bの熱硬化反応の進行度合いを示す硬化反応率が、加熱終了時において10%〜70%の範囲内となるように、熱硬化性樹脂6bの硬化反応を進行させるようにしている。硬化反応率をこのような範囲内に設定することの意義は、以下に説明する各工程の説明および後述する実験結果についての説明(表1)において詳述する。
ここで硬化反応率の定義を説明する。エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂は、樹脂を構成する高分子構造の加熱による重合反応が進行することによって硬化する。この硬化反応の進行度合いは、未硬化の熱硬化性樹脂および硬化反応が進行途中の熱硬化性樹脂をそれぞれ対象として、DSC(示差走査熱量測定)を行うことによって求められる。すなわち示差走査熱量計によって未硬化の熱硬化性樹脂および硬化反応が進行途中の熱硬化性樹脂をそれぞれ対象として示差走査熱量測定を行い、未硬化の熱硬化性樹脂についての発熱量の測定結果(第1の発熱量Q1)および硬化反応が進行途中の熱硬化性樹脂、すなわち硬化反応の進行度合いを求める測定対象となっている熱硬化性樹脂についての発熱量の測定結果(第2の発熱量Q2)を求める。
次いで測定された第1の発熱量Q1と第2の発熱量Q2を用い、第1の発熱量Q1と第2の発熱量Q2との差を第1の発熱量Q1で除した比率R(R=(Q1−Q2)/Q1)を求め、この比率を百分比で示した値によって、硬化反応が進行中の熱硬化性樹脂の硬化反応率を定義する。硬化反応の進行度合いを求める測定対象が未硬化状態である場合には、第1の発熱量Q1と第2の発熱量Q2とは等しくなるため硬化反応率は0%となり、硬化反応の進行度合いを求める測定対象が熱硬化反応が完全に進行した完全硬化状態である場合には、第2の発熱量Q2は0となることから硬化反応率は100%となる。
すなわち本実施の形態においては、熱硬化性樹脂6bの熱硬化反応の進行度合いを示す硬化反応率は、示差走査熱量計によって未硬化の熱硬化性樹脂および硬化反応が進行途中の熱硬化性樹脂をそれぞれ測定の対象として得られた第1の発熱量Q1および第2の発熱量Q2を用い、第1の発熱量Q1と第2の発熱量Q2との差を第1の発熱量で除した比率R(R=(Q1−Q2)/Q1)を百分比で示した値によって定義される。なお熱硬化性樹脂6bの熱硬化反応は、熱硬化性樹脂6bに配合する硬化剤の種類や配合量、加熱条件(最高加熱温度や加熱継続時間)などによって規定されることから、上述の硬化反応率は、硬化剤の選定や配合割合の設定および加熱プロファイルによってコントロールすることが可能である。
本実施の形態においては、図3に示す加熱プロファイルによって、上述の半田接合・樹脂硬化工程における加熱を行うようにしている。ここでは、融点Mpが217℃のSn系の半田を対象として、常温から最高加熱温度(265℃)まで短時間で昇温・降温させる加熱パターンを採用している。すなわち、常温から急速に温度を上昇させて融点Mpを超えて最高加熱温度に到達させ、半田接合材料6中の半田粒子6aを確実に溶融させた後には急速に常温まで降温させる。このとき、加熱温度を100℃以上に保持する加熱時間tが3min.未満となるように加熱制御することにより、加熱継続時間が必要以上に遅延しないようにしている。これにより、熱硬化性樹脂6bの硬化反応が必要以上に進行することが防止され、半田接合・樹脂硬化工程における硬化反応率を前述の範囲内に収めるこ
とが可能となる。
この後、半田接合・樹脂硬化工程後のコア層1を黒化処理することにより、配線回路の表面を粗化する(黒化処理工程)。すなわち、図2(b)に示すように、コア層1を強酸溶液などの処理液に浸漬することにより、配線回路3の表面3bや配線回路5の表面5aが酸化により粗化されて、これらの表面には微細な凹凸よりなるアンカーパターンが形成される。このとき、半田接合部6a*は熱硬化がある程度進行してゲル化した樹脂部6b*によって覆われて保護されていることから、黒化処理の作用は半田接合部6a*に及ぶことなく半田接合部6a*は健全な状態に保たれるとともに、電子部品7は樹脂部6b*によってコア層1に保持された状態を保つ。
この後、コア層1には電子部品7を固定するための部品固定層および複数の配線層が積層される。すなわち、図2(c)に示すように、電子部品7の位置に対応して開口部11aが設けられたプリプレグ11およびプリプレグ13の上面側に銅箔14を貼着した構成の配線層12を、コア層1の上面側(電子部品7側)に順次重ね合わせるとともに、プリプレグ16の下面側に銅箔17を貼着した構成の配線層15をコア層1の下面側に重ね合わせる。すなわちこの工程においては、黒化処理工程後のコア層1において、電子部品7を周囲から囲んで固定する部品固定層を形成するためのプリプレグ11および部品固定層の表面に形成される表面層12を少なくとも含む複数の配線層12,15をコア層1と貼り合わせて積層し、積層体18を形成する(積層工程)。
次いで、図2(d)に示すように、配線層15、コア層1、プリプレグ11および配線層12より成る積層体18をプレス装置によって30kg/cm2程度の圧力で加圧しながら、150℃〜200℃程度の温度で加熱する。これにより、プリプレグ13、11、16の各層に含浸された樹脂が軟化して相接する界面が相互に融着するとともに、表面3bおよび表面5aの表面にプリプレグ11、プリプレグ16がそれぞれ密着する。このとき、黒化処理工程において表面3bおよび表面5aの表面には微細なアンカーパターンが形成されていることから、良好な密着性が確保される。
さらにプリプレグ13、11中に含浸された樹脂が、加圧・加熱により開口部11a内において電子部品7との隙間部分を充填し、電子部品7や樹脂部6b*を周囲から固定する部品固定層11*を形成する。すなわちここでは、積層工程において形成された積層体18を加熱・加圧することにより、電子部品7を周囲から囲んで固定する部品固定層11*を形成するとともに、コア層1と複数の配線層12,15とを固着させる(プレス工程)。この加熱・加圧により、プリプレグ13、16は融着状態で熱硬化して、配線層12,15における絶縁層を形成する。
このプレス工程においては、樹脂部6c*は未だ熱硬化が完了しておらず流動性を保持していることから、プリプレグ11が加熱・加圧される過程において樹脂部6c*は流動し、電子部品7の下面側に残留した隙間Sに向かって周囲から移動(矢印a参照)する。これにより、隙間Sは樹脂部6b*によって充填されて、電子部品7の下面側に部分的に存在していたボイド(空孔)が消失する。
次いで図2(e)に示すように、積層体18を貫通するスルーホールの内面にメッキ層を形成することにより、コア層1の配線回路3と配線層12,15の銅箔14、17とを接続する層間配線部19を形成し(層間配線工程)、さらに配線層12,15の銅箔14、銅箔17にパターニングを施すことにより、配線回路14a、17aを形成する(回路形成工程)。
これにより、図2(e)に示すように、コア層1を含む複数の配線層(コア層1,配線
層12,15)を積層して構成され、コア層1に電子部品7が実装された部品内蔵プリント配線基板20が完成する。この部品内蔵プリント配線基板20においては、電子部品7はコア層1の少なくとも一方の面に形成された配線回路3を構成する接続用の電極3aに半田接合されており、また配線層12,15はプリプレグ13,16が固化した絶縁層に配線回路14a、17aを形成して構成された形態となっている。
さらに部品内蔵プリント配線基板20は、コア層1において電子部品7の端子7aと電極3aとの半田接合部6a*を樹脂によって覆って形成された樹脂部9と、コア層1の上面2a(一方の面)に積層されたプリプレグ11を固化させることにより形成され、電子部品7および樹脂部9を周囲から固定する部品固定層11*と、複数の配線層の1つであって部品固定層11*の表面に形成された表面層としての配線層12と、コア層1の配線回路3と表面層を含む他の配線層12,15の配線回路14a、17aとを接続する層間配線部19とを備えた構成となっている。
このようにして製造された部品内蔵プリント配線基板20はさらに部品実装の対象となり、表面層の配線層12、さらに必要に応じて下面層の配線層15に電子部品が実装され実装基板が完成する。実装基板の製造過程において本実施の形態に示すように多層配線基板のコア層に電子部品を実装することにより、実装密度を高度化して基板面積を減少させ、基板の製造コストを大幅に低減することが可能となっている。
ここで、半田接合・樹脂硬化工程における半田接合材料6中の熱硬化性樹脂の硬化反応率と、黒化処理工程およびプリプレグ積層後のプレス工程における熱硬化性樹脂の挙動との関係について、表1を参照して説明する。表1は、複数種類の半田接合材料を用いて、図3に示す加熱プロファイルによって前述の半田接合・樹脂硬化工程を実行した場合の硬化反応率の実測結果と、それぞれの場合において黒化処理工程での樹脂接着力およびプリプレグ積層後のプレス工程での樹脂流動性を評価した結果をまとめたものである。
Figure 2009141246
ここでは、半田接合材料6として前述のように、Ag3.0%,Cu0.5%を含有す
るSn系の半田を成分とする半田粒子6aを、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂を成分とする熱硬化性樹脂6bに混入した組成のものを用いている。ここでエポキシ樹脂には、硬化剤(活性剤)としてのオニウム塩が8通りの異なる配合割合で添加されており、これにより8種類の半田接合材料6が準備され、これらの半田接合材料6のそれぞれについて実験例1〜実験例8が実行されている。それぞれの実験例に用いられた半田接合材料6の組成を示す数値は、熱硬化性樹脂、半田粒子および硬化剤の配合割合を重量比で示すものである。熱硬化性樹脂および半田粒子の配合割合については、いずれの実験例においても100:300であり、硬化剤の配合割合は、実験例1〜実験例8のそれぞれについて、0.01、0.1、0.5、1、3、5、10、30の重量比に設定されている。
そしてこれら8種類の半田接合材料6を用いて前述の半田接合・樹脂硬化工程を実行した場合の硬化反応率の測定では、実験例1〜実験例8のそれぞれについて、2、5、10、39、51、70、82、90(%)の測定値が得られている。すなわち硬化剤の配合割合を増加させることにより、硬化反応率が増加する結果が得られている。これらの硬化反応率は前述の定義に基づいて算出されたものであり、示差走査熱量測定にはセイコーインスツルメンツ株式会社製の示差走査熱量計(型式DSC6220)を用いている。
そして、実験例1〜実験例8における黒化処理工程での樹脂接着力およびプリプレグ積層後のプレス工程での樹脂流動性の評価結果は、以下の通りである。まず黒化処理工程での樹脂接着力については、*1に示すように、樹脂部6b*の硬化が必要とされる度合いだけ進行していて、黒化処理後に電子部品が正常に接続されていると認められる場合を○評価とし、樹脂部6b*の硬化が不十分で、黒化処理中に熱硬化性樹脂6bが溶出し、接着力が著しく低下する現象が認められる場合を×評価としている。表1から判るように、硬化反応率が2%、5%の実験例1、2においては×評価が付されているものの、硬化反応率が増加して10%以上の場合にはいずれの実験例においても○評価が得られている。すなわち硬化反応率10%は、黒化処理後に電子部品が正常に接続されていると認められるための下限値としての意義を有している。
またプレス工程での樹脂流動性については、*2に示すように、樹脂部6b*が必要とされる度合いだけの流動性を未だ有しており、樹脂部6b*が部品周囲を封止、充填できると認められる場合を○評価とし、樹脂部6b*が既に適正範囲を超えて硬化しており、樹脂部6b*の流動性が不十分で部品下部の空孔(ボイド)の充填性が悪いと認められる場合を×評価としている。表1から判るように、硬化反応率が82%、90%の実験例7、8においては×評価が付されているものの、硬化反応率が低下して70%以下の場合には、実験例3〜実験例6において○評価が得られている。すなわち硬化反応率70%は、プレス工程において樹脂部6b*が部品周囲を封止、充填できると認められるための上限値としての意義を有している。なお実験例1、2については、黒化処理工程における樹脂接着力が×評価となってその後の工程が実行不能であることから、プレス工程での樹脂流動性についての評価結果は得られていない。
上述の実験結果をまとめると、表1に示す実験例1〜8のうち、鎖線枠[1]に示す範囲については、*1、*2の評価結果がいずれも○評価となっている。すなわち鎖線枠[1]に含まれる範囲に示す硬化反応率(10%〜70%)が半田接合・樹脂硬化工程後に実現されるように、半田接合材料の組成、加熱プロファイルを設定することにより、黒化処理工程での樹脂接着力およびプリプレグ積層後のプレス工程での樹脂流動性のいずれについても、良好な結果が得られることが判る。
従って本実施の形態に示す部品内蔵プリント配線基板の製造方法においては、上述の実験結果より得られた知見に基づき、半田接合・樹脂硬化工程において、前述のように定義される硬化反応率が、加熱終了時において10%〜70%の範囲内となるように、熱硬化
性樹脂6bの硬化反応を進行させるようにしている。これにより、黒化処理工程において熱硬化性樹脂が流動することによる不具合を防止するとともに、プリプレグ積層後のプレス工程において熱硬化性樹脂の適正な流動を許容して電子部品の下面への充填性を確保することができ、簡便な工程で効率よく部品内蔵プリント配線基板を製造することができる。
なお上記実施の形態においては、表1に示す組成の半田接合材料6に、図3に示す加熱プロファイルを適用することによって、半田接合・樹脂硬化工程における硬化反応率が上述範囲内となるようにしているが、本発明はこのような実施例には限定されず、表1に示す組成以外の半田接合材料について図3に示すパターン以外の加熱プロファイルを適用することによっても、本発明の効果を得ることが可能である。
すなわち、表1の実験結果に示すように、硬化反応率は硬化剤の配合割合の増加に伴って増大することが定性的に知られており、他の種類の硬化剤を他の組成の熱硬化性樹脂に用いる場合についても同様の定性的関係が成り立つ。また、加熱プロファイルについても、使用される半田を十分に溶融させるのに必要な所定温度まで昇温させるという条件下においては、加熱継続時間を長くするほど硬化反応率が増大することは自明である。従って、半田接合材料の組成および加熱プロファイルが指定され、指定された組成の半田接合材料を対象として、表1に示すような実験、すなわち硬化反応率を実測により求める実験を系統的または試行錯誤的に実行することにより、半田接合・樹脂硬化工程における硬化反応率が所望の範囲内となるような半田接合材料の組成を決定することができる。
本発明の部品内蔵プリント配線基板の製造方法は、簡便な工程で効率よく部品内蔵プリント配線基板を製造することができるという利点を有し、複数の配線層を積層して構成された部品内蔵プリント配線基板の製造分野に有用である。
本発明の一実施の形態の部品内蔵プリント配線基板の製造方法を示す工程説明図 本発明の一実施の形態の部品内蔵プリント配線基板の製造方法を示す工程説明図 本発明の一実施の形態の部品内蔵プリント配線基板の製造方法における半田接合・樹脂硬化工程の加熱プロファイルを示す図
符号の説明
1 コア層
2 樹脂基板
3 配線回路
3a 電極
4 ソルダレジスト
6 半田接合材料
6a 半田粒子
6a* 半田接合部
6b 熱硬化性樹脂
6b* 樹脂部
7 電子部品
11、13,16 プリプレグ
12、15 配線層
14,17 銅箔
14a、17a 配線回路
18 積層体
19 層間配線部
20 部品内蔵プリント配線基板

Claims (1)

  1. コア層を含む複数の配線層を積層して構成され前記コア層に電子部品が実装された部品内蔵プリント配線基板を製造する部品内蔵プリント配線基板の製造方法であって、
    前記コア層の少なくとも一方の面に形成された配線回路を構成する接続用の電極に、半田の酸化膜を除去する活性作用を有する熱硬化性樹脂に半田粒子を含有させた半田接合材料を供給する半田供給工程と、
    前記半田供給工程後のコア層に前記電子部品を搭載する部品搭載工程と、
    前記部品搭載工程後のコア層を加熱することにより前記電極と前記電子部品とを半田接合するとともに、前記熱硬化性樹脂の硬化反応を進行させる半田接合・樹脂硬化工程と、
    前記半田接合・樹脂硬化工程後のコア層を黒化処理することにより、前記配線回路の表面を粗化する黒化処理工程と、
    前記黒化処理工程後のコア層において、前記電子部品を周囲から囲んで固定する部品固定層を形成するためのプリプレグおよび前記部品固定層の表面に形成される表面層を少なくとも含む複数の配線層を前記コア層と貼り合わせて積層する積層工程と、
    前記積層工程において形成された積層体を加熱加圧することにより、前記電子部品を周囲から囲んで固定する部品固定層を形成するとともに、前記コア層と前記複数の配線層とを固着させるプレス工程と、
    前記コア層の配線回路と前記配線層とを接続する層間配線部を形成する層間配線工程と、
    前記配線層に配線回路を形成する回路形成工程とを含み、
    前記半田接合・樹脂硬化工程において、示差走査熱量計によって未硬化の熱硬化性樹脂および硬化反応が進行途中の熱硬化性樹脂をそれぞれ測定の対象として得られた第1の発熱量および第2の発熱量を用い第1の発熱量と第2の発熱量との差を第1の発熱量で除した比率を百分比で示した値によって定義される硬化反応率が、加熱終了時において10%〜70%の範囲内となるように、前記熱硬化性樹脂の硬化反応を進行させることを特徴とする部品内蔵プリント配線基板の製造方法。
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