JP2009133907A - 拡散体、拡散フィルム、偏光フィルム、液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、観察角度による表示画像の色や階調の違いを小さくし、画像ボケを抑制し、かつ、後方散乱ノイズを抑制する拡散体、拡散フィルム、偏光フィルム、液晶表示装置を得ることを目的とする。
【解決手段】TN型液晶パネル10を備える液晶表示装置13に用いられ、前記TN型液晶パネル10の観察者側の面10bに配置される拡散体1であって、前記拡散体1は、形成用材料2に光散乱粒子3が分散されてなり、前記光散乱粒子3と前記形成用材料2との屈折率差Δnが0.05〜0.25、前記光散乱粒子3の粒子径が0.3〜2.0μm、前記拡散体1のヘイズ率が50%以下であり、前記拡散体1の観察者と反対側の面1aに垂直な方向から平行光線からなる入射光Iを入射させたときに、前記入射光Iの8%以上が前記拡散体1の観察者側の面1bに垂直な方向に対し35度〜55度の角度範囲に拡散される拡散体1により、上記課題を解決できる。
【選択図】図2
Description
しかしながら、車載用の液晶表示装置は、動画表示性能、発光輝度などの画像表示特性のほか、耐熱性、耐冷性などの耐環境性に対する要求が厳しく、仕様を満たすものがあまりない。
また、液晶表示装置に用いられる液晶パネルには、液晶の分子配向の違いにより、TN(Twisted Nematic)型、VA(Vertical Alignment)型、IPS(In Plane Switching)型、OCB(Optically Compensated Bend)型などがある。
これらのIPS型液晶パネルやVA型液晶パネルは、耐熱性、耐冷性などの耐環境性はあまり優れていないので、高温高湿環境下に置かれる可能性の高い車載用の液晶表示装置には適していない。
例えば、カーナビゲーション用途の液晶表示装置はダッシュボードの中央部あたりに取り付けられる。一方、画像を見る観察者は運転席や助手席にいるので、観察者は画像表示面に対して横方向30〜50度くらいから表示画像を見ることになる。また、リア用の液晶表示装置は助手席と運転席の間に設置される。画像を見る観察者は後部座席の右側や左側にいるので、観察者は画像表示面に対して横方向30〜50度くらいから表示画像を見ることになる。
以上の理由により、観察角度の違いにより、表示画像の色が変化したり、表示階調が悪化するということは、車載用の液晶表示装置にとって大きな問題となっていた。
また、特許文献2には、バックライトユニットシステムと、液晶セルと、偏光板と、視野角拡大層とを備えた液晶表示装置が開示されている。この視野角拡大層を設けることにより、コントラストが高く、色再現性を向上させることができる。
たとえば、TN型液晶パネルの正面に拡散フィルムを設置する場合、TN型液晶パネルが有するガラス基板の厚みや、TN型液晶パネルのガラス基板の上に貼り付けられた偏光フィルムの厚みなどがあるため、拡散フィルムを画像表示面であるTN型液晶層に密着させることはできない。そのため、TN型液晶層から離れた位置に拡散体が設置されることになり、TN型液晶パネルの正面側の観察者から観察される画像にはボケが生じた。
また、明るい部屋で観察した場合には、外部光が前記光拡散層や前記視野角拡大層で後方散乱して後方散乱光ノイズを生じ、画像が白っぽくなり、見にくくなる場合があった。
本発明の拡散体は、TN型液晶パネルを備える液晶表示装置に用いられ、前記TN型液晶パネルの観察者側の面に配置される拡散体であって、前記拡散体は、形成用材料に光散乱粒子が分散されてなり、前記光散乱粒子と前記形成用材料との屈折率差Δnが0.05〜0.25であり、前記光散乱粒子の粒子径が0.3〜2.0μmであり、前記拡散体のヘイズ率が50%以下であり、前記拡散体の観察者と反対側の面に垂直な方向から平行光線からなる入射光を入射させたときに、前記入射光の8%以上が前記拡散体の観察者側の面に垂直な方向に対し35度〜55度の角度範囲に拡散されることを特徴とする。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態である液晶表示装置の一例を示す断面模式図である。
図1に示すように、液晶表示装置13は、偏光フィルム(偏光板)61と、TN型液晶パネル10と、偏光フィルム62と、バックライトユニットユニット11とから構成されている。
拡散体1は、形成用材料2に光散乱粒子3が分散されてなる。観察者と反対側の面1aと観察者側の面1bとを備えている。
たとえば、ポリエステルアクリレートやウレタンアクリレートなどのアクリレート系官能基を持つ樹脂材料を用いることが好ましい。
このうち、ポリエステルアクリレートについては、ポリエステル系ポリオールのオリゴマーのアクリレート又はメタアクリレート、若しくはその混合物を挙げることができる。(以下、アクリレート及び/又はメタアクリレートを(メタ)アクリレートと記載する。)
一方、ウレタンアクリレートついては、ポリオール化合物をジイソシアネート化合物からなるオリゴマーをアクリレート化したものを挙げることができる。
多官能モノマーとしては、たとえば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
この重合開始剤としては、特に制限はないものの、活性エネルギーを照射した際にラジカルを発生する化合物を用いることが好ましい。このような重合開始剤としては、たとえば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパンー1−オン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシー1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドなどを挙げることができる。
また、重合開始剤の配合量については、形成用材料2を100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜7重量部であり、更に好ましくは1〜5重量部である。
溶媒については、特に制限されないものの、たとえば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類などを挙げることができる。
たとえば、酸化アルミニウム(n=1.76)、酸化ジルコニウム(n=2.4)、硫化亜鉛(n=2.37)、酸化亜鉛(n=2.01)、酸化チタン(n=2.61,2.903)、酸化マグネシウム(n=1.72)などの金属化合物粒子を挙げることができる。その中でも特に、酸化アルミニウムは、化学的な安定性が高いので好適に用いることができる。
また、形成用材料2との屈折率差を考慮して光散乱粒子3を選択する際に、低屈折率材料が求められるときは、シリコーン粒子(n=1.43)などの有機系粒子を好適に用いることができる。
なお、光散乱粒子3は、異なる材料の2種類以上の粒子から構成されていてもよい。
光散乱粒子3の粒子径が0.3μm未満の場合には、入射する光に対し後方散乱の度合いが大きくなってしまう。
逆に、光散乱粒子3の粒子径が2.0μmを超える場合には、入射する光を前方に広い角度で散乱することができなくなってしまう。
前記屈折率差Δnが0.05未満の場合には、光を効果的に散乱させることができないため好ましくない。逆に、前記屈折率差Δnが0.25を超える場合には、入射する光に対し後方散乱の度合いが大きくなってしまう。なお、前記屈折率差Δnは、可視光領域において、0.05〜0.25となればよい。また、光散乱粒子3の屈折率は、形成用材料2の屈折率よりも低くても高くてもよい。
たとえば、光散乱粒子3の粒子径を0.3μm未満として、かつ、形成用材料2と光散乱粒子3との屈折率差Δnを0.25超とした場合には、後方散乱光が大きくなる。
表面反射の光強度よりも、後方散乱光の光強度が大きい場合には、後方散乱光が表示画像を見にくくする影響が大きく、表示画像を全体的に白っぽくして、表示画像の画質を劣化させる。
逆に、表面反射の光強度よりも、後方散乱光の光強度が小さい場合には、後方散乱光が表示画像を見にくくする影響は少ないといえる。
さらに、拡散体1の膜厚も、特に規定されない。
拡散体1のヘイズ率は、50%以下である場合には、光透過率が十分であり、表示画像のエッジ部分を明確にして、画像ボケを抑制できる。
逆に、拡散体1のヘイズ率が50%を超える場合には、光透過率を低下させて、表示画像のエッジ部分を不明確にして、画像ボケを生じさせるので好ましくない。
なお、このヘイズ率は可視光領域の光に対する値であり、たとえば、ヘイズメーター(株式会社村上色彩研究所社製 商品名「HM−150」)で測定する。
まず、バックライトユニット11から光Iが出射される。
この光Iは、偏光フィルム62の偏光層7で偏光された後、TN型液晶パネル10の観察者と反対側の面10aに入射され、TN型液晶層9を通過して、TN型液晶パネル10の観察者側の面10bから出射される。
TN型液晶パネル10の観察者側の面10bから出射された光は、偏光フィルム61へ入射され、偏光層7で偏光された後、拡散体1の観察者と反対側の面1aへ入射される。
拡散体1により、正面方向fに射出される光の8%以上を、観察者側の面1bに垂直な方向に対し35度〜55度(45度前後)の角度範囲に出射させることにより、横方向から表示画面を見たときに、観察角度を変えて表示画像を見た時の色変化の割合を小さくすることができる。
逆に、正面方向fから35度〜55度(45度前後)の角度範囲に拡散される光が入射光のうちの8%未満の場合には、このように効果的に色変化抑制を行うことができない。
拡散体1とTN型液晶層9を近づけて配置することにより、画像ボケを抑制することができるためである。なお、画像ボケとは、画素のエッジ部分が不明確となる現象である。
ガラス基板8の観察者側の面10bには、拡散体1が配置されており、拡散体1の観察者側の面1bから少し離されて、観察者の目が描かれている。
一般的な車載用液晶表示装置に用いるTN型液晶パネル10では、ガラス基板81の厚みが1mm程度であり、画素91の幅は200〜300μm程度であるので、車の中の観察者の位置を考慮すると、画素91の幅は両側に合わせて約500μm程度広がり、観察者が見る画像は、かなりボケたものとなる。
このとき、観察者の目は、画素91をその幅wで観察する。このように、素抜け光(透過光)Tによる画像は、画素91の幅方向のエッジ部分91c、91dからの光が、拡散体1で内面拡散されずにそのまま目に入るので、画素91の大きさは変わらず、ボケた画像にはならない。
拡散体1のヘイズ率を50%以下とすることで、入射光の50%程度以上の光が素抜け光(透過光)Tとすることができ、その結果、画像ボケを防止することができるためである。なお、拡散体1のヘイズ率が50%以下の場合は、白地に黒文字を表示した場合、文字を明確に認識するために必要なコントラストを得ることができ、白地部分と黒文字部分で少なくとも2倍程度の明るさの違いを得ることができる。
また、画素91の幅方向のエッジ部分91c、91dを判別できることにより、細かい文字情報を認識できるだけの解像度を得ることができる。
本発明の実施形態である拡散体1の製造方法の一例について説明する。
まず、未硬化の形成用材料2に光散乱粒子3を溶媒中で混合し、拡散体溶液(塗液)を調製する。
次に、拡散体溶液(塗液)を、所定の膜厚でプラスチック基材フィルム上に塗布する。塗布の方法としては、スピンコーティング法、ロールコート法、スプレー法、バーコート法、ダイコート法、フローコート法、デッピング法あるいはスクリーン印刷法などを用いることができる。プラスチック基材フィルムとしては、光透過性の高い材料であればよく、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィン系などを用いることができる。
なお、硬化の方法としては、上記電子線照射工程の他に、紫外線照射工程、加熱工程などを用いることができ、形成用材料2の種類に応じて硬化方法を設定する。
以上により、プラスチック基材フィルム上に拡散体を形成することができる。
TN型液晶表示装置は、TN型液晶層を2枚のガラス基板で挟み込んだTN型液晶パネルと、バックライトユニットとからなる。バックライトユニットから出射された光はTN型液晶パネルに入射され、TN型液晶層を通過して、出射される。
演色性評価用8色は、それぞれ、CIE1976u’v’表色系における座標値(u’,v’)で示されている。
Δu’v’={(u1’−u0’)2+(v1’ −v0’)2}0.5…(1)
ここで、(u0’,v0’)は正面方向で観察された色の座標値であり、(u1’,v1’)は観察角度を変えて観察された色のCIE1976u’v’表色系における座標値である。
観察角度が60〜80°の範囲で最も大きな色変化が生じ、色変化量Δu’v’の最大値が0.1を超えた。
(試験例1)
試験例1サンプルの拡散体を、相分離の方法により作製した。
まず、酢酸ビニルとアクリルモノマーを1:1で混合した拡散体溶液をTACフィルムに塗布して乾燥後、硬化させてTACフィルム上に拡散体を10μmの膜厚で形成した。このようにして得られた拡散体は、球状構造のアクリルモノマーが酢酸ビニルに分散され固化された構造を備えるものであった。得られた拡散体について走査電子顕微鏡(SEM)で断面観察をおこなったところ、球状構造のアクリルモノマーの粒子径は1〜2μmであった。また、試験例1サンプルの拡散フィルムのヘイズ率は54.2%となった。
まず、屈折率が1.53のアクリル系UV硬化樹脂中に、屈折率が1.65、粒子径が2μmのメラミンからなる光散乱粒子を分散させて、拡散体溶液を調整した。なお、粒子比率は25%とした。
次に、この拡散体溶液を、TACフィルム上に塗布した後、UV光で露光処理をして硬化させて、膜厚6μmの拡散体を備えた拡散フィルム(試験例2サンプル)を作製した。試験例2サンプルの拡散フィルムのヘイズ率は77.5%となった。
表1に示すような条件で拡散体を作製したほかは試験例1と同様にして、拡散フィルム(試験例3〜7サンプル)を作製した。
まず、屈折率が1.53のアクリル系UV硬化樹脂中に、屈折率が1.65、粒子径が0.5μmのメラミンからなる光散乱粒子を分散させて、拡散体溶液を調整した。なお、粒子比率は20%とした。
次に、この拡散体溶液を、TACフィルム上に塗布した後、UV光で露光処理をして硬化させて、膜厚6μmの拡散体を備えた拡散フィルム(実施例1サンプル)を作製した。実施例1サンプルの拡散フィルムのヘイズ率は42.2%となった。
上記の拡散フィルムに、垂直に平行光を入射させて、観察角度を変えて、拡散光の光強度を測定した。拡散光強度は、観察角度が10度以下の場合、高い値を示し、観察角度を大きくするに従い小さくなった。
なお、このグラフを元に、入射光に対する35度〜55度の観察角度範囲の拡散光の割合を計算した。入射光に対する35度〜55度の観察角度範囲の拡散光の割合は11.9%であった。
観察角度が0度(正面方向)の場合には、演色性評価用8色は色度座標の中で分散され、液晶セルが表示した色で表示されている。また、観察角度を20度、40度と上げても、彩度はそれほど低下しなかった。観察角度が80度の場合でも、観察角度が0度(正面方向)で見る色とあまり変わらず、ほとんど全ての色を液晶セルが表示した色で表示された。
色変化量Δu’v’の最大値は0.034であり、観察角度を変えても大きな色変化は生じなかった。
たとえば、TN型液晶パネル10の色変化量Δu’v’の最大値が0.1の場合に、拡散体1を配置したときの色変化量Δu’v’の最大値が0.05以下(50%以下)に抑えられていれば、拡散体1を設置することにより、観察角度の違いによる色変化を抑制する効果があると評価した。
まず、屈折率が1.53のアクリル系UV硬化樹脂中に、屈折率が1.76、粒子径が約0.4μmのアルミナフィラーを分散させた拡散体溶液を調整した。なお、粒子比率は8%とした。
次に、この拡散体溶液を、TACフィルム上に塗布した後、UV光で露光処理をして硬化させて、膜厚11μmの拡散体を備えた拡散フィルム(実施例2サンプル)を作製した。実施例2サンプルの拡散フィルムのヘイズ率は46.9%となった。
観察角度が0度(正面方向)の場合には、演色性評価用8色は色度座標の中で分散され、液晶セルが表示した色で表示されている。また、観察角度を20度、40度と上げても、彩度はそれほど低下しなかった。観察角度が80度の場合でも、観察角度が0度(正面方向)で見る色とあまり変わらず、ほとんど全ての色を液晶セルが表示した色で表示された。
色変化量Δu’v’の最大値は0.042であり、観察角度を変えても大きな色変化は生じなかった。
まず、屈折率が1.53のアクリル系UV硬化樹脂中に、屈折率が1.65、粒子径が約0.5μmのメラミンからなる光散乱粒子を分散させた拡散体溶液を調整した。なお、粒子比率は25%とした。
次に、この拡散体溶液を、TACフィルム上に塗布した後、UV光で露光処理をして硬化させて、膜厚11μmの拡散体を備えた拡散フィルム(実施例3サンプル)を作製した。実施例3サンプルの拡散フィルムのヘイズ率は49.1%となった。
逆に、観察角度が35度〜55度の角度範囲の光の割合が約8%以上である場合、色変化量Δu’v’の最大値が0.05以下となり、色変化量を小さくすることができ、観察角度の違いによる色の変化の割合を抑えることができることが分かった。
入射光は、正面方向からの平行光線からなる入射光を用いた。図10に示すように、観察角度の違いにより、4つの拡散体の拡散光強度は大きく異なった。しかし、観察角度が45度付近、すなわち観察角度が35度〜55度の角度範囲では、4つの拡散体は、ほぼ同等な拡散光強度を示した。
実施例1を除くサンプルは、観察角度が20度以下の範囲で、拡散光の割合が高く、観察角度を大きくするにしたがって、拡散光の割合が低下する傾向が得られた。
しかし、観察角度が45度付近、すなわち観察角度が35度〜55度の角度範囲の拡散光の割合は、どのサンプルも約10%程度と同程度であった。
以上の結果から、観察角度が45度付近の方向への拡散光の割合が色変化の抑制に対して、強く影響していることが分かった。
次に、画像ボケおよび後方散乱ノイズの評価を行った。
画像ボケの抑制効果の評価については、たとえば、白地に黒文字を表示あるいは黒地に白文字を表示して、正面および斜め方向から十分に文字の判別を行うことができるかどうか調べた。実施例1〜3サンプル、試験例4サンプルは、十分に文字の判別を行うことができ、表3に示されるように、ヘイズ率が50%以下のものが画像ボケの抑制効果があることが分かった。
後方散乱ノイズの抑制効果の評価を、拡散体を備えたTN型液晶表示装置に実際に画像を表示して、明るい部屋で観察して行った。すべてのサンプルは後方散乱光ノイズがほとんど気にかからないレベルのものであった。
Claims (5)
- TN型液晶パネルを備える液晶表示装置に用いられ、
前記TN型液晶パネルの観察者側の面に配置される拡散体であって、
前記拡散体は、形成用材料に光散乱粒子が分散されてなり、
前記光散乱粒子と前記形成用材料との屈折率差Δnが0.05〜0.25であり、
前記光散乱粒子の粒子径が0.3〜2.0μmであり、
前記拡散体のヘイズ率が50%以下であり、
前記拡散体の観察者と反対側の面に垂直な方向から平行光線からなる入射光を入射させたときに、前記入射光の8%以上が前記拡散体の観察者側の面に垂直な方向に対し35度〜55度の角度範囲に拡散されることを特徴とする拡散体。 - 請求項1に記載の拡散体と、プラスチック基材フィルムと、を有することを特徴とする拡散フィルム。
- 請求項1に記載の拡散体と、偏光層と、プラスチック基材フィルムと、を有することを特徴とする偏光フィルム。
- 請求項1に記載の拡散体と、TN型液晶パネルと、を有することを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項1に記載の拡散体の観察者と反対側の面が、前記TN型液晶パネルのTN型液晶層の観察者側の面から1.5mm以内となる位置に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置。
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