JP2009132862A - 樹脂組成物および成形体 - Google Patents

樹脂組成物および成形体 Download PDF

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Naoyuki Kawashima
直之 川島
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和洋 中村
Takeshi Matsumura
武 松村
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Abstract


【課題】 高透明であり、耐熱性に優れ、高屈折率を有する成形体が得られる、成形性に優れた樹脂組成物と、該樹脂組成物から得られる成形体を得ること。
【解決手段】 (A)特定の構造単位を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量Mwが1,000〜50,000であるスチレン系重合体と(B)ノルボルネン系重合体とを含有することを特徴とする樹脂組成物と、当該樹脂組成物を主成分とすることを特徴とする成形体を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、スチレン系重合体とノルボルネン系重合体とを含有する樹脂組成物および該樹脂組成物を主成分とした成形体に関する。
熱可塑性ノルボルネン系樹脂(環状オレフィン系樹脂)は、ガラス転移温度、光線透過率が高く、しかも屈折率の異方性が小さいことによる低複屈折性を示すなどの特長を有しており、耐熱性、透明性、光学特性に優れた透明熱可塑性樹脂として注目されており、例えば、位相差フィルムや偏光板保護フィルムなどの光学フィルム、光ディスク、光学レンズ、光ファイバー、透明プラスチック基板、低誘電材料などの電子・光学材料、光半導体封止などの封止材料などの分野において、環状オレフィン系樹脂を応用することが検討されている。
光学レンズ用途では高屈折率が求められるため、従来、屈折率の低い環状オレフィン系樹脂を高屈折率化する検討が進められてきた。ひとつの方法としては、樹脂の構造中に芳香環などを導入する方法が挙げられる(特許文献1、2参照)。しかしながら、この方法においては、モノマーが入手し難い、流動性が低下し成形性に劣るなどの問題があった。このため、高屈折率を発現し、透明性や耐熱性にも優れた光学レンズを容易に得ることができる樹脂組成物、およびその樹脂組成物を主成分とする成形体の出現が強く望まれていた。
特開平8−151435号公報 特開2005−330465号公報
本発明の課題は、高い透明性を有し、耐熱性に優れ、高屈折率を有する成形体が得られる、成形性に優れた樹脂組成物と、該樹脂組成物から得られる成形体を得ることである。
本発明の樹脂組成物は、
(A)下記式(1)で表される構造単位(1)を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量Mwが1,000〜50,000であるスチレン系重合体と、
(B)ノルボルネン系重合体とを含有することを特徴とする。
Figure 2009132862
(式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基であり、少なくともひとつのR1またはR2は炭素数1〜6の炭化水素基である。xは1〜5の整数である。)
前記スチレン系重合体(A)は、構造単位(1)を全構造単位100モル%中、10〜90モル%有することが好ましい。
また、前記スチレン系重合体(A)は、構造単位(1)と、スチレン由来の構造単位(2)を有する共重合体であることが好ましい。
前記ノルボルネン系重合体(B)は、下記式(3)で表される単量体(3)から導かれる構造単位(3)を有する(共)重合体であることが好ましい。
Figure 2009132862
(式(3)中、aおよびbは、それぞれ独立に0または1を示し、R4 、R5 、R6 およびR7 は、それぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;または極性基を示す。また、R4 とR5 、R6 とR7、またはR4 とR6 とが相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。)。
前記ノルボルネン系重合体(B)は、下記式(3−1)で表される構造単位(3−1)および下記式(3−2)で表される構造単位(3−2)を有する共重合体であることを特徴とする。
Figure 2009132862
(式(3−1)中、b、R4 、R5 、R6 およびR7 は式(3)と同義である。)
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物を主成分とすることを特徴とする。
本発明の樹脂組成物によれば、高い透明性を有し、耐熱性に優れ、高屈折率を有する成形体が得られる。
また、本発明の樹脂組成物は、特定構造を有するスチレン系重合体を用いることで、屈折率の高い構造を有するノルボルネン系重合体とも良好な相溶性を示し、高温下においても高い透明性を保持することができると共に、流動性に優れ、成形しやすいという利点を有する。
さらに、スチレン系重合体とノルボルネン系重合体との組成比をコントロールすることにより、任意の屈折率を示す成形体を得ることができる。
また、本発明の樹脂組成物から得られる成形体は、光学レンズとして特に好適に用いられるだけでなく、光拡散板、光学基板、窓材などのシートや、延伸フィルム、偏光板保護フィルム、視野角補償フィルム等の光学フィルムとしても有用である。
本発明に係る樹脂組成物は、スチレン系重合体(A)と、ノルボルネン系重合体(B)とを含有している。以下、これらについて説明する。
<スチレン系重合体(A)>
本発明に係る樹脂組成物に含有されるスチレン系重合体(A)は、上記式(1)で表される構造単位(1)を有する。
式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基であり、少なくともひとつのR1またはR2は炭素数1〜6の炭化水素基である。炭素数1〜6の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基等が挙げられ、これらのうち好ましくはメチル基である。また、xは1〜5の整数であり、R2が炭素数1〜6の炭化水素基である場合、好ましくは1である。
構造単位(1)を誘導する単量体の具体例としては、α−メチルスチレン(イソプロペニルベンゼン)、イソプロペニル−p−メチルベンゼン、イソプロペニル−p−エチルベンゼン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、m−メチルスチレン、m−エチルスチレン等を挙げることができる。これらのうち、好ましくはα―メチルスチレン、p−メチルスチレンが挙げられ、特に好ましくはα−メチルスチレンが用いられる。
構造単位(1)の含有率は、スチレン系重合体(A)の全構造単位100モル%中、通常5〜90モル%、好ましくは7〜85モル%、より好ましくは10〜80モル%である。上記数値範囲内であると、スチレン系重合体(A)とノルボルネン系重合体(B)とが、高温下においても相分離することなく透明性を保持でき、さらに得られる成形体が高屈折率を有するものとなるので好ましい。
さらにスチレン系重合体(A)は、構造単位(1)と、スチレン由来の構造単位(2)を有する共重合体であることがより好ましい。
構造単位(2)の含有率は、スチレン系重合体(A)の全構造単位100モル%中、通常90モル%以下、好ましくは90〜15モル%、より好ましくは80〜20モル%である。上記数値範囲内であると、スチレン系重合体(A)が重合性に優れたものとなり、生産性が向上するため、好ましい。
スチレン系重合体(A)は、その他の構造単位として、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール等のその他の芳香族含有ビニル系化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の環状無水物などから誘導される構造単位を有していてもよい。これらのその他の構造単位の含有率は、スチレン系重合体(A)の全構造単位100モル%中、通常10モル%以下、好ましくは7モル%以下である。
本発明に用いられるスチレン系重合体(A)は、30℃のクロロベンゼン溶液(濃度0.5g/dL)中で測定した対数粘度(η)が、0.1〜3.0dL/gであることが好ましい。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが1,000〜50,000、好ましくは1000〜20000、より好ましくは1100〜10000である。分子量が小さすぎると、得られる成形品の強度が低くなることがある。また分子量が大きすぎると、ノルボルネン系重合体(B)との相溶性が低下するために得られる成形体の透明性や強度が劣化したり、溶液粘度が高くなりすぎて樹脂組成物の生産性や加工性が悪化したりすることがある。
さらに、スチレン系重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、通常1.0〜10
、好ましくは1.2〜5.0、より好ましくは1.2〜4.0である。
本発明に用いられるスチレン系重合体(A)は、α−メチルスチレンなどの構造単位(1)を誘導する単量体と、必要に応じてその他の単量体、好ましくはスチレンなどの構造単位(2)を誘導する単量体とを、ラジカル重合(1A)または、カチオン重合(2A)することにより得られる。
重合反応に用いられる重合開始剤としては、フリーラジカルを発生する公知の有機過酸化物、またはアゾビス系のラジカル重合開始剤を用いることができる。これら重合開始剤の使用量は、前記単量体全量100モル%中、通常0.01〜5モル%、好ましくは0.03〜3モル%、より好ましくは0.05〜2モル%である。
さらに、前記単量体の重合反応には、触媒が用いられてもよい。この触媒は、特に限定されず、たとえば、公知のアニオン重合触媒、配位重合触媒、カチオン重合触媒などが挙げられ、例えば三フッ化ホウ素フェノラート錯体などを用いることができる。
また、重合の際、所望の分子量を有する重合体を得るために、必要に応じて連鎖移動剤を用いても良い。連鎖移動剤としては特に限定なく従来公知の連鎖移動剤を使用することができるが、好ましくは、ドデカンチオール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、α−メチルスチレンダイマーなどを用いることができる。これらの連鎖移動剤は単独で使用しても良く、複数種を混合して用いても良い。
前記単量体の重合反応は、重合開始剤、触媒、連鎖移動剤などの存在下で、上記単量体を、塊状重合法、溶液重合法、沈殿重合法、乳化重合法、懸濁重合法または塊状−懸濁重合法などの従来公知の方法で共重合させることにより行なわれる。
溶液重合を実施する際に使用する溶剤としては、前記単量体および重合体を溶解するものであれば特に限定されないが、シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
重合反応時間は、通常0.5〜30時間、好ましくは1〜20時間であり、重合反応温度は、使用するラジカル開始剤の種類に依存するため、特に限定されないが、通常−50〜180℃、好ましくは−40〜120℃である。
本発明に用いられるスチレン系重合体(A)は、従来公知の方法により精製することができ、また、フィルターで濾過することによって、異物を取り除くことが好ましい。
<ノルボルネン系重合体(B)>
本発明の樹脂組成物に含有されるノルボルネン系重合体(B)は、上記式(3)で表される単量体(3)から導かれる構造単位を有する重合体であり、具体的には、単量体(3)の開環重合体、単量体(3)と共重合性単量体との開環共重合体、またはこれらの水素添加物、あるいは1種単独または2種以上の単量体(3)からなる付加型重合体、および単量体(3)とビニル系化合物との付加型共重合体である。これらのうち、開環(共)重合体水素添加物が、光学特性、成形性、スチレン系重合体(A)との相溶性などの面から特に好適に用いられる。
上記式(3)中、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。
炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基などが挙げられる。
極性基としては、例えば、水酸基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、カルボニルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、シアノ基、アミド基、イミド基、トリオルガノシロキシ基、トリオルガノシリル基、アミノ基、アシル基、アルコキシシリル基、スルホニル基、およびカルボキシル基など挙げられる。さらに具体的には、上記アルコキシ基としては、たとえば、メトキシ基、エトキシ基等;カルボニルオキシ基としては、たとえば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基等のアルキルカルボニルオキシ基、およびベンゾイルオキシ基等のアリールカルボニルオキシ基;アルコキシカルボニル基としては、たとえば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等;アリーロキシカルボニル基としては、たとえば、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基等;トリオルガノシロキシ基としては、たとえば、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基等;トリオルガノシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基等;アミノ基としては、第1級アミノ基;アルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等が挙げられる。
単量体(3)の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、
トリシクロ[5.2.1.02,6 ]−デカ−3,8−ジエン
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−〈4−フェニルフェノキシ〉カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−〈4−フェニルフェノキシ〉カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、
ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン、
ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−n−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−シクロヘキセニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−n−オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−n−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(1−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ナフチル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−ビフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−ビフェニル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−アミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリ−n-プロポキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリ−n-ブトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シクロヘセニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
スピロ[フルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]
などを挙げることができる。
これらの化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて単量体(3)として用いることができる。
これらの単量体(3)のうち、上記式(3)におけるR4 〜R7 のうちの少なくとも1つが、下記式(I)
−(CH2nCOOR8 (I)
(式(I)中、nは0または1〜5の整数、R8 は炭素数1〜15の炭化水素基である。)で表される特定の極性基である単量体(3)(以下、「単量体(3−I)」ともいう)が、得られる樹脂組成物および成形体の耐熱性と耐湿(水)性とが良好なバランスを保つ点で好ましい。
上記式(I)において、nの値が小さいほど、また、R8 の炭素数が小さいほど、得られる樹脂組成物のガラス転移温度が高くなり、耐熱性が向上する点で好ましい。すなわち、nは好ましくは0または1であり、R8 は好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。
さらに、上記式(3)において、上記式(I)で表される極性基が結合した炭素原子にさらにアルキル基が結合している上記単量体は、得られる樹脂組成物および光学フィルムの耐熱性と耐湿(水)性とが良好なバランスを保つ点で好ましい。このアルキル基の炭素数は1〜5であることが好ましく、さらに好ましくは1〜2、特に好ましくは1である。
このような単量体(3−I)としては、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−ブトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−3−ドデセン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−3−ドデセン、8−メチル−8−ブトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−3−ドデセン等が挙げられる。
その他の単量体(3)の内で好ましい例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]−デカ−3,8−ジエン、5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−nブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−nデシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等を挙げることができる。
特に、ノルボルネン系重合体(B)としては、上記式(3−1)で表される構造単位(3−1)および上記式(3−2)で表される構造単位(3−2)を有する開環共重合体水素添加物が好ましく用いられる。当該共重合体を用いることにより、より高屈折率の成形体を得ることができる。
構造単位(3−1)を誘導する好ましい単量体としては、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−3−ドデセン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等を挙げることができる。また、構造単位(3−2)を誘導する単量体としては、 トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセンおよびトリシクロ[5.2.1.02,6 ]−デカ−3,8−ジエンを挙げることができる。
単量体(3)を開環重合する際の触媒としては、Olefin Metathesis and Metathesis Polymerization(K.J.IVIN,J.C.MOL, Academic Press 1997)に記載されている触媒が好ましく用いられる。
また、開環重合体の分子量の調節は重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節することが好ましい。ここに、好適な分子量調節剤としては、たとえば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類、スチレン、ビニルトルエンなどのスチレン類、アリル酢酸、アリルベンゼンなどアリル化合物類を挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが特に好ましい。
開環重合反応において用いられる溶媒としては、公知の溶媒を用いることができ、たとえば、石油エーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどの炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどの環状炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチルなどのエステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサンなどのエーテル類;N,N−11ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどを挙げることができ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。本発明では、これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
開環重合体の水素添加反応は、通常は、開環重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜30MPaで水素を作用させることによって行うのが望ましい。
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、公知の不均一系触媒および均一系触媒をいずれも用いることができる。不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ビス(アセチルアセトナト)ニッケル(II)/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は粉末でも粒状でもよい。また、この水素添加反応触媒は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
精製方法としてはスチレン系重合体(A)と同様の方法を採用することができる。
本発明に用いられるノルボルネン系重合体(B)は、30℃のクロロベンゼン溶液(濃度0.5g/dL)中で測定した対数粘度(η)が、0.3〜2.0dL/gであることが好ましい。また、ノルボルネン系重合体(B)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、通常1,000〜500,000、好ましくは3,000〜300,000、さらに好ましくは5,000〜100,000であり、重量平均分子量(Mw)は、通常10,000〜1,000,000、好ましくは20,000〜500,000、さらに好ましくは30,000〜200,000であることが望ましい。
分子量が小さすぎると、得られる成形品やフィルムの強度が低くなることがある。分子量が大きすぎると、溶液粘度が高くなりすぎて本発明に用いる樹脂組成物の生産性や加工性が悪化することがある。
また、ノルボルネン系重合体(B)の分子量分布(Mw/Mn)は、通常1.5〜10、好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜6であることが望ましい。
ノルボルネン系重合体(B)のガラス転移温度(Tg)は、通常100〜250℃であり、好ましくは110〜220℃、さらに好ましくは115〜200℃である。Tgが低すぎると、熱変形温度が低くなるため、耐熱性に問題が生じるおそれがあり、また、得られる成形品やフィルムの温度による光学特性の変化が大きくなるという問題が生じることがある。一方、Tgが高すぎると、加工温度を高くする必要があり、これにより樹脂組成物が熱劣化することがある。
<樹脂組成物および成形体>
本発明に係る樹脂組成物および成形体は、上記スチレン系重合体(A)とノルボルネン系重合体(B)との組成比((A)/(B))が、重量比でスチレン系重合体/ノルボルネン系重合体=5/95〜70/30、好ましくは10/90〜60/40、より好ましくは15/85〜50/50の範囲である。配合割合が上記範囲にあると、高屈折率の成形体を、成形性良く得ることができる。スチレン系重合体(A)の配合量が上記下限未満になると、樹脂組成物から得られる成形体の屈折率が低下することがある。また、スチレン系重合体(A)の配合量が上記上限を超えると、得られる樹脂組成物や成形体の耐熱性が低下したり、成形体のアッベ数や強度が低下したりすることがある。
上記樹脂組成物は、耐熱劣化性や耐光性の改良のために下記に示す酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加しても良い。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2'−ジオキシ−3,3'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−ジオキシ−3,3'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジエチルフェニルメタン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−(β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]、2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイトが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2H−ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ペンチルフェノール、2-ベンゾトリアゾール-2-イル4,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,2'-メチレンビス〔4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-[(2H−ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]〕などが挙げられる。
これらの添加剤の添加量は、本樹脂組成物100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜4重量部である。
さらに、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することもできる。
本発明に係る樹脂組成物は、例えば、下記(i)〜(iii)の方法により得ることができる。
(i)スチレン系重合体(A)とノルボルネン系重合体(B)と任意成分とを、二軸押出機またはロール混練機などを用いて混合する方法。
(ii)ノルボルネン系重合体(B)を適当な溶媒に溶解した溶液に、スチレン系重合体(A)を添加、混合する方法。
(iii)スチレン系重合体(A)またはその溶液とノルボルネン系重合体(B)またはその溶液とを混合溶解し、デボラチライターやルーダー等を用いて脱溶する方法。
この際に使用する溶剤としては、スチレン系重合体(A)またはノルボルネン系重合体(B)の製造に使用する重合溶媒や、光学フィルムの溶剤キャスト法で用いる一般的な溶剤を用いることができる。
本発明の成形体は、上述の樹脂組成物を射出成形などにより成形することにより得ることができる。
射出成形には、従来公知の方法を用いることができる。たとえば、本発明の樹脂組成物を加熱シリンダの中で加熱・混練して溶融し、該加熱シリンダより金型内へ、加圧下射出する。その後、金型内で冷却・固化され、押出装置によって押し出され、成形品が得られる。用いる金型構造を変えることにより、種々の形状を有する光学部品とすることができる。
本発明の成形体は、種々の光学部品として用いることができる。光学部品としては、円錐レンズや球面・円筒レンズなどの各種特殊レンズ、誘電体ミラーまたは金ミラー、波長板、光拡散板などが挙げられる。また、溶剤キャスト法などによりフィルム形状の成形体を得ることもでき、液晶基板、延伸フィルム、視野角補償フィルム、偏光板保護フィルムなどに用いることもできる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、「部」および「%」は、特に断りのない限り、「重量部」および「重量%」を意味する。また、室温とは25℃である。さらに、用いた試薬は全て乾燥窒素でバブリングを行い、脱水し、水分含有量4ppm以下として用いた。
以下の実施例、比較例において、各種測定および評価は以下のようにして行った。
[ガラス転移温度(Tg)]
示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製、商品名:DSC6200)を用いて、日本工業規格K7121に従って補外ガラス転移開始温度(以下、単にガラス転移温度(Tg)という)を求めた。
[重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)]
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー(株)製HLC−8220GPC、カラム:東ソー(株)製ガードカラムHXL−H、TSK gel G7000HXL、TSKgel GMHXL2本、TSK gel G2000HXLを順次連結、溶媒:テトラヒドロフラン、流速:1mL/min、サンプル濃度:0.7〜0.8重量%、注入量:70μL、測定温度:40℃とし、検出器:RI(40℃)、標準物質:東ソー(株)製TSKスタンダードポリスチレン)を用い、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を測定した。なお、前記Mnは数平均分子量である。
[ノルボルネン系重合体の対数粘度]
濃度0.5g/100mlのクロロベンゼン溶液を調製し、30℃の条件でウッベローデ型粘度計を用いて測定した。
[水素添加率]
8−メトキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンのビニレン骨格のピーク面積から水素添加率を求めた。
[フィルムの屈折率]
メトリコン社製PC−2010型プリズムカプラを用い、フィルムサンプルの任意の5箇所の屈折率を測定し、最大値および最小値を除く3点の平均値を採用した。なお、光源には408,633、および830nmのレーザー光源を用い、得られた屈折率からコーシーの式を用いた回帰計算により589nmにおける屈折率を算出した。
[アッベ数]
下記式により、アッベ数νを算出した。
ν=(n−1)/(n−n
nD、nF、nCは屈折率の測定結果から回帰計算により求めた589.2、486.1、656.3nmにおける屈折率である。
[フィルムの透明性]
村上色彩技術研究所(株)製 ヘーズメーターHM−150型を用いて曇価(HAZE)測定し、HAZE>1.1なら不透明、≦1.0なら透明とした。
<合成例1>
スチレン47g(0.45モル)、α−メチルスチレン53g(0.45モル)、トルエン100g、重合開始剤として1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)2.6gをフラスコに仕込み、窒素バブリングを行って溶存酸素を除去した後、90℃に加熱して重合を時間行った。これを真空乾燥機で時間乾燥することで溶剤と残留モノマーを除去し、スチレン系樹脂66gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は7.8×103であった。得られたスチレン系重合体を「重合体1A」とする。
<合成例2>
スチレン37g(0.36モル)、α−メチルスチレン63g(0.54モル)、トルエン100gをフラスコに仕込み、窒素バブリングを行って溶存酸素を除去した後、5℃に冷却して、重合開始剤として三フッ化ホウ素フェノラート錯体1.8mLを1時間かけて連続的に加え、5℃で重合を1時間行った。得られた重合体に1mol/LのNaOH水溶液を3.5mL加え、残留触媒を除去した。次いでこれを200mLの水でpHが中性になるまで5回洗浄した後、トルエンで2倍に希釈したものを5倍量のメタノールで凝固した。これを80℃で24時間真空乾燥することで溶剤と残留モノマーを除去し、スチレン系樹脂80gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は5.0×10であった。得られたスチレン系重合体を「重合体2A」とする。
<合成例3>
スチレンを78g(0.75モル)、α−メチルスチレンを22g(0.19モル)用いた以外は合成例2と同様にして、スチレン系樹脂を得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は6.3×103であった。得られたスチレン系重合体を「重合体3A」とする。
<合成例4>
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン7.4kg、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン0.10kg、下記式(3a)で表される単量体(ジシクロペンタジエン)2.5kg、分子量調節剤として1−へキセン1.100kg、およびトルエン30kgを窒素置換した反応容器に仕込み、100℃に加熱した。これにトリエチルアルミニウム(0.6mol/L)のトルエン溶液34.9mL、およびメタノール変性WCl6トルエン溶液(0.025モル/L)103.7mLを加え、80℃で1時間反応させることにより開環重合体を得た。次いで、得られた開環重合体溶液をトルエン10.0kgで希釈し、水素添加反応触媒であるRuH(OCO-Ar-CH2CH2CH2CH2CH3)(CO)[P(C6532 (式中Arはパラフェニレン基を表す)を0.6g添加し、90℃に昇温した後、水素ガス圧を9〜10MPaとし、更に160〜165℃まで昇温して3時間反応させた。反応終了後、得られた生成物を多量のメタノール中で沈殿させることにより水素添加物を得た。得られた重合体のガラス転移温度(Tg)は144℃、重量平均分子量(Mw)は5.9×104、分子量分布(Mw/Mn)は3.0、対数粘度0.52dL/g、収量9.3kg(収率93%)であった。また、NMR測定により求めたこの水素添加物の水素添加率は99.0%以上であった。得られた開環重合体水素添加物を「重合体1B」とする。
Figure 2009132862
<合成例5>
8−メトキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン100g、分子量調節剤として1−へキセン3.6g、およびトルエン200gを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これにトリエチルアルミニウム(0.6mol/L)のトルエン溶液0.21mL、およびメタノール変性WCl6トルエン溶液(0.025モル/L)0.86mLを加え、80℃で1時間反応させることにより開環重合体を得た。次いで、得られた開環重合体溶液に水素添加反応触媒であるRuHCl(CO)[P(C6533を0.04g添加し、水素ガス圧を9〜10MPaとし、160〜165℃の温度で、3時間反応させた。反応終了後、得られた生成物を多量のメタノール中で沈殿させることにより水素添加物を得た。得られた重合体のガラス転移温度(Tg)は167℃、重量平均分子量(Mw)は14.4×104、分子量分布(Mw/Mn)は5.0、対数粘度0.79dL/g、収量90g(収率90%)であった。また、NMR測定により求めたこの水素添加物の水素添加率は99.0%以上であった。得られた開環重合体水素添加物を「重合体2B」とする。
<実施例1>
重合体1A 0.25g、重合体1B 2.25g、ジクロロメタン47.5gを室温で混合し、均一な透明溶液を得た。この溶液を清浄なシャーレに入れ、蓋をして室温で24時間静置し、剥離後に100℃で24時間真空乾燥を行うことで透明なフィルムを得た。
このフィルムの屈折率は1.526と高い値を示し、アッベ数は52であった。また、このフィルムを300℃で30分加熱したところ、透明性を維持した。結果を表1に示した。
<実施例2>
重合体1Aの代わりにFTR2120(三井化学(株)製、スチレン/α−メチルスチレン共重合体(スチレン/α―メチルスチレン=50/50〔モル〕)、重量平均分子量(Mw)=2.8×103)0.62gおよび重合体1Bを1.88g用いた以外は実施例1と同様にして、透明なフィルムを得た。このフィルムの屈折率は1.540と高い値を示し、アッベ数は48であった。また、このフィルムを300℃で30分加熱したところ、透明性を維持した。結果を表1に示した。
<実施例3>
重合体1Aの代わりにFTR2140(三井化学(株)製、スチレン/α−メチルスチレン共重合体(スチレン/α―メチルスチレン=35/65〔モル〕)、重量平均分子量(Mw)=3.9×103)0.62gおよび重合体1Bを1.88g用いた以外は実施例1と同様にして、透明なフィルムを得た。このフィルムの屈折率は1.538と高い値を示し、アッベ数は51であった。また、このフィルムを300℃で30分加熱したところ、透明性を維持した。結果を表1に示した。
<実施例4>
重合体1Aの代わりにFTR2140を用い、重合体1Bの代わりに重合体2Bを用いた以外は実施例1と同様にして、透明なフィルムを得た。このフィルムの屈折率は1.534と高い値を示し、アッベ数は46であった。また、このフィルムを300℃で30分加熱したところ、透明性を維持した。結果を表1に示した。
<実施例5>
FTR2140と重合体1Bとをあらかじめ100℃×4時間の条件で真空乾燥を行い、その後、タンブラー型ブレンダーでブレンド比が75:25になるように予備混合を行った。
二軸押出し機(TEM−37BS、東芝機械(株)製)を280℃に加熱し、ホッパーとシリンダー内を窒素で充満させた。温度が安定した後、スクリューを100rpmで回転させ、ホッパー部へ窒素を流しながら、15〜20kg/hrの吐出速度でブレンド樹脂の溶融混合を行い、ペレット状の透明な樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を用い、射出成形機ROBOSHOT S−2000i 100B(FANUC社製、型締め100ton)を使用して成形板(60mm×80mm×1.0mm)を作製した。射出成形条件は、シリンダー温度300℃、金型温度100℃、射出速度100mm/秒、保持圧力30〜60MPaであった。得られた成形板は透明であり、屈折率は1.536と高い値を示し、アッベ数は47であった。
<実施例6>
重合体1Aの代わりに重合体2A 0.375gおよび重合体1Bを2.125g用いた以外は実施例1と同様にして、透明なフィルムを得た。この溶液を清浄なシャーレに入れ、蓋をして室温で24時間静置し、剥離後に100℃で24時間真空乾燥を行うことで透明なフィルムを得た。このフィルムの屈折率は1.531と高い値を示し、アッベ数は50であった。また、このフィルムを300℃で30分加熱したところ、透明性を維持した。結果を表1に示した。
<実施例7>
重合体2Aの代わりに重合体3Aを用いた以外は実施例6と同様にして、透明なフィルムを得た。この溶液を清浄なシャーレに入れ、蓋をして室温で24時間静置し、剥離後に100℃で24時間真空乾燥を行うことで透明なフィルムを得た。このフィルムの屈折率は1.534と高い値を示し、アッベ数は50であった。また、このフィルムを300℃で30分加熱したところ、透明性を維持した。結果を表1に示した。
<比較例1>
重合体1Aの代わりにポリスチレン(東洋ポリスチレン(株)製、重量平均分子量(Mw)=2.0×105)を用いた以外は実施例1と同様にして、フィルムを得たところ、乾燥後のフィルムは不透明であった。
<参考例1>
重合体1Aを用いなかった以外は実施例1と同様にして、透明なフィルムを得た。得られたフィルムの屈折率は1.523であり、このフィルムを300℃で30分加熱したところ、透明を維持した。
<参考例2>
重合体1Bの代わりに重合体2Bを用いた以外は参考例1と同様にして、透明なフィルムを得た。得られたフィルムの屈折率は1.512であり、このフィルムを300℃で30分加熱したところ、透明を維持した。




Figure 2009132862

Claims (6)

  1. (A)下記式(1)で表される構造単位(1)を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量Mwが1,000〜50,000であるスチレン系重合体と、
    (B)ノルボルネン系重合体とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 2009132862
    (式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基であり、少なくともひとつのR1またはR2は炭素数1〜6の炭化水素基である。xは1〜5の整数である。)
  2. スチレン系重合体(A)が、構造単位(1)を全構造単位100モル%中、10〜90モル%有することを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. スチレン系重合体(A)が、構造単位(1)と、スチレン由来の構造単位(2)を有する共重合体であることを特徴とする、請求項1乃至2に記載の樹脂組成物。
  4. ノルボルネン系重合体(B)が、下記式(3)で表される単量体(3)から導かれる構造単位(3)を有する重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
    Figure 2009132862
    (式(3)中、aおよびbは、それぞれ独立に0または1を示し、R4 、R5 、R6 およびR7 は、それぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基;または極性基を示す。また、R4 とR5 、R6 とR7、またはR4 とR6 とが相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。)。
  5. ノルボルネン系重合体(B)が、下記式(3−1)で表される構造単位(3−1)および下記式(3−2)で表される構造単位(3−2)を有する共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
    Figure 2009132862
    (式(3−1)中、b、R4 、R5 、R6 およびR7 は式(3)と同義である。)
  6. 請求項1に記載の樹脂組成物を主成分とすることを特徴とする成形体。
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KR20180046366A (ko) * 2016-10-27 2018-05-08 코니카 미놀타 가부시키가이샤 광학 필름, 편광판 및 화상 표시 장치

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KR20180046366A (ko) * 2016-10-27 2018-05-08 코니카 미놀타 가부시키가이샤 광학 필름, 편광판 및 화상 표시 장치
KR101970408B1 (ko) 2016-10-27 2019-04-18 코니카 미놀타 가부시키가이샤 광학 필름, 편광판 및 화상 표시 장치

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