JP2009139486A - 液晶光学素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】透過状態においてヘイズ値が低く、かつ、力学的な衝撃に対してもヘイズの上昇が抑制された信頼性に優れた液晶光学素子を提供すること。
【解決手段】液晶と硬化物との複合体を備え、電圧非印加の状態において光が透過する液晶光学素子の製造方法であって、少なくとも一方が透明である一対の絶縁基板の各内面に電極を形成する工程と、下記液晶組成物を介し、前記絶縁基板の内面同士を対向させて当該絶縁基板を貼り合わせる工程と、前記液晶組成物が前記絶縁基板の内面間に挟持されかつ液晶が配向された状態で当該液晶組成物中の前記硬化性化合物を硬化させることにより前記複合体を形成する工程とを備える液晶光学素子の製造方法。
液晶組成物:ネマティック液晶と、メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物と、下式(4)で表される化合物とを含む液晶組成物。
CH2=CH−COOR (4)
ただし、式中のRは炭素数10〜30の直鎖アルキル基であり、該直鎖アルキル基は炭素数4以下の分岐鎖を有していてもよい。
【選択図】図1
【解決手段】液晶と硬化物との複合体を備え、電圧非印加の状態において光が透過する液晶光学素子の製造方法であって、少なくとも一方が透明である一対の絶縁基板の各内面に電極を形成する工程と、下記液晶組成物を介し、前記絶縁基板の内面同士を対向させて当該絶縁基板を貼り合わせる工程と、前記液晶組成物が前記絶縁基板の内面間に挟持されかつ液晶が配向された状態で当該液晶組成物中の前記硬化性化合物を硬化させることにより前記複合体を形成する工程とを備える液晶光学素子の製造方法。
液晶組成物:ネマティック液晶と、メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物と、下式(4)で表される化合物とを含む液晶組成物。
CH2=CH−COOR (4)
ただし、式中のRは炭素数10〜30の直鎖アルキル基であり、該直鎖アルキル基は炭素数4以下の分岐鎖を有していてもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶光学素子およびその製造方法に関する。
液晶光学素子は、低消費電力、薄型、軽量等の利点を有するため、携帯電話、デジタルカメラ、携帯情報端末、テレビ等の多くの電子機器に広く用いられている。その中で、近年、電界により液晶分子の配列を制御して、光散乱状態を変化させる液晶光学素子が提案されている。
また、LCPC(Liquid Crystal Polymer Composite)、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)、NCAP(Nematic Curvilinear Aligned Phase)等の液晶と硬化物との複合体(以下、液晶と硬化物との複合体を、液晶/硬化物複合体とも記載する)を備えた液晶光学素子が知られている(特許文献1参照)。これらの素子においては、硬化物相中にネマティック液晶相が均一に分散しており、電圧を印加して硬化物相と液晶相の屈折率の一致/不一致を切替え、光の透過−散乱を制御している。これらの素子は、原理的に偏光板を必要としないため光の透過率が高い。このため、例えば、自動車のサンルーフなどに利用される光シャッター、文字や模様を表示できるショーウィンドウ、各種掲示板、自動車のインストルメントパネル、ウィンドウ等の用途に適している。
このような素子として、電圧非印加時に透過状態を示す素子が報告されている(特許文献2参照)。具体的には、液晶と硬化性化合物とを含む組成物を、電極および配向膜が形成された基板間に挟持した後、前記組成物中の硬化性化合物を硬化させることによって得られる素子である。この素子は、電圧非印加時に透過状態を示し電圧非印加時に散乱状態を示す素子であり、透過状態と散乱状態の透過率の差を大きくすることにより、コントラストを向上させることができる。
本発明者らは、特許文献2に記載されたような電圧非印加時に透過状態を示す素子は、該素子の透過状態においてパネル面に対し力学的な衝撃が加わると、衝撃が加わった箇所を中心にヘイズ値が上昇して部分的に散乱状態を呈するため、透過状態と散乱状態とのコントラストが低下することを見出した。さらに、本発明者らは、ヘイズ値の上昇が特に顕著な部分では、電圧印加/非印加に関わらず、常に散乱状態が保持されたままとなる場合があることも見出した。これらの液晶光学素子は、前記のようにショーウィンドウ等に好適に用いられるため、高い透明性が求められる。よって素子に力学的な衝撃が加わることにより、透過状態におけるヘイズ値が上昇したり、ヘイズ値上昇のために電圧印加時と非印加時とのコントラストが低下したりすると、光シャッターやショーウインド等としての機能を果たさないばかりか、意匠性を損ねる等の外観上の問題もある。
本発明者らの検討によると、これらの問題は以下のことが原因となって生じると推察される。すなわち、光が透過している状態においては、液晶がある一方向にほぼ均一に配向することで素子はパネル面内で均一な透過状態を呈することができる。しかし、力学的な衝撃がパネル面に加わることにより、硬化性化合物の硬化により形成された硬化物からなる、液晶の配向を制御せしめる構造体が破壊、もしくは変形してしまい、液晶の配向を乱してしまうことによって前記の問題が発生すると推察される。
前記の問題を解決するには、素子中に含まれる硬化物からなる構造体の破壊、もしくは変形を抑制することが有効であり、硬化性化合物の一部に、メソゲン構造を有さないオキシアルキレン鎖を持つ2官能アクリル系化合物等を使用することによって、複合体の構造を制御して外部からの衝撃に対する耐性を向上させた素子が報告されている(特許文献3参照)。
しかし、前記アクリル系化合物は、液晶に対する溶解性が充分でないため、液晶組成物中への添加量が制限され、添加量によっては、硬化前に液晶組成物から当該化合物が析出する場合がある。このように液晶に対する溶解性が低い成分を用いると、素子の光学特性が不均一になったり、透過状態におけるヘイズ値が大きくなったりする問題がある。これらの問題を解消するためには、液晶組成物を加温しながら硬化させる手法が考えられるが、この手法は製造工程が煩雑になるうえ、装置的負担も大きい問題があった。
本発明は前記の課題を解決するためになされたものであり、以下の発明を提供する。
[1]液晶と硬化物との複合体を備える液晶光学素子の製造方法であって、少なくとも一方が透明である一対の絶縁基板の各内面に電極を形成する工程と、前記絶縁基板の内面同士を対向させて当該絶縁基板を貼り合わせるとともに、前記絶縁基板の内面間に下記液晶組成物を挟持する工程と、前記液晶組成物が前記絶縁基板の内面間に挟持されかつ液晶が配向された状態で当該液晶組成物中の前記硬化性化合物を硬化させることにより前記複合体を形成する工程とを備える液晶光学素子の製造方法。
液晶組成物:ネマティック液晶と、メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物と、下式(4)で表される化合物とを含む液晶組成物。
CH2=CH−COOR (4)
ただし、式中のRは炭素数10〜30の直鎖アルキル基であり、該直鎖アルキル基は炭素数4以下の分岐鎖を有していてもよい。
[2]電極に電圧を印加しない状態で前記硬化性化合物を硬化させる[1]に記載の液晶光学素子の製造方法。
[3]前記絶縁基板の少なくとも一方に、プレチルト角60°以上の配向膜が備えられている[1]または[2]に記載の液晶光学素子の製造方法。
[4]前記メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物が、下式(3)で表される化合物である[1]〜[3]のいずれかに記載の液晶光学素子の製造方法。
A1-R1-X1-(Q3−Z2)p-Q1-Z1-Q2-(Z3-Q4)q-X2-R2-A2 (3)
ただし、式中の記号は以下の意味を示す。
A1、A2:それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基またはビニルエーテル。
Q1、Q2、Q3、Q4:それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基。
X1、X2:それぞれ独立に、単結合、酸素原子またはエステル結合。
R1、R2:それぞれ独立に、単結合または炭素原子間に一個または複数個のエーテル性酸素原子を有していてもよい直鎖または分枝の炭素数2〜20のアルキレン基。
Z1、Z2、Z3:それぞれ独立に、単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH2−CH2−、−C≡C−、−CH2−O−、−O−CH2−。
p、q:いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1。
A1、A2:それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基またはビニルエーテル。
Q1、Q2、Q3、Q4:それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基。
X1、X2:それぞれ独立に、単結合、酸素原子またはエステル結合。
R1、R2:それぞれ独立に、単結合または炭素原子間に一個または複数個のエーテル性酸素原子を有していてもよい直鎖または分枝の炭素数2〜20のアルキレン基。
Z1、Z2、Z3:それぞれ独立に、単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH2−CH2−、−C≡C−、−CH2−O−、−O−CH2−。
p、q:いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1。
[5]前記硬化性化合物の総量が液晶組成物に対して0.1〜20質量%である[1]〜[4]のいずれかに記載の液晶光学素子の製造方法。
[6]前記メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物と前記式(4)で表される化合物との合計量に対する前記メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物の含有率が60〜90質量%である[1]〜[5]のいずれかに記載の液晶光学素子の製造方法。
[7]さらに、前記液晶組成物がメソゲン構造を有さない多官能硬化性化合物を含む[1]〜[6]のいずれかに記載の液晶光学素子の製造方法。
[8]硬化性化合物の総量に対する多官能硬化性化合物の総量が80〜95質量%である[7]に記載の液晶光学素子の製造方法。
[9]少なくとも一方が透明である一対の絶縁基板と、前記絶縁基板の各内面に形成された電極と、前記絶縁基板の内面間に挟持された液晶と硬化物との複合体とを備える液晶光学素子であって、前記複合体は、下記液晶組成物が前記絶縁基板の内面間に挟持されかつ液晶が配向された状態で該液晶組成物中の硬化性化合物を硬化させることにより得られることを特徴とする液晶光学素子。
液晶組成物:ネマティック液晶と、メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物と、下式(4)で表される化合物とを含む液晶組成物。
CH2=CH−COOR (4)
ただし、式中のRは炭素数10〜30の直鎖アルキル基であり、該直鎖アルキル基は炭素数4以下の分岐鎖を有していてもよい。
[10]電極に電圧を印加しない状態で前記硬化性化合物を硬化させることによって得られる、[9]に記載の液晶光学素子。
[11]前記絶縁基板の少なくとも一方に、プレチルト角60°以上の配向膜を形成する工程を備えることを特徴とする[9]または[10]に記載の液晶光学素子。
[12]ネマティック液晶と、メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物と、下式(4)で表される化合物とを含む液晶組成物。
CH2=CH−COOR (4)
ただし、式中のRは炭素数10〜30の直鎖アルキル基であり、該直鎖アルキル基は炭素数4以下の分岐鎖を有していてもよい。
[13]前記液晶組成物が、少なくとも一方が透明である一対の絶縁基板と、前記絶縁基板の各内面に形成された電極とを備える電極付き絶縁基板の内面間に挟持されかつ液晶が配向された状態で前記液晶組成物中の前記硬化性化合物を硬化させることにより、光の透過と散乱の状態を制御する液晶と硬化物との複合体を形成する液晶組成物である[12]に記載の液晶組成物。
本発明によれば、透過状態においてヘイズ値が低く、かつ力学的な衝撃を受けた際のヘイズ値の上昇を抑制でき、信頼性に優れた液晶光学素子を提供できる。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。なお、本明細書においては、式(1)で表される化合物を化合物(1)とも記載する。他の化合物についても同様である。
図1は、本発明の実施の形態にかかる液晶光学素子の構成の一例を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本発明の実施の形態にかかる液晶光学素子1は、第1の透明基板11、第1の透明電極12、第1の絶縁膜13、第1の配向膜14、第2の透明基板21、第2の透明電極22、第2の絶縁膜23、第2の配向膜24、シール材30、スペーサ40および複合体層50を備えている。
具体的には、液晶光学素子1は、第1の透明基板11と第2の透明基板21とが互いに対向し、第1および第2の透明基板11、21の間で液晶/硬化物の複合体層50を挟持して構成されている。
第1および第2の透明基板11、21は絶縁基板であり、例えば、ガラス基板や、ポリカーボネート、アクリル樹脂などからなる樹脂基板または樹脂フィルム基板等が用いられる。ただし、本実施の形態では、第1および第2の透明基板11、21としたが、必ずしも両方の基板が透明である必要はなく、一方のみが透明であってもよい。また、これらの絶縁基板の形状は平板でもよく、全面または一部に曲率を有していてもよい。絶縁基体の厚さは適宜選択され、一般には0.5〜10mmが好ましい。
第1の透明基板11の内面上には、複数の第1の透明電極12がストライプ状に形成されている。一方、第2の透明基板21の内面上には、複数の第2の透明電極22がストライプ状に形成されている。なお。複数の第2の透明電極22は、複数の第1の透明電極12に対して略直交して交差するように形成されている。第1および第2の透明電極12、22は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)からなる。第1および第2の透明電極12、22のうち、いずれか一方は、Alや誘電体多層膜の反射電極であってもよい。もちろん、電極の形状は直交するストライプ状のものに限られることはなく、基板面全体が一つの電極であったり、特定のマークやキャラクターを表示できるものでもよい。
第1および第2の絶縁膜13、23は、各々第1および第2の透明電極12、22を覆うように形成されている。第1および第2の絶縁膜13、23は、電気絶縁性を向上させるためのものであり、SiO2、TiO2、Al2O3等の金属酸化物、樹脂等の絶縁性物質からなる。なお、第1および第2の絶縁膜13、23はなくてもよい。
第1および第2の絶縁膜13、23上には各々第1および第2の配向膜14、24が形成されている。配向膜14、24は、複合体層50内の液晶を所定の方向に配向させるため、液晶と接するように形成されている。ここで、透明基板11、21のそれぞれに形成された配向膜のうち、少なくとも一方は、液晶を透明基板11、21の内面に垂直に配向させることが好ましい。具体的には、プレチルト角60°以上の配向膜とすることが好ましい。これにより、ラビング処理を行わなくても、後述する液晶組成物を均一に配向させることができる。これにより、硬化後の液晶光学素子の光学特性を、大面積の場合であってもに均一にすることができる。
シール材30は、第1および第2の透明基板11、21の間において、第1および第2の透明基板11、21の周縁に沿って形成されている。第1および第2の透明基板11、21は、シール材30により接合されている。シール材30の材料には、例えば、紫外線硬化樹脂や熱硬化性樹脂が用いられる。第1および第2の透明基板11、21の内面間距離すなわち複合体層50の厚さ(セルギャップ)は一定であり、シール材30の高さは、第1および第2の透明基板11、21の内面間の距離と等しくなっている。
図1の液晶光学素子1はフラットな形状であるが、本発明の液晶光学素子はフラットな形状に限られず、用途によっては一部または全部に曲率を有していてもよい。すなわち3次元の形状であってもよい。ただし、この場合においても、第1および第2の透明基板11、12の内面間距離、すなわち複合体層50の厚さ(セルギャップ)は一定である。
スペーサ40は、第1および第2の透明基板11、21とシール材30に囲われた空間内に、均一に散布されている。スペーサ40は、セルギャップを制御する。セルギャップすなわちスペーサ40の直径は2〜50μmが好ましく、4〜30μmがさらに好ましい。セルギャップが小さすぎると透過状態と散乱状態のコントラストが低下し、大き過ぎると駆動電圧が上昇する。スペーサ40は、例えば、ガラス粒子、シリカ粒子、架橋したアクリル粒子等の硬質な材料からなる。なお、球状でなく、リブ状のスペーサを一方の基板に形成したものでもよい。
複合体層50は、第1および第2の透明基板11、21とシール材30に囲われた空間(以下、セル空間ともいう)内に封入されている。複合体層50は、セル空間内に本発明の液晶組成物を充填しセル空間内に液晶組成物が充填された状態で、該液晶組成物中の硬化性化合物を重合により硬化して得られる液晶/硬化物複合体からなる。
本発明においては、液晶/硬化物複合体を形成するための液晶組成物として、ネマティック液晶と、メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物と、下式(4)で表される化合物とを含む液晶組成物を用いる。
CH2=CH−COOR (4)
ただし、式中のRは炭素数10〜30の直鎖アルキル基であり、該直鎖アルキル基は炭素数4以下の分岐鎖を有していてもよい。以下、下式(4)で表される化合物を、「アクリレート(4)」とも記載する。
この液晶組成物は全体としてネマティック相を示す液晶組成物である。この液晶組成物は、前記の一対の電極付き絶縁基板の内面間に挟持し、液晶が配向した状態で該液晶組成物中の硬化性化合物を硬化させることにより液晶/硬化物複合体となる液晶組成物であり、該液晶/硬化物複合体は光の透過と散乱の状態の制御に好適に用いられる。
ネマティック液晶としては、2種類以上のネマティック液晶を組み合わせて用いてもよい。液晶の誘電率異方性は、正負どちらでもよく、液晶光学素子の用途等に合わせて適宜選択すればよい。たとえば、電界による表示を目的とする場合、液晶の配向方向を基板に対して垂直にすることで、透過状態での透過率を高くすることができるため、誘電率異方性が負の液晶を用いるのが好ましい。また、駆動電圧を低減するためには、液晶の誘電率異方性が大きいことが好ましい。さらに、散乱強度を高めて、透過−散乱のコントラストを改善するためには、液晶組成物の屈折率異方性(Δn)を大きくすることが好ましい。一方、誘電率異方性が大き過ぎると液晶組成物の電気絶縁性(比抵抗値)が低下するおそれがある。また、屈折率異方性が大き過ぎると、紫外線に対する耐久性が低下するおそれもある。
つぎに、メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物について説明する。なお、本発明において「硬化性化合物」とは、以下に述べる「硬化性官能基」を1個以上有する化合物の総称である。
メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物は、1分子中に2個以上(好ましくは2個)の硬化性官能基とメソゲン構造とを有する化合物である。本発明においてメソゲン構造は、2個以上の2価の環基が直接または連結基を介して結合した2価の構造(2価の基)であることが好ましい。2価の環基としては、1,4−フェニレン基およびトランス−1,4−シクロヘキシレン基が好ましく、1,4−フェニレン基が特に好ましい。これらの環基中の水素原子の1個以上は、塩素原子、フッ素原子、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよい。連結基としては、たとえば、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−OCH2−、−CH2O−、−CF2O−、および−OCF2−等が挙げられる。
本発明におけるメソゲン構造としては、前記環基と前記連結基とを適宜組合わせて得られるメソゲン構造であれば特に限定されない。たとえば以下に示す構造が挙げられ、構造(1)が好ましい。ただし、式中のPhは1,4−フェニレン基を、Cyはトランス−1,4−シクロヘキシレン基を意味し、これらの環基中の水素原子の1個以上は、塩素原子、フッ素原子、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよい。
−Ph−Ph− (1)、
−Ph−CH=CH−Ph−、
−Ph−C≡C−Ph−、
−Ph−Cy−、
−Cy−Cy−。
−Ph−CH=CH−Ph−、
−Ph−C≡C−Ph−、
−Ph−Cy−、
−Cy−Cy−。
硬化性官能基としては、ビニルエーテル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、およびグリシジルエーテル基等が挙げられ、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基が好ましく、アクリロイルオキシ基が特に好ましい。メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物の1分子中に含まれる2個以上の硬化性官能基は同一であっても異なっていてもよく、同一であることが好ましい。
また、硬化性官能基とメソゲン構造とは、メソゲン構造を含まない2価の基を介して連結していることが好ましい。該メソゲン構造を含まない2価の基としては、炭素原子間に1個または複数個のエーテル性酸素原子を有していてもよい直鎖または分枝の炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜6)のアルキレン基であることが好ましい。該基はエーテル性酸素原子を有する基であることが特に好ましく、下式(2)で表される基がとりわけ好ましい。ただし、式中のRaは炭素数2〜6のアルキレン基であり、kは1〜10の整数である。
−(O−Ra)k− (2)
本発明におけるメソゲン構造を有する多官能硬化性化合物としては、下式(3)で表される化合物が好ましい。
A1-R1-X1-(Q3−Z2)p-Q1-Z1-Q2-(Z3-Q4)q-X2-R2-A2 (3)
化合物(3)としては、以下に示す第1の実施形態が好ましく、第2の実施形態が特に好ましく、第3の実施形態がとりわけ好ましい。
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態においては、式(1)中の記号は以下の意味を示す。
A1、A2は、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基またはビニルエーテル基である。
Q1、Q2、Q3、Q4は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基である。
X1、X2は、それぞれ独立に、単結合、酸素原子またはエステル結合である。
R1、R2は、それぞれ独立に、単結合または炭素原子間に一個または複数個のエーテル性酸素原子を有していてもよい直鎖または分枝の炭素数2〜20のアルキレン基である。
Z1、Z2、Z3は、それぞれ独立に、単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH2−CH2−、−C≡C−、−CH2−O−、−O−CH2−である。
p、qは、いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1である。
第1の実施の形態においては、式(1)中の記号は以下の意味を示す。
A1、A2は、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基またはビニルエーテル基である。
Q1、Q2、Q3、Q4は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基である。
X1、X2は、それぞれ独立に、単結合、酸素原子またはエステル結合である。
R1、R2は、それぞれ独立に、単結合または炭素原子間に一個または複数個のエーテル性酸素原子を有していてもよい直鎖または分枝の炭素数2〜20のアルキレン基である。
Z1、Z2、Z3は、それぞれ独立に、単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH2−CH2−、−C≡C−、−CH2−O−、−O−CH2−である。
p、qは、いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1である。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施形態においては、式(3)中の記号は以下の意味を示す。
A1、A2は、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基である。
Q1、Q2はいずれも置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基であり、Q3、Q4が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基である。
X1、X2は、それぞれ独立に、単結合、酸素原子またはエステル結合である。
R1、R2は、それぞれ独立に、単結合または炭素原子間に一個または複数個のエーテル性酸素原子を有していてもよい直鎖または分枝の炭素数2〜20のアルキレン基である。
Z1、Z2、Z3は、それぞれ独立に、単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH2−CH2−または−C≡C−である。
p、qは、いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1である。
第2の実施形態においては、式(3)中の記号は以下の意味を示す。
A1、A2は、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基である。
Q1、Q2はいずれも置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基であり、Q3、Q4が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基である。
X1、X2は、それぞれ独立に、単結合、酸素原子またはエステル結合である。
R1、R2は、それぞれ独立に、単結合または炭素原子間に一個または複数個のエーテル性酸素原子を有していてもよい直鎖または分枝の炭素数2〜20のアルキレン基である。
Z1、Z2、Z3は、それぞれ独立に、単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH2−CH2−または−C≡C−である。
p、qは、いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1である。
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態においては、式(3)中の記号は以下の意味を示す。
A1、A2は、いずれもアクリロイルオキシ基である。
Q1、Q2は、いずれも置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基であり、Q3、Q4が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基である。
X1、X2は、それぞれ独立に、単結合、酸素原子またはエステル結合である。
R1、R2は、それぞれ独立に、直鎖または分枝の炭素数2〜20のアルキレン基である。
Z1は、単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH2−CH2−または−C≡C−であり、Z2、Z3がいずれも単結合である。
p、qは、いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1である。
第3の実施の形態においては、式(3)中の記号は以下の意味を示す。
A1、A2は、いずれもアクリロイルオキシ基である。
Q1、Q2は、いずれも置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基であり、Q3、Q4が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基である。
X1、X2は、それぞれ独立に、単結合、酸素原子またはエステル結合である。
R1、R2は、それぞれ独立に、直鎖または分枝の炭素数2〜20のアルキレン基である。
Z1は、単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH2−CH2−または−C≡C−であり、Z2、Z3がいずれも単結合である。
p、qは、いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1である。
化合物(3)としては、下式(30)で表される化合物が特に好ましい。
A3−(R3−O)n−Q1−Z1−Q2−(O−R4)m−A4 (30)
ただし、式中の記号は以下の意味を示す。
A3、A4:それぞれ独立にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、またはビニルエーテル基。
R3、R4:それぞれ独立に炭素数2〜6のアルキレン基。
Q1、Q2:それぞれ独立に置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基
Z1:単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH2−CH2−または−C≡C−
m、n:それぞれ独立に1〜10の整数。
A3、A4:それぞれ独立にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、またはビニルエーテル基。
R3、R4:それぞれ独立に炭素数2〜6のアルキレン基。
Q1、Q2:それぞれ独立に置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基
Z1:単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH2−CH2−または−C≡C−
m、n:それぞれ独立に1〜10の整数。
この化合物の具体例としては、下式(30a)〜(30d)で表される化合物を例示することができる。
メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物は、液晶性の化合物であってもよく、非液晶性の化合物であってもよい。メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物としては、非液晶性の化合物のみを使用してもよく、液晶性の化合物のみを使用してもよく、さらに、非液晶性の化合物と液晶性の化合物とを併用してもよい。
本発明の組成物は、さらに下式(4)で表される化合物を含む。式(4)において、Rは炭素数10〜30の直鎖アルキル基であり、該直鎖アルキル基は炭素数4以下の分岐鎖を有していてもよい。ここで、「直鎖アルキル基の炭素数が10〜30」とは、分岐鎖の炭素数を含まない数である。
CH2=CH−COOR (4)
直鎖アルキル基部分の炭素数は10〜26が好ましく、12〜24が特に好ましい。また、分岐鎖の炭素数は1〜3であることが好ましく、1または2であることが特に好ましい。Rが分岐鎖を有する場合、分岐する位置はRの末端に近い位置(−COO−と結合する位置から離れた位置)であることが好ましい。Rとしては、炭素数4以下の分岐鎖を持たない構造であることが特に好ましい。
化合物(4)としては、以下に示す化合物が好ましい。
CH2=CH−COO−(CH2)12H (4a、n−ラウリルアクリレート)
CH2=CH−COO−(CH2)16H (4b、n−セチルアクリレート)
CH2=CH−COO−(CH2)22H (4c、n−ベヘニルアクリレート)
化合物(4)は、単独で用いてもよく2種類以上組み合わせて用いてもよい。
CH2=CH−COO−(CH2)16H (4b、n−セチルアクリレート)
CH2=CH−COO−(CH2)22H (4c、n−ベヘニルアクリレート)
化合物(4)は、単独で用いてもよく2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、硬化性化合物の総量は、液晶組成物に対して0.1〜20質量%であることが好ましい。0.1質量%未満では、液晶相を硬化物により効果的な形状のドメイン構造に分割することができず、所望の透過−散乱特性を得ることができない。一方、20質量%を越えると、従来の液晶/硬化物複合体素子と同様に透過状態でのヘイズ値が増大しやすくなる。また、さらに好ましくは、液晶組成物中の硬化物の含有率が0.5〜15質量%であり、散乱状態での散乱強度を高く、透過−散乱が切り替わる電圧値を低くすることができる。
本発明においては、液晶組成物中の硬化性化合物の含有率が前記範囲であることにより、液晶光学素子としての特性が良好になるが、本発明の効果(硬化性化合物の一部としてアクリレート(4)を用いることにより、透過状態におけるヘイズ値が低減し、力学的な衝撃を受けた際のヘイズ値上昇が抑えられる効果)がより有効に発現するのも、液晶組成物中の硬化性化合物の含有率が0.1〜20質量%(好ましくは0.5〜15質量%)である液晶光学素子である。硬化性化合物を20質量%超含む液晶組成物を用いて得られる液晶光学素子(PDLC、LCPC、NCAP等の液晶光学素子)は、複合体中に含まれる硬化物の量が相対的に大きいことにより、一般的に、力学的な衝撃を受けた場合に硬化物からなる構造体が破壊したり、もしくは変形したりするなどの影響が相対的に小さいためであると推測される。
さらに、本発明の効果は、電圧非印加の場合に光が透過する液晶光学素子において顕著に発現する。電圧を印加することによって透過状態を呈する液晶光学素子においては、電圧という強制力によって液晶を配向させ、液晶と硬化物との屈折率を一致させることで透過状態を得るので、硬化物からなる構造体の破壊や変形等が生じたとしても、影響が小さいためであると推測される。
メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物と化合物(4)との比率は、メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物と化合物(4)との合計量に対し、メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物が60〜90質量%であることが好ましく、70〜85質量%であることが特に好ましい。また、化合物(4)が10〜40質量%であることが好ましく、15〜30質量%であることが特に好ましい。この割合であると、外観、意匠性に優れた液晶光学素子を得られるだけでなく、Ts(液晶組成物から硬化性化合物の一部が析出する温度)が低下する傾向があるため、硬化物を重合硬化させる際の温度コントロールが容易になる。
本発明においては、液晶組成物中に、多官能硬化性化合物としてメソゲン構造を有さない多官能硬化性化合物を含んでいてもよい。
メソゲン構造を有さない多官能硬化性化合物において、硬化性官能基としては、前記メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物における硬化性官能基と同様の基が挙げられ、好ましい基も同様である。メソゲン構造を有さない多官能硬化性化合物における硬化性官能基と、メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物における硬化性官能基とは同じであることが好ましい。硬化性官能基の数は2以上であり、2が好ましい。
メソゲン構造を有さない多官能硬化性化合物としては、下式(5)で表される化合物が好ましい。
A5−R5−A6 (5)
A5、A6は、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基またはビニルエーテル基である。
R5は、−R6−または−(R7−O)n−R7−である。
R5は、−R6−または−(R7−O)n−R7−である。
ただし、R6およびR7は、下記(i)の意味を示し、下記(ii)が好ましい。
(i)R6は炭素数2〜20の直鎖または分枝のアルキレン基であり、R7は炭素数2〜8の直鎖または分枝のアルキレン基であり、nは1〜10の整数である。
(ii)R6は炭素数2〜20の直鎖アルキレン基であり、R7が−(CH2)r−、−CH2−CH(CH3)−、−CH2−CH2−CH(CH3)−または−CH2−CH2−C(CH3)2−であり(ただし、rは2〜5の整数)、nが1〜10の整数である。
メソゲン構造を有さない多官能硬化性化合物は硬化性官能基A5、A6と、前記硬化性官能基A5とA6とを連結する2価の基R5を有する。R5としては、R5を構成する原子間同士が単結合で連結された部分を有し、分子内での回転の自由度の高い基を選択することが好ましい。このように構成することで、硬化反応によって得られる硬化物の柔軟性を向上させることができる。また、重合相分離をスムーズに進行させることができる。
A5、A6間に存在する基R5の炭素原子、エーテル性酸素原子の数が多いほど、硬化後に得られる硬化物の柔軟性は向上する。一方、これらの原子数が多いほど、液晶材料を調製する際の液晶との相溶性は低下する。また、後述のODF(one-drop-filling)法を採用する場合、揮発性を考慮して、化合物(5)の炭素原子数は8以上、好ましくは11以上とする。これらの事情を鑑み、基R5の構造(原子数および構成原子)を適切に選択することが好ましい。
基R5にはエーテル性酸素原子は含まれていても含まれていなくてもよい。エーテル性酸素原子を含んでいる場合は、硬化物の柔軟性が向上するので、好ましい。
メソゲン構造を有さない多官能硬化性化合物は、分子内にQ1のような基(環基)を含まないため、化合物全体に含まれる炭素原子数を大幅に増大させることなくR5に含まれる炭素原子数を増やすことが比較的容易である。この構造の採用により、液晶との相溶性を確保しつつ、液晶組成物から硬化物を硬化して得られる硬化物の柔軟性を大きく向上させることができる。
メソゲン構造を有さない多官能硬化性化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。該化合物としては、下式で表される化合物等が挙げられる。
CH2=CH−COO−(CH2CH2CH2CH2O)9−CO−CH=CH2 (5a)
CH2=CH−COO−(CH2CH2CH2CH2O)4−CO−CH=CH2 (5b)
CH2=CH−COO−(CH2CH2CH2CH2O)4−CO−CH=CH2 (5b)
本発明において、硬化性化合物としてメソゲン構造を有さない多官能硬化性化合物を用いる場合であっても、硬化性化合物の総量は、液晶組成物に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることが特に好ましい。また、この場合は、硬化性化合物全体に対する多官能硬化性化合物の合計の含有率(メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物とメソゲン構造を有さない多官能硬化性化合物との合計の含有率)が80〜95質量%であることが好ましく、85〜90質量%であることが特に好ましい。化合物(4)の含有率は、5〜20質量%であることが好ましく、10〜15質量%であることが特に好ましい。
さらに、メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物とメソゲン構造を有さない多官能硬化性化合物との総量に対して、メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物の含有率は60〜95質量%であることが好ましく、70〜90質量%であることが特に好ましい。メソゲン構造を有さない多官能硬化性化合物の含有率は、5〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることが特に好ましい。
硬化性化合物全体に対する、メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物、メソゲン構造を有さない多官能硬化性化合物、化合物(4)の割合がそれぞれ前記の範囲であると、信頼性に優れた液晶光学素子を得ることができる。
本発明の液晶組成物には、前記硬化性化合物の硬化を開始させる硬化剤や硬化を促すための硬化促進剤(硬化触媒など)が含まれていてもよい。特に、硬化反応を開始させる硬化剤を用いることが好ましい。硬化性化合物が重合性化合物である場合、重合開始剤を用いることが好ましい。例えば、光重合によって硬化反応を行う場合、ベンゾインエーテル系、アセトフェノン系、フォスフィンオキサイド系などの一般的な光重合開始剤を用いることができる。硬化開始剤や硬化促進剤を使用する場合、その量は液晶組成物中の硬化性化合物の総量に対して5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることが特に好ましい。
さらに、コントラスト比や安定性の向上を目的として、種々の化合物を添加することもできる。例えば、コントラストの向上を目的として、アントラキノン系、スチリル系、アゾメチン系、アゾ系等の各種二色性色素を用いることができる。その場合、二色性色素は、基本的に液晶化合物と相溶し、硬化性化合物とは不相溶であることが好ましい。この他に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種可塑剤等の添加も、安定性や耐久性向上の点から好ましい。これら種々の化合物を添加する場合、その総量は液晶組成物に対して20質量%
以下、特に10質量%以下、であることが好ましい。
以下、特に10質量%以下、であることが好ましい。
次に、液晶組成物を電極付き基板に対し、ある一方向に配向させて、次いで硬化性化合物を硬化させることにより得られる液晶光学素子1の動作について説明する。第1および第2の透明電極12、22の間に電圧を印加していないときは、液晶が基板に対して一方向に配向しているため、複合体層50は透過状態となり、背面(反観察面)を観察することができる。一方、第1および第2の透明電極12、22の間に電圧を印加すると、液晶は電界の作用により、電圧非印加時とは別の方向に配向しようとする。ここで、電極間に形成された硬化物からなる構造体の存在により、液晶はランダムに配向し、複合体層50は散乱状態となる。このように電圧の印加、非印加により散乱状態と透過状態が変化するため、所望の画像などを表示することができる。車両用途などではフェールセーフの観点から、電圧印加時に散乱状態となり、電圧非印加時に透過状態となる液晶光学素子が好ましい。このときの液晶の誘電率異方性は正と負のどちらでもよい。
前記のような電圧非印加時に透過状態をとり、電圧印加時に散乱状態をとる液晶光学素子において、本発明の効果(硬化性化合物の一部にアクリレート(4)を用いることにより、透過状態におけるヘイズ値が低減し、力学的な衝撃を受けた際のヘイズ値上昇が抑えられる効果)が有効に発現する。
次に、液晶光学素子1の製造方法について説明する。図2は、本発明の実施の形態にかかる液晶光学素子の製造フローの一例を示す図である。図2に示すように、本製造フローはST201〜ST207までの7ステップからなる。
まず、第1および第2の透明基板11、21の内面上に第1および第2の透明電極12、22を形成するための透明電極膜を、スパッタリング法、真空蒸着法等により形成する(ST201)。透明電極膜としては、前記の通り、ITOが好適である。この透明電極膜を、例えば、フォトリソグラフィ法により所望の文字や模様の形状にパターニングして、第1および第2の透明電極12、22を形成する。
次に、第1および第2の絶縁膜13、23を、ゾルゲル法、スパッタリング法、真空蒸着法等により、各々第1および第2の透明電極12、22を覆うように形成する(ST202)。
次に、第1および第2の絶縁膜13、23上に、各々第1および第2の配向膜14、24を形成する(ST203)。第1および第2の配向膜14、24は、ネマティック相を示す液晶組成物を一対の電極付き基板間で所定の方向に配向させるため、液晶と接するように形成する。上述の通り、透明基板11、21のそれぞれに形成された配向膜14、24のうち、少なくとも一方を、液晶を透明基板11、21の内面に垂直に配向させるように形成する。具体的には、プレチルト角60°以上の配向膜を形成することが好ましい。プレチルト角が小さい、具体的には10°以下の配向膜を使用することもできるが、液晶組成物を均一に配向させるためにはラビング処理が必要になる。
次に、第1または第2の透明基板11、21の内面上に、散布機を用いてスペーサ40の粒子を散布する(ST204)。
次に、第1または第2の透明基板11、21の内面上に、当該第1または第2の透明基板11、21の周縁に沿って、シール材30を塗布する(ST205)。ここで、シール材30には、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。なお、シール材30がスペーサを含んでいてもよい。
次に、前記第1または第2の透明基板11、21を貼り合わせ、これにより形成されたセル内に液晶組成物を充填する(ST206)。ここで、2カ所以上に設けたシール材の切り欠きの一方を液晶組成物に浸し、他方より吸引する(吸引法)。また、シール材部分に切り欠きを1カ所以上設けたセルを準備し、減圧雰囲気下で該セルの切り欠き部を液晶組成物の入った容器に浸漬した状態で大気圧に戻し、セルの内圧と大気圧の差圧にてセル中に液晶組成物を充填させることもできる(真空注入法)。さらに、ODF法(液晶滴下法、真空滴下法などとも呼ばれる。)を用いて、第1または第2の透明基板11、21の内面に、所定量の液晶組成物を滴下し、減圧下で、第1および第2の透明基板11、21の間をシール材30を介して貼り合わせてもよい。このODF法は、真空装置を要するが、前記吸引法や真空注入法に比べ、短時間で、液晶組成物を充填でき、大型液晶光学素子の製造に効果的である。
本発明においては、前記の方法によって透明基板の内面間に液晶組成物を挟持する。透明基板の内面間に液晶組成物が挟持された状態において、液晶組成物はネマティック相を示すので、配向膜によって液晶を容易に一方向へ配向させることができる。
なお、液晶組成物を介して第1または第2の透明基板11、21を貼り合わせる工程は、前記以外の方法を用いてもよい。
次に、液晶組成物中の硬化性化合物を硬化させる(ST207)。本発明においては、液晶組成物が透明基板の内面間に挟持され、かつ、液晶が配向した状態において硬化性化合物を硬化させる。硬化物の硬化前において液晶は一方向に配向しているため、電極間に電圧を印加しない状態で硬化性化合物を硬化させることができる。
硬化性化合物が光硬化性化合物の場合には、紫外線光源などにより露光し、硬化させる。露光により、光硬化性化合物が硬化し、液晶/硬化物の複合体層50が形成される。また、前記のODF法の場合にシール材30として光硬化性のシール材を使用した場合、同時にシール材を硬化させることもできる。なお、シール材30に光硬化性樹脂を用いない場合、シール材の硬化は別途行う必要がある。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されない。例1〜4が実施例であり、例5〜12が比較例である。なお、ヘイズ値は、直読ヘーズコンピューター(スガ試験機社製、HGM−2)を用いて測定した。また、以下の例において、光重合開始剤としてはベンゾインイソプロピルエーテルを用いた。
[例1]
[液晶組成物の調製]
負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、下記化合物(30a)を液晶組成物に対し8.0質量%、下記化合物(4a)(n−ベヘニルアクリレート、新中村化学工業社製、A−BH)を、液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行って、前記光硬化性化合物を溶解させ、液晶組成物Aを得た。
[液晶組成物の調製]
負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、下記化合物(30a)を液晶組成物に対し8.0質量%、下記化合物(4a)(n−ベヘニルアクリレート、新中村化学工業社製、A−BH)を、液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行って、前記光硬化性化合物を溶解させ、液晶組成物Aを得た。
CH2=CH−COO−(CH2)22H (4a)
[液晶光学素子の作成]
透明電極としてITO薄膜(インジウム錫酸化物)を内面に設けた一対のガラス基板のITO薄膜上に、絶縁層としてSiO2−TiO2系の金属酸化物薄膜を、セイミケミカル社製の「MIC−55」を用いて約50nmの厚みに形成した。さらにその上にプレチルト角が約90°となるポリイミド薄膜からなる配向膜を形成した。一対のこのガラス基板を、直径8μmの樹脂ビーズからなるスペーサを介して対向させ、液晶組成物を注入するための孔以外を幅が1.0mmのエポキシ樹脂により封止してセルを作製した。作成したセルの大きさは横が22mm、縦が25mmであった。このセル内に前記液晶組成物Aを室温にて真空注入法により充填した後、注入孔を室温硬化性の封着材にて封止した。注入孔を封止した後にセルを観察したところ、セルはヘイズが小さい透明状態を示した。次に、室温にて、中心波長が365nmで照射強度が30W/m2の紫外線をセルの両面から10分間照射して、硬化性化合物を硬化させることにより液晶光学素子Aを得た。
透明電極としてITO薄膜(インジウム錫酸化物)を内面に設けた一対のガラス基板のITO薄膜上に、絶縁層としてSiO2−TiO2系の金属酸化物薄膜を、セイミケミカル社製の「MIC−55」を用いて約50nmの厚みに形成した。さらにその上にプレチルト角が約90°となるポリイミド薄膜からなる配向膜を形成した。一対のこのガラス基板を、直径8μmの樹脂ビーズからなるスペーサを介して対向させ、液晶組成物を注入するための孔以外を幅が1.0mmのエポキシ樹脂により封止してセルを作製した。作成したセルの大きさは横が22mm、縦が25mmであった。このセル内に前記液晶組成物Aを室温にて真空注入法により充填した後、注入孔を室温硬化性の封着材にて封止した。注入孔を封止した後にセルを観察したところ、セルはヘイズが小さい透明状態を示した。次に、室温にて、中心波長が365nmで照射強度が30W/m2の紫外線をセルの両面から10分間照射して、硬化性化合物を硬化させることにより液晶光学素子Aを得た。
紫外線照射後、セル内部は均一な透過状態を呈していた。次に、前記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、液晶光学素子は散乱状態を呈した。透過状態におけるヘイズ値は1%以下であり、透明性は良好であった。さらに、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察してもヘイズの増加はほとんど見られなかった。
[衝撃試験評価]
前記液晶光学素子Aを机の上に置き、セル面に対し鉛直高さ方向40cmから直径が11mm、重さが5.5gの鉄球を、セル中央部に落下させた。鉄球が衝突した後においても、セル面内は高い透明性を保持しており、透過状態におけるヘイズ値は1.1%であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察してもヘイズ値の増加はわずかであった。また、鉄球が衝突した後の本素子に、200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、均一な散乱状態を呈した。
前記液晶光学素子Aを机の上に置き、セル面に対し鉛直高さ方向40cmから直径が11mm、重さが5.5gの鉄球を、セル中央部に落下させた。鉄球が衝突した後においても、セル面内は高い透明性を保持しており、透過状態におけるヘイズ値は1.1%であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察してもヘイズ値の増加はわずかであった。また、鉄球が衝突した後の本素子に、200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、均一な散乱状態を呈した。
本発明の液晶組成物を用いれば、初期ヘイズ値が1%以下と優れた透明性を有するだけでなく、衝撃試験後においても高い透過状態を保持することの出来る信頼性に優れた液晶光学素子を得ることができる。これは、アクリレート(4)を添加することにより、液晶の配向性が高められ、電圧非印加時における透過状態でのヘイズ値を低減することが出来ることによると推測される。さらに、硬化物の弾性率が低減されることで、衝撃に対しても硬化物からなる構造体が破壊されるおそれが低減され、これにより、素子中の液晶配向が乱れることがなく、透過状態において低いヘイズ値を維持することが出来るものと予測される。
表1に、液晶組成物に対する硬化性化合物の添加量(質量%)、衝撃試験前後のヘイズ値、ヘイズ値の変化量(ΔH)、衝撃試験後の外観、衝撃試験後の鉄球落下部位およびその周囲の電圧印加に対する透過率変化をまとめて示す。ヘイズ値が3%以下であれば、表示素子としての性能を充分に発揮できる。
[例2]
[液晶組成物Bの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し8.0質量%、更に下記化合物(4b)(n−セチルアクリレート、大阪有機化学社製、CA)を液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させ、液晶組成物Bを得た。
[液晶組成物Bの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し8.0質量%、更に下記化合物(4b)(n−セチルアクリレート、大阪有機化学社製、CA)を液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させ、液晶組成物Bを得た。
CH2=CH−COO−(CH2)16H (4b)
次に、例1と同様に、液晶組成物Bを真空注入法にて注入して、注入孔を封止した。このセルは、ヘイズの小さい均一な透明状態を示した。このセルに、例1と同条件にて、セルの両基板面より紫外線を照射して液晶光学素子を得た。
紫外線照射後、セル内部は均一な透過状態を呈していた。また、例1と同様、電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となる液晶光学素子が得られた。前記透過状態におけるヘイズ値は1%以下であり、透明性は良好であった。さらに、透明状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察してもヘイズの増加はわずかであった。
[衝撃試験評価]
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を加えた後においても、セル内面は高い透明性を保持しており、透過状態におけるヘイズ値は1.2%であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察してもヘイズの増加はわずかであった。また、例1と同様に、鉄球が衝突した後の本素子に電圧を印加したところ、均一な散乱状態を呈した。
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を加えた後においても、セル内面は高い透明性を保持しており、透過状態におけるヘイズ値は1.2%であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察してもヘイズの増加はわずかであった。また、例1と同様に、鉄球が衝突した後の本素子に電圧を印加したところ、均一な散乱状態を呈した。
[例3]
[液晶組成物Cの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し8.0質量%、更に下記化合物(4c、n−ラウリルアクリレート、大阪有機化学社製、LA)を液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに上前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加した。これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させ、液晶組成物Cを得た。
[液晶組成物Cの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し8.0質量%、更に下記化合物(4c、n−ラウリルアクリレート、大阪有機化学社製、LA)を液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに上前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加した。これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させ、液晶組成物Cを得た。
CH2=CH−COO−(CH2)12H (4c)
次に、例1と同様に、液晶組成物Cを真空注入法にてセルに注入して、注入孔を封止した。このセルは均一なヘイズの小さい透明状態を示した。このセルに、例1と同条件にて、セルの両基板面より紫外線を照射して液晶光学素子Cを得た。
紫外線照射後、セル内部は均一な透明状態を呈していた。また、例1と同様、電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となる液晶光学素子が得られた。前記透過状態におけるヘイズ値は1%以下であり、透明性は良好であった。さらに、透明状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察してもヘイズの増加はほとんど見られなかった。
[衝撃試験評価]
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃後においても、セル面内は高い透明性を保持しており、透過状態におけるヘイズ値は1.6%であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察してもヘイズの増加はわずかであった。さらに、例1と同様に、鉄球が衝突した後の本素子に電圧を印加したところ、均一な散乱状態を呈した。
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃後においても、セル面内は高い透明性を保持しており、透過状態におけるヘイズ値は1.6%であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察してもヘイズの増加はわずかであった。さらに、例1と同様に、鉄球が衝突した後の本素子に電圧を印加したところ、均一な散乱状態を呈した。
[例4]
[液晶組成物Dの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し7.0質量%、下記化合物(5a)を液晶組成物に対して1.0質量%と、前記化合物(4a)を液晶組成物に対して2.0質量%となるように添加した。これに前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させ液晶組成物Dを得た。
[液晶組成物Dの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し7.0質量%、下記化合物(5a)を液晶組成物に対して1.0質量%と、前記化合物(4a)を液晶組成物に対して2.0質量%となるように添加した。これに前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させ液晶組成物Dを得た。
次に、例1と同様に、液晶組成物Dを真空注入法にてセルに注入して、注入孔を封止した。このセルはヘイズの小さい均一な透明状態を示した。このセルに、例1と同条件にて、セルの両基板面より紫外線を照射して液晶光学素子を得た。
CH2=CH−COO−(CH2CH2CH2CH2O)9−CO−CH=CH2 (5a)
紫外線照射後、セル内部は均一な透明状態を呈していた。また、例1と同様、電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となる液晶光学素子が得られた。前記透過状態におけるヘイズ値は1%以下であり、透明性は良好であった。さらに、透明状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察してもヘイズの増加はほとんど見られなかった。
[衝撃試験評価]
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を与えた後においても、セル内面は高い透明性を保持しており、透過状態におけるヘイズ値は1.1%であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察してもヘイズの増加はほとんど見られなかった。さらに、例1と同様に、鉄球が衝突した後の本素子に電圧を印加したところ、均一な散乱状態を呈した。
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を与えた後においても、セル内面は高い透明性を保持しており、透過状態におけるヘイズ値は1.1%であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察してもヘイズの増加はほとんど見られなかった。さらに、例1と同様に、鉄球が衝突した後の本素子に電圧を印加したところ、均一な散乱状態を呈した。
[例5]
[液晶組成物Eの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し10.0質量%となるように添加した。これに前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させ、液晶組成物Eを得た。
[液晶組成物Eの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し10.0質量%となるように添加した。これに前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させ、液晶組成物Eを得た。
次に、例1と同様に、液晶組成物Eを真空注入法にてセルに注入して、注入孔を封止した。このセルは均一な透明状態を示した。このセルに、例1と同条件にて、セルの両基板面より紫外線を照射して液晶光学素子Eを得た。
紫外線照射後、セル内部は均一な透明状態を呈していたが、面内のヘイズ値は2.6%であった。
[衝撃試験評価]
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を加えた後、セル中央部に直径3mm程度の円形の白い散乱が残り、その周囲の半径7mm程度の領域においても若干のヘイズがあり、透過状態におけるヘイズ値は7.2%であった。次に、前記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、セル中央に発生した散乱部に変化は見られず、その周囲においては電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となったが、その透過率変化は不均一であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察したところ、徐々にヘイズが大きくなり、良好な透明性は失われていった。
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を加えた後、セル中央部に直径3mm程度の円形の白い散乱が残り、その周囲の半径7mm程度の領域においても若干のヘイズがあり、透過状態におけるヘイズ値は7.2%であった。次に、前記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、セル中央に発生した散乱部に変化は見られず、その周囲においては電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となったが、その透過率変化は不均一であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察したところ、徐々にヘイズが大きくなり、良好な透明性は失われていった。
[例6]
[液晶組成物Fの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し9.0質量%、更に前記化合物(5a)を液晶組成物に対し1.0質量%となるように添加した。これに液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させて液晶組成物Fを得た。
[液晶組成物Fの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し9.0質量%、更に前記化合物(5a)を液晶組成物に対し1.0質量%となるように添加した。これに液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させて液晶組成物Fを得た。
次に、例1と同様に、液晶組成物Fを真空注入法にてセル注入して、注入孔を封止した。このセルは均一な透明状態を示した。このセルに、例1と同条件にて、セルの両基板面より紫外線を照射して液晶光学素子を得た。
紫外線照射後、セル内部は均一な透明状態を呈していたが、面内のヘイズ値は1.6%であった。
[衝撃試験評価]
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を加えた後、セル中央部に直径2mm程度の円形の白い散乱が残り、その周囲の半径4mm程度の領域においても若干のヘイズがあり、透過状態におけるヘイズ値は3.6%であった。次に、前記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、セル中央に発生した散乱部に変化は見られず、その周囲においては電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となったが、その透過率変化は不均一であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察したところ、徐々にヘイズが大きくなり、良好な透明性は失われていった。
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を加えた後、セル中央部に直径2mm程度の円形の白い散乱が残り、その周囲の半径4mm程度の領域においても若干のヘイズがあり、透過状態におけるヘイズ値は3.6%であった。次に、前記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、セル中央に発生した散乱部に変化は見られず、その周囲においては電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となったが、その透過率変化は不均一であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察したところ、徐々にヘイズが大きくなり、良好な透明性は失われていった。
[例7]
[液晶組成物Gの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し8.0質量%、更にn−オクチルアクリレート(大阪有機化学社製、OA)を液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させて液晶組成物Gを得た。
[液晶組成物Gの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し8.0質量%、更にn−オクチルアクリレート(大阪有機化学社製、OA)を液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させて液晶組成物Gを得た。
次に、例1と同様に、液晶組成物Gを真空注入法にてセルに注入して、注入孔を封止した。このセルは均一な透明状態を示した。このセルに、例1と同条件にて、セルの両基板面より紫外線を照射して液晶光学素子Gを得た。
紫外線照射後、セル内部は均一な透明状態を呈していた。また、例1と同様、電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となる液晶光学素子が得られた。前記透過状態におけるヘイズ値は1.1%であり透明性は良好であった。
[衝撃試験評価]
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を加えた後、セル中央部に直径2mm程度の円形の白い散乱が残り、その周囲の半径5mm程度の領域においても若干のヘイズがあり、透過状態におけるヘイズ値は3.1%であった。次に、前記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、セル中央に発生した散乱部に変化は見られず、その周囲においては電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となる光学変化を保持していた。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察したところ、徐々にヘイズが大きくなり、良好な透明性は失われていった。
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を加えた後、セル中央部に直径2mm程度の円形の白い散乱が残り、その周囲の半径5mm程度の領域においても若干のヘイズがあり、透過状態におけるヘイズ値は3.1%であった。次に、前記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、セル中央に発生した散乱部に変化は見られず、その周囲においては電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となる光学変化を保持していた。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察したところ、徐々にヘイズが大きくなり、良好な透明性は失われていった。
[例8]
[液晶組成物Hの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し8.0質量%、更に2−エチルへキシルアクリレート(純正化学社製)を液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させ、液晶組成物Hを得た。
[液晶組成物Hの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し8.0質量%、更に2−エチルへキシルアクリレート(純正化学社製)を液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させ、液晶組成物Hを得た。
次に、例1と同様に、液晶組成物Hを真空注入法にて注入して、注入孔を封止した。このセルは均一な透明状態を示した。このセルに、例1と同条件にて、セルの両基板面より紫外線を照射して液晶光学素子を得た。紫外線照射後、セル内部は均一な透明状態を呈していた。また、例1と同様、電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となる液晶光学素子が得られた。前記透過状態におけるヘイズ値は1.3%であり、透明性は良好であった。
[衝撃試験評価]
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を加えた後、セル中央部に直径2mm程度の円形の白い散乱が残り、その周囲の半径5mm程度の領域においても若干のヘイズがあり、透過状態におけるヘイズ値は4.1%であった。次に、前記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、セル中央に発生した散乱部に変化は見られず、その周囲においては電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となったが、その透過率変化は不均一であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察したところ、徐々にヘイズが大きくなり、良好な透明性は失われていった。
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を加えた後、セル中央部に直径2mm程度の円形の白い散乱が残り、その周囲の半径5mm程度の領域においても若干のヘイズがあり、透過状態におけるヘイズ値は4.1%であった。次に、前記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、セル中央に発生した散乱部に変化は見られず、その周囲においては電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となったが、その透過率変化は不均一であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察したところ、徐々にヘイズが大きくなり、良好な透明性は失われていった。
[例9]
[液晶組成物Iの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(3a)を液晶組成物に対し8.0質量%、更にイソステアリルアクリレート(新中村化学社製、S−1800A)を液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させて液晶組成物Iを得た。
[液晶組成物Iの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(3a)を液晶組成物に対し8.0質量%、更にイソステアリルアクリレート(新中村化学社製、S−1800A)を液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させて液晶組成物Iを得た。
次に、例1と同様に、液晶組成物Iを真空注入法にて注入して、注入孔を封止した。このセルは均一な透明状態を示した。このセルに、例1と同条件にて、セルの両基板面より紫外線を照射して液晶光学素子を得た。紫外線照射後、セル内部は均一な透明状態を呈していた。また、例1と同様、電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となる液晶光学素子が得られた。前記透過状態におけるヘイズ値は1.4%であり、透明性は良好であった。
[衝撃試験評価]
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を加えた後、セル中央部に直径2mm程度の円形の白い散乱が残り、その周囲の半径5mm程度の領域においても若干のヘイズがあり、透過状態におけるヘイズ値は3.7%であった。次に、前記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、セル中央に発生した散乱部に変化は見られず、その周囲においては電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となったが、その透過率変化は不均一であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察したところ、徐々にヘイズが大きくなり、良好な透明性は失われていった。
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を加えた後、セル中央部に直径2mm程度の円形の白い散乱が残り、その周囲の半径5mm程度の領域においても若干のヘイズがあり、透過状態におけるヘイズ値は3.7%であった。次に、前記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、セル中央に発生した散乱部に変化は見られず、その周囲においては電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となったが、その透過率変化は不均一であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察したところ、徐々にヘイズが大きくなり、良好な透明性は失われていった。
[例10]
[液晶組成物Jの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し8.0質量%、更に下記化合物(6)(メトキシトリエチレングリコールアクリレート、新中村化学社製、AM−30G)を液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させて液晶組成物Jを得た。
[液晶組成物Jの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し8.0質量%、更に下記化合物(6)(メトキシトリエチレングリコールアクリレート、新中村化学社製、AM−30G)を液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させて液晶組成物Jを得た。
CH2=CH−CO−(OCH2CH2)3−OCH3 (6)
次に、例1と同様に、液晶組成物Hを真空注入法にてセルに注入して、注入孔を封止した。このセルは均一な透明状態を示した。このセルに、例1と同条件にて、セルの両基板面より紫外線を照射して液晶光学素子を得た。紫外線照射後、セル内部は均一な透明状態を呈していた。また、例1と同様、電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となる液晶光学素子が得られた。前記透過状態におけるヘイズ値は1.4%であり、透明性は良好であった。
[衝撃試験評価]
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃後、セル中央部に直径2mm程度の円形の白い散乱が残り、その周囲の半径5mm程度の領域においても若干のヘイズがあり、透過状態におけるヘイズ値は4.2%であった。次に、前記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、セル中央に発生した散乱部に変化は見られず、その周囲においては電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態の応答を保持していたが、その透過率変化は不均一であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察したところ、徐々にヘイズが大きくなり、良好な透明性は失われていった。
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃後、セル中央部に直径2mm程度の円形の白い散乱が残り、その周囲の半径5mm程度の領域においても若干のヘイズがあり、透過状態におけるヘイズ値は4.2%であった。次に、前記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、セル中央に発生した散乱部に変化は見られず、その周囲においては電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態の応答を保持していたが、その透過率変化は不均一であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察したところ、徐々にヘイズが大きくなり、良好な透明性は失われていった。
[例11]
[液晶組成物Kの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し8.0質量%、更に下記化合物(7)(4−n−ノニルフェノキシエチレングリコールアクリレート(東亜合成:M−111)を液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させて液晶組成物Kを得た。
[液晶組成物Kの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し8.0質量%、更に下記化合物(7)(4−n−ノニルフェノキシエチレングリコールアクリレート(東亜合成:M−111)を液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上で加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させて液晶組成物Kを得た。
次に、例1と同様に、液晶組成物Kを真空注入法にてセルに注入して、注入孔を封止した。このセルは均一な透明状態を示した。このセルに、例1と同条件にて、セルの両基板面より紫外線を照射して液晶光学素子を得た。紫外線照射後、セル内部は均一な透明状態を呈していた。また、例1と同様、電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となる液晶光学素子が得られた。前記透過状態におけるヘイズ値は1.4%であり、透明性は良好であった。
[衝撃試験評価]
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を加えた後、セル中央部に直径2mm程度の円形の白い散乱が残り、その周囲の半径5mm程度の領域においても若干のヘイズがあり、透過状態におけるヘイズ値は4.2%であった。次に、前記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、セル中央に発生した散乱部に変化は見られず、その周囲においては電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となったが、その透過率変化は不均一であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察したところ、徐々にヘイズが大きくなり、良好な透明性は失われていった。
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を加えた後、セル中央部に直径2mm程度の円形の白い散乱が残り、その周囲の半径5mm程度の領域においても若干のヘイズがあり、透過状態におけるヘイズ値は4.2%であった。次に、前記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、セル中央に発生した散乱部に変化は見られず、その周囲においては電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となったが、その透過率変化は不均一であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察したところ、徐々にヘイズが大きくなり、良好な透明性は失われていった。
[例12]
[液晶組成物Lの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し8.0質量%、更に下記化合物(8)を液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上にて加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させて液晶組成物Lを得た。
[液晶組成物Lの調製]
例1と同じ、負の誘電率異方性を示すネマティック液晶(Tc=96℃、Δn=0.200、Δε=−5.0)に、化合物(30a)を液晶組成物に対し8.0質量%、更に下記化合物(8)を液晶組成物に対し2.0質量%となるように添加した。これに液晶組成物に含まれる光硬化性化合物の総量に対し、1質量%の光重合開始剤を添加し、これを60度に設定したホットスターラー上にて加熱撹拌を行い、前記光硬化性化合物を溶解させて液晶組成物Lを得た。
次に、例1と同様に、液晶組成物Lを真空注入法にてセルに注入して、注入孔を封止した。このセルは均一な透明状態を示した。このセルに、例1と同条件にて、セルの両基板面より紫外線を照射して液晶光学素子を得た。紫外線照射後、セル内部は均一な透明状態を呈していた。また、例1と同様、電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となる液晶光学素子が得られた。前記透過状態におけるヘイズ値は1.1%であり、透明性は良好であった。
[衝撃試験評価]
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を加えた後、セル中央部に直径2mm程度の円形の白い散乱が残り、その周囲の半径6mm程度の領域においても若干のヘイズがあり、透過状態におけるヘイズ値は4.6%であった。次に、前記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、セル中央に発生した散乱部に変化は見られず、その周囲においては電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となったが、その透過率変化は不均一であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察したところ、徐々にヘイズが大きくなり、良好な透明性は失われていった。
例1と同様に、鉛直高さ方向40cmから鉄球をセル中央部に落下させ、素子に衝撃を加えた。衝撃を加えた後、セル中央部に直径2mm程度の円形の白い散乱が残り、その周囲の半径6mm程度の領域においても若干のヘイズがあり、透過状態におけるヘイズ値は4.6%であった。次に、前記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、セル中央に発生した散乱部に変化は見られず、その周囲においては電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となったが、その透過率変化は不均一であった。また、透過状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察したところ、徐々にヘイズが大きくなり、良好な透明性は失われていった。
1:液晶光学素子
11:第1の透明基板
12:第1の透明電極
13:第1の絶縁膜
14:第1の配向膜
21:第2の透明基板
22:第2の透明電極
23:第2の絶縁膜
24:第2の配向膜
30:シール材
40:スペーサ
50:複合体層
11:第1の透明基板
12:第1の透明電極
13:第1の絶縁膜
14:第1の配向膜
21:第2の透明基板
22:第2の透明電極
23:第2の絶縁膜
24:第2の配向膜
30:シール材
40:スペーサ
50:複合体層
Claims (13)
- 液晶と硬化物との複合体を備える液晶光学素子の製造方法であって、
少なくとも一方が透明である一対の絶縁基板の各内面に電極を形成する工程と、
前記絶縁基板の内面同士を対向させて当該絶縁基板を貼り合わせるとともに、前記絶縁基板の内面間に下記液晶組成物を挟持する工程と、
前記液晶組成物が前記絶縁基板の内面間に挟持されかつ液晶が配向された状態で当該液晶組成物中の前記硬化性化合物を硬化させることにより前記複合体を形成する工程とを備える液晶光学素子の製造方法。
液晶組成物:ネマティック液晶と、メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物と、下式(4)で表される化合物とを含む液晶組成物。
CH2=CH−COOR (4)
ただし、式中のRは炭素数10〜30の直鎖アルキル基であり、該直鎖アルキル基は炭素数4以下の分岐鎖を有していてもよい。 - 電極に電圧を印加しない状態で前記硬化性化合物を硬化させる請求項1に記載の液晶光学素子の製造方法。
- 前記絶縁基板の少なくとも一方に、プレチルト角60°以上の配向膜が備えられている請求項1または2に記載の液晶光学素子の製造方法。
- 前記メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物が、下式(3)で表される化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の液晶光学素子の製造方法。
A1-R1-X1-(Q3−Z2)p-Q1-Z1-Q2-(Z3-Q4)q-X2-R2-A2 (3)
ただし、式中の記号は以下の意味を示す。
A1、A2:それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基またはビニルエーテル。
Q1、Q2、Q3、Q4:それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基。
X1、X2:それぞれ独立に、単結合、酸素原子またはエステル結合。
R1、R2:それぞれ独立に、単結合または炭素原子間に一個または複数個のエーテル性酸素原子を有していてもよい直鎖または分枝の炭素数2〜20のアルキレン基。
Z1、Z2、Z3:それぞれ独立に、単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH2−CH2−、−C≡C−、−CH2−O−、−O−CH2−。
p、q:いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1。 - 前記硬化性化合物の総量が液晶組成物に対して0.1〜20質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の液晶光学素子の製造方法。
- 前記メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物と前記式(4)で表される化合物との合計量に対する前記メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物の含有率が60〜90質量%である請求項1〜5のいずれかに記載の液晶光学素子の製造方法。
- さらに、前記液晶組成物がメソゲン構造を有さない多官能硬化性化合物を含む請求項1〜6のいずれかに記載の液晶光学素子の製造方法。
- 硬化性化合物の総量に対する多官能硬化性化合物の総量が80〜95質量%である請求項7に記載の液晶光学素子の製造方法。
- 少なくとも一方が透明である一対の絶縁基板と、
前記絶縁基板の各内面に形成された電極と、
前記絶縁基板の内面間に挟持された液晶と硬化物との複合体とを備える液晶光学素子であって、
前記複合体は、下記液晶組成物が前記絶縁基板の内面間に挟持されかつ液晶が配向された状態で該液晶組成物中の硬化性化合物を硬化させることにより得られることを特徴とする液晶光学素子。
液晶組成物:ネマティック液晶と、メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物と、下式(4)で表される化合物とを含む液晶組成物。
CH2=CH−COOR (4)
ただし、式中のRは炭素数10〜30の直鎖アルキル基であり、該直鎖アルキル基は炭素数4以下の分岐鎖を有していてもよい。 - 電極に電圧を印加しない状態で前記硬化性化合物を硬化させることによって得られる、請求項9に記載の液晶光学素子。
- 前記絶縁基板の少なくとも一方に、プレチルト角60°以上の配向膜を形成する工程を備えることを特徴とする請求項9または10に記載の液晶光学素子。
- ネマティック液晶と、メソゲン構造を有する多官能硬化性化合物と、下式(4)で表される化合物とを含む液晶組成物。
CH2=CH−COOR (4)
ただし、式中のRは炭素数4以下の分岐鎖を有していてもよい直鎖アルキル基であり、該直鎖アルキル基の炭素数は10〜30である。 - 前記液晶組成物が、少なくとも一方が透明である一対の絶縁基板と、前記絶縁基板の各内面に形成された電極とを備える電極付き絶縁基板の内面間に挟持されかつ液晶が配向された状態で前記液晶組成物中の前記硬化性化合物を硬化させることにより、光の透過と散乱の状態を制御する液晶と硬化物との複合体を形成する液晶組成物である請求項12に記載の液晶組成物。
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