JP2009132162A - 積層フィルム及びその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリエステルフィルムにアンカーコート処理することなく、また押出ラミネート樹脂の溶融膜にオゾン処理を施すことなく、ポリエステルフィルムに直接押出ラミネートして層間接着性に優れた積層フィルムを得る。
【解決手段】 ポリエステルフィルムに、エチレン・不飽和カルボン酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、又はこれとエチレン・不飽和カルボン酸共重合体及び/又はエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体であって、共重合体樹脂全成分量に対して不飽和カルボン酸成分量が1〜12重量%、(メタ)アクリル酸エステル成分量が2〜25重量%である共重合体樹脂を押出ラミネートしてなる積層フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエステルフィルムにエチレン共重合樹脂を押出ラミネートすることによって得られるポリエステル面との層間接着性に優れたポリエステル積層フィルムおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、ポリエステルフィルムへのアンカーコート処理やラミネート樹脂膜へのオゾン処理などを施すことなく、押出ラミネート加工によって層間接着性に優れたポリエステル積層フィルムを製造する方法及びそれによって得られる積層フィルムに関する。
ポリエステルフィルム、とくに2軸延伸ポリエステルフィルムは、透明性、強靭性、酸素バリアー性等が優れるところから、各種食品や産業資材等の包装材料の基材として多用されている。実際にはポリエステルフィルムに対して補強的役割を果たす他基材、例えばポリアミドフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体、アルミ箔、アルミ蒸着ポリエステルフィルム、無機物蒸着ポリエステルフィルム、紙などをさらに積層したり、ヒートシール性付与のためにヒートシール性樹脂層を積層して使用することが一般的である。
このような積層フィルムの積層方法としては、ドライラミネート法、ウエットラミネート法、押出ラミネート法等があるが、この中では製造コスト、効率面で最も有利な押出ラミネート法が広く採用されている。ここでポリエステルフィルムと他基材との積層あるいはポリエステルフィルムへのヒートシール層の積層は、前者においてはポリエステルフィルムと他基材間へ接着樹脂を押出ラミネートする方法、後者においてはポリエステルフィルムへヒートシール樹脂を押出ラミネートする方法によって製造することができる。
この場合、ポリエステルフィルムとラミネート樹脂との層間接着を強固にするために、(1)ポリエステルフィルム面に予めアンカーコート剤を塗布した後に押出ラミネートする方法や、(2)押出ラミネートする際に、その樹脂溶融膜の押出ラミネート接着面に対するオゾン処理とポリエステルフィルム面に対するコロナ処理やフレーム処理等の表面酸化処理を併用する方法のいずれかの方法を採用するのが一般的であり、これらの方法以外ではそれ程高い層間接着性が得られなかった。
ところが(1)の方法では、アンカーコート剤に使用する酢酸エチルやトルエン等の希釈有機溶剤の押出ラミネート時飛散に基づく作業環境悪化、比較的高価なアンカーコート剤を使用することによる製造コスト上昇、最終製品(包装材)内の残留有機溶剤による臭気等の問題を有している。また(2)の方法は、押出ラミネート加工のプロセス中に高価なオゾン処理機と表面酸化処理機を併設する必要があり、製造者にとって余分な設備投資と製造のための稼動コストがかかるという問題点を有していた。
したがって従来必須と考えられていたアンカーコート剤やオゾン処理機を使用することなく、押出ラミネート法によって層間接着性良好なポリエステル積層フィルムを製造する方法の出現が包装関連業界から渇望されている現状にあった。そこで本発明者は上記要望を満たすべく鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を有する樹脂をポリエステルフィルムに押出ラミネートするときにアンカーコート剤やオゾン処理機の使用を省略することができることを見出し、本発明に到達した。

特開平02−276637号公報 特開平07−090093号公報
したがって本発明の目的は、ポリエステルフィルムに積層し、あるいはポリエステルフィルムと他基材フィルムとを積層するに際し、押出ラミネート法により層間接着性に優れた積層フィルムを得る方法及びそれによって得られる積層フィルムを提供することにある。
すなわち本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、エチレン・不飽和カルボン酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体又はこれとエチレン・不飽和カルボン酸共重合体及び/又はエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体との混合樹脂組成物を押出ラミネートしてなる積層フィルムであって、前記押出ラミネート樹脂全成分量に対して不飽和カルボン酸成分量が1〜12重量%、(メタ)アクリル酸エステル成分量が2〜25重量%を占めることを特徴とする積層フィルムに関する。
本発明はまた、表面酸化処理され、表面濡れ張力が45dyn/cm以上のポリエステルに、上記押出ラミネート樹脂を280〜340℃の樹脂温度で押出ラミネートする上記積層フィルムの製造方法に関する。
本発明で使用されるポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、透明性、耐熱性、強靭性、ガスバリアー性等の観点から、酸成分が芳香族ジカルボン酸であるもの、とりわけテレフタル酸または2、6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
またポリエステルを構成するジヒドロキシ化合物成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4ーブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールのような脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジオールのような脂環族ジオール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のような芳香族ジヒドロキシ化合物を例示することができる。これらの中では、エチレングリコールまたは1,4ーブタンジオールが好ましい。
代表的なポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンー2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレートなどを挙げることができる。
このようなポリエステルとしてはまた、トリフルオロ酢酸/二塩化メタンの47/53(容量比)混合溶媒中、0.4g/100mlの濃度、20℃で測定した固有粘度が0.5〜1.4dl/g、とくに0.6〜1.0dl/gの範囲にあるものが好ましい。また融点(示差走査熱量計に基づく最大吸熱ピークを示す温度)が210℃以上、とくに220℃以上のものが好ましい。
ポリエステルフィルムとしては、公知のTダイキャストフィルム法によって上記ポリエステルからなる単層フィルムとして、あるいは共押出方式のTダイキャストフィルム法によって2種以上のポリエステルやポリエステル以外の他樹脂を使用した共押出フィルムとして工業的に製造することができる。これらは無延伸のものでもよいが、包装材料の基材フィルムとしての適性を上げるため1軸延伸や2軸延伸などの延伸処理を施されたものを使用するのがよく、これらは市場で入手することができる。とくにフィルムの強靭性、透明性、耐熱性、ガスバリアー性等が著しく向上するところから、2軸延伸フィルムを使用するのが好ましい。
本発明において、このようなポリエステルフィルムに押出ラミネートする樹脂として、エチレン・不飽和カルボン酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体又はこれとエチレン・不飽和カルボン酸共重合体及び/又はエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体との混合樹脂組成物であって、樹脂全成分量に対して不飽和カルボン酸成分量が1〜12重量%、(メタ)アクリル酸エステル成分量が2〜25重量%を占めるものが使用される。すなわちエチレン・不飽和カルボン酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体を単独で使用するか、これにエチレン・不飽和カルボン酸共重合体及びエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の一方または双方を配合した混合樹脂として使用するかのいずれかであり、いずれにしても押出ラミネート樹脂として、不飽和カルボン酸成分が1〜12重量%、好ましくは2〜6重量%、(メタ)アクリル酸エステル成分が2〜25重量%、好ましくは6〜20重量%となるように調整されたものが使用される。
ここに不飽和カルボン酸成分量が上記範囲より少ないと、押出ラミネート樹脂の極性低下に基づき、ポリエステルフィルムとアルミニウム箔等の他の極性基材との接着層として使用する場合において、当該他の極性基材との接着性が劣るため積層フィルムとしての実用性に悪影響を及ぼす場合があり、好ましくない。また不飽和カルボン酸含量が上記範囲を越えると、樹脂の耐熱性が低下し、押出ラミネート加工時に脱水架橋反応に基づく未溶融物の発生や水分による発泡が顕著になるため好ましくない。また(メタ)アクリル酸エステル成分量が上記範囲より少ないと、押出ラミネート樹脂とポリエステルフィルムの親和性が低下し、ポリエステルとの接着性が低下するので好ましくない。また(メタ)アクリル酸エステル成分量が上記範囲を越えると、押出ラミネート加工時のべたつき増加による加工適性低下のため好ましくない。
上記エチレン・不飽和カルボン酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体における不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、無水マレイン酸などを例示することができる。これらの中では、アクリル酸またはメタクリル酸の共重合体を使用するのが特に好ましい。また上記共重合体における(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを意味するもので、具体的にはメチル、エチル、nーブチル、イソブチル、2−エチルヘキシル、イソオクチルなどのエステルを例示することができる。かかる共重合体における不飽和カルボン酸含量は、1〜15重量%、とくに2〜12重量%、(メタ)アクリル酸エステル含量は、4〜25重量%、とくに6〜20重量%共重合されていることが望ましい。このような共重合体としてはまた、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR)が0.5〜100g/10分、とくに1〜50g/10分のものが好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体とともに用いることができるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、エチレンと、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、無水マレイン酸などとの共重合体を例示することができる。これらの中では、エチレン・アクリル酸共重合体又はエチレン・メタクリル酸共重合体を使用するのがとくに好ましい。これら共重合体における不飽和カルボン酸含量は、1〜15重量%、とくに2〜12重量%の範囲にあることが好ましい。このような共重合体としてはまた、190℃、2160g荷重におけるMFRが0.5〜100g/10分、とくに1〜50g/10分のものが好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体とともに用いることができるエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、エチレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体であり、そのエステル成分としては、メチル、エチル、nーブチル、イソブチル、2−エチルヘキシル、イソオクチルなどのエステルを例示することができる。このような共重合体としてはまた、190℃、2160g荷重におけるMFRが0.5〜100g/10分、とくに1〜50g/10分のものが好ましい。
これらエチレン共重合体は、高温、高圧下のラジカル共重合によって得ることができる。
本発明において、押出ラミネート樹脂は、押出ラミネート加工性を考慮すると、190℃、2160g荷重におけるMFRが、0.5〜100g/10分、とくに1〜50g/10分に調整されていることが望ましい。
上記押出ラミネート樹脂には必要に応じ各種添加剤が配合されていてもよい。例えばこのような添加剤として、酸化防止剤、熱安定剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤などを例示することができる。より具体的には、スリップ剤及び又はブロッキング防止剤として、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のアミド類、例えばステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイルパルミトアミド、ステアリルエルカアミド、N,N’−エチレンビスエルカアミドなど、水添ひまし油、シリカなどの1種又は2種以上用いることができる。これらの使用量は、押出ラミネート樹脂100重量部当り、0.1〜5重量部、とくに0.3〜3重量部の範囲が好ましい。
本発明における積層フィルムは、従来から公知の押出ラミネーターを使用することによって製造することができる。以下、本発明における最も単純な構成であって、代表的な実施態様である2軸延伸ポリエステルフィルム/押出ラミネート樹脂からなる二層構成の積層フィルムの製造方法について詳述する。
基材フィルム繰り出し部より2軸延伸ポリエステルフィルムを一定速度で繰り出し、ラミネート部に導く。ラミネート部では、シリンダー内で所定温度に加熱溶融され、連続的にTダイスから薄膜状に押出されたラミネート樹脂の溶融薄膜を前記2軸延伸ポリエステルフィルム面上に直接垂らし、冷却ロールと圧着ロール間で2軸延伸ポリエステルフィルムとラミネート樹脂とを圧着及び冷却を同時に行った後に、巻取り部で製品として巻き取る方法が採られる。
2軸延伸ポリエステルフィルムの被ラミネート面は、押出ラミネート樹脂との充分な接着力発現のため、表面濡れ張力が45dyn/cm以上とされていることが好ましく、50dyn/cm以上であることがさらに好ましい。表面濡れ張力が45dyn/cm未満では上記接着力が不足気味となるので好ましくない。2軸延伸ポリエステルフィルムの表面濡れ張力を前記レベルにするためには、フィルムの表面酸化処理を行えばよく、コロナ処理やフレーム処理のような公知の方法によって工業的に行うことができる。このような表面酸化処理は、2軸延伸ポリエステルフィルムの製造段階で実施しても良く、あるいは前記押出ラミネート工程内でラミネート直前に行ってもよい。
押出ラミネート加工時の押出温度としては、Tダイ直下で測定される樹脂温度として280〜340℃、とくに300〜330℃の範囲にすることが好ましい。この樹脂温度が280℃未満ではラミネート樹脂とポリエステルフィルムとの接着力が充分でなく、また340℃を越えるとラミネート樹脂の熱劣化が顕著になるため好ましくない。
ポリエステルフィルムと上記押出ラミネート樹脂からなる2層積層フィルムは、ラミネート樹脂がポリエステルフィルムとの層間接着性に優れ、かつヒートシール性やホットタック性に優れるため、各種食品や産業資材等のピロー包装用フィルムをはじめとして、他のプラスチックフィルムやシート、紙、金属、木材等へのサーマルラミ用フィルムとして幅広く利用することができる。
本発明の積層フィルムにおいては、ポリエステルフィルムにラミネート樹脂を介して補強的役割を果たす他の極性基材をさらに積層させることができる。このような極性基材として、例えば、アルミ箔、アルミ蒸着ポリエステルフィルム、アルミ蒸着ポリプロピレンフィルム、シリカ蒸着ポリエステルフィルム、アルミナ蒸着ポリエステルフィルム等の金属やセラミック表面を有するもの、ポリアミド、エチレン・ビニルアルコール共重合体等のプラスチックフィルム、紙などを挙げることができる。
このような極性基材をさらに積層する場合は、前記押出ラミネート法のごとく、ポリエステルフィルムを繰り出し部からラミネート部まで送り込み、ラミネート樹脂をポリエステルフィルムと積層させると同時に、ラミネート樹脂とポリエステルフィルムとの積層面の反対面側からも前記極性基材フィルムを送り込み、ラミネート樹脂とさらに積層させる、所謂、押出サンドラミネート法により製造することが可能である。このサンドラミネート法においては、上記手順とは逆に、極性基材を繰り出し部からラミネート部まで送り込み、押出ラミネート樹脂をこれら極性基材と積層させると同時にラミネート樹脂と極性基材との積層面の反対面側からポリエステルフィルムを送り込み、ラミネート樹脂とさらに積層させる押出サンドラミネート法でも製造可能である。
以上のポリエステルフィルムと各種極性基材とを、上記押出ラミネート樹脂を介して積層させたものとして、以下に代表例を列挙する。尚、極性基材の押出ラミネート面は、必要に応じて表面酸化処理を行うことができるが、通常、本発明におけるラミネート樹脂は、これら極性基材に無処理で良好な押出ラミネート強度を発現する傾向にあるため、表面酸化処理設備は、2軸延伸ポリエステルフィルムの押出ラミネート面側にのみの設置で充分である。
(a)O−PET/EX/アルミ箔
(b)O−PET/EX/アルミ蒸着ポリエステル
(c)O−PET/EX/アルミ蒸着ポリプロピレン
(d)O−PET/EX/アルミナ蒸着ポリエステル
(e)O−PET/EX/エチレン・ビニルアルコール共重合体
(f)O−PET/EX/紙
尚、O−PETは2軸延伸ポリエステルフィルム、EXは押出ラミネート樹脂を示す。
勿論、実用上の必要性に応じてさらに他の基材フィルムが積層されていてもよく、そのためには押出ラミネーターの繰返し使用、タンデムラミネーターの使用、ドライラミネーターの使用などの公知の方法によって所望の積層フィルムを得ることができる。
これら積層フィルムの厚みにはとくに制限はないが、通常、ポリエステルフィルムが1〜1000μm、押出ラミネート樹脂層が3〜300μmのものが使用される。
以下に本発明の効果を説明するために、実施例及び比較例を示す。尚、各実施例、比較例において使用したラミネート樹脂原料、積層フィルムの製造方法、積層フィルムの評価方法は以下のとおりである。
1.ラミネート樹脂原料
(A−1)エチレン・メタクリル酸・アクリル酸イソブチル共重合体(1)
メタクリル酸含量4重量%、アクリル酸イソブチル含量15重量%、MFR 27g/10分
(A−2)エチレン・メタクリル酸・アクリル酸イソブチル共重合体(2)
メタクリル酸含量11重量%、アクリル酸イソブチル含量8重量%、MFR 30g/10分
(B−1)エチレン・メタクリル酸共重合体(1)
メタクリル酸含量4重量%、MFR7g/10分
(B−2)エチレン・アクリル酸共重合体(2)
アクリル酸含量5重量%、MFR8g/10分
(C−1)ポリエチレン(1)
密度917kg/m3、MFR7.0g/10分
(D−1)エチレン・アクリル酸エチル共重合体(1)
アクリル酸エチル含量9重量%、MFR5g/10分
2.積層フィルム製造方法
2−1積層フィルム構成
積層構成(1):O−PET/ラミネート樹脂(25μm)
積層構成(2):O−PET/ラミネート樹脂(25μm)/基材フィルム(イ)
積層構成(3):O−PET/ラミネート樹脂(25μm)/基材フィルム(ロ)
O−PET:2軸延伸ポリエステルフィルム(12μm)東レ(株)製P60
(片面コロナ処理品)
基材フィルム(イ):アルミ箔(7μm)/2軸延伸ポリエステルフィルム(1 2μm)
基材フィルム(ロ):ポリエチレン(20μm)/アンカーコート剤/2軸延 伸ポリエステルフィルム(12μm)
2−2押出ラミネート方法
所定組成に調製した樹脂ペレットを2軸延伸ポリエステルフィルム上に押出ラミネーターによって溶融押出しし、下記製造条件において上記積層構成(1)、(2)及び(3)の積層フィルムを製造した。
押出ラミネーター:65mmφ押出機、Tダイ開口幅500mm
押出ラミネーター加工速度:80m/min
押出樹脂温度:270〜350℃(Tダイ直下部の樹脂温度を接触式温度計で 測定)
エアーギャップ:120mm
尚、積層構成(1)の場合は、2軸延伸ポリエステルフィルムを繰り出し、ラミネート樹脂を押出ラミネートした。積層構成(2)及び(3)の場合は、2軸延伸ポリエステルフィルムを繰り出し、ラミネート樹脂を基材フィルム(1)及び(2)とサンドラミネートした。
3.評価項目と評価方法
3−1ラミネート樹脂の押出ラミネート加工性
前記2−2における押出ラミネート加工時のラミネート膜の安定性を目視で評価した。この目視観察では、加工速度80m/min、押出ラミネート厚さ25μmでの積層フィルムサンプリング時の状況及び加工速度80m/min、押出ラミネート厚さ25μmでの押出条件を保ち、加工速度のみを徐々に上昇させていった場合の最高加工速度を評価した。押出ラミネート加工性の目標は、前記最高加工速度が200m/min以上とし、これ以下では実用不可レベルと判断した。
3−2ポリエステルフィルムとラミネート樹脂の接着性
押出ラミネート製造2日後の試料(積層構成(3))について、試料幅15mm、剥離角度90度、引張速度300mm/minの条件下で測定した。尚、ポリエステルフィルムラミネート面の表面酸化度は、表面濡れ張力の測定値によって判断した。表面濡れ張力測定には、濡れ張力測定液(和光純薬(株)製)を使用した。接着強度の目標値は3N/15mmとし、これ以下の接着強度では実用不可レベルと判断した。
3−3アルミ箔とラミネート樹脂の接着性
押出ラミネート製造1日後の試料(積層構成(2))について、試料幅15mm、剥離角度90度、引張速度300mm/minの条件で測定した。接着強度の目標値は2N/15mmとし、これ以下の接着強度では実用不可レベルと判断した。
3−4積層フィルムのヒートシール性
ヒートシーラーを用いて試料(積層構成(1))のラミネート樹脂面同士をヒートシールし、そのヒートシール強度を測定した。ヒートシーラーは、片面加熱バーシーラー(東洋精機(株)製)を使用し、シール圧力0.2MPa(実圧)、シール時間0.5秒間とした。ヒートシールの目標値は、最大強度が30N/15mm以上とし、これ以下では実用不可レベルと判断した。
[実施例1]
押出ラミネート樹脂として(A−1)エチレン・メタクリル酸・アクリル酸イソブチル共重合体(1)と(B−1)エチレン・メタクリル酸共重合体(1)を、表1に示す比率で配合した樹脂組成物を用いて前記2.の積層フィルム製造方法により積層構成(1)、(2)、(3)を夫々作成し、前記3.の評価項目と評価方法に従い、押出ラミネート加工適性、ポリエステルフィルム接着力、アルミ箔接着力及びヒートシール強度を評価した。
なお、押出ラミネート加工に当っては、樹脂温度300℃とし、ポリエステルフィルムのコロナ処理面側に上記樹脂組成物を押出ラミネート加工した。結果を表1に示す。
[実施例2]
押出ラミネート加工樹脂温度を320℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法・条件で積層フィルムを作成し、押出ラミネート加工適性及び物性を評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
押出ラミネート加工樹脂温度を270℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法・条件で積層体の作成及び評価を行なった。得られた積層フィルムはポリエステルフィルムとの接着力が0.1N/15mmと極めて低く、ヒートシール強度も実用レベルに到達せず、包装材料として不適と判断した。結果を表1に示す。
[比較例2]
押出ラミネート加工樹脂温度を350℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法・条件で押出ラミネート加工した。しかしこの場合、押出ラミネート加工時に樹脂組成物が発泡を起こし、溶融状態のラミネート膜に穴が開いたため、積層フィルムのサンプリング及び評価が不能であった。結果を表1に示す。
[比較例3]
ポリエステルフィルムのラミネート面を未コロナ処理面側(表面濡れ張力は44dyn/cm)とし、樹脂温度を320℃とした以外はすべて実施例1と同様の方法・条件で積層フィルムの作成及び物性評価を行なった。得られた積層フィルムはポリエステルフィルムとの接着力が0.8N/15mmと極めて低く、ヒートシール強度も実用レベルに到達せず、包装材料として不適と判断した。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、押出ラミネート樹脂として(A−2)エチレン・メタクリル酸・アクリル酸イソブチル共重合体(2)を単独で用いた以外はすべて実施例1と同様の方法・条件で積層フィルムの作成及び物性評価を行なった。結果を表1に示す。
[比較例4]
押出ラミネート樹脂として(B−2)エチレン・アクリル酸共重合体(2)を単独で用い、樹脂温度を310℃に変更した以外はすべて実施例1と同様の方法・条件で評価を行なった。得られた積層体はポリエステルフィルムとの接着力が0.6N/15mmと極めて低く、ヒ―トシ―ル強度も実用レベルに到達せず、包装材料として不適と判断した。結果を表2に示す。
[比較例5]
押出ラミネート樹脂として(C−1)ポリエチレンを単独で用いた以外はすべて実施例1と同様の方法・条件で評価を行なった。得られた積層体はポリエステルフィルムとの接着力が2.6N/15mmで、やや目標強度に未達であり、且つアルミ箔接着強度が実用レベルに到達せず、包装材料として不適と判断した。
[比較例6]
押出ラミネート樹脂として(D−1)エチレン・アクリル酸エチル共重合体(1)を単独で用いた以外はすべて実施例1と同様の方法・条件で評価を行なった。得られた積層体はポリエステルフィルムとの接着力が0.9N/15mmと極めて低く、且つアルミ箔接着強度も極めて低く、包装材料として不適と判断した。
表1〜2から明らかなように、本発明の樹脂組成物を所定の押出ラミネート加工方法・条件によってポリエステルフィルムに押出ラミネートすることで、実用上充分なポリエステル接着力およびヒートシール性を有する積層体が得られることが確認された。また本発明樹脂組成物はアルミ箔に代表される極性基材との押出ラミネート接着性にも優れるため、ポリエステルフィルムと種々の極性基材とのラミネートにも好適であることが確認された。






















Figure 2009132162
Figure 2009132162
本発明によれば、押出加工適性が優れると共に、ポリエステルフィルムに直接押出ラミネートすることによって、層間接着力の大きい積層フィルムを得ることができる。この際、極性基材とサンドラミネートした場合にも、極性基材との層間接着性も良好である。さらにポリエステルフィルムにアンカーコート処理を施す必要がないため環境衛生的に優れ、また押出ラミネート樹脂の溶融樹脂膜にオゾン処理を施す必要がないため低コストでの包装材の製造が可能となり、包装材製造業者に大きなメリットを与えることができる。かくして得られる積層フィルムは、ポリエステルフィルムを利用した各種菓子類、惣菜類、飲料、加工肉等の食品をはじめとした各種包装材として幅広く使用することができる。

Claims (7)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、エチレン・不飽和カルボン酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体又はこれとエチレン・不飽和カルボン酸共重合体及び/又はエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体との混合樹脂組成物を押出ラミネートしてなる積層フィルムであって、前記押出ラミネート樹脂全成分量に対して不飽和カルボン酸成分量が1〜12重量%、(メタ)アクリル酸エステル成分量が2〜25重量%を占めることを特徴とする積層フィルム。
  2. 押出ラミネート樹脂全成分量に対する不飽和カルボン酸成分量が2〜6重量%であることを特徴とする請求項1記載の積層フィルム。
  3. ポリエステルフィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 混合樹脂組成物がエチレン・不飽和カルボン酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体と、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体及び/又はエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体との混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. ポリエステルフィルムに、他の極性基材が押出ラミネート樹脂を介して積層されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
  6. 表面酸化処理され、その表面濡れ張力が45dyn/cm以上のポリエステルフィルム面に、エチレン・不飽和カルボン酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体又はこれとエチレン・不飽和カルボン酸共重合体及び/又はエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体との混合樹脂組成物であって、樹脂全成分量に対して不飽和カルボン酸成分量が1〜12重量%、(メタ)アクリル酸エステル成分量が2〜25重量%を占める押出ラミネート樹脂を、280〜340℃の樹脂温度で押出ラミネートすることを特徴とする積層フィルムの製造方法。
  7. ポリエステルフィルムと他の極性基材の間に、該押出ラミネート樹脂を押出サンドラミネートする請求項6記載の積層フィルムの製造方法。
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