JP2009133895A - 空調機能付カメラスタビライザ - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、２軸以上のジンバル体で駆動されるカメラケース内をペルチェ素子からなる空調機器で所定の温度に保ち、カメラの正常動作を確保することを目的とする。
【解決手段】本発明による空調機能付カメラスタビライザは、少なくとも２軸のジンバル体(10,13)により空間安定するカメラ(2)をカメラケース(3)で覆い、このカメラケース(3)内をペルチェ素子からなる空調機器(5)で冷暖房し、カメラ(2)の安定動作を得るようにした構成である。
【選択図】図２

Description

本発明は、空調機能付カメラスタビライザに関し、特に、少なくとも２軸以上のジンバル体で駆動されるカメラのカメラケース内を、ペルチェ素子からなる空調機器で所定の温度雰囲気に保つことにより、カメラの正常動作を確保するための新規な改良に関する。

従来、用いられていたこの種の少なくとも２軸以上のカメラスタビライザとしては、例えば、特許文献１及び２に示されている有限角リニアモータを用いた空間安定装置を挙げることができる。
すなわち、前述の何れの特許文献に開示された空間安定装置においても、カメラを装着する目的物検出部を５軸駆動のジンバル機構部によって空間安定させ、目的物の安定検出を行うことができるように構成されていた。

特開２００２−７８３１１号公報 特開２００２−２２４６２号公報

従来の空間安定装置は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、カメラ自体は５軸の空間安定で駆動されるが、カメラケース内のカメラ自体の温度制御は何らなされていないため、船又は飛行機等に設置された状況によっては、カメラの動作を保証する温度範囲外に温度が達する場合があり、この場合には、カメラ動作が不安定となり、ジンバル系は正常に作動して空間安定動作を確保したとしても、目的物の画像を鮮明に捕捉することができなくなることもあった。
また、高性能のカメラを用いようとすると、カメラ自体の耐温度特性が低いため、このような高性能カメラを用いることが困難であった。

本発明による空調機能付カメラスタビライザは、基台に設けられ第１軸用モータにより往復回動自在に設けられた第１ジンバル体と、前記第１ジンバル体に設けられ第２軸用モータにより往復回動自在に設けられた第２ジンバル体と、前記第２ジンバル体を介して作動するカメラと、前記カメラを覆うためのカメラケースと、前記カメラケースに設けられペルチェ素子からなる空調機器と、を備え、前記各ジンバル体により少なくとも２軸ジンバル機構を構成し、前記空調機器により前記カメラケース内の温度制御を行う構成であり、また、前記カメラケースは、全体形状が箱形をなし、前記空調機器は複数個設けられている構成であり、また、前記第２ジンバル体の内側には、第３、第４ジンバル体が設けられ。前記カメラは、５軸で作動するようにした構成である。

本発明による空調機能付カメラスタビライザは、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、例えば、少なくとも２軸以上のジンバル機構によって空間安定自在に構成されたカメラを覆うカメラケースにペルチェ素子からなる空調機器が設けられているため、カメラケース内を常に所定の温度又は温度範囲に保つことができ、外気温の変動に拘わらず、カメラの正常動作を得ることによって、カメラの信頼性を大幅に向上させることができる。
また、カメラケース内の温度制御が行われているため、例えば、温度変化に弱い高性能カメラの使用が可能となる。
また、カメラ内部の構成品も耐環境性に優れた品質のものを使用する必要がなくなり、一般材料及び商品を使用することができ、原価のコストダウンを達成することができる。

本発明は、少なくとも２軸以上のジンバル体で駆動されるカメラのカメラケース内を、ペルチェ素子からなる空調機器で所定の温度雰囲気に保つことにより、カメラの正常動作を確保するようにした空調機能付カメラスタビライザを提供することを目的とする。

以下、図面と共に本発明による空調機能付カメラスタビライザの好適な実施の形態について説明する。
図１は本発明による２軸型の空調機能付カメラスタビライザを示す概略図であり、基台１上には、後述のジンバル機構によって２軸方向に空間安定を行うことができるカメラ２が設けられている。

前記カメラ２はカメラケース３によって覆われていると共に、このカメラケース３は図３のように、カバー４によって一部又は全部が覆われている。
前記カメラケース３の外面には、ペルチェ素子からなる複数の空調機器５が設けられており、カメラケース３内のカメラ２が各空調機器５の空調動作によって、カメラ２が正常動作を行うことができるような予め設定された温度又は温度範囲となるように構成されている。

次に、図２は、図１のカバー４を除去した具体的構成を示しており、前記基台１上に設けられた第１ジンバル体１０の内側に前記カメラケース３が設けられ、前記カメラ２の前面部分は前記カメラケース３から突出して設けられている。

次に、図３は、前述の図２の構成にカバー４を装着した場合の断面図を示している。
図３において、前記基台１に設けられた第１軸用モータ１１には前記第１ジンバル体１０が水平方向である第１軸方向に有限角で往復回動自在に設けられ、この第１ジンバル体１０の内側には、前記第１ジンバル体１０に設けられた第２軸用モータ１２を介して前記カメラ２を有する第２ジンバル体１３が第２軸方向に有限角で往復回動自在に設けられている。

前記各軸方向は互いに直交しているため、前記各ジンバル体１０，１３によって２軸のジンバル機構を形成し、前記カメラ２は２軸のジンバル機構を用いた２軸空間安定装置からなるカメラスタビライザを構成している。

尚、図４は、図３のＡ−Ａ断面を示すもので、前記カメラケース３に複数の空調機器５が設けられ、このカメラケース３内に設けられ前記第２ジンバル体１３に設けられた前記カメラ２が位置する雰囲気温度が、予め設定された温度又は温度範囲になるように、前記各空調機器５の動作制御が図示しない制御装置によって行われるように構成されている。

次に、図５は、本発明による空調機能付カメラスタビライザの他の形態を示す構成であり、何れも周知の５軸型の空調機能付カメラスタビライザの形態を示している。
図５において、基台１上に設けられた第１ジンバル１０には、前記カメラ２を内蔵したカメラケース３が設けられ、このカメラケース３の外面には前記空調機器５が設けられている。尚、５軸型のジンバル構成は周知のため、ここでは、図示及び説明を省略する。

従って、前記前記カバー４及びカメラケース３により、風、雨、雪や砂塵等からカメラを保護すると共に、図示しない空間安定用制御装置（慣性装置)を介して、２軸及び５軸等のジンバル機構による安定したカメラの空間安定を行い、船、飛行機、車等の移動体上、又は、屋外設置用の駆動装置にも有功に適用して、外気温の変動に拘わらず、設定温度に合わせてカメラケース内の冷房及び暖房を行い、過熱及び過冷を防止し、カメラ２の性能を常時確保することができる。
また、温度変化に弱い高性能カメラの使用が可能となり、カメラ内部の構成品も耐環境性に優れた品質のものを使用する必要がなくなり、一般材料及び商品を使用でき、原価のコストダウンとなる。

本発明による２軸の空調機能付カメラスタビライザを示す概略構成図である。 図１のカバーを外した状態の外観を示す斜視図である。 図２の内部を示す詳細断面図である。 図３のＡ−Ａ断面図である。 本発明による５軸の空調機能付カメラスタビライザを示す概略構成図である。

符号の説明

１ 基台
２ カメラ
３ カメラケース
４ カバー
５ 空調機器
１０ 第１ジンバル体
１１ 第１軸用モータ
１２ 第２軸用モータ
１３ 第２ジンバル体
１４ 第３軸モータ
１５ 第３ジンバル体
１６ 第４軸モータ
１７ 第４ジンバル体

Claims (3)

1. 基台(1)に設けられ第１軸用モータ(11)により往復回動自在に設けられた第１ジンバル体(10)と、前記第１ジンバル体(10)に設けられ第２軸用モータ(12)により往復回動自在に設けられた第２ジンバル体(13)と、前記第２ジンバル体(13)を介して作動するカメラ(2)と、前記カメラ(2)を覆うためのカメラケース(3)と、前記カメラケース(3)に設けられペルチェ素子からなる空調機器(5)と、を備え、前記各ジンバル体(10,13)により少なくとも２軸ジンバル機構を構成し、前記空調機器(5)により前記カメラケース(3)内の温度制御を行うことを特徴とする空調機能付カメラスタビライザ。
2. 前記カメラケース(3)は、全体形状が箱形をなし、前記空調機器(5)は複数個設けられていることを特徴とする請求項１記載の空調機能付カメラスタビライザ。
3. 前記第２ジンバル体(13)の内側には、第３、第４ジンバル体が設けられ。前記カメラ(2)は、５軸で作動するように構成されていることを特徴とする請求項１又は２記載の空調機能付カメラスタビライザ。

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