JP2009138852A - オイル劣化検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動変速機のオイルの劣化を正確に検出することができるオイル劣化検出装置を提供する。
【解決手段】車両の車速と、トランスミッション内のオイルの温度を測定し(ステップS11)、測定した車速およびオイルの温度に応じたオイルレベルマップを検索し、オイル劣化判定しきい値を設定する(ステップS12)。次に、現在のオイルレベルを検出し(ステップS13)、現在のオイルレベルを、上記オイル判定しきい値と比較してオイルの劣化判定を行う(ステップS14)。オイルの劣化を検出した場合には、オイルの交換を促す表示を行う(ステップS15)。したがって、測定したオイルの現状によってオイル劣化の判定を行うので、オイルの現在の状態に即した判定を行うことができ、オイルの劣化を正確に検出することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動変速機のオイルの劣化を検出するオイル劣化検出装置に関する。
一般に、車両に搭載される自動変速機には、往復運動や回転運動により、金属部品同士がこすれ合う部分がある。こうした部品同士が直接触れ合いながら相互に動くと、摩擦が発生する。このような摩擦は、部品の動きを悪くしたり、表面を摩耗させて部品を小さくしてしまう等の弊害を招いてしまう。
このため、自動変速機では、オイルによる潤滑が行われている。すなわち、固体同士の摩擦は大きいが、液体と固体の摩擦は小さいため、部品と部品との間にオイルを送り込むことで、摩擦を軽減するようにしている。
また、オイルは、自動変速機における摩擦を軽減する潤滑作用のみならず、高温となった部品の冷却作用、摩擦や化学変化により発生した異物の洗浄作用、部品の急激な動作に対しての衝撃を和らげる緩衝作用、部品の表面を油膜で覆い直接酸素や水分との接触をさせずに錆を防ぐ防錆作用といった役割も担うものである。
一方、オイルは、上記のような幅広い働きが求められると共に、他のオイルに比べて燃焼室からの高熱や、内蔵されたMGからの高熱の影響を強く受けやすい。そのため、過酷な条件下で上記作用を保つために、各種の添加剤が用いられている。
ところが、高熱にさらされることでオイルの温度が上昇してオイル自身が酸化し、次第に添加剤の効力が失われ、劣化は徐々に進行する。したがって、オイルは時間経過と共に劣化してしまい、劣化が進んだオイルは上記作用が低下してしまうため、劣化が進行する前にオイルを交換する必要がある。
例えば、オイルの添加剤として、消泡剤がある。この消泡剤は、回転部分によってオイルが撹拌されると、泡が発生してしまい、オイルポンプによりオイルの代わりに泡を吸ってしまうと、オイル不足の原因となり、泡で上昇したオイルレベルが高回転部位に到達し、撹拌による発熱で油温上昇の原因となるため、泡を消すために用いられる。したがって、消泡剤が劣化して、消泡剤の機能が低下していると、撹拌時にオイル内の泡体積が増加してしまう。また、このとき、オイルレベルも上昇する。
このように、オイルの交換作業には重要な意味が含まれており、自動変速機にとっては早めに交換することが望ましい。しかしながら、資源の有効活用や経済性といった意味からも、自動変速機に支障のない範囲でオイルの性能を最大限利用するという考え方が要求される。
そこで、オイルの劣化状態を推測する自動変速機のオイル劣化検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このものは、オイルの劣化状態を検出するため、油温を定期的に測定し、前回算出した劣化度合いに、今回測定した油温に重み係数を乗算することにより算出した劣化度合いを加算し、現在の劣化状態を推測するようにしたものである。
また、オイルの劣化の検知精度を向上させた自動変速機のオイル交換表示装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。このものは、まず、自動変速機のオイルの油温に基づいて第1劣化率を求め、トルクコンバータの発熱量に基づいて劣化加速係数を求めて、第1劣化率と劣化加速係数とに基づいて熱的オイル劣化を算出する。ここでは、第1劣化率と劣化加速係数とを乗算し、時間で積分することにより熱的オイル劣化を算出している。
また、エンジン回転数、自動変速機の入力軸回転数及び出力軸回転数に基づいて第2劣化率を求め、第2劣化率に基づいて機械的オイル劣化を算出する。ここでは、エンジン回転数、自動変速機の入力軸回転数及び出力軸回転数に、それぞれの回転部分に対して機械的劣化への影響度を補正する係数を乗算し、求めた各値を加算した剪断回転数に応じた機械的オイル劣化を算出している。
そして、熱的オイル劣化または機械的オイル劣化が予め定めたオイル交換しきい値を超えたと判定したとき、表示ユニットにオイルの交換を促す表示を行うようにしたものである。
特開2004−169893号公報 特開2005−172048号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたものにおいては、オイルの温度の履歴(熱的履歴)に基づいて、オイルの劣化を推測するものであり、また、上記特許文献2に記載されたものにおいては、オイルの熱的履歴および機械的履歴に基づいて、オイルの劣化を推測するものであるため、現時点でのオイルの状態に基づいてオイルの劣化を推測しているわけではなく、推測精度が低く、正確な劣化判定が行われない場合があるという問題があった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、自動変速機のオイルの劣化を正確に検出することができるオイル劣化検出装置を提供することを課題とする。
本発明に係るオイル劣化検出装置は、上記課題を解決するため、(1)変速機内のオイルの劣化を検出するオイル劣化検出装置において、前記変速機内のオイルの温度を検出するオイル温度検出手段と、前記変速機が搭載された車両の車速を検出する車速検出手段と、前記オイルを貯留する貯留部における、前記オイルの温度および前記車速に応じたオイルレベルのマップを予め記憶するオイルレベルマップ記憶手段と、前記オイル温度検出手段に検出されたオイルの温度および前記車速検出手段に検出された車速に基づいて、前記オイルレベルのマップからオイル劣化判定しきい値を設定する判定しきい値設定手段と、前記貯留部におけるオイルレベルを検出するオイルレベル検出手段と、前記オイルレベル検出手段に検出されたオイルレベルを、前記オイル判定しきい値と比較して前記オイルの劣化判定を行い、前記オイルの劣化を検出するオイル劣化検出手段と、を備えたことを特徴とした構成を有している。なお、前記オイルレベルとは、オイルの体積を示す指標であり、例えば、前記オイル貯留部であるオイルパンにおけるオイルの油面の高さを表すものである。
この構成により、現在のオイルの温度および現在の車両の車速に応じて、オイルの温度および車速に応じて記憶されたオイルレベルのマップからオイルの劣化判定を行うしきい値を設定し、現在のオイルレベルと比較して、オイル劣化の判定を行うので、オイルの現在の状態に即した判定を行うことができ、オイルの劣化を正確に検出することができる。なお、車両用のオイルには、通常添加剤として消泡剤が使用される。この消泡剤が、オイル劣化と共に機能が低下すると、オイル内の泡を消す量が減り、オイル撹拌時にオイル内の泡体積が増加し、オイルレベルが上昇する。したがって、消泡剤が用いられるオイルでは、オイルレベルの増減によってオイル劣化の判定を特に有効に行うことができ、オイルの劣化を正確に検出することができる。
また、本発明に係るオイル劣化検出装置は、上記(1)に記載のオイル劣化検出装置において、(2)前記オイル劣化検出手段により前記オイルが劣化していると検出された場合に、オイルの交換を促す警告を報知する警告報知手段を備えたことを特徴とした構成を有している。
この構成により、オイルが劣化していると検出した場合に、オイルの交換を促す報知を行うので、正確なオイル劣化判定により劣化報知を行うことができ、車両の利用者に適切なオイル交換を促すことができる。
本発明によれば、オイルの現状を測定し、実際のオイルの状態によって劣化の判定を行うので、オイルの現在の状態に即した判定を行うことができ、オイルの劣化を正確に検出することができるオイル劣化検出装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るオイル劣化検出装置を搭載した車両の概略ブロック構成図である。
図1に示すように、車両10は、原動機であるエンジン11と、エンジン11により出力されたトルクを伝達する自動変速機(以下、トランスミッションという)30と、ギヤ機構13と、ディファレンシャルギヤ14と、ディファレンシャルギヤ14から出力されるトルクを伝達する駆動軸としてのドライブシャフト15と、ドライブシャフト15を介して伝達されたトルクにより回転され、車両10を駆動させる駆動輪17L、17Rと、トランスミッション30を油圧により制御するための油圧制御装置21と、オイルの交換を促す警告等を表示する表示装置22と、車両10全体を制御するための車両用電子制御ユニット(以下、ECUという)100と、を備えている。
エンジン11は、ガソリンあるいは軽油等の炭化水素系の燃料を燃焼させて動力を出力する公知の動力装置により構成されている。また、エンジン11には、エンジン回転数センサ81が設けられている。エンジン回転数センサ81は、エンジン11のクランクシャフト11aの回転数Neを検出するようになっている。さらに、エンジン11には、エンジン11の運転状態を検出する図示しない各種のセンサが設けられている。
エンジン回転数センサ81を含む各種センサが検出した検出信号は、ECU100に入力されるようになっている。エンジン11は、これらの信号により、ECU100によって燃料噴射制御や点火制御、吸入空気量調節制御等の運転制御が行われるようになっている。
トランスミッション30は、エンジン11により出力されたトルクを伝達させるトルクコンバータ40と、複数の遊星歯車および各歯車を係合あるいは解放するための摩擦要素により構成される変速機構50と、を備えている。
トルクコンバータ40は、エンジン11と変速機構50との間に配置されており、エンジン11のクランクシャフト11aに連結されたポンプ翼車41と、変速機構50の入力軸53に連結されたタービン翼車43と、一方向クラッチ44によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車45と、を有している。ポンプ翼車41とタービン翼車43とは、流体を介して動力を伝達するようになっている。
さらに、トルクコンバータ40は、ポンプ翼車41とタービン翼車43との間を直結するためのロックアップクラッチ46を備えており、車両10の高速走行時において、ポンプ翼車41とタービン翼車43とを機械的に直結することにより、エンジン11から変速機構50への動力の伝達効率を上げるようになっている。ここで、トルクコンバータ40は、ロックアップクラッチ46を所定の滑り率でスリップさせるフレックスロックアップを実行するようにしてもよい。
また、ポンプ翼車41には、変速機構50を変速制御するための油圧や、各部にオイルを供給するための油圧を発生させる機械式のオイルポンプ47が設けられている。
変速機構50は、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置51および第2遊星歯車装置52を備えている。第1遊星歯車装置51のサンギヤS1は、クラッチC2を介して入力軸53に選択的に連結されると共に、ブレーキB1を介してハウジング31に選択的に連結されるようになっている。
第1遊星歯車装置51のキャリアCA1は、クラッチC1を介して入力軸53に選択的に連結され、クラッチC3を介して第2遊星歯車装置52のリングギヤR2に選択的に連結されると共に、ブレーキB2を介してハウジング31に選択的に連結されるようになっている。第1遊星歯車装置51のリングギヤR1は、第2遊星歯車装置52のキャリアCA2と連結されるようになっている。
第2遊星歯車装置52のサンギヤS2は、入力軸53に連結されるようになっている。第2遊星歯車装置52のキャリアCA2は、出力軸54に連結されるようになっている。
また、クラッチC1〜C3およびブレーキB1〜B2(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)は、多板式のクラッチやブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式摩擦係合装置により構成されている。また、クラッチCおよびブレーキBは、油圧制御装置21のトランスミッションソレノイドおよびリニアソレノイドの励磁、非励磁や、マニュアルバルブの作動状態によって切り換えられる油圧回路に応じて、係合状態および解放状態の何れか一方の状態をとるようになっている。したがって、変速機構50は、これらのクラッチCおよびブレーキBの係合状態および解放状態の組み合わせに応じた変速段をとるようになっている。
本実施の形態に係る変速機構50は、1速〜4速により構成される4つの前進変速段および1つの後進変速段のうちの何れかの変速段をとるようになっている。また、変速機構として、一方向の回転を阻止する一方向クラッチが設けられる場合もあるが、ここでは、構成を簡略化するため一方向クラッチを設けていない構成とした。
さらに、トランスミッション30には、油温センサ82と、メインシャフト回転数センサ83と、カウンタシャフト回転数センサ84と、オイルレベルセンサ85と、が設けられている。
油温センサ82は、トランスミッション30の内部で循環するオイルの温度を検出するようになっている。メインシャフト回転数センサ83は、変速機構50の入力軸53の回転数Nmを検出するようになっている。カウンタシャフト回転数センサ84は、変速機構50の出力軸54の回転数Ncを検出するようになっている。オイルレベルセンサ85は、後述するオイルパンにおけるオイルレベルを検出するようになっている。
油温センサ82、メインシャフト回転数センサ83、カウンタシャフト回転数センサ84およびオイルレベルセンサ85が検出した検出信号は、ECU100に入力されるようになっている。
また、ドライブシャフト15には、車速センサ86が設けられている。車速センサ86は、ドライブシャフト15の回転数を検出するようになっている。車速センサ86が検出した検出信号は、ECU100に入力されるようになっている。
油圧制御装置21は、トランスミッションソレノイドS1〜S3、リニアソレノイドSLT、SLUを有し、ECU100によって制御され、油圧によりトランスミッション30を制御するようになっている。
トランスミッションソレノイドS1〜S3は、それぞれの変速時に作動するようになっている。リニアソレノイドSLTは、ライン圧制御および図示しないアキュムレータの背圧制御を行うようになっている。リニアソレノイドSLUは、ロックアップ機構の制御を行うようになっている。
トランスミッションソレノイドS1〜S3およびリニアソレノイドSLT、SLUの作動状態に応じて、ライン圧を元圧とする油圧によりトランスミッション30の摩擦要素が選択的に係合あるいは解放されるようになっている。これらの摩擦要素の係合および解放の組み合わせによって、トルクコンバータ40のロックアップ機構の制御を行うと共に、変速機構50の入力軸53と出力軸54との回転数の比が変更され、変速段が構成されるようになっている。
表示装置22は、走行距離表示、走行速度表示、時刻表示、オイル交換警告表示およびオイル交換数表示等を行うための表示部を備えている。例えば、ECU100によりトランスミッション30内のオイルが劣化していると判定された場合に、表示装置22は、ECU100の指示により、オイルの交換を促すオイル交換警告表示を行うようになっている。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)100a、ROM(Read Only Memory)100b、RAM(Random Access Memory)100cおよび図示しない入出力インターフェースを有している。
また、ECU100は、エンジン回転数センサ81、油温センサ82、メインシャフト回転数センサ83、カウンタシャフト回転数センサ84、オイルレベルセンサ85および車速センサ86と接続されており、これらのセンサからエンジン回転数Ne、オイルの温度、変速機構50の入力軸回転数Nm、変速機構50の出力軸回転数Nc、トランスミッション30内のオイルレベルおよびドライブシャフト15の回転数を表す信号がそれぞれ入力されるようになっている。ECU100は、上記入力された信号により、車両10の車速、トランスミッション30のオイルの温度、オイルレベル等を検出するようになっている。
また、ECU100のROM100bには、車両10の諸元値、車速およびスロットル開度に基づいて変速線図を表すマップ、変速制御を実行するためのプログラム、オイル劣化検出処理のプログラム等が記憶されている。車両10の諸元値には、車両10のタイヤ径(駆動輪17L、17Rの直径)、ギヤ機構13のギヤ比等が含まれている。
ECU100は、変速機構50の変速切り換えを、変速線図に基づいて自動で変速制御を実行する自動変速モード、手動による運転者のシフト指示に基づいて変速制御を実行する手動変速モード、および、自動または手動のいずれの変速も禁止する変速禁止モードで制御するようになっている。さらに、ROM100bには、オイルの劣化判定を行うしきい値が設定されたオイル劣化判定用のオイルレベルのマップが、オイルの温度および車速に応じて記憶されている。
次に、オイルの供給路について、説明する。図2は、本発明の実施の形態におけるオイルの供給路を示す回路図である。なお、図2に示すオイルパン150を含むオイルの供給路は、トランスミッション30内に設けられるが、図中では、説明を分かりやすくするため、トランスミッション30の他の各部と分離して示した。また、以下ではオイルが供給されるトランスミッション30の各部を、オイル供給部という。
図2に示すように、トランスミッション30は、オイルパン150と、ストレーナ151と、オイルポンプ152と、リリーフバルブ153と、を備えている。また、オイルパン150とオイル供給部との間には、ストレーナ151およびオイルポンプ152を介して、オイル通路161が設けられ、オイルパン150に貯留されているオイルが、オイル供給部に供給されるようになっている。
なお、オイルパン150に貯留されているオイルは、油圧制御装置21によって変速機構50のブレーキB1、B2を中心とした摩擦要素等を作動させるためのオイルとして用いられると共に、以下のものとしても用いられる。すなわち、エンジン11や変速機構50等における摩擦を軽減する潤滑作用、高温となった部品の冷却作用、燃焼ガスのガス漏れを防ぐ気密作用、摩擦や化学変化により発生した異物の洗浄作用、部品の急激な動作に対しての衝撃を和らげる緩衝作用、部品の表面を油膜で覆い酸素や水分と接触させずに錆を防ぐ防錆作用といった役割としても用いられる。
また、本実施の形態におけるオイルには、添加剤として消泡剤を使用するものとする。この消泡剤は、トランスミッション30の回転部分によってオイルが撹拌されると、泡が発生してしまい、オイルポンプによりオイルの代わりに泡を吸ってしまうと、オイル不足の原因となるため、泡を消すために用いられる。したがって、オイル劣化と共にこの消泡剤の機能が低下してしまうと、オイル内の泡を消す量が減り、オイル撹拌時にオイル内の泡体積が増加し、オイルレベルが上昇する。このため、オイルレベルの増減によってオイル劣化の判定を行うことができる。
また、オイル供給部には、オイルの圧力(油圧)が、上記摩擦要素等を作動させるために十分なライン圧となったか否かを判定することができる油圧スイッチが設けられている。この油圧スイッチは、オイルの圧力が所定のライン圧となることによりオンとなり、オイルの圧力が所定のライン圧を割り込むことによりオフとなるようになっている。
さらに、オイル供給部とオイルパン150との間には、戻り通路162が設けられ、オイル供給部に供給されたオイルは、オイルパン150に戻るようになっている。この戻り通路162は、実際に全ての通路が設けられているというものではなく、オイルが、トランスミッション30内のすき間を落下したり、内壁に沿って流れ落ちたりして、オイルパン150に戻るものである。
また、オイル通路161とオイルパン150との間には、リリーフバルブ153を介して、保護通路163が設けられている。
このような通路により、オイルパン150に貯留されているオイルは、オイルポンプ152によって吸い上げられ、トランスミッション30のオイル供給部に送られ、オイル供給部で作動油として使用されたり、潤滑油として使用されたりして、オイルパン150に戻るという循環を繰り返すことができる。
オイルパン150は、トランスミッション30の下部に設けられ、トランスミッション30のオイル供給部に供給されるオイルを貯留するものである。
ストレーナ151は、オイルパン150からオイルポンプ152でオイルを吸い上げるときに、オイル中の異物を同時に吸い込まないために、除去するためのものである。ストレーナ151は、フィルタを有し、このフィルタは、網目の粗い金網によりオイルを流す抵抗は小さくして異物を除去するようにしている。また、ストレーナ151のフィルタは、金網の他、ノッチワイヤで作られたものであってもよい。
さらに、ストレーナ151は、オイルパン150の底に近いような低い位置に設置してしまうと、沈殿物を撹拌してしまうおそれがあり、オイルの油面より高くなる位置に設置してしまうと、空気を巻き込んでしまう。したがって、オイルパン150の許容最低油面より低い所定の高さとなる位置に設置するようにする。
オイルポンプ152は、オイルパン150に貯留されたオイルを吸い上げ、トランスミッション30のオイル供給部に供給するものである。また、オイルポンプ152は、エンジン11の回転により駆動され、オイルを吸い上げる機械式ポンプ、および、内蔵される電動モータにより駆動され、オイルを吸い上げる電動式ポンプを有している。
リリーフバルブ153は、所定の圧力まではバルブが閉じたままで、所定の圧力になるとバルブが開いて、オイルを逃がし、圧力が高くなったときに、装置を破壊から守るためのものである。したがって、所定の圧力まではリリーフバルブ153が閉じたままで、オイルは全てオイル通路161を通ってオイル供給部側へ送られるが、所定の圧力になると、リリーフバルブ153が開き、余分のオイルは保護通路163を通ってオイルパン150に逃がされる。このリリーフバルブ153により、最高圧力を決めて、回路の保護を行うことができる。
また、オイルパン150から吸い上げたオイル中の細かい異物を取り除くため、オイルポンプ152とオイル供給部との間に、オイルフィルタを設けるようにしてもよい。オイルフィルタとは、金属製のケースの中に特殊な繊維で作った目の細かいろ紙を収めたもので、細かい異物をろ紙でこし取るものである。
なお、本実施の形態における車両10は、トルクコンバータ40および変速機構50を有するトランスミッション30を備えた構成としているが、トランスミッション30に加え、ギヤ機構13およびディファレンシャルギヤ14をも含めた所謂トランスアスクルを備えた構成としてもよい。
以下、本発明の実施の形態に係るオイル劣化検出装置を搭載した車両10の特徴的な構成について説明する。
ECU100は、油温センサ82から入力されたトランスミッション30内のオイルの温度を表す信号により、オイルの温度を検出するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明におけるオイル温度検出手段を構成している。
また、ECU100は、車速センサ86から入力されたドライブシャフト15の回転数に基づいて、車両10の車速を検出するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明における車速検出手段を構成している。
また、ECU100は、検出したオイルの温度および検出した車速に基づいて、オイルの劣化判定用のオイルレベルのマップからオイル劣化判定しきい値(Lb)を設定するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明における判定しきい値設定手段を構成している。
また、ECU100は、オイルレベルセンサ85から入力されたオイルレベルを表す信号により、オイルパン150におけるオイルの現在のオイルレベル(La)を検出するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明におけるオイルレベル検出手段を構成している。
また、ECU100は、検出した現在のオイルレベル(La)を、オイル劣化判定しきい値(Lb)と比較してオイルの劣化判定を行い、オイルの劣化を検出するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明におけるオイル劣化検出手段を構成している。
さらに、ECU100は、オイルの温度および車速に応じたオイルの劣化判定用のオイルレベルのマップを記憶するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明におけるオイルレベルマップ記憶手段を構成している。
表示装置22は、ECU100によりオイルが劣化していると検出された場合に、オイルの交換を促す警告を報知するようになっている。すなわち、表示装置22は、本発明における警告報知手段を構成している。
次に、動作について説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る車両におけるオイル劣化検出処理を示すフローチャートである。
なお、図3に示すフローチャートは、ECU100のCPU100aによって実行されるオイル劣化検出処理のプログラムであり、このオイル劣化検出処理のプログラムはROM100bに記憶されている。また、このオイル劣化検出処理は、ECU100のCPU100aによって所定の間隔で実行される。
図3に示すように、まず、ECU100のCPU100aは、車速、オイルの温度を測定する(ステップS11)。車速は、車速センサ86から入力されたドライブシャフト15の回転数に基づいて、ECU100のROM100bに記憶されている車両10の諸元値からタイヤ径(駆動輪17L、17Rの直径)を用いて、車両10の現在の車速を算出することにより、求めることができる。また、車速は、カウンタシャフト回転数センサ84から入力された変速機構50の出力軸回転数Nc、ギヤ機構13のギヤ比を用いて、求めることもできる。オイルの温度は、油温センサ82から入力されたトランスミッション30内のオイルの温度を表す信号により、測定することができる。
次に、ECU100のCPU100aは、オイルレベル劣化しきい値(Lb)を設定する(ステップS12)。このオイルレベル劣化しきい値(Lb)の設定では、上記測定した車両10の車速と、オイルの温度と、からECU100のROM100bに記憶されたオイル劣化判定用のオイルレベルのマップを検索し、正常のオイルを使用している場合のオイルレベルと、劣化したオイルを使用している場合のオイルレベルと、の境界となるしきい値(Lb)を設定する。
ここで、測定した車両10の車速と、オイルの温度と、が上記オイルレベルのマップに合致した値を有している場合には、マップに設定されたしきい値(Lb)をそのまま設定するものであるが、合致した値を有していない場合には、マップ内に設定された補間係数により、対応する値を算出して、しきい値(Lb)を設定するものとする。これにより、あらゆる値に対応することができると共に、オイルレベルのマップに、車速とオイルの温度を細かく持てば、しきい値(Lb)を正確に設定することができ、車速とオイルの温度を粗く持てば、記憶容量を抑えることができる。
次に、ECU100のCPU100aは、現在のオイルレベル(La)を測定する(ステップS13)。現在のオイルレベル(La)は、オイルレベルセンサ85から入力されたオイルパン150におけるオイルレベルを表す信号により、測定することができる。
次に、ECU100のCPU100aは、現在のオイルレベル(La)と、オイルレベル劣化しきい値(Lb)と、を比較し、オイルの劣化判定を行う(ステップS14)。
ECU100のCPU100aは、現在のオイルレベル(La)が、オイルレベル劣化しきい値(Lb)以下である場合(La≦Lb)には、オイルはまだ劣化していないものと判定し、オイル劣化検出処理を終了する。ここで、オイルが劣化していない場合には、消泡剤の機能が有効に機能し、撹拌により発生した泡を十分に消すことができるため、オイルレベルを上昇させることが無く、現在のオイルレベル(La)が、オイルレベル劣化しきい値(Lb)以下である場合(La≦Lb)には、オイルはまだ劣化していないものと判定した。
一方、ECU100のCPU100aは、現在のオイルレベル(La)が、オイルレベル劣化しきい値(Lb)よりも大きい場合(La>Lb)には、オイルが劣化しているものと判定し、表示装置22に対して、オイル交換警告表示を行わせるように指示し、オイルの交換を促す警告を報知させ(ステップS15)、オイル劣化検出処理を終了する。またここで、オイルが劣化している場合には、消泡剤の機能が低下し、撹拌により発生した泡を十分に消すことができず、オイルレベルが上昇してしまうため、現在のオイルレベル(La)が、オイルレベル劣化しきい値(Lb)よりも大きい場合(La>Lb)には、オイルが劣化しているものと判定した。
以上のように、本実施の形態に係るオイル劣化検出装置は、現在の車両10の車速および現在のオイルの温度に応じて、車速およびオイルの温度にしたがって記憶されたオイルレベルのマップからオイルの劣化判定を行うしきい値を設定し、現在のオイルレベルと比較して、オイル劣化の判定を行うので、オイルの現在の状態に即した判定を行うことができ、オイルの劣化を正確に検出することができる。
ここで、現在の車速およびオイルの温度に応じたオイルレベルのオイル劣化判定しきい値によりオイルの劣化を判定することにより、オイルの経時変化等による劣化を推測した値ではなく現在の値で判定することができると共に、温度変化による体積の増減や、車速によるオイルの撹拌による影響にも対応したオイルの劣化判定を行うことができる。
また、本実施の形態に係るオイル劣化検出装置は、オイルが劣化していると検出した場合に、オイルの交換を促す報知を行うので、正確なオイル劣化判定により劣化報知を行うことができ、車両10の利用者に適切なオイル交換を促すことができる。
以上説明したように、本発明に係るオイル劣化検出装置は、オイルの現状を測定し、実際のオイルの状態によって劣化の判定を行うので、オイルの現在の状態に即した判定を行うことができ、オイルの劣化を正確に検出することができるという効果を有し、自動変速機のオイルの劣化を検出するオイル劣化検出装置等として有用である。
本発明の実施の形態に係るオイル劣化検出装置を搭載した車両の概略ブロック構成図である。 本発明の実施の形態におけるオイルの供給路を示す回路図である。 本発明の実施の形態に係る車両におけるオイル劣化検出処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10 車両
11 エンジン
11a クランクシャフト
13 ギヤ機構
14 ディファレンシャルギヤ
15 ドライブシャフト
17L、17R 駆動輪
21 油圧制御装置
22 表示装置(警告報知手段)
30 トランスミッション
31 ハウジング
40 トルクコンバータ
41 ポンプ翼車
43 タービン翼車
44 一方向クラッチ
50 変速機構
51 第1遊星歯車装置
52 第2遊星歯車装置
53 入力軸
54 出力軸
81 エンジン回転数センサ
82 油温センサ
83 メインシャフト回転数センサ
84 カウンタシャフト回転数センサ
85 オイルレベルセンサ
86 車速センサ
100 ECU(オイル温度検出手段、車速検出手段、判定しきい値設定手段、オイルレベル検出手段、オイル劣化検出手段、オイルレベルマップ記憶手段)
150 オイルパン
151 ストレーナ
152 オイルポンプ
153 リリーフバルブ
161 オイル通路
162 戻り通路
163 保護通路

Claims (2)

  1. 変速機内のオイルの劣化を検出するオイル劣化検出装置において、
    前記変速機内のオイルの温度を検出するオイル温度検出手段と、
    前記変速機が搭載された車両の車速を検出する車速検出手段と、
    前記オイルを貯留する貯留部における、前記オイルの温度および前記車速に応じたオイルレベルのマップを予め記憶するオイルレベルマップ記憶手段と、
    前記オイル温度検出手段に検出されたオイルの温度および前記車速検出手段に検出された車速に基づいて、前記オイルレベルのマップからオイル劣化判定しきい値を設定する判定しきい値設定手段と、
    前記貯留部におけるオイルレベルを検出するオイルレベル検出手段と、
    前記オイルレベル検出手段に検出されたオイルレベルを、前記オイル劣化判定しきい値と比較して前記オイルの劣化判定を行い、前記オイルの劣化を検出するオイル劣化検出手段と、
    を備えたことを特徴とするオイル劣化検出装置。
  2. 前記オイル劣化検出手段により前記オイルが劣化していると検出された場合に、オイルの交換を促す警告を報知する警告報知手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のオイル劣化検出装置。
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