JP2009139512A - 鍵盤 - Google Patents

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Abstract

【課題】象牙のような見た目の高級感、タッチ感、演奏性、経済性、および吸水寸法変化に優れ、傷が付きにくく、耐薬品性の高い素材からなる鍵盤を得ることを目的とする。
【解決手段】スチレン系樹脂(A)50〜95質量%、珪酸塩鉱物(B)5〜50質量%からなり、鉛筆硬度がHB以上であるスチレン系樹脂組成物(I)からなる鍵盤。スチレン系樹脂(A)は芳香族ビニル単量体、および不飽和ニトリル単量体からなる共重合体を含むことが好ましく珪酸塩鉱物(B)はタルクであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、鍵盤楽器の鍵盤に関する。
象牙を用いた製品は、特に人間の手に触れるようなものが、過去から多く存在していた。これは、象牙の模様が外観上、高級感を与えることや、感触に優れていることによるものである。しかし、象牙は天然保護のため、使用が禁止されており、代替材料での製品化が行われている。
鍵盤楽器では、象牙の替わりにアクリル樹脂などに着色剤を配合した樹脂からなる鍵盤カバー(例えば、特許文献1参照)が報告されている。これは、高級感のある鍵盤を比較的容易に提供できるが、アクリル樹脂は鍵盤本体である木材との接着時に、木材に含まれる木酢液によるストレスクラックの懸念があり、また、高級感の更なる改善が望まれている。そこで、見た目の高級感を得るためにシリカを配合したセルロース誘導体樹脂からなる鍵盤(例えば、特許文献2参照)が報告されている。これらは、見た目の高級感は象牙に近いものとなるが、素材として吸水による寸法変化の更なる改善が望まれている。
また一方で、象牙模様を発現するためにポリカーボネート(PC)の下側部材に凹凸を形成し、その上側部にフィラーを配合したポリメチルメタクリレート(PMMA)を組合せた2部品からなる鍵盤(例えば、特許文献3参照)が報告されている。これらは、見た目の高級感は象牙に近いものとなるが、2種類の樹脂からなる2層成形品であるため、製品の簡素化や経済性、耐傷性および演奏性に関する改善について望まれている。
そこで、象牙のような見た目の高級感とタッチ感、演奏性、経済性、および吸水寸法変化に優れ、傷が付きにくく、耐薬品性の高い素材からなる鍵盤楽器の鍵盤が望まれている。
特開平5−313654号公報 特開平8−179756号公報 特開2006−267492号公報
本発明の課題は、従来にない象牙のような見た目の高級感、タッチ感、演奏性、経済性、および吸水寸法変化に優れ、傷が付きにくく、耐薬品性の高い素材からなる鍵盤を提供する事にある。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、スチレン系樹脂(A)、および珪酸塩鉱物(B)において、特定範囲の配合からなる成形品に限り、その目的に適合しうることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、以下に記載するとおりのスチレン系樹脂組成物からなる鍵盤に関する。
(1)スチレン系重合体が50質量%以上含まれるスチレン系樹脂(A)50〜95質量%、珪酸塩鉱物(B)5〜50質量%からなり、鉛筆硬度がHB以上であるスチレン系樹脂組成物(I)からなる鍵盤。
(2)スチレン系樹脂(A)が芳香族ビニル単量体、および不飽和ニトリル単量体からなる共重合体を含むことを特徴とする上記(1)記載の鍵盤。
(3)珪酸塩鉱物(B)がタルクであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の鍵盤。
本発明の鍵盤は、象牙のような見た目の高級感、タッチ感、演奏性、経済性、および吸水寸法変化に優れ、傷が付きにくく、高い耐薬品性を有する。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明で用いられるスチレン系樹脂(A)とは、少なくとも芳香族ビニル単量体を含むスチレン系重合体を50質量%以上含む樹脂である。スチレン系重合体は芳香族ビニル単量体の単独重合体であっても、芳香族ビニル単量体を含む共重合体であっても良い。該スチレン共重合体としては、芳香族ビニル単量体の他に不飽和ニトリル単量体や他の共重合可能な単量体を共重合したものを用いることができる。これらのうち芳香族ビニル単量体、および不飽和ニトリル単量体からなる共重合体が含まれることが好ましい。芳香族ビニル単量体の割合は、特に制限はないが、30〜100質量%が好ましく、更に45〜90質量%が好ましい。
スチレン系樹脂(A)には、スチレン系(共)重合体が50質量%以上含まれ、成形性、耐薬品性および演奏性の点で50質量%以上である。
スチレン系樹脂(A)には、ゴム状重合体に芳香族ビニル単量体のほか必要に応じて他の単量体をグラフトしたグラフト重合体も含むことができる。
芳香族ビニル単量体には特に制限はなく、具体例としてはスチレンをはじめ、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレンおよびp−t−ブチルスチレンなどが挙げられるが、なかでもスチレンおよびα−メチルスチレンが好ましく用いられる。これらは、1種または2種以上用いることができる。
不飽和ニトリル系単量体には特に制限はなく、アクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびエタクリロニトリルなどが挙げられるが、中でもアクリロニトリルが好ましい。これらは、1種または2種以上用いることができる。アクリロニトリルの含有量に特に制限はないが、例えばアクリロニトリル・スチレン共重合体の場合では、15〜50質量%が好ましい。
その他の共重合可能な単量体としては、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートなどのアクリル酸およびメタクリル酸エステル化合物、N−フェニルマレイミド、無水マレイン酸などが挙げられる。これらは、1種または2種以上用いることができる。
スチレン系重合体としては、ポリスチレン、メチルメタクリレート・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・N−フェニルマレイミド共重合体、メチルメタクリレート・アクリロニトリル・スチレン共重合体が挙げられ、これらのうち、メチルメタクリレート・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、メチルメタクリレート・アクリロニトリル・スチレン共重合体が好ましい。
共重合体の製造方法は、特に制限されるものではないが、乳化重合、塊状重合あるいは塊状・懸濁重合により製造されることが好ましい。
グラフト重合体に用いられるゴム状重合体には特に制限はなく、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、エチレン系ゴムなどが使用できる。これらゴム状重合体の具体例としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸ブチル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合体、アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル共重合体、ブタジエン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン系共重合体、エチレン−イソプレン共重合体およびエチレン−アクリル酸メチル共重合体などが挙げられる。これらのゴム状重合体のうちでは、ジエン系ゴム、アクリル系ゴムが好ましい。
ゴム状重合体の質量平均粒子径に特に制限はないが0.1〜0.5μmが好ましい。質量平均粒子径は衝撃性の向上から0.1μm以上が好ましく、外観性の低下から0.5μm以下が好ましい。ゴム状重合体の配合量は、スチレン系樹脂組成物(I)の鉛筆硬度がHB以上になる範囲であれば特に制限はないが、スチレン系樹脂組成物(I)中に0〜10質量%が好ましい。更に好ましくは8質量%以下であり。成形性、耐傷性の低下から10質量%以下である。
グラフト重合体は、ジエン系ゴムにアクリロニトリル、スチレンなどをグラフトしたABS樹脂、アクリル系ゴムにアクリロニトリル、スチレンなどをグラフトしたASA樹脂、エチレン系ゴムにアクリロニトリル、スチレンなどをグラフトしたAES樹脂が好ましい。更に好ましくは8質量%以下である。
グラフト重合体の製造方法は、特に制限されるものではないが、乳化重合、塊状重合あるいは懸濁重合より製造されることが好ましい。
本発明で用いられるスチレン系樹脂(A)は、スチレン系樹脂組成物(I)中に50〜95質量%配合されるが、強度低下の点から50質量%以上であり、高級感、およびタッチ感の点で95質量%以下である。好ましくは60〜95質量%であり、更に60〜93質量%が好ましい。
本発明で用いられる珪酸塩鉱物(B)とは、珪素原子を主体とした鉱物であり、ネソケイ酸塩鉱物、ソロケイ酸塩鉱物、サイクロケイ酸塩鉱物、イノケイ酸塩鉱物、フィロケイ酸塩鉱物、およびテクトケイ酸塩鉱物などが挙げられる。具体例としては、カンラン石、輝石、雲母、および粘土鉱物などであり、これらのうちマイカ、タルクが好ましく、更にタルクが好ましい。
これらの珪酸塩鉱物(B)は、特に表面処理して用いることもできる。表面処理としては、滑剤、およびカップリング剤を用いて行うことができる。滑剤としては、脂肪族金属塩、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、およびエチレンビスステアリルアミドなどのワックスを挙げることができる。カップリング剤としてはエポキシ系カップリング剤、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤を挙げることができる。
本発明に用いられる珪酸塩鉱物(B)の平均粒子径、アスペクト比には特に制限はないが、平均粒子径は0.01〜100μmが好ましく、更に0.1〜50μmが好ましい。分散性の向上から0.01μm以上が好ましく、衝撃性の低下から100μm以下が好ましい。アスペクト比は、100以下が好ましく、更に50以下が好ましい。衝撃性の低下から100以下である。
本発明に用いられる珪酸塩鉱物(B)は、スチレン系樹脂組成物(I)中に5〜50質量%配合されるが、高級感、およびタッチ感の点で5質量%以上であり、強度低下の点から50質量%以下である。好ましくは5〜40質量%であり、更に7〜40質量%が好ましい。
本発明のスチレン系樹脂組成物(I)には、一般な熱可塑性樹脂に用いられる種々の添加剤を配合することができる。添加剤には、特に制限がなく、一般的に公知とされている添加剤が使用できる。例えば難燃性を改良する目的でハロゲン化ポリカーボネートオリゴマー(例えば臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマー)、ハロゲン化エポキシ化合物等の如きハロゲン含有化合物;赤リン、燐化合物、ホスホン酸アミドの如きリン―窒素化合物など;難燃助剤(例えば三酸化アンチモン)等が挙げられる。その他ホスファイト系、ヒンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系およびシアノアクリレート系の紫外線吸収剤および酸化防止剤、ヒンダードアミンなどの耐光剤、核剤、アミン系、スルホン酸系、およびポリエーテル系などの帯電防止剤、顔料、および染料などの着色剤などの添加剤を含有してもよい。これらのうち、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光剤、および着色剤を配合することが好ましい。
本発明のスチレン系樹脂組成物(I)には、鉛筆硬度HB以上の範囲であれば、他の熱可塑性樹脂を配合することもできる。他の熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、アクリルエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリカプロラクトン、芳香族ポリエステルエラストマー、ポリアミド系エラストマー、ASグラフトポリエチレン、およびASグラフトポリプロピレンなどが挙げられる。これらのうちポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートが好ましい。
本発明のスチレン系樹脂組成物(I)の各種成分を混合するのに使用される機器としては、特に制限はないが、例えばヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ドラムタンブラー等が挙げられる。また、混練するのに使用される装置としては、特に制限はないが単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、二軸ローター付の連続混練機、多軸スクリュー押出機、オープンローラ、バンバリーミキサー等を挙げられる。
本発明の鍵盤とは、ピアノ式鍵盤、またはボタン式鍵盤がある楽器に用いられる鍵盤である。例えば、電子ピアノ、シンセサイザー・キーボードなどの電子式ピアノ、グランドピアノ、アップライトピアノなどのアコースティクピアノ、オルガンなどがピアノ式鍵盤に挙げられ、アコーディオン、バンドネオンなどがボタン式鍵盤に挙げられる。
本発明の鍵盤は、鍵盤楽器のうち電子ピアノ、シンセサイザー・キーボード、アップライトピアノ、およびオルガンに好ましく用いられる。
本発明の鍵盤は、熱可塑性樹脂に一般的に用いられる成形方法で成形される。例えば、射出成形、押出成形、シート成形、ブロー成形、およびカレンダ成形が挙げられる。これらのうち射出成形、押出成形が好ましく用いられる。射出成形は、インサート成形、2色成形、ガスアシスト射出成形、射出圧縮成形、冷熱サイクル成形等の応用技術も含まれる。
本発明の鍵盤は、形状に特に制限はないが、鍵盤表面にはスチレン系樹脂組成物(I)が用いられる。
例えば、鍵盤表面を構成する部材10(図1参照)のみにスチレン系樹脂組成物(I)を用い、下側部を構成する部材20(図1参照)には、その他の樹脂、または木材等を用い、部材10と部材20を組合せた鍵盤が挙げられる。部材10は射出成形、押出成形で成形されることが好ましい。部材10と部材20の接合には、インサート成形による熱溶着や接着剤による接合などが用いられる。部材10の厚みとしては、0.5〜3mmが好ましく、更に1〜2mmが好ましい。成形性の観点から0.5mm以上であり、寸法精度、経済性の観点で3mm以下である。
また、図1に示したものでは、鍵盤をそれぞれ別の材料からなる部材10と部材20とで構成しているが、図2に示すようにスチレン系樹脂組成物(I)で一体成形した部材11を鍵盤として用いることもできる部材11は、射出成形で成形されることが好ましい。部材11の厚みとしては、0.5〜3mmが好ましく、更に1〜2mmが好ましい。成形性の観点から0.5mm以上であり、寸法精度、経済性の観点で3mm以下である。
本発明の鍵盤は、表面に象牙模様を形成するための凹部を存在させることもできる。凹部の深さおよび幅は、0.01〜0.1mmが好ましく、模様形成から0.01mm以上であり、感触から0.1mm以下である。
下記の実施例および比較例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものであり、以下の例に限定されるものではない。
スチレン系樹脂組成物を構成する各成分の配合は下記のとおりである。
1.実施例および比較例に用いた原材料
<樹脂成分>
(スチレン系(共)重合体)
(A−1)アクリロニトリル30質量%、スチレン70質量%からなり、還元粘度が0.73であるアクリロニトリル・スチレン共重合体
(A−2)アクリロニトリル40質量%、スチレン60質量%からなり、還元粘度が0.58であるアクリロニトリル・スチレン共重合体
(A−3)ブタジエン系ゴム50質量%、ゴム重量平均粒子径200〜300nm、アクリロニトリル15質量%、スチレン35重量%、グラフト率55%、還元粘度0.26のアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体
(その他の樹脂)
(A−4)ポリメチルメタクリレート(旭化成ケミカルズ株式会社製 デルペット80N)
<充填剤成分>
(珪酸塩鉱物(B))
(B−1)タルク(キハラ化成株式会社製 SP−GB) 平均粒子径8μm
(その他の充填剤)
(B−2)繊維径0.5〜1.0μm、繊維長8〜30μmである塩基性硫酸マグネシウム
(B−3)炭酸カルシウム(株式会社カルファイン製 ACE−35)
<その他(C)>
(C−1)二酸化チタン(石原産業株式会社製 タイペークPF691)
(C−2)エチレンビスステアリルアミド(花王株式会社製 花王ワックスEB−FF)
ここで、スチレン系重合体におけるグラフト率とは、ゴム状重合体にグラフト共重合した成分の、ゴム状重合体に対する質量割合として定義される。重合反応により生成した重合体をアセトンに溶解し、遠心分離器によりアセトン可溶分と不溶分とに分離する。この時、アセトンに溶解する成分は重合反応した共重合体のうちグラフト反応しなかった成分(非グラフト成分)であり、アセトン不溶分はゴム状重合体、及びゴム状重合体にグラフト反応した成分(グラフト成分)である。アセトン不溶分の重量からゴム状重合体の質量を差し引いた値がグラフト成分の質量として定義されるので、これらの値からグラフト率を求めることが出来る。
また、スチレン系重合体における還元粘度とは、熱可塑性樹脂をアセトンに溶解し、これを遠心分離機によりアセトン可溶分、及びアセトン不溶分に分離する。熱可塑性樹脂におけるゴム状重合体にグラフトしていない成分(非グラフト成分)の還元比粘度は、アセトン可溶分0.25gを2−ブタノン50mlにて溶解した溶液を、30℃にてCannon−Fenske型毛細管中の流出時間を測定することにより得られる。
2.成形品の作成および評価方法
実施例、比較例中の評価、各種測定は以下の通りである。
表1に示された配合割合で全ての成分をドライブレンドし、株式会社池貝製PCM45二軸押出機(L/D=28.9)を用いて250℃で溶融混練を行った。
日本製鋼所製J−100EPI射出成形機を用いシリンダー設定温度250℃、金型温度60℃にて図1の部位10の鍵盤表面(図3のa=20mm、b=200mm、c=10mm、d=50mm、t=1.5mm)を作成し、評価を行った。
[鉛筆硬度]
成形された鍵盤で、JIS K5600に準じて鉛筆硬度を測定した。
[高級感]
成形された鍵盤を目視し、10名中で象牙のような高級感があると7名以上が感じた場合には◎、5〜7名の場合には○、5名未満の場合には×とした。
[タッチ感]
成形された鍵盤に手で触れ、10名中で象牙のようなタッチ感であると7名以上が感じた場合には◎、5〜7名の場合には○、5名未満の場合には×とした。
[耐傷性]
成形された鍵盤をツメで引っ掻き、目視にて傷が確認できない場合には◎、傷がうっすら確認できる場合には○、傷が容易に確認できた場合には×とした。
[演奏性]
成形された鍵盤で演奏し、10名中で象牙のような演奏性であると7名以上が感じた場合には◎、5〜7名の場合には○、5名未満の場合には×とした。
[薬品性]
木酢液およびグリース(G501 信越化学工業株式会社製)を表面に塗布し、2週間放置後に表面にクラックが発生していない場合には○、クラックが発生した場合には×とした。
表1に示すように本発明に規定する条件を満たさない場合には、本発明の効果を得ることができないが、本発明の樹脂組成物では、象牙のような見た目の高級感、タッチ感、演奏性、経済性、および吸水寸法変化に優れ、傷が付きにくく、耐薬品性に優れた効果が得られていることがわかる。
Figure 2009139512
本発明の鍵盤楽器の鍵盤は、象牙のような見た目の高級感、タッチ感、演奏性、経済性、および吸水寸法変化に優れ、傷が付きにくく、耐薬品性を可能にすることができる。
2層構造からなる鍵盤を示す図である。 1層構造からなる鍵盤を示す図である。 図1および図2の鍵盤の上部投影図である。
符号の説明
10 鍵盤表面部位を構成する部材
20 鍵盤下側部位を構成する部材
11 鍵盤を構成する部材

Claims (3)

  1. スチレン系重合体が50質量%以上含まれるスチレン系樹脂(A)50〜95質量%、珪酸塩鉱物(B)5〜50質量%からなり、鉛筆硬度がHB以上であるスチレン系樹脂組成物(I)からなる鍵盤。
  2. スチレン系樹脂(A)が芳香族ビニル単量体、および不飽和ニトリル単量体からなる共重合体を含むことを特徴とする請求項1記載の鍵盤。
  3. 珪酸塩鉱物(B)がタルクであることを特徴とする請求項1または2に記載の鍵盤。
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