JP2009132587A - 半導体結晶成長方法及び半導体結晶成長装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶成長時に種結晶に加わる応力を緩和すると共に、種結晶、成長結晶、及びルツボの破損を防止して、低欠陥密度の半導体単結晶を再現性よく製造することのできる半導体結晶成長方法及び半導体結晶成長装置を提供する。
【解決手段】半導体融液32を収容したルツボ20内の半導体融液32の表面に、ルツボ20又はルツボ20に設置される支持部材により支持されている種結晶30を接触させた状態で半導体融液32の温度を降下させて、種結晶30の側からルツボ20の他端、すなわち、ルツボ20の開口部と反対側のルツボ20の底部に向けて半導体融液32を徐々に固化させ、化合物半導体結晶を成長させる。このとき、種結晶30がチャンバー80等のサセプタ50の外部の部材に固定されていないので、種結晶30を結晶成長に伴って自由に成長装置1の上下方向に移動させることができ、成長した結晶に加わる応力を大幅に軽減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体結晶成長方法及び半導体結晶成長装置に関する。特に、本発明は、欠陥密度の低い化合物半導体単結晶のインゴットを高い再現性で製造する半導体結晶成長方法及び半導体結晶成長装置に関する。
従来、Si、GaAs、及びInP等を含む半導体単結晶の製造方法として、チョクラルスキー法(Czochralski法:CZ法)、液体封止引き上げ法(Liquid Encapsulated Czochralski法:LEC法)等が用いられている。また、III−V族化合物半導体単結晶の結晶成長の方法として、液体封止剤を用いるKyropulos法、すなわち、Liquid Encapsulated Kyropulos法(LEK法)が用いられている。
例えば、LEK法を用いた結晶成長の方法として、不活性ガス雰囲気の高圧容器内を加熱し、高圧容器内に配置したルツボ内の原料融液を液体封止剤で覆い、原料融液の温度を徐々に低下させて単結晶を成長させると共に、耐火性カバーで表面を覆った種結晶を原料融液に浸漬して種結晶を分解させる化合物半導体単結晶の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ルツボ内に収容した半導体融液をルツボの底部に設けられた種結晶配置部に配置した種結晶と接触させた状態で、半導体融液をルツボ内で下方から上方に向けて徐々に固化させることにより、化合物半導体の単結晶を成長させる縦型成長法、すなわち、縦型徐冷法(Vertical Gradient Freeze法:VGF法)又は縦型ブリッジマン法(Vertical Bridgman法:VB法)等も、化合物半導体の単結晶の成長に用いられている。
例えば、種結晶配置部の外周に種結晶を強制的に冷却する冷却手段を設置して、半導体結晶と半導体融液との間の固液界面の形状を平坦又は半導体融液側に向かって凸形状に制御する化合物半導体単結晶の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1に記載の化合物半導体単結晶の製造方法によれば、成長する結晶の肩部が形成された後に種結晶を全て分解させるので、成長した結晶の体積膨張に起因する応力が種結晶に加わることを排除できる。また、特許文献2に記載の化合物半導体単結晶の製造方法によれば、半導体結晶と半導体融液との固液界面形状の凹面化を防止することができるので、高品質の結晶を再現性よく製造することができる。
特開2003−112993号公報 特許第2850581号公報
LEK法又はVGF法において用いられる結晶成長炉は、ヒーターの電流導入端子、ガスの入出用ポート、及び熱電対挿入ポート等の非対称に配置される部材を備えるため、炉内部の温度分布を完全な軸対象に保つことは困難であることから、結晶及びルツボを炉の中心軸に対して回転させながら結晶成長を実施する。ここで、LEK法においては、融液の凝固が開始すると、種結晶とルツボとが一体化して回転しようとするので、種結晶を保持する上軸とルツボを支持する下軸とを同一方向に同一回転数で予め回転させることを要する。しかしながら、上下軸の芯の不一致や、回転数の乱れにより、結晶の増径の途中で結晶がルツボ側壁に衝突することによる多結晶化の進行や、種結晶が折れることによって成長の継続が困難になる場合がある。
更に、化合物半導体の融液は、凝固すると体積が膨張する性質を有する。例えば、GaAsの場合、融点における融液の密度は5.71g/cmであるのに対し、結晶の密度は5.16g/cmであり、融液の凝固により体積が約1割増加する。これにより、ルツボ内で融液を表面から凝固させると、結晶成長につれて成長した結晶がルツボに対して滑り、成長結晶の表面が上昇する。結晶成長の進行に対応させて種結晶を上昇させると、この成長結晶の表面上昇による種結晶中での応力の発生を回避することが可能であるが、LEK法では、結晶成長中にルツボ内部を視認できないので、結晶成長の進行状況をリアルタイムに検知することが困難である。したがって、種結晶の上昇速度の制御が非常に困難であり、種結晶に応力が集中することによる種結晶の破損、及びルツボ等の部材の破損が発生する場合がある。
また、VGF法及びVB法においては、ルツボ下部に種結晶を配置し、種結晶の上方に原料融液が配置される。ここで、種結晶はルツボ下部の細径部に挿入されており、種結晶とルツボとの間に隙間が必然的に生じる。ルツボ又は種結晶のロットのばらつきに起因して、係る隙間はルツボごと及び/又は種結晶ごとにばらつくので、種結晶を介して放熱される熱量が結晶成長のランごとに変化し、結晶成長の再現性が得にくくなる問題がある。
係る問題の回避を目的として、ルツボと種結晶との間にBを充填する方法があるが、Bの存在により種結晶及び成長した結晶がルツボに固着して、成長した結晶の取り出しが困難になると共に、ルツボの内面がBの固化時及び成長結晶の取り出し時に剥離して、ルツボの寿命が低下する問題がある。
ここで、特許文献1及び2に記載の化合物半導体単結晶の製造方法ではいずれも、種結晶を有した状態で低欠陥の成長結晶を成長すると共に、ルツボ等の部材の破損を防止して再現性の良い結晶成長を実施することは困難である。
したがって、本発明の目的は、種結晶の保持方法を改良することにより、結晶成長時に種結晶に加わる応力を緩和すると共に、種結晶、成長結晶、及びルツボの破損を防止して、低欠陥密度の半導体単結晶を再現性よく製造することのできる半導体結晶成長方法及び半導体結晶成長装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、容器に半導体の原料を充填する原料充填工程と、容器又は容器に設置される支持部材により半導体の種結晶を支持する種結晶支持工程と、原料を収容した容器を加熱して、原料を融液とする原料溶融工程と、融液の温度を降下させて、種結晶側から容器の他端に向けて融液を徐々に固化させることにより半導体の単結晶を成長する結晶成長工程とを備える半導体結晶成長方法が提供される。
また、本発明は、上記目的を達成するため、容器に収容された半導体の融液に半導体の種結晶を浸漬して、融液を単結晶化して単結晶層を形成する工程と、単結晶層の表面の上昇によって種結晶に外力を付さずに種結晶を容器に対して上昇させる工程とを備える半導体結晶成長方法が提供される。
また、本発明は、上記目的を達成するため、開口部と底部とを有し、半導体の融液を収容する容器を備え、容器又は容器に設置される支持部材により、半導体の種結晶を支持する半導体結晶成長装置が提供される。
本発明の半導体結晶成長方法及び半導体結晶成長装置によれば、種結晶の保持方法を改良することにより、結晶成長時に種結晶に加わる応力を緩和すると共に、種結晶、成長結晶、及びルツボの破損を防止して、低欠陥密度の半導体単結晶を再現性よく製造することができる。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る成長装置の断面図の概略を示す。
第1の実施の形態に係る半導体結晶成長装置としての成長装置1は、化合物半導体の半導体融液32を収容した容器としてのルツボ20内の半導体融液32の表面に、ルツボ20又はルツボ20(又はサセプタ50若しくは蓋60)に設置される支持部材としての保持部40により保持される種結晶30を接触させた状態で半導体融液32の温度を降下させて、種結晶30の側からルツボ20の他端、すなわち、ルツボ20の開口部の反対側のルツボ20の底部に向けて半導体融液32を徐々に固化させる化合物半導体単結晶としての半導体結晶の成長装置である。
(成長装置1の構成)
第1の実施の形態に係る成長装置1は、半導体融液32を収容するルツボ20と、ルツボ20を収容するサセプタ50と、サセプタ50の下方からサセプタ50を保持する下軸(ペデスタル)55と、種結晶30が挿入される貫通穴60aを有してルツボ20の上方の少なくとも一部を閉塞する蓋60と、蓋60のルツボ20側の面に設けられ半導体を構成する一部の元素の原料を保持する原料保持部としてのリザーバ70と、種結晶30を保持する支持部材としての保持部40とを備える。
また、第1の実施の形態に係る成長装置1は、サセプタ50の周囲からルツボ20内を加熱する複数のヒーター10(例えば、ヒーター10a及びヒーター10b)と、複数のヒーター10の外部を包囲する断熱材90と、サセプタ50と複数のヒーター10と断熱材90とを収容する圧力容器としてのチャンバー80とを更に備える。なお、化合物半導体としての半導体は、一例として、GaAs、GaP、又はInP等のIII−V族化合物半導体、若しくはZnSe又はCdTe等のII−VI族化合物半導体が挙げられる。
ルツボ20は、化合物半導体単結晶の原料として、成長する化合物半導体の多結晶を収容する。すなわち、ルツボ20は、結晶成長の際の原料となる化合物半導体の多結晶を収容する。ルツボ20は、上面視において略円形状であり、一例として、直径160mm、直胴部の長さ280mmの略円筒形に形成される。なお、ルツボ20は、多結晶を導入する側に開口部を有すると共に、開口部の反対側に所定の曲率の曲面を有して形成される底部を有する。
また、ルツボ20は、熱分解窒化ホウ素(Pyrolytic Boron Nitride:pBN)から形成される。なお、ルツボ20は石英から形成することもできる。ルツボ20は、ルツボ20の開口部から導入された化合物半導体結晶の原料とp型用又はn型用の所定のドーパントとを所定量ずつ収容する。なお、成長する単結晶が真性化合物半導体である場合は、ドーパントは収容しない。ルツボ20内では、所定の温度で融解した化合物半導体の原料の半導体融液32と種結晶30とが接触した領域からルツボ20の底部に向かって化合物半導体の単結晶が成長する。
ペデスタル55は、成長装置1に昇降及び回転が自在にできるように設けられる。ペデスタル55は、一例として、グラファイトから形成される。ペデスタル55は、回転装置(図示しない)の回転駆動力によって所定の方向に所定の回転速度で回転する。また、ペデスタル55は、昇降装置(図示しない)の駆動力によって、例えば、重力方向に沿って所定の速度で昇降する。
サセプタ50は、一端に開口部を有すると共に、他端に底部を有する筒状に形成され、内部にルツボ20を収容する。サセプタ50は、一例として、グラファイトから形成される。そして、サセプタ50は、ペデスタル55の上端に、ペデスタル55と同心の位置に搭載される。これにより、ルツボ20内の温度分布を緩やか、かつ、一定に保つことを目的として、結晶成長中にルツボ20を回転させることができる。また、ペデスタル55の昇降に応じて、サセプタ50も昇降する。
複数のヒーター10はそれぞれ、サセプタ50と同心の位置であって、成長装置1の上部から下部へ向かう方向、すなわち成長装置1の上下方向に沿って多段に配置される。この場合に、複数のヒーター10は、サセプタ50の周囲を囲むように成長装置1の内部の所定の高さの位置にそれぞれ配置されて、ルツボ20を加熱する。成長装置1は、一例として、ヒーター10aとヒーター10aの下段に設置されるヒーター10bとを備える。ヒーター10a及びヒーター10bの設定温度は、サセプタ50の上部(開口部側)がサセプタ50の下部(底部側)よりも低温となる温度勾配を呈するように設定される。すなわち、ヒーター10aの設定温度をヒーター10bの設定温度よりも低い温度に設定する。なお、サセプタ50の上部と下部とで所定の温度勾配を設定及び維持することができる限り、ヒーター10は3つ以上設けることもできる。
複数のヒーター10はそれぞれ、一例として、炭化ケイ素(SiC)等の材料から形成される抵抗加熱ヒーターで構成される。なお、複数のヒーター10はそれぞれ、カーボンヒータ、赤外線加熱ヒーター、又はRFコイルで加熱した発熱体を2次ヒーターとして用いるヒーター等で構成することもできる。また、複数のヒーター10の近傍にはそれぞれ、熱電対(図示しない)が設置される。複数のヒーター10の温度はそれぞれ、熱電対からの電気信号に基づいて、外部の温度制御装置(図示しない)が制御する。
チャンバー80は、ルツボ20と、ルツボ20を収容するサセプタ50と、サセプタ50を保持するペデスタル55と、複数のヒーター10と、断熱材90とを密閉する。本実施の形態に係るチャンバー80は、圧力容器としての機能を有する。これにより、ルツボ20内において成長する化合物半導体の半導体融液32が、大気圧以上の解離圧を有する場合、チャンバー80内を解離圧以上の圧力に設定することにより、半導体融液32の蒸発等を防止できる。なお、成長装置1は、チャンバー80内の雰囲気を所定のガス雰囲気に設定する機能(図示しない)と、チャンバー80内の圧力を一定値に保つガス圧制御機能(図示しない)とを備えて構成する。
蓋60は、サセプタ50の開口部側に搭載され、種結晶30が挿入される貫通穴60aを有する。蓋60は、一例として、グラファイトから形成される。蓋60は、サセプタ50の開口部の縁に設けられた蓋60の外周形状に対応する凹部にはめ込まれることにより、サセプタ50に固定される。そして、本実施の形態に係る貫通穴60aは、蓋60の略中心、すなわち、サセプタ50の同心の位置に設けられる。貫通穴60aは、種結晶30の断面形状に対応する形に形成される。より具体的には、蓋60は、サセプタ50に面する表面の反対側の面側に筒形状の突起を有し、当該突起の中心を含む所定の領域に貫通穴60aが形成されている。
更に蓋60は、サセプタ50に面する表面の所定の領域に、半導体を構成する一部の元素の原料としての金属材料34を保持するリザーバ70を有する。一例として、成長装置1においてIII−V族化合物半導体の単結晶を成長する場合、リザーバ70は、当該単結晶を構成する一部の元素としてのV族元素を含む金属材料34(例えば、金属As)を収容する。また、リザーバ70は、複数の細孔72を有して、一例として、グラファイトから形成される。
一例として、少なくとも結晶成長の開始と共にサセプタ50が加熱された場合、すなわち、少なくとも結晶成長の初期段階において、複数の細孔72からV族元素の材料から生じたV族元素を含む蒸気(例えば、As蒸気)がサセプタ50内部に拡散する。これにより、サセプタ50の内壁及びルツボ20の内壁と蓋60とで閉じられた収容空間としての空間内にV族元素の蒸気が充満する。なお、収容空間は、ルツボ20に収容されている半導体融液32の融液表面32aとルツボ20の一部及びサセプタ50の一部並びに蓋60とで略密閉される略気密な構造としての空間領域である。
保持部40は、一例として、一端に開口を有すると共に、他端に種結晶30の外周形状に対応する孔を有して断面略円形の筒状に形成される。そして、保持部40の開口の内径は、蓋60に形成されている突起の外径よりも大きく形成される。種結晶30は、保持部40の孔に挿入され、押しネジ45により保持部40に固定される。保持部40に固定された種結晶30は、蓋60の貫通穴60aに挿入される。なお、保持部40は、一例としてグラファイトから形成され、押しネジ45は、一例として、モリブデンから形成される。
本実施の形態において、保持部40は、蓋60及びチャンバー80に固定されておらず、保持部40は成長装置1の上下方向に自由に可動する。すなわち、保持部40は、半導体の結晶成長の進行に応じて重力方向(又は結晶成長の方向)に沿って、種結晶30と共にルツボ20(又は蓋60)に対して自由に移動可能に構成される。換言すると、半導体融液32の表面の位置、又は成長した結晶33の表面の位置の変動に対応して、保持部40及び種結晶30は上下方向に移動する。ここで、保持部40と蓋60の突起との間には隙間が形成され、当該隙間は緩衝通路(ラビリンス)65として機能する。すなわち、緩衝通路65は、サセプタ50の内側から外側へのガスの拡散を抑制しつつ、サセプタ50内の圧力バランスを保持する構造を有する。なお、収容空間は、緩衝通路65を介してサセプタ50の外部と連結する。
断熱材90は、複数のヒーター10の外側を包囲して設けられる。断熱材90を設けることにより、複数のヒーター10が発した熱を、ルツボ20に効率的に伝熱させることができる。また、本実施の形態に係る成長装置1においては、サセプタ50において種結晶30が保持されており、成長装置10の外部の上方から成長装置10内に引き上げ軸を挿入して、当該引き上げ軸で種結晶30を保持することを要さないので、ルツボ20の開口部上方に断熱材90、又は断熱材90の代わりに種結晶30が半導体融液32等から伝熱する熱を放熱する放熱材を設置することもできる。
(第1の実施の形態に係る成長装置の変形例)
なお、本実施形態に係る成長装置1においては、GaAs等の単結晶だけではなく、他のIII−V族化合物半導体結晶を成長することもできる。例えば、成長装置1を用いて、AlGaAs、InGaAs、又はInGaP等のIII−V族化合物半導体結晶の三元混晶結晶、若しくは、AlGaInP等のIII−V族化合物半導体結晶の四元混晶結晶を成長することもできる。また、本実施の形態に係る成長装置1において、Si、Ge等のIV族半導体結晶、又は、化合物半導体結晶若しくは半導体結晶ではない材料の結晶である、金属結晶、酸化物結晶、フッ化物結晶の結晶を成長することもできる。
また、サセプタ50の開口部側の上方の空間及び/又はサセプタ50の底部側を加熱することを目的として、複数のヒーター10のうちの一部を、サセプタ50の上部及び/又は下部に設置することもできる。更に、化合物半導体の単結晶の成長条件の安定化及び結晶成長の再現性の向上を目的として、種結晶30を保持する保持部40に種結晶30の側を冷却する冷却部を更に備えることもできる。例えば、種結晶30からの放熱を向上させることを目的として、保持部40の表面に冷却部としての所定形状のフィンを形成することができる。フィンは、例えば、グラファイトの熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する材料(例えば、AlN、SiC等)から形成できる。
また、成長雰囲気ガスをV族元素蒸気に保つことを目的として、種結晶30を含むサセプタ50の全体を、石英等から形成されたアンプルに封入することもできる。そして、当該アンプルを成長装置1内の所定の位置に設置して、化合物半導体の単結晶を成長することもできる。
更に、本実施の形態に係る成長装置1においては、半導体融液をルツボ20内で下方から上方に向けて徐々に固化させることにより単結晶を成長させる縦型成長法である縦型徐冷(Vertical Gradient Freeze:VGF)法、及び/又は縦型ブリッジマン(Vertical Bridgman:VB)法を適用することもできる。すなわち、VB法だけを用いて結晶成長することもできる。
(成長装置1での結晶の成長の概要)
図2(a)から(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る成長装置における結晶成長の進行の概要を示す。
まず、図2(a)に示すように、結晶成長の前段階として、ルツボ20には化合物半導体結晶の固体の原料31(例えば、半導体の多結晶)が収容される。そして、保持部40に保持された種結晶30の種結晶端30aは、ルツボ20に収容された原料31の原料表面31aと接触する。この場合において、種結晶30を保持している保持部40が蓋60から浮いた状態となる長さに種結晶30の長さは調整される。すなわち、結晶成長の開始前において保持部40は、蓋60の貫通穴60aに挿入された種結晶30が貫通穴60aにおいて支持されると共に、種結晶端30aが原料表面31aと接することにより、保持部40の開口側と蓋60との間に所定の空間40aを有した状態で蓋60に支持される。
次に、ヒーター10により原料31が加熱されると、原料31は融解して半導体融液32となる。この場合、半導体融液32の融液表面32aは、固体時における原料のすきまに応じて、原料表面31aの垂直方向における位置よりも所定の距離L1だけ下がる。したがって、図2(b)に示すように、種結晶30及び保持部40は、重力により自動的に降下して、蓋60と接触面40bにおいて接触する。種結晶30の端部である種結晶端30aは、半導体融液32に浸漬され、浸漬した部分は半導体融液32に融解する。一方、保持部40が蓋60に接することにより、図2(a)において示した空間40aが消滅する。これにより、種結晶30が半導体融液32に接触した状態で、種結晶30はルツボ20及びサセプタ50に対して一定の位置に保持される。また、種結晶端30aを、成長装置1の垂直方向に沿って、蓋60のルツボ20側の表面から所定の位置に固定することができる。
なお、半導体融液32は、ヒーター10により半導体結晶の融点以上の温度に加熱されているが、種結晶30は、半導体融液32と接した部分を除いて融解しない。これは、半導体融液32と接している種結晶端30aの反対側の種結晶30の端部が、サセプタ50の上部空間の半導体結晶の融点よりも低い温度の空間に露出していると共に、保持部40が放熱フィンとして機能するためである。また、ヒーター10の加熱によりリザーバ70に収容されている金属材料34からV族元素の蒸気が生じる。金属材料34から生じた蒸気は、細孔72から収容空間内に放出され、種結晶30の表面からV族元素が解離して、種結晶30に表面あれが発生することを抑制する。
続いて、結晶成長の進行は、半導体融液32の温度を徐々に降下させ、種結晶端30aからルツボ20の底部の側に向かって順に半導体融液32を凝固させることにより、半導体の単結晶層としての単結晶が成長していくことにより単結晶のインゴットが形成される。半導体融液32が凝固して結晶33が成長する場合、半導体の固体の密度と液体の密度との密度差に応じて、結晶33は半導体融液32よりも体積が膨張して成長する。これにより、結晶33の表面がルツボ20に対して上昇する。したがって、図2(c)に示すように、結晶成長の初期段階において凝固して生じた結晶33の表面である結晶表面33aは、結晶成長の進行に応じて融液表面32aの垂直方向における位置よりも距離L2だけ上昇する。
ここで、本実施の形態に係る種結晶30は、蓋60に対して成長装置1の上下方向に自由に可動する保持部40に保持されているので、半導体融液32が凝固する際の体積膨張により、保持部40は種結晶30と共に上昇する。すなわち、蓋60と接していた保持部40は、再び蓋60から離間する。これにより、保持部40と蓋60との間に再び空間40cが生じる。したがって、本実施の形態に係る保持部40は、半導体融液32の凝固に伴う結晶33の体積膨張によって発生する応力を、外部に逃がすことができる。つまり、図2(c)のように種結晶30をルツボ20に対して上昇させるので、種結晶30に外力が付されることがない。また、種結晶30の上昇と共に保持部40も上昇するが、収容空間に満たされたV族元素の蒸気は、緩衝通路65の作用によって、収容空間内に閉じ込められる。
(第1の実施の形態に係る半導体結晶成長方法)
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体結晶成長のフローを示す。
第1の実施の形態に係る半導体結晶の成長方法は、半導体融液32を収容したルツボ20内の半導体融液32の表面に、ルツボ20又はルツボ20に設置される支持部材により支持されている種結晶30を接触させた状態で半導体融液32の温度を降下させて、種結晶30の側からルツボ20の他端、すなわち、ルツボ20の開口部と反対側のルツボ20の底部に向けて半導体融液32を徐々に固化させる化合物半導体結晶としての半導体結晶の成長方法である。
まず、ルツボ20内に、III−V族化合物半導体の多結晶の原料31を充填する(S100)。本実施の形態においては、一例として、GaAsの多結晶原料をルツボ20に所定量、充填する。この場合、所望の導電型の単結晶を成長することを目的として、Si、Zn、C等の不純物原料をルツボ20内に所定量、添加することもできる。続いて、サセプタ50内にルツボ20を載置する(S110)。そして、ルツボ20を収容しているサセプタ50を、成長装置1のペデスタル55上に設置する。
続いて、所定の長さを有するGaAsの種結晶30に、保持部40を押しネジ45で固定することにより、保持部40に種結晶30を支持させる(S120)。一方、サセプタ50の上に蓋60を載せる(S130)。そして、GaAsの種結晶30を保持した保持部40を蓋60の貫通穴60aに挿入することにより保持部40を蓋60に接続する(S140)。これにより、ルツボ20がサセプタ50内に封止される。
そして、成長装置1内、すなわち、チャンバー80内を真空排気により減圧する。減圧後、チャンバー80内に窒素、又はアルゴン等の不活性ガスを導入する(S150)。なお、真空排気と不活性ガスの導入とを、チャンバー80内の容積に応じて繰り返し複数回、実施することにより、酸素及び水分をチャンバー80内から除去する。この場合において、チャンバー80内がGaAs単結晶の成長に適した圧力となるまで、不活性ガスがチャンバー80内に導入される。
次に、複数のヒーター10の発熱体の少なくとも一部の近傍に設置した熱電対の検出値、及び複数のヒーター10それぞれの温度設定値に基づく温度コントローラのフィードバック制御により、サセプタ50を所定の温度で加熱して、原料31を融解させる(S160)。原料31が溶融して半導体融液32となると、種結晶30の種結晶端30aが半導体融液32に接する。そして、半導体融液32に接した種結晶30の部分が半導体融液32に接して融解する。これにより、種結晶端30aが原料融解表面としての融液表面32aに、種結晶端30aが正確に接触した状態が保持される(S170)。
そして、複数のヒーター10の設定温度をそれぞれ制御して、GaAs単結晶を成長させる(S180)。すなわち、温度コントローラのフィードバック制御に基づいて、複数のヒーター10の設定温度を徐々に低下させる。そして、種結晶30と半導体融液32とが接触している部分を起点として、半導体融液32を、ルツボ20の底部に向けてGaAs単結晶として成長させる。なお、原料31の融解から単結晶の結晶成長終了までの一連の結晶成長工程を実施する間、回転装置と連結されているペデスタル55を所定の方向に所定の回転速度で回転させ続ける。この場合において、種結晶30及び保持部40は、チャンバー80等のサセプタ50の外部の部材に固定されていないので、種結晶30及び保持部40は、サセプタ50と共に回転する。
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態に係る成長装置1及び半導体結晶成長方法によれば、種結晶30がチャンバー80等のサセプタ50の外部の部材に固定されていないので、従来のカイロポーラス法と比べて、種結晶30を、結晶成長に伴って自由に成長装置1の上下方向に移動させることができる。これにより、本実施の形態に係る成長装置1は、成長した結晶に加わる応力を大幅に軽減することができるので、残留歪み、及びクラック等の欠陥の発生を大幅に抑制した単結晶を成長させることができる。
更に、本実施の形態に係る成長装置1は、種結晶30がチャンバー80等のサセプタ50の外部の部材に固定されていない、いわばチャンバー80からフリーの状態で保持されるので、ルツボ及び結晶の回転を容易にできる。したがって、成長した単結晶及び成長装置1の各部材の破損を回避できる。また、V族元素の原料を保持するリザーバ70を備えるので、収容空間内の雰囲気ガスをV族蒸気で満たすことができ、従来のカイロポーラス法に比べて、種結晶30の表面あれを抑制して、単結晶成長の再現性を大幅に向上させることができる。
また、本実施の形態に係る成長装置1は、液体封止引き上げ法(Liquid Encapsulated Czochralski法:LEC法)と比べて、単結晶の引き上げ軸及び引き上げ軸の駆動機構が不要であるので、機構が簡単で安価な成長装置1を提供することができる。また、LEC法に比べて、勾配の緩い温度勾配下で結晶を成長させることができるので、欠陥密度の低い化合物半導体の単結晶を成長させることができる。
更に、本実施の形態に係る成長装置1は、蓋60とルツボ20及びサセプタ50とによって収容空間を構成すると共に、緩衝通路65を備えるので、LEC法に比べて、チャンバー80内に拡散するV族元素の量を大幅に減少させることができる。これにより、単結晶の結晶成長における原料の使用効率を向上させることができると共に、成長する単結晶の組成制御の安定性を向上させることができる。また、チャンバー80内の清掃の手間も大幅に軽減できる。
また、本実施の形態に係る成長装置1及び半導体結晶成長方法によれば、VGF法に比べて、結晶成長の初期段階において種結晶30の端部を半導体融液32に融解させることができるので、加工歪みが残存する種結晶端を容易に除去することができる。また、保持部40に種結晶30を挿入して種結晶30を固定する場合に、種結晶端から半導体融液32に融解させる量としての溶かし込み量を任意に設定できる。したがって、種結晶30から成長する結晶33に引き継がれる欠陥を減少させることができ、結晶成長の安定性及び再現性を大幅に向上させることができる。
更に、本実施の形態に係る成長装置1及び半導体結晶成長方法によれば、単純な構造のルツボ20を用いることができ、従来のVGF法に要するルツボの種結晶収容部分の寸法精度の管理が不要となり、単結晶の成長の安定性及び再現性を向上させることができる。また、VGF法で用いられる液体封止材としてのBを用いることを要さないので、成長した単結晶をルツボ20から取り出す手間を少なくすることができ、単結晶成長のスループットを大幅に向上させることができる。更には、VGF法で用いられるBを用いることを要さないので、副資材に要するコストを低減でき、かつ、ルツボの破損を防止できるので、単結晶の成長の総合的なランニングコストを大幅に低減できる。
[第2の実施の形態]
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る成長装置の断面の概略を示す。
第2の実施の形態に係る成長装置1aは、第1の実施の形態に係る成長装置1からリザーバ70を取り除いた点を除き、成長装置1と略同一の構成を備える。したがって、相違点を除き、詳細な説明は省略する。
成長装置1aにおいては、ルツボ20に半導体の原料31を充填した後、原料31の上に半導体を構成する一部の元素の原料を、所定量、直接載置する。これにより、ルツボ20がヒーター10によって加熱された場合に、原料31の上に載置された元素の原料が収容空間内に拡散して、収容空間内に充満することとなる。
[第3の実施の形態]
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る成長装置の断面の概略を示す。
第3の実施の形態に係る成長装置1bは、第1の実施の形態に係る成長装置1からリザーバ70を取り除き、液体封止剤95を用いる点と、保持部40の形状を変化させた保持部41を用いる点とを除き、成長装置1と略同一の構成を備える。したがって、相違点を除き、詳細な説明は省略する。
成長装置1bにおいては、ルツボ20に半導体の原料31を充填した後、原料31の上に液体封止剤95を所定量、充填する。液体封止剤95は、一例として、Bである。また、成長装置1bにおいては、種結晶30を保持する保持部41は、一例として、種結晶30の外周形状に対応する孔を有すると共に、断面が略円形又は略矩形若しくは略多角形の平板状に形成される。したがって、第1の実施の形態に係る成長装置1と異なり、成長装置1bに緩衝通路65は存在しない。
ここで、半導体の原料31が融解して半導体融液32となった場合、保持部41の蓋60側の表面が蓋60の突起の端部に接触する。これにより、種結晶端30aを、成長装置1bの垂直方向に沿って、蓋60のルツボ20側の表面から所定の位置に固定することができる。なお、蓋60には、サセプタ50内外の雰囲気ガスが自由に入れ替わることができる、複数の孔が設けられる。
[第4の実施の形態]
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る成長装置の断面の概略を示す。
第4の実施の形態に係る成長装置1cは、第1の実施の形態に係る成長装置1からリザーバ70及び保持部40を取り除いた点と、蓋61がルツボ20に接触している点とを除き、成長装置1と略同一の構成を備える。したがって、相違点を除き、詳細な説明は省略する。
第4の実施の形態に係る成長装置1cおいては、蓋61が種結晶30を保持すると共に、蓋61が容器としてのルツボ20に支持されることにより、種結晶30をルツボ20に対して支持する。すなわち、蓋61は、ルツボ20の開口側にルツボ端20aに接して搭載され、種結晶30が挿入される貫通穴61aを有する。そして、貫通穴61aは、蓋61の略中心、すなわち、サセプタ50の同心の位置に設けられる。貫通穴61aは、種結晶30の断面形状に対応する形に形成される。より具体的には、蓋61は、ルツボ20に面する表面の反対側の面側に筒形状の突起を有し、当該突起の中心を含む所定の領域に貫通穴61aが形成されている。そして、種結晶30は貫通穴61aに挿入され、押しネジ45によって蓋61に固定される。
なお、図示しないが、サセプタ50の外周部のうち、開口部側の外周を、その内径を蓋61の外径よりも大きくして形成してもよい。そして、蓋61の外縁部の一部に複数の凸部を設け、サセプタ50の内面のうち、その内径が蓋61の外径よりも大きい部分に蓋61の凸部に対応する凹部を形成することもできる。これにより、半導体融液32が凝固した時に結晶33の体積が膨張した場合に、蓋61に固定されている種結晶30が上方に押し上げられた場合であっても、蓋61及び種結晶30は、サセプタ50の上下方向(重力方向と水平方向)にそのまま押し上げられる。
[第5の実施の形態]
図7は、本発明の第5の実施の形態に係る成長装置の一部であるルツボと保持部との斜視図を示す。
第5実施の形態に係る成長装置1dは、第3の実施の形態に係る成長装置1bとは種結晶30の保持方法が異なる点を除き、成長装置1bと略同一の構成を備える。したがって、相違点を除き、詳細な説明は省略する。
第5の実施の形態に係る成長装置1dにおいては、複数の足部42を有する保持部42が種結晶30を保持する。具体的に、本実施の形態に係る保持部42は、種結晶30が挿入される貫通穴を有すると共に、種結晶30の長手方向に略垂直な方向に、所定の長さを有して形成される複数の足部42(例えば、足部42a、足部42b、及び足部42c)を有する。足部42はそれぞれ、ルツボ20の縁と接することにより保持部42をルツボ20に対して保持する。ここで、複数の足部42はそれぞれ、断面が略円形に形成される。なお、複数の足部42の断面形状は、略多角形上に形成することもできる。
本実施の形態においては、半導体の原料の上に液体封止剤95を充填する。結晶成長が開始されると、種結晶端30aは、原料が融解して生じた融液表面32aと接する。そして、結晶成長の進行に伴い、種結晶30を保持している保持部42は、結晶33の生成に伴う結晶33の体積膨張により、ルツボ20の開口側に持ち上がる。この場合に、サセプタ50は、サセプタ50の内部表面に、複数の足部42のそれぞれに対応した溝部をそれぞれ設けて形成することもできる。係る溝部を設けることにより、保持部42が倒れることを防止できる。
実施例1においては、第1の実施の形態に係る成長装置1を用いて、SiをドーピングしたGaAs単結晶を成長した。以下、具体的に説明する。
まず、直径160mm、直胴部の高さが280mmのpBN製のルツボ20に、別工程で合成した原料としての塊状のGaAs多結晶を24,000g充填した。更に、ルツボ20内に、ドーパントとしてのSiを7.2g載置した。続いて、このルツボ20を、サセプタ50に収容した。そして、ルツボ20を収容したサセプタ50を、成長装置1内で昇降及び回転自在なペデスタル55上に設置した。
次に、サセプタ50に蓋60をかぶせ、蓋60の中央部に設けられた貫通穴60aに、GaAsの種結晶30を挿入した。この種結晶30には、断面形状が10mm角の略四角であり、長さが180mmの<100>方位のGaAs種結晶を用いた。更に、種結晶30に押しネジ45を用いて保持部40を固定した。この状態において、種結晶30の下端(種結晶端30a)は、多結晶の原料31の表面と接触して、保持部40に固定された種結晶30が、サセプタ50に対して自立した状態となっていた。
ここで、原料31が融解した時に半導体融液32の融液表面32の位置が、原料表面31aの位置よりも下がること、及び種結晶30の先端(種結晶端30a)を半導体融液32に溶かし込むための余裕分(溶かし込み量)を考慮して、蓋60のルツボ20側とは反対側の表面よりも約20mm上方の位置に保持部40の端部(開口側)が固定されるように、保持部40を種結晶30に固定した。
すなわち、まず、蓋60の表面又はサセプタ50の端部(開口部側)、若しくはルツボ20の端部(開口側)を基準位置とする。そして、成長する半導体原料の固体の密度と成長する半導体の液体の密度との密度差、ルツボ20の内径、ルツボ20の高さ、及びルツボ20が収容できる半導体融液32又は結晶33の体積(すなわち、ルツボ20の容量)に応じて決定される距離と、種結晶30の長さ、及び予め定められた種結晶30の溶かし込み量とに基づいて、当該基準位置から所定の距離だけ上方に保持部40の開口側が位置するように、保持部40を種結晶30に固定する。なお、蓋60の裏側(ルツボ20と対する面)のリザーバ70の内部に、高純度金属Asを5g充填した。
続いて、原料31を収容したルツボ20をペデスタル55に設置した後、チャンバー80を密閉して、チャンバー80内を真空/窒素置換により窒素ガス雰囲気とした。次に、複数のヒーター10のそれぞれに通電して、複数のヒーター10を加熱することにより、ルツボ20内のGaAs多結晶を融解して、GaAsの融液を形成した。なお、原料の融解を実施するにあたり、ペデスタル55を回転させることにより、ルツボ20を1rpmの回転速度で回転させた。このルツボ20の回転は、原料31の融解から結晶成長の終了まで継続した。
また、複数のヒーター10によりルツボ20を加熱すると、チャンバー80内の雰囲気ガスが体積膨張してチャンバー80内の圧力が変化するので、ガス圧制御機能によりチャンバー80内を一定の圧力に制御した。具体的には、チャンバー80内の圧力が0.5MPaを超えないように、チャンバー80内の圧力をガス圧制御機能により自動制御した。チャンバー80内の圧力は、結晶成長中も常に0.5MPaの圧力となるように連続的に制御した。
リザーバ70に充填した高純度金属Asは、原料31としてのGaAs多結晶が融解するよりも先に昇華した。そして、昇華したAs蒸気は、細孔72から収容空間内に拡散して、収容空間に充満した。ここで、過剰なAs蒸気は、蓋60と保持部40との間に設けられた緩衝通路65を通過して、サセプタ50の外部に排出された。したがって、サセプタ50の内外の圧力は常時、略等しくなると共に、収容空間内は常時As蒸気で満たされた。これにより、GaAs多結晶が融解した後の半導体融液32としてのGaAs融液、及び種結晶30の表面からAsが解離することの抑制ができると共に、GaAs融液の組成が設計値からずれることを抑制することができた。更には、種結晶30の損傷による多結晶の発生を抑制することもできた。
また、複数のヒーター10の配置は、上下2段構造とした。すなわち、サセプタ50の側面に沿って、サセプタ50の開口部側を上として、上段ヒーターと下段ヒーターとをチャンバー80内に設置した。そして、GaAs多結晶が完全に融解して半導体融液32となった後、上段ヒーターとしてのヒーター10aの設定温度を1230℃、下段ヒーターとしてのヒーター10bの設定温度をヒーター10aの設定温度よりも高い温度である1295℃に設定した。ヒーター10a及びヒーター10bを係る設定温度に設定した後、半導体融液32の温度を安定させることを目的として、1時間保持した。
この状態で、種結晶30の先端(種結晶端30a)はGaAs融液に接して融解した。そして、係る融解に伴い保持部40は下降して、保持部40の端部は蓋60と接触した。ここで、種結晶30の全体が融解することはなく、種結晶30の先端がGaAs融液に接触している状態を保っていた。
チャンバー80内の温度及びGaAs融液の温度が安定した後、上段ヒーター及び下段ヒーターの設定温度を、−0.8℃/hrの降温速度で96時間、降下させた。その後、上段ヒーター及び下段ヒーターの温度が850℃になるまで24hr徐冷した。続いて、−20℃/hrの降温速度で上段ヒーター及び下段ヒーターの温度を400℃まで冷却して、更に、上段ヒーター及び下段ヒーターの電源を切断して上段ヒーター及び下段ヒーターの温度を室温まで冷却した。
結晶成長中においては、GaAs融液の凝固に伴う成長結晶の体積膨張により、成長結晶の表面の位置は上昇した。しかしながら、成長結晶が冷却されると、成長結晶の体積は収縮して、成長結晶の表面位置は再び下降した。係る成長結晶の表面位置の変化は、本実施例においては、約10mm以上となるが、成長装置1においては、種結晶30は保持部40と共に蓋60に対して上下自在に外部からの制御を要さずに可動するので、成長結晶の表面位置の変化に応じて種結晶30及び保持部40は、蓋60に対して上下方向に自動的に移動した。これにより、成長結晶中に実質上、問題となる歪みが生じることを防止することができた。また、緩衝通路65の機能により、種結晶30及び保持部40が蓋60に対して上下に移動した場合であっても、収容空間内はAs蒸気で常に満たされていたので、成長結晶の熱分解による表面あれなどに起因する損傷は、生じなかった。
続いて、冷却後、チャンバー80内からサセプタ50を取り出して、保持部40及び蓋60を取り外した後、ルツボ20及び成長した結晶33、すなわち、成長結晶を取り出した。なお、本実施例においては液体封止剤としてのBを用いていないので、ルツボ20の開口側を下に向けるだけで、容易に成長結晶(インゴット)を取り出すことができた。したがって、ルツボ20が損傷することもなかった。
取り出した成長結晶を詳細に観察した。その結果、成長結晶の全長にわたって、GaAsの単結晶であることが確認された。また、上述した結晶成長の成長条件と同一の結晶成長条件を用いて、連続して20回の結晶成長を実施した。その結果、全ての成長結晶が、その全長にわたって単結晶であることが確認された。
更に、本実施例において成長したGaAs単結晶のうちの1本を任意に選択して、選択したGaAs単結晶の定径部を、(100)面の円形状ウエハとして切り出した。そして、切り出した複数のウエハのそれぞれに溶融KOHによるエッチングを施すことにより、転位に対応して発生するピットの密度係数の評価を実施した。その結果、成長結晶の全長にわたって、リネージ等の欠陥の発生は存在せず、ウエハ面内の平均転位密度は3000cm−2以下であり、実用上、低位で安定していることが確認された。
また、他の19本の成長したGaAs単結晶についても、結晶の種結晶側、中央部、及び尾部からウエハを切り出して、上記と同様にピットの密度係数評価を実施したところ、いずれのウエハにおいても平均転位密度は3000cm−2以下であることが確認された。更に、run−to−runの再現性も良好であった。
実施例2においては、第2の実施の形態に係る成長装置1aを用いて、SiをドーピングしたGaAs単結晶を成長した。GaAs単結晶の成長条件は、実施例1の場合と略同様の条件を用いた。以下、実施例1との相違点を中心にして具体的に説明する。
実施例2においては、ルツボ20にGaAs多結晶を充填した後、GaAs多結晶上に3gの金属Asを直接、載置した。係る点を除き、他の成長条件は実施例1と同一にした。その結果、実施例2に係る成長装置1aは、金属Asを充填するリザーバ70を備えないものの、結晶成長の開始から終了まで収容空間内をAs蒸気雰囲気に保つことができた。そして、成長して得られたGaAs単結晶も、実施例1において得られたGaAs単結晶と同様な特性を有していた。
実施例3においては、第1の実施の形態に係る成長装置1を用いて、ZnをドーピングしたGaAs単結晶を成長した。以下、実施例1と同様な部分についての詳細な説明を除き、具体的に説明する。
まず、直径160mm、直銅部の高さが260mmのpBN製のルツボ20に、原料としての塊状のGaAs多結晶を24,000g充填した。更に、ルツボ20内に、ドーパントとしてのZnを16.8g載置した。続いて、このルツボ20を、サセプタ50に収容した。そして、ルツボ20を収容したサセプタ50を、ペデスタル55上に設置した。
次に、サセプタ50に蓋60をかぶせ、蓋60の中央部に設けられた貫通穴60aに、GaAsの種結晶30を挿入した。この種結晶30には、断面形状が10mm角の略四角であり、長さが160mmの<100>方位のGaAs種結晶を用いた。更に、種結晶30に押しネジ45を用いて保持部40を固定した。また、蓋60の裏側のリザーバ70の内部に、高純度金属Asを4g充填した。
続いて、原料31を収容したルツボ20をペデスタル55に設置した後、チャンバー80を密閉して、チャンバー80内を窒素ガス雰囲気とした。次に、複数のヒーター10のそれぞれに通電して、複数のヒーター10を加熱することにより、ルツボ20内のGaAs多結晶を融解して、GaAsの融液を形成した。なお、原料の融解を実施するにあたり、ルツボ20を2rpmの回転速度で回転させた。このルツボ20の回転は、原料31の融解から結晶成長の終了まで継続した。また、実施例1と同様に、チャンバー80内の圧力を、圧力が0.5MPaを超えないように自動制御した。チャンバー80内の圧力は、結晶成長中も常に0.5MPaの圧力となるように連続的に制御した。
リザーバ70に充填した高純度金属Asは、GaAs多結晶が融解するよりも先に昇華した。そして、昇華したAs蒸気は、細孔72から収容空間内に拡散して、収容空間を充満した。ここで、過剰なAs蒸気は、蓋60と保持部40との間に設けられた緩衝通路65を通過してサセプタ50の外部に排出された。したがって、実施例1と同様に、サセプタ50の内外の圧力は常時、略等しくなると共に、収容空間内は常時As蒸気で満たされた。
また、複数のヒーター10の配置は、上下2段構造とした。そして、GaAs多結晶が完全に融解して半導体融液32となった後、上段ヒーター(ヒーター10a)の設定温度を1230℃、下段ヒーター(ヒーター10b)の設定温度を1295℃に設定した。ヒーター10a及びヒーター10bを係る設定温度に設定した後、半導体融液32の温度を安定させることを目的として、1時間保持した。この状態で、種結晶30の先端はGaAs融液に接して融解した。そして、係る融解に伴い保持部40は下降して、保持部40の端部は蓋60と接触した。ここで、種結晶30の全体が融解することはなく、種結晶30の先端がGaAs融液に接触している状態を保っていた。
チャンバー80内の温度及びGaAs融液の温度が安定した後、サセプタ50を2mm/hrの上昇速度で上昇させつつ、上段ヒーター及び下段ヒーターの設定温度を、−0.3℃/hrの降温速度で48時間、降下させた。その後、サセプタ50の上昇を停止して、上段ヒーター及び下段ヒーターの設定温度を、−0.8℃/hrの降温速度で更に46時間、降下させた。続いて、上段ヒーター及び下段ヒーターの温度が900℃になるまで24hr徐冷した。そして、−20℃/hrの降温速度で上段ヒーター及び下段ヒーターの温度を400℃まで冷却して、更に、上段ヒーター及び下段ヒーターの電源を切断して上段ヒーター及び下段ヒーターの温度を室温まで冷却した。
そして、冷却後、チャンバー80内からサセプタ50を取り出して、保持部40及び蓋60を取り外した後、ルツボ20及び成長結晶を取り出した。本実施例においては液体封止剤としてのBを用いていないので、ルツボ20の開口側を下に向けるだけで、容易に成長結晶を取り出すことができた。したがって、ルツボ20が損傷することもなかった。
取り出した成長結晶を詳細に観察した。その結果、成長結晶の全長にわたって、GaAsの単結晶であることが確認された。また、上述した結晶成長の成長条件と同一の結晶成長条件を用いて、連続して10回の結晶成長を実施した。その結果、全ての成長結晶が、その全長にわたって単結晶であることが確認された。
更に、本実施例において成長したGaAs単結晶のうちの1本を任意に選択して、選択したGaAs単結晶の定径部を、(100)面の円形状ウエハとして切り出した。そして、切り出した複数のウエハに溶融KOHによるエッチングをそれぞれ施すことにより、転位に対応して発生するピットの密度係数の評価を実施した。その結果、成長結晶の全長にわたって、リネージ等の欠陥の発生は存在せず、ウエハ面内の平均転位密度は5000cm−2以下であり、実用上、低位で安定していることが確認された。
また、他の9本の成長したGaAs単結晶についても、結晶の種結晶側、中央部、及び尾部からウエハを切り出して、上記と同様にピットの密度係数評価を実施したところ、いずれのウエハにおいても平均転位密度は5000cm−2以下であることが確認された。更に、run−to−runの再現性も良好であった。
実施例4においては、第3の実施の形態に係る成長装置1bを用いて、CをドーピングしたGaAs単結晶を成長した。以下、具体的に説明する。
まず、直径160mm、直銅部の高さが300mmのpBN製のルツボ20に、別工程で合成した原料としての塊状の炭素(C)ドープのGaAs多結晶を24,000g、及び液体封止剤としてのBを400g充填した。続いて、このルツボ20を、サセプタ50に収容した。そして、ルツボ20を収容したサセプタ50を、成長装置1b内で昇降及び回転自在なペデスタル55上に設置した。
次に、サセプタ50に蓋60をかぶせ、蓋60の中央部に設けられた貫通穴60aに、GaAsの種結晶30を挿入した。この種結晶30には、断面形状が10mm角の略四角であり、長さが180mmの<100>方位のGaAs種結晶を用いた。更に、種結晶30に押しネジ45を用いて保持部41を固定した。この状態において、種結晶30の下端は、液体封止剤表面と接触して、種結晶30が、サセプタ50に対して自立した状態となっていた。
ここで、原料31が融解した時に半導体融液32の融液表面32の位置が、原料表面31aの位置よりも下がること、及び種結晶30の先端(種結晶端30a)を半導体融液32に溶かし込むための余裕分(溶かし込み量)を考慮して、蓋60のルツボ20側とは反対側の表面よりも約20mm以上の上方の位置に保持部41の表面が固定されるように、保持部41を種結晶30に固定した。また、サセプタ50内の雰囲気ガスをサセプタ50内外に自由に入れ替えることを目的として、本実施例に係る蓋60には複数の孔を設けた。
続いて、原料31を収容したルツボ20をペデスタル55に設置した後、チャンバー80を密閉して、チャンバー80内を一酸化炭素ガスを5%含有する窒素ガス雰囲気とした。次に、複数のヒーター10のそれぞれを通電して、複数のヒーター10を加熱することにより、ルツボ20内のGaAs多結晶を融解して、GaAsの融液を形成した。なお、原料の融解を実施するにあたり、ルツボ20を1rpmの回転速度で回転させた。このルツボ20の回転は、原料31の融解から結晶成長の終了まで継続した。
また、ガス圧制御機能によりチャンバー80内を一定の圧力に制御した。具体的には、チャンバー80内の圧力が0.5MPaを超えないように、チャンバー80内の圧力をガス圧制御機能により自動制御した。チャンバー80内の圧力は、結晶成長中も常に0.5MPaの圧力となるように連続的に制御した。
ルツボ20に収容したBは、GaAs多結晶が融解するよりも先に軟化した。そして、軟化したBは、GaAs多結晶の表面の全域を覆った。これにより、GaAs多結晶及びGaAs多結晶が融解して生じたGaAs融液、並びにB中に存在する種結晶30の表面からAsが解離することを抑制できた。したがって、GaAs融液の組成が設計値からずれることを抑制することができ、かつ、種結晶30の損傷による多結晶の発生を抑制することもできた。
また、複数のヒーター10の配置は、実施例1と同様に上下2段構造とした。そして、GaAs多結晶が完全に融解して半導体融液32となった後、ヒーター10aの設定温度を1230℃、ヒーター10bの設定温度を1295℃に設定した。ヒーター10a及びヒーター10bを係る設定温度に設定した後、半導体融液32の温度を安定させることを目的として、1時間保持した。この状態で、種結晶30の先端(種結晶端30a)はGaAs融液に接して融解した。そして、係る融解に伴い保持部41は下降して、保持部41のサセプタ50側の表面が蓋60と接触した。ここで、種結晶30の全体が融解することはなく、種結晶30の先端がGaAs融液に接触している状態を保っていた。
チャンバー80内の温度及びGaAs融液の温度が安定した後、上段ヒーター及び下段ヒーターの設定温度を、−0.8℃/hrの降温速度で96時間、降下させた。その後、上段ヒーター及び下段ヒーターの温度が850℃になるまで24hr徐冷した。続いて、−20℃/hrの降温速度で上段ヒーター及び下段ヒーターの温度を400℃まで冷却して、更に、上段ヒーター及び下段ヒーターの電源を切断して上段ヒーター及び下段ヒーターの温度を室温まで冷却した。
結晶成長中においては、実施例1と同様に、成長結晶の表面の位置は上下動する。ここで、成長装置1bにおいては、種結晶30は保持部41と共に蓋60に対して上下自在に可動するので、成長結晶の表面位置の変化に応じて種結晶30及び保持部41は、蓋60に対して上下方向に移動した。これにより、成長結晶中に実質上、問題となる歪みが生じることを防止することができた。
続いて、冷却後、チャンバー80内からサセプタ50を取り出して、保持部41及び蓋60を取り外した後、ルツボ20を取り出した。そして、ルツボ20を湯に浸漬することによりBを除去し、成長結晶を取り出した。
取り出した成長結晶を詳細に観察した。その結果、成長結晶の全長にわたって、GaAsの単結晶であることが確認された。更に、GaAs単結晶の定径部を、(100)面の円形状ウエハとして複数枚、切り出した。そして、切り出した各ウエハに溶融KOHによるエッチングを施すことにより、転位に対応して発生するピットの密度係数の評価を実施した。その結果、成長結晶の全長にわたって、リネージ等の欠陥の発生は存在せず、ウエハ面内の平均転位密度は5000cm−2以下であり、実用上、低位で安定していることが確認された。
更に、切り出したウエハの比抵抗を、van der pauw法(Pauw法)により測定した。その結果、種結晶側のウエハ面内平均で1.1×10Ω・cm、尾部側のウエハ面内平均で3.3×10Ω・cmという値を示し、成長したGaAs単結晶は、全域にわたって半絶縁性の特性であることが確認された。更に、本実施例と同一の結晶成長条件で、連続して10回の結晶成長を実施し、上記と同様に成長結晶の特性を調査した。その結果、各ロットにおいて得られたGaAs単結晶は、上述した結果と同様の結果を示しており、run−to−runの再現性が得られることを確認した。
なお、実施例1から4においては、Si、Zn、又はCをドーピングしたGaAs単結晶について述べたが、ドーパントはこれらの材料に限られない。例えば、n型ドーパントとしてのSe、又はSや、p型ドーパントとしてのMg等をドーピング材料として用いることもできる。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
第1の実施の形態に係る成長装置の断面図である。 (a)から(c)は、第1の実施の形態に係る成長装置における結晶成長の進行の概要を示す図である。 第1の実施の形態に係る半導体結晶成長のフローを示す図である。 第2の実施の形態に係る成長装置の断面図である。 第3の実施の形態に係る成長装置の断面図である。 第4の実施の形態に係る成長装置の断面図である。 第5の実施の形態に係る成長装置の一部であるルツボと保持部との斜視図である。
符号の説明
1、1a、1b、1c、1d 成長装置
10、10a、10b ヒーター
20 ルツボ
20a ルツボ端
30 種結晶
30a 種結晶端
31 原料
31a 原料表面
32 半導体融液
32a 融液表面
33 結晶
33a 結晶表面
34 金属材料
40、41、42 保持部
40a、40c 空間
40b 接触面
42a、42b、42c 足部
45 押しネジ
50 サセプタ
55 ペデスタル
60、61 蓋
60a 貫通穴
65 緩衝通路
70 リザーバ
72 細孔
80 チャンバー
90 断熱材
95 液体封止剤

Claims (20)

  1. 容器に半導体の原料を充填する原料充填工程と、
    前記容器又は前記容器に設置される支持部材により前記半導体の種結晶を支持する種結晶支持工程と、
    前記原料を収容した前記容器を加熱して、前記原料を融液とする原料溶融工程と、
    前記融液の温度を降下させて、前記種結晶側から前記容器の他端に向けて前記融液を徐々に固化させることにより前記半導体の単結晶を成長する結晶成長工程と
    を備える半導体結晶成長方法。
  2. 前記種結晶支持工程は、前記種結晶を、前記容器に対して上下方向に自由に可動できるように支持する
    請求項1に記載の半導体結晶成長方法。
  3. 前記種結晶支持工程は、蓋を有する前記容器又は前記支持部材により、前記半導体の種結晶を前記容器に支持する
    請求項1又は2に記載の半導体結晶成長方法。
  4. 前記種結晶支持工程は、前記種結晶を、前記容器の昇降及び/又は回転に応じて前記容器と共に自由に可動できるように支持する
    請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体結晶成長方法。
  5. 前記結晶成長工程は、前記種結晶を前記容器と共に回転して前記単結晶を成長する
    請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体結晶成長方法。
  6. 前記結晶成長工程は、前記融液を収容する収容空間を、前記容器又は前記支持部材と前記蓋とで略気密な構造として前記単結晶を成長する
    請求項3に記載の半導体結晶成長方法。
  7. 前記結晶成長工程は、前記容器又は前記支持部材と前記蓋とで構成される前記融液を収容する収容空間を、外部の空間と緩衝通路(ラビリンス構造)で連結して前記単結晶を成長する
    請求項3に記載の半導体結晶成長方法。
  8. 前記結晶成長工程は、前記容器又は前記支持部材と前記蓋とで構成される前記融液を収容する収容空間を、少なくとも結晶成長の初期段階において前記半導体の構成元素の一部の蒸気で満たす
    請求項3、6、又は7のいずれか1項に記載の半導体結晶成長方法。
  9. 前記結晶成長工程は、前記半導体の構成元素の一部の蒸気を発生させる原料保持部を有する前記容器又は前記支持部材と前記蓋とで構成され前記融液を収容する収容空間で前記単結晶を成長する
    請求項3、7、又は8のいずれか1項に記載の半導体結晶成長方法。
  10. 前記結晶成長工程は、前記融液を収容した前記容器を圧力容器内に設置し、前記融液を収容した前記容器の内外の圧力が略等しくなるように加圧して前記単結晶を成長する
    請求項3、又は請求項6から9のいずれか1項に記載の半導体結晶成長方法。
  11. 前記結晶成長工程は、前記容器の前記種結晶を支持している側の一端を、前記容器の他端よりも低温に保持しつつ、前記融液の温度を降下させる
    請求項1から10のいずれか1項に記載の半導体結晶成長方法。
  12. 容器に収容された半導体の融液に前記半導体の種結晶を浸漬して、前記融液を単結晶化して単結晶層を形成する工程と、
    前記単結晶層の表面の上昇によって前記種結晶に外力を付さずに前記種結晶を前記容器に対して上昇させる工程と
    を備える半導体結晶成長方法。
  13. 開口部と底部とを有し、半導体の融液を収容する容器
    を備え、
    前記容器又は前記容器に設置される支持部材により、前記半導体の種結晶を支持する
    半導体結晶成長装置。
  14. 前記容器又は前記支持部材は、前記開口部の少なくとも一部を塞ぐ蓋を有しており、
    前記蓋は、前記蓋又は前記蓋の一部により前記種結晶を支持する
    請求項13に記載の半導体結晶成長装置。
  15. 前記容器又は前記支持部材は、前記種結晶を前記容器に対して上下方向に自由に可動できるように支持する
    請求項13又は14に記載の半導体結晶成長装置。
  16. 前記容器又は前記支持部材は、前記種結晶を、前記容器の昇降及び/又は回転に応じて前記容器と共に自由に可動できるように支持する
    請求項13又は14に記載の半導体結晶成長装置。
  17. 前記蓋と、前記容器又は前記支持部材とで前記融液を収容する収容空間を構成し、
    前記収容空間は、略気密な構造を有する
    請求項14に記載の半導体結晶成長装置。
  18. 前記蓋と、前記容器又は前記支持部材とで前記融液を収容する収容空間を構成し、
    前記収容空間は、外部の空間と緩衝通路(ラビリンス構造)で連結する
    請求項14に記載の半導体結晶成長装置。
  19. 前記半導体の構成元素の一部の蒸気を発生させる原料保持部
    を更に備え、
    前記原料保持部は、前記容器又は前記支持部材と前記蓋とで構成され前記融液を収容する収容空間内に配置される
    請求項14、17、又は18のいずれか1項に記載の半導体結晶成長装置。
  20. 前記融液を収容する容器は、圧力容器内に設置される
    請求項13から19のいずれか1項に記載の半導体結晶成長装置。
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