JP2009141019A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボンディングレス実装が可能な高速の半導体装置を提供する。
【解決手段】
半導体装置10は、半導体基板1と、半導体基板1上に形成されたシリコン酸化膜2と、シリコン酸化膜2上に形成された第1導電型の半導体層3とを備えるSOI基板4と、表面から半導体基板1の表面まで達するトレンチ6が設けられている。トレンチ6の側面には、不純物濃度が高い第2導電型の第1拡散層が形成される。また、第1拡散層7から離隔されて第1導電型の第2拡散層9が形成されている。トレンチ6内部に導体が埋め込まれて、第1拡散層とコンタクトする第1電極10Aが形成される。第2拡散層9の表面には、第2拡散層9とコンタクトする第2電極10Bが形成される。SOI基板4の一方の面側には一つの電極が形成され、他方の面側にもう一つの電極が形成されることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】
半導体装置10は、半導体基板1と、半導体基板1上に形成されたシリコン酸化膜2と、シリコン酸化膜2上に形成された第1導電型の半導体層3とを備えるSOI基板4と、表面から半導体基板1の表面まで達するトレンチ6が設けられている。トレンチ6の側面には、不純物濃度が高い第2導電型の第1拡散層が形成される。また、第1拡散層7から離隔されて第1導電型の第2拡散層9が形成されている。トレンチ6内部に導体が埋め込まれて、第1拡散層とコンタクトする第1電極10Aが形成される。第2拡散層9の表面には、第2拡散層9とコンタクトする第2電極10Bが形成される。SOI基板4の一方の面側には一つの電極が形成され、他方の面側にもう一つの電極が形成されることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体装置に関し、特に、横型PiNダイオードの構造及びその製造方法に関する。
スイッチング電源やインバータ回路などの電力変換装置では、パワーMOSFETやIGBTのようなスイッチング素子とともにPiNダイオードが用いられている。このような電力用のPiNダイオードはスイッチングの高速化及びチップ面積縮小化のために電流密度を高くすることが有効である。特に、SOI基板を用いた横型PiNダイオードの場合、膜厚の薄いSOI層をドリフト層として用いることから、放熱効率が良く、電流密度を高くすることができる(例えば、特許文献1参照)。大電流密度化により、逆回復時間が10ns程度の超高速ダイオードを実現することができる。
従来のワイヤボンディングのような実装配線において、PiNダイオードに大電流密度の電流が流れ込むと、ワイヤ配線での発熱による断線の危険性、オン抵抗の増大、配線インダクタンスのような寄生インダクタンスの増大などの問題が生じる。これらの問題を解決するために、ボンディングレス実装配線が提案されている。このボンディングレス実装配線によれば、ワイヤボンディングを有しないため、断線の危険性が無くなり、オン抵抗が低下し、配線インダクタンスを低減することができるので有利である。
このようなボンディングレス配線を横型PiNダイオードに適用するためには、チップ表面に2電極を有するPiNダイオードとする必要がある。すなわち、従来の横型PiNダイオードの場合、P+型エミッタ拡散層(Pアノード)、N+型エミッタ拡散層(Nカソード)がチップ表面に形成され、それぞれについて引き出し電極を設ける必要がある。このため、チップ面積が小さくなるとボンディングレス実装を実現することは困難となる。
シリコン基板をPアノードまたはNカソードの1電極(裏面電極)として用いることが有効である。そうすることにより、チップ表面が1電極となり、ボンディングレス実装が実現可能となる。それが、ダイオードの大電流密度化、ひいては高速化に寄与する。
特開2000−174115号公報
本発明は、ボンディングレス実装を可能にした、高速の半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一つの態様において、半導体装置は、半導体基板と、半導体基板上に形成されたシリコン酸化膜と、シリコン酸化膜上に形成された第1導電型の半導体層とを備えるSOI基板と、半導体層の表面から半導体基板の表面まで達するトレンチと、トレンチに面した半導体層の側面に形成され半導体層より不純物濃度が高い第2導電型の第1拡散層と、第1拡散層から離隔されて半導体層内に形成され半導体層より不純物濃度が高い第1導電型の第2拡散層と、トレンチ内部に埋め込まれ半導体基板及び第1拡散層と接続する第1電極と、第2拡散層と接続し半導体層側に形成された第2電極とを備えたことを特徴とする。
本発明の他の態様において、半導体装置は、半導体基板と、半導体基板上に形成されたシリコン酸化膜と、シリコン酸化膜上に形成された第1導電型の半導体層とを備えるSOI基板と、半導体層の表面から半導体基板の内部まで達するトレンチと、トレンチに面した半導体層の側面に形成され、半導体層より不純物濃度が高い第2導電型の第1拡散層と、第1拡散層から離隔されて半導体層内に形成され、半導体層より不純物濃度が高い第1導電型の第2拡散層と、トレンチ内部に埋め込まれ半導体基板及び第1拡散層と接続する第1電極と、第2拡散層と接続し半導体層側に形成された第2電極とを備えたことを特徴とする。
さらに本発明の他の態様において、半導体装置の製造方法は、半導体基板と、半導体基板上に形成されたシリコン酸化膜と、シリコン酸化膜上に形成された第1導電型の半導体層とを備えたSOI基板に対して、該SOI基板上に酸化膜を形成する工程と、酸化膜の表面からシリコン酸化膜に達するトレンチを形成する工程と、トレンチに面した半導体層の側面に、斜め上方よりイオン注入を行い、第2導電型の第1拡散層を形成する工程と、トレンチから離隔して設けられた酸化膜の開口部を介して、半導体層の表面にイオン注入を行い、第1導電型の第2拡散層を形成する工程と、トレンチの底面を前記半導体基板に達するまでエッチングする工程と、スパッタ法により、トレンチの内部及び開口部に導体を埋め込む工程とを備える。
本発明によれば、ボンディングレス実装が可能な高速の半導体装置及びその製造方法を提供することができる。
[第1の実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明に係る半導体装置の第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る横型PiNダイオードの概略的な構造断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る半導体装置の第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る横型PiNダイオードの概略的な構造断面図である。
本実施の形態に係る横型PiNダイオード10は、SOI基板4内に形成されて構成される。ここで、SOI基板4は、単結晶シリコンから成る半導体基板1と、その半導体基板1上に形成された所定の厚さの埋め込み酸化膜(BOX)2と、その埋め込み酸化膜2の上に形成された後述するエミッタ拡散層より不純物ドープ濃度が低いN-型シリコン活性層(以下、SOI活性層という)3により構成される。
SOI活性層3の表面上には、熱酸化により形成された、例えばシリコン酸化膜のような絶縁膜5が約300nmの膜厚で形成されている。絶縁膜5には、所定の位置にコンタクトホール8A、8Bが開口されている。SOI基板4内部には、コンタクトホール8Aを通じて、深さ方向に、半導体基板1まで達するトレンチ6が形成されている。トレンチ6に面したSOI活性層3の側面には、例えばボロン(B)がイオン注入によりSOI活性層3よりも高濃度で不純物ドープされたP+型エミッタ拡散層(Pアノード)7が形成されている。P+型エミッタ拡散層7は、以下で詳細に説明するように、斜め上方よりイオン注入することにより形成される。そのため、側面から横方向に非常に浅い拡散領域を形成することができる。その結果、エミッタ不純物総量を減少させることができ、ダイオードの高速化に寄与する。
SOI活性層3のカソード領域には、コンタクトホール8Bをマスクとして、例えばリン(P)をイオン注入によりSOI活性層3よりも高濃度に不純物ドープされたN+型エミッタ拡散層(Nカソード)9が形成されている。
トレンチ6には、例えば、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、アルミニウム(Al)のような導体膜が順に埋め込まれてアノード電極10Aが形成される。アノード電極10Aは、トレンチ6の側面において、P+型エミッタ拡散層7と電気的に接続する。アノード電極10Aの底に埋め込まれたチタン原子は活性化アニール工程での熱処理により、シリコン基板1内に浸潤してシリコン基板1をシリサイド化する。それによって、アノード電極10Aとシリコン基板1との接触抵抗が低下する。チタンとアルミニウムとの間に挿入される窒化チタン膜は、アルミニウムがシリコンに拡散しないように、バリアメタルとして作用する。結果として、アノード電極10Aの上部のアルミニウムと、シリコン基板1とは低接触抵抗で電気的に接続される。ここで、上記チタン以外に、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等の他の金属を使用してシリサイドを形成してもよい。
コンタクトホール8A、8Bにはアルミニウムがスパッタ法により埋め込まれる。コンタクトホール8Bに埋め込まれたアルミニウムはN+型エミッタ拡散層9と電気的に接続し、N+型エミッタ拡散層9のカソード電極10Bを形成している。アノード電極10Aとカソード電極10Bの上部には、それぞれアルミニウム薄膜11A、11Bが形成されている。アルミニウム薄膜11Aはアノード電極10Aと電気的に接続し、P+型エミッタ拡散層7のフィールドプレートとして機能する。また、アルミニウム薄膜11Bはカソード電極10Bと電気的に接続し、N+型エミッタ拡散層9のフィールドプレートとして機能する。
アルミニウム薄膜11A、11Bの表面には、例えばプラズマCVD法により、例えばBPSG絶縁膜のような層間絶縁膜12が形成されている。アルミニウム薄膜11Aと11Bとは、層間絶縁膜12により互いに絶縁されている。N+型エミッタ拡散層9領域の上部の層間絶縁膜12には、コンタクトホール13が開口されている。層間絶縁膜12の表面には、スパッタ法により例えばアルミニウムが堆積されて、フォトリソグラフィー技術によりパターニングされたパッド電極14が形成されている。パッド電極14とアルミニウム薄膜11Bとはコンタクトホール13を介して互いに電気的に接続されている。
本実施形態に係る横型PiNダイオード10によれば、アノード電極10Aの底面がシリコン基板1と接しており、シリコン基板1の接触面がシリサイド化されていることから、シリコン基板1の裏面を電極として利用することができる。それによって、SOI基板4の表面に1電極、SOI基板4の裏面に1電極を有する構造とすることができる。この電極構成により、横型PiNダイオードにおいて、ボンディングレス実装配線を実現することが可能となる。
続いて、本実施形態に係るPiNダイオードの実装方法について、図面を参照して具体的に説明する。図2(A)は、従来のPiNダイオードの実装構造の概略を示し、図2(B)は本実施形態に係るPiNダイオードの実装構造の概略を示している。従来の横型PiNダイオード20は、上記したようにチップ表面に2つのパッド電極21A、21Bを有する。チップの周囲には、アルミニウム又は銅などから成る配線パターン22A、22Bが例えばエッチングにより形成されている。配線パターン22A、22Bの表面には、例えばニッケルメッキが施されている。パッド電極21A、21Bは、アルミニウムのようなワイヤボンディング23A、23Bにより、それぞれ配線パターン22A、22Bと接続されている。アルミニウムボンディングは例えば超音波ボンディングにより形成される。
これに対して、本実施形態に係る横型PiNダイオード10は、チップの表面S1に1電極、裏面S2に1電極構造を有する。パッド電極14は、例えば金(Au)から成るバンプ24を介して配線パターン25と接続されて樹脂製の基板26に実装されている。本実施形態に係る横型PiNダイオード10においては、従来のPiNダイオード20のようにワイヤボンディングを必要としない。したがって、大電流密度化が可能であり、結果として、ダイオードの高速化を実現することができる。
次に、本実施形態に係る横型PiNダイオード10の製造方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
図3から図9は、本実施の形態に係る横型PiNダイオード10の製造プロセスの一部を示したものである。説明の都合上、アニール工程については省略する。
まず、工程1として、図3に示すように、シリコン単結晶基板1、その上に例えば厚さが3μmの埋め込み酸化膜(BOX)2、その上に例えば厚さが5μmで不純物濃度が3×1015cm−3のSOI活性層3が順に形成されたSOI基板4を準備する。該SOI基板4に熱酸化処理をして、例えば膜厚300nmのシリコン酸化膜のような絶縁膜5を形成する。次に、表面全体にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィー技術を使って、トレンチを形成すべき領域に開口を有するマスク30を形成する。該マスク30を使って、RIE等によるドライエッチング(異方性エッチング)により、トレンチを形成するべき領域にコンタクトホール8Aを開口する。続いて、O2によるアッシング及び硫酸加水処理を行い、マスク30を除去する。
次に、工程2として、図4に示すように、絶縁膜5をマスクとして、RIE等のドライエッチングを行い、SOI活性層3内にトレンチ6を形成する。この際、埋め込み酸化膜2はエッチングストッパーとして機能する。続いて、トレンチ6に面したSOI活性層3に向けて、斜め上方より、例えばボロン(B)を、例えば1×1018cm−3の濃度でイオン注入し、縦方向に伸長したP+型エミッタ拡散層7A、7Bを形成する。ここで、不純物イオンは、SOI活性層3の側面に対して、大きな入射角で入射する。そのため、SOI活性層3の側面には、トレンチ6から横方向に非常に短い距離にピークを有する不純物濃度プロファイルが形成される。熱拡散の結果、横方向に非常に浅く拡散したP+型エミッタ拡散層7A、7Bが形成される。P+型エミッタ拡散層7A、7Bの横方向の拡散深さは、例えば約0.5μmである。
次に、工程3として、図5に示すように、表面全体にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィー技術を使って、N+型エミッタ拡散層を形成するべき領域に開口を有するマスク32を形成する。該マスク32を使って、RIE等のドライエッチングにより、シリコン酸化膜5にコンタクトホール8Bを開口する。次いで、マスク32を使って、例えばリン(P)を、例えば1×1018cm−3の濃度でイオン注入し、N+型エミッタ拡散層9を形成する。N+型エミッタ拡散層6の拡散深さは、例えば約0.5μmである。SOI活性層3内のP+型エミッタ拡散層7A、7BとN+型エミッタ拡散層9とに挟まれた領域は、例えば長さが約36μmのドリフト領域15を構成し、該ドリフト領域15を電流がP+型エミッタ拡散層7A、7BからN+型エミッタ拡散層9へ横方向に流れる。
次に、工程4として、図6に示すように、全面にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィー技術により、トレンチ6の領域にのみ開口を有するマスク33を形成する。次いで、該マスク33を使って、RIE等によるドライエッチングを行い、埋め込み酸化膜2にコンタクトホール34を開口する。次いで、O2アッシング及び硫酸加水処理によりマスク33を除去する。
次に、工程5として、図7に示すように、スパッタ法により、例えば、チタン、窒化チタン、アルミニウムのような導体膜を順にトレンチ6及びコンタクトホール8B内に埋め込み、金属層11を形成する。次いで、アニール処理を行い、トレンチ6の底部35に面したシリコン基板1の表面をシリサイド化する。チタン金属イオンはシリコン基板1内に熱拡散し、トレンチとの接触面がシリサイドを形成する。その結果、両者の接触抵抗が減少する。次いで、表面にレジストを塗布し、フォトリソグラフィー技術を使って、P+型エミッタ拡散層7A、7BとN+型エミッタ拡散層9との間に開口を有するマスク36を形成する。続いて、該マスク36を使って、金属層11をエッチングし、フィールドプレートとなる金属層11A、11Bを形成する。次いで、O2アッシングによりマスク36を除去する。
次に、工程6として、図8に示すように、例えばプラズマCVD法により層間絶縁膜となるBPSG膜12を例えば約1μm堆積する。BPSG膜12により、アノード電極10Aとカソード電極10Bは絶縁される。次いで、表面全体にフォトレジストを塗布し、N+型エミッタ拡散層9の上部に開口を有するマスク37を形成する。
次に、工程7として、図9に示すように、マスク37を使って、ドライエッチングを行い、BPSG膜12にコンタクトホール13を開口する。次いで、表面全体にスパッタ法により、例えばアルミニウム膜を例えば500nmの膜厚で堆積する。次いで、フォトリソグラフィー及びフォトエッチングプロセスによりパターニングしてパッド電極14を形成する。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置について説明する。図10は、第2の実施形態に係る横型PiNダイオードの概略的な構造断面図である。第2の実施形態に係る横型PiNダイオードは、トレンチ6の底部のシリコン基板1の表面に付加的拡散層44が形成されている点で、第1実施形態と異なる。第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素については同一符号で示す。
次に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置について説明する。図10は、第2の実施形態に係る横型PiNダイオードの概略的な構造断面図である。第2の実施形態に係る横型PiNダイオードは、トレンチ6の底部のシリコン基板1の表面に付加的拡散層44が形成されている点で、第1実施形態と異なる。第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素については同一符号で示す。
図10に示すように、トレンチ6の底面直下には、付加的拡散層44が形成されている。シリコン基板1は、付加的拡散層44と同じ導電型である。すなわち、この例ではシリコン基板1は、P型半導体基板である。P+型エミッタ拡散層43は、第1実施形態のP+型エミッタ拡散層7と対応している。酸化膜41は、第1実施形態のシリコン酸化膜5より薄く形成されている。これ以外の構成については、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
第2の実施形態によれば、トレンチ底部でのシリコン基板1とアノード電極10Aとの接触抵抗を低下させることができ、大電流密度化が可能である。結果として、ダイオードの高速化を実現することができる。また、以下で説明するように、アノードとなるP+型エミッタ拡散層43と付加的拡散層44は同一工程で同時に形成することができるため、余分な工程を必要とせず、プロセスを簡略化することが可能である。
以下に、第2の実施形態に係る横型PiNダイオード40の製造方法について図面を参照しながら説明する。図11から図16は、本実施の形態に係る横型PiNダイオード40の製造プロセスの一部を示したものである。説明の都合上、アニール工程については省略する。
まず、工程1として、図11に示すように、第1実施形態と同様のSOI基板4を準備し、SOI基板4を熱酸化処理して、例えば、膜厚300nmのシリコン酸化膜のような絶縁膜5を形成する。次に、表面全体にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィー技術を使ってマスク30を形成する。このマスク30を使って、トレンチを形成するべき領域にコンタクトホール8Aを開口する。次いで、マスク30を除去する。
次に、工程2として、図12に示すように、絶縁膜5をマスクとして、RIE等のドライエッチングを行い、SOI活性層3内にトレンチ6を形成する。この際、埋め込み酸化膜2はエッチングストッパーとして機能する。
次に、工程3として、図13に示すように、SiO2−RIEにより全面エッチバックを施し、埋め込み酸化膜(BOX)2を開口する。その結果、シリコン基板1にまで達するトレンチ6が形成される。この際、シリコンは、選択比がSiO2に比べ大きいためエッチングストッパーとして機能する。
次に、工程4として、図14に示すように、熱酸化処理し、SOI活性層3の表面及びシリコン基板の表面に、例えば、膜厚が50nm程度の薄い酸化膜41を形成する。次いで、全面にレジストを塗布し、フォトリソグラフィー技術を使って、トレンチ6領域に開口を有するマスク42を形成する。
次に、工程5として、図15に示すように、希フッ酸等によりウエットエッチングを施し、トレンチ6の側壁及び底面の酸化膜41を除去する。次いで、斜め上方より、トレンチ6の側壁及び底面に向けて、例えばボロン(B)を、例えば1×1018cm−3の濃度でイオン注入し、深さ方向に伸長したP+型エミッタ拡散層43a、43bを形成する。このとき、トレンチ底面にもボロンが注入され、P+型の付加的拡散層44が形成される。ここで、シリコン基板1がN型半導体であるとすると、PN接合が形成され、シリコン基板1からアノード電極10Aに電流が流れなくなる。したがって、シリコン基板1も付加的拡散層44と同じP型半導体である必要がある。尚、付加的拡散層44は、斜めイオン注入により形成されるため、トレンチ側壁のP+型エミッタ拡散層43a、43bに比べ不純物濃度が低くなる可能性がある。したがって、接触抵抗を低減するために、垂直上方から再度イオン注入を行うこともできる。
次に、工程6として、図16に示すように、表面全体にフォトレジストを塗布し、次いでフォトリソグラフィー技術を使って、N+型エミッタ拡散層を形成するべき領域に開口を有するマスク32を形成する。該マスク32を使って、例えばリン(P)を、例えば1×1018cm−3の濃度でイオン注入し、N+型エミッタ拡散層9を形成する。
以降の工程は、上述した第1実施形態に係る図3から図9と同様なので、説明を省略する。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置について説明する。図17は、第3の実施形態に係る横型PiNダイオードの概略的な構造断面図である。第3の実施形態に係る横型PiNダイオードは、トレンチ6の底部がシリコン基板1の内部まで達しており、その周囲に付加的拡散層66が形成されている点で、上述した第1実施形態及び第2実施形態と異なる。第3実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素については同一符号で示す。
次に、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置について説明する。図17は、第3の実施形態に係る横型PiNダイオードの概略的な構造断面図である。第3の実施形態に係る横型PiNダイオードは、トレンチ6の底部がシリコン基板1の内部まで達しており、その周囲に付加的拡散層66が形成されている点で、上述した第1実施形態及び第2実施形態と異なる。第3実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素については同一符号で示す。
図17に示すように、トレンチ6の底部63が、シリコン基板1の内部まで達しており、シリコン基板1には凹部63が形成されている。凹部63の周囲にはそれを覆うように付加的拡散層66が形成されている。付加的拡散層66は、P+型エミッタ拡散層65と同程度かやや低い濃度でイオン注入されて形成されたP+型拡散層である。シリコン基板1は、付加的拡散層66と同一導電型である。すなわち、この例ではシリコン基板1は、P型半導体基板である。P+型エミッタ拡散層65は、第1実施形態のP+型エミッタ拡散層7と対応している。これ以外の構成については、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
アノード電極10Aがシリコン基板1内部に達していることにより、アノード電極10Aとシリコン基板1との接触面積が増加する。また、それに伴い、アノード電極10Aの底部周囲に形成される付加的拡散層66の領域も拡大する。
第3の実施形態によれば、トレンチ6底部でのシリコン基板1とアノード電極10Aとの接触抵抗をより低下させることができ、大電流密度化が可能である。結果として、ダイオードの高速化を実現することができる。また、以下で説明するように、アノードとなるP+型エミッタ層65と付加的拡散層66は同一工程で同時に形成することができるため、余分な工程を必要とせず、プロセスを簡略化することが可能である。
以下に、第3の実施形態に係る横型PiNダイオード60の製造方法について図面を参照しながら説明する。図18から図25は、本実施の形態に係る横型PiNダイオード60の製造プロセスの一部を示したものである。説明の都合上、アニール工程については省略する。
まず、工程1として、図18に示すように、第1実施形態と同様のSOI基板4を準備し、SOI基板4を熱酸化処理して、例えば、膜厚300nmのシリコン酸化膜のような絶縁膜5を形成する。次に、表面全体にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィー技術を使ってマスク30を形成する。このマスク30を使って、トレンチを形成するべき領域にコンタクトホール8Aを開口する。次いで、マスク30を除去する。
次に、工程2として、図19に示すように、絶縁膜5をマスクとして、RIE等のドライエッチングを行い、SOI活性層3内にトレンチ6を形成する。この際、埋め込み酸化膜2はエッチングストッパーとして機能する。
次に、工程3として、図20に示すように、SiO2−RIEにより全面エッチバックし、埋め込み酸化膜(BOX)2を開口する。その結果、シリコン基板1にまで達するトレンチ6が形成される。この際、シリコンは、エッチング選択比がSiO2に比べ大きいためエッチングストッパーとして機能する。
次に、工程4として、図21に示すように、熱CVD法またはプラズマCVD法により、SOI活性層3の表面、トレンチ6の側壁及び底面にシリコン酸化膜61を堆積する。ここで、堆積するシリコン酸化膜の膜厚は、例えば300nmである。次いで、全面にレジストを塗布し、フォトリソグラフィー技術を使って、トレンチ6領域に開口を有するマスク62を形成する。
次に、工程5として、図22に示すように、SiO2−RIEを施し、トレンチ6底部のシリコン酸化膜のみをエッチングする。次いで、O2アッシング及び硫酸加水処理によってマスク62を除去する。
次に、工程6として、図23に示すように、Si−RIEを施し、トレンチ6底部のシリコン基板1をエッチングし、シリコン基板1に凹部63を形成する。ここで、凹部63の深さは、例えば1μmであるが、これに限定されない。
次に、工程7として、図24に示すように、希フッ酸などを使ってウエットエッチングを施し、トレンチ6の側壁のシリコン酸化膜61を除去する。次いで、斜め上方より、例えばボロン(B)を、例えば1×1018cm−3の濃度でイオン注入し、深さ方向に伸長したP+型エミッタ拡散層65a、65bを形成する。その際、トレンチ底面にもボロンが注入され、付加的拡散層66が形成される。ここで、シリコン基板1がN型半導体であると、PN接合が形成され、基板からアノードに電流が流れなくなる。したがって、シリコン基板1も付加的拡散層66と同じP型半導体である必要がある。尚、付加的拡散層66は、斜めイオン注入により形成されるため、トレンチ側壁のP+型エミッタ拡散層65a、65bに比べ不純物濃度が低くなる可能性がある。したがって、接触抵抗を低減するために、垂直上方から再度イオン注入を行うこともできる。
ここで、付加的拡散層66は、第2実施形態で形成される付加的拡散層44よりも拡散範囲が大きい。シリコン基板1の凹部63において、凹部63の直下のみではなく、凹部63の側面にもボロンがイオン注入されるため、凹部63の周囲全体に付加的拡散層66が形成される。その結果、アノード電極10Aと、シリコン基板1との接触抵抗がより低減される。
次に、工程8として、図25に示すように、全面にフォトレジストを塗布した後、フォトリソグラフィー技術を使って、N+型エミッタ拡散層を形成するべき領域に開口を有するマスク32を形成する。該マスク32を使って、例えばリン(P)を、例えば1×1018cm−3の濃度でイオン注入し、N+型エミッタ拡散層9を形成する。
以降の工程は、上述した第1実施形態に係る図3から図9と同様なので、説明を省略する。
[その他]
以上、発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、追加等が可能である。例えば、トレンチ6を形成してから、N+型エミッタ拡散層9を形成する代わりに、N+型エミッタ拡散層9の不純物拡散を実行した後に、トレンチ6を形成してもよい。また、フィールドプレートは2層以上の金属層により形成してもよい。
以上、発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、追加等が可能である。例えば、トレンチ6を形成してから、N+型エミッタ拡散層9を形成する代わりに、N+型エミッタ拡散層9の不純物拡散を実行した後に、トレンチ6を形成してもよい。また、フィールドプレートは2層以上の金属層により形成してもよい。
また、埋め込み金属は、Ti/TiN/ALに限定されず、例えば、埋め込み性の高いタングステン(W)、銅(Cu)等を用いることもできる。
1・・・シリコン基板、 2・・・埋め込み酸化膜、 3・・・SOI活性層、 4・・・SOI基板、 5・・・絶縁膜、 6・・・トレンチ、 7・・・P+型エミッタ拡散層、 8A、8B・・・コンタクトホール、 9・・・N+型エミッタ拡散層、 10A・・・アノード電極、 10B・・・カソード電極、 11A・・・フィールドプレート、 11B・・・フィールドプレート、 12・・・層間絶縁膜、 13・・・コンタクトホール、 14・・・パッド電極。
Claims (5)
- 半導体基板と、前記半導体基板上に形成されたシリコン酸化膜と、前記シリコン酸化膜上に形成された第1導電型の半導体層とを備えるSOI基板と、
前記半導体層の表面から前記半導体基板の表面まで達するトレンチと、
前記トレンチに面した前記半導体層の側面に形成され前記半導体層より不純物濃度が高い第2導電型の第1拡散層と、
前記第1拡散層から離隔されて前記半導体層内に形成され前記半導体層より不純物濃度が高い第1導電型の第2拡散層と、
前記トレンチ内部に埋め込まれ前記半導体基板及び前記第1拡散層と接続する第1電極と、
前記第2拡散層と接続し前記半導体層側に形成された第2電極と、
を備えたことを特徴とする半導体装置。 - 半導体基板と、前記半導体基板上に形成されたシリコン酸化膜と、前記シリコン酸化膜上に形成された第1導電型の半導体層とを備えるSOI基板と、
前記半導体層の表面から前記半導体基板の内部まで達するトレンチと、
前記トレンチに面した前記半導体層の側面に形成され、前記半導体層より不純物濃度が高い第2導電型の第1拡散層と、
前記第1拡散層から離隔されて前記半導体層内に形成され、前記半導体層より不純物濃度が高い第1導電型の第2拡散層と、
前記トレンチ内部に埋め込まれ前記半導体基板及び前記第1拡散層と接続する第1電極と、
前記第2拡散層と接続し前記半導体層側に形成された第2電極と、
を備えたことを特徴とする半導体装置。 - 前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方の上部に形成され、フィールドプレートを構成する金属層をさらに備えることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
- 前記トレンチの底部に面した前記半導体基板の表面に前記半導体層より不純物濃度の高い第2導電型の付加的拡散層をさらに有し、前記半導体基板は第2導電型であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の半導体装置。
- 半導体基板と、前記半導体基板上に形成されたシリコン酸化膜と、前記シリコン酸化膜上に形成された第1導電型の半導体層とを備えたSOI基板に対して該SOI基板上に酸化膜を形成する工程と、
前記酸化膜の表面から前記シリコン酸化膜に達するトレンチを形成する工程と、
前記トレンチに面した前記半導体層の側面に、斜め上方よりイオン注入を行い、第2導電型の第1拡散層を形成する工程と、
前記トレンチから離隔して設けられた前記酸化膜の開口部を介して、前記半導体層の表面にイオン注入を行い、第1導電型の第2拡散層を形成する工程と、
前記トレンチの底面を前記半導体基板に達するまでエッチングする工程と、
スパッタ法により、前記トレンチの内部及び前記開口部に導体を埋め込む工程と、
を備える半導体装置の製造方法。
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JP2007313935A JP2009141019A (ja) | 2007-12-04 | 2007-12-04 | 半導体装置及びその製造方法 |
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JP2015088670A (ja) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | トヨタ自動車株式会社 | ツェナーダイオード |
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