JP2004091692A - 機構部品 - Google Patents

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小林 博幸
Yuji Kusumi
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Abstract

【課題】優れた摺動特性、寸法精度を兼ね備えた情報処理機器用樹脂製機構部品を提供することを目的とする。
【解決手段】非晶性熱可塑性樹脂99〜70質量%、α−オレフィン系重合体と少なくとも一種のビニル単量体とからなるグラフト共重合体1〜30質量%からなる樹脂組成物にて情報処理機器用樹脂製機構部品を構成する。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、摺動特性、寸法精度に優れたプリンター、複写機、FAX、光ディスクドライブ(CD−ROM、CD−R、CD−RW、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、MD、MO)等の情報処理機器用樹脂製機構部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリンター、複写機、FAXやパソコン、オーディオ、ゲーム等向けの光ディスクドライブ(CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、MD)等の情報処理機器用機構部品において、軽量化、生産性向上、コストダウンを目的とした樹脂化の動きが進んでおり、シャーシ類を中心として、寸法精度に優れる変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂等の非晶性樹脂による樹脂化実績が多く認められる。
【0003】
しかし、これら非晶性樹脂は、結晶性樹脂と比較して摺動性に乏しいことから、金属部品や他の樹脂部品との摺動部における摺動性に問題を抱えている。この対策として摺動部へのグリス塗布が一般的に行なわれているが、グリス塗布量が少ないと往復運動によりグリスが膜切れを起こし摺動性が極端に悪くなり摺動不良が発生することがある。逆にグリスの塗布量が多すぎると他の部分へのグリス飛散という問題が発生する事もある。また、コストダウンを目的としたグリスレス化やグリス塗布量低減に対する要求も強いのが現状である。
【0004】
情報処理機器用機構部品におけるグリスレス化やグリス塗布量低減の為に非晶性樹脂にシリコン系化合物やフッ素系化合物を添加した樹脂組成物を材料として使用することが試みられているが、シリコン系化合物の添加だけでは、摺動性を製品としての実用レベルまで向上させることは困難であり、またテフロン(登録商標)等フッ素系化合物の添加した材料を使用した場合には、摺動特性は向上するものの材料コストが非常に高くなることから、あまり実用的ではない。
これらのように、情報処理機器用機構部品においては、寸法精度に優れ、かつグリスレス化やグリス塗布量低減が可能な優れた摺動性を兼ね備えた熱可塑性樹脂材料にて構成された樹脂製機構部品の開発要求が大きいのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた摺動特性、寸法精度を兼ね備えた情報処理機器用樹脂製機構部品を提供する事を目的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
本発明者らは、前記課題を解決する為に鋭意検討を重ねた結果、非結晶性熱可塑性樹脂を主成分とした特定の樹脂組成物を材料として用いた場合に前記課題を解決出来る事を見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
1、非晶性熱可塑性樹脂99〜70質量%およびα−オレフィン系重合体と少なくとも一種のビニル単量体とからなるグラフト共重合体1〜30質量%からなる樹脂組成物にて構成された情報処理機器用樹脂製機構部品、
2、上記1の樹脂組成物100質量部に対して、鱗片状無機質充填剤を2〜100質量部配合してなるフィラー強化樹脂組成物にて構成された情報処理機器用樹脂製機構部品、
【0007】
3、前記1、2のいずれかに記載の樹脂組成物100質量部に対して、10〜40質量部の芳香族リン酸エステル系難燃剤を配合した難燃樹脂組成物にて構成された情報処理機器用樹脂製機構部品、
4、樹脂組成物の非晶性熱可塑性樹脂がポリフェニレンエーテル系樹脂である前記1、2、3のいずれかに記載の情報処理機器用樹脂製機構部品、
5、樹脂組成物のα−オレフィン系重合体と少なくとも一種のビニル単量体とからなるグラフト共重合体が、ポリエチレンとポリ(スチレン−メタクリル酸アルキル−メタクリル酸ヒドロキシルアルキル共重合体)とよりなるグラフト共重合体である前記1、2、3、4のいずれかに記載の情報処理機器用樹脂製機構部品、
【0008】
6、フィラー強化樹脂組成物の鱗片状無機質充填剤がタルクである前記2、3のいずれかに記載の情報処理機器用樹脂製機構部品、
7、フィラー強化樹脂組成物の鱗片状無機質充填剤がガラスフレークである前記2、3のいずれかに記載の情報処理機器用樹脂製機構部品、
8、フィラー強化樹脂組成物の鱗片状無機質充填剤がマイカである前記2、3のいずれかに記載の情報処理機器用樹脂製機構部品、
9、前記1から8のいずれかに記載の樹脂組成物、フィラー強化樹脂組成物および難燃樹脂組成物に0.2質量%以上の二酸化炭素を溶融または吸収させた後に金型キャビティへ射出成形する事によって得られた情報処理機器用樹脂製機構部品、である。
【0009】
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明において、情報処理機器用樹脂製機構部品向け樹脂組成物の成分として用いられる非晶性熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ゴム補強のポリスチレン樹脂(ハイインパクト−ポリスチレン樹脂)、ポリスチレン樹脂/シンジオタクチックポリスチレン樹脂アロイ,ゴム補強ポリスチレン樹脂/シンジオタクチックポリスチレン樹脂アロイ,ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリカーボネイト樹脂/ABS樹脂アロイ、ポリカーボネイト樹脂/ポリブチレンテレフタレート樹脂アロイ等のポリカーボネイト系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂、またはハイインパクト−ポリスチレン樹脂とのアロイ)、ポリフェニレンエーテル樹脂/ポリフェニレンサルファイド樹脂アロイ等のポリフェニレンエーテル系樹脂等を使用することが出来るが、耐熱性に優れるポリカーボネイト系樹脂、ポリカーボネイト樹脂/ABS樹脂アロイ、ポリフェニレンエーテル系樹脂を使用することが好ましく、更に比重が小さく、製品の軽量化効果の大きいポリフェニレンエーテル系樹脂を使用することが特に好ましい。
【0010】
本発明の樹脂組成物に用いるα−オレフィン系重合体と少なくとも一種のビニル単量体とからなるグラフト共重合体におけるα−オレフィン系重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等を挙げることができる。これらα−オレフィン系重合体は、混合して用いることもできる。
また、ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等のスチレン系化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等のα、β−不飽和カルボン酸およびその金属塩、アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のα、β−不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸グリシジル、メタアクリル酸グリシジル等の不飽和グリシジル基含有単量体等が挙げられる。ビニル系重合体は、これらの単一重合体かニ種以上のビニル系単量体からなる共重合体である。
【0011】
このグラフト共重合体の配合量としては、フィラー成分を除いた樹脂組成物中の1〜30質量%であり、3〜20質量%とすることが好ましく、4〜10質量%とする事が特に好ましい。グラフト共重合体の配合量が1質量%未満では、充分な摺動性向上効果を得る事はできず、また30質量%を超えて配合した際には、機械的強度の低下、成形品寸法精度の低下、成形品表面剥離が著しい為、好ましくない。
【0012】
本発明の情報処理機器用樹脂製機構部品を構成する樹脂組成物には、強度、剛性向上の為、ガラス繊維,ガラスフレーク,タルク,マイカ,カオリン,炭酸カルシウム、炭素繊維等の無機フィラーやポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体ビニル芳香族化合物重合体と共役ジエン化合物重合体ブロックから構成されてなるブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーを配合することも可能である。更に必要に応じて通常の熱可塑性樹脂に添加される添加剤、例えば熱安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、離型剤、滑剤、潤滑剤、染料、顔料などを配合することも特に制限されるものではない。
【0013】
ここで、無機フィラー成分の配合については、機構部品成形品の寸法精度、表面平滑性、及び強度・剛性と摺動性性能のバランスを考慮して鱗片状無機質充填剤を配合する事が好ましい。この鱗片状無機質充填剤としては、タルク、ガラスフレーク、マイカを挙げることができる。特に好適なのは、成形品の表面平滑性に優れるタルクである。また、鱗片状無機質充填剤の単独配合だけでなく、2種類以上の鱗片状無機質充填剤の併用配合やガラス繊維、炭素繊維等の繊維状強化充填剤やその他の無機フィラーとの併用配合を行うことも可能である。鱗片状無機質充填剤の配合量としては、前記樹脂成分100質量部に対して2〜100質量部であり、好ましくは3〜85質量部、更に5〜70質量部配合することが特に好ましい。配合量が2質量部未満では、剛性、強度の向上効果が殆ど無く、また、100質量部を超えると成形性、表面平滑性が著しく低下してしまう為、好ましくない。これら無機フィラーは、樹脂との親和性を改良する目的で、例えばシラン系やチタネート系等の種々のカップリング剤で表面処理したものも使用できる。
【0014】
また、難燃剤の配合については、摺動性を損なわない為に芳香族リン酸エステル系難燃剤を用いることが好ましく、具体的にはトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジキシレニルフェニルホスフェート、ヒドロキシノンビスフェノール、レゾルシノールビスホスフェート、ビスフェノールAビスホスフェート等のトリフェニル置換タイプのリン酸エステル類を挙げることができる。これからは、単独でも二種類以上の組み合わせで配合しても良い。芳香族リン酸エステル系難燃剤の配合量としては、前記樹脂成分100質量部に対して5〜40質量部であり、配合量が5質量部未満では、充分な難燃性を得ることはできず、40質量部を超えて配合を行なった場合には、耐熱性を大幅に低下させる為好ましくない。
【0015】
これらの樹脂組成物の調整は、ブラベンダー、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機などの従来公知の技術によって達成されるが、特に好適なのは押出機である。
本発明の情報処理機器用樹脂製機構部品は、前記樹脂組成物を用い一般的な射出成形、インジェクションプレス成形、またはガスインジェクション成形等公知の成形方法にて成形を行なうことによって得られる。
ここで、本発明の情報処理機器用樹脂製機構部品の製造方法として前記樹脂組成物に0.2質量%以上の二酸化炭素を溶解または吸収させた後、金型キャビティへ射出成形を行うと、キャビティー充填時の樹脂粘度低下により、薄肉成形品の成形がより容易に低い圧力にて行う事が可能である為、好適である。
【0016】
前記フィラー強化樹脂組成物への二酸化炭素の溶解または吸収方法としては、射出成形機の加熱筒内にて溶融状態の樹脂に二酸化炭素を混合させる方法、予め溶融状態にある樹脂に二酸化炭素を混合した状態にて樹脂ペレットを造粒し、これを用いて射出成形する方法、予め密閉容器内にて樹脂ペレットに二酸化炭素を吸収させる方法等があるが、射出成形機への樹脂の安定供給性、射出成形時の作業性を考慮すると、射出成形機の加熱筒内にて溶融状態の樹脂に二酸化炭素を混合させる方法が最も好ましい。また、前記樹脂組成物への二酸化炭素の溶解または吸収量が、0.2質量%未満の場合には、キャビティー充填時の樹脂粘度低下効果が不充分である為、好ましくない。更に本製造方法においては、金型キャビティー内を二酸化炭素等のガスにて大気圧以上に加圧した状態にて、二酸化炭素を溶融または吸収させた前記樹脂組成物を射出成形する事が成形品の外観向上に効果を示す為、特に好ましい。この際の加圧するガスの圧力は、大気圧以上15MPa以下とすることが好適である。
【0017】
本発明においていう樹脂組成物への二酸化炭素の溶解または吸収量は、以下の式にて算出を行ったものである。
二酸化炭素の溶解または吸収量(質量%)=(M1−M2)×100/M2
M1:成形直後の成形品重量(成形品中に二酸化炭素含んだ状態)
M2:成形品を100℃の熱風乾燥機中に48時間以上放置した後の成形品重量
(成形品より二酸化炭素を放散させた状態)
なお本発明で述べる情報処理機器用樹脂製機構部品とは、例えばインクジェットプリンター、レーザービームプリンター、複写機、FAX等の事務機器におけるキャリッジ類、シャーシ類、ギア類、シャフト類、プーリー類等やコンピュータ、ゲーム機、音楽プレーヤー、ビデオプレーヤー、AV機器等における光ディスクドライブ(CD−ROM、CD−R、CD−RW、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、MD、MO)等のシャーシ類(ピックアップシャーシ、トラバースベース、サブシャーシ、ベースシャーシ等)、トレー類(ディスクトレー、チェンジャートレー等)、ギア類、シャフト類、プーリー類等を総称して言う。
【0018】
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。実施例及び比較例において使用した成分は以下のものである。
1)ポリフェニレンエーテル樹脂
固有粘度が0.43dl/g(30℃、クロロホルム中)であるポリ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル(密度1.06g/cm
2)ハイインパクト−ポリスチレン樹脂
A&MポリスチレンH9405(A&Mスチレン社製)
3)ポリスチレン樹脂
A&Mポリスチレン685(A&Mスチレン社製)
【0019】
4)グラフト共重合体
ポリエチレンとポリ(スチレン−メタクリル酸アルキル−メタクリル酸ヒドロキシルアルキル共重合体)とよりなるグラフト共重合体
モディパーA1511(日本油脂社製)
5)ポリカーボネイト樹脂
パンライトK−1300(帝人化成社製)
6)ガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレート樹脂
ノバデュラン5010G30(三菱エンジニアリングプラスチック製)
7)鱗片状無機質充填剤:タルク
ハイトロンA(竹内化学工業社製)
【0020】
8)鱗片状無機質充填剤:ガラスフレーク
マイクログラスフレカREFG−302(日本板硝子製)
9)鱗片状無機質充填剤:マイカ
スゾライト・マイカ200HK(クラレ社製)
10)繊維状強化充填材:ガラス繊維
RES03−TPO30(日本板硝子社製)
11)難燃剤
ビスフェノールAビスホスフェート
【0021】
また、物性評価方法及び光ディスク用トレーの模擬成形品(図1)の評価方法、評価基準は下記の通りである。
(1)材料の特性
1)曲げ弾性率:ASTM D−790に準拠して測定。測定温度23℃
2)荷重たわみ温度:ASTM D−648に準拠して測定。荷重:1.82MPa
3)燃焼性:UL94に準拠して測定(試験片厚み=1.6mm)
4)摺動特性:摩擦係数、磨耗量
往復動摩擦磨耗試験機(大倉インダストリー社製)を用い、樹脂平板試験片に先端5Rの球形状を持ったSUS製鋼球を0.5kgの荷重で接触させた点接触・往復摩擦磨耗試験(片道20mmの距離を1万往復:摺動速度30mm/秒)を実施し摩擦係数、および樹脂平板磨耗深さの測定を実施した。なお、摺動試験はグリスを使用せず実施した。
【0022】
(2)情報処理機器用機構部品模擬金型での反り、および摺動性評価
光ディスクドライブのシャーシとトレーを想定した図1、図2の成形品により反り、および摺動性の評価を行った。
1)反り評価:図1に示すシャーシ想定成形品(成形品A)の成形を行い、成形品の反りについて目視評価を実施した。
成形品反りについての目視判定基準
○:反りは確認できない
△:若干の反りが確認できる
×:明らかに反りが確認できる
【0023】
2)摺動性評価:図1に示すシャーシ想定成形品(モデル成形品A)と図2に示すABS樹脂(スタイラックVN30:旭化成製)にて成形を行ったトレー想定成形品(モデル成形品B)を用いて、成形品Bの上に成形品Aを乗せ、図3に示す状態にて0.5kgの荷重にて左右に10mmずつ5000往復させた際の発生音の有無、および試験終了後の成形品A摺動面の磨耗状態について評価を行った。なお、試験はグリスを使用せず実施した。
試験中の摩擦による発生音評価基準
○:発生音なし
×:発生音あり
成形品Aの摺動面磨耗状態についての目視判定基準
○:若干の磨耗しか確認できない。
△:多少の磨耗が確認できる。
×:著しい磨耗が確認できる。
【0024】
【実施例1〜5、及び比較例1〜5】
表1に示す組成の各成分を温度290〜310℃、スクリュー回転数100rpmに設定したニ軸押出機(PCM30:池貝鉄工所社製)にて溶融混練りし、樹脂組成物ペレットを得た。このペレットを用いてシリンダー温度280〜300℃、金型温度60〜80℃にて射出成形を行い材料特性評価用のテストピース、および光ディスクドライブのシャーシ模擬成形品(モデル成形品A)を作成し、前記した方法により各種試験を行なった。評価結果を表2に示す。
実施例1から5の樹脂組成物において作成した成形品は、非常に摺動特性に優れていることが分かる。これに対して比較例1、4、5のα−オレフィン系重合体と少なくとも一種のビニル単量体とからなるグラフト共重合体を配合しなかった組成、および比較例2のグラフト共重合体を1質量%未満しか配合しなかった場合においては、摩擦係数、磨耗量が大きく、模擬成形品における摺動試験においては、摩擦による音の発生も認められ摺動特性に乏しいことが分かる。
また、比較例3のグラフト共重合体30質量%を超えた量配合した場合には、成形品のゲート部付近を中心として剥離が激しく、実用に耐えないものであった。
【0025】
【実施例6】
実施例4と同じ樹脂組成物を用い、射出成形機の可塑化部(シリンダー)中央部に設けたガス注入部より、二酸化炭素の溶解量が0.8質量%となるように可塑化部内の溶融樹脂中に二酸化炭素ガスを溶融させた後、射出成形を行って光ディスクドライブのシャーシ模擬成形品を作成し、前記した方法により各種試験を行なった。この際の評価結果を表2に示す。
成形品の反り、摺動性能共に、実施例4と同様に非常に優れた性能を示した。
【0026】
【比較例6】
結晶性樹脂であるガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いてシリンダー温度290℃、金型温度80℃にて射出成形を行い材料特性評価用のテストピース、および光ディスクドライブのシャーシ模擬成形品(モデル成形品A)を作成し、前記した方法により各種試験を行なった。評価結果を表2に示す。摺動特性については、ある程度良好であったが、成形品の反りが大きく、実用に耐えないものであった。
【0027】
【表1】
Figure 2004091692
【0028】
【表2】
Figure 2004091692
【0029】
【発明の効果】
本発明の情報処理機器用樹脂製機構部品は、優れた摺動特性、寸法精度を兼ね備えている為、従来困難であった摺動部位におけるグリスレス化やグリス塗布量低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報処理機器用機構部品の評価用に用いた光ディスクドライブのシャーシを想定したモデル成形品Aの形状を示す図である。
【図2】本発明の情報処理機器用機構部品の評価用に用いた光ディスクドライブのトレーを想定したモデル成形品Bの形状を示す図である。
【図3】光ディスクドライブのシャーシ(モデル成形品A)とトレー(モデル成形品B)を想定した成形品により実施した摺動性評価の状態を示す図である。

Claims (9)

  1. 非晶性熱可塑性樹脂99〜70質量%およびα−オレフィン系重合体と少なくとも一種のビニル単量体とからなるグラフト共重合体1〜30質量%からなる樹脂組成物にて構成された情報処理機器用樹脂製機構部品。
  2. 請求項1に記載の該樹脂組成物100質量部に対して、鱗片状無機質充填剤を2〜100質量部配合してなるフィラー強化樹脂組成物にて構成された情報処理機器用樹脂製機構部品。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の樹脂組成物100質量部に対して、5〜40質量部の芳香族リン酸エステル系難燃剤を配合した難燃樹脂組成物にて構成された情報処理機器用樹脂製機構部品。
  4. 樹脂組成物の非晶性熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンエーテル系樹脂である請求項1、2、3のいずれかに記載の情報処理機器用樹脂製機構部品。
  5. 樹脂組成物のα−オレフィン系重合体と少なくとも一種のビニル単量体とからなるグラフト共重合体が、ポリエチレンとポリ(スチレン−メタクリル酸アルキル−メタクリル酸ヒドロキシルアルキル共重合体)とよりなるグラフト共重合体である請求項1、2、3、4のいずれかに記載の情報処理機器用樹脂製機構部品。
  6. フィラー強化樹脂組成物の鱗片状無機質充填剤が、タルクである請求項2、3のいずれかに記載の情報処理機器用樹脂製機構部品。
  7. フィラー強化樹脂組成物の鱗片状無機質充填剤が、ガラスフレークである請求項2、3のいずれかに記載の情報処理機器用樹脂製機構部品。
  8. フィラー強化樹脂組成物の鱗片状無機質充填剤が、マイカである請求項2、3のいずれかに記載の情報処理機器用樹脂製機構部品。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物、フィラー強化樹脂組成物および難燃樹脂組成物の1種に、0.2質量%以上の二酸化炭素を溶融または吸収させた後に金型キャビティへ射出成形する事によって得られた情報処理機器用樹脂製機構部品。
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