JP2009137263A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録ヘッドとメインタンクとを連なるインク経路中に設置されたフィルターによってインク中の異物等を除去しようとした場合、フィルター表面にインク中に発生する気泡が滞留し、記録ヘッドからの吐出が阻害される課題がある。
【解決手段】 インク送液流量に応じてフィルターがフィルター保持部と離合自在に保持・動作することで、フィルター表面に捕捉された異物と気泡の気泡のみを優先的に排出可能とし、気泡滞留による吐出の不具合を改善した。
【選択図】 図3

Description

本発明は、インク滴を飛翔させて被記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置に関し、より詳細にはインク中の異物除去と気泡排出機能を具備するインクジェット記録装置に関する。
図1に示すようなシリアルプリンティング方式のキャリッジ1が左右に往復動作するインクジェット記録装置10は、少なくとも、副走査方向に被記録媒体5を搬送する図示しない搬送手段と、キャリッジ1に搭載され、副走査方向に直行する主走査方向に往復運動する記録ヘッド2を具備し、印刷データに基づいて記録ヘッド2より所望のタイミングでインク滴を吐出して被記録媒体5表面に着滴させることにより画像形成を行う構成となっている。
前記インクジェット記録装置10のインク供給路4は、その一端が記録ヘッド2と接続されており、もう一方の一端がメインタンク3に接続されている。またインクジェット記録装置10の内部に設置されている図示しないインク供給ポンプを駆動させることによって、インク供給路4はメインタンク3から記録ヘッド2へインクを供給する。メインタンク3から供給されたインクは記録ヘッド2に形成された図示しない微細なノズル孔から液滴として吐出される。
従って、例えば前記インク内に異物やインクからの析出物等があると前記記録ヘッド2の図示しないノズル孔からの吐出動作が阻害されることになる。これらの不具合を解消するため、インクジェット記録装置においては、インク内の異物等を捕捉し、異物等が記録ヘッド2へ流入することを抑えるために、インク供給路4のインク経路中にフィルターを設置している。
しかし該フィルターを設置するとフィルターが流路抵抗となり、インクがフィルターを通過する際にインク供給路4の内部で圧力損失が発生する。この圧力損失は記録ヘッド2にインクを供給する妨げとなるため、吐出不良の原因となる恐れがある。そこで、インク供給路4を構成するチューブの断面積を大きくすることで、圧力損失を可能な限り低減する構造を採用していた。
しかし、この構成を採用して圧力損失を低減しようとしていたが、実際にはフィルターの直前に位置するフィルター室でインクの流速が低下し、乱流が発生するため、インク供給路4の内部の異物だけではなく気泡もフィルターにて捕捉される。気泡がフィルターにて補足されていると、インクは気泡が存在する部分を通過することができないため、フィルターでのインクの流れはさらに妨げられる。そしてフィルター構造の多くは、ステンレス等の糸を織ることで形成されているため、その構造上、織り目の部分で大きな毛細管力が働く。フィルターにて捕捉された気泡にその毛細管力より大きな力を加えフィルターを通過させるには、非常に大きな力が必要である。
またインクを加圧するなど、流速を速くしたとしても、実際には気泡を避けたインクの通り道をインクが流れてしまうため、気泡にフィルターを通過するように働きかけるのは困難である。これらの問題によって、フィルターに気泡滞留が発生するとフィルターの有効通過面積は減少し、記録ヘッド2からの吐出でのインク供給路4内の流れによる圧力損失を増大させてインクの吐出不良を引き起こす。
これらの問題を受けて、問題を回避する方法も考案されている。(特許文献1参照)また、上述の気泡滞留によるフィルター有効面積の減少による圧力損失増大を改善するためにフィルター通過時の気泡をフィルター経路とは別に流す、フィルターバイパス構成方法なども考案されている。(特許文献2参照)
特開昭62−257857号公報 特開平9−141890号公報
メインタンク3と記録ヘッド2を結ぶインク供給路4のインク経路中に設置された従来のフィルターによってインク中の異物等を補足しようとした場合、より微細な異物等の補足を考えるとフィルター開口面積(ろ過粒子径)を小さくする必要がある。また近年の記録解像度の高解像度化により、記録ヘッド2からの吐出されるインク液滴は微小滴化の傾向にある。微小な液滴を吐出するには小径のノズル孔が必要になるため、記録ヘッド2のノズル孔も小面積(小径)化傾向にある。また、ノズル孔が小面積になると、そのノズル孔を詰まらせるような異物を補足しなくてはならないので、ノズル孔の小面積化に合わせて、前記フィルター開口面積(ろ過粒子径)を縮小する必要がある。
さらに、フィルター開口面積(ろ過粒子径)が縮小することによって、インク流路中のフィルター表面には気泡が滞留し易くなる。これによってフィルター有効面積はさらに減少し、記録ヘッド2からの吐出時の流れによる圧力損失が増大することによって吐出異常に陥る危険性が増加する。
また、特許文献2で報告されている技術は、フィルター部表面に滞留した気泡の浮力上昇を利用して、フィルター経路とは別に気泡排出のバイパスをフィルター部に設け、該バイパスより気泡を排出する構成である。しかしながらこれらの構成は、フィルターの配置、インクジェット記録装置10の内部の流路の配置などの構成上の問題があり、課題解決のための最良の形態とは言い難い。さらに、気泡排出用のバイパスを別経路で流路連通するため、記録ヘッド2のノズル孔側のインク経路に微小気泡が流れ込み、記録ヘッド2からの吐出時に吐出不良を引き起こす恐れがある。
そこで、本発明はかかる問題を改善し、インク供給路4に進入した異物等を確実に捕捉し、且つ、フィルター構成配置に制約されることなく気泡排出動作を行うことで、フィルター部に滞留した気泡を確実に排出し、常に安定したインクの供給を実現することができる。さらに、安定したインク供給を実現することによって、安定したインクの吐出を行うことのできる信頼性の高いインクジェット記録装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決する本発明第一の態様は、被記録媒体にインク滴を吐出して記録を行う記録ヘッドと、インクを貯留したメインタンクから前記記録ヘッドにインクを供給させるためのインク供給流路と、吐出された前記インクが定着する被記録媒体と、該被記録媒体をインクジェットヘッドに対して相対的に移動させる搬送手段と、インク中のゴミ等を捕捉するフィルターメッシュが前記インク供給流路に具備されているフィルター部と、前記フィルター部と近接し、前記フィルター部を保持するフィルター保持部からなるインクジェット記録装置において、前記フィルター部は、前記フィルター保持部と離合を繰り返すことができるフィルター離合手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置にある。
かかる第一の態様では、前記インク供給流路の内部に進入した異物をフィルターメッシュ表面にて捕捉したのち、前記フィルター部が前記フィルター保持部から離脱することによって、異物と気泡の気泡のみを優先的に排出することができる。
本発明第二の態様は、前記フィルター離合手段は、前記インク供給流路のインク送液流量に応じて動作することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置にある。
かかる第二の態様では、前記インク供給流路のインク送液流量に応じて動作することによって、前記インク送液流量が多い場合や少ない場合など、インク送液環境が変化した場合であっても、前記フィルター部において異物と気泡の気泡のみを優先的に排出する機能を低下させることなく本発明の内容を実現することができる。
本発明第三の態様は、第一または第二の態様において、前記フィルター離合手段は、前記フィルター部に弾性部材を近接し、前記弾性部材の弾性力によって離合を繰り返すことができることを特徴とするインクジェット記録装置にある。
かかる第三の態様では、前記弾性部材を前記フィルター離合手段として使用することによって、簡易な構造によって前記フィルター部において異物と気泡の気泡のみを優先的に排出することができる。
本発明第四の態様は、第三の態様において、前記フィルター離合手段は、前記弾性部材と前記フィルター部が同一部材として一体成形され、併設されていることを特徴とするインクジェット記録装置にある。
かかる第四の態様では、前記弾性部材と前記フィルター部が同一部材として一体成形されていることによって、本発明の気泡を排出する機能を損なうことなく、部品点数の削減による組立コストの低減を実現することができる。
本発明第五の態様は、第一から第四のいずれか一つの態様において、前記フィルター部は、前記記録ヘッドの内部に配設されている圧力緩衝部材であるダンパーの内部に設けられていることを特徴とするインクジェット記録装置にある。
従来から使用されているダンパーの内部に、気泡や異物を捕捉するためのフィルターが設けられている構造は、公知の技術である。かかる第五の態様では、前記フィルター部が前記記録ヘッドの内部に配設されている圧力緩衝部材であるダンパーの内部に設けられていることによって、従来から使用されているダンパーの構造形式を大きく変化させることがないため、設計仕様の変更を最小限に抑えて、気泡を排出する機能をインクジェット記録装置に具備することができる。
本発明第六の態様は、第一から第五のいずれか一つの態様において、前記フィルター部は、前記記録ヘッドの内部のノズル孔近傍に設けられていることを特徴とするインクジェット記録装置にある。
インク滴を吐出する機能を有するインクジェット記録装置にとって、前記インク供給流路の最終部分となるのはインク滴を吐出する部分であるノズル孔である。ノズル孔からのインク滴の吐出によって、前記被記録媒体に画像形成を行うため、このノズル孔の近傍になればなるほど、印字不良の原因となる異物及び気泡の捕捉に最大の注意を払わなければならない。
かかる第六の態様では、前記フィルター部が前記記録ヘッドの内部のノズル孔近傍に設けられていることによって、ノズル孔の近傍の異物及び気泡の捕捉を行うことができ、さらに気泡のみを優先的に排出する機能をインクジェット記録装置に具備することができる。
本発明第七の態様は、第一から第六のいずれか一つの態様において、前記フィルターメッシュは、ろ過粒子径100μm以下の密度構成であることを特徴とするインクジェット記録装置にある。
かかる第七の態様では、前記フィルターメッシュが、通常インク供給系において気泡が抜けない範囲である、ろ過粒子径100μm以下の密度構成であることによって、効果的に気泡を捕捉し、気泡を排出する機能をインクジェット記録装置に具備することができる。
上述したように本発明のインクジェット記録装置は、インク供給路中のインク内異物を除去する上でインク内の気泡を完全に取り除くことができ、常に安定したインクの供給を実現することができる。さらに、安定したインク供給によって、安定したインクの吐出が可能なインクジェット記録装置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明のインクジェット記録装置に係る基本的な構成について示す斜視図である。ただし、図1は背景技術の説明において使用した図であるが、インクジェット記録装置10の全体的な外観及び形状は本発明では特に変更が無いため、図1を用いてインクジェット記録装置10の基本的な構成について説明する。
図1において、キャリッジ1は、記録ヘッド2を搭載し、記録ヘッド2下部に配した被記録媒体5上を被記録媒体5の搬送方向と直交する主走査方向に往復動作可能にキャリッジガイド6で支持されている。前記被記録媒体5は被記録媒体5を搬送させる図示しない紙送り手段が具備され、印刷データに基づいて記録ヘッド2に形成されたノズル孔より所望のタイミングでインク滴を吐出・飛翔させ被記録媒体5表面に着滴させることにより画像形成がなされる。
記録ヘッド2へのインク供給では、インクの供給源となるメインタンク3に貯蔵されたインクが図示しない加圧供給ポンプ(本実施形態ではチューブポンプである。ただし、吸引充填の場合は記録ヘッド2のノズル孔外部に設けた吸引ポンプにより吸引充填する)によってインク供給路4を介して記録ヘッド2にインクが供給される。記録ヘッド2に供給されたインクは、図示しないノズル孔を通過し、被記録媒体5に着滴される。またこのインクを吐出する際にインクが気泡を含んでいると、ノズル孔より正常にインクが吐出されず、吐出不良となる恐れがある。そのため、インクの吐出安定性を最優先に考えると、インク内に含まれている気泡の除去は、記録ヘッド2の近傍で実行されることが好ましい。それを考慮した上で、本実施形態でのフィルター構成の設置は、記録ヘッド2の内部の各構成ユニットに具備させている。ただし、インクジェット記録装置においてのインクの安定供給を考慮に入れると、以下に示す本発明のフィルターは記録ヘッド2とメインタンク3とのインク供給路4中に設けられれば問題なく、設置箇所・数量においても何ら限定されるものではない。
図2は、本発明のインクジェット記録装置に係る記録ヘッド2の基本的な構成について示す斜視図である。図2において、記録ヘッド2は、キャリッジ1が主走査方向に往復動作をする時にインク供給路4中のインクに生じる圧力変動を緩和させる機能を有するダンパー部12を具備し、ダンパー部12は装置本体側からのインク供給路4と接続されている。さらに、記録ヘッド2は、インク液滴を微細なノズル孔から吐出させるように形成されたノズル部13と前記ダンパー部12とノズル部13をインク流路的に接続する流路部14で構成される。本発明での実施形態1でのフィルター構成は、ダンパー部12に設けられている。
実施形態1として、ダンパー部12にフィルター構成が設けられた実施形態について説明する。図3は、本発明のインクジェット記録装置に係るダンパー部12の基本的な構成について示す斜視図である。図3において、ダンパー部12は、装置本体側のインク供給路4が矢印aの接続部に図示しない弾性ゴム部材を介しネジ固定され、ダンパー部12本体そして流路部14にダンパー部12の矢印b接続部に図示しない弾性ゴム部材により圧接勘合される。従って、インク供給路4からのインクは矢印a方向より流入し、ダンパー部12本体で圧力変動が緩和されたインクが矢印b方向に流れ、流路部14へと流出する。
ダンパー部12本体は、樹脂成型されたダンパー基本体20に可撓性のフィルムで形成されたフィルム部22が所定箇所を熱溶着することで密閉形成され、該密閉空間に圧力変動緩和の構成部品となる可動板23(本実施形態の材質はステンレス)が設置されている。この可動板23はインクをダンパー部12本体に充填する際に、内側にかかる圧力変動を緩和するため設置されている。さらにこの可動板は、ダンパー基本体20と前可動板23間に配設された圧縮コイルバネ(図示せず)を狭持するかたちで可動自在に構成されている。
本実施形態では、記録ヘッド2へのインク供給方法を加圧供給ポンプによる加圧充填としているため、フィルム部22の外周部には可撓性フィルムの繰返し加圧時での亀裂破損を回避するために金属板金で形成されたダンパーカバー21が配置されている。以上のダンパー基本体20内で、インクがインク供給路4からダンパー基本体20へ流入する円筒形状の所定密閉領域に本発明のフィルター構成100が配設されている。フィルター構成100は、フィルター部30と弾性部材31(本実施形態では、弾性力を持ったばね形状の部材)で構成されている。
フィルター部30は、円形状ステンレス製メッシュ金網のフィルター基材30aとフィルター基材30aの外縁部30bで構成されている。この外縁部30bはインサート樹脂射出成型によって成型され、ダンパー基本体20の表面への密着性向上等とフィルター基材30aの補強を主目的として形成されている。本実施形態ではフィルター基材30aは、開口形状が、ろ過粒子径で10μm以下となる線形0.1mm以下のステンレス製線材の綾畳織り金網として検討している。ろ過粒子径はノズル部13のノズル孔直径から考えた排除対象とする異物外形を想定し設定するのが通常の設定方法であるが、以下実施例で説明する効果においては、通常、インク供給系において気泡が抜けない範囲である、ろ過粒子径100μm以下で顕著な効果がある。
またインサート樹脂射出成型によって形成される外縁部30bは、ポリアセタール樹脂などで形成しても良いし、インク浸漬耐性と成型時の形状安定性が確保されていれば材料規定されるものではない。
弾性部材31は、ステンレス製弾性材で形成され、フィルター基材30aの外縁部30bに端部が当接し、他端部が密閉空間のフィルム側、フィルム部22表面に当接、形状変形することで弾性的に押圧作用するように変形円錐形状を有している。
以上にフィルター構成100のダンパー部12内の概略配設箇所と概要を記したが、次にフィルター構成100の動作について説明する。
図4は、本発明のインクジェット記録装置10に係るダンパー基本体20の本実施形態でのインク流れを説明する模式図である。図5は、従来のフィルター構成での本発明図4の要部CC’断面での気泡動作を説明する模式図である。図4、図5における矢印はそれぞれインクの流れを模式的に表している。
はじめにダンパー基本体20の内部のインクの流れについて説明する。図4、図5において、インク供給路4からのインクが矢印a方向より流入し、ダンパー基本体20の円筒流路部50を通りフィルター部30が設置される領域に連なる開口部51より流出される。フィルター部30が設置される領域は、金網のフィルター基材30aでの単位面積当りの流路抵抗を軽減させるために前円筒流路部50の断面積が拡張された円筒領域20aとなっている。開口部51より流出されたインクは、前円筒領域20a、フィルター部30を介してフィルム部22によって密閉形成された空間を満たすように流れる。該密閉空間がインクで満たされ、再び断面積が縮小された密閉流路部52、53、54と連なり、図3にて図示した可動板23が配設される密閉空間20bへと流れる。密閉空間20bがインクで満たされると、再び断面積が縮小された密閉流路部55、56、57と連なり流れ、流路部14と連通する矢印bの方向へと流出する。
本実施形態では、装置に設置される記録ヘッド2の方向がノズル部13を鉛直下向きに配置され、ダンパー部12の配置が図4に示す状態が配置方向となる。そのため、インク内で発生した気泡がインクの送液によって効果的に排除されるように密閉空間において気泡の浮力上昇によって鉛直上方のインク流路下流側(ノズル部13側)に誘導されるように流出口位置・誘導形状(勾配形状)を配慮した。ダンパー基本体20の全流路に対して、この配慮は施されている。
次に、上述のダンパー部12内に配設された従来のフィルター構成でのインク送液時の動作を説明し、それと対比することによって本実施形態での気泡排出動作を説明する。図5において、(a)〜(d)はインク流路内の初期状態が空気である初期インク充填時のダンパー部12の状態を時系列的に示すものである。従来のフィルター構成は図5に示すように、フィルター基材30aの外縁部30bが熱溶着などによりダンパー基本体20のフィルター保持部20cに固定されている。本実施形態においては、外縁部30bはフィルター保持部20cに近接されているが固定されてはいない。
図5(b)に示した動作では、加圧供給ポンプが動作し、異物と気泡60とを巻き込みながらインクが円筒領域20aを満たし始める。図5(c)に示した動作では、円筒領域20aが全てインクで満たされ、インク流路下流側へ流れが連なる。ここで、円筒領域20aによる流速低下とフィルター基材30aの微細なメッシュ形状による毛細管力の発生により、気泡60はフィルター基材30aを通過することができなくなり、フィルター基材30a表面に気泡60が滞留してしまうことになる。
ここで、インク流路内の流れの状態について、説明する。インクジェット記録装置での記録ヘッド2とメインタンク3と結ぶ連通インク流路内のインク流れの状態は三種類ある。第一の状態は、初期インク充填時での供給ポンプによる流れの状態である。第二の状態は、記録ヘッド2からのインク吐出、画像形成時での流れの状態である。最後に第三の状態は、記録ヘッド2の洗浄(保守)時での供給ポンプによる流れの状態である。また、第一の状態である初期インク充填時は、インク流路内が全て空気であるため、第二・第三の状態と比較して流路の流れが最も速く、勢いよくインクが充填されることが知られている。
ここで、初期インク充填時において、フィルター基材30a表面に気泡60が残留した状態を図5(d)に示す。このような状態では、上述の通り初期インク充填時より流速の速い流れは発生しない。またそれに伴って、気泡60が排出されにくいので、初期インク充填動作が完了した状態からは装置での加圧供給ポンプ動作では気泡60排出が困難となる。
このように初期インク充填時は、インク充填前の流路の内部が空気であるため、インク流路内に気泡60が発生しやすい環境であるが、この状態を逃すと気泡60を排出するのが困難になるため、この環境下において、気泡の排出に注力しなければならない。
次に本実施形態のフィルター構成でのインク送液時の動作とフィルター離合手段を説明する。図6は、本発明第1の実施例のフィルター構成での本発明図4の要部CC’断面での気泡排出動作を説明する模式図である。図6において、(a)〜(d)の状態は、上述図5と同一の状態を示すものであり各図の説明は省略する。本実施形態でのフィルター構成100が従来技術と大きく異なる部分は、フィルム部22とダンパー基本体20による密閉空間にフィルター部30が弾性部材31を介して、弾性部材31の弾性力によりフィルター保持部20cと離合自在に保持されていることである。
図6(b)に示すように、インクがフィルター基材30a周辺の密閉空間を満たし始める状態は上述図5(b)と同一である。しかし、図6(c)に示すような、フィルター基材30a周辺の密閉空間が全てインクで満たされインク流路下流側へ流れが連なる状態になるとフィルター基材30a表面に気泡60とインク内異物が付着滞留する。
フィルター基材30a表面に捕捉された気泡60は、フィルター基材30aの微細なメッシュ形状の毛細管力により、フィルターを通過することはできない。しかしここで、気泡60はフィルター基材30a表面での流路抵抗となり、インクの流れがフィルター基材30aを下流側へ押すように働くので、フィルター部30に当接された弾性部材31の形状を変形させる。これによって、弾性部材31の形状の変形と同時にフィルター部30の外縁部30bがフィルター保持部20cから離れ、外縁部30bとフィルター保持部20cの間に隙間40が発生する。一旦、該当接領域に隙間40ができるとフィルター基材30a表面に捕捉された気泡60は気泡60の浮力とインク送液圧での体積圧縮によって、より抵抗の低い隙間40を通過し、インク流路下流側へ優先的に流れ出ようとする。これによって、気泡60は該当接領域の隙間40からフィルター部30の摺動隙間40aを通ってインク流路下流側に排出される。
この際、フィルター基材30aの表面に付着滞留した異物はインク送液圧を受ける。しかし前述の滞留気泡60のような浮力が働かず、外力が作用しないためにフィルター基材30a表面に付着保持されたままの状態となる。フィルター基材30aの滞留気泡60が排出されると気泡60によるフィルター基材30a表面での流路抵抗が減少し、弾性部材31の弾性力によってフィルター部30が元の位置に戻される。
上述のフィルター部30の密着動作を的確に行うにあたっては弾性部材31の設定が非常に重要となる。本実施形態での弾性部材31の設定は、フィルター基材30aの、ろ過粒子径(抵抗)、インク接液面積、フィルター基材30aへの異物密閉率(安全率)、インク送液圧での気泡60の排出率等の評価を重ね所定弾性係数の設定を行った。
上述の気泡60の排出動作では、気泡60の発生が顕著である初期インク充填時の状態を説明した。ただし、初期インク充填が完了したインク流路がインクで満たされた平衡状態下でのフィルター部30上流域での気泡60発生によるフィルター部30での気泡60捕捉後においても気泡60排出することは可能である。フィルター部30のフィルター基材30a表面に付着滞留した気泡60の排出動作は、対象とするフィルター基材30a表面に付着滞留した気泡60の体積とインク送液量(インク送液圧)と弾性部材31力に大きく依存する。初期インク充填時でのインク送液量でフィルターの設計を行うと、それ以外の状態では本発明による気泡60の排出動作は困難であるが、所定インク送液量を想定し、上述の気泡60の排出動作が可能となる弾性部材31の設計を行えばよい。
この所定インク送液量での気泡60排出動作が可能となることで、初期インク充填時はもちろん、保守時等の気泡60排出動作として該所定インク送液量となる最少の供給ポンプ駆動を行うことでインク流路がインクで満たされた平衡状態下での気泡60排出をインク廃液として最小限に抑えて行うことが可能となる。
(実施形態2)
図7は、本発明のインクジェット記録装置に係るダンパー部12に配置されたフィルター構成の第2の実施形態を示す斜視図である。
実施形態1では、フィルター構成をフィルター部30とフィルター部30の動作復元力の発生を弾性部材31なる別部材を当接設置することで行った。ここで、図7に示す実施形態2ではフィルター部30のインサート樹脂射出成型によって形成される外縁部30bと別にフィルム部22内表面に当接する弾性梁形状部30cを設けた。これにより、実施形態1での弾性部材31の弾性復元機能を付加し、気泡60の排出動作機能を同様に満足した上に部品点数を削減することで組立て性、コストの改善が可能となる。
(実施形態3)
図8、9は、本発明の第3の実施形態を示すものである。図8は、本発明のインクジェット記録装置に係る流路部14に配置されたフィルター構成の第3の実施形態を示す構成斜視図である。図9は、本発明の流路部14に配置されたフィルター構成での第3の実施形態を示す模式的断面図である。
本発明での実施形態1でのフィルター構成は、前ダンパー部12及び前流路部14に設けられている。図8、図9において、流路部14は、フィルター部71とPPS(ポリフェニレンスルフィド)樹脂等で射出成型形成された流路カバー70aと70bで構成されている。さらに、流路カバー70aの内部は上記のダンパー部12と連通しており、流路カバー70bの内部は、インク吐出機能を有するアクチュエータ部80と連通している。インクは流路カバー70aの内部を通り、フィルター部71を通過し、さらにはアクチュエータ部80に達することによって、供給されている。
前記フィルター部71のフィルター基材71aは、実施形態1及び実施形態2で説明した金網と同一である。また、従来のフィルター部71の設置は、流路カバー70aまたは70bにフィルター基材71aのみのフィルター部71を熱溶着等により固着し、インク流路としてフィルター部71を介す形状で形成されている。従って、従来の流路部14に設けられたフィルター部71でのインク内異物の補足では実施形態1で説明した同様の問題点を有することとなる。
図9(a)でのフィルター構成が従来の構成と大きく異なる部分は、流路カバー70a、70bによる図示しない空間に矩形状のフィルター基材71aの外縁にインサート樹脂射出成型により形成されたフック形状の弾性梁形状の外縁部71bを有している点である。さらにこの外縁部71bは、該空間の流路カバー70aと流路カバー70bの図示しない所定面に当接するように構成されており、外縁部71bは、図示しない所定矩形状に所定隙間をもって流路カバー70aの接する部分と離合自在に保持されている。
図9(a)〜(d)はインク流路内の初期状態が空気である初期インク充填時の流路部14の状態を時系列的に示すものである。図9(a)に示すように、初期状態である流路部14にインクが流れ始める。次に図9(b)に示すように、インクがフィルター基材71a周辺の空間を満たし始める。その後、図9(c)に示すように、フィルター基材71a周辺の空間が全てインクで満たされインク流路下流側のアクチュエータ部80に流れが連なる状態になるとフィルター基材71a表面に気泡60とインク内異物が付着滞留する。フィルター部71は上記の実施形態1に示したフィルター部30と同じ動作を行い、フィルター基材71a表面に捕捉された気泡60は、実施形態1で説明した原理により気泡60のみが優先的に流路カバー70a、70bとフィルター部71との所定隙間90を通ってインク流路下流側であるアクチュエータ部80に排出される。本実施形態においても実施形態1で説明したようにフィルター部71に形成された外縁部71bのフック形の弾性梁形状による弾性力は気泡60の排出動作上重要であり、実施形態1と同様に設計制約条件をふった評価を重ね所定弾性係数の設定を行った。
本発明の全ての実施形態において、加圧供給ポンプでの初期インク充填時の最大送液流量は100ml/分、最大到達圧力が80kPa程度にあり、記録ヘッド2からのインク吐出時は液滴量35pl、510ノズル孔、駆動周波数12kHzより最大流量は約12.9ml/分として内容を検討している。
以上のことにより本発明では、フィルター構成のフィルター部に弾性力が作用し、自己保持可能なフィルター構成とした。これによって、インク送液量(圧力)に応じて前記フィルター部が密着開閉動作する機能を具備させることが可能となり、インク中の異物を十分に捕捉可能とした上でインク中に発生した気泡滞留を回避し、常に安定したインクの供給を実現することができる。さらに、安定したインク供給によって、安定したインクの吐出が可能なインクジェット記録装置の提供が可能となる。
本発明のインクジェット記録装置に係る基本的な構成について示す斜視図 本発明のインクジェット記録装置に係る記録ヘッド2の基本的な構成について 示す斜視図 本発明のインクジェット記録装置に係るダンパー部12の基本的な構成につい て示す斜視図 本発明のインクジェット記録装置に係るダンパー部12の実施形態1でのイン ク流れを説明する模式図 従来のフィルター構成での本発明図4の要部CC’断面での気泡動作を説明す る模式図 本発明第1の実施形態のフィルター構成での本発明図4の要部CC’断面での 気泡排出動作を説明する模式図 本発明のインクジェット記録装置に係るダンパー部12に配置されたフィルタ ー構成の実施形態2を示す斜視図 本発明のインクジェット記録装置に係る流路部14に配置されたフィルター構 成の実施形態3を示す構成斜視図 本発明の流路部14に配置されたフィルター構成での実施形態3を示す模式的 断面図
符号の説明
2 記録ヘッド
4 インク供給路
12 ダンパー部
14 流路部
30 フィルター部
30a フィルター基材
30b 外縁部
60 気泡
71 フィルター部
71a フィルター基材
71b 外縁部

Claims (7)

  1. 被記録媒体にインク滴を吐出して記録を行う記録ヘッドと、
    インクを貯留したメインタンクから前記記録ヘッドにインクを供給させるためのインク供給流路と、
    吐出された前記インクが定着する被記録媒体と、
    該被記録媒体をインクジェットヘッドに対して相対的に移動させる搬送手段と、
    インク中のゴミ等を捕捉するフィルターメッシュが前記インク供給流路に具備されているフィルター部と、
    前記フィルター部と近接し、前記フィルター部を保持するフィルター保持部からなるインクジェット記録装置において、
    前記フィルター部は、前記フィルター保持部と離合を繰り返すことができるフィルター離合手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記フィルター離合手段は、前記インク供給流路のインク送液流量に応じて動作することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記フィルター離合手段は、前記フィルター部に弾性部材を近接し、前記弾性部材の弾性力によって離合を繰り返すことができることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記フィルター離合手段は、前記弾性部材と前記フィルター部が同一部材として一体成形され、併設されていることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記フィルター部は、前記記録ヘッドの内部に配設されている圧力緩衝部材であるダンパーの内部に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記フィルター部は、前記記録ヘッドの内部のノズル孔近傍に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記フィルターメッシュは、ろ過粒子径100μm以下の密度構成であることを特徴とする請求項1から請求項6に記載のインクジェット記録装置。
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