JP2009139879A - ペリクル - Google Patents

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Abstract

【課題】オゾンや有機系ガスをペリクル膜の内側とフォトマスクプレート上との空間内で濃縮させないために、ペリクルフレームの部材にフィルター機能を有する素材を用いたペリクルフレームを具備させることで、HAZEを発生させないペリクルを提供すること。
【解決手段】1側面以上の側面がフィルター機能またはフィルター素材を有するペリクルフレームと、ペリクルフレームに装着されるペリクル膜と、を備えることを特徴とするペリクル。
【選択図】図1

Description

本発明は、ペリクルに関し、特に、フォトマスク用防塵カバーであるペリクルを構成するペリクルフレームの材質にフィルター繊維またはフィルター機能を持つ部材を使用することを特徴とするペリクルに関する。
ウェハ等を用いた半導体を製造する場合には、フォトマスクに形成されたパターンをフォトレジスト等の感光剤を塗布した基板上に投影光学系にて露光する投影露光方式が使用されている。近年、パターン形状の微細化に伴い、使用される露光光は短波長化される傾向にあり、KrF(波長248nm)やArF(波長193nm)を用いた露光装置が実用化され、1つの半導体回路に対して数十枚に及ぶフォトマスクが使用されている。
これらのフォトマスクは露光時、または保管時、または搬送時に周囲を浮遊する浮遊埃が付着して異物となる。フォトマスク上の異物は、露光時、その部分の結像を妨げるため、製品に欠陥が現れる。このようなフォトマスク表面に付着する異物により解像不良を防ぐため、フォトマスクは表面に透光性を有する防塵カバーとしてペリクルを装着している(特許文献1参照)。
ペリクルを装着したフォトマスクにおいて、近年では、使用環境によって欠陥が発生している。これは、周囲を浮遊する異物以外にも、露光、保管を繰り返す事で、ペリクルを構成する部材内部の曇り原因物質が変質して異物となり、フォトマスク上に該異物が徐々に堆積する影響によるものである。
フォトマスク上に異物が一定以上堆積すると、フォトマスクに曇りが発生し、製品に欠陥が現れる。このため、曇りを除去するためにフォトマスクを洗浄する必要があるが、洗浄により、製品製造のためのコストが増大したり、フォトマスクのパターンが磨耗したりする。
さらに近年においてはペリクル膜とフォトマスクとの空間中に露光により発生するオゾン、有機物の酸化によるHAZE(ヘイズ)の発生も懸念されており、ペリクル膜とフォトマスクとの空間中のオゾンの除去の必要性が高まっている。
従来、露光により発生するHAZEのサイズは非常に小さく、ウェハに露光する際の影響も小さく、検査時にも検出されず大きな問題とされてこなかった。しかし、ウェハに露光されるパターンの微細化が進んだことや、検査技術の進歩によりこれまで見過ごされてきた異物についても検出されるようになり、これらの問題が顕在化してきた。
このため、ペリクル内でHAZEを発生させないために、オゾンを発生させない治具または手法、オゾンが濃縮されない治具または手法が求められている。さらに、ペリクル内で有機ガスが発生しても極力その有機ガスをペリクル内に濃縮させない治具または手法が求められている。
特開2003-57804号公報
本発明は、オゾンや有機系ガスをペリクル膜の内側とフォトマスクプレート上との空間内で濃縮させないために、ペリクルフレームの部材にフィルター機能を有する素材を用いたペリクルフレームを具備させることで、HAZEを発生させないペリクルを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る発明は、1側面以上の側面がフィルター機能を有するペリクルフレームと、ペリクルフレームに装着されるペリクル膜と、を備えることを特徴とするペリクルとしたものである。
本発明の請求項2に係る発明は、ペリクルフレームの素材は、フィルター素材を有することを特徴とする請求項1に記載のペリクルとしたものである。
本発明の請求項3に係る発明は、ペリクルフレームは骨格形状であり、ペリクルフレームにフィルターを設置することを特徴とする請求項1又は2に記載のペリクルとしたものである。
本発明の請求項4に係る発明は、ペリクルフレームの材料は、フッ素系樹脂、炭素繊維、無機材料の繊維を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のペリクルとしたものである。
本発明の請求項5に係る発明は、フィルターは、HEPAフィルター、ULPAフィルターを用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のペリクルとしたものである。
本発明の請求項6に係る発明は、ペリクルフレームは、部分的にペリクルフレームの本数を増加させたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のペリクルとしたものである。
本発明の請求項7に係る発明は、ペリクルフレームは、シリコン樹脂系、ポリ酢酸ビニル樹脂系又はアクリル樹脂系の接着剤で補強されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のペリクルとしたものである。
本発明によれば、オゾンや有機系ガスをペリクル膜の内側とフォトマスクプレート上との空間内で濃縮させないために、ペリクルフレームの部材にフィルター機能を有する素材を用いたペリクルフレームを具備させることで、HAZEを発生させないペリクルを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。実施の形態において、同一構成要素には同一符号を付け、実施の形態の間において重複する説明は省略する。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係るペリクル1は、ペリクル膜11、ペリクルフレーム12を備えている。さらに、図2(a)及び(b)に示すように、フォトマスク10、マスク接着剤13、ペリクル接着剤14、フレーム15を備えている。本発明の実施の形態においてペリクルフレーム12は、フィルター素材かつフィルター機能を有することが特徴である。
本発明の実施の形態において、ペリクルフレーム12は、一側面または、複数側面にフィルター素材かつフィルター機能を有することで、オゾンや内部で発生するペリクル由来のガスが一定量以上濃縮されないようにできる。ここで、側面とは、ペリクル膜11が装着されるペリクルフレーム12のことである。
ペリクルフレーム12は、全側面に対して面積で20%以上がフィルター材料であることが好ましい。全側面に対して面積で20%以上がフィルター材料であるペリクルフレーム12を用いることにより、ペリクル膜11の内側とフォトマスク10内とで異物を発生させないかつペリクル膜11の内側に異物を侵入させないようにでき、オゾンや内部で発生するペリクル由来のガスが一定量以上濃縮されないようにできる。ペリクルフレーム12の全側面に対して面積で20%より少ないフィルター材料を用いると、ペリクル膜11の内側とフォトマスク10とにおいて、オゾンや内部で発生するペリクル由来のガスが濃縮されてしまう。
図2(a)または(b)に示すように、本発明の実施の形態において、ペリクルフレーム12とペリクル膜11とを均一に貼るためのペリクル接着剤14を添加する箇所と支柱となる箇所のみアルミなどの金属または、フィルターの強度を強化したフレーム15を用いることが特徴である。さらに、図2(c)に示すように、ペリクル1とフォトマスク10とを接着する際の強度や均一性を安定化させるために、アルミなどの金属または、フィルターの強度を強化したフレーム16を具備させてもよい。
図3(a)または(b)に示すように、本発明の実施の形態に係るペリクルフレーム12は、フレーム15を骨格のみの形状とすることでフィルターの面積を大きく取ることができ、さらに、オゾンや内部で発生するペリクル由来のガスが一定量以上濃縮されない。また、ペリクル膜11を均一に貼るために、ペリクル膜11とフレーム15とを接着する際に発ガスの極めて少ないペリクル接着剤14を容易に接着することできる。
ペリクルフレーム12に設置されるフィルターは、有機、酸、アルカリ性ガスの除去ができるために、ペリクル1内でのガスの濃縮の低減ができる。フィルターの材料としては、JIS Z8122(2000)で定義されるHEPAフィルター、ULPAフィルターを用いることができる。
図4(a)は、ペリクルフレーム12の製造方法の一例を示す図であり、図4(b)は、図4(a)をC−C線で切断した概略断面図であり、図4(c)は、図4(a)をペリクルフレーム12として形成した概略断面図である。
図3(a)及び(b)に示すように、本発明の実施の形態に係るペリクルフレーム12において、フィルター素材かつフィルター機能を持たせて密度を上げることで、ペリクルフレーム12の強度を上げることができる。また、図4(a)に示すような構造にしてもよく、均一性のあるペリクルフレーム12が製造可能になる。
ペリクルフレーム12において、部分的にペリクルフレーム12の本数を増加させることによりペリクルフレーム12の強度を上げることができる。
また、ペリクル1の形状については、一例として長方形状のみについて説明したが、ウェハの露光に支障がない範囲であれば、いかなる形状であってもよい。
本発明の実施の形態に係るオゾンや有機ガスを濃縮させないペリクルフレーム12に装着されるペリクル膜11を備えるペリクル1について説明する。ペリクル1は、フォトマスク10上に設置する透光性を有する防塵カバーである。ペリクル1はペリクル膜11を保持し、展開するためのペリクルフレーム12を備えている。ペリクル1は透光性を有し異物をトラップするためのペリクル膜11と、ペリクルフレーム12とペリクル膜11を接着するためのペリクル接着剤14と、ペリクルフレーム12とフォトマスク10とを接着するためのマスク接着剤13を具備している。
従来使用されていた、ペリクルフレーム内外の圧力差を調節するためのフィルターは、本発明の実施の形態においてペリクルフレーム12自体にその機能をもたせるため具備していない。
ペリクル膜11は、ペリクルフレーム12により保持され、フォトマスク10の露光エリアを覆うように設けられる。このため、ペリクル膜11は露光によるエネルギーを遮断させないように、透光性を有する。また、ペリクル膜11は、シワなどによりフォトマスク10表面に影を作らせないように、ペリクルフレーム12と均一の力がかかるよう貼られている。ペリクル膜11の材料としては、フッ素系や酢酸セルロース等の透明性膜や、石英ガラスなどが用いられている。
このペリクル膜11が均一に貼られるため、かつフォトマスク10に対してペリクル膜11を水平に保つために、ペリクルフレーム12とペリクル接着剤14との間に金属などからなるフレーム15を具備する。
ペリクルフレーム12は、ペリクル膜11を保持し、展開するために設けられる。また、ペリクルフレーム12の形状は露光部に影響を与えないように作製され、金属や樹脂や無機繊維からなる骨格形状のペリクルフレーム12にフィルター素材からなるフレーム15を填めこみまたは、接着などで配置する。この時、他から来た発塵を露光部に存在させない。
ペリクルフレーム12の材料は、フッ素系樹脂、炭素繊維、無機材料の繊維などを用いることができ、これらの材料はフィルター機能を備えている。ペリクルフレーム12には、フィルター機能を備えているためにフィルター自身からのガスの発ガスや通気性を保つことができる。さらに、これらの材料にオゾン分解性触媒などを塗布することで、オゾンの濃縮を防ぐことができる。ペリクルフレーム12の骨格部にはアルミなどの金属系フレーム15や、樹脂系フレーム15などを用いることができる。
ペリクル接着剤14は、ペリクルフレーム12とペリクル膜11とを接着するために用いられる。ペリクル接着剤14としては、シリコン樹脂系、ポリ酢酸ビニル樹脂系、アクリル樹脂系の接着剤が好適である。これらのペリクル接着剤14のうち、より発ガス性の低いものが選択され、ペリクル接着剤14として使用される。
マスク接着剤13は、ペリクルフレーム12とフォトマスク10とを接着するために用いられる。マスク接着剤13としては、シリコン樹脂系やアクリル樹脂系の接着剤が好適である。これらのマスク接着剤13のうち、より発ガス性の低いものが選択され、マスク接着剤13として使用される。
ペリクル膜11は、フォトマスク10に付着する異物に焦点が合うことを防ぎ、ウェハへの解像不良を防ぐため、フォトマスク10上に装着される。このとき、ペリクル1はフォトマスク10の露光エリアを覆うように装着される。
本発明の実施の形態に係るペリクル1は、オゾンをペリクル膜11の内側とフォトマスクプレート10上の空間内で濃縮させないために、ペリクルフレーム12の部材にフィルター機能を有する素材を具備させることで、HAZEの発生を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係るペリクル1は、フィルター面積を可能な限り広く取れるため、ペリクル1の空間内と外の通気性が高まり、ペリクル1の内部で発生するペリクル1由来のガスが濃縮されなくなり、HAZEの発生を抑制することができる。さらに上記ペリクル1を使用することで、上記由来のHAZEの発生を抑え、安定的なフォトマスク10の使用ができる。
まず、図1に示すように、擬似的にフィルターを用いたペリクルフレーム12と、ペリクルフレーム12に装着したペリクル膜11とを備えたペリクル1をフォトマスク10に装着した。従来のアルミ素材で作製されたペリクルフレームと、ペリクルフレームに装着されたペリクル膜を備えたペリクルをフォトマスクに装着した。
それぞれ、ペリクルの内外に、ガスを吸着させるための治具(Twister、 Gerstel社製)を導入し、それぞれ一定時間放置後に、ペリクル内外に置いたガスを吸着させる治具を回収し、加熱脱着式GC/MS分析を加熱脱着装置(TDSA2/TDS/CIS、 Gerstel社製)とガスクロマトグラフ質量分析計(6890N/5973MSD、 Aglent社製)とを用いて実施した。この時、ペリクルの外部環境は一定量のNを常時パージしておき、他の環境や部材由来の汚染が入らないよう配慮をした。
評価結果を図5に示す。従来のペリクルを用いたときにペリクル膜内側とフォトマスクプレート内の空間中に存在するガスを1としたときに、本発明の実施の形態に係るペリクル膜11の内側とフォトマスク10内の空間に存在するガスの量は従来ペリクルと比較して約1/5程度に低減されていた。
実施例1と同一条件で作製されたペリクルフレーム12を用いたペリクル1と、従来のペリクルフレームを用いたペリクルとを用いた。図1に示すペリクル1において、通常のペリクルフレーム12とフレーム部にフィルター素材を用いたペリクルフレーム12を用いたペリクル1をフォトマスク10に装着した。
次に、ArFレーザ(ximer−300 MPB社製)をフォトマスク10上において、1パルス当たり0.25mJ/cmのエネルギー密度、200Hzの波長でそれぞれ同一ショット照射した。この時、エネルギーの劣化などの変動はなかった。露光雰囲気は環境由来の汚染が含有されない条件とした。
この結果、ペリクルフレーム12にフィルター素材を用いたペリクル1を具備するフォトマスク10のテストプレートからは生成物が検出されなかった。
通常のフレームを用いたペリクルを具備するフォトマスクのテストプレートからは0.1μmレベルの生成物が多数検出された。
本発明の実施の形態に係るペリクルの一例を示す概略上面図である。 (a)は、図1をA-A線で切断した概略断面図であり、(b)は、図1をB−B線で切断した概略断面図であり、(c)は、本発明の実施の形態に係るペリクルの一例を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係るペリクルフレームを鳥瞰的に示す鳥瞰図である。 (a)は、本発明の実施の形態に係るペリクルの製造方法の一例を示す概略上面図であり、(b)は、(a)をC−C線で切断した概略断面図であり、(c)は、(a)をペリクルフレーム12として形成した概略断面図である。 従来のペリクルと本発明の実施の形態に係るペリクルの捕集治具を用いてガスクロマトグラフ質量分析計にて発ガス量の比較を実施した結果を示す図である。
符号の説明
1…ペリクル
10…フォトマスク
11…ペリクル膜
12…ペリクルフレーム
13…マスク接着剤
14…ペリクル接着剤
15…フレーム

Claims (7)

  1. 1側面以上の側面がフィルター機能を有するペリクルフレームと、
    前記ペリクルフレームに装着されるペリクル膜と、
    を備えることを特徴とするペリクル。
  2. 前記ペリクルフレームの素材は、フィルター素材を有することを特徴とする請求項1に記載のペリクル。
  3. 前記ペリクルフレームは骨格形状であり、前記ペリクルフレームにフィルターを設置することを特徴とする請求項1又は2に記載のペリクル。
  4. 前記ペリクルフレームの材料は、フッ素系樹脂、炭素繊維、無機材料の繊維を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のペリクル。
  5. 前記フィルターは、HEPAフィルター、ULPAフィルターを用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のペリクル。
  6. 前記ペリクルフレームは、部分的にペリクルフレームの本数を増加させたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のペリクル。
  7. 前記ペリクルフレームは、シリコン樹脂系、ポリ酢酸ビニル樹脂系又はアクリル樹脂系の接着剤で補強されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のペリクル。
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