JP4512782B2 - マスク構造体及びそれを用いた半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

マスク構造体及びそれを用いた半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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本発明はマスク構造体及びそれを用いた半導体デバイスの製造方法に関し、特に詳しくは、フォトマスク基板に形成されたパターンを保護する保護カバーを備えるマスク構造体及びそれを用いた半導体デバイスの製造方法に関する。
半導体装置や液晶表示装置などの製造工程において、半導体ウエハあるいは液晶表示装置用基板上に光を照射してパターンを形成するリソグラフィー工程がある。このリソグラフィー工程では、例えば矩形状のフォトマスク基板に形成されたパターンに光を照射し、フォトマスク基板を透過した光をウエハ上で結像させて、ウエハ上のレジスト剤を感光させることにより、ウエハ上に所定のパターンを転写する。
上記のパターン転写処理を行う際、フォトマスク基板上に形成されたパターンに異物が付着すると、異物が光を吸収したり、光を屈折させてしまうため、転写したパターンに異常が発生する。これによって、配線の絶縁不良や短絡などの不良原因となり、半導体装置や液晶表示装置などの性能が悪化し、製造の歩留りが低下するという問題があった。これを防止するため、一般に、フォトマスク基板に形成されたパターンを、ペリクルにより保護する方法が採られている。
通常、ペリクルは、フォトマスク基板に形成されたパターン領域の外側を囲むように配置されたペリクルフレームとこれに張設されるペリクル膜を備えている。ペリクルフレームはフォトマスク基板の形状に対応しており、矩形の外周を有する枠状に設けられている。ペリクル膜は、ペリクルフレームにより保持され、フォトマスク基板のパターン形成面と所定の間隔を置いて張設される。この場合、異物はフォトマスク基板のパターン面に直接付着することなく、ペリクル膜上に捕らえられる。露光時に、焦点をフォトマスク基板上に合わせておけば、ペリクル膜状の異物はウエハ上で結像することがなく、転写とは無関係になる。
近年、半導体デバイスの高集積化が進展し、それに伴って半導体デバイスに用いられる半導体ウエハの表面に形成されるパターンも極めて微細化されてきている。このため、リソグラフィー工程においても、露光光の短波長化が進み、波長157nmのFエキシマレーザ光を用いる研究が進められている。このような露光光の短波長化に伴って、従来使用していた有機系のペリクル膜では、十分な耐光性を得ることが困難になってきている。そこで、ペリクル膜の代わりに、短波長の露光光に対しても十分な耐光性を有する透過性の基板を用いたフォトマスクが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、他の構成のフォトマスクも開示されている(例えば、特許文献2、3参照。)。
再表99/49366号公報 特開2004−240221号公報 特開2002−252162号公報
ところで、フォトマスク基板とペリクルとは、シリコン系の接着材などにより接着されている。短波長の光源を使用する場合、フォトマスク基板とペリクルとで閉じた領域内で、上述した接着材から発生したガスが重合し、フォトマスク基板のパターン表面に異物が形成されてしまうことがある。このとき、ペリクルを取り外しフォトマスク基板の洗浄を行う必要がある。一般に、ペリクルフレームは剛性が高いため曲がりにくく、角から取り外す場合は、その角を形成する2辺を一気にはがすことになる。このため、ペリクルの取り外しに伴って、発塵したり、フォトマスク基板のパターンにダメージを与えてしまうことが多かった。
特許文献2には、接着材を使用せず、ペリクルとフォトマスク基板との間の空間を真空にすることで、容易にペリクルの取り外しができるフォトマスクの構成が開示されている。しかし、この場合、フォトマスク基板とペリクルとの間に応力が発生してしまい、フォトマスクが歪んでしまうという問題があった。
一方、さらに、光の回折限界によって制限されるパターンの解像度を向上させるために、電子線やX線を用いたリソグラフィー技術が注目されている。例えば、EUV(Extreme Ultra Violet)リソグラフィーにおいては、10〜15nm程度の短い露光波長の光源が使用される。この波長の短い露光光は、フォトマスク基板によって吸収されてしまうため、従来の紫外線露光に適用されていた透過光によるパターン形成は不可能である。このため、反射光を利用した反射型フォトマスクが考えられている。EUVは、大気でも吸収されて減衰するため、露光は真空中で行われる。
このEUVリソグラフィーにおいても、耐光性の不足から上述したペリクル膜の使用は困難である。また、EUVの波長域では、透明な物質は存在せず、露光中に異物の付着を防止する基板を配置することもできない。したがって、フォトマスクの保管時や搬送時などは保護カバーを使用して異物の付着を防止し、露光の直前に保護カバーを取り外すことが行われている。
特許文献3には、EUV用のフォトマスクが開示されており、フォトマスク基板とペリクルの間の空間を真空としてOリングで気密性を保って固定してする構成が開示されている。しかし、これには複雑な機構が必要となり、その部分からの発塵が懸念されている。
本発明は、このような事情を背景としてなされたものであり、簡便に脱着可能な保護カバーを備えたマスク構造体及びそれを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかるマスク構造体は、所定のパターンが形成されたパターン面を有するマスク基板と、前記マスク基板の前記パターン面側に、前記パターンを囲むように配置されたフレームと、前記フレームに貼り付けられ、前記マスク基板の前記パターン面と所定の間隔をあけて配置される保護体と、を有するマスク構造体であって、前記フレームは、前記保護体を保持する枠体と、前記枠体と前記マスク基板とを固定する柔軟性を有する自己粘着性樹脂とを有し、前記枠体の厚みは、前記フレームの全体の厚みの半分以下であるものである。これにより、保護カバーの取り外しの際に生じるマスク基板へのダメージを抑制することができる。
本発明の第2の態様にかかるマスク構造体は、上述のマスク構造体において、前記枠体の厚みは0.1〜2mmであるものである。これにより、さらに保護カバーの取り外しの際に生じるマスク基板へのダメージを抑制することができる。
本発明の第3の態様にかかるマスク構造体は、上述のマスク構造体において、前記保護カバーは、光透過性を有する透明な材料からなるものである。これにより、保護カバーをつけたままマスク基板の検査を行うことができる。
本発明の第4の態様にかかるマスク構造体は、上述のマスク構造体において、前記保護体は、プラスチックまたは石英ガラスからなるものである。これにより、マスク基板への異物の付着を確実に抑制することができる。
本発明の第5の態様にかかるマスク構造体は、上述のマスク構造体において、前記マスク基板から前記保護体を取り外すための取り外し部が前記枠体の外周の外側に突出して設けられているものである。これにより、フレームと保護体からなる保護カバーの着脱を容易に行うことができる。
本発明の第6の態様にかかるマスク構造体は、上述のマスク構造体において、前記枠体の外周が略矩形状となっており、前記取り外し部が前記枠体の4隅において、前記枠体の外側に突出するように設けられているものである。これによって、保護カバーを容易に取り外すことができる。
本発明の第7の態様にかかるマスク構造体は、上述のマスク構造体において、前記取り外し部が前記マスク基板の外周の外側に配設されている請求項5又は6に記載のマスク構造体。
本発明の第8の態様にかかるマスク構造体は、上述のマスク造体において、フレームの少なくとも一部に通気孔が設けられており、前記通気孔の部分には多孔質フィルタが設けられているものである。これによって、マスク基板へのダメージを抑制することができる。
本発明の第9の態様にかかるマスク構造体は、上述のマスク構造体において、前記保護体は石英ガラスであって、前記マスク基板と、前記保護体と前記フレームとからなる保護カバーとで閉じられた空間を前記通気孔から真空引きすることによって、前記マスク基板と前記保護カバーとを密着させることを特徴とするものである。これによって、保護カバーの密着性を向上させることができ、マスク基板のパターン面への異物の付着をより効果的に抑制することができる。
本発明の第10の態様にかかるマスク構造体は、所定のパターンが形成されたパターン面を有するマスク基板と、前記マスク基板の前記パターン面側に、前記パターンを囲むように配置された保持部と、前記保持部に貼り付けられ、前記マスク基板の前記パターン面と所定の間隔をあけて配置される保護体と、を有するマスク構造体であって、前記保持部は、柔軟性を有する自己粘着性の樹脂からなり、前記保護体の厚みは、前記保持部の厚みの以下であるものである。これにより、保護カバーの取り外しの際に生じるマスク基板へのダメージを抑制することができる。
本発明の第11の態様にかかるマスク構造体は、上述のマスク構造体において、前記保保護体の厚みは、0.1〜0.5mmであるものである。これにより、さらに保護カバーの取り外しの際に生じるマスク基板へのダメージを抑制することができる。
本発明の第12の態様にかかるマスク構造体は、上述のマスク構造体において、前記保護体の前記マスク基板と対向する面上に形成された異物捕獲部を有するものである。これにより、異物の付着をより効果的に抑制することができる。
本発明の第13の態様にかかるマスク構造体は、上述のマスク構造体において、前記異物捕獲部は、前記保持部と同じ材料からなり、一体となって形成されていることを特徴とするものである。これにより、異物捕獲部の形成にかかる製造工程の増加を抑制することができる。
本発明の第14の態様にかかるマスク構造体は、上述のマスク構造体において、前記保護体の上面の少なくとも一部には、通気孔が設けられ、前記通気孔には、多孔質フィルタが形成されているものである。これにより、マスク基板へのダメージを抑制することができる。
本発明の第15の態様にかかるマスク構造体は、上述のマスク構造体において、前記マスク基板と、前記保護体と前記保持部とからなる保護カバーとで閉じられた空間を前記通気孔から真空引きすることによって、前記マスク基板と前記保護カバーとを密着させることを特徴とするものである。これによって、マスク基板と保護カバーとの密着性を向上させることができる。
本発明の第16の態様にかかるマスク構造体は、上述のマスク構造体において、前記自己粘着性の樹脂は、ポリウレタン樹脂であるものである。これによって、成形が容易となる。
本発明の第17の態様にかかる半導体デバイスの製造方法は、上記のマスク構造体のマスク基板を被露光体に位置合わせをするステップと、前記被露光体にパターンを形成するステップとを有する。これによって、半導体デバイスの生産性を向上させることができる。
本発明によれば、簡便に脱着可能な保護カバーを備えたマスク構造体及びそれを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態が説明される。以下の説明は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、当業者であれば、以下の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。尚、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
実施の形態1.
本実施の形態に係るマスク構造体の構成について図1を用いて説明する。図1(a)は本実施の形態にかかるマスク構造体100の一例の構成を示す概略平面図、図1(b)は図1(a)のA−A切断線での概略断面図である。マスク構造体100は、フォトマスク基板101とフォトマスク基板101上に脱着可能に設けられた保護カバー102とを備えている。保護カバー102は、フレーム103と、保護体104とを有している。本例は、例えば波長10〜15nm程度の露光光(以下、EUV(Extreme Ultra Violet)とする)を使用するEUVリソグラフィーにおいて用いられる反射型のフォトマスクを用いた例である。
フォトマスク基板101は、例えば石英ガラスからなり、上面には、例えば、Mo/Si多層膜などからなる反射膜(不図示)が形成されている。この反射膜上には、ウエハなどに転写するパターンに応じて、Wなどからなる吸収膜がパターニングされた、パターン領域105が形成されている。フォトマスク基板101にEUVが照射されると、反射膜では照射されたEUVが反射し、所定のパターンをウエハ上に転写することができる。
図1に示すように、フォトマスク基板101上には、フォトマスク基板101上に形成されたパターン領域105を囲むように、枠状のフレーム103が配置されている。フレーム103は、金属材料、樹脂材料などからなる枠体103aとポリウレタン樹脂などからなる自己粘着性樹脂103bとを有する。枠体103aは、自己粘着性樹脂103bを介して、フォトマスク基板101に固定される。枠体103aの上には、保護体104がシリコン系の接着材などにより枠体103aに固定されて配置される。すなわち、保護体104はフォトマスク基板101のパターン形成面に対向するように、フレーム103に保持されて一定の間隔を隔てて配置されている。
自己粘着性樹脂103bとしては、ポリウレタン樹脂が好適であるが、これに限らず、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂など、アウトガス、ブリードの少ない材料を用いることができる。
本実施形態では、枠体103aの厚みは、フレーム103の全体の厚みの半分以下とする。すなわち、枠体103aの厚みは、自己粘着樹脂103bの厚みよりも薄くなっている。一般的に、EUVリソグラフィー用のフォトマスクは、フォトマスク基板の保管時や搬送時などは保護カバーを使用して異物の付着を防止し、露光の直前に保護カバーを取り外すことが行われる。EUVの波長域では、透明な物質は存在せず、露光中に異物の付着を防止する基板を配置することもできないためである。
本実施形態のような構成とすることによって、保護カバー102の柔軟性が向上し、容易にはがすことができるため、保護カバー102の脱着の際に生じるフォトマスク基板101へのダメージを軽減することができる。図2に、保護カバー102の取り外しの際の形状を示す。保護カバー102の角部から引き剥がすと、保護カバー102の柔軟性が向上しているため、保護カバー102の形状が容易に変形するので、角部から部分的に引き剥がすことが可能である。したがって、小さい力で保護カバー102を引き剥がすことができ、フォトマスク基板101へのダメージを軽減することができる。
枠体103aの厚みは、0.1〜2.0mmであることが好ましい。枠体103aの厚みが厚すぎると、取り外しの際に生じるフォトマスク基板101へのダメージが懸念されるためである。また、枠体103aの厚みが薄すぎると、取り外しの際に保護カバー102自体が塑性変形してしまい、保護体104がパターン面に接触する可能性があるためである。したがって、これらを考慮して、枠体103aの厚みを決定する。このようにすることで、取り外した後に外力を取り除くと、保護カバー102の歪みが元に戻るような柔軟性を持つので、繰り返し使用することができる。
また、通常、EUVリソグラフィー用のフォトマスクは、露光の前にフォトマスク基板101上に形成されているパターンの検査が行われる。したがって、保護体104としては、石英ガラスや、従来用いられているペリクル膜と同様な有機ポリマー膜など透明なプラスチック材料を使用することが好ましい。このような構成とした場合、パターンの検査の際、保護カバー102を装着したまま検査を行うことが可能である。しかし、本実施形態ではこれに限定されず、高洗浄度が保たれるのであれば、他の金属材料、樹脂材料を用いてもかまわない。パターン検査の際に、保護カバー102を取り外して検査を行えばよい。なお、保護体104は石英ガラスなどにより形成された基板状のものでよく、プラスチックなどにより形成された膜状のものでもよい。
フレーム103の高さは、特に限定されない。フレーム103の高さは、フォトマスク基板101上に形成されたパターンの検査の際に使用する検査装置のワークディスタンス(試料面と検査装置の対物レンズとの距離)を考慮して決定してよい。あるいは、フレーム103の高さに応じて、検査装置の対物レンズなどの光学系を調整してもよい。
EVUリソグラフィーにおいて、EUVは大気でも吸収されて減衰するため、露光は真空中で行われる。フォトマスク基板101と保護カバー102とで閉じた空間を気密に保つ構成とすると、フォトマスク基板101と保護カバー102とで閉じた空間とその外側とで気圧差が生じてしまうという問題があった。したがって、保護カバー102には、従来から広く知られているように通気孔を設け、その部分に気体は通過可能であるが、パーティクルなどの異物は通過不可能であるような従来公知の多孔質フィルタ(不図示)を設けることが好ましい。このような構成とすることによって、保護カバー102の内外の気圧差が生じることによって発生する応力を緩和できるため、保護カバー102の付着力を一定に保つことができる。これにより、本実施形態にかかるマスク構造体100を真空中で使用する場合、露光の直前まで保護カバー102を取り付けておくことができ、真空引きに伴う発塵がフォトマスク基板101のパターン面に付着することを防ぐことができる。
この多孔質フィルタの材質は、上記のような条件を満たすものであれば、どのようなものでもかまわない。例えば、セラミクスや、金属、樹脂などの一般的に知られた多孔質材料を用いることができる。通気孔及び多孔質フィルタは、例えば、フレーム103の一部に設けることができる。具体的には、枠体103aの側面の一部に貫通孔を設け通気孔とし、そこに多孔質フィルタを挿入する。
保護体104として石英ガラスを用いた場合、フォトマスク基板101への保護カバー102の装着は、上述した通気孔から真空引きして行ってもよい。このようにすることで、より密着性を向上させることができる。この場合、保護カバー102が変形しないようにゆっくりと真空に引く必要がある。なお、フォトマスク基板101と保護カバー102との固定は、フォトマスク基板101と保護カバー102とで閉じた空間を真空にすることによって行われているのではなく、自己粘着性樹脂103bによって行われている。すなわち、フォトマスク基板101と保護カバー102とで閉じた空間を真空引きすることにより、フレーム103がフォトマスク基板101に押し付けられる。そして、自己粘着性樹脂103bがフォトマスク基板101と接着し、保護カバー102を装着することができる。したがって、再度、フォトマスク基板101と保護カバー102とで閉じた空間を大気圧に戻しても、保護カバー102はフォトマスク基板101に装着された状態のままである。
また、図3(a)に示すように、枠体103aの少なくとも一部が、保護カバー102の外周に沿って外方向に向かって大きくなっていてもよい。外方向に向かって突出している部分を取り外し部106とする。枠体103aは外周が矩形状であり、その4隅が外側に突出した形状とする。ここでは、枠体103aの4隅から突出している取り外し部106を有する構成について図示している。このような構成とすることによって、保護カバー102の脱着の際に、枠体103aの外側に突出している取り外し部106をつかむことができ、より簡便に脱着を行うことが可能である。また、取り外し部106は枠体103aと一体的に設けてもよく、枠体103aと別部材で設けてもよい。取り外し部106は、枠体103aの外側面に取り付けるように設けてもよいし、フレーム103と対向する保護体104の上面に設けてもよい。保護カバー102の取り外しの際に、フォトマスク基板101にダメージを与えないように、フォトマスク基板101と保護カバー102が接着している部分の近傍に設けられていることが好ましい。これによって、保護カバー102の取り外しに伴うフォトマスク基板101へのダメージをより抑制することができる。
図3(b)を参照して、保護カバー102の取り外しの一例について説明する。図3(b)は、図3(a)のB−B切断線での概略断面図であり、脱着装置107を用いてフォトマスク101から保護カバー102を取り外すときの構成を示している。なお、図3(b)では、1つの取り外し部106についてのみ脱着装置107が配設されている構成について図示しているが、実際にはフレーム103の4隅に設けられた取り外し部106について、同様の構成を有する脱着装置107がそれぞれ配設されている。脱着装置107には取り外し部106を上下から挟持するための2つの挟持体108が設けられている。
4隅から外側に突出している取り外し部106を、脱着装置107を用いて上下から挟み込む。すなわち、脱着装置107に設けられた挟持体108により取り外し部106を上下から挟み込む。具体的には、脱着装置107又はフォトマスク基板101が取り付けられた保護カバー102を移動し、取り外し部106より広い間隔の挟持体108の間に取り外し部106を配置する。そして、挟持体108を上下に移動して取り外し部106を挟み込む。すなわち、2つの挟持体108をそれぞれ取り外し部106側に移動して、挟持体108の間隔を狭くし、挟持体108の表面を取り外し部106に接触させる。これにより、取り外し部106を挟持体108により挟み込むことができる。脱着装置107は4隅の取り外し部106に対して、挟み込みを同期して行う。挟持体108は例えば、モータやシリンダーなどにより上下に駆動するができる。また、取り外し部106には、位置決め穴109が設けられており、脱着装置107の挟持体108に設けられた位置決めピン110と嵌め合わせることによって、正確な位置で挟み込むことができるようになっている。
挟持体108の取り外し部106との接触面は斜めになっている。すなわち、挟持体108の上及び下の端面は内側すなわち保護体104側が下側に、外側が上側になるような傾斜面となっている。また、上の挟持体108の傾斜面と下の挟持面の傾斜面とは平行になっている。この挟持体108により取り外し部106を挟み込むと、枠体103aがたわむ。すなわち、挟持体108の傾斜面に応じて取り外し部106に力が加わり、取り外し部106は傾斜面に沿って傾く。したがって、取り外し部106は内側が下に、外側が上になるよう傾斜する。そして、取り外し部106が設けられている枠体103aも取り外し部106の形状に応じて変形する。ここで、取り外し部106はフレームの4隅に設けられているため、枠体103aは各辺の中心が下側に、各辺の端部が上側になるように反る。したがって、フレーム103が反り、フレーム103の自己粘着性樹脂103bの下面の高さに差が生じる。
そして、4隅に配設された挟持体108を同期して上方に移動すると、フォトマスク基板102から保護カバー102を取り外すことができる。このとき、上述のようにフレーム104が反っているため、4つの角部が最初に引き剥がされる。すなわち、保護カバーは4隅から徐々に各辺の中央まで引き剥がされていく。このようにして、保護カバー102をフォトマスク基板101から取り外すことにより、フォトマスク基板101へのダメージや発塵を防ぐことができる。また、挟持体108の取り外し部106との接触面が平坦な場合には、取り外し部106を挟み込んだ後に接触面を傾け、保護カバー102を引き剥がしてもよい。取り外し部106はフォトマスク基板101の外周の外側に突出している。したがって、保護カバー102の脱着の際、挟持体108により取り外し部106をつかんでも、フォトマスク基板101と挟持体108とが接触するのを防ぐことができる。よって、取り外しによる発塵やフォトマスク基板101へのダメージを防ぐことができる。
保護カバー102の取り付けは、上記の取り外しと逆の順序で行うことができる。脱着装置107を用いて、保護カバー102の4辺の中心がフォトマスク基板101と接触するように、保護カバー102をたわませる。すなわち、取り外し部106は挟持体108により挟持されているため、フレーム103の各辺の中央が下に、4隅が上になるように反る。そして、フォトマスク基板101に保護カバー102を辺の中心から貼り付ける。その後、4つの角に向かって取り付けることができる。すなわち、保護カバー102は最初に各辺の中心がフォトマスク基板101と接着する。そして、各辺の中心から外側に向かって徐々に接着していき、最後に4隅が接着する。このようにすることで、自己粘着性樹脂103bとフォトマスク基板101との間に空気が入るのを抑制することができる。これにより、フォトマスク101と保護カバー102との密着性を向上することができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態にかかるEUVリソグラフィー用のマスク構造体200の一例の概略断面図である。図4(a)は本実施の形態にかかるEUVリソグラフィー用のマスク構造体200の一例の構成を示す概略平面図、図4(b)は図4(a)のA−A切断線での概略断面図である。図4において、図1と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する。
図4に示すように、実施の形態2にかかるEUVリソグラフィー用のマスク構造体200は、上述したフォトマスク基板101上に、保護カバー201が脱着可能に装着されている構成を有している。本実施の形態にかかる保護カバー201は、自己粘着性樹脂からなる保持部202と金属材料などからなる保護体203を有している。また、保護体203のフォトマスク基板101と対向する面上には、異物捕獲部204が形成されている。保護体203の一部には、フォトマスク基板101と保護カバー201とで閉じられた空間と外部の気圧差を調整するために、通気孔が設けられ、その部分に多孔質フィルタ205が設けられている。また、保護体203の4隅の上部には、取り外し部材206が設けられている。
図4に示すように、フォトマスク基板101上には、フォトマスク基板101上に形成されたパターン領域105を囲むように、枠状の保持部202が配置されている。保持部202は、実施の形態1において説明したポリウレタン樹脂などからなる自己粘着性樹脂である。保護体203は、保持部202を介して、フォトマスク基板101に固定される。すなわち、保護体203はフォトマスク基板101上のパターン形成面に対向するように、保持部202に保持されて一定の間隔を隔てて配置されている。
また、保護体203のフォトマスク基板101と対向する面上には、略全面に自己粘着性樹脂からなる異物捕獲部204が形成されている。異物捕獲部204は、フォトマスク基板101と接しないように、厚みを決定する。このような構成とすることによって、フォトマスク基板101と保護カバー201とで閉じた空間内の異物を効果的に捕獲することができ、フォトマスク基板101に形成されたパターンへの異物の付着をより抑制することができる。すなわち、異物捕獲部204は粘着性を有しているため、異物捕獲部204に一度衝突した異物は付着したまま保持される。また、異物捕獲部204は、保持部202と同じ材料を用いて、保持部202と一体的に形成してもよい。この場合、保持部202の厚みよりも異物捕獲部204の厚みを薄くする。すなわち、フォトマスク基板101のパターン領域105を囲む外周部分でのみ、保持部202がフォトマスク基板101と接するようにする。そして、異物捕獲部204を保護体203のフォトマスク基板101と対向する面に貼着し固定する。
本実施形態の場合、保護体203のフォトマスク基板101と対向する面には、異物捕獲部204が形成されている。したがって、実施の形態1において説明したように、保護カバー201を装着した状態で、フォトマスク基板101のパターン検査を行うことはできない。このため、露光のときはもちろん、パターン検査のときも、保護カバー201を取り外す必要がある。したがって、保護体203の材料としては、高清浄性をもった材料であればどのようなものであってもかまわない。例えば、石英ガラスなど透明な材料や、金属材料、樹脂材料などを用いることができる。
本実施形態では、保護体203の厚みは、保持部202の厚み以下とする。好ましくは、保護体の厚みは0.1〜0.5mmである。このような構成とすることによって、保護カバー102の取り外しの際の柔軟性が向上し、小さい力で容易にはがすことができるため、保護カバー102の脱着の際に生じるフォトマスク基板101へのダメージを軽減することができる。また、このようにすることで、取り外した後に外力を取り除くと、保護カバー102の歪みが元に戻るような柔軟性を持つので、繰り返し使用することができる。
本実施形態では、保護体203一部には、通気孔が設けられ、その部分に多孔質フィルタ205を設けている。このような構成とすることによって、上述したようにフォトマスク基板101と保護カバー201とで閉じた空間の内外で気圧差が生じることによって発生する保護カバー201に対する外力が生じないので、保護カバー201の付着力を一定に保つことができる。これにより、本実施形態にかかるマスク構造体を真空中で使用する場合、使用直前までカバーを取り付けておくことができ、真空引きに伴う発塵がフォトマスク基板101に形成されたパターン面に付着することを防ぐことができる。この通気孔の部分には、異物捕獲部204を形成しないようにする。
この保護カバー201のフォトマスク基板101への固定は、保護カバー201に形成した通気孔から真空引きをすることによって行うことができる。これによって、密着性を向上させることができる。
また、保護カバー201の取り外しの際には、保護体203の4隅に設けた取り外し部206を用いることにより簡便に取り外しを行うことができる。取り外しの際は、取り外し部206を持ち上げることによって、保護カバー201は角からはがれていくので小さい力ではがすことができる。また、取り外し部は、保護体203の側面に設けてもよい。取り外し部は、保持部202の接着面の角部の近傍に設けることが好ましい。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態にかかるマスク構造体300の一例の概略断面図である。図5(a)は本実施の形態にかかるマスク構造体300の一例の構成を示す概略平面図、図5(b)は図5(a)のA−A切断線での概略断面図である。図5において、図1と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する。本例は、例えば波長157nmのFエキシマレーザ、波長193nmのArFエキシマレーザなどの光源を使用する場合において用いられる透過型のペリクル付フォトマスクである。
フォトマスク基板301は、従来の透過型のフォトマスク基板を用いることができる。例えば、石英ガラスの基板上にCrなどの遮光膜パターンが形成されたものを用いることができる。
本実施形態にかかるマスク構造体300は、実施の形態1において説明したマスク構造体100と略同様な構成を有している。フォトマスク基板301上にペリクル302が着脱可能に装着された構成である。ペリクル302は、フレーム103と、ペリクル膜303とを有している。図5に示すように、フォトマスク基板101上には、フォトマスク基板301上に形成されたパターン領域105を囲むように、枠状のフレーム103が配置されている。フレーム103は、枠体103aと自己粘着性樹脂103bとを有する。枠体103aは、自己粘着性樹脂103bを介して、フォトマスク基板301に固定される。枠体103aの上には、ペリクル膜303がシリコン系の接着材などにより枠体103aに張設されて配置される。すなわち、ペリクル膜303はフォトマスク基板301上のパターン形成面に対向するように、フレーム103に保持されて一定の間隔を隔てて配置されている。
自己粘着性樹脂103bとしては、ポリウレタン樹脂が好適であるが、これに限らず、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂など、アウトガス、ブリードの少ない材料を用いることができる。また、ペリクル膜303としては、従来公知のニトロセルロースや、酢酸セルロースなどの透明な有機膜のほか、石英ガラスなどの透明無機物質を用いることができる。
本実施形態の場合、フォトマスク基板301上にペリクル302を装着した状態で露光を行う。通常、ペリクルを装着したマスク構造体を用いてパターンの転写を行う場合、異物はフォトマスク基板のパターン形成面と所定の間隔を置いて張設されたペリクル膜上に捕えられる。露光時には、焦点をフォトマスク基板上に合わせておけば、ペリクル膜状の異物はウエハ上で結像することがなく、転写とは無関係になる。したがって、フォトマスク基板からペリクル膜までの距離(以下、スタンドオフという。)は設計されており、フレームの高さは、例えば6.3mm以下である。
本実施形態では、枠体103aの厚みは、フレーム103の全体の厚みの半分以下とする。すなわち、枠体103aの厚みは、自己粘着樹脂103bの厚みよりも薄くなっており、3.15mm以下である。より好ましくは、枠体103aの厚みが、0.1〜2.0mmである。
従来、フォトマスク基板とペリクルとは、シリコン系の接着材などにより接着されている。短波長の光源を使用する場合、フォトマスク基板とペリクルとで閉じた領域内で、上述した接着材から発生したガスが重合し、フォトマスク基板のパターン表面に異物が形成されてしまうことがある。このとき、ペリクルを取り外しフォトマスク基板の洗浄を行う必要がある。一般に、ペリクルフレームは剛性が高いため曲がりにくく、取り外す場合は全体を一度にはがすことになる。このため、ペリクルの取り外しに伴って、フォトマスク基板のパターンにダメージを与えてしまうことが多かった。
しかし、本実施形態のような構成とすることによって、ペリクル302の柔軟性が向上し、角部から部分的に容易にはがすことができるため、ペリクル302の脱着の際に生じるフォトマスク基板301へのダメージを抑制することができる。
また、取り外しの際に生じるフォトマスク基板301へのダメージ、及びペリクル302の塑性変形などを考慮して、枠体103aの厚みを決定する。このようにすることで、取り外した後に外力を取り除くと、ペリクル302の歪みが元に戻るような柔軟性を持つので、繰り返し使用することができる。
また、従来、フォトマスク基板にペリクルを装着する際、フォトマスク基板とペリクルとの間に歪みが発生してしまい、フォトマスク基板の平面性が損なわれてしまうという問題があった。フォトマスク基板の平面性が損なわれると、フォトマスク基板上に形成されたパターンがゆがんでしまい、正確なパターンをウエハ上に形成することができなくなってしまう。また、この歪みのために、フォトマスク基板とペリクルとの間に空隙が生じてしまい、異物が侵入してしまうおそれがあった。
本実施形態にかかるマスク構造体300では、柔軟な自己粘着性樹脂103bを用いているため、フォトマスク基板101のペリクル302の貼り付けによる歪みを抑制することができる。このため、マスク構造体300を用いて、半導体デバイスの作製を行うことによって、歩留りを向上させることができる。
また、ここでは図示していないが、広く知られているように、フレームの一部に通気孔を形成し、この部分に多孔質フィルタを設けることが好ましい。このような構成とすることによって、気圧の変化によってペリクル膜が膨らんだり、へこんだりすることによるスタンドオフの変化を抑制することができる。この結果、例えば、ペリクル膜が膨らんで露光用装置の一部と接触したり、ペリクル膜状の異物検査の際の誤検出などの問題を抑制することができる。さらに、スタンドオフの変化がないため、ペリクル膜上の異物検査を行う際、正確な検査を行うことができる。また、多孔質フィルタを設けているために、ペリクル300とフォトマスク基板101とで閉じられた空間への異物の進入を抑制することができる。
取り外しを容易にするために枠体103aの一部に取り外し部を設けてもよい。取り外し部は枠体103a一体に形成してもよいし、別部材として設けてもよい。取り外し部は、自己粘着性樹脂103bのフォトマスク基板301との接着面の角部の近傍に設けられていることが好ましい。
次に、図6を参照して、実施の形態1において説明したEUVリソグラフィー用のマスク構造体100を用いた半導体デバイスの製造方法について説明する。図6は半導体デバイスの製造方法の一例の主な工程を示すフローチャートである。図6に示す半導体製造工程は、ウエハ製造工程(ステップS1)、マスク製造工程(ステップS2)、ウエハ処理工程(ステップS3)、組立工程(ステップS4)、検査工程(ステップS5)を有する。
まず、ウエハ製造工程(ステップS1)及びマスク製造工程(ステップS2)において、ウエハ及びフォトマスク基板101を製造する。この際、フォトマスク基板101上に形成されたパターンを保護するように、上述した保護カバー102を配置する。フォトマスク基板101の保管中及び搬送中は、保護カバー102によりパターンを保護し、異物の付着を抑制する。次に、後に詳述するウエハに必要な加工処理(図7参照。)を施す(ステップS3)。そして、組立工程において、ウエハ上に転写・形成されたパターンを1個ずつのチップに切り出して、動作可能にする(ステップS4)。最後に、検査工程(ステップS5)で、S4で動作可能となった半導体デバイスを検査する。このような工程を経て、半導体デバイスは製造される。
図7を用いて、ウエハ処理工程(ステップS3)について詳しく説明する。図7は半導体デバイス製造工程のウエハ処理工程の一例の主な工程を示すフローチャートである。ウエハ処理工程では、まず、薄膜形成工程において、絶縁層となる誘電体薄膜や、配線部あるいは電極部を形成する金属薄膜等を、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)やスパッタリングなどにより形成する(ステップS31)。そして、リソグラフィー工程において、フォトマスク基板上に形成されたデバイスパターンを露光・投影し、ウエハ上に転写してレジストのパターンを形成する(ステップS32)。その後、ウエハ上に形成されたレジストパターンにしたがって、薄膜層や基板を、例えば、ドライエッチング技術を用いて加工する(ステップS33)。
次に、不純物注入工程において不純物を注入し(ステップS34)、その後、ウエハ表面からレジストを剥離し(ステップS35)、ウエハを洗浄する(S36)。ウエハ処理工程においては、上述したS31からS36の工程を必要な層数だけ繰り返し行うことにより(ステップS37)、ウエハ上に所望のパターンを転写・形成する。
図8に、ウエハ処理工程(ステップS3)のリソグラフィー工程(ステップS32)の一例の主な工程を示すフローチャートを示す。まず、フォトマスク基板101に形成されたパターンの検査を行う(ステップS321)。検査には、広く知られたレーザー顕微鏡などの検査装置を用いることができ、保護カバー102を装着したままで行うことができる。検査後は、保護カバー102を装着したまま露光装置に搬送する。このように、露光装置に搬送するまでの間、露光パターン領域105は保護カバー102により保護されているため、異物が露光パターンに付着することを防止できる。
一方、ウエハ上にはレジスト塗布工程においてレジストを塗布する(ステップS322)。その後、ステップS322においてウエハ上に塗布されたレジストに、フォトマスク基板101に形成されたパターンを転写する。
露光装置中で真空引きし、フォトマスク基板101から保護カバー102を取り外す。取り外しの際には、フレーム103の角部から部分的に引き剥がす。この際、保護カバー102に支持部を設けた場合には、その部分をつかんで取り外す。また、パターン領域105に異物が付着しないように高洗浄度の雰囲気下で行うことが好ましい。そして、フォトマスク基板101とレジストを塗布したウエハとを位置合わせし、真空中でパターン領域105に露光光を照射する(ステップS323)ことによって、レジスト上にパターンを形成することができる。露光光としては、例えば波長13.5nmのEUVを用いる。フォトマスク基板101上には、反射膜が形成されており、この反射膜上にはウエハに転写するパターンに応じて、吸収膜がパターニングされている。フォトマスク基板101にEUVが照射されると、反射膜では照射されたEUVが反射し、所定のパターンをウエハ上に転写することができる。
そして、露光終了後、フォトマスク基板101上に真空の状態のまま保護カバー102を装着する。露光装置には保護カバー102を装着する装着機構が設けられており、フォトマスク基板101のパターン領域105に異物の付着を確実に抑制することができる。
その後、現像装置に搬送し、ステップS324において、パターンの投影されたレジストを現像して、レジストのパターンを現像した後、現像・形成されたレジストパターンを安定化させるため、アニールを行う(ステップS325)。なお、上述した主な工程は、それぞれいくつかのサブ工程からなっており、これに限定されるものではない。
以上に述べたように、本発明のマスク構造体を用い、EUV露光を行うことによって、所望のパターンを正確にウエハ上に転写することができる。さらに、半導体リソグラフィー工程での歩留まりを向上させることができる。また、ここでは露光光として、EUVを例として説明したが、紫外線、電子線、X線、イオンビームなどを用いてもかまわない。EUV以外の場合、真空中での露光は必要なく、露光中も保護カバー102を装着したまま露光を行うことも可能である。
実施の形態2のマスク構造体200を用いた場合の処理も図6〜図8に示した処理のフローと基本的には同一である。フォトマスク基板101の検査の際、保護カバー102を取り外して行う。この取り外しも、上述した取り外し同様、パターン面に異物が付着しないように高洗浄度の雰囲気下で行うことが好ましい。本例では、露光光は、EUVに限らない。露光終了後に、保護カバー102をフォトマスク基板101に装着するようにすればよい。
実施の形態3において説明したマスク構造体300を用いて露光処理を行う場合、広く知られた一般的なペリクルと同様、ペリクル302を装着した状態で、露光処理を行うことができる。本例の場合、EUVを用いて露光を行うことはできないが、そのほかどのような光源を用いてもかまわない。本実施の形態のマスク構造体を用いて半導体ウエハに所望の正確なパターンを形成し、半導体デバイスの製造における露光処理を高歩留りで実施することができる。
本発明にかかるマスク構造体を用いることによって、半導体デバイス等の製造歩留まりを向上させることができる。すなわち、このマスク構造体によりフォトマスク基板の歪みを抑制する。そして、この平面性が保たれたマスク構造体を用い、半導体ウエハに所望のパターンを精度よく形成することができ、高歩留りで半導体装置を製造することができる。よって、パターン基板の生産性を向上することができる。また、本発明は半導体デバイスの製造に限らず、パターン基板の製造歩留りを向上させることができ、パターン基板の生産性を向上させることも可能である。
本発明の実施形態1にかかるマスク構造体の一例の構成を示す概略図である。 本発明の実施形態1にかかるマスク構造体の取り外しの際の形状を示す図である。 本発明の実施形態1にかかるマスク構造体の他の構成例を示す概略図である。 本発明の実施形態2にかかるマスク構造体の一例の構成を示す概略図である。 本発明に実施形態3にかかるマスク構造体の一例の構成を示す概略図である。 本発明の実施形態にかかるマスク構造体を使用した半導体デバイスの製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態にかかるマスク構造体を用いたウエハ処理工程の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態にかかるマスク構造体を用いたリソグラフィー工程の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
101 フォトマスク基板、102 保護カバー、103 フレーム、103a 枠体、103b 自己粘着性樹脂、104 保護体、105 パターン領域、106 取り外し部、107 脱着装置、108 挟持部、109 位置決め穴、110 位置決めピン、201 保護カバー、202 保持部、203 保護体、204 異物捕獲部、205 多孔質フィルタ、206 取り外し部、301 フォトマスク基板、302 ペリクル、303 ペリクル膜

Claims (17)

  1. 所定のパターンが形成されたパターン面を有するマスク基板と、
    前記マスク基板の前記パターン面側に、前記パターンを囲むように配置されたフレームと、
    前記フレームに貼り付けられ、前記マスク基板の前記パターン面と所定の間隔をあけて配置される保護体と、
    を有するマスク構造体であって、
    前記フレームは、前記保護体を保持する枠体と、
    柔軟性を有し、前記枠体と前記マスク基板とを固定する自己粘着性樹脂とを有し、
    前記枠体の厚みは、前記フレームの全体の厚みの半分以下であるマスク構造体。
  2. 前記枠体の厚みは、0.1〜2mmである請求項1に記載のマスク構造体。
  3. 前記保護体は、光透過性を有する透明な材料からなる請求項1又は2に記載のマスク構造体。
  4. 前記保護体は、プラスチックまたは石英ガラスからなる請求項1、2又は3に記載のマスク構造体。
  5. 前記マスク基板から前記保護体を取り外すための取り外し部が前記枠体の外周の外側に突出して設けられている請求項1、2、3または4のいずれか1項に記載のマスク構造体。
  6. 前記枠体の外周が略矩形状となっており、
    前記取り外し部が前記枠体の4隅において、前記枠体の外側に突出するように設けられている請求項5に記載のマスク構造体。
  7. 前記取り外し部が前記マスク基板の外周の外側に配設されている請求項5又は6に記載のマスク構造体。
  8. 前記フレームの少なくとも一部に通気孔が設けられており、
    前記通気孔の部分には多孔質フィルタが設けられている請求項1〜7のいずれか1項に記載のマスク構造体。
  9. 前記保護体は、石英ガラスであって、前記マスク基板と、前記保護体と前記フレームとからなる保護カバーとで閉じられた空間を前記通気孔から真空引きすることによって、前記マスク基板と前記保護カバーとを密着させることを特徴とする請求項8に記載のマスク構造体。
  10. 所定のパターンが形成されたパターン面を有するマスク基板と、
    前記マスク基板の前記パターン面側に、前記パターンを囲むように貼り付けられた保持部と、
    前記保持部に貼り付けられ、前記マスク基板の前記パターン面と所定の間隔をあけて配置される保護体と、
    を有するマスク構造体であって、
    前記保持部は、柔軟性を有する自己粘着性樹脂からなり、
    前記保護体の厚みは、前記保持部の厚み以下であるマスク構造体。
  11. 前記保護体の厚みは、0.1〜0.5mmである請求項10に記載のマスク構造体。
  12. 前記保護体の前記マスク基板と対向する面上に形成された異物捕獲部を有する請求項10または11に記載のマスク構造体。
  13. 前記異物捕獲部は、前記保持部と同じ材料からなり、一体となって形成されていることを特徴とする請求項12に記載のマスク構造体。
  14. 前記保護体の上面の少なくとも一部には、通気孔が設けられ、
    前記通気孔には、多孔質フィルタが形成されている請求項10、11、12または13に記載のマスク構造体。
  15. 前記マスク基板と、前記保護体と前記保持部とからなる保護カバーとで閉じられた空間を前記通気孔から真空引きすることによって、前記マスク基板と前記保護カバーとを密着させることを特徴とする請求項14に記載のマスク構造体。
  16. 前記自己粘着性樹脂は、ポリウレタン樹脂である請求項1〜15のいずれか1項に記載のマスク構造体。
  17. 請求項1乃至16のいずれかに記載のマスク構造体のマスク基板を被露光体に位置合わせをするステップと、
    前記被露光体にパターンを形成するステップとを有する半導体デバイスの製造方法。
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