JP2009137828A - 水晶デバイス - Google Patents

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純史 高橋
Toshihiko Kagami
俊彦 加賀見
Kenzo Okamoto
謙蔵 岡本
Morikatsu Nakayama
盛勝 中山
Motoo Takada
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Abstract

【課題】水晶種子を含む水晶片を水晶デバイスの製造に用いることで製造コストを抑える方法を提供する。
【解決手段】次の全てを満足する人工水晶を用いる。エッチチャンネルが30本/cm以下の人工水晶から切り出され、水晶のα−β転移温度未満で加熱処理し、水晶種子20の切り出し時に生じた加工層を除去した水晶種子20を用いて育成する。鉄の含有量を3ppm以下及びナトリウムの含有量を2ppm以下に抑えた屑水晶を原料として用いて育成する。シードベールと呼ばれる微細鉱物の密度が結晶と種子20の境界において、シードベールの長径30μm以上では0個/cm、シードベールの長径10μm以上30μm未満では5個/cm以下を満たす。
【選択図】図9

Description

本発明は、水晶種子を水熱合成法により人工水晶に育成し、この人工水晶を規定の角度で複数の水晶ウエハに切断し、さらにこの水晶ウエハを複数の水晶片に分割して、この水晶片を用いて水晶デバイスを製造する技術に関する。
人工水晶はオートクレーブと呼ばれる特殊鉄製円筒の圧力容器を用いて水熱合成法で育成されるが、光学軸(Z軸)方向に垂直なカットの種子を用いて育成すため、人工水晶は中心に種子を含む。前記種子は完全な結晶構造が望まれるが、結晶の一部に格子欠陥を有する。この格子欠陥には、点欠陥及び線状欠陥等があり、種子をZ板とした場合には、特に結晶軸(X、Y、Z)のZ軸方向への線状欠陥を多く含む。この線状欠陥は、育成溶液によって優先的にエッチングを受けるため、図19に示すように種子部10にはこの欠陥から種子のZ軸方向にエッチチャンネルと呼ばれる細長いトンネル状のピンホール11が形成される。そして種子部10にピンホール11が形成された状態で当該種子10の表面に結晶が析出して結晶部12が形成される(例えば特許文献1)。
また人工水晶の育成には原料に天然の屑水晶(ラスカ)が用いられるため、原料に含まれるアルミニウム(Al),鉄(Fe),ナトリウム(Na)、リチウム(Li)及びカルシウム(Ca)のうちFe,Na及びLiが成長の初期段階で人工水晶の原料となる珪素(Si)と反応して微細な結晶鉱物であるアクマイト(NaFe(SiO)とエメリューサイト(LiNaFeSi1230)とを生成し、この結晶鉱物が種子の周縁部に層状に付着する。つまり、図20に示すように水熱合成法による人工水晶の育成では種子部10と結晶部12との境界にシードベール(微細鉱物)13が形成されるのが一般的である。
また上述した人工水晶の育成に用いられる水晶種子としては、IEC60758の測定法に基づくエッチチャンネルが30本/cm以下の人工水晶を切断機によって切り出した水晶種子が用いられる。この切断機では砥粒を切削油に溶かした研磨剤を人工水晶に流しかけながら刃を往復運動させることで人工水晶から水晶種子の切り出しが行われる。そのため、図19に示すようにこの種子部10の表面には、研磨剤により生じた加工層14が形成される。この加工層14は結晶中の原子の配列が乱れた非晶質の状態となった部位である。
ところで、上述した水熱合成法により育成した人工水晶を水晶振動子に用いるATカット板に切り出した場合、つまり図19に示すように人工水晶を水晶の光学軸(Z軸)に対して35°15´で切断を行った場合、この切断された水晶ウエハは、中心に種子部10を含む。水晶振動子等の水晶デバイスに用いられる水晶片は、この水晶ウエハを分割して製造されるが、水晶ウエハを分割する領域に種子部10を含む場合、つまり図19において水晶ウエハのA領域を切り出した場合には、図13(a),(b)に示すようにエッチチャンネルにより形成されたピンホール11、種子部10と結晶部12との境界面に形成されたシードベール(微細鉱物)13及び種子切り出し時に研磨剤により生じた加工層14が水晶片の中に欠陥として含まれることになる。
これら欠陥、即ちエッチチャンネルと呼ばれるピンホール、シードベールと呼ばれる微細鉱物及び非晶質の加工層のある水晶片を水晶振動子の水晶デバイスに用いるとデバイスの特性に悪影響を与える。そのため水晶デバイスメーカは人工水晶から水晶ウエハを切り出した後、この水晶ウエハに含まれる種子部10を取り除くか、あるいはウエハ切断を行う前の人工水晶の段階で種子部10を取り除き、種子部10を取り除いた水晶ウエハから水晶片の切り出しを行っている。
しかしながら種子部10を除去することで、人工水晶から水晶片までの加工工数が増えると共に、水晶の使用可能な部分を制限し、結果的に製造コストを上げる要因となっている。このようなことから、ウエハの切断を行った後、あるいはウエハ切断を行う前の人工水晶の段階で行われる種子部10の除去を止めて、水晶種子を含む水晶ウエハから水晶片の加工を行い、水晶種子(種子部10)を含む水晶片も水晶デバイスの製造に用いることが求められている。
特開2000−264786
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、水晶種子を含む水晶片を水晶デバイスの製造に用いることで製造コストを抑えることにある。
本発明は、以下の(1)、(2)、(3)の全てを満足する人工水晶から切り出され、その一部若しくは全部に水晶種子を含む水晶片を用いて水晶デバイスを製造したことを特徴とする。

(1) 次の(1−1)、(1−2)、(1−3)を満足する水晶種子を用いて育成した人工水晶であること。
(1−1) IEC60758の測定法に基づくエッチチャンネルが30本/cm以下の人工水晶から切り出した水晶種子であること。
(1−2) 水晶のα−β転移温度未満で加熱処理し、本水晶種子を用いて人工水晶を育成した時、生じたエッチチャンネルチンと呼ばれるピンホールの長さが水晶種子の表面から中心位置までの距離の50%以下に制御された水晶種子であること。
(1−3) 水晶種子を切り出し時に生じた加工層を表面から20μm以上除去した水晶種子であること。
(2) 鉄の含有量を3ppm以下及びナトリウムの含有量を2ppm以下に抑えた屑水晶を原料として用いて育成した人工水晶であること。
(3) 水晶種子と人工水晶の成長部分との境界におけるシードベールと呼ばれる微細鉱物の密度が、当該シードベールの長径30μm以上では0個/cm、当該シードベールの長径10μm以上30μm未満では5個/cm以下を満たす人工水晶であること。
上述の水晶デバイスの水晶片において、前記(1−3)における加工層の除去は、エッチング液でエッチングすることによって行ってもよいし、あるいはオートクレーブ内の成長域と溶解域との温度差をコントロールして、育成溶液で溶解することによって行ってもよい。前記水晶デバイスは、例えば水晶の光学的な特性を利用した光学素子である。
本発明によれば、上述の(1)〜(3)を満足する人工水晶を用いているため、当該人工水晶の育成に用いられた水晶種子を除去することなく、この人工水晶から切り出した水晶種子を含む水晶片を水晶デバイスの製造に用いることができる。そのため従来から行っていた水晶種子を水晶ウエハ切断前または切断後に除去する工程がなくなると共に、水晶種子を含めた人工水晶全てが使用可能となり、この結果製造コストが低くなる。
本発明の実施の形態について説明する。先ず、水晶種子20について説明する。図1に示すように、水晶種子20は、IEC60758に基づく測定法でエッチチャンネルが30本/cm以下の人工水晶をZ軸(光学軸)方向に垂直に切断機によって切り出され、X軸方向を幅方向、Y軸方向を長手方向、Z軸方向を厚さ方向とする平板材(または角棒材)として構成されている。この例では水晶種子20の厚さは例えば1.2mmである。
この切断機では砥粒を切削油に溶かした研磨剤を人工水晶に流しかけながら刃を往復運動させることで人工水晶から水晶種子20の切り出しが行われる。そのため図2に示すように水晶種子20の表面には研磨剤により生じた加工層21が形成される。この加工層21は結晶中の原子同士の配列が乱れた非晶質の状態となった部位であり、その厚さは例えば18μmである。この加工層21を取り除くために、水晶種子20を所定濃度のフッ化水素(HF)と所定濃度のフッ化アンモニウム(NHF)とからなるエッチャント(エッチング液)に所定時間浸漬して、当該水晶種子20の表面をエッチングし、水晶種子20の表面を例えば20μm除去する。
次に水晶種子3の加熱処理を行う。この加熱処理は、図3に示すようにヒータ30を外周に有する円筒状の石英管31内に水晶種子20を保持し、石英管31内の温度を熱電対32により検出して、温度制御装置33により内部温度を例えば500℃に制御することにより行われる。加熱処理時間は例えば10時間である。これにより後述する人工水晶の育成において、育成溶液による種子表面の溶解により欠陥から種子のZ軸方向にエッチチャンネルと呼ばれる種子の両主面を貫通する細長いトンネル状のピンホール11が形成される可能性が少ない。つまり、人工水晶の育成後、水晶種子20においてZ軸方向にピンホール11自体は存在するが、両主面側からの長さが短く両主面側の表面近傍で留まることになる。具体的には、このピンホール11の長さは0.25mm以下である。この長さ0.25mm以下のピンホール11は、厚み1.2mmの水晶種子20の表面に露出あるいは厚みの中に埋設されるのみで、後述する人工水晶の育成において水晶種子20の厚みを貫通することはない。即ち、水晶種子から人工水晶を育成する前に、上述のように水晶種子20を加熱処理することで、人工水晶の育成においてピンホール11の長さを種子20の表面から中心位置までの距離の50%以下に制御している。なお、図3中の34は石英管31の両端側を支持する支持台である。
上記の例では加熱保持温度を例えば500℃としたが、基本的には水晶の圧電性が損なわれるα−β転移点温度(573℃)を上限温度とすればよい。また加熱保持時間は10時間としたが、これは加熱保持温度にも依存して加熱保持温度が高ければ短く、低ければ長くなる。従って、加熱保持温度及び加熱保持時間は結果としての水晶種子20に形成されるエッチチャンネルの許容状態によって任意に設定できる。
次に水熱合成法により水晶種子20から人工水晶を育成する。この人工水晶の育成は図4に示すオートグレーブ4を用いて行われる。図4に示すようにオートグレーブ4は、特殊鋼製の円筒容器であるオートグレーブ本体41と、このオートグレーブ本体41を密閉するための金属蓋42と、オートグレーブ本体41内を加熱するためのヒータ43と、オートクレーブ保温材49とから構成されている。なお、図4中に示した直交軸(X、Y、Z)は、オートグレーブ4の設置されている方向を示している。オートグレーブ4は、円筒形状をなすオートグレーブ本体41の中心軸が設置面に対して垂直(Z軸方向)となるように設置されている。
前記オートグレーブ本体41内部の空間は、バッフル板(対流制御板)44によって上部空間41aと下部空間41bとに仕切られている。上部空間41aには、多数の水晶種子20を配置するための種子支持具45が配置されている。前記種子支持具45は、例えば偏平な円筒形状の枠体を多段に積層した構造となっており、上部空間41a内に収まる大きさを有している。各段の枠体には、多数の水晶種子20を配置することができるようになっている。
また下部空間41bには例えば円筒形でかご状の原料入れ46が配置されており、この原料入れ46内に人工水晶の原料となる鉄の含有量を3ppm以下及びナトリウムの含有量を2ppm以下に抑えた屑水晶50が格納されている。この屑水晶50は次のようにして作られる。先ず、図1を用いて説明しているオートクレーブ1で、鉱山から採掘した天然の屑水晶を用いて水熱合成法により人工水晶を育成する。このときオートクレーブ1において育成している人工水晶内の不純物濃度がFe:3ppm以下、Na:2ppm以下となるように成長速度をコントロールしている。そして水熱合成法において成長速度を選定して不純物濃度を低減させた人工水晶から前記屑水晶50が得られる。
また上部空間41aと下部空間41bとは、バッフル板44に多数設けられた貫通孔44aによって連通しており、オートクレーブ本体41内の空間(上部空間41aと下部空間41bとの両空間)内に満たされた例えば水酸化ナトリウム(NaOH)溶液等の育成溶液47を上部空間41aと下部空間41bとの間で対流させることができるようになっている。
前記ヒータ43は、上部空間41a内を例えば300〜350℃の温度で加熱し、下部空間41b内を360〜400℃の温度で加熱し、両空間に温度勾配がつくように構成さている。また前記金属蓋42には、オートグレーブ本体41内の圧力を計測するための圧力計48が設けられており、人工水晶の育成中、オートグレーブ本体41内は例えば1000〜1500kgf/cm程度の圧力に維持されるようになっている。
上述したオートグレーブ4の作用について説明すると、種子支持具45に多数の水晶種子20を配置したオートグレーブ本体41内に例えば水酸化ナトリウム溶液47を満たし、ヒータ43で加熱すると原料入れ46内の屑水晶50が溶液47に溶解する。屑水晶50を溶解した溶液47は、上部空間41aと下部空間41bとに形成されている温度勾配により対流を生じて上部空間41aへと上昇する。上部空間41aは、下部空間41bと比較して温度が低く設定されているので、溶液47は温度低下によって過飽和状態となり各水晶種子20の主に基本成長面においてSiO分子を析出させることができる。この結果、図1に示すZ面側に向かって人工水晶が育成される。
一方、このオートグレーブ4では人工水晶の原料として鉄の含有量を3ppm以下及びナトリウムの含有量を2ppm以下に抑えた屑水晶50を用いているため、微細な結晶鉱物であるアクマイト(NaFe(SiO)やエメリューサイト(LiNaFeSi1230)の生成が抑えられる。即ち、水晶種子20の表面において楕円状のシードベール(微細鉱物)の形成が抑えられることになる。具体的には、水晶種子20の表面におけるシードベール(微細鉱物)の密度が、当該シードベール(微細鉱物)の長径30μm以上では0個/cmであり、当該シードベール(微細鉱物)の長径10μm以上30μm未満では5個/cm以下である。
ここで表面処理及び加熱処理を行った水晶種子から上述のようにして人工水晶を育成して形成された角柱水晶体6の一部断面を図5に示す。この角柱水晶体6は図12に示す従来の角柱水晶体と比較して図5に示すように水晶種子20に両主面側からの長さが短いピンホール11が僅かに形成されているだけで、且つ非晶質の種子切断時に発生する加工層21は取り除かれ、種子表面のシードベール(微細鉱物)は上記の通り抑制されている。図5に示す角柱水晶体6を水晶の光学軸(Z軸)に対して35°15´で切断した水晶ウエハ70のB領域の断面を、図6(a),(b)に示すが、水晶種子20と結晶部60との境界面にはシートベールなどの欠陥が殆どない。
次に人工水晶を育成して形成された角柱水晶体6から水晶ウエハ70の切り出しを行う。これは図7に示すように角柱水晶体6を水晶の光学軸(Z軸)に対して35°15´で切断してATカットの例えば矩形状の水晶ウエハ70を切り出す。この水晶ウエハ70は図8に示すように中心に上述したように殆ど欠陥のない水晶種子20を含む。
次にこの水晶ウエハ70から水晶片80の切り出しを行う。これは先ず図9に示すように前記水晶ウエハ70を複数枚例えば6枚重ねて夫々貼り合せる。続いて貼り合せた水晶ウエハ70をワイヤーソーやダイシング等により、X方向に平行に切断分割して、次いでZ’方向に平行に切断分割して個片化する。その後、各水晶片80の両主面に図示しない電極膜を形成する。そしてこれら水晶片80は水晶デバイスの製造に用いられることになる。
ここで水晶デバイスとして図10に示す表面実装用のパッケージ型の水晶振動子を例に挙げて説明すると、水晶ウエハ70から切り出された水晶片80は、セラミックスからなるパッケージ7に各々格納される。即ち、図9に示すように水晶種子20を含む水晶片80もパッケージ7に格納されることになる。このパッケージ7は、上面が開口している例えばセラミック製のケース体7aと、例えば金属製の蓋体7bとから構成される。前記ケース体7aと蓋体7bとは、例えば溶接材からなるシール材7cを介してシーム溶接され、その内部は真空状態または不活性ガスで充填された状態となっている。前記パッケージ7の内部では、水晶片80が導電性接着剤7dを介して台座71部分に固定されている。また前記台座71の表面には、導電路72,73(73は紙面奥側の導電路である)が配線されており、水晶片80に形成された電極が導電性接着剤7dを介して前記導電路72,73に接続される。また前記導電路72,73は、ケース体7aの外部底面の長手方向に対向するように設けられた電極74,75に夫々接続されており、電極74,75、導電路72,73及び導電性接着剤7dを介して水晶片80の電極に電圧が印加されることで、前記水晶片80が振動するようになっている。
また図10に示すパッケージ型の水晶振動子は、図11に示すように発振回路92の回路部品が搭載されている配線基板93に搭載され、これにより水晶発振器91が構成される。また図9に示すように水晶ウエハ70から切り出された水晶種子20を含む水晶片80はパッケージ型の水晶振動子に用いられることに限られず、水晶フィルタ、水晶片の切断方位はATカットとは異なるが音叉型水晶振動子、水晶センサ、水晶を用いたSAWデバイス等の製造にも用いることができる。
また前記水晶片80は水晶の光学的な特性を利用して光学素子にも用いることができる。具体的には当該水晶片80を位相差板、複屈折板、固体撮像素子用カバーガラス及び水晶放熱板として用いることができる。なお、本発明では水晶デバイスとはこの光学素子も含まれる。
上述の実施の形態によれば、人工水晶から水晶種子を切り出す際に水晶種子20の表面に形成される加工層21を除去した上で水晶種子として用いている。また水晶のα−β転移点温度未満の温度で水晶種子を加熱処理した後、水熱合成法により水晶種子から人工水晶を育成したので、育成中に生じるエッチチャンネルの進行を抑えることができる。さらに人工水晶の育成において鉄やナトリウム等の不純物の少ない屑水晶50を用いているので、育成中に水晶種子20と結晶部60との境界面に形成されるシードベールを抑えることができる。そのため水晶種子20を含んだ水晶片80を例えば図10に示すようにパッケージ型の水晶振動子の製造に用いることができ、従来から行っていた水晶種子20を水晶ウエハ70切断前または切断後に除去する工程がなくなると共に、水晶種子20を含めた人工水晶全てが使用可能となり、この結果製造コストが低くなる。
上述の実施の形態では、人工水晶から水晶種子を切り出す際に水晶種子20の表面に形成される加工層21をエッチング液でエッチングすることにより除去しているが、図4に示すオートグレーブ4を用いて加工層21を除去するようにしてもよい。具体的に説明すると、先ず種子支持具45に表面に加工層20が形成されている水晶種子20を配置する。次にオートクレーブ本体41内に育成溶液47を満たし、上部空間41aと下部空間41bとの温度差を、上部空間41a及び下部空間41bを最終育成温度まで上昇させる時に、例えば10℃以内にコントロールする。この例では上部空間41の温度は下部空間41bの温度よりも高く設定されている。なお、場合によっては温度差をゼロにしてもよいし、あるいは上部空間41aの温度と下部空間41bの温度とを逆転させて、つまり上部空間41aの温度よりも下部空間41bの温度を高くして上部空間41aと下部空間41bとの温度差を10℃以内にコントロールしていてもよい。上部空間41aの温度は下部空間41bの温度に近い温度に設定されているので、育成溶液47は飽和せずに、水晶種子20の溶解に寄与することになる。この育成溶液47による溶解を、上部空間41aと下部空間41との温度差を10℃以内に設定してから例えば72時間行うことで、水晶種子20の表面を例えば20μm除去する。この溶解中、オートグレーブ本体41内は例えば100〜1000kgf/cm程度の圧力に維持されている。なお、この形態では上部空間41aが特許請求の範囲において成長域に相当し、下部空間41bが特許請求の範囲において溶解域に相当する。そして加工層21を育成溶液47により溶解させた後、温度差を元に戻し、既述と同様にして例えば1000〜1500kgf/cm程度にて人工水晶の育成が行われる。
ところで、例えばデジタルカメラなどの撮像装置には撮像を行うための撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などに水晶により構成された光学素子であるOLPF(Optical Low Pass Filter)が搭載される場合がある。このOLPFは、水晶に光を通すとその光が正常光と異常光とに分離される複屈折性を利用し、各撮像装置により撮像を行う際に、画像にモアレが発生することを抑えるための素子である。
OLPFには、人工水晶から切り出された単一の水晶片から構成されているものもあるし、複数枚の水晶片が貼り合わされて構成されているものもある。ここでは2枚の水晶片が互いにそのX軸(電気軸)が45°に交叉するように貼り合わされたOLPFを、従来の育成方法により育成した角柱水晶体9A、9Bから製造する工程の一例について図12及び図13を参照しながら説明する。
予め、角柱水晶体9A,9Bについて説明しておく。図14(a)は角柱水晶体9AをそのX軸に直交する平面に沿って縦断した断面図であり、背景技術の欄で説明した人工水晶と同様に、角柱水晶体9Aに含まれる水晶種子91Aの内部には多くのピンホール92が形成されている。水晶種子91Aの表面には例えばその厚さが約18μmの加工層93が形成され、その加工層93と結晶部90との境界面にシードベール94が形成されている。角柱水晶体9Aに欠陥として含まれているこれらのピンホール92、加工層93及びシードベール94は目視可能である。
また、角柱水晶体9Bは水晶種子91Bから育成され、角柱水晶体9Aと同様に欠陥であるピンホール92、加工層93及びシードベール94を含んでいる。角柱水晶体9Bは、後述するように角柱水晶体9Aから切り出される水晶ウエハ95Aよりも大きな水晶ウエハ95Bを切り出すために角柱水晶体9Aよりも大きく形成されている。
図12(a)及び図14(a)中の鎖線は角柱水晶体9A,9Bの切断方向を示しており、これらの図に示すように角柱水晶体9A,9Bを水晶のZ軸(光学軸)に対して45°の方向(Z’方向)に夫々切断(45°Zカット)して矩形状の水晶ウエハ95A,95Bを形成する。水晶ウエハ95A,95Bの長さ方向(Z’方向)の中央部には水晶種子91A,91Bから夫々切り出された種子部96A,96Bが含まれている。また、水晶ウエハ95A、95Bの幅方向はX軸に並行し、これらの水晶ウエハ95A、95Bの表面及び裏面はY’軸に直交する。
種子部96A,96Bは上述のように加工層93、シードベール94及び多くのピンホール92を有することにより、ウエハ面内の他の部分とは異なる光学的性質を有しており、これら種子部96A,96BがOLPFを構成する水晶片に含まれると、その特性に悪影響を与えてしまう。そこで、図12(b)に点線で示すように水晶ウエハ95Aを、その種子部96Aを避けるように長さ方向及び幅方向に夫々沿って切断して、2枚の矩形の水晶板97Aを形成する。また、図12(c)に点線で示すように、種子部96Bを避けるように、且つ水晶ウエハ95Bの輪郭線に対してその切断方向がその水晶ウエハ95Bの面内でY’軸回りに45°回転するように水晶ウエハ95Bを切断し、2枚の矩形の水晶板97Bを形成する。
水晶板97A,97Bの形成後、図13(a)(b)に示すように水晶板97A、97Bの各辺が互いに並行するように、つまり水晶板97AのX軸と水晶板97BのX軸とが45°に交叉するように水晶板97A,97Bを互いに重ねて貼り合わせて、合板98を形成する。続いて図13(c)に示すように合板98をダイシングソー等により合板98の各辺に並行するように縦横に切断分割し、個片化して複数のOLPF99を製造する。
このように一つ一つのOLPF99を製造するにあたっては、コストを低減させる目的から、予めOLPF99に対応する大きさに切断された水晶片を貼り合わせるのではなく、その水晶片よりも大きい水晶板同士を貼り合わせた後、それを分割することにより製造する。このように製造を行う場合、角柱水晶体から切り出した水晶ウエハにはZ’方向の中央部に夫々種子部が含まれることから、それらのウエハをそのまま互いにX軸が交差するように貼り合わせると、その後分割されて製造される大半のOLPFに種子部が含まれることになってしまうので、上記の製造工程では角柱水晶体を水晶ウエハ95A,95Bに切断した後に種子部96A,96Bの切断除去を行っている。
しかし、このように種子部96A,96Bが含まれないように水晶板を切り出すことは、切断工程が複雑化し、加工コストの上昇を招いてしまう。また、水晶ウエハを切り出す前に角柱水晶体の状態で種子水晶を除去することも考えられるが、その場合も水晶ウエハから種子部を除く場合と同様に、その除去作業のために加工コストが上昇してしまう。
また、人工水晶はZ方向へ大きく育成(伸長)させることが困難である。そのように育成が制限される角柱水晶体9A,9Bから切り出された水晶ウエハ95A,95Bに対して種子部96A,96Bを除くように水晶板97A,97Bを形成することで、水晶板97A,97BのZ’方向の大きさは大きく制限を受け、その結果として各水晶板97A,97B全体の大きさが制限されていた。このように水晶板97A、97Bの大きさが制限されることで、水晶ウエハ97A,97Bから製造されるOLPF99の数が制限される。従って、このように種子部を除去することが、OLPFのコストが上昇する要因となっていた。
続いて、水晶種子20と同様に処理された水晶種子101A,101Bから角柱水晶体6と同様に夫々育成された角柱水晶体10A,10Bを用いて、OLPF99を製造する工程について図15及び図16を参照しながら説明する。角柱水晶体101Aについては、図14(b)にそのX軸に直交する平面に沿って縦断した断面図を示しており、角柱水晶体6の説明でも述べたように水晶種子101Aの表面の加工層は除去され、水晶種子101Aと結晶部100との境界におけるシードベールの形成も抑制され、さらに水晶種子101Aの内部においてはピンホール92の形成も抑えられている。そして、水晶種子101Aと結晶部100とは肉眼では殆ど区別することができず、水晶種子101Aの光学的特性と結晶部100の光学的特性とは略同一である。また、角柱水晶体10Bについては、この角柱水晶体10Aと同様に構成されており、その水晶種子101Bの光学的特性と結晶部100の光学的特性とは略同一である。角柱水晶体10Bは、角柱水晶体10Aから切り出される水晶ウエハよりも大きな水晶ウエハを切り出すために角柱水晶体10Aよりも大きく形成されている。
先ず、図15(a)に示すように角柱水晶体10A,10Bを45°Zカットして矩形状の水晶ウエハ105A,105Bを切り出す。この例ではこれら水晶ウエハ105A,105Bは夫々水晶ウエハ95A,95Bと同じ大きさ、同じ形状を有しており、そのZ’方向の中央部に水晶種子101A,101Bから切り出された種子部106A,106Bを夫々備えている。また、水晶ウエハ95A、95Bと同様に水晶ウエハ105A、105Bの幅方向はX軸に並行しており、その表面及び裏面はY’軸に直交する。なお、図15(a)、図14(b)中の鎖線は角柱水晶体10A,10Bの切断方向を示している。
種子部106A,106Bには欠陥である加工層、シードベール及びピンホールの形成が抑えられているので、これらの種子部106A,106BもOLPF99を製造するために利用するために、例えば図15(b)に点線で示すように水晶ウエハ105Aの周縁を、その長さ方向及び幅方向に沿って切断し、種子部106Aがその中央部に位置する矩形の水晶板107Aを形成する。また、図15(c)に点線で示すように、水晶ウエハ105Bの輪郭線に対してその切断方向がその水晶ウエハ105Bの面内でY’軸回りに45°回転しているように水晶ウエハ105Bを切断し、水晶ウエハ105Bから種子部106Bが対角線となる矩形の水晶板107Bを切り出す。この例では水晶板107A,107Bの各辺の大きさは水晶板97A,97Bの対応する各辺の約2倍の大きさを有している。
続いて、図16(a)(b)に示すように水晶板107A、107Bの各辺が互いに並行するように(水晶板107AのX軸と水晶板107BのX軸とが45°に交叉するように)水晶板107A,107Bを互いに重ねて貼り合わせて合板108を形成する。続いて図16(c)に示すように、ダイシングソー等により合板108をその各辺に並行するように縦横に切断分割し、個片化して多数のOLPF99を製造する。
このように水晶ウエハ105A,105Bから種子部106A、106Bを含むように水晶板107A,107Bを切り出し、その種子部106A,106Bを用いてOLPF99を製造することができるので、種子部を除去する必要がなくなるため、水晶ウエハから水晶板を切り出すために要する加工工程が簡素化される。従ってOLPF99の製造コストの低下を図ることができる。
また、種子部をOLPFの形成に利用でき、種子部を除去する必要がなくなることで、水晶ウエハから切り出される水晶板のZ’方向における大きさの制限が緩和され、1枚の水晶ウエハ105A(105B)から形成される水晶板107A(107B)の面積を、1枚の水晶ウエハ95A(95B)から形成される2枚の水晶板97A(97B)の合計面積よりも大きくすることができる。従って、水晶ウエハ95A,95BからOLPF99を製造する場合に比べて水晶ウエハ105A,105BからOLPF99を製造する場合は、より多くのOLPF99を製造することができる。このようにOLPF99の生産性が向上する点からもOLPF99の製造コストの低下を図ることができる。
OLPF99は既述のように水晶ウエハ105BにおいてZ’方向に45°面内回転している水晶板107Bが分割された水晶片により構成されているが、この面内回転角は所望の光学特性に応じて決定され、45°に限られるものではない。
また、OLPFの構成としては上記のOLPF99の構成の他にも様々である。一般的にOLPFは水晶板107Aのように人工水晶から45°Zカットされた水晶板、45°Zカットされた水晶ウエハからZ’軸方向に平行で、そのウエハ面内においてY’軸回りに水晶ウエハの輪郭線に対してその切断方向が任意の角度Z’軸方向に回転したように切り出された水晶板及びZ軸に平行にカット(多くはYカットまたはXカット)された水晶板から各々形成された水晶片により構成されており、上記のようにこれらの水晶片の一片から構成されるものもあるし、これらの水晶片が複数枚貼り合わされて構成されるものもある。本発明は、これらのようにOLPF99以外の構成を有するOLPFの製造にも用いることができる。なお、Yカット、Xカットとは夫々人工水晶のY軸(機械軸)、X軸に直交する平面に沿って人工水晶をカットすることである。
また、本発明の光学素子への適用としてはOLPFに限られるものではなく、例えば位相差板にも適用される。ここでは既述の角柱水晶体10Aから2枚の水晶片のZ軸及びX軸が互いに直交するように貼り合わされた位相差板を製造する工程の一例について説明する。先ず、図17(a)に示すように、角柱水晶体10AをYカットして、その長さ方向、幅方向がZ軸,X軸に夫々並行し、Z軸方向の中央部に種子部112A,112Bを夫々含んだ矩形の水晶ウエハ111A,111Bを形成する。その後、図17(b)、(c)で示すように水晶ウエハの輪郭線に対してその切断方向が水晶ウエハの面内でY軸回りに45°回転しているように水晶ウエハ111A,111Bを切断し、種子部112A、112Bがその対角線となる矩形の水晶板113A,113Bを切り出す。
続いて、図18(a)、(b)に示すように切り出された水晶板113A,113Bを種子部112Aと112Bとが互いに直交するように(水晶板113AのZ軸と水晶板113BのZ軸とが夫々直交するように)重ねて、貼り合わせ、光軸直交波長板である合板114を形成する。合板114形成後、図18(c)に示すように合板114をその各辺に並行する方向に縦横に切断し、個片に分割して位相差板115を製造する。
このように位相差板115を製造する場合も水晶ウエハ105A,105BからOLPF99を製造する場合と同様に、種子部112A,112Bが位相差板115の形成に利用できることから、水晶ウエハ111A,111Bから水晶板113A,113Bを夫々切り出すにあたり、種子部112A,112Bをよけて水晶板113A,113Bを切り出す必要がないので、加工工程が簡素化され、また種子部112A,112Bを除去することによる水晶板113A,113Bの大きさの制限がなくなるので、水晶ウエハ111A,111Bから多くの位相差板115を製造することができる。従って、水晶ウエハから種子部が除かれた水晶板を切り出して位相差板を製造する製造方法に比べて、位相差板115の製造コストを低下させることができる。
上記の例では位相差板115を形成するために水晶板113A,113Bは夫々矩形状の水晶ウエハ112A,112Bの面内でZ軸方向に対して45°回転した矩形板として切り出されているが、これらの面内回転角としては45°に限られるものではない。
通常、位相差板はZ軸に平行にカット(多くはYカットまたはXカット)された水晶ウエハからZ軸方向に対して面内回転するように切り出された水晶片、つまりその水晶ウエハからこの水晶ウエハの輪郭線に対して、その切断方向がウエハの面に直交する軸の回りに任意の角度回転したように切り出された水晶片により構成されており、その水晶片が単独であるいは複数枚貼り合わされて位相差板を構成する。従って、位相差板の構成としては位相差板115の構成に限られるものではない。そして、本発明はこのように位相差板115とは異なる構成を有する位相差板を製造する場合にも適用される。
また、光学素子としてはOLPF、位相差板の他に例えばプロジェクターに用いられる水晶放熱板があり、この水晶放熱板はZ軸に平行にカット(多くはYカットまたはXカット)された水晶により構成される。この水晶放熱板の製造にも本発明が適用される。更に他の光学素子として例えば固体撮像素子やカバーガラス代替光学素子があり、これらの素子は45°Zカットされた水晶板から製造される。これら固体撮像素子やカバーガラス代替光学素子を製造する場合にも本発明が適用される。
人工水晶の育成に用いられる水晶種子の斜視図である。 水晶種子の表面に形成されている加工層21を除去する様子を示す説明図である。 水晶種子を加熱処理する加熱制御装置を示す概略構成図である。 水熱合成法により人工水晶を育成するためのオートグレーブの断面図である。 人工水晶の育成により形成された角柱水晶体の一部断面を示す図である。 図7に示す角柱水晶体を水晶の光学軸に対して35°15´で切断した水晶ウエハのB領域の断面を示す図である。 人工水晶の育成により形成された角柱水晶体を示す断面図である。 図7に示す角柱水晶体を水晶の光学軸に対して35°15´で切断した水晶ウエハを示す平面図である。 水晶ウエハを1個1個の水晶片に分割した様子を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係るパッケージ型の水晶振動子を示す概略縦断面図及び裏面図である。 本発明の実施の形態に係る水晶発振器を示す概略図である。 従来の水晶種子から育成された角柱水晶体から製造された水晶ウエハの構成図である。 従来の水晶ウエハから形成された水晶片を用いてOLPFを製造する工程図である。 従来の種子水晶から育成された角柱水晶体及び本発明に係る処理を行った水晶種子から育成された角柱水晶体の縦断側面図である。 本発明に係る処理を行った水晶種子から育成された角柱水晶体から製造された水晶ウエハの構成図である。 前記水晶ウエハから形成された水晶片を用いてOLPFを製造する工程図である。 本発明に係る処理を行った水晶種子から育成された角柱水晶体から製造された水晶ウエハの構成図である。 前記水晶ウエハから形成された水晶片を用いて位相差板を製造する工程図である。 従来の角柱水晶体の一部断面を示す図である。 図19に示す角柱水晶体を水晶の光学軸に対して35°15´で切断した水晶ウエハのA領域の断面を示す図である。
符号の説明
10 種子部
11 結晶部
12 ピンホール
13 シードベール
14 加工層
20 水晶種子
21 加工層
4 オートグレーブ
47 育成溶液
49 オートクレーブ保温材
6 角柱水晶体
60 結晶部
70 水晶ウエハ
80 水晶片

Claims (4)

  1. 以下の(1)、(2)、(3)の全てを満足する人工水晶から切り出され、その一部若しくは全部に水晶種子を含む水晶片を用いて製造したことを特徴とする水晶デバイス。

    (1) 次の(1−1)、(1−2)、(1−3)を満足する水晶種子を用いて育成した人工水晶であること。
    (1−1) IEC60758の測定法に基づくエッチチャンネルが30本/cm以下の人工水晶から切り出した水晶種子であること。
    (1−2) 水晶のα−β転移温度未満で加熱処理し、本水晶種子を用いて人工水晶を育成した時、生じたエッチチャンネルと呼ばれるピンホールの長さが水晶種子の表面から中心位置までの距離の50%以下に制御された水晶種子であること。
    (1−3) 水晶種子を切り出し時に生じた加工層を表面から20μm以上除去した水晶種子であること。
    (2) 鉄の含有量を3ppm以下及びナトリウムの含有量を2ppm以下に抑えた屑水晶を原料として用いて育成した人工水晶であること。
    (3) 水晶種子と人工水晶の成長部分との境界におけるシードベールと呼ばれる微細鉱物の密度が、当該シードベールの長径30μm以上では0個/cm、当該シードベールの長径10μm以上30μm未満では5個/cm以下を満たす人工水晶であること。
  2. 前記(1−3)における加工層の除去は、エッチング液でエッチングすることにより行われることを特徴とする請求項1に記載の水晶デバイス。
  3. 前記(1−3)における加工層の除去は、オートクレーブ内の成長域と溶解域との温度差をコントロールして、育成溶液で溶解することにより行われることを特徴とする請求項1に記載の水晶デバイス。
  4. 前記水晶デバイスは、水晶の光学的な特性を利用した光学素子であることを特徴とする請求項1に記載の水晶デバイス。
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