JP2009130041A - 光電変換素子およびその製造方法 - Google Patents

光電変換素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特性の高い光電変換素子を得るための製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】(a)p型結晶シリコン基板の表面上に、n型半導体層を形成する工程、(b)前記n型半導体層の表面を、水素ガスとアンモニアガスとを含む混合ガスを用いて形成されるプラズマで表面処理する工程、(c)前記n型半導体層上に、窒化シリコン膜を形成する工程、(d)前記p型結晶シリコン基板の裏面上に、裏面電極を形成する工程、および(e)前記窒化シリコン膜上に、受光面電極を形成する工程を含むことを特徴とする光電変換素子の製造方法により、上記の課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子およびその製造方法に関する。
結晶シリコン太陽電池において、プラズマ気相化学蒸着法(プラズマCVD法)などにより成膜される窒化シリコンは有用な材料として知られている。
その理由は、窒化シリコン膜が、結晶シリコン太陽電池の反射防止膜としての機能と同時に、シリコン基板表面および内部のパッシベーション膜としての機能という3つの重要な役割を果たすからである。
第1の反射防止膜としての機能において、太陽光を最も効率よくシリコン基板内部に取り込むための重要なパラメータは、窒化シリコン膜の屈折率である。
一般に、窒化シリコン膜を結晶シリコン太陽電池の反射防止膜として利用する場合の最適な屈折率は2.0程度である。プラズマCVD法を用いて窒化シリコン膜を形成する場合、その屈折率は、混合ガスの流量比、成膜圧力、成膜パワーなどを変化させることにより制御することができる。
第2のシリコン基板表面のパッシベーション膜としての機能において、その機能を向上させる重要なパラメータは、窒化シリコン膜とシリコン基板との界面における界面準位と固定電荷である。
すなわち、非特許文献1に記載されているように、界面準位密度が低いと、シリコン基板内部で発生したキャリア(電子および正孔)が界面で再結合する確率が低くなり、シリコン基板表面でのパッシベーション効果が高くなる。
また、界面に固定電荷が存在すると、シリコン基板表面近傍でエネルギーバンドの曲がり(キャリア密度の著しい差)が生じ、キャリアの再結合が起こり難くなり、シリコン基板表面でのパッシベーション効果が高くなる。
このように、界面準位と固定電荷とはそれぞれ独立なメカニズムによって複合的にシリコン基板表面でのパッシベーション効果に影響を及ぼしている。
第3のシリコン基板内部のパッシベーション膜としての機能は、プラズマCVD法で成膜された窒化シリコン膜に多量に含まれる水素が、成膜後の焼成により放出されてシリコン基板内部に入りこむことによってシリコン基板内部の欠陥をパッシベーションする効果である。
そして、この機能を向上させる重要なパラメータは、窒化シリコン膜とシリコン基板との界面における水素の量やシリコン基板自体の欠陥の量である。
すなわち、非特許文献2に記載されているように、プラズマCVD法、触媒CVD法およびスパッタ法などにより窒化シリコン膜を成膜すると、シリコン基板表面にダメージが生じ、同時にこのダメージに水素が蓄積される。蓄積された水素は成膜後の焼成によりシリコン基板内部に拡散され、シリコン基板内部に存在する欠陥をパッシベーションする。また、非特許文献2には、界面に形成されたダメージも同時にある程度無害化されると報告されている。
このように窒化シリコン膜は、結晶シリコン太陽電池において多彩な役割を担う。このため、結晶シリコン太陽電池の変換効率をさらに向上させるために、窒化シリコン膜の製造方法を工夫した研究報告例は多い。
しかしながら、上記のように、窒化シリコン膜の機能は複数のパラメータによって制御されるため、これらの機能を同時に向上させることは難しい。
例えば、非特許文献3には、通常2.0程度である窒化シリコン膜の屈折率をより高くすると、表面パッシベーションの効果が向上することが報告されている。
しかしながら、窒化シリコン膜の屈折率は、結晶シリコン基板や空気の屈折率との兼ね合いから最適値が決定されるので、高い屈折率は、窒化シリコン膜の反射防止膜としての機能を低下させるので、結晶シリコン太陽電池の変換効率を低下させることになる。
また、非特許文献4〜6には、結晶シリコン基板上に窒化シリコン膜を成膜する前にアンモニアプラズマで処理すると、シリコン基板の有効ライフタイムが向上することや光電変換素子の特性が向上することなどが報告されている。そして、これらの改善は、シリコン基板表面のパッシベーション膜としての機能、シリコン基板内部のパッシベーション膜としての機能またはこれらの複合的な機能による効果であると報告されている。これらの方法は、窒化シリコン膜の屈折率を変化させることなしに、シリコン基板の表面または内部のパッシベーション膜としての機能を高めることができるという点で優れているといえる。
しかしながら、非特許文献4〜6の技術では、シリコン基板表面のパッシベーション膜としての機能、シリコン基板内部のパッシベーション膜としての機能のいずれか一方にしか着目していないか、あるいは2つの効果をきちんと分離できていない。そのため、窒化シリコン膜の機能を向上させるパラメータを制御し、さらに特性の高い光電変換素子を得ることには成功していない。
S.W.Glunzほか14名,20th European photovoltaic Solar Energy Conference and Exhibition (2005),p.572「Comparison of different dielectric passivation layers for application in industrially feasible high-efficiency crystalline silicon solar cells」 Bhushan Soporiほか8名,4th World Conference on Photovoltaic Energy Conversion (2006) ,p.1028「Damage-Layer-Mediated H Diffusion During SiN:H Processing: A Comprehensive Model」
T. Lauingerほか2名,14th European Photovoltaic Solar Energy Conference (1997),p.853「Comparison of direct and remote PECVD silicon nitride films for low-temperature surface passivation of p-type crystalline silicon」 Jin Nigoほか5名,21st European Photovoltaic Solar Energy Conference (2006),p.934「Effective Interface Modification by NH3 Plasma for Silicon Surface Passivation at Very Low Temperatures」
Alexander Hauserほか3名,Solar Energy Materials & Solar Cells 75 (2003),p.357〜362「Influenceofanammoniaactivation prior to the PECVD SiN deposition on the solar cell performance」 A.Rohatgiほか6名,14th International Photovoltaic Science and Engineering Conference (2004),p.635「Record-High-EfficiencySolarCellsonMulticrystalline Materials Through Understanding and Implementation of RTP-enhanced SiNx-induced Defect Hydrogenation」
本発明は、さらに特性の高い光電変換素子を得るための製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、結晶シリコン基板の表面上に窒化シリコン膜を形成する前に、窒化シリコン膜が形成される結晶シリコン基板の表面を、水素ガスとアンモニアガスとを含む混合ガスを用いて形成されるプラズマで表面処理することにより、光電変換素子の特性を向上させることができることを実験的に見出し、本発明を完成するに到った。
かくして、本発明によれば、
(a)p型結晶シリコン基板の表面上に、n型半導体層を形成する工程、
(b)前記n型半導体層の表面を、水素ガスとアンモニアガスとを含む混合ガスを用いて形成されるプラズマで表面処理する工程、
(c)前記n型半導体層上に、窒化シリコン膜を形成する工程、
(d)前記p型結晶シリコン基板の裏面上に、裏面電極を形成する工程、および
(e)前記窒化シリコン膜上に、受光面電極を形成する工程
を含むことを特徴とする光電変換素子の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記の方法により製造された光電変換素子が提供される。
本発明によれば、優れた特性の光電変換素子の製造方法を提供することができる。
本発明の光電変換素子の製造方法は、
(a)p型結晶シリコン基板の表面上に、n型半導体層を形成する工程、
(b)前記n型半導体層の表面を、水素ガスとアンモニアガスとを含む混合ガスを用いて形成されるプラズマで表面処理する工程、
(c)前記n型半導体層上に、窒化シリコン膜を形成する工程、
(d)前記p型結晶シリコン基板の裏面上に、裏面電極を形成する工程、および
(e)前記窒化シリコン膜上に、受光面電極を形成する工程
を含むことを特徴とする。
すなわち、本発明の光電変換素子の製造方法は、p型結晶シリコン基板の主面(表面)上に窒化シリコン膜を形成する工程を備え、前記p型結晶シリコン基板の前記主面側にはn型半導体層が形成されており、前記窒化シリコン膜を形成する前に、水素ガスとアンモニアガスとを含む混合ガスを用いて形成されるプラズマによって前記主面の表面処理を行うことを特徴とする。
本発明の光電変換素子の製造方法を、図面を用いて説明するが、この説明により本発明が限定されるものではない。
図1(a)〜(f)は、本発明の光電変換素子の製造方法における一実施形態の製造工程を示す概略断面図である。以下、各工程について詳細に説明する。
1.pn接合形成工程
まず、図1(a)に示すように、p型結晶シリコン基板1の表面上に、n型半導体層2を形成してpn接合とする。
p型結晶シリコン基板は、結晶シリコン基板であれば特に限定されず、例えば単結晶シリコン基板、多結晶シリコン基板のいずれであってもよい。シリコン基板の抵抗値や結晶方位などは特に限定されない。
n型半導体層の形成前に、p型結晶シリコン基板の表面の洗浄や表面ダメージ層の除去を目的として、強アルカリ水溶液、強酸水溶液などでp型結晶シリコン基板を処理するのが好ましい。
また、n型半導体層の形成前に、入射した光を光電変換素子の受光面側で多重反射させることで、より効果的に光を取り込むための微細な凹凸(テクスチャ)構造を形成することを目的として、アルカリ溶液でp型結晶シリコン基板を処理するのが好ましい。
n型半導体層2は、公知の方法、例えばp型結晶シリコン基板にn型の不純物をドーピングするか、CVD法などによりp型結晶シリコン基板上に別途n型を形成することによって形成することができる。
n型の不純物は、リン、ヒ素のような5族元素が挙げられる。
n型半導体層のシート抵抗は、20〜200Ω/□の範囲にあるのが好ましい。
n型の不純物のドーピング方法は、特に限定されないが、例えば、オキシ塩化リン(POCl3)などの5族の化合物を含んだ溶液を700〜1000℃の高温炉中でガス状にしてp型結晶シリコン基板に拡散させる方法(気相拡散法)、五酸化リン(P25)などの5族元素の化合物を含んだ溶液(例えば、五酸化リンのイソプロピルアルコール溶液)をp型結晶シリコン基板上に滴下し、スピンコーターにより均一に塗布し、その後温度700〜1000℃の高温炉に投入し、表面に付着した5族元素をp型結晶シリコン基板に拡散させる方法などが挙げられる。
後者の方法は、n型半導体層の受光面にのみ選択的に形成することができ、気相拡散法のように受光面側以外の部分(裏面および側面)に形成されたn型半導体層を除去するための付加的な工程を含める必要がないため、より量産に適している。
2.プラズマ表面処理工程
次に、図1(b)に示すように、n型半導体層2の表面を、水素ガスとアンモニアガスとを含む混合ガスを用いて形成されるプラズマ3で表面処理する。
その材料および形成方法は、公知の材料および方法を適用できるが、プラズマがプラズマCVD装置を用いて形成され、その形成条件がアンモニアガス流量20〜1000sccm、好ましくは50〜500sccm、アンモニアガスに対する水素ガス流量比1〜10倍、好ましくは3〜4倍、形成圧力10〜200pa、好ましくは50〜150Pa、形成温度200〜600℃、好ましくは400〜500℃、および形成時間10〜1200秒であるのが好ましい。また、ソースパワーは周波数13.56MHzで10〜1000W程度)、バイアスパワーは付加しないのが一般的である。このような形成条件であれば、次工程で形成する窒化シリコン膜に優れた特性を付与することができる。
ここで、単位sccmは、standard cc/min(standard:1気圧、0℃)を意味する。
3.反射防止膜形成工程
次に、図1(c)に示すように、太陽光などの光を有効に取り込むために、n型半導体層上に、窒化シリコン膜4を形成する。この窒化シリコン膜は、結晶シリコン基板表面および内部のパッシベーション膜として機能する。
その材料および形成方法は、公知の材料および方法を適用できるが、上記の工程から連続して処置できることから、窒化シリコン膜がプラズマCVD法により形成されるのが好ましい。プラズマCVD法の条件は、反応室の形状などにより適宜設定すればよいが、例えば、モノシラン10〜500sccm、アンモニア10〜1000sccmおよび窒素50〜1000sccmの混合ガスの場合、圧力10〜200Pa、温度200〜600℃の範囲であるのが望ましい。また、ソースパワーは周波数13.56MHzで10〜1000W程度)、バイアスパワーは付加しないのが一般的である。このような形成条件であれば、窒化シリコン膜に優れた特性を付与することができる。
窒化シリコン膜の厚さは、膜の屈折率やp型結晶シリコン基板の表面凹凸の大きさにより適宜設定すればよいが、通常60〜100nm程度である。
4.裏面電極形成工程
次に、図1(d)に示すように、p型結晶シリコン基板1の裏面上に、裏面電極5を形成する。この裏面電極5は、p型結晶シリコン基板1内で発生したキャリアを電流として取り出すために利用される。
その材料および形成方法は、公知の材料および方法を適用できる。例えば、スクリーン印刷法により、アルミニウム粉末などを含んだ導電性ペーストを太陽電池の裏面全面に塗布(印刷)し、温度100〜400℃で乾燥させることにより、裏面電極5を得る。スクリーン印刷法は量産レベルにおいてはコストを低減できるので好ましい。
裏面電極の厚さは、通常10〜60μm程度である。
5.受光面電極形成工程
次に、図1(e)に示すように、窒化シリコン膜4上に、受光面電極6を形成する。
その材料および形成方法は、公知の材料および方法を適用できる。例えば、スクリーン印刷法により、銀粉末、ガラス粉末、有機質ビヒクルおよび有機溶媒とを主成分とする導電性ペーストを窒化シリコン膜4上に塗布(印刷)し、温度100〜400℃で乾燥させることにより、受光面電極6を得る。
受光面電極6のパターンは特に限定されず、一般に太陽電池に用いられるパターンであれば特に限定されない。例えば、魚骨型(櫛形状)が挙げられる。
受光面電極の厚さは、通常10〜60μm程度である。
6.受光面電極のファイアスルーおよび裏面電界層形成工程
上記工程の後、図1(f)に示すように、得られたp型結晶シリコン基板1を焼成処理に付して、受光面電極のファイアスルー(図示せず)およびp型結晶シリコン基板と裏面電極との界面に裏面電界層7を同時に形成するのが好ましい。
ファイアスルーとは、p型結晶シリコン基板1を焼成する際に、受光面電極6に添加されているガラス粉末の作用で窒化シリコン膜4が破られることによって起こる現象である。これにより受光面電極6をp型結晶シリコン基板1に接触させることができる。
裏面電界層7は、基板1を焼成する際に、裏面電極5に含まれるアルミニウムの一部がp型結晶シリコン基板1に拡散された領域のことであり、これによりp型結晶シリコン基板1内部で発生したキャリアの収集効率を向上させることができる。
焼成条件は、温度600〜900℃の範囲、焼成時間1〜300秒間程度が好ましい。
本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、実施例により本発明が限定されるものではない。
実施例1(効果実証実験1)
この効果実証実験では、容量−電圧測定(CV測定)により界面準位密度とフラットバンド電圧を評価し、プラズマ表面処理が結晶シリコン基板表面のパッシベーション効果に与える影響を調べた。
すなわち、結晶シリコン基板上に窒化シリコン膜を形成する前に、水素ガスとアンモニアガスとを含む混合ガスを用いて形成されるプラズマで表面処理を行ったサンプル(実施例1−1および1−2)、アンモニアガスまたは水素ガスを用いて形成されるプラズマで表面処理を行ったサンプル(比較例1−2および1−3)および表面処理を行わなかったサンプル(比較例1−1)について、界面準位密度とフラットバンド電圧とを測定した。
なお、この実証実験では、実際の光電変換素子の構造ではなく、容量−電圧測定(CV測定)が行い易い構造のサンプルを作製した。
すなわち、図2(a)〜(e)に示される製造工程により、サンプルを作製した。
1−1.結晶シリコン基板の準備工程
まず、図2(a)に示すように、片面をミラー研磨した単結晶のp型結晶シリコン基板1(面方位<111>、厚さ520μm、抵抗率2.5Ωcm)をHF水溶液に浸漬し、その後純水で水洗して、p型結晶シリコン基板1の表面の自然酸化膜を除去した。
1−2.結晶シリコン基板表面のプラズマ表面処理工程
次いで、p型結晶シリコン基板1をプラズマCVD装置の真空室内に搬入し、図2(b)に示すように、この装置内でプラズマ3により、p型結晶シリコン基板1のミラー研磨された面を表面処理した。
各サンプルにおけるプラズマ3を形成するための混合ガスの流量は、表1に示すとおりりである。比較例1−1は、プラズマ3により表面処理しなかった。
その他のプラズマ表面処理条件は、ソースパワー(周波数13.56MHz、500W)、処理圧力100Pa、処理温度450℃、処理時間750秒とした。なお、バイアスパワーは付加していない。
1−3.窒化シリコン膜形成工程
次いで、図2(c)に示すように、プラズマCVD装置の真空室内で、p型結晶シリコン基板1上に膜厚約90nmの窒化シリコン膜4を形成した。
窒化シリコン膜4の成膜時の混合ガス流量比は、モノシラン:アンモニア:窒素=1:2:12とした。また、その他の成膜条件は、ソースパワー(周波数13.56MHz、
250W)、成膜圧力100Pa、成膜温度450℃、成膜時間225秒とした。なお、バイアスパワーは付加していない。
分光エリプソメトリーから求めた、波長630nmにおける窒化シリコン膜4の屈折率は1.98であった。
その後、近赤外線炉を用いて、得られたp型結晶シリコン基板1を800℃で90秒間焼成した。焼成を行わなくても容量−電圧測定は可能であるが、実際の太陽電池に使用される窒化シリコン膜4は焼成の工程を含むため、本実証実験においても焼成を行った。
1−4.ゲート電極形成工程
次いで、図2(d)に示すように、真空蒸着装置および所定のシャドウマスクを用いて、窒化シリコン膜4上に、厚さ1μmのアルミニウムを直径1mmの円形のドット状に堆積してゲート電極8を得た。なお、このときp型結晶シリコン基板1は特に加熱せず、温度制御も行わなかった。
1−5.裏面電極形成工程
次いで、図2(e)に示すように、ゲート電極8と同様に真空蒸着装置を用いて、p型結晶シリコン基板1におけるゲート電極8と反対側の全面にわたって、厚さ1μmのアルミニウムを堆積して裏面電極9を得た。なお、このときp型結晶シリコン基板1は加熱せず、温度制御も行わなかった。
1−6.容量−電圧測定
次いで、作製した各サンプルについて容量−電圧測定を行った。
ゲート電極8に高周波(0.1MHz)と低周波(5〜6Hz)の電圧をそれぞれ印加し、電圧印加時の裏面電極9とゲート電極8の間の容量を測定した。測定開始電圧を−15V、測定終了電圧を+15Vとした。ゲート電極8に水銀プローブを接触させ、裏面電極9の全面を装置側の電極に真空吸着させた。
得られた容量−電圧測定の結果から、以下の方法で界面準位密度とフラットバンド電圧を求めた。得られた結果を表1に示す。
1−7.界面準位密度
界面準位密度は、E.H.Nicollian,J.R.Brews共著,「MOS (Metal Oxide Semiconductor) Physics and Technology」,1982年,WILEY-INTERSCIENCE社発行,p.331に記載されている、高周波および低周波の容量−電圧特性を組み合わせたhi-lo法により求めた。
具体的には、次式に基づいて界面準位密度Ditを求めた。
it=(1/q0)×[[(1/CLF)−(1/CSIN)]-1−[(1/CHF)−(1/CSIN)]-1]
0:電気素量
SIN:窒化シリコン膜9の容量
LF:低周波において測定される容量
HF:高周波において測定される容量
この式から、シリコンのエネルギーギャップに相当する範囲、すなわち価電子バンドから伝導バンドまでの範囲において連続的なDitを求めることができ、この連続的なDitの最小値を表1に示す。
なお、界面準位密度は低い程、表面でキャリアがトラップされる確率が低くなり、結晶シリコン基板表面のパッシベーション効果が高いことを意味する。
1−8.フラットバンド電圧
フラットバンド電圧は、E.H.Nicollian、J.R.Brews共著,「MOS (Metal Oxide Semiconductor) Physics and Technology」,1982年,WILEY-INTERSCIENCE社発行,p.487に記載されている方法により求めた。
具体的には、次式に基づいてフラットバンド容量CFBを求めた。
FB=CFBSSIN/(CSIN+CFBS
SIN:窒化シリコン膜4の容量(ここでは便宜的に、ゲート電極8に−15Vの電圧を印加したときに測定される容量を用いた。CSINの測定値はサンプル毎に若干異なるが、500〜600[pF]程度であった。)
FBS:半導体(p型結晶シリコン基板1)のフラットバンド容量(次式により求めた。)
FBS:εs/λp
εs:半導体の誘電率(真空中の誘電率ε0と半導体の比誘電率εSiの積)
λp:デバイ長で、以下の式で表される。
λp={(kTε0εSi)/(q0 2d)}1/2
k:ボルツマン定数
T:半導体の温度(Tはサンプル毎に若干異なるが、25℃程度とした。)
0:電気素量
d:半導体のキャリア濃度(Ndはサンプル毎に若干異なるが、5×1015[cm-3]程度とした。)
このようにして求めたCFBが、実際の容量−電圧曲線のうち高周波の電圧を印加したときの容量の測定値に一致するときのゲート電圧を求め、その値をフラットバンド電圧VFBとした。
なお、フラットバンド電圧と固定電荷密度は、次式により関連付けることができる。固定電荷密度とは、窒化シリコン膜4内部や窒化シリコン膜4とシリコン基板1の界面近傍に固定されている電荷の密度を意味する。
Q=CSiN(ΦMS−VFB)/q0
Q:固定電荷密度
SIN:窒化シリコン膜4の容量
ΦMS:ゲート電極8の材料とシリコン基板1の材料との仕事関数差
FB:フラットバンド電圧
0は電気素量
Aはゲート電極8の面積
上式によれば、固定電荷密度が正の方向に大きくなるほど、フラットバンド電圧が負の方向に大きくなる。したがって、表1において、フラットバンド電圧が大きな負の値を有しているサンプルは、固定電荷密度が大きな正の値を有していることになる。
Figure 2009130041
表1の結果によれば、比較例1−1〜1−3に比べて実施例1−1および1−2が優位であることがわかる。したがって、フラットバンド電圧が大きな負の値を有する窒化シリコン膜をn型半導体層2の上に形成した場合には、n型半導体層表面には大きなエネルギーバンドの曲がりが起こり、蓄積層が形成され、n型半導体表面の正孔の濃度は著しく小さくなり、実質的に再結合が抑制され、表面パッシベーション効果が高まることになる。
比較例1−1の窒化シリコン膜のフラットバンド電圧が大きいが、界面準位密度も大きく、パッシベーション効果は低いことがわかる。すなわち、パッシベーション効果は界面準位密度や表面水素量にも依存するため、フラットバンド電圧が大きな負の値であっても、必ずしも表面パッシベーション効果が高いことはない。
また、アンモニアプラズマ処理が表面パッシベーション効果の向上に有効であるとする非特許文献4〜6に記載の先行技術を考慮すると、アンモニアプラズマ処理の比較例1−2は処理なしの比較例1−1よりもパッシベーション効果が高く、水素ガスとアンモニアガスとを含む混合ガスを用いて形成されるプラズマ処理の実施例1−1および1−2は、さらにその比較例1−2よりも優位であることが理解できる。
実施例2(効果実証実験2)
この効果実証実験では、昇温脱離分析法(Thermal Desorption Spectroscopy:TDS)により水素の脱離量を測定し、プラズマ表面処理が結晶シリコン基板内部のパッシベーション効果に与える影響を調べた。
すなわち、結晶シリコン基板上に窒化シリコン膜を形成する前に、水素ガスとアンモニアガスとを含む混合ガスを用いて形成されるプラズマで表面処理を行ったサンプル(実施例2−1および2−2)、アンモニアガスまたは水素ガスを用いて形成されるプラズマで表面処理を行ったサンプル(比較例2−2および2−3)および表面処理を行わなかったサンプル(比較例2−1)について加熱したときに脱離する水素の量を測定した。
なお、この実証実験では、実際の光電変換素子の構造ではなく、表面からの水素脱離量の測定(昇温脱離分析)が行い易い構造のサンプルを作製した。
すなわち、図2(a)〜(b)に示される製造工程により、サンプルを作製し、評価した。
2−1.結晶シリコン基板の準備工程
まず、図2(a)に示すように、片面をミラー研磨した単結晶のp型結晶シリコン基板1(面方位<111>、厚さ400μm、抵抗率1000〜4000Ωcm)を寸法1cm×1cmに切断加工した後、HF水溶液に浸漬し、その後純水で水洗して、p型結晶シリコン基板1の表面の自然酸化膜を除去した。
2−2.結晶シリコン基板表面のプラズマ表面処理工程
次いで、p型結晶シリコン基板1をプラズマCVD装置の真空室内に搬入し、図2(b)に示すように、この装置内でプラズマ3により、p型結晶シリコン基板1のミラー研磨された面を表面処理して、各サンプルを得た。
各サンプルにおけるプラズマ3を形成するための混合ガスの流量およびその他のプラズマ表面処理条件は、実施例1と同様とした。
2−3.昇温脱離分析
昇温脱離分析とは、真空室内に設置したサンプルをヒーターで加熱し、その際にサンプルから脱離する成分を質量分析器で検出する手法である。
まず、サンプルを昇温脱離分析装置の真空室内に搬入し、室温で真空度が2.5×10-7Pa以下になるまで保持した。
次いで、真空室内のサンプルを温度200℃に加熱し15分間保持した。
その後、サンプルを加熱速度1℃/秒で1000℃まで加熱し、四重極形質量分析計(Quadrupole Mass Spectrometer、Pfeiffer Vacuum社製、型式:QMG422)を用いて、サンプルから脱離する水素(昇温脱離スペクトル)を経時的に測定した。
次いで、真空室内でサンプルを室温まで自然冷却させ、上記と同様の熱履歴でサンプルを加熱し、上記と同様にして昇温脱離スペクトルを測定した。
得られた昇温脱離スペクトルをバックグラウンドとし、先に測定した昇温脱離スペクトルからバックグラウンドを差し引いて、最終的な昇温脱離スペクトルを得た。得られた結果を図3に示す。但し、図3には、結晶シリコン基板上に窒化シリコン膜を形成する前に、水素ガスとアンモニアガスとを含む混合ガスを用いて形成されるプラズマで表面処理を行ったサンプル(実施例2−1)およびアンモニアガスを用いて形成されるプラズマで表面処理を行ったサンプル(比較例2−2)の結果のみを示す。
表1および図3の結果によれば、次のことがわかる。
(1)アンモニアガスのプラズマで表面処理を行ったサンプル(比較例1−2)は、表面処理を行わなかったサンプル(比較例1−1)に比べて界面準位密度が大幅に減少しており、表面のパッシベーション効果が改善していることがわかる。
しかしながら、フラットバンド電圧の絶対値は前者が後者に比べて小さくなっており、その分n型半導体層2の表面における蓄積層の大きさが小さくなるので、エネルギーバンドの曲がりによるパッシベーション効果は若干弱まっていると考えられる。
非特許文献4〜6には、アンモニアガスのプラズマでの表面処理が光電変換素子特性を改善することが記載されているが、この改善は主に界面準位密度の低減によってもたらされると考えられる。
(2)水素ガスとアンモニアガスとを含む混合ガスのプラズマで表面処理を行ったサンプル(実施例1−1および1−2)は、アンモニアガスのプラズマで表面処理を行ったサンプル(比較例1−2)に比べて、界面準位密度がさらに減少し、またフラットバンド電圧の絶対値が増加している。
このことは、前者が後者に比べて表面パッシベーション効果に優れていることを意味している。
また、図3の結果から、水素ガスとアンモニアガスとを含む混合ガスのプラズマで表面処理を行ったサンプル(実施例2−1)は、アンモニアガスのプラズマで表面処理を行ったサンプル(比較例1−2)に比べて、温度600〜1000℃の領域において水素の脱離量が多いこと、すなわち水素の蓄積量が多いことがわかる。
このことは、前者が後者に比べて、結晶シリコン基板内部に対するパッシベーション効果が優れていることを意味している。
(3)水素ガスのプラズマで表面処理を行ったサンプル(比較例1−3)は、表面処理を行わなかったサンプル(比較例1−1)に比べて、界面準位密度が大幅に増加しており、表面のパッシベーション効果が悪化していることがわかる。
このことからプラズマ処理によってパッシベーション効果を向上させるためには、水素とアンモニアの両方の混合ガスを用いることが必須であることがわかる。
以上のことをまとめると、水素ガスとアンモニアガスとを含む混合ガスのプラズマで表面処理を行ったサンプル(実施例1−1および1−2)は、アンモニアガスのプラズマで表面処理を行ったサンプル(比較例1−2)、水素ガスのプラズマで表面処理を行ったサンプル(比較例1−3)および表面処理を行わなかったサンプル(比較例1−1)に比べて、表面パッシベーションの観点からもシリコン基板内部のパッシベーション効果という観点からも優れていることがわかる
このような結果が得られた理由は、必ずしも明らかではないが、全てのサンプルで窒化シリコン膜4を同条件で形成しているという点を考慮すると、水素ガスとアンモニアガスとを含む混合ガスのプラズマ3による表面処理が窒化シリコン膜4とシリコン基板1との界面付近の状態を変化させ、シリコンの未結合種の水素による終端、あるいは固定電荷量の変化が起こっているものと考えられる。
なお、本実施例において、界面準位密度とフラットバンド電圧の測定は、p型結晶シリコン基板に対して行なわれているが、界面準位密度は窒化シリコン膜がシリコン基板のシリコンの未結合手をどの程度不活性化したかによって主に決定されるものであり、この効果は微量の不純物原子(ドーパント)にはほとんど依存しないと考えられるため、サンプル毎の相対的な比較をする上では、n型結晶シリコン基板に対しても当てはまると考えられる。
また、フラットバンド電圧に関しては、窒化シリコン膜の固定電荷に依存して大きさが変わるものであるから、サンプル毎の相対的な比較をする上では、n型結晶シリコン基板に対しても当てはまると考えられる。
実施例3
この実施例では、実施例1および2において実証された効果が、実際の光電変換素子の特性向上に寄与することを調べた。
なお、この実施例では、特許第2001−223172号明細書に記載の方法で作製されたシートシリコン(面積:15cm×15cm、厚さ:350μmのp型多結晶シリコン基板1)を用いて、図1(a)〜(f)に示される製造工程により、光電変換素子を作製した。
3−1.結晶シリコン基板の準備工程
まず、上記のp型多結晶シリコン基板1をHNO3/HF混合溶液で処理して、両面合わせて10μm程度をエッチングして、表面の洗浄およびダメージ層の除去を同時に行なった(図示せず)。次いで、NaOH水溶液による異方性エッチングを行い、p型多結晶シリコン基板1の表面にテクスチャと呼ばれる微細な凹凸構造を形成した(図示せず)。ここで、テクスチャは、入射した光を光電変換素子の受光面側で多重反射させることで、より効果的に光を取り込むための構造である。
3−2.n型半導体層形成工程
次いで、五酸化リンのイソプロピルアルコール溶液(濃度15g/L)をp型多結晶シリコン基板1上に滴下し、スピンコーターにより均一に塗布した。その後、p型多結晶シリコン基板1を900℃の高温炉に15分間投入し、図1(a)に示すように、光電変換素子の受光面側にn型半導体層2を形成した。
3−3.結晶シリコン基板表面のプラズマ表面処理工程
次いで、p型結晶シリコン基板1をプラズマCVD装置の真空室内に搬入し、図1(b)に示すように、この装置内でプラズマ3により、p型結晶シリコン基板1のn型半導体層表面を表面処理した。
各サンプルにおけるプラズマ3を形成するための混合ガスの流量は、表2に示すとおりりである。比較例3−1は、プラズマ3により表面処理しなかった。
その他のプラズマ表面処理条件は、ソースパワー(周波数13.56MHz、500W)、処理圧力100Pa、処理温度450℃、処理時間750秒とした。なお、バイアスパワーは付加していない。
3−4.窒化シリコン膜形成工程
次いで、図1(c)に示すように、プラズマCVD装置の真空室内で、p型結晶シリコン基板1上に膜厚約80nmの窒化シリコン膜4を形成した。
窒化シリコン膜4の成膜時の混合ガス流量比は、モノシラン:アンモニア:窒素=1:2:12とした。また、その他の成膜条件は、ソースパワー(周波数13.56MHz、
250W)、成膜圧力100Pa、成膜温度450℃、成膜時間225秒とした。なお、バイアスパワーは付加していない。
分光エリプソメトリーから求めた、波長630nmにおける窒化シリコン膜4の屈折率は1.98であった。
3−5.裏面電極形成工程
次いで、図1(d)に示すように、スクリーン印刷法によりp型結晶シリコン基板1の裏面上にアルミニウムペーストを印刷し、温度150℃で十分に乾燥させて、厚さ40μmのアルミニウムの裏面電極5を得た。
3−6.受光面電極形成工程
次いで、図1(e)に示すように、スクリーン印刷法によりp型結晶シリコン基板1の窒化シリコン膜4上に、銀粉末、ガラス粉末、有機質ビヒクルおよび有機溶媒を主成分とするアルミニウムペーストを魚骨型のパターンで印刷し、温度150℃で十分に乾燥させて、厚さ30μmのアルミニウムの受光面電極6を得た。なお、魚骨型のパターンは、バスバー電極(メイングリッド)とフィンガー電極(サブグリッド)とで形成されており、フィンガー電極が2本のバスバー電極に垂直に配置されているものを用いた。
3−7.ファイアスルーおよび裏面電界層形成工程
次いで、近赤外線炉を用いてp型結晶シリコン基板1を温度850℃で120秒間焼成処理に付して、図1(f)に示すように、受光面電極6のファイアスルー(図示せず)およびp型結晶シリコン基板1と裏面電極5との界面に裏面電界層(図示せず)を形成し、光電変換素子(太陽電池)を得た。
3−8.光電変換素子の評価
ソーラーシミュレータを用いて、得られた光電変換素子にAM1.5、100mW/cm2の擬似光を照射し(温度条件:25℃)、短絡電流密度(mA/cm2)、開放電圧(V)、曲率因子および変換効率(%)を測定した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2009130041
表2の結果から、実施例3−1および3−2が、従来技術による比較例3−1〜3−3を上回る光電変換素子の特性を有することがわかる。これは、実施例1および2の結果からもわかるように、全てのサンプルで窒化シリコン膜を同条件で形成しているという点を考慮すると、本発明によるプラズマ処理が窒化シリコン膜とシリコン基板との界面付近の状態を変化させたことにより、光電変換素子の特性が向上したと考えられる。
以上の実施例の結果から、結晶シリコン基板の表面上に窒化シリコン膜を形成する前に、窒化シリコン膜が形成される結晶シリコン基板の表面を、水素ガスとアンモニアガスとを含む混合ガスのプラズマで予め表面処理することにより、光電変換素子の特性を向上させることができることがわかる。
本発明の光電変換素子の製造方法における一実施形態の製造工程を示す概略断面図である。 本発明の効果実証実験(容量−電圧測定)におけるサンプルの製造工程を示す概略断面図である。 本発明の効果実証実験(昇温脱離分析)で得られた水素の脱離量の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 p型結晶シリコン基板
2 n型半導体層
3 プラズマ
4 窒化シリコン膜
5、9 裏面電極
6 受光面電極
7 裏面電界層
8 ゲート電極

Claims (5)

  1. (a)p型結晶シリコン基板の表面上に、n型半導体層を形成する工程、
    (b)前記n型半導体層の表面を、水素ガスとアンモニアガスとを含む混合ガスを用いて形成されるプラズマで表面処理する工程、
    (c)前記n型半導体層上に、窒化シリコン膜を形成する工程、
    (d)前記p型結晶シリコン基板の裏面上に、裏面電極を形成する工程、および
    (e)前記窒化シリコン膜上に、受光面電極を形成する工程
    を含むことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  2. 前記工程(b)におけるプラズマがプラズマCVD装置を用いて形成され、その形成条件がアンモニアガスに対する水素ガス流量比1〜10倍、処理圧力10〜200pa、処理温度200〜600℃および処理時間10〜1200秒である請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
  3. 前記工程(c)における窒化シリコン膜がプラズマCVD法により形成される請求項1または2に記載の光電変換素子の製造方法。
  4. 前記工程(e)の後、得られたp型結晶シリコン基板を焼成処理に付して、前記受光面電極のファイアスルーおよび前記p型結晶シリコン基板と裏面電極との界面に裏面電界層を同時に形成する請求項1〜3のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法により製造された光電変換素子。
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