JP2009135605A - フィルムアンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐折曲げ性、耐寒性、柔軟性、熱衝撃性に優れ、各種樹脂に熱接着可能なフィルムアンテナを提供する。
【解決手段】 不飽和カルボン酸をグラフトした変性ポリオレフィンからなるフィルムの少なくとも片面に金属で形成された導電回路を有することを特徴とするフィルムアンテナ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フィルムアンテナに関するものである。
フィルムアンテナは透明性を有するプラスチックフィルム上にアンテナ回路を印刷、蒸着等の方法により形成したフィルム状のアンテナであり、薄肉、軽量であることから各種携帯端末、自動車ウインドウ、パーソナルコンピューター等の情報端末、住宅用窓ガラス等に広範に利用されており、ICタグ等のRFID(Radio Frequency Identification)への応用も可能である。しかし、従来のフィルムアンテナではフィルムアンテナ自体に接着性がないため、フィルムの片面に粘着剤を塗布する(例えば特許文献1)、或は粘着テープを用いて(例えば特許文献2)、被着体に接着する方法が採られていた。
ところが、この方法ではフィルムアンテナに粘着剤を塗布する、又は粘着テープを貼合する工程が必要となるため、より簡便に被着体に接着可能なフィルムアンテナが求められていた。
特許第2594224号公報 特開2001−313508号公報
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐折曲げ性、耐寒性、柔軟性、耐熱衝撃性に優れ、各種樹脂に熱接着可能なフィルムアンテナを提供するものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、不飽和カルボン酸をグラフトしたポリオレフィンからなる電気絶縁性を有するフィルムが金属と強固に接着し、かつ、金属と接着したフィルムがフォトリソグラフィ及びエッチングにおいて使用する薬剤に対し安定性を示し、耐折曲げ性、耐寒性、柔軟性、耐熱衝撃性に優れたフィルムアンテナを提供できることを見出したものである。即ち、本発明は、不飽和カルボン酸をグラフトした変性ポリオレフィンからなるフィルムの少なくとも片面に金属で形成された導電回路を有するフィルムアンテナに関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムアンテナは、不飽和カルボン酸をグラフトした変性ポリオレフィン(以下、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンという)からなるフィルム上に従来用いられてきた接着剤、又は粘着剤等を用いることなく、金属製の導電回路の薄膜が積層されているものであり、このフィルムアンテナは更に種々の熱可塑性樹脂、金属等に容易に熱接着できる特徴を有している。
本発明のフィルムアンテナは、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンからなるフィルムの少なくとも片面に金属で形成された導電回路を有するものである。この不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンからなるフィルムは、電気絶縁性を有するため、アンテナとして用いることができる。本発明のフィルムアンテナの構成としては、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンからなるフィルムの片面に導電回路を有する2層の構造を有するフィルムアンテナ、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンからなるフィルムの両面に導電回路を有する3層の構造を有するフィルムアンテナ等が例示される。3層の構造を有するフィルムアンテナにおいては不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンからなるフィルムの両面に形成される回路は異なっていても良い。
本発明のフィルムアンテナに用いられる金属は特に制限はなく、例えば、銅、アルミニウム、鉄、金、銀等が挙げられるが、これらのうち、経済的で電導性に優れた銅を用いるのが好ましい。これらの金属の形状としては箔及び板が挙げられるが、回路形成が容易であるため、箔を用いるのが好ましい。その厚みは使用される製品により適宜選択することができるが、100μm以下が好ましい。銅箔としては、例えば、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられる。銅箔の厚みはハンドリング性、銅箔の破断の関係で、通常15〜100μmの範囲のものが用いられるが、特に、5〜50μmのものが好適である。また、銅箔としては表面粗さの小さいものが好適に用いられ、Rz(十点平均高さ)が7μm以下のものが好ましく、5μm以下のものがさらに好ましい。
不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンは、フィルム化した際の製品外観を良好にし、接着強度、耐久性等の力学特性をより向上させ、折り曲げ等による金属との剥離をより防止するためには、140℃に加熱したキシレンに不溶のゲルを含まないことが好ましい。
不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンの不飽和カルボン酸のグラフト量は特に制限されないが、充分な接着性を有し、かつ、ポリオレフィンの溶融粘度を適度に維持するため、好ましくは0.1〜10重量%であり、さらに好ましくは0.5〜8重量%である。
不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンは、後に述べるような原料ポリオレフィンの種類に従い、例えば、不飽和カルボン酸グラフトポリエチレン、不飽和カルボン酸グラフトエチレン・プロピレン共重合体、不飽和カルボン酸グラフトエチレン・ブテン共重合体、不飽和カルボン酸グラフトエチレン・ヘキセン共重合体、不飽和カルボン酸グラフトエチレン・酢酸ビニル共重合体、不飽和カルボン酸グラフトポリプロピレン等が挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、不飽和モノカルボン酸類及びその誘導体、不飽和ジカルボン酸類及びその誘導体、不飽和ジカルボン酸の酸無水物類及びその誘導体等が挙げられる。不飽和モノカルボン酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等が挙げられ、不飽和モノカルボン酸類の誘導体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸類としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸等が挙げられ、不飽和ジカルボン酸類の誘導体としては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸の酸無水物類及びその誘導体としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。これらは単独又は2種類以上併用しても良い。特に接着性の観点から無水マレイン酸単独又は無水マレイン酸と(メタ)アクリル酸エステル類の組み合わせが好ましい。
ポリオレフィンとしては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、超低密度ポリエチレン(V−LDPE)等が挙げられる。線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)としては、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体などのエチレン−α−オレフィン共重合体が挙げられる。その他、エチレン−4−メチルペンテン−1樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)およびその鹸化物、エチレン−ビニルアルコール樹脂(EVOH)、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)等のエチレン系コポリマー、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンブロックコポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー等が挙げられる。
これらのポリオレフィンを合成するための重合方法は通常知られている方法でよく、高圧ラジカル重合、中低圧重合、溶液重合、スラリー重合等があげられ、使用触媒は過酸化物系触媒、チーグラー−ナッタ触媒、メタロセン触媒が挙げられ、これらの触媒で重合されたポリオレフィンを使用することができる。
ポリオレフィンの分子量の目安となるメルトマスフローレート(MFR)は特に制限されないが、溶剤への溶解性を加温時でも良好とし、また、最終的なグラフト反応物の材料強度を維持するため、好ましくは0.01〜50000(g/10分)であり、さらに好ましくは0.01〜100(g/10分)である。
フィルム原料である不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンは、ハロゲン系溶剤中で、ラジカル発生剤を用いて不飽和カルボン酸をポリオレフィンにグラフトさせることで製造できる。ハロゲン系溶剤としては、例えば、1,1,2−トリクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等が挙げられる。なお、ハロゲン系溶剤として1,1,2−トリクロロエタンを用いる場合、市販されている1,1,2−トリクロロエタン中には、しばしば0.5〜2.0重量%のアルコール化合物及び/又はエポキシ化合物を不純物として含有している。ここに、アルコール化合物とは水酸基を有する化合物であり、例えば、エチルアルコールやブチルアルコール等が挙げられ、エポキシ化合物とはエポキシ基を有する化合物であり、例えば、1,2−エポキシプロパンや1,2−エポキシブタン等が挙げられる。不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンを無色透明とし、かつ熱安定性も良好でゲルを含有しない不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンを得るためには、1,1,2−トリクロロエタンを溶剤として用いる場合には、1,1,2−トリクロロエタン中に不純物として含まれるアルコール化合物及び/又はエポキシ化合物をあらかじめ除去することが好ましい。
ラジカル発生剤としては、アゾ系化合物又は有機過酸化物等が用いられる。アゾ系化合物としては、α,α―アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられ、有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化t−ブチル、過安息香酸t−ブチル等が挙げられる。
アゾ系化合物又は有機過酸化物の添加量は特に制限されないが、不飽和カルボン酸のグラフト量を維持し、また、樹脂の溶融粘度の増加を防止することで成形性の低下を防止して製品品質を維持するため、ポリオレフィン100重量部に対して好ましくは0.05〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜3重量部である。
反応温度は特に制限されないが、グラフト反応の効率を高め、変性ポリオレフィンの着色、及び架橋等を防止するため、好ましくは40〜130℃、さらに好ましくは60〜130℃である。反応圧力は特に制限されないが、充分な量の不飽和カルボン酸をグラフトし、また、ゲルの発生を抑制して品質低下を防ぐため、好ましくは0〜1MPa、さらに好ましくは0〜0.7MPaである。本反応においては反応温度、及び、反応させるポリオレフィンの種類によっては均一な溶液状態からけん濁状態でグラフト反応が進行するが、できる限り均一な溶液状態でグラフト反応を進めるため、ポリオレフィンの種類によって反応温度を適宜選択することが好ましい。
グラフト反応の終了後、必要に応じて安定剤を添加する。安定剤はグラフト反応時に発生するラジカルを消滅させ、グラフト反応を停止させるために添加し、通常ポリオレフィンに添加する酸化防止剤を用いるのが好ましく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、これらの複合系酸化防止剤が好適に用いられる。
グラフト反応に使用する反応容器は通常回分式(バッチ式)反応に使用する容器を用いることができ、上記反応温度、反応圧力に耐えられるものであれば差し支えなく、材質は通常ステンレス製が用いられ、必要に応じて内面がガラスライニング、フッ素コーティング処理を施したものも使用できる。
グラフト反応で生成した不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンと溶剤との分離には、ドラムドライヤー、水蒸気蒸留、ベント付き押出機等、通常用いられる方法を用いることができるが、ドラムドライヤーを用いることが経済的利用から特に好ましい。
反応工程で不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンを溶剤と分離する方法としてドラムドライヤーを用いる場合には、反応工程を終了した後、その反応溶液を反応器から、加熱したドラムドライヤーに連続的にフィードして、生成物をポリマー溶液から単離する。この際のドラムドライヤーの温度としては、乾燥を促進しつつ、ポリマーの着色、熱劣化、架橋を抑制するため、好ましくは120〜200℃の範囲であり、さらに好ましくは150〜165℃である。ポリマーは薄膜状でドラムから剥離して単離する。
また、ドラムドライヤーにより揮発した1,1,2−トリクロロエタンはドラムドライヤー上部に設置された回収ラインを用いて、回収し、再び反応に用いることができる。
ドラムドライヤーによるポリマー溶液からの溶剤除去に必要な時間は、用いる溶剤の種類、及びドラムドライヤーの温度により異なり、適宜選定し得るが、通常10秒〜5分である。
単離されたポリマーは必要に応じて紐状、シート状、ストランド状又はチップ状に加工することができ、これらの1次賦形したポリマーを更に、1軸、又は必要に応じて2軸押出機へ供給し、ポリマーを溶融させて押出し、ストランドカット、又は水中カットによりペレット化することも可能である。この際の押出温度は特に制限されないが、用いたポリオレフィンを充分に溶融させてスムーズに押し出し、さらにポリオレフィンの分解、着色等を抑制するため、好ましくは100〜300℃であり、さらに好ましくは150〜250℃である。
不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンには、他樹脂を配合することができる。他樹脂としては、例えば、グラフト反応が施されていない上記ポリオレフィン樹脂のみならず、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン樹脂などのスチレン系樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸−メチルなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂(PPO)、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテル−エーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリオキシメチレン樹脂(POM)、エポキシ樹脂、ポリウレタン、尿素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、セルロース、石油樹脂などが挙げられる。必要に応じて、反応性の官能基、又は末端基を有する他の樹脂と不飽和カルボン酸基とを化学反応させることが可能であり、これら官能基間の物理的相互作用を利用したブレンドが可能である。さらにシランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤を第三成分として添加し他樹脂との相溶性を向上させる、又は接着性を向上させることも可能である。
不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンには、エラストマー又はゴム成分を配合することができる。エラストマー又はゴム成分としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。また、熱可塑性エラストマー(TPE)としてはSBS、SIS等のスチレン系TPE(SBC)、ポリオレフィン系TPE(TPO)、ウレタン系TPE(TPU)、ポリエステル系エラストマー(TPEE)、ポリマミド系エラストマー(TPA)、シリコーン系TPE、フッ素系TPEが例示される。
不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンには、以下の各種添加剤を配合することができる。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、これらの複合系酸化防止剤等が挙げられる。その他安定剤としては有機ホスファイト系安定剤、チオエーテル系安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。また、充填剤としては、例えば、球状フィラー、板状フィラー、繊維状フィラー等が挙げられる。接着剤としては、例えば、液体および固体ビスフェノールAエポキシ樹脂、エポキシクレゾールノボラック、エポキシフェノールノボラックおよびビスフェノールAエポキシ樹脂とエポキシクレゾールノボラックまたはエポキシフェノールノボラックとの混合物、ビスフェノールFエポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などが挙げられる。エポキシ架橋剤としては、三フッ化硼素の錯化合物、ジシアンジアミド、ポリアミド類、ポリアミン類等が挙げられる。難燃剤としては、例えば、エチレンビステトラブロモフタールイミド、デカブロモジフェニルオキサイド、SAYTEX8010、テトラデカブロモジフェノキシベンゼンなどの臭素化系難燃剤、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、硼酸亜鉛、FIREBRAKE ZBなどの難燃助剤、DECLORANE PLUSなどの塩素化系難燃剤等が挙げられる。滑剤としては、高級脂肪酸金属塩として例えばステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸などの高級脂肪酸のマグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、さらにはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などのアルカリ金属塩などが使用できる。その他の添加剤としては、帯電防止剤、着色剤、天然油、合成油、ワックス、可塑剤、造核剤、重金属不活性化剤、加工助剤、ワックス類、アーク抑制剤、アルミナ、シラン処理したタルク、マイカ、長石およびウォラストナイトのような滴下抑制剤等が挙げられる。添加剤の添加量は特に制限するものではないが、添加剤の添加効果を発現させ、かつ、接着性を維持するため、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィン100重量部に対して20〜40重量部であることが好ましい。
不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンと他樹脂、エラストマー又はゴム成分、各種添加剤の混合には、通常用いられる混練方法が使用でき、単軸押出機、二軸押出機、ブラベンダー型インターナルミキサー、バンバリーミキサー、ロール、ニーダー、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー、タンブラーミキサーなどを用いることができる。
不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンからなるフィルムは通常良く知られている樹脂の成形加工法により製造できる。例えば、インフレーションフィルム成形、キャスト成形、押出ラミネーション成形、カレンダー成形、シート成形、ブロー成形が挙げられる。また、必要に応じてフィルム成形においては、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンを少なくとも片側一層に使用した共押出成形や多層積層成形も可能である。また、溶剤を用いたキャストフィルム成形も可能である。溶液キャスト法を用いる場合、例えば、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンを1,1,2−トリクロロエタン、クロロホルム、メチルエチルケトン等の溶剤に溶解させた溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム上にキャストし溶剤を揮発除去することにより成膜することができる。
また、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンからなるフィルムは必要に応じて加熱、紫外線、電子線等の照射により架橋されたものでも良い。
本発明のフィルムアンテナは、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンからなるフィルムと金属箔とを熱接着により積層した後、フォトリソグラフィ等の手法により導電回路を形成することにより製造できる。
不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンからなるフィルムと金属の接着方法は特に制限はなく、ダブルベルトプレス、熱プレス、押出ラミネーション、ロールラミネーション成形等公知の方法で行うことができ、自動化プロセスを使用して、フィルム、シート又はテープとして金属箔に接着できる。例えば、金属箔にフィルムを接着させるラミネート用ローラを通過させて接着させる方法では、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンからなるフィルムの溶融温度近傍に、必要に応じて金属を予熱しておく方法により接着することができる。この際、金属箔の軟化温度以下で加熱することが重要である。
一方、ラミネーターにより加熱圧着する方法も同様に可能であり、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンからなるフィルムが接着性を発現する温度に加熱することが可能であれば、なんら積層方法には制限がない。金属を余熱する場合には、熱風の吹き付けまたは誘導加熱が使用できる。何れのケースにおいても不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンからなるフィルムが熱可塑性であることを生かして、金属箔が積層されたフィルムを自動化により容易に製造できる。
不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンからなるフィルムを接着する際の温度は、40〜250℃である。40℃未満の場合、フィルムの融解が充分でなく接着強度が低下する場合があり、また250℃を超える場合にはフィルムの熱劣化等による着色が見られる場合があり、また、フィルムの劣化により接着強度の低下を招く場合がある。好ましくは80〜200℃である。
不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンからなるフィルムの接着に用いられる圧力は、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンからなるフィルムが融着すれば特に制限はないが、接着界面の密着性を維持し、かつ、フィルムの流動による層の厚みの低下を抑制するため、好ましくは0.01〜20MPaであり、さらに好ましくは0.01〜5MPaである。接着時の圧力は適宜、被着体の種類により選択することが好ましい。
以上述べた方法により、金属箔のロール及び不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンのフィルムのロールから、金属箔及び不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンのフィルムを巻き出し、加熱圧着し、必要に応じて冷却することにより、金属が積層されたフィルムをロール巻きの状態で連続的に得ることができる。得られたフィルムは必要に応じて、所定の大きさに切断又は打ち抜いて利用することができる。
このフィルムからフォトリソグラフィによりフィルムアンテナを製造できる。例えば、ポジ型レジストを用いた場合には、アンテナパタ−ンが形成される部分の金属表面を保護するエッチングレジストのアンテナパタ−ンを形成した後、それ自体エッチング液を使用してアンテナが形成されない部分の金属をエッチングにより除去し、エッチングレジストを除去する方法が例示される。また、ネガ型レジストを用いた場合には、ポジ型レジストを用いた場合とは逆に、形成しようとするアンテナパタ−ン以外をマスクした形で露光し、アンテナパターン部の金属をレジストで保護し、エッチング液を使用してアンテナが形成されない部分の金属をエッチングにより除去し、エッチングレジストを除去する方法が例示される。印刷法を用いた場合には、金属が積層されたフィルムの全面にレジストを塗布するのではなく、例えば、ポジ型レジストをアンテナパターン通りの形状に直接印刷し、その後、露光し、エッチングによりレジストを除去する方法等が例示される。印刷法は、無駄なレジストを使用することなく、かつ、量産に適した経済的な方法で、フィルムアンテナを大量生産するのに好適である。ポジ型レジスト剤としては、例えば、ジアゾナフトキノン等の光分解型レジストを用いることができる。ネガ型レジスト剤としては、例えば、環化ポリイソプレン等の光増感型レジストを用いることができる。露光光源の波長は回路の線幅で適宜、選択され、例えばg線、i線、KrFステッパ、ArFステッパ等が例示される。また、レジストとしては液状レジスト、フィルム状のドライフィルムレジスト、電着レジスト等が用いられる。レジストの塗布後、必要に応じて溶剤を除去するためのプリベークを行っても良い。現像方法としてはディップ現像、又はスプレー現像の何れも用いることができる。
使用する現像剤には特に制限はなく、一般的に用いられる現像剤を用いることができる。例えば、ポジ型レジストでは露光により光照射された部分が分解してアルカリ可溶性の酸となるため、その現像液にはアルカリ水溶液が用いられ、アルカリ性現像液としてメタケイ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウムなどを主体とした水溶液、非金属アルカリとして四級アンモニウム塩、アミン、アルコール混合物などの有機アルカリ水溶液が例示される。また、ネガ型フォトレジストを現像することができるものとしては、アルカリ性化合物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、またはエチルアミン、n−プロピルアミン等の第一級アミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第二級アミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三級アミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウムヒドロキシド等の有機アルカリ類の水溶液が例示される。
現像温度には特に制限はなく、金属が積層されたフィルムが熱変形する温度以下であれば問題なく用いることができる。
現像後には水洗を行い、現像液を充分に洗浄し、乾燥した後にレジストを剥離することが好ましく。剥離剤には一般的に用いられているアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類が例示される。また、現像後にレジスト中の溶剤、水分を除去し、基板との密着性を高めるために行うポストべークを行っても良く、その条件は選択したレジストにより適宜、その温度、時間を選択することが好ましい。
エッチングに用いるエッチング液には特に制約はなく、塩化第二鉄水溶液等を用いることができる。
エッチング方法としてはドライエッチング、ウェットエッチング、電解エッチング等を用いることができる。
本発明のフィルムアンテナは、非平面形状の樹脂部材、又は金属部材へ熱融着する場合に有効に用いることができる。この場合、フィルムアンテナの柔軟性、及び加圧接着性を活かして、フィルムアンテナの片面に回路を形成した場合には、例えば、携帯電話、パソコン等の携帯情報端末内部へフィルム状電子回路部品として接着し使用することができる。また、両面に回路を形成した場合においても、回路の機能が阻害されない範囲で他の樹脂部品、例えばポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド等の樹脂部品等に接着することができ、必要に応じてアルミニウム、銅、ステンレス製の金属部品へも接着できる。
本発明により、耐折曲げ性、耐寒性、柔軟性、耐熱衝撃性に優れた、各種樹脂に熱接着可能なフィルムアンテナを提供できるものである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
<原料>
本発明の実施例には下記の原料を使用した。
(1)L−LDPE
エチレン・ヘキセン−1共重合体:東ソー株式会社製 ニポロン−Z(登録商標)ZF230(MFR=2.0g/10分、密度=920kg/m3)
(2)EVA
エチレン・酢酸ビニル共重合体:東ソー株式会社製 ウルトラセン(登録商標)751
(3)ケン化EVA
エチレン・酢酸ビニル共重合体のケン化物:東ソー株式会社製 H−6410M
(4)ベンゾイルパーオキサイド(BPO)
日本油脂株式会社製 ナイパーB
(5)2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)
株式会社エーピーアイコーポレーション ヨシノックスBHT
(6)ポリカーボネートフィルム
帝人化成株式会社製 パンライト(登録商標)PC−2151
(7)ポリイミドフィルム
宇部興産株式会社製 UPILEX(登録商標)755
(8)銅箔
株式会社ニラコ製 CU−113253 厚み:40μm
(9)ポリイミドテープ
住友スリーエム株式会社製 ポリイミドテープ 5412
(10)現像液
ROHM&HAAS製 MICROPOSIT(リン酸塩系現像液) DEVELOPPER
<酸価>
ポリマーサンプル1gを秤量し、トルエン100mlに加熱溶解させた後、メタノール10ml、ジメチルホルムアミド10ml、水0.5mlを加える。引き続き、チモールブルー指示薬1mlを加え、N/20のKOH溶液(n−プロパノール/ベンゼン溶液)で滴定し、青紫色が1分以上持続する点を終点として算出した。
<メルトマスフローレート(MFR)>
メルトマスフローレート(MFR)は、ポリエチレンはJISK6922−1に、エチレン酢酸ビニル共重合体はJISK6924−1、ポリプロピレンはJISK6921−2にそれぞれ準拠して、宝工業(株)製のメルトインデクサーL244を用いて、測定温度190℃、荷重2.16kgfの条件で測定した。
<ゲル分率の測定>
ポリマー50mgをキシレン50mlに添加し、140℃で12時間溶解させた後、この溶液を200メッシュのステンレス製のメッシュ(75μm)で濾過して金網上の未溶融分を105℃、5時間乾燥して算出した。
<イエローインデックス(YI)の測定>
JIS K7105(1981年版)に準拠して、(株)神藤金属工業所製 復動式圧縮成形機WFA−50を用いて加熱温度150℃、圧力10MPa、10分間、冷却温度30℃、圧力10MPa、5分間の条件でプレスしたフィルムのYIをスガ試験機(株)製 SMカラーコンピューターを用いて測定した。
<1,1,2−トリクロロエタン中の1−ブタノール及び1,2−エポキシブタン量>
1,1,2−トリクロロエタン0.5μlをマイクロシリンジにより採取し、GCキャピラリーカラムDB−1301(アジレント・テクノロジーズ社製長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)を取り付けたガスクロマトグラフ装置(島津製作所製GC−14A)にて、以下の条件で測定した。
インジェクション温度:40℃
インジェクション温度保持時間:4分
昇温プログラム1:5℃/分(40℃〜90℃)
昇温プログラム2:10℃/分(90℃〜190℃)
最終温度:190℃
最終温度保持時間:20分
キャリアガス:ヘリウム
<スピンコート>
ミカサ スピンコーター 1H−360Sを用いた。
<ヒートサイクル試験>
エスペック株式会社製 冷熱衝撃装置TSA−71L−Aを用いて85℃で30分、常温で5分、−40℃で30分を1サイクルとして接着試験片に熱衝撃を加えて、接着片の剥離等を観察した。
<耐折曲げ性>
耐折曲げ性の評価(MIT試験)にはJIS−C5016に準拠して株式会社ミツトヨ製MIT試験器を用い、R=0.38の治具を使用して積層体の破断回数、又は剥離回数を評価した。
実施例1
<不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンの製造>
1,1,2−トリクロロエタンを5000重量部と26%硫酸水溶液を2500重量部とを下口付き10リッターフラスコに入れ激しく撹拌し、静置後下層の有機層を抜き出した。次に、抜き出した有機層と蒸留水を5kgとを下口付き10リッターフラスコに入れ激しく撹拌し、静置後下層の有機層を抜き出す操作を3回繰り返し、不純物の1−ブタノール及び1,2−エポキシブタンを除いた(ガスクロマトグラフ装置で確認した)。さらに抜き出した有機層にモレキュラーシーブス4Aを150重量部添加して、スターラーで撹拌することにより脱水し、精製した1,1,2−トリクロロエタン(以下、精製TCEと記す)。
4リッターのガラス製反応容器に精製TCE、2480重量部とL−LDPEを200重量部、並びに無水マレイン酸を2.0重量部仕込んだ。反応器を80℃に昇温し、その後80℃で4時間保持することによってL−LDPEを均一に溶解した。またこの間、反応器に5リッター/分の流速で窒素ガスを導入し、反応器に混入した空気を排除した。グラフト反応の触媒として1.5重量部のBPOを精製TCE100重量部に溶解した。この溶液を連続的に反応器へ添加しつつ、反応器の圧力を1MPaに保った状態で、3時間グラフト反応を行った。反応終了後、反応器の圧力を常圧に戻した後、反応器の温度を70℃に下げ、安定剤として0.06重量部のBHTを添加した後、この溶液を160℃に加熱したドラムドライヤーにフィードして、生成物としての変性L−LDPEを溶剤から分離した。
生成物は、分析の結果1.5重量%の不飽和カルボン酸(無水マレイン酸)を有することがわかった。ゲルは0重量%であり、YIは2と色相は良好であった。
<不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンからなるフィルムの製造>
復動式圧縮成形機WFA−50を用いて、上記で得られた不飽和カルボン酸グラフトL−LDPEを、加熱温度180℃、圧力10MPa、加熱時間10分間、冷却温度30℃、圧力10MPa、冷却時間5分間の条件でプレス成形することにより、サイズ100mm×100mm、厚さ100μmのフィルム(フィルム1)を得た。得られたフィルムの外観、性状は良好でありフィッシュアイ等の欠点は見られなかった。
<銅箔の積層>
得られたサイズ100mm×100mm、厚み100μmのフィルム(フィルム1)、及び表面処理を行っていないサイズ100mm×100mm、厚み40μmの銅箔(箔1)を、圧力0.1Mpa、温度180℃、時間1分の条件で積層し不飽和カルボン酸グラフトL−LDPEと銅箔の積層体(以下、銅箔積層ポリオレフィンフィルムという)を得た。
<フィルムアンテナの製造>
クリーンルーム内で、銅箔積層ポリオレフィンフィルム、アンテナ回路パターンの順に円形石英ガラス製基板上にポリイミドテープを用いて固定した。次に、銅箔積層ポリオレフィンフィルムを固定した上記の石英ガラス製基板をスピンコーターにセットし、レジスト液6mlを銅箔積層ポリオレフィンフィルム上に流延し、スピンコーターを回転数300rpmで10秒回転させ、その後、回転数を5秒かけて1500rpmまで上げ、この回転数で20秒間回転させ、レジスト液が一様にコートされた銅箔積層ポリオレフィンフィルムを得た。
この銅箔積層ポリオレフィンフィルムを円形石英ガラス製基板に固定したまま、波長365nmのUV光で15秒間露光し、その後、上記のガラス製基板を回転させた状態で現像液を流延し、現像を行い、引き続き、水洗、窒素を吹き付けながら乾燥させた。
得られた現像済みの銅箔積層ポリオレフィンフィルムを室温で30分間、エッチング液で処理し、水洗、レジスト層の剥離をアセトンで行い、導電回路パターンが形成されたフィルムアンテナを得た。
<フィルムアンテナの試験>
本フィルムアンテナは200回のヒートサイクル試験で、銅箔が剥離せず耐寒性及び耐熱衝撃性に優れていることを確認した。また、得られた本フィルムアンテナをポリカーボネートフィルムに不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィン側が接着面となるように100℃、圧力0.1MPaで加熱圧着し積層体を得た。
本フィルムアンテナは200回のヒートサイクル試験を行ってもアンテナ回路は剥離せず、また、ポリカーボネートとの剥離も見られず、実用上問題のないレベルの耐寒性及び耐熱衝撃性を示した。さらに、MIT試験を行った結果、本フィルムアンテナは150回の折り曲げ試験で銅箔の剥離、及びフィルムも破断せず、耐折曲げ性と柔軟性に優れていた。本フィルムアンテナの135kHzにおける平均利得の最大値は−2DBicであり実用レベルの特性を示した。
実施例2
L−LDPEをEVAに変えた以外は実施例1と同様の手法により無水マレイン酸をグラフトしたEVAを得た。生成物は、分析の結果1.8重量%の不飽和カルボン酸(無水マレイン酸)を有することがわかった。ゲルは0重量%であり、YIは1と色相は良好であった。この不飽和カルボン酸グラフトEVAを実施例1と同様の条件でプレス成型し、サイズ100mm×100mm、厚み120μmのフィルムを得た。得られたフィルムの外観、性状は良好でありフィッシュアイ等の欠点は見られなかった。
得られたフィルム、及び表面処理を行っていないサイズ100mm×100mm、厚み40μmの銅箔を、圧力0.1Mpa、温度180℃、時間1分の条件で積層し不飽和カルボン酸グラフトEVAと銅箔の積層体(以下、銅箔積層ポリオレフィンフィルムという)を得た。
<フィルムアンテナの製造>
クリーンルーム内で、銅箔積層ポリオレフィンフィルム、アンテナ回路パターンの順に円形石英ガラス製基板上にポリイミドテープを用いて固定した。次に、銅箔積層ポリオレフィンフィルムを固定した上記の石英ガラス製基板をスピンコーターにセットし、レジスト液6mlを銅箔積層ポリオレフィンフィルム上に流延し、スピンコーターを回転数300rpmで10秒回転させ、その後、回転数を5秒かけて1500rpmまで上げ、この回転数で20秒間回転させ、レジスト液が一様にコートされた銅箔積層ポリオレフィンフィルムを得た。
この銅箔積層ポリオレフィンフィルムを円形石英ガラス製基板に固定したまま、波長365nmのUV光で15秒間露光し、その後、上記のガラス製基板を回転させた状態で現像液を流延し、現像を行い、引き続き、水洗、窒素を吹き付けながら乾燥させた。
得られた現像済みの銅箔積層ポリオレフィンフィルムを室温で30分間、エッチング液で処理し、水洗、レジスト層の剥離をアセトンで行い、導電回路パターンが形成されたフィルムアンテナを得た。
<フィルムアンテナの試験>
本フィルムアンテナは200回のヒートサイクル試験で、銅箔が剥離せず耐寒性及び耐熱衝撃性に優れていることを確認した。また、得られた本フィルムアンテナをポリイミドフィルムに不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィン側が接着面となるように120℃、圧力0.1MPaで加熱圧着し積層体を得た。
本フィルムアンテナは200回のヒートサイクル試験を行ってもアンテナ回路は剥離せず、また、ポリイミドフィルムとの剥離も見られず、実用上問題のないレベルの耐寒性及び耐熱衝撃性を示した。さらに、MIT試験を行った結果、本フィルムアンテナは150回の折り曲げ試験で銅箔の剥離、及びフィルムも破断せず、耐折曲げ性と柔軟性に優れていた。本フィルムアンテナの135kHzにおける平均利得の最大値は−1.8DBicであり実用レベルの特性を示した。
実施例3
L−LDPEをケン化EVAに変え、無水マレイン酸をアクリル酸に変えた以外は実施例1と同様の手法によりアクリル酸をグラフトしたケン化EVAを得た。生成物は、分析の結果1重量%の不飽和カルボン酸(アクリル酸)を有することがわかった。ゲルは0重量%であり、YIは1と色相は良好であった。この不飽和カルボン酸グラフトケン化EVAを実施例1と同様の条件でプレス成型し、サイズ100mm×100mm、厚み130μmのフィルムを得た。得られたフィルムの外観、性状は良好でありフィッシュアイ等の欠点は見られなかった。
得られたフィルム、及び表面処理を行っていないサイズ100mm×100mm、厚み40μmの銅箔を、圧力0.1Mpa、温度180℃、時間1分の条件で積層し不飽和カルボン酸グラフトケン化EVAと銅箔の積層体(以下、銅箔積層ポリオレフィンフィルムという)を得た。
<フィルムアンテナの製造>
クリーンルーム内で、銅箔積層ポリオレフィンフィルム、アンテナ回路パターンの順に円形石英ガラス製基板上にポリイミドテープを用いて固定した。次に、銅箔積層ポリオレフィンフィルムを固定した上記の石英ガラス製基板をスピンコーターにセットし、レジスト液6mlを銅箔積層ポリオレフィンフィルム上に流延し、スピンコーターを回転数300rpmで10秒回転させ、その後、回転数を5秒かけて1500rpmまで上げ、この回転数で20秒間回転させ、レジスト液が一様にコートされた銅箔積層ポリオレフィンフィルムを得た。
この銅箔積層ポリオレフィンフィルムを円形石英ガラス製基板に固定したまま、波長365nmのUV光で15秒間露光し、その後、上記のガラス製基板を回転させた状態で現像液を流延し、現像を行い、引き続き、水洗、窒素を吹き付けながら乾燥させた。
得られた現像済みの銅箔積層ポリオレフィンフィルムを室温で30分間、エッチング液で処理し、水洗、レジスト層の剥離をアセトンで行い、導電回路パターンが形成されたフィルムアンテナを得た。
<フィルムアンテナの試験>
本フィルムアンテナは200回のヒートサイクル試験で、銅箔が剥離せず耐寒性及び耐熱衝撃性に優れていることを確認した。また、得られた本フィルムアンテナをポリイミドフィルムに不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィン側が接着面となるように120℃、圧力0.1MPaで加熱圧着し積層体を得た。
本フィルムアンテナは200回のヒートサイクル試験を行ってもアンテナ回路は剥離せず、また、ポリイミドフィルムとの剥離も見られず、実用上問題のないレベルの耐寒性及び耐熱衝撃性を示した。さらに、MIT試験を行った結果、本フィルムアンテナは150回の折り曲げ試験で銅箔の剥離、及びフィルムも破断せず、耐折曲げ性と柔軟性に優れていた。本フィルムアンテナの135kHzにおける平均利得の最大値は−1.9DBicであり実用レベルの特性を示した。

Claims (2)

  1. 不飽和カルボン酸をグラフトした変性ポリオレフィンからなるフィルムの少なくとも片面に金属で形成された導電回路を有することを特徴とするフィルムアンテナ。
  2. 不飽和カルボン酸をグラフトした変性ポリオレフィンが、140℃に加熱したキシレンに不溶のゲルを含まないことを特徴とする請求項1に記載のフィルムアンテナ。
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