JP2009133051A - 短繊維不織布 - Google Patents

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良幸 木束
Tsuneo Iizuka
恒夫 飯塚
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隆雄 大河内
Shunsuke Okubo
俊介 大久保
Hiroshi Idokawa
寛 井戸川
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Abstract

【課題】繊維構造物等に介在させて熱接着処理する際には低い温度で加工することができ、さらには、熱接着処理時の熱収縮率が小さく、寸法安定性よく繊維構造物等を接着させることができ、接着性にも優れる短繊維不織布を提供する。
【解決手段】テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,6−ヘキサンジオール50モル%以上のジオール成分とからなり、結晶核剤を0.01〜5.0質量%含有し、融点が100〜150℃、かつDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線が特定式を満足するポリエステルAと、融点又は流動開始温度が130℃以上のポリエステルBとで構成された複合繊維のみを含有するウエブからなり、ポリエステル複合短繊維のポリエステルAの少なくとも一部が溶融して接着部を成していることを特徴とする短繊維不織布。
【選択図】図1

Description

本発明は、低融点でありながら結晶性に優れたポリエステルが繊維表面の少なくとも一部を占めるように配された複合短繊維で形成された短繊維不織布であって、繊維構造物間に介在させて熱接着させる用途に好適なものであり、低温での熱接着処理が可能であり、熱接着処理時の収縮が小さく、熱接着性にも優れる短繊維不織布に関するものである。
合成繊維、特にポリエステル繊維は、その優れた寸法安定性、耐候性、機械的特性、耐久性、さらにはリサイクル性等から、衣料、産業資材として不可欠のものとなっており、様々な分野において、ポリエステル繊維が多く使用されている。
近年、自動車用内装材において、繊維を接着してなる不織構造物が提案されており、さらにこれを補強する目的で不織構造物同士を接着させて用いることがある。このように不織構造物同士を接着させる際には、不織構造物と不織構造物の間に熱接着性を有する繊維からなる不織布を介在させて、熱処理を施すことにより両不織構造物を接着させる。このような不織布としては、不織構造物が主としてポリエステル系繊維からなるものが多いため、リサイクルの観点よりポリエステル系重合体からなるものが好適である。
そして、このような不織布としては、ポリエチレンテレフタレートを芯部とし、イソフタル酸成分を共重合したポリエチレンテレフタレート系共重合体を鞘部とした芯鞘型複合繊維からなる不織布が用いられている。この不織布は、高融点を有する芯部と低融点を有する鞘部とからなり、熱接着処理の際には、芯部を溶融させずに繊維形態を保持させ、鞘部のみを溶融させることにより接着成分とするものである。
しかしながら、鞘部のイソフタル酸成分を共重合したポリエチレンテレフタレート系共重合体は、非晶性であり明確な結晶融点を示さないため、ガラス転移点以上の温度で軟化が始まる。このため、熱接着処理の際に繊維が収縮し、得られた不織構造物の寸法安定性が悪くなるという問題があった。また、接着後の不織構造物を高温雰囲気下で使用した場合、接着強力が低下して変形するという問題も生じるものであった。
上記問題を解決するものとして、特許文献1には芯鞘型の複合繊維が記載されている。この繊維は、芯部にポリエチレンテレフタレートを配し、鞘部にテレフタル酸成分、脂肪族ラクトン成分、エチレングリコール成分及び1,4−ブタンジオール成分を共重合したポリエステル系共重合体を配した芯鞘型複合繊維である。
この複合繊維は、鞘部の共重合体は結晶性であり明確な融点を示すため、この複合繊維を用いた不織布は、熱接着処理の際の収縮が小さいものとなる。このため、接着した不織構造物等の寸法安定性は優れており、また、接着後の不織構造物を高温雰囲気下で使用した際の耐熱性も優れたものとなる。
しかしながら、鞘部の共重合ポリエステルは融点が150〜200℃の範囲のものであり、まだ低融点領域であるとはいえず、熱接着処理の際には加工温度を高くする必要があり、コスト的にも不利であった。
特開2001−3256号公報
本発明は上記の問題点を解決するものであって、繊維構造物等に介在させて熱接着処理する際には低い温度で加工することができ、さらには、熱接着処理時の熱収縮率が小さく、寸法安定性よく繊維構造物等を接着させることができ、接着性にも優れる短繊維不織布を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,6−ヘキサンジオール50モル%以上のジオール成分とからなり、結晶核剤を0.01〜5.0質量%含有し、融点が100〜150℃、かつDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線が下記式(1)を満足するポリエステルAと、融点又は流動開始温度が130℃以上であり、かつポリエステルAの融点より高いポリエステルBとで構成された複合繊維であって、単糸の横断面形状においてポリエステルAが繊維表面の少なくとも一部を占めるように配されたポリエステル複合短繊維のみを含有するウエブからなり、ポリエステル複合短繊維のポリエステルAの少なくとも一部が溶融して接着部を成していることを特徴とする短繊維不織布を要旨とするものである。
b/a≧0.05 (mW/mg・℃) ・・・ (1)
なお、aは、降温結晶化を示すDSC曲線における傾きが最大である接線とベースラインとの交点の温度A1(℃)と、傾きが最小である接線とベースラインとの交点の温度A2(℃)との差(A1−A2)であり、bは、ピークトップ温度におけるベースラインの熱量B1(mW)とピークトップの熱量B2(mW)との差(B1−B2)を試料量(mg)で割った値である。
本発明の短繊維不織布は、低融点でありながら結晶性に優れたポリエステルAと融点又は流動開始温度が130℃以上であり、かつポリエステルAの融点より高いポリエステルBとからなる複合短繊維で構成されているため、低温での熱接着処理においてポリエステルAが溶融して接着成分となり、熱接着性に優れるものであり、繊維構造物等に介在させて熱接着処理する用途に好適なものである。そして、熱接着処理を低温で行うことが可能であり、コスト的にも優位である。
さらに、本発明の短繊維不織布は、単糸の横断面形状においてポリエステルAが繊維表面の少なくとも一部を占めるように配された複合短繊維を用いるため、(Tm−30)℃雰囲気下での面積収縮率が10%以下であり、これにより、構造物等に介在させて構造物同士を熱接着させる際に、熱接着処理する際の収縮が小さく、寸法安定性よく構造物等(製品)を得ることが可能となる。
そして、短繊維不織布を構成する複合短繊維のポリエステルBが溶融せずに繊維形態を保っている場合は機械的特性にも優れるものとなる。また、本発明の短繊維不織布にポリエステルBの融点よりも高温で熱接着処理を施すと、ポリエステルBも溶融して接着成分とすることができ、接着強力の高いものとなる。
また、本発明の短繊維不織布を構成する複合短繊維は、結晶性に優れたポリエステルAが繊維表面に配されたものであるため、捲縮を付与しやすく、特定の形状の捲縮を付与したものとすることができる。そしてこのような捲縮を有する短繊維を用いることによって、不織布の製造工程における、空気流、カード機等による短繊維の送り込み、分散、解繊、積層工程等のウエブ形成工程において繊維塊が生成せず、均一性に優れ、品質が高く、かつ嵩高性にも優れる短繊維不織布とすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の短繊維不織布は、以下に詳述するポリエステルAと融点又は流動開始温度が130℃以上であり、かつポリエステルAの融点より高いポリエステルBとで構成され、ポリエステルAが繊維表面の少なくとも一部を占めている複合短繊維のみを含有するウエブからなり、複合短繊維のポリエステルAの少なくとも一部が溶融して接着部を成しているものである。
つまり、本発明の短繊維不織布は、ポリエステルAとポリエステルBとからなる複合短繊維のみを使用(含有率100%)したものであり、ポリエステル複合短繊維のみを含有するウエブを作成し、不織布としての形態を保持するために、ポリエステル複合短繊維のポリエステルAの少なくとも一部を溶融させて、複合短繊維同士を接着させているものである。
本発明の短繊維不織布において、接着部はポリエステルAの一部のみ溶融して形成されたもの、ポリエステルAの全部が溶融して形成されたもの、ポリエステルAに加えてポリエステルBの一部も溶融して形成されたものでもよいが、中でも、ポリエステルAの一部のみが溶融して接着部を成していることが好ましい。そして、このような不織布の形態としては、ポリエステル複合短繊維が部分熱圧着されたものであることが好ましい。
また、本発明の短繊維不織布は、乾式短繊維不織布、湿式短繊維不織布のいずれでもよい。
次に、本発明の短繊維不織布を構成する複合短繊維について説明する。
ポリエステル複合短繊維は、ポリエステルAとポリエステルBとで構成されるものであり、ポリエステルAが繊維表面の少なくとも一部を占めている複合繊維である。つまり、複合短繊維は、マルチフィラメントでもモノフィラメントでもよいが、単糸の横断面形状(繊維軸方向に沿って垂直に切断した断面の形状)においてポリエステルAが繊維表面の少なくとも一部を占めているものである。
このような形状としては、サイドバイサイド型や偏心芯鞘型、多層型のもの等が挙げられるが、中でも単糸の横断面形状においてポリエステルAが鞘部、ポリエステルBが芯部に配された芯鞘形状であることが好ましい。
次に、ポリエステルAについて詳述する。ポリエステルAは、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,6−ヘキサンジオール50モル%以上のジオール成分とからなり、融点が100〜150℃であるポリエステルである。
ポリエステルAの融点(Tm)は、100〜150℃であり、中でも105〜140℃であることが好ましく、さらには110〜130℃であることが好ましい。Tmが100℃未満であると、得られる短繊維不織布は、高温雰囲気下で使用した場合の熱安定性(耐熱性)に劣るものとなる。一方、150℃を超えると、不織布を得る際に少なくとも一部を溶融させるための熱接着加工温度を高くする必要があり、加工性、経済性に劣る。また、得られる不織布の品質や風合い等も損ねるため好ましくない。
ポリエステルAは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を主成分とするものであり、テレフタル酸(以下、TPAとする)は60モル%以上、中でも80モル%以上であることが好ましい。TPAが60モル%未満であると、ポリマーの融点が上記の範囲外のものとなったり、結晶性が低下しやすくなるため好ましくない。
なお、TPA以外の共重合成分としては、その効果を損なわない範囲であれば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸などに例示される飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などに例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、フタル酸、イソフタル酸、5−(アルカリ金属)スルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4、4’−ビフェニルジカルボン酸、などに例示される芳香族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
ジオール成分としては、1,6−ヘキサンジオール(以下、HDとする)が50モル%以上であり、他の成分としてはエチレングリコール(以下、EGとする)や1,4−ブタンジオール(以下、BDとする)を用いることが好ましい。ジオール成分において、HDは50モル%以上であり、中でも60〜95モル%であることが好ましい。HDが50モル%未満の場合、融点が150℃を超えるものとなる。
ジオール成分として、HDとともにEGやBDを用いる際には、EGやBDをジオール成分において、5〜50モル%とすることが好ましく、中でも5〜40モル%とすることが好ましい。
さらに、ジオール成分には、HD、EGやBD以外の他の共重合成分として、その特性を損なわない範囲で、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどに例示される脂肪族グリコール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビスフェノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノールA、2,5−ナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキシドが付加したグリコールなどに例示される芳香族グリコールを用いることができる。
そして、ポリエステルAは、結晶核剤を0.01〜5.0質量%含有するものであり、中でも0.5〜3.0質量%含有することが好ましい。
ポリエステルAは、上記のような共重合組成であることにより、結晶性を有しているものであり、結晶核剤を含有することによって降温時の結晶化速度を向上させることができ、後述する(1)式を満足することができるものとなる。そして、ポリエステルAを用いた複合繊維を繊維化する際、溶融紡糸工程において単糸間の溶着を生じることなく、延伸、熱処理工程において高温で熱処理することが可能となるため、乾熱収縮率の低い繊維とすることができる。
結晶核剤の含有量が0.01質量%未満であると、降温時の結晶化速度を向上させることができず、ポリエステルAは後述する(1)式を満足することができない。一方、5.0質量%を超えると、結晶核剤の含有量が多くなりすぎ、不織布化する際の各種の工程において操業性を悪化させることとなる。また、繊維化する際の紡糸、延伸時の操業性が悪化し、得られる短繊維や不織布の品位も低下するものとなる。
結晶核剤としては、無機系微粒子やポリオレフィン、硫酸塩等を使用することが好ましい。中でも無機系微粒子が好ましく、無機系微粒子としては、タルクなどの珪素酸化物を主成分としたものが好ましく、平均粒径3.0μm以下もしくは比表面積15m/g以上の無機系微粒子を用いることが好ましい。上記平均粒径もしくは比表面積を満足していない場合、結晶核としての機能に乏しく、本発明におけるポリエステルAは後述する(1)式を満足することが困難となりやすい。
ポリエステルA中には、本発明の効果を損なわない範囲で、リン酸エステル化合物やヒンダードフェノール化合物のような安定剤、コバルト化合物、蛍光増白剤、染料のような色調改良剤、二酸化チタンのような艶消し剤、可塑剤、顔料、制電剤、難燃剤、易染化剤などの各種添加剤を1種類または2種類以上添加してもよい。
そして、ポリエステルAは、DSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線が下記(1)式を満足するものであり、中でもb/a≧0.06であることが好ましい。一方、b/aが大きいほど降温時の結晶性に優れるものとなるが、本発明で目的とする効果を奏するには、b/aを0.5以下とすることが好ましい。
b/a≧0.05 (mW/mg・℃) (1)
本発明におけるポリエステルAの融点とDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線は、パーキンエルマー社製示差走査型熱量計(Diamond DSC)を用いて、窒素気流中、温度範囲−20℃〜250℃、昇温(降温)速度20℃/分で測定する。このとき試料は短繊維不織布の一部を切り出し、試料量(2mg)で測定する。
上記b/aは、DSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線より求められる。このとき、繊維を形成するポリエステルAとポリエステルBのピークが現れるが、低温側に現れるピークのDSC曲線がポリエステルAのものである。
そして、図1に示すように、ポリエステルAのDSC曲線において、aは、降温結晶化を示すDSC曲線における傾きが最大である接線とベースラインとの交点の温度A1(℃)と、傾きが最小である接線とベースラインとの交点の温度A2(℃)との差(A1−A2)であり、bは、ピークトップ温度におけるベースラインの熱量B1(mW)とピークトップの熱量B2(mW)との差(B1−B2)を試料量(mg)で割った値である。
b/aは、降温時の結晶性を表す指標であり、b/aの値が高いと結晶化速度が速く、逆に0に近いほど、結晶化速度が遅いことを示している。b/aが0.05(mW/mg・℃)未満の場合、結晶化速度が遅いため、溶融紡糸する際には単糸間の溶着が発生し、紡糸操業性が悪くなる。また、延伸・熱処理工程における熱処理温度を高くすると、繊維の融解・膠着が生じ、高温での熱処理を行うことができないため熱収縮率の低い繊維を得ることができない。また、熱接着処理により接着成分とした後、高温雰囲気下で使用すると接着強力の低下が大きいものとなる。
上記したように、b/aは、ポリエステルAの共重合組成を特定のものとし、結晶核剤の含有量を上記範囲の量とすることにより、本発明で規定する範囲のものにすることができる。
次にポリエステルBについて説明する。ポリエステルBは、融点又は流動開始温度が130℃以上であり、かつポリエステルAの融点より高いものである。融点又は流動開始温度は、中でも260℃以下であることが好ましく、さらには、140〜200℃であることが好ましい。
ポリエステルBはポリエステルAと同様に結晶性のものであってもよいし、また、非晶性のものであってもよい。結晶性のものの場合は融点を、非晶性のものの場合は流動開始温度を上記の温度範囲のものとする。
本発明の短繊維不織布は、繊維構造物等に介在させて熱接着処理する用途に好適なものである。例えば、ポリエステルAの融点より高く、ポリエステルBの融点より低い温度で熱接着処理を行うと、ポリエステルAが溶融して接着成分となり、ポリエステルBは溶融せずに主体繊維となるものである。また、ポリエステルBの融点より高い温度で熱接着処理を行うと、ポリエステルA、Bともに溶融して接着成分となり、ホットメルトシートのような用途に用いることもできるものである。
ポリエステルBの融点又は流動開始温度が130℃未満であると、延伸、熱処理工程において十分な熱処理を施すことができず、繊維の収縮率を低くすることが困難となる。一方、260℃を超えると、紡糸時の溶融温度を高く設定する必要があり、そのため、冷却過程での結晶化が遅れ、冷却が不十分となることから、単糸間での溶着が発生し、糸切れが生じたり、品位の劣る繊維となる。また、ポリエステルBを溶融させる用途に使用する際には熱接着処理を高温で行うことが必要となり、コスト的に不利となる。
また、ポリエステルBの融点又は流動開始温度がポリエステルAの融点より低いと、延伸、熱処理工程において十分な熱処理を施すことができず、繊維の収縮率を低くすることが困難となる。そこで、ポリエステルBの融点又は流動開始温度は、ポリエステルAの融点より高いものであり、中でも20℃以上高いことが好ましく、さらには、30〜120℃高いことが好ましい。
ポリエステルBは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレートを主体とするものが好ましい。そして、上記のような融点又は流動開始温度のものとするため、次に示すような成分を共重合させたものとすることが好ましい。
共重合成分としては、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、およびエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族ジオールや、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸などのヒドロキシカルボン酸、ε−カプロラクトンなどの脂肪族ラクトン等が挙げられる。
中でもポリエステルBとしては、融点や結晶性の面から、TPA成分、EG成分を含有し、BD成分、脂肪族ラクトン成分及びアジピン酸成分の少なくとも一成分を含有する共重合ポリエステルであることが好ましい。これらのポリエステルは結晶性に優れるため、結晶性の高いポリエステルAとともに用いることで紡糸操業性がより良好になるとともに、延伸、熱処理時に高温での処理が可能となり、乾熱収縮率の低い繊維が得られやすくなる。
まず、脂肪族ラクトン成分を共重合する場合、その共重合量は全酸成分に対して20モル%以下とすることが好ましく、10〜20モル%とするのがより好ましい。脂肪族ラクトン成分の割合が少ないと結晶性はよくなるが、融点が高くなり、200℃以下とすることが困難になることがある。一方、20モル%より多いと結晶性が低下し、ガラス転移温度が低くなりやすく、紡糸時に単糸間の溶着が発生して製糸性が悪くなりやすい。
脂肪族ラクトン成分としては、炭素数4〜11のラクトンが好ましく、特に好ましいラクトンとしては、ε−カプロラクトンが挙げられる。
次に、BD成分を共重合する場合、共重合量は全グリコール成分に対して40〜80モル%とすることが好ましい。共重合量が40モル%未満であったり、80モル%を超えると、融点が高くなり、200℃を超えるものとなりやすい。
アジピン酸成分を共重合する場合、共重合量は全酸成分に対して、20モル%以下とすることが好ましく、10〜20モル%とするのがより好ましい。アジピン酸成分の共重合量が10モル%未満であると、結晶性はよくなるが、融点が高くなり、200℃を超えるものとなりやすい。一方、20モル%を超えると、結晶性が低下し、ガラス転移温度が低くなりやすく、紡糸時に単糸間の溶着が発生して製糸性が悪くなりやすい。
ポリエステルB中にも、本発明の効果を損なわない範囲で、リン酸エステル化合物やヒンダードフェノール化合物のような安定剤、コバルト化合物、蛍光増白剤、染料のような色調改良剤、二酸化チタンのような艶消し剤、可塑剤、顔料、制電剤、難燃剤、易染化剤などの各種添加剤を1種類または2種類以上添加してもよい。
本発明のポリエステル複合短繊維のポリエステルAとポリエステルBの複合比率(質量比率)は、20/80〜80/20とすることが好ましく、中でも30/70〜70/30とすることが好ましい。
ポリエステルAとポリエステルBの複合比率がこの範囲外になると、均斉度の良好な繊維を得ることが難しく、紡糸操業性が悪くなり好ましくない。
そして、ポリエステル複合短繊維は、上記したように結晶性に優れるポリエステルAが繊維表面の少なくとも一部を占めるように配されているので、溶融紡糸する際に単糸間の溶着が発生せず、延伸、熱処理を高温で施すことができ、熱収縮率の低い繊維とすることができる。そして、これにより、不織布の熱収縮率も低いものとすることができる。
つまり本発明の短繊維不織布は、ポリエステル複合短繊維のポリエステルAの融点(Tm)より30℃低い温度(Tm−30℃)の雰囲気下における面積収縮率が10%以下であり、中でも7.0%以下であることが好ましく、さらには6.5%以下であることが好ましい。
面積収縮率は以下のようにして求めるものである。短繊維不織布をカットし、面積A0(20cm×20cm=400cm)としたものをサンプルとし、これを(Tm−30)℃に維持した熱風乾燥機中に15分間放置し、この熱処後の不織布の面積をA1とし、下式により面積収縮率を求める。
面積収縮率(%)={(A0−A1)/A0}×100
短繊維不織布の面積収縮率が10%以下であることにより、熱接着処理した際の収縮が小さく、不織構造物等の間に介在させて接着させる際の収縮が小さく、得られる製品(不織構造物等)は寸法安定性に優れたものとなる。面積収縮率が10%を超えると、熱収縮率が大きくなり、本発明の短繊維不織布を用いて熱接着して得られる製品は、収縮が生じて良好に接着できず、得られる製品の品位も劣るものになる。
さらに、本発明においては、不織布を構成するポリエステル複合短繊維は、ポリエステルAの融点をTmとしたとき、(Tm−30)℃における乾熱収縮率が7%以下であることが好ましく、中でも5%以下であることが好ましく、さらには4.8%以下とすることが好ましい。
本発明における複合短繊維の乾熱収縮率とは、JIS L−1015の収縮率の測定における乾熱収縮率の測定方法により測定するものであり、初荷重を50mg/デシテックス、つかみ間隔を25mm、処理温度を(Tm−30)℃として測定し、算出するものである。なお、繊維長が短くて測定が困難である場合は、短繊維にカットする前の繊維を用いて測定するものとする。
また、本発明の短繊維不織布は、複合短繊維の乾熱収縮率が小さいため、短繊維不織布を得る際、ウエブを構成する複合短繊維の一部を溶融させて熱接着部を形成させる処理においても、熱処理前のウエブの面積と熱処理後に得られた不織布の面積の差も小さくなり、寸法安定性よく得ることができるものである。
そして、本発明の短繊維不織布の目付は特に限定するものではないが、10〜300g/mであることが好ましい。目付が10g/m未満であると、地合及び機械的強力に劣り、実用に耐えないものとなりやすい。一方、目付が300g/mを超えるとコスト面で不利となる。
また、本発明におけるポリエステル複合短繊維は、単糸繊度が0.3〜20dtexであることが好ましく、中でも0.5〜15dtex、さらには1.0〜12dtexであることが好ましい。
また、繊維長は1.0〜100mmとすることが好ましい。本発明の不織布を乾式不織布とする際には繊維長を25〜100mmとすることが好ましく、中でも30〜80mmが好ましい。また、本発明の不織布を湿式不織布とする際には繊維長を1〜30mmとすることが好ましく、中でも3〜20mmとすることが好ましい。
さらに、本発明において、ポリエステル複合短繊維が後述する特定の形状の捲縮が付与されていることによって、特にエアレイド不織布に好適なものとなる。これは、低融点でありながら結晶性の高いポリエステルAが繊維表面に配されているため、特定の形状を有する捲縮を付与することができるものである。このような形状の捲縮は、スタフィングボックス法や押込加熱ギア法等により機械捲縮を付与したものとすることが好ましい。
そして、複合短繊維を構成する単糸に付与されている捲縮形態は、捲縮部の最大山部において、山部の頂点と隣接する谷部の底点2点を結んだ三角形の高さ(H)と底辺の長さ(L)の比(H/L)が下記式(3)を満足することが好ましい。
すなわち、本発明における複合短繊維は、短繊維を構成する単糸に付与されている捲縮形態が、捲縮部の最大山部において、山部の頂点と隣接する谷部の底点2点を結んだ三角形の高さ(H)と底辺の長さ(L)の比(H/L)が下記(3)式を満足するものであることが好ましい。
(3)式:0.01T+0.10≦H/L≦0.02T+0.25
Tは単糸繊度のデシテックス(dtex)数
このような捲縮形態を有することで、不織布の製造工程における、空気流、カード機等による短繊維の送り込み、分散、解繊、積層工程等のウエブ形成工程において繊維塊が生成せず、均一性に優れ、品質が高く、かつ嵩高性にも優れる短繊維不織布とすることができるものである。
乾式不織布を得る場合、特にエアレイド法で製造する場合には、静電気の発生が多くなる。このエアレイド法に用いられる装置としては、例えば特開平5−9813号公報に開示されているような、複数の回転シリンダーをハウジング内に収納し、これらシリンダーを高速回転させることによってシリンダーの周縁に積極的に空気流を発生させ、この空気流によって繊維成分を所定方向に吹き飛ばし得る装置が挙げられる。そして、このエアレイド法によるウエブ形成(短繊維の解繊、搬送、分散、積層工程の全て)においては、空気流を積極的に発生させているために、繊維同士が摺擦され、また繊維と装置(金属製部材)との摩擦によっても静電気の発生が多くなる。
静電気の問題を考慮する場合、捲縮が多く、大きく付与されているほど形状的に電気をためやすいものとなる。つまり、繊維に捲縮が付与されていると、3次元的な立体形状を呈するため、その立体的な空間部分が多くなるほど静電気がたまりやすくなる。一方、捲縮がないフラットな状態となるほど、平面的な形状となり、静電気をためにくくなるが、繊維同士、あるいは繊維と金属との接触点(面)が増え、摩擦による静電気の発生が多くなる。
そこで、捲縮形態を特定のものとすることで、ウエブ形成の各工程(解繊、搬送、分散、積層工程)において、繊維同士、繊維と金属間での摩擦によって静電気が発生しにくく、かつ発生した静電気をためにくいものとなり、短繊維同士が集合して繊維塊を生じることが格段に減少される。
本発明における複合短繊維の単糸の捲縮形態を図2を用いて説明する。単糸の捲縮形態において、捲縮部の最大山部における山部の頂点Pと、隣接する谷部の底点Q、Rの2点を結んで三角形とし、この三角形の高さ(H)と底辺の長さ(L)の比(H/L)が上記(3)式を満足するものである。ここで、最大山部とは、本発明における複合短繊維の繊維長において複数の山部がある場合、山部の高さ(H)が最大のものをいう。
H/Lが大きすぎると、繊維の立体形状において、空間部分が大きくなり、静電気をためやすく、繊維の絡みが生じやすくなる。一方、H/Lが小さすぎると、繊維の形態がフラットに近いものとなり、繊維同士、あるいは繊維と金属との接触点(面)が多くなるため静電気が発生しやすく、繊維塊が生成して好ましくない。
なお、H/Lの測定は次のとおりである。まず、短繊維不織布の一部を切り取り、接着されていない部分から任意に20本の単繊維を取り出す。そして、取り出した単繊維について拡大写真(約10倍)を撮り、その写真から上記したように、最大山部における、山部の頂点Pと隣接する谷部の底点Q、Rの2点を結んで三角形とし、三角形の高さ(H)と底辺の長さ(L)を測定し、その比(H/L)を算出するものである。このようにして20本分の単繊維の測定を行い、その平均値をとる。
さらに、本発明における複合短繊維は、0.1T+3.8≦捲縮数≦0.3T+7.3 ・・・(4)式〔Tは単糸繊度のデシテックス(dtex)数〕を満足することが好ましい。この捲縮数とは、JIS L1015 8.12.1に基づき測定、算出したものである。なお、捲縮数の測定において繊維長が短い場合は、捲縮付与後、カット前の繊維において測定し、繊維長25mmあたりの個数に換算する。
捲縮数が(4)式の上限より多くなると、3次元的な立体形状による空間部分となる捲縮部が多くなり、空気流での短繊維の送り込み、分散、解繊、積層工程において繊維間で発生した静電気をためやすくなり、また、繊維同士が絡みやすくなるため玉状の繊維塊が生成して好ましくない。一方、(4)式の下限より小さくなると、捲縮部が少なくなることから繊維の形態がフラットに近くなり、繊維同士あるいは繊維と金属との接触点(面)が多くなるため静電気の発生が生じやすく、糸状の繊維塊が生成して好ましくない。
さらに、本発明における複合短繊維は、0.8T+0.3≦捲縮率≦1.0T+4.9・・・(5)式〔Tは単糸繊度のデシテックス(dtex)数〕を満足することが好ましい。この捲縮率とは、JIS L1015 8.12.2に基づき測定、算出したものである。
なお、捲縮率の測定において繊維長が短くて測定が困難となる場合は、捲縮付与後、カット前の繊維において測定し、繊維長25mmあたりの個数に換算する。
捲縮率が(5)式の上限より高くなると、3次元的な立体形状による空間部分が多く又は大きくなり、空気流での短繊維の送り込み、分散、解繊、積層工程において繊維間で発生した静電気をためやすくなり、また、繊維同士が交絡しやすくなるため、玉状の繊維塊が生成して好ましくない。一方、(5)式の下限より低くなると、繊維の形態がフラットに近いものとなり、繊維同士、あるいは繊維と金属との接触点(面)が多くなるため静電気の発生が生じやすく、玉状の繊維塊が生成して好ましくない。
以上のように、本発明における複合短繊維を上記のような捲縮形態とすることにより、本発明の短繊維不織布は、特にエアレイド法により得られたものとすることが好ましいものとなる。
また、上記のような捲縮形態の短繊維とする際には、繊維長を1〜30mmとし、中でも3〜20mmとすることが好ましい。
繊維長が1mm未満であると、切断時の熱によって繊維の溶着や膠着が生じる。一方、30mmを超えると、乾式不織布においてはエアレイド法による製造工程において、空気流での解繊、積層しウエブを得る工程で繊維塊が生じやすくなる。また湿式不織布においては抄紙機でウエブを得る際に繊維塊が生じやすくなるため、得られる不織布は均斉の劣るものとなる。さらには、上記のような捲縮形態の複合短繊維とする際には、単糸繊度を0.3〜20dtexとし、中でも0.5〜15dtex、さらには1.0〜10dtexとすることが好ましい。
本発明における複合短繊維の単糸の断面形状は特に規定するものではなく、丸型のみならず扁平型、トリローバル型、ヘキサローバル型、W型、H型等の異形断面や、四角形や三角形等の多角形状、中空形状のものでもよい。
次に、本発明の短繊維不織布を構成するポリエステルAとポリエステルBとからなる複合短繊維の製造方法について一例を用いて説明する。まず、ジカルボン酸成分とジオール成分とをエステル化反応またはエステル交換反応させ、結晶核剤を添加して重縮合反応を行う。重縮合反応においてポリエステルが所定の極限粘度に到達したら、ストランド状に払い出して、冷却、カットすることによりチップ化する。次に、このチップ(ポリエステルA)とポリエステルBのチップを通常の複合溶融紡糸装置に供給して溶融紡糸を行う。紡出糸条を冷却固化した後、一旦容器へ収納する。そして、この糸条を集束して糸条束とし、ローラ間で延伸倍率2〜4倍程度で延伸を施す。続いて100〜120℃で熱処理し、次いで仕上げ油剤を付与後、スタフィングボックス等で機械捲縮を付与し、目的とする繊維長にカットしてポリエステル複合短繊維を得る。
ポリエステル複合短繊維を条件(2)を満足する機械捲縮が付与されたものとするには、延伸条件(倍率、温度)及び押込み式クリンパー等の捲縮付与装置での捲縮付与条件(ニップ圧力、スタフィン圧力)を適宜変更することにより行うことができる。
なお、湿式不織布を得る際には、機械捲縮を付与することなく、捲縮の付与されていない複合短繊維を用いることが好ましい。
本発明の短繊維不織布(乾式)の製造方法について一例を用いて説明する。
上記のようにして得られたポリエステル複合繊維のみを用いて、カード機により解繊して乾式ウエブを作成する。得られたウエブの複合短繊維の一部を溶融させて熱接着させることにより乾式短繊維不織布を得る。
このとき、ウエブを構成する複合短繊維の少なくとも一部を熱接着させる方法としては、熱エンボス加工装置や超音波溶着装置等を用いる熱圧着方式、熱風乾燥機等の乾熱による熱風循環方式、加熱スチームを用いた湿熱方式、超音波溶着装置を用いた方式等を用いることができる。
上記したように、中でも本発明の短繊維不織布は、不織布を構成するポリエステル複合短繊維が部分熱圧着されたものであることが好ましく、このような部分熱圧着を行う際には、例えば、一対のエンボスロールまたはエンボスロールとフラットロールからなる部分熱圧着装置を用いる方式や、約20kHz程度の超音波を発振する超音波発振器と円周上に点状または帯状に凸状突起部を具備するパターンロールとからなる装置を用いる方式が挙げられる。
一対のエンボスロールまたはエンボスロールとフラットロールからなる部分熱圧着装置を用いる場合は、エンボスロールの凸部に当接する部位に存在する複合短繊維のポリエステルAを溶融または軟化させて点状の融着区域を形成させ、その融着区域により複合短繊維同士を接着させるものである。
また、超音波発振器と円周上に点状または帯状に凸状突起部を具備するパターンロールとからなる装置を用いる場合は、パターンロールと超音波発振器を持った支持体との間にウエブを通し、20kHz程度の超音波を発振させて点圧着させるものである。
本発明の短繊維不織布において、部分熱圧着された個々の部分は、丸、楕円型、菱形、三角形、T字型、井形などの任意の形状であってよい。
次に、本発明の短繊維不織布(湿式)の製造方法について一例を用いて説明する。
上記のようにして得られた機械捲縮の付与されていないポリエステル複合短繊維のみを用いて、パルプ離解機に投入し、解繊し、抄紙機にて湿式ウエブを作成する。この湿式ウエブをプレス機にて余分な水分を脱水した後、乾式不織布と同様にして短繊維の一部を溶融させて熱接着させることにより湿式短繊維不織布を得る。
次に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。実施例中の各種の特性値等の測定、評価方法は次の通りである。
(a)極限粘度〔η〕
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、試料濃度0.5質量%、温度20℃の条件下で常法に基づき測定した。
(b)ポリエステルAの融点、DSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線
前記の方法により測定した。
(c)ポリエステルBの融点
示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製Diamond DSC)を用い、昇温速度20℃/分で測定した融解吸収曲線の極値を与える温度を融点とした。
(d)ポリエステルBの流動開始温度
フロテスター(島津製作所CFT−500型)を用い、荷重9.8MPa、ノズル径0.5mmの条件で、初期温度50℃より10℃/分の割合で昇温していき、ポリマーがダイから流出し始める温度として求めた。
(e)ポリエステルA、ポリエステルBのポリマー組成
得られたポリエステル複合短繊維を重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと重水素化クロロホルムとの容量比1/20の混合溶媒に溶解させ、日本電子社製LA-400型NMR装置にて 1H-NMRを測定し、得られたチャートの各共重合成分のプロトンのピークの積分強度から求めた。
(f)ポリエステル複合短繊維の乾熱収縮率(%)
前記の方法で測定した。
(g)目付
得られた短繊維不織布から縦10cm×横10cmのサンプル10点を作成し、平衡水分に至らしめた後、各試料片の質量(g)を秤量し、得られた値の平均値を単位面積当たりに換算して不織布の目付(g/m)とした。
(h)地合
得られた不織布表面の地合を目視、触感にて、2段階(優れているものを○とし、○、×の2段階)で評価した。
(i)面積収縮率
前記の方法により測定した。
(j)接着強力(N)
ポリエチレンテレフタレート繊維(繊維長51mm、繊度2.2T)と、ユニチカ社製ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維<7080>(繊維長51mm、繊度2.2T)とを質量比率1:1で混綿し、カード機で目付400g/mのウエブを作成し、熱風乾燥機を用いて熱処理条件180℃×60秒で融着処理を行い、短繊維不織布を得る。
さらに、上記短繊維不織布2枚の間に、実施例及び比較例で得られた短繊維不織布(以下、短繊維不織布Mとする)をはさみ、積層不織布の厚みを5mmとなるように厚みを規制し、熱風乾燥機を用いて熱処理条件(短繊維不織布Mを構成する複合短繊維のポリエステルAの融点+10)℃×100秒で融着処理を行い、厚さ5mmの積層体を作成する。積層体より試料長20cm、試料幅5cmの試料片を5点作成し、試料片の短繊維不織布の2枚の間を10cm剥離させ、剥離部分をつかみ間隔5cm、引張速度10cm/分で伸長し、剥離強力(N/5cm)を測定した。そして試料片5点の平均値を接着強力(N)とした。
ここで接着強力とは、短繊維不織布Mをポリエステル系不織構造物等と一体化させた後に短繊維不織布Mを溶融させてポリエステル系不織構造物同士を一体化させ、その後に不織構造物間を剥離させる際に要する強力の値である。なお、本発明においては、この接着強力は20N以上であることが好ましい。この接着強力が20N未満であると、不織構造物との接着強力に劣り、一体化させた構造物は使用するうちに不織布構造物同士の剥離が生じやすくなる。
(k)繊度、繊維長、捲縮部のH/L、捲縮数、捲縮率
前記の方法で測定、算出した。
(l)繊維塊の生成
得られたポリエステル複合短繊維を図3の簡易空気流撹拌試験機を用い繊維塊の生成を評価した。100gの短繊維を解綿機で予備解繊した後、サンプル送り込み用ブロア3から空気流にて撹拌タンク1に投入し、撹拌用ブロア2から20m/秒の空気流を吹き込み、攪拌タンク1内で1分間撹拌する。攪拌後の繊維をサンプリング口5より0.1g採取し、黒色紙の上に広げ、独立した繊維塊の有無を目視にて評価した。
○:繊維塊が発生していない
△:繊維塊が少量発生している
×:繊維塊が大量発生している
(m)均一性
得られた短繊維不織布の均一性の状態を目視にて観察し、以下のように3段階評価とした。
○:十分に解繊されて均一である
△:部分的に未解繊な部分がある
×:解繊が不十分で不均一である
実施例1
ポリエステルAとして、酸性分としてTPA、グリコール成分としてEG15mol%、HD85mol%からなり、結晶核剤として0.5質量%のタルクを含有し、極限粘度0.95、融点128℃、b/aが0.06のものを用い、ポリエステルBとして表2のaのポリエステルを用いた。
ポリエステルAチップとポリエステルBチップを複合紡糸装置に供給し、ポリエステルAが鞘部、ポリエステルBが芯部となるようにし、両成分の質量比を50/50として溶融紡糸を行った。
このとき、紡糸温度220℃、吐出量571g/分、紡糸孔数1014、紡糸速度800m/分の条件で紡糸した。次いで、紡出糸条を18℃の冷風で冷却し、引き取って未延伸糸を得た。
この未延伸糸を集束して11万dtexのトウ状にした未延伸繊維に、延伸倍率3.2倍、延伸温度40℃で延伸を行い、この後、ヒートドラム(温度110℃)で熱処理を施した。次いで、押し込み式クリンパーで捲縮を付与し、繊維長51mmに切断して単糸繊度2.2デシテックスのポリエステル複合短繊維を得た。
得られたポリエステル複合短繊維をカード機を通して解繊し、50g/mの乾式不織ウエブを得た。その後、この乾式不織ウエブをエンボスロールとフラットロールからなる部分的熱圧着装置に通し、ロール温度100℃、線圧500N/cmの条件にて部分的に熱圧着し、複合短繊維のポリエステルAの一部のみ溶融し、複合短繊維が部分熱圧着された(圧着面積率14.9%、圧着点密度21.9個/cm)目付50g/mの乾式短繊維不織布を得た。
実施例2〜5
ポリエステルBとして、表2のb〜eのポリエステルを使用したこと以外は実施例1と同様にポリエステル複合短繊維を得た。さらに、実施例1と同様にして乾式短繊維不織布を得た。
実施例6
ポリエステルAチップとして実施例1と同様のものを用い、ポリエステルBとして表2のfのチップを用い、両者を複合紡糸装置に供給し、ポリエステルAが鞘部、ポリエステルBが芯部となるようにし、両成分の質量比を50/50として溶融紡糸を行った。このとき、紡糸温度275℃、単孔吐出量0.393g/分、紡糸速度750m/分の条件で紡糸した。次いで、紡出糸条を12℃、湿度75%の冷風で冷却し、引き取って未延伸糸を得た。
この未延伸糸を集束して11.0ktexのトウ状にした未延伸繊維に、延伸倍率2.61倍、延伸温度60℃で延伸を行い、この後、ヒートドラム(温度110℃)で熱処理を施した。次いで、押し込み式クリンパーで機械捲縮を付与し、繊維長51mmに切断して単糸繊度2.2dtexのポリエステル複合短繊維を得た。さらに、実施例1と同様にして乾式短繊維不織布を得た。
実施例7
ポリエステルBとして、表2のgのポリエステルを使用し、紡糸温度を255℃としたこと以外は実施例1と同様にポリエステル複合短繊維を得た。さらに、実施例1と同様にして乾式短繊維不織布を得た。
実施例8
ポリエステルBとして、表2のhのポリエステルを使用し、紡糸温度を230℃としたこと以外は実施例1と同様にポリエステル複合短繊維を得た。さらに、実施例1と同様にして乾式短繊維不織布を得た。
実施例9
ポリエステルAとして、酸性分としてTPA、グリコール成分として1,4−ブタンジオール(BD)20mol%、HD80mol%からなり、結晶核剤として0.5質量%のタルクを含有し、極限粘度0.98、融点130℃、b/aが0.11のものを用い、ポリエステルBとして表2のaのポリエステルを用い、実施例1と同様にしてポリエステル複合短繊維を得た。そして、実施例1と同様にして乾式短繊維不織布を得た。
実施例10〜13
ポリエステルBとして、表2のb〜eのポリエステルを使用したこと以外は実施例9と同様にポリエステル複合短繊維を得た。さらに、実施例9と同様にして乾式短繊維不織布を得た。
実施例14
ポリエステルAとして実施例9と同様のポリエステルを用い、ポリエステルBとして、表2のfのポリエステルを使用したこと以外は、実施例6と同様にして複合短繊維を得た。さらに実施例6と同様にして乾式短繊維不織布を得た。
実施例15
ポリエステルBとして、表2のgのポリエステルを使用し、紡糸温度を255℃としたこと以外は実施例14と同様にポリエステル複合短繊維を得た。さらに、実施例14と同様にして乾式短繊維不織布を得た。
実施例16
ポリエステルBとして、表2のhのポリエステルを使用し、紡糸温度を230℃としたこと以外は実施例14と同様にポリエステル複合短繊維を得た。さらに、実施例14と同様にして乾式短繊維不織布を得た。
比較例1
ポリエステルBとして、表2のiのポリエステルを使用したこと以外は実施例1と同様にポリエステル複合短繊維を得た。さらに、実施例1と同様にして乾式短繊維不織布を得た。
比較例2
ポリエステル複合短繊維として、イソフタル酸成分を共重合したPET系共重合ポリエステルを鞘部、PETを芯部とする芯鞘型複合短繊維であって、単糸繊度2.2デシテックス、繊維長51mm、100℃、15分での乾熱収縮率が15.2%のポリエステル短繊維(ユニチカファイバー社製メルティ<4080>)を用いた以外は、実施例1と同様にして乾式短繊維不織布を得た。
実施例1〜16、比較例1〜2で用いたポリエステル複合短繊維の特性値、得られた乾式短繊維不織布の特性値及び評価結果を表1に示す。
実施例1〜16、比較例1〜2で用いたポリエステル複合短繊維のポリエステルBの組成と特性値を表2に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜16では、紡糸、延伸操業性よく複合短繊維を得ることができ、複合短繊維の乾熱収縮率は低いものであった。このため、得られた乾式短繊維不織布は、地合が良好で、面積収縮率が低いものであり、寸法安定性よく接着を行うことができるものであり、他のポリエステル系繊維からなる構造物との接着強力にも優れたものであった。
一方、比較例1では、ポリエステルBの融点が130℃未満であったため、ヒートドラム温度を実施例1や10と同様の温度では熱処理できず、ヒートドラム温度を80℃としたため、得られた複合短繊維は乾熱収縮率の大きいものとなった。このため、得られた乾式短繊維不織布は地合いが悪く、面積収縮率の高いものであった。比較例2では、複合短繊維として非晶性ポリエステルを接着成分とする芯鞘型の複合短繊維を用いたものであり、複合短繊維の乾熱収縮率が高いため、得られた乾式短繊維不織布は、地合が悪く、面積収縮率も高いものであった。
実施例17
実施例1のポリエステル複合繊維を得る際に押し込み式クリンパーで捲縮を付与せず、繊維長5mmに切断して単糸繊度2.2デシテックスのポリエステル複合短繊維を得た。
得られたポリエステル複合短繊維をパルプ離解機(熊谷理機工業製)に投入し、3000rpmにて1分間撹拌した。その後、得られた試料を抄紙機(熊谷理機工業製角型シートマシン)にて湿式不織布ウエブとした。その後、この湿式不織ウエブを実施例1と同様にして部分的に熱圧着し、複合短繊維のポリエステルAの一部のみ溶融し、複合短繊維が部分熱圧着された(圧着面積率14.9%、圧着点密度21.9個/cm)目付50g/mの湿式短繊維不織布を得た。
実施例18〜32
それぞれ実施例2〜16のポリエステル複合繊維を使用した以外は、実施例17と同様にポリエステル複合短繊維を得た。さらに、実施例17と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
比較例3〜4
それぞれ比較例1〜2のポリエステル複合繊維を使用した以外は、実施例17と同様にポリエステル複合短繊維を得た。さらに、実施例17と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
実施例17〜32、比較例3〜4で得られたポリエステル複合短繊維及び湿式短繊維不織布の特性値及び評価結果を表3に示す。
表3から明らかなように、実施例17〜32では、紡糸、延伸操業性よく複合短繊維を得ることができ、複合短繊維の乾熱収縮率は低いものであった。このため、得られた湿式短繊維不織布は、地合が良好で、面積収縮率が低いものであり、寸法安定性よく接着を行うことができるものであり、他のポリエステル系繊維からなる構造物との接着強力にも優れたものであった。
一方、比較例3では、ポリエステルBの融点が130℃未満であったため、ヒートドラム温度を実施例1や10と同様の温度では熱処理できず、ヒートドラム温度を80℃としたため、得られた複合短繊維は乾熱収縮率の大きいものとなった。このため、得られた湿式短繊維不織布は地合いが悪く、面積収縮率の高いものであった。比較例4では、複合短繊維として非晶性ポリエステルを接着成分とする芯鞘型の複合短繊維を用いたものであり、複合短繊維の乾熱収縮率が高いため、得られた湿式短繊維不織布は、地合が悪く、面積収縮率も高いものであった。
実施例33
実施例1と同様にして未延伸糸を得、未延伸糸を集束して11万デシテックスのトウ状にした未延伸繊維に、実施例1と同様にして延伸、熱処理を施した後、押し込み式クリンパーで捲縮付与条件をニップ圧0.39MPa、スタフィン圧0.07MPaとして、捲縮数5.6個/25mm、捲縮率4.1%の捲縮を付与した。仕上げ油剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする油剤を0.2質量%の付着量となるよう付与した後、切断して単糸繊度2.2dtex、繊維長5mmの短繊維を得た。
得られた短繊維を図4に示す簡易エアレイド試験機を用い、まず、試料投入ブロア13より投入された短繊維は、解繊翼回転モータ15により解繊翼回転用スプロケット16を介して回転する、それぞれ5枚1組の第1解繊翼11と第2解繊翼12で解繊され飛散落下させた。落下する短繊維を、下部にあるサクションボックス14で吸引しつつ、矢印方向に移動する集綿コンベア17の上に堆積させ、目付50g/mの乾式不織ウエブを得た(目付調整は集綿コンベア17の移動速度を変化させることで行った)。
その後、実施例1と同様にして部分的に熱圧着し、単糸繊度2.2dtexの短繊維からなる目付50g/mの乾式短繊維不織布を得た。
また、得られた短繊維を用いて実施例17と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
実施例34〜38
それぞれ実施例2〜3、6〜8と同様にして未延伸糸を得た以外は、実施例33と同様にして乾式短繊維不織布及び湿式短繊維不織布を得た。
実施例33〜38で得られた短繊維、乾式短繊維不織布及び湿式短繊維不織布の特性値及び評価結果を表4に示す。
表4から明らかなように、実施例33〜38では、実施例1〜3、6〜8の短繊維において捲縮形態を変更したものであり、いずれの短繊維も(3)〜(5)式を満足する捲縮形態のものであったため、繊維塊の生成がなく、得られたエアレイド乾式不織布、湿式不織布は地合が良好で、面積収縮率が低く、接着強力に優れると同時に均一性にも優れたものであった。
実施例39〜42
押し込み式クリンパーで捲縮を付与する条件(ニップ圧、スタフィン圧)を表5に示すように種々変更し、表5に示す捲縮形態、捲縮数、捲縮率のものとした以外は、実施例33と同様に行って短繊維を得、さらに、実施例33と同様にして乾式不織布及び湿式不織布を得た。
表5から明らかなように、実施例39〜42は、実施例1の短繊維において捲縮形態を変更したものであり、(3)〜(5)式を満足する捲縮形態のものであったため、繊維塊の生成がなく、得られたエアレイド乾式不織布、湿式不織布地合が良好で、均一性にも優れ、面積収縮率が低く、接着強力に優れたものであった。
本発明の短繊維不織布におけるポリエステル複合短繊維を構成するポリエステルAのDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線の一例である。 本発明の短繊維不織布におけるポリエステル複合短繊維の捲縮形態を示す拡大説明図である。 実施例における繊維塊の生成を評価するための簡易空気流撹拌試験機を示す説明図である。 実施例において乾式不織布を製造した簡易エアレイド試験機を示す説明図である。

Claims (3)

  1. テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,6−ヘキサンジオール50モル%以上のジオール成分とからなり、結晶核剤を0.01〜5.0質量%含有し、融点が100〜150℃、かつDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線が下記式(1)を満足するポリエステルAと、融点又は流動開始温度が130℃以上であり、かつポリエステルAの融点より高いポリエステルBとで構成された複合繊維であって、単糸の横断面形状においてポリエステルAが繊維表面の少なくとも一部を占めるように配されたポリエステル複合短繊維のみを含有するウエブからなり、ポリエステル複合短繊維のポリエステルAの少なくとも一部が溶融して接着部を成していることを特徴とする短繊維不織布。
    b/a≧0.05 (mW/mg・℃) ・・・ (1)
    なお、aは、降温結晶化を示すDSC曲線における傾きが最大である接線とベースラインとの交点の温度A1(℃)と、傾きが最小である接線とベースラインとの交点の温度A2(℃)との差(A1−A2)であり、bは、ピークトップ温度におけるベースラインの熱量B1(mW)とピークトップの熱量B2(mW)との差(B1−B2)を試料量(mg)で割った値である。
  2. ポリエステル複合短繊維のポリエステルAの融点(Tm)より30℃低い温度(Tm−30℃)の雰囲気下における面積収縮率が10%以下である請求項1記載の短繊維不織布。
  3. ポリエステル複合短繊維が下記条件(2)を満足する捲縮が付与されており、繊維長が1.0〜30mm、単糸繊度が0.3〜20dtexである請求項1又は2記載の短繊維不織布。
    条件(2)・・・短繊維を構成する単糸に付与されている捲縮形態が捲縮部の最大山部において、山部の頂点と隣接する谷部の底点2点を結んだ三角形の高さ(H)と底辺の長さ(L)の比(H/L)が下記式(3)を満足する。
    0.01T+0.10≦H/L≦0.02T+0.25・・・ (3)
    なお、Tは単糸繊度のデシテックス(dtex)数
JP2008264767A 2007-10-18 2008-10-14 短繊維不織布 Pending JP2009133051A (ja)

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JP2011099193A (ja) * 2009-10-06 2011-05-19 Nippon Ester Co Ltd 湿式短繊維不織布用ショートカット複合繊維

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