JP2007334211A - 液晶光学素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性および意匠性に優れる、液晶/硬化物複合体素子を提供すること。
【解決手段】本発明の態様1にかかる液晶光学素子は、一対の透明基板11、21と、前記透明基板の各内面に形成された電極12、22と、前記透明基板の内面間に挟持された電界駆動型の液晶と硬化物との複合体50と、を備えた液晶光学素子1であって、セルギャップが互いに異なる領域が形成されたものである。これにより、電極のパターニングが不要となる。また、従来、スタティック駆動方式では、表示できなかった意匠性に優れたデザインを実現できる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の態様1にかかる液晶光学素子は、一対の透明基板11、21と、前記透明基板の各内面に形成された電極12、22と、前記透明基板の内面間に挟持された電界駆動型の液晶と硬化物との複合体50と、を備えた液晶光学素子1であって、セルギャップが互いに異なる領域が形成されたものである。これにより、電極のパターニングが不要となる。また、従来、スタティック駆動方式では、表示できなかった意匠性に優れたデザインを実現できる。
【選択図】図1
Description
この発明は、液晶光学素子に関し、特に、液晶と硬化物との複合体を備えた液晶光学素子に関する。
液晶光学素子は、低消費電力、薄型、軽量等の利点を有するため、携帯電話、デジタルカメラ、携帯情報端末、テレビ等の多くの電子機器に広く用いられている。その中で、近年、電界により液晶分子の配列を制御して、光散乱状態を変化させる表示方式の液晶光学素子が提案されている。
特許文献1には、液晶と硬化物との複合体を備えた液晶光学素子(以下、液晶/硬化物複合体素子という)が開示されている。具体的には、液晶と未硬化の光硬化性化合物との混合物中の光硬化性化合物を露光して光硬化させ、透過状態と散乱状態の透過率の差を大きくすることにより、コントラストが向上する。この液晶/硬化物複合体素子は、原理的に偏光板を必要としないため、光透過率が高い。また、非電圧印加時に、液晶が基板と垂直に配向して透過状態となり、電圧印加時に、液晶がランダム配向して散乱状態となる。このため、文字や模様を表示できるショーウィンドウ、各種掲示板、自動車のインストルメントパネル等の用途に適している。
上記用途における液晶光学素子の表示方式としては、通常、セグメント方式が用いられる。セグメント方式では、表示したい文字や模様の形状に透明電極をパターニングし、各々のセグメントに電圧を印加してスイッチングするスタティック駆動方式が主に用いられる。スタティック駆動方式の場合、各電極が独立に作動するため、セグメント同士が互いに影響を受けず、また、駆動回路が単純であるという利点を有す。
特開2000−119656号公報
しかしながら、スタティック駆動方式では、上述の通り、フォトリソグラフィ法、エッチング法等により、表示したい文字や模様の形状に透明電極をパターニングする必要があり、製造工程が複雑となる問題があった。また、各々のセグメントに配線を敷設する必要があるため、文字や模様の形状によっては、駆動回路の形成できない問題もあった。すなわち、スタティック駆動方式では実現できないデザインがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、生産性および意匠性に優れる、液晶/硬化物複合体素子を提供することを目的とする。
本発明の態様1にかかる液晶光学素子は、一対の透明基板と、前記透明基板の各内面に形成された電極と、前記透明基板の内面間に挟持された電界駆動型の液晶と硬化物との複合体と、を備えた液晶光学素子であって、セルギャップが互いに異なる領域が形成されたものである。これにより、生産性および意匠性に優れる、液晶/硬化物複合体素子を提供できる。
本発明の態様2にかかる液晶光学素子は、上記発明の態様におけるセルギャップの比率が1.2倍以上であることを特徴とするものである。これにより、確実に生産性および意匠性に優れる、液晶/硬化物複合体素子を提供できる。
本発明の態様3にかかる液晶光学素子は、上記発明の態様における一方の透明基板の内面にのみ凹凸が形成されていることを特徴とするものである。これにより、さらに生産性に優れる、液晶/硬化物複合体素子を提供できる。
本発明の態様4にかかる液晶光学素子は、上記発明の態様において、スタティック駆動方式であることを特徴とするものである。これにより、さらに確実に生産性および意匠性に優れる、液晶/硬化物複合体素子を提供できる。
本発明の態様5にかかる液晶光学素子は、上記発明の態様における硬化物が、光硬化性樹脂であることを特徴とするものである。これにより、液晶光学素子の表示性能や生産性を向上できる。
本発明の態様6にかかる液晶光学素子は、上記発明の態様における液晶が、負の誘電異方性を有し、液晶を基板面に垂直に配向させる配向膜が少なくとも一方の基板に備えられているものである。これにより、透過状態での透過率を高くすることができる。
本発明により、生産性および意匠性に優れる、液晶/硬化物複合体素子を提供できる。
実施の形態.
以下に、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。
図1(a)は本発明の実施の形態にかかる液晶光学素子1の平面図、図1(b)は図1(a)のX−X切断線による断面図、図1(c)は図1(b)の点線円内を拡大した断面図である。図1に示すように、本発明の実施の形態にかかる液晶光学素子1は、第1の透明基板11、第1の透明電極12、第2の透明基板21、第2の透明電極22、シール材30、スペーサ40および複合体層50を備えている。なお、図1(a)は所定の電圧を印加し、液晶光学素子にチェッカーフラッグ状の模様を表示した状態の図である。このチェッカーフラッグ状の模様は、スタティック駆動方式では、従来、実現できなかったデザインである。
具体的には、液晶光学素子1は、第1の透明基板11と第2の透明基板21とが互いに対向し、第1および第2の透明基板11、21の間で液晶/樹脂の複合体層50を挟持して構成されている。
第1および第2の透明基板11、21は絶縁基板であり、例えば、ガラス基板や、ポリカーボネート、アクリル樹脂などからなる樹脂基板または樹脂フィルム基板等が用いられる。本実施例では、図1(b)に示すように、第2の透明基板21の内面すなわち電極形成面は全体に平坦であるのに対し、第1の透明基板11の内面すなわち電極形成面には凹凸が形成されている。したがって、図1に示す液晶光学素子1には、セルギャップが異なる領域が形成されている。詳細には後述する通り、セルギャップの変化により、閾値電圧が変化する。この原理を利用して、文字や模様を表示することができる。なお、両方の透明基板の内面に凹凸が形成されていてもよい。また、透明基板上に形成される透明電極膜の断裂を防止するため、凸部の角は面取りまたはR加工されたような形状であることが好ましい。
第1の透明基板11の内面上には、第1の透明電極12が一面に形成されている。一方、第2の透明基板21の内面上には、第2の透明電極22が一面に形成されている。第1および第2の透明電極12、22は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)からなる。第1および第2の透明電極12、22のうち、いずれか一方は、Alや誘電体多層膜の反射電極であってもよい。
第1および第2の透明基板11、21に各々形成された第1および第2の透明電極12、22上には配向膜(不図示)が形成されている。配向膜は、複合体層50内の液晶を所定の方向に配向させるため、液晶と接するように形成されている。ここで、透明基板11、21のそれぞれに形成された配向膜のうち、少なくとも一方は、液晶を透明基板11、21の内面に垂直に配向させることが好ましい。これにより、透過状態での透過率を高くすることができる。また、配向膜に配向処理を施してもよい。
シール材30は、第1および第2の透明基板11、21の間において、第1および第2の透明基板11、21の周縁に沿って形成されている。第1および第2の透明基板11、21は、シール材30により接合されている。シール材30の材料には、例えば、紫外線硬化樹脂(以下、UV樹脂という)や熱硬化性樹脂が用いられる。
スペーサ40は、第1および第2の透明基板11、21とシール材30に囲われた空間内に、均一に散布されている。スペーサ40は、最も小さいセルギャップを制御する。セルギャップすなわちスペーサ40の直径は2〜50μmが好ましく、4〜30μmがさらに好ましい。セルギャップが小さすぎるとコントラストが低下し、大き過ぎると駆動電圧が上昇する。スペーサ40は、例えば、ガラス粒子、シリカ粒子、架橋したアクリル粒子等の硬質な材料からなる。なお、球状でなく、リブ状のスペーサを一方の基板に形成したものでもよい。
複合体層50は、第1および第2の透明基板11、21とシール材30に囲われた空間内に封入されている。複合体層50は、液晶と光硬化性樹脂の複合体からなる。具体的な構成物質については後で詳述する。液晶は垂直配向し、ドメイン構造を有するため、電圧印加時に散乱する。そのため、散乱表示部と呼ばれる。散乱表示部は、電圧非印加時に透過状態であり、電圧印加時に透過率が変化し、散乱状態となる。したがって、散乱表示部が、電圧により液晶が動作する動作領域となる。
液晶としては、電界駆動型の材料であるネマティック液晶などが用いられる。2種類以上の液晶を組み合わせて用いてもよい。また、電界による表示を目的とする場合、液晶の配向方向を垂直にすることで、透過状態での透過率を高くすることができるため、誘電率異方性が負のものを用いるのが好ましい。ただし、誘電率異方性の極性は、正負どちらでもよい。また、駆動電圧を低減するためには、誘電率異方性が大きい方が好ましい。さらに、詳細には後述する理由から、電圧に対する光透過率の変化が、閾値を境に急激に起こるものが好ましい。
本発明の実施の形態に好適な光硬化性樹脂について説明する。本発明の実施の形態にかかる液晶光学素子に用いる複合体層50は、少なくとも次の化学式(1)で示される二官能重合性化合物(A)の一種以上と、化学式(2)で示される二官能重合性化合物(B)の一種以上と、非重合性の前記液晶とを含むことが好ましい。
二官能重合性化合物(A)は、樹脂中で、剛直性を有する主骨格成分を形成する。一方、二官能重合性化合物(B)は、樹脂中で、衝撃吸収の役割を果たすことができる柔軟成分を形成する。このような異なる物性の化合物を組み合わせることにより、液晶光学素子1に好適な液晶/硬化物の複合体層50が得られる。もちろん硬化物を形成する樹脂はこれに限定されるものではない。
二官能重合性化合物(A)について説明する。二官能重合性化合物(A)は化学式(1)を満たす化合物であれば、特に限定されない。
また、化学式(1)で表される二官能重合性化合物(A)が下記条件を満たす化合物であることが好ましい。
A1、A2が、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基またはビニルエーテル基である。
Q1、Q2、Q3、Q4が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基である。
A1、A2が、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基またはビニルエーテル基である。
Q1、Q2、Q3、Q4が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基である。
X1、X2が、それぞれ独立に、単結合、酸素原子またはエステル結合である。
R1、R2が、それぞれ独立に、単結合または炭素原子間に一個または複数個のエーテル性酸素原子を有していてもよい直鎖または分枝状炭素数2〜20のアルキレン基である。
Z1、Z2、Z3が、それぞれ独立に、単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH2−CH2−、−C≡C−、−CH2−O−、−O−CH2−である。
p、qが、いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1である。
R1、R2が、それぞれ独立に、単結合または炭素原子間に一個または複数個のエーテル性酸素原子を有していてもよい直鎖または分枝状炭素数2〜20のアルキレン基である。
Z1、Z2、Z3が、それぞれ独立に、単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH2−CH2−、−C≡C−、−CH2−O−、−O−CH2−である。
p、qが、いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1である。
また、化学式(1)で表される二官能重合性化合物(A)が下記条件を満たす化合物であることが好ましい。
A1、A2が、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基である。
Q1、Q2がいずれも置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基であり、Q3、Q4が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基である。
A1、A2が、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基である。
Q1、Q2がいずれも置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基であり、Q3、Q4が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基である。
Z1、Z2、Z3が、それぞれ独立に、単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH2−CH2−または−C≡C−である。
p、qが、いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1である。
また、化学式(1)で表される二官能重合性化合物(A)が下記条件を満たす化合物であることが好ましい。
A1、A2がいずれもアクリロイルオキシ基である。
p、qが、いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1である。
また、化学式(1)で表される二官能重合性化合物(A)が下記条件を満たす化合物であることが好ましい。
A1、A2がいずれもアクリロイルオキシ基である。
Q1、Q2がいずれも置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基であり、Q3、Q4が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基である。
R1、R2が、それぞれ独立に、直鎖または分枝状炭素数2〜20のアルキレン基である。
Z1が、単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH2−CH2−または−C≡C−であり、Z2、Z3がいずれも単結合である。
p、qが、いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1である。
R1、R2が、それぞれ独立に、直鎖または分枝状炭素数2〜20のアルキレン基である。
Z1が、単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH2−CH2−または−C≡C−であり、Z2、Z3がいずれも単結合である。
p、qが、いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1である。
二官能重合性化合物(A)は、その性質から液晶性を有する化合物と液晶性を有しない化合物に分けられる。液晶性を有する二官能重合性化合物(A)を混合物の一成分として用いることができる。つまり、液晶性を有しない二官能重合性化合物(A)のみを用いる場合以外に、液晶性を有しない二官能重合性化合物(A)と液晶性を有する二官能重合性化合物(A)を組み合わせて用いることもでき、液晶性を有する二官能重合性化合物(A)を単独で用いることもできる。
次に、二官能重合性化合物(B)について説明する。二官能重合性化合物(B)は、化学式(2)を満たすものであれば、特に限定されない。例えば、下記条件を満たす化合物である。
A3、A4が、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基またはビニルエーテル基である。
R3が、−R4−または−(R5−O)n−R5−である。
A3、A4が、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基またはビニルエーテル基である。
R3が、−R4−または−(R5−O)n−R5−である。
ただし、R4は炭素数2〜20の直鎖または分枝状アルキレン基であり、R5は炭素数2〜8の直鎖または分枝状アルキレン基であり、nは1〜10の整数である。
または、R4が炭素数2〜20の直鎖アルキレン基であり、R5が−(CH2)r−、−CH2−CH(CH3)−、−CH2−CH2−CH(CH3)−または−CH2−CH2−C(CH3)2−であり(ただし、rは2〜5の整数)、nが1〜6の整数である、化合物である。
または、R4が炭素数2〜20の直鎖アルキレン基であり、R5が−(CH2)r−、−CH2−CH(CH3)−、−CH2−CH2−CH(CH3)−または−CH2−CH2−C(CH3)2−であり(ただし、rは2〜5の整数)、nが1〜6の整数である、化合物である。
二官能重合性化合物(B)は重合性基A3,A4を有し、重合性基間を連結するR3を有する。R3としては原子間に単結合を有し分子内回転の自由度の高い基を選択する。このように構成することで、重合された高分子の柔軟性を向上させることができる。また、重合相分離の反応性を高めることもできる。
A3,A4間の炭素原子数、エーテル性酸素原子数が多いほど、柔軟性は向上する。一方、液晶との相溶性は原子数が多いほど低下する。そのため、原子数を適切に選択する。また、ODF法を採用する場合、揮発性を考慮して、炭素原子数は8以上、好ましくは11以上とする。エーテル性酸素原子は含まれていても含まれていなくてもよい。エーテル性酸素原子を含んでいる場合は、高分子の柔軟性が向上するので、好ましい。
化学式(B)の化合物は分子内にQ1のような基を含まないためR3に含まれる炭素原子数を増やすことが比較的容易である。この構造の採用により、高分子の柔軟性が大きく向上する。
重合性モノマーを重合させるためには、重合開始剤を用いることが好ましい。このような重合開始剤としては、公知の重合触媒から適宜選択できる。例えば、光重合相分離法を用いる場合、ベンゾインエーテル系、アセトフェノン系、フォスフィンオキサイド系などの一般的な光重合開始剤を用いることができる。
重合性モノマーを重合させるためには、重合開始剤を用いることが好ましい。このような重合開始剤としては、公知の重合触媒から適宜選択できる。例えば、光重合相分離法を用いる場合、ベンゾインエーテル系、アセトフェノン系、フォスフィンオキサイド系などの一般的な光重合開始剤を用いることができる。
さらに、コントラスト比や安定性の向上を目的として、種々の化合物を添加することもできる。例えば、コントラストの向上を目的として、アントラキノン系、スチリル系、アゾメチン系、アゾ系等の各種二色性色素を用いることができる。その場合、二色性色素は、基本的に液晶化合物と相溶し、硬化性化合物とは不相溶であることが好ましい。この他に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種可塑剤の添加も、安定性や耐久性向上の点から好ましい。
次に、上述した液晶光学素子1の動作について説明する。液晶光学素子1はスタティック駆動方式である。第1および第2の透明電極12、22の間に電圧を印加していないときは、液晶が配向しているため、複合体層50は透過状態となる。一方、第1および第2の透明電極12、22の間に電圧を印加すると電極間の電界により液晶がランダムに配向して、複合体層50は散乱状態となる。透過状態の複合体層50は、液晶光学素子1の背面(反観察面)を観察することができる。このように電圧の印加、非印加により、散乱状態と透過状態が変化するため、所望の画像などを表示することができる。
一方、電圧印加時に透過状態となり、電圧非印加時に散乱状態となる液晶光学素子でもよい。ただし、車両用途などではフェールセーフの観点から、電圧印加時に散乱状態となり、電圧非印加時に透過状態となる液晶光学素子が好ましい。
一例として、図1に示した液晶光学素子1において、小さい方のセルギャップが4μm、大きい方のセルギャップが8μmの場合について説明する。図2は光透過率の電圧依存性を示すグラフであり、図2中Aはセルギャップが4μm、図2中Bはセルギャップが8μmのグラフである。図2に示すように、セルギャップが大きくなることにより、閾値電圧がVth(A)からVth(B)へ高電圧側にシフトする。これは、セルギャップが大きくなることにより、同一電圧下における電界強度が低下するからであり、電界駆動型の液晶に見られる現象である。この現象を利用して、セルギャップの小さい領域のみを散乱状態とし、文字や模様を表示することができる。
セルギャップの比率(小さい方のセルギャップに対する大きい方のセルギャップの比率)は1.2倍以上とすることが好ましい。1.2倍未満では、上述の閾値電圧Vthのシフトする電圧差が小さすぎ、一方のセルギャップ領域を透過状態とし、他方のセルギャップ領域を散乱状態とすることができない。すなわち、所望の文字や模様を表示することができなくなる。
本実施の形態にかかる液晶光学素子では、透明電極を表示したい文字や模様にパターニングする必要がなく、また、電圧を印加するための端子も液晶光学素子全体に対し、1つ設置すればよいため、生産性を向上できる。また、本実施の形態に示したチェッカーフラッグ状の模様のように、従来、スタティック駆動方式では、配線が敷設できないために表示できなかった意匠性に優れたデザインを実現できる。
図1に示した液晶光学素子1の印加電圧による液晶表示の変化を図3に示す。セルギャップは4μmと8μmであり、図2に示す光透過率の電圧依存性を示すものである。図3(a)は電圧0V、(b)は電圧27V、(c)は電圧50Vの場合である。
図3(a)では、全体が透過状態であり、印加電圧を高くした場合、図2に示すVth(A)まで、この透過状態が継続する。
図3(b)では、セルギャップが小さい領域のみが散乱状態であり、液晶光学素子1全体において、チェッカーフラッグ状の模様が表示される。ここで、電圧に対する光透過率の変化が、閾値を境に急激に起こる液晶であれば、図3(b)における電圧制御が容易になるため、好ましい。
図3(c)では、全体が散乱状態であり、40V以上ではこの状態である。
なお、セルギャップや電圧の数値は、あくまで一例であり、これに限定されるものではない。また、本実施の形態では、互いに異なるセルギャップの領域は2つであるが、互いに異なるセルギャップの領域を1つ増やすごとに、異なる液晶表示を1つ増やすことができる。
図3(b)では、セルギャップが小さい領域のみが散乱状態であり、液晶光学素子1全体において、チェッカーフラッグ状の模様が表示される。ここで、電圧に対する光透過率の変化が、閾値を境に急激に起こる液晶であれば、図3(b)における電圧制御が容易になるため、好ましい。
図3(c)では、全体が散乱状態であり、40V以上ではこの状態である。
なお、セルギャップや電圧の数値は、あくまで一例であり、これに限定されるものではない。また、本実施の形態では、互いに異なるセルギャップの領域は2つであるが、互いに異なるセルギャップの領域を1つ増やすごとに、異なる液晶表示を1つ増やすことができる。
次に、液晶光学素子1の製造方法について説明する。図4は、本発明の実施の形態にかかる液晶光学素子の製造フローの一例を示す図である。図4に示すように、本製造フローはST201〜ST209までの9ステップからなる。
まず、第1透明基板11の内面すなわち第1の透明電極12を形成する面上に、凹凸を形成する(ST201)。第1の透明基板11がガラスの場合、例えば、サンドブラスト、フッ酸エッチング等により、この凹凸を形成できる。一方、第1の透明基板11が樹脂の場合、精密金型成形等により、この凹凸を形成できる。なお、凹凸は、一方の透明基板の内面に形成される場合に限定されず、両方の透明基板の内面に形成してもよい。
次に、第1および第2の透明基板11、21の内面上に第1および第2の透明電極12、22を形成するための透明電極膜を、スパッタリング法、真空蒸着法等により形成する(ST202)。透明電極膜としては、上述の通り、ITOが好適である。
次に、第1および第2の透明基板11、21の透明電極を形成した面上に、配向膜(不図示)を形成する(ST203)。配向膜は、複合体層50内の液晶を所定の方向に配向させるため、液晶と接するように形成する。上述の通り、透明基板11、21のそれぞれに形成された配向膜のうち、少なくとも一方を、液晶を透明基板11、21の内面に垂直に配向させるように形成する。
次に、第1または第2の透明基板11、21の内面上に、散布機を用いてスペーサ40の粒子を散布する(ST204)。
次に、第1または第2の透明基板11、21の内面上に、当該第1または第2の透明基板11、21の周縁に沿って、シール材30を塗布する(ST205)。ここで、シール材30には、UV樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。なお、第1および第2の透明基板11、21の両方に分割して塗布してもよい。
次に、ODF(one-drop-fill)法を用いて、第1または第2の透明基板11、21の内面に、ネマティック液晶と光硬化性化合物の混合物からなる液晶材料を滴下する(ST206)。このODF法は、従来の吸引法(汲み上げ法)と比較して、簡単に、且つ、短時間で、液晶材料を透明基板11、21の間に配置することができる。このODF法は、大型液晶光学素子を製造するのに、特に効果的である。ただし、吸引法やその他の方法を用いてもよい。なお、ODF法は、液晶滴下法、真空滴下法などとも呼ばれる。
次に、減圧下で、第1および第2の透明基板11、21の間をシール材30により貼り合わせる(ST207)。具体的には、アライメントマークなどを用いて、第1および第2の透明基板11、21を位置合せした後、第1および第2の透明基板間11、21を接着材30により貼り合せる。また、20Pa以下の気圧が好ましく、一般的に真空中ともいえる。
次に、貼り合わされた透明基板11、21を減圧下から大気圧下に取り出す(ST208)。具体的には、図3に示す真空チャンバ103を大気開放すればよい。セル内外の圧力差により、2枚の透明基板が、スペーサにより保たれるセルギャップまで引き寄せられ、セル内に上記混合物が充満する。
次に、シール材30および液晶材料中の光硬化性化合物を紫外線光源などにより露光し、硬化させる(ST209)。露光により、光硬化性化合物が硬化し、液晶/硬化物の複合体層50が形成される。なお、シール材30に光硬化性樹脂を用いない場合、シール材の硬化は別途行う必要がある。
以上説明したように、本発明にかかる液晶光学素子では、透明電極を表示したい文字や模様にパターニングする必要がなく、また、電圧を印加するための端子も液晶光学素子全体に対し、1つ設置すればよいため、生産性を向上できる。また、従来、スタティック駆動方式では、配線が敷設できないために表示できなかった意匠性に優れたデザインを実現できる。
1 液晶光学素子
11 第1の透明基板
21 第2の透明基板
12 第1の透明電極
22 第2の透明電極
30 シール材
40 スペーサ
50 複合体層
11 第1の透明基板
21 第2の透明基板
12 第1の透明電極
22 第2の透明電極
30 シール材
40 スペーサ
50 複合体層
Claims (6)
- 一対の透明基板と、前記透明基板の各内面に形成された電極と、前記透明基板の内面間に挟持された電界駆動型の液晶と硬化物との複合体と、を備えた液晶光学素子であって、
セルギャップが互いに異なる領域が形成された液晶光学素子。 - 前記セルギャップの比率が1.2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の液晶光学素子。
- 一方の前記透明基板の内面にのみ凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶光学素子。
- スタティック駆動方式であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶光学素子。
- 前記硬化物は光硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶光学素子。
- 前記液晶は負の誘電異方性を有し、前記液晶を基板面に垂直に配向させる配向膜が少なくとも一方の基板に備えられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶光学素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006168685A JP2007334211A (ja) | 2006-06-19 | 2006-06-19 | 液晶光学素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006168685A JP2007334211A (ja) | 2006-06-19 | 2006-06-19 | 液晶光学素子 |
Publications (1)
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---|---|
JP2007334211A true JP2007334211A (ja) | 2007-12-27 |
Family
ID=38933722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006168685A Pending JP2007334211A (ja) | 2006-06-19 | 2006-06-19 | 液晶光学素子 |
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JP (1) | JP2007334211A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009229685A (ja) * | 2008-03-21 | 2009-10-08 | Stanley Electric Co Ltd | 液晶表示装置及びその製造方法 |
JP2010079120A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-08 | Stanley Electric Co Ltd | 液晶表示素子及びその製造方法 |
-
2006
- 2006-06-19 JP JP2006168685A patent/JP2007334211A/ja active Pending
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