JP2009137953A - 3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニルの製造方法 - Google Patents

3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルの製造方法として、工程数が少なく効率的な製造方法を提供することにある。
【解決手段】4−ハロ−o−フェニレンジアミンのアミノ基を無機硫黄化合物と反応させて、5−ハロ−2,1,3−ベンズチアジアゾールに誘導し、次いで、該ベンズチアジアゾールをカップリング反応により、5,5'−ビス(2,1,3−ベンズチアジアゾ−ル
)に誘導した後、アミノ基の脱保護を行うことにより、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルを得ることを特徴とする、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルの効率的な製造方法に関する。
3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルは、耐熱性高分子、染料、電子材料等の原料として、産業上重要な化合物である。
この3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルの一般的な製法として従来から種々の製法が知られている。その例として、ベンジジン法(非特許文献1)、ビフェニル法(特許文献1)、ジクロロベンジジン法(特許文献2)、カップリング法(特許文献3)が挙げられる。
<ベンジジン法>
ベンジジン法は、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルの製法のうち、ベンジジンを原料とする古典的な製法である。ベンジジン(4,4'−ジアミノビフェニル)から
3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルを合成するにあたっては、一連の数段階にわたる工程を経ることにより行われる。
すなわち、まず、ベンジジンのアミノ基を無水酢酸によってN−アセチル化することで保護し、次いでニトロ化を行うことにより3,3'−ジニトロ−N,N'−ジアセチルベンジジンに変換する。このニトロ化においては、例えば無水酢酸と酢酸との混合物中、濃硝酸が用いられる。この3,3'−ジニトロ−N,N'−ジアセチルベンジジンを塩基で処理することによりアセチル基を除去し、その後、塩酸中塩化スズ(II)を作用させることによりニトロ基を還元すると、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルが得られる(Scheme 1)。
Figure 2009137953
<ビフェニル法>
ベンジジンを原料とする3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルの製造方法の改良方法として、ビフェニルを原料とする、特許文献1に記載の方法が知られている。
まず、ビフェニルに対して、Friedel−Crafts条件下塩化アセチルを作用
させることによりビフェニルのジアシル化を行う。得られる4,4'−ジアセチルビフェ
ニルに対して、ヒドロキシルアミンを作用させることにより相当するオキシム体に導き、さらに、酸存在下、Beckmann転位によりN,N'−ジアセチルベンジジンに変換
する。その後は、上記ベンジジン法の場合と同様に、ニトロ化、塩基による脱保護、およびニトロ基の還元を順次行うことにより、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルを得ることができる(Scheme 2)。
Figure 2009137953
<ジクロロベンジジン法>
ベンジジン骨格を直接利用する方法として、特許文献2に記載の方法が知られている。3,3'−ジクロロベンジジンを、銅触媒存在下、高温(150〜250℃)かつ高圧(
1〜10MPa)の条件にてアンモニア処理することにより、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルに導くことができる(特許文献2、Scheme 3)。
Figure 2009137953
<カップリング法>
出発物質としてベンジジン骨格を用いない3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルの製造方法として、特許文献3に記載の方法が挙げられる。この方法によれば、4−アセチルアミノ−3−ニトロ−ブロモベンゼンと4−アセチルアミノ−3−ニトロ−フェニルホウ酸とに対して鈴木カップリングを行うことによりベンジジン骨格を形成し、その後、塩基による脱保護およびニトロ基の還元を順次行うことにより、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルを得ることができる。
Figure 2009137953
米国特許第5041666号明細書 特開2004−161643号公報 米国特許出願公開第2005/0215823号明細書 H. Vogel, C. S. Marvel,J. Polym. Sci.,50,p511(1961) I. A. Belenkaya,T. A. Shulla,複素環式化合物化学,11,p1555−1558(1989)
しかしながら、上記ベンジジン法では、出発物質であるベンジジンが発癌物質であることから、労働条件の悪化や環境汚染を招くおそれがあるという問題点がある。
また、上記ビフェニル法では、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルを得るために要する工程数が多く、化学量論量の反応試薬を多用することから、効率的な製法ではないという問題点がある。
上記ジクロロベンジジン法では、使用するジクロロベンジジンが変異原性化合物であることから労働条件の悪化や環境汚染に留意する必要があり、また、アンモニア存在下にて反応を高温、高圧で行う必要があることから、特殊な生産設備を用いる必要があるという問題点がある。
加えて、上記カップリング法では、出発原料となるホウ酸化合物を合成するために別途グリニャール反応等を用いる必要があり、また、カップリング反応それ自体においても高価なパラジウム触媒を用いる必要がある。したがって、触媒の回収、再利用等の工程も必要となり、全体として工程が複雑になるとともに製造コストが上昇するという問題点がある。
そこで、本発明の課題は、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルの製造方法として、工程数が少なく効率的な製造方法を提供することにある。また、従来の製造方法に用いられている出発原料とは異なる物質を出発原料として採用することにより、高毒性ないし発癌性を有する物質の使用を不要とし、もって、労働条件の改善や環境への安全性向上
を可能とすることにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究の結果、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルの製造方法として、1,2−ジアミノ−4−ハロベンゼンを出発物質として、まずそのアミノ基を保護し、次いでカップリング反応により炭素−炭素結合を形成させ、最後に該アミノ基の脱保護を行うことにより3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]から[4]の事項に関する。
[1] 下記式(1)
Figure 2009137953
(式中、Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を表す。)で示されるフェニレンジアミン化合物のアミノ基を無機硫黄化合物と反応させて、
下記式(2)
Figure 2009137953
(式中、Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を表す。)で示されるベンズチアジアゾ−ル化合物を生成し、
次いで、該化合物(2)をカップリング反応させて、下記式(3)
Figure 2009137953
で示される5,5'−ビス(2,1,3−ベンズチアジアゾ−ル)を生成した後、アミノ
基の脱保護を行うことにより、下記式(4)
Figure 2009137953
で示される3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルを得ることを特徴とする、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルの製造方法。
[2] 上記カップリング反応を金属銅の存在下にて行うことを特徴とする上記[1]
に記載の製造方法。
[3] 上記アミノ基の脱保護を還元条件下にて行うことを特徴とする上記[1]または[2]に記載の製造方法。
[4] 上記アミノ基の脱保護を金属による還元によって行うことを特徴とする上記[1]または[2]に記載の製造方法。
本願発明に係る製造方法により、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルを少ない工程数にて効率的に製造することが可能となる。また、高毒性の出発原料を用いる必要がないことから、労働条件の改善や環境への安全性の向上も図ることが可能となる。
以下に本発明の具体的内容について詳細に説明する。
本発明に係る3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルの製造方法においては、その出発物質として、4−ハロ−o−フェニレンジアミンを使用する。この4−ハロ−o−フェニレンジアミンの例として、4−クロロ−o−フェニレンジアミンおよび4−ブロモ−o−フェニレンジアミンが挙げられる。
<4−ハロ−o−フェニレンジアミンのアミノ基の保護>
まず、本発明では、上記式(1)で表される4−ハロ−o−フェニレンジアミンと無機硫黄化合物から上記式(2)で表される5−ハロ−2,1,3−ベンズチアジアゾールを生成することにより、そのアミノ基を保護する。本発明においては、前記4−ハロ−o−フェニレンジアミンとして、そのハロゲン部分が塩素、臭素、またはヨウ素である化合物が用いられる。
本発明においては、ベンジジン骨格を形成する手段として、4−ハロ−o−フェニレンジアミンのカップリング反応が用いられる。しかし、4−ハロ−o−フェニレンジアミンのアミノ基を保護せずにカップリング反応を行うと、ジフェニルアミンが副生成物として生成する場合がある。したがって、このアミノ基は、カップリング反応を行う前に、カップリング反応で損なわれない官能基で保護される。
ここで、このような保護基として、アミド基、カルバモイル基、N−スルホニル基、ス
ルホンアミド基などを用いることができるが、前記アミノ基の保護には、そのアミノ基をチアジアゾール環に誘導し保護することが好適である。例えば、上記非特許文献2に記載の方法を基本とする方法により該アミノ基の保護を行うことが好ましい。
すなわち、前記アミノ基をジチアゾール環に変換する際には、無機硫黄化合物が用いられる。ここで、該無機硫黄化合物として、二価無機硫黄化合物の二塩化硫黄、四価無機硫黄化合物の塩化チオニルなどの無機硫黄化合物を用いることができるが、その中で塩化チオニルが好適に用いられる。上記の含硫黄化合物は、4−ハロ−o−フェニレンジアミン1モルあたり、少なくとも等モル使用する必要があるが、反応を確実に完結させる観点からは、過剰量用いることが好ましい。
本反応においては、必要に応じて溶媒を用いることができる。溶媒は4−ハロ−o−フェニレンジアミンを溶解または分散させ、無機硫黄化合物との接触を効率的におこなったり、希釈効果で急激な反応を抑制したり、発熱を溶媒の還流により吸収させるなどの目的で使用される。本発明においては、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘブタン、オクタンなどの炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒を用いることができ、その中で、芳香族炭化水素系溶媒が好適に用いることができる。溶媒は4−ハロ−o−フェニレンジアミンの重量に対して好適には2〜50倍、より好適には5〜30倍の重量が用いられる。
ただし、無機硫黄化合物として、塩化チオニルを用いる場合には、塩化チオニルは溶媒を兼ねることができる。この場合、塩化チオニルは4−ハロ−o−フェニレンジアミンの重量に対して1.5〜10倍の重量が用いられる。
本反応を加速するため、必要に応じて酸を用いることができる。本発明においては、不揮発性のプロトン酸が好適に用いられ、その中では硫酸が特に好ましい。酸は4−ハロ−o−フェニレンジアミンの重量に対して0.01〜1倍、好適には0.1〜0.3倍の重量用いられ
る。
本反応は、大気下、窒素などの不活性雰囲気下でおこなわれる。
本反応は通常、4−ハロ−o−フェニレンジアミンと無機硫黄化合物を混合し、必要であれば溶媒、酸を添加し、加熱混合することにより行われる。反応中、塩酸などのガスが発生する場合には、ガスを反応容器外でアルカリトラップなどにて捕集することが望ましい。本反応は、通常80℃から添加する反応液の還流温度以下で行われるが、本発明においては、反応液の還流温度にて行うことが好ましい。
<カップリング反応>
次に、本発明においては、前記の保護反応によって得られた5−ハロ−2,1,3−ベンズチアジアゾール(2)をカップリング反応させて、5,5'−ビス(2,1,3−ベ
ンズチアジアゾール)(3)を生成する。この5,5'−ビス(2,1,3−ベンズチア
ジアゾール)(3)は、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルの前駆体となる化合物である。
このカップリング反応の手段としては、所期の目的が達せられる限り公知の各種カップリング反応を用いることができるものの、本発明においては、反応の簡便さ及び経済上の観点から、このカップリング反応として金属銅をカップリング試薬とするウルマン反応を用いることが好ましい。
本発明で用いられる銅は、反応を効率的に行う観点から、顆粒の銅、具体的には銅削片、銅ダスト、銅粉末などの形態のものが好ましい。5−ハロ−2,1,3−ベンズチアジアゾール化合物1モルあたり、銅は少なくとも等モル使用する必要がある。しかし、本発明においては、反応を確実に完結させる観点からは、銅は5−ハロ−2,1,3−ベンズチアジアゾール化合物に対して過剰量用いることが望ましい。一方、カップリング反応の促進と反応終了時における未反応の銅の除去とのバランスを考慮すると、銅は5−ハロ−2,1,3−ベンズチアジアゾール化合物に対して小過剰量用いることが望ましい。このことから、本カップリング反応に用いる銅の量は、5−ハロ−2,1,3−ベンズチアジアゾール化合物1モルあたり1.01〜2モル、好適には1.1〜1.6モルである。
本発明におけるカップリング反応に用いられる溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶
媒、ニトロベンゼン、ニトロトルエンなどのニトロベンゼン系溶媒などが用いられる。本発明においては、アミド系溶媒が好適に用いられ、ジメチルホルムアミドが特に好適である。溶媒は、用いる銅の重量に対して2〜50倍、好適には3〜30倍の重量が用いられる。
本反応は、通常窒素、アルゴンなどの不活性雰囲気下でおこなわれる。
上記カップリング反応は、通常、ジメチルホルムアミドなどの溶媒と5−ハロ−2,1,3−ベンズチアジアゾール化合物、銅を混合し、加熱することにより行われる。反応温度は通常100℃から反応液の還流温度以下で行われる。
<脱保護>
上記で得られた5,5'−ビス(2,1,3−ベンズチアジアゾール)のアミノ基の脱
保護により、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルが得られる。ベンズチアジアゾールのアミノ基の脱保護を行う方法としては種々の方法が可能であるが、生成したアミノ基が損なわれないよう還元条件で行うことが好ましい。
還元法としては、金属触媒による水素還元、金属による還元などを用いることができる。金属による還元が好適である。還元に使われる金属として、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウムなどの典型金属、鉄、亜鉛、スズなどの遷移金属が用いられる。マグネシウムと亜鉛が好適である。反応にはプロトン供給源が必要であり、水、アルコールなどのプロトン性溶媒、塩酸などの酸の添加などによりプロトンが供給される。ここで、5,5'−ビス(2,1,3−ベンズチアジアゾール)を還元するためには12個の電子が必要であり、その反応に用いられる電子は金属から供給される(下記式(A))。例えば、2価の金属である亜鉛、マグネシウムを用いる場合には、これらの金属は、5,5'−ビス(2,1,3−ベンズチアジアゾール)1モルあたり、少なくとも6モル使用する必要がある。ただし、反応を確実に完結させる観点からは、これらの金属は理論量に対して過剰量用いることが望ましい。したがって、これらの金属は、5,5'−ビス(2,1,3−ベンズチアジアゾール)の1モルあたり、6〜80モル用いることが好ましい。
Figure 2009137953
本発明で用いられる金属は、反応効率を向上させる観点から、顆粒、削片、ダスト、粉末などの形態のものが好ましい。
本発明においては、反応溶媒について制限はないが、水、アルコール、有機酸などのプロトン性溶媒が好適である。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが用いられ、有機酸として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などが用いられる。溶媒は5,5'−ビス(2,1,3−ベンズチアジアゾール)の重量に対して2〜50倍、好適には5〜30倍の重量が用いられる。
本反応は、大気下または窒素、アルゴンなどの不活性雰囲気下でおこなわれる。
反応は通常、アルコールなどの溶媒に5,5'−ビス(2,1,3−ベンズチアジアゾ
ール)を溶解させ、必要であれば酸を加え、さらに金属を添加混合することにより行われる。反応温度は通常0℃から反応液の還流温度以下で行われる。
[実施例]
以下に、本発明について、実施例を示すことにより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何等制限されるものではない。
なお、実施例における各成分を分析するにあたり、原則として、ガスクロマトグラフィー(分析装置:アジレント製 6890N、分析カラム:J&W製DB-1カラム)を用いた。また、難揮発性物質の分析には、高速液体クロマトグラフィー(分析装置:SHIMADZU製 LC-2010HT、分析カラム:関東化学製RP-18(ODS)エンドキャップ処理カラム)を用いた。
[実施例1]
5−クロロ−2,1,3−ベンズチアジアゾ−ルの合成
4.0 g (28 mmol) の4−クロロ−o−フェニレンジアミン、14 mLの塩化チオニルおよ
び0.62 mLの濃硫酸を混合し、その混合物を1時間還流させた。この混合物を冷却した後
氷に注ぎ、その結果得られる沈殿を濾過した。この沈殿を、中性になるまで水洗した後入念に乾燥したところ、5−クロロ−2,1,3−ベンズチアジアゾ−ルの粗生成物が4.6 g得られた(融点50〜54℃、収率96%)。この粗生成物を真空蒸留したところ、5−クロ
ロ−2,1,3−ベンズチアジアゾ−ルの精製物が得られた(融点54℃、収率85%)。
5,5'−ビス(2,1,3−ベンズチアジアゾ−ル)の合成
2.2 g (12.9 mmol)の5−クロロ−2,1,3−ベンズチアジアゾ−ルと1.3 g (20.5 mmol) の粉末銅とを、5 mLのジメチルホルムアミド中にて、攪拌しながら150℃にて20時間加熱した。この反応混合物を冷却した後水(40 mL)に注ぎ、その結果得られる沈殿を濾過した。この沈殿を乾燥した後、ベンゼン(20 mL×3回)で抽出した。これらのベンゼン抽出液を併せた後、完全に乾燥するまで真空乾燥させ、その結果得られる油性残留物を石油エーテル中にてトリチャレーションを行い、その母液を除去したところ、5,5'−ビス(2,1,3−ベンズチアジアゾ−ル)が1.45 g得られた(融点61〜62℃、収率83%)。
3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルの合成
1.0 g (3.7 mmol) の5,5'−ビス(2,1,3−ベンズチアジアゾ−ル)のメタノール (20 mL)溶液を45℃に加熱し、攪拌しながらその溶液に1.6 g (65.8 mmol)の金属マグ
ネシウム粉末を1時間かけて加え、その後さらに60℃にて20分加熱した。未反応のマグネシウムを濾過し、メタノールを留去した後、その残渣にイソブチルメチルエーテル(10 mL)と飽和塩化アンモニウム水溶液(20 mL)とを加え、10分間攪拌した。有機層を分離し、この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後濃縮乾固した。この濃縮された残渣を濃塩酸(5 mL)を含む水(20 mL)に溶解させた。この溶液を冷却し、結晶を析出させ、この結晶を濾取し乾燥したところ、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニル塩酸塩が1.07 g得られた(収率80%)。
[実施例2]
5−ブロモ−2,1,3−ベンズチアジアゾ−ルの合成
4.0 g (21 mmol) の4−ブロモ−o−フェニレンジアミン、14 mLの塩化チオニルおよ
び0.62 mLの濃硫酸を混合し、その混合物を1時間還流させた。この混合物を冷却した後
氷に注ぎ、その結果得られる沈殿を濾過した。この沈殿を、中性になるまで水洗した後入念に乾燥したところ、5−ブロモ−2,1,3−ベンズチアジアゾ−ルの粗生成物が4.5 g得られた(融点48〜50℃、収率96.5%)。この粗生成物を真空蒸留したところ、5−ブ
ロモ−2,1,3−ベンズチアジアゾ−ルの精製物が得られた(融点50℃、収率86%)。
5,5'−ビス(2,1,3−ベンズチアジアゾ−ル)の合成
4.6 g (21.4 mmol)の5−ブロモ−2,1,3−ベンズチアジアゾ−ルと2 g (31.5 mmol)の粉末銅とを、10 mLのジメチルホルムアミド中にて、攪拌しながら150℃にて6時間加熱した。この反応混合物を冷却した後水(40 mL)に注ぎ、その結果得られる沈殿を濾過した。この沈殿を乾燥した後、ベンゼン(20 mL×3回)で抽出した。これらのベンゼン抽出液を併せた後、完全に乾燥するまで真空乾燥させ、その結果得られる油性残留物を石油エーテル中にてトリチャレーションを行い、その母液を除去したところ、5,5'−ビス(2,1,3−ベンズチアジアゾ−ル)が2.1 g得られた(融点61〜62℃、収率73%)。
3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルの合成
1.0 g (3.7 mmol) の5,5'−ビス(2,1,3−ベンズチアジアゾ−ル)の20%塩酸 (6 mL)溶液に、6mLの20%塩酸水溶液に懸濁させた亜鉛2.5 g (38.2 mmol)を添加し、攪拌
しつつ反応液を1.5時間還流した。その後、反応混合物を冷却した後、濾過し、その濾液
を濃縮したところ、結晶が析出し始めた。この濃縮液を冷却し、結晶を濾取したところ、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニル塩酸塩が1.0 g得られた(融点265〜267℃、
収率75%)。

Claims (4)

  1. 下記式(1)
    Figure 2009137953
    (式中、Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を表す。)で示されるフェニレンジアミン化合物のアミノ基を無機硫黄化合物と反応させて、
    下記式(2)
    Figure 2009137953
    (式中、Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を表す。)で示されるベンズチアジアゾ−ル化合物を生成し、
    次いで、該化合物(2)をカップリング反応させて、下記式(3)
    Figure 2009137953
    で示される5,5'−ビス(2,1,3−ベンズチアジアゾ−ル)を生成した後、アミノ
    基の脱保護を行うことにより、下記式(4)
    Figure 2009137953
    で示される3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルを得ることを特徴とする、3,3',4,4'−テトラアミノビフェニルの製造方法。
  2. 上記カップリング反応を金属銅の存在下にて行うことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記アミノ基の脱保護を還元条件下にて行うことを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 上記アミノ基の脱保護を金属による還元によって行うことを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
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