JP5516611B2 - 太陽電池の製造方法及び太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する太陽電池の製造方法及び該製造方法により製造される太陽電池に関するものである。
太陽電池は、光エネルギーを電力に変換する半導体素子であり、p−n接合型、pin型、ショットキー型などがあり、特にp−n接合型が広く用いられている。また、太陽電池をその基板材料を基に分類すると、シリコン結晶系太陽電池、アモルファス(非晶質)シリコン系太陽電池、化合物半導体系太陽電池の3種類に大きく分類され、シリコン結晶系太陽電池は、更に単結晶系太陽電池と多結晶系太陽電池に分類される。
太陽電池用シリコン結晶基板は比較的容易に製造できることから、その生産規模は現在最大となっており、今後も更に普及していくものと思われる(例えば、特許文献1:特開平8−073297号公報)。
太陽電池の出力特性は、一般に、ソーラーシミュレーターを用いて出力電流電圧曲線を測定することにより評価される。この曲線上で出力電流Imaxと出力電圧Vmaxとの積、Imax×Vmaxが最大となる点を最大出力Pmaxとよび、該Pmaxを太陽電池に入射する総光エネルギー(S×I:Sは素子面積、Iは照射する光の強度)で除した値:
η={Pmax/(S×I)}×100(%)
が太陽電池の変換効率ηとして定義される。
変換効率ηを高めるには、短絡電流Isc(電流電圧曲線にてV=0の時の出力電流値)あるいはVoc(電流電圧曲線にてI=0の時の出力電圧値)を大きくすること、及び出力電流電圧曲線をなるべく角形に近い形状のものとすることが重要である。なお、出力電流電圧曲線の角形の度合いは一般に、
FF=Pmax/(Isc×Voc)
で定義されるフィルファクタ(曲線因子)により評価でき、該FFの値が1に近いほど出力電流電圧曲線が理想的な角形に近づき、変換効率ηも高められることを意味する。
上記変換効率ηを向上させるには、キャリアの表面再結合を低減させることが重要である。シリコン結晶系太陽電池においては、太陽光の入射光によって光生成した少数キャリアが、主に拡散によってp−n接合面へ到達した後、受光面及び裏面に取り付けられた電極から多数キャリアとして外部へ取り出され、電気エネルギーとなる。その際、電極面以外の基板表面に存在する界面準位を介して、本来電流として取り出すことのできたキャリアが再結合して失われることがあり、変換効率ηの低下に繋がる。
そこで、高効率太陽電池においては、シリコン基板の表面に、電極とのコンタクト部を除いてSiO2からなるパッシベーション膜を形成し、シリコン基板とパッシベーション膜との界面におけるキャリア再結合を抑制し、変換効率ηの向上が図られている。
パッシベーション膜の形成方法としては、主に熱酸化法が用いられ、シリコン基板を酸素雰囲気中又は大気雰囲気中で熱酸化炉内において、900℃以上に加熱し、シリコン基板の表面に酸化膜を形成する。しかし、パッシベーション膜を熱酸化法にて形成する場合、900℃以上という高温でシリコン基板を処理する必要があり、このような高温処理による不純物の再拡散によって、シリコン基板のライフタイムが低下するといった問題が発生する。
また、特許文献2(特開昭58−23486号公報)では、パッシベーション膜として酸化タンタル膜、酸化ニオブ膜をスピンコート法、スプレー法、ディップ法により基板表面に塗布後、焼成することでパッシベーション膜を形成する手法が報告されている。この手法によれば、高温処理を必要としないためシリコン基板のライフタイムを低下させずにパッシベーション膜を形成することが可能だが、酸化タンタルや酸化ニオブ膜は、それ自身パッシベーション能力が低いため、十分なパッシベーション効果が得られず、シリコン基板表面でのキャリア再結合が多くなり、太陽電池の変換効率が低下する問題がある。
また、特許文献3(特開昭58−220477号公報)では、窒化珪素膜をシリコン基板表面にプラズマCVD法にて成膜することでパッシベーション効果が得られることが報告されている。窒化珪素膜は、結晶系シリコン太陽電池の反射防止膜としての機能と同時に、シリコン基板表面及び内部のパッシベーション効果にも優れているためパッシベーション膜として窒化珪素膜は有用な膜として使われている。しかし、プラズマCVD法は、プロセス温度が400℃程度と比較的低温であっても高い成膜速度を有するため、太陽電池の誘電体膜形成プロセスで多用されているが、プラズマ中で生成される高エネルギー荷電粒子が、成膜した膜やシリコン基板表面にダメージを与えやすいため、得られる窒化珪素膜は界面準位密度が多くなり、窒化珪素膜だけでは十分なパッシベーション効果が得られないといった問題があった。
特開平8−073297号公報 特開昭58−23486号公報 特開昭58−220477号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、シリコン基板表面を適切に不活性化し、シリコン基板表面でのキャリア再結合を低減させて、より高変換効率化を図ることのできる太陽電池の製造方法及び該太陽電池の製造方法により製造される太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、プラズマCVD法により窒化珪素からなる誘電体膜を形成する前に、アミン錯体を含有する溶液にシリコン基板を浸漬することで、アミン錯体のプロトンがシリコン基板表面のダングリングボンドを終端し、パッシベーション効果が向上することを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するための手段として、下記の太陽電池の製造方法及び太陽電池を提供する。
〔1〕 第一導電型のシリコン基板の受光面側に第一導電型と反対の導電型となる受光面側拡散層を形成し、この拡散層上に反射防止膜となる誘電体膜を形成後、前記拡散層に電気的に接続する受光面電極を形成する太陽電池の製造方法において、
前記拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に、前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬して該シリコン基板表面を処理することを特徴とする太陽電池の製造方法。
〔2〕 前記シリコン基板の受光面と反対側の裏面側に第一導電型と同じ導電型の拡散層を形成する工程を更に有し、前記受光面側拡散層と共に前記裏面側拡散層上に前記誘電体膜を形成することを行う太陽電池の製造方法であって、
前記受光面側拡散層及び裏面側拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に、前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬する前記処理を行うことを特徴とする〔1〕に記載の太陽電池の製造方法。
〔3〕 第一導電型のシリコン基板の受光面と反対側の裏面側に第一導電型と同じ導電型の拡散層を形成し、この拡散層上に誘電体膜を形成後、前記拡散層に電気的に接続する裏面電極を形成する太陽電池の製造方法において、前記拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬して該シリコン基板表面を処理することを特徴とする太陽電池の製造方法。
〔4〕 前記アミン錯体を含む溶液のアミン錯体濃度が0.001〜0.1mol/lであることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
〔5〕 前記アミン錯体がボラン−アミン錯体であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
〔6〕 前記アミン錯体を含む溶液が有機溶媒又は水を含有することを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
〔7〕 〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の太陽電池の製造方法により製造されてなる太陽電池。
本発明によれば、誘電体膜を形成する前に、アミン錯体を含有する溶液にシリコン基板を浸漬することで、アミン錯体のプロトンがシリコン基板表面のダングリングボンドを終端するので、シリコン基板表面のキャリア再結合が低減され、その結果、高変換効率の太陽電池を提供することができる。
本発明に係る太陽電池の製造方法の第1の実施形態の構成を示す概略断面図であって、(A)はn型半導体基板準備工程、(B)は裏面拡散層形成工程、(C)は受光面拡散層形成工程、(D)はアミン錯体含有溶液浸漬工程、(E)は誘電体膜及び電極形成工程である。 本発明に係る太陽電池の製造方法の第2の実施形態の構成を示す概略断面図であって、(A)はp型半導体基板準備工程、(B)は拡散層形成工程、(C)はアミン錯体含有溶液浸漬工程、(D)は誘電体膜及び電極形成工程である。
以下に、本発明に係る太陽電池の製造方法の構成について説明する。なお、シリコン基板1の導電型はn型でもp型でもよいが、本発明の第1の実施形態においてはn型基板を、第2の実施形態においてはp型基板を使用する場合を説明する。
また、本発明の太陽電池の製造方法を、図面を用いて説明するが、この説明により本発明が限定されるものではない。
〔第1の実施形態〕
本発明に係る太陽電池の製造方法は、第一導電型(n型)のシリコン基板(基板1)の受光面側に第一導電型と反対の導電型(p型)となる受光面側拡散層(p型拡散層2)を形成し、この拡散層上に反射防止膜となる誘電体膜(誘電体膜4)を形成する太陽電池の製造方法において、前記拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に、前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬して該シリコン基板表面を処理することを特徴とするものである。また、本発明は、前記シリコン基板の受光面と反対側の裏面側に第一導電型と同じ導電型の拡散層(n型拡散層3)を形成する工程を更に有し、前記受光面側拡散層(p型拡散層2)と共に前記裏面側拡散層上に前記誘電体膜(誘電体膜4)を形成することを行う太陽電池の製造方法であって、前記受光面側拡散層及び裏面側拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に、前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬する前記処理を行うことを特徴とするものである。
以下、図1を用いて本実施形態の構成を説明する。
(工程1)シリコン基板(以下、基板と称する。)1としてn型基板を使用する(図1(A))。このシリコン単結晶基板はチョクラルスキー(CZ)法及びフロートゾーン(FZ)法のいずれの方法によって作製されていてもよい。また、基板1の比抵抗は、高性能の太陽電池を作る点から、0.1〜20Ω・cmが好ましく、0.5〜2.0Ω・cmがより好ましい。シリコン基板としては、リンドープn型単結晶シリコン基板が好ましい。リンドープのドーパント濃度は1×1015cm-3〜5×1016cm-3が好ましい。
(工程2)ダメージエッチング/テクスチャ形成
例えば、基板1を水酸化ナトリウム水溶液に浸し、ダメージ層をエッチングで取り除く。この基板のダメージ除去は、水酸化カリウム等の強アルカリ水溶液を用いてもよく、フッ硝酸等の酸水溶液でも同様の目的を達成することが可能である。
次に、ダメージエッチングを行った基板1にランダムテクスチャを形成する。太陽電池は通常、表面に凹凸形状を形成するのが好ましい。その理由は、可視光域の反射率を低減させるために、できる限り2回以上の反射を受光面で行わせる必要があるためである。これら一つ一つの山のサイズは1〜20μm程度が好ましい。代表的な表面凹凸構造としては、V溝、U溝が挙げられ、研削機を利用してこれらの形成が可能である。また、ランダムな凹凸構造を作るには、水酸化ナトリウムにイソプロピルアルコールを加えた水溶液に浸してウェットエッチングや、他には、酸エッチングやリアクティブ・イオン・エッチング等を用いることができる。なお、図中では両面に形成したテクスチャ構造は微細なため省略している。
(工程3)n型拡散層形成
次に、基板1の裏面にドーパントを含む塗布剤を塗布した後に熱処理を行うことでn型拡散層3を裏面に形成する(図1(B))。ドーパントはリンが好ましい。また、n型拡散層3の表面ドーパント濃度は、1×1018cm-3〜5×1020cm-3が好ましく、5×1018cm-3〜1×1020cm-3がより好ましい。なお、熱処理後、基板1に付いたガラス成分をガラスエッチング等により洗浄除去する。
(工程4)p型拡散層形成
工程3と同様の処理を受光面で行い、p型拡散層2を受光面全体に形成する(図1(C))。詳しくは、n型拡散層3を形成した裏面同士を合わせて、BBr3による気相拡散により、p型拡散層2を形成する。ドーパントはボロンが好ましい。また、p型拡散層2の表面ドーパント濃度は、1×1018cm-3〜5×1020cm-3が好ましく、更には5×1018cm-3〜1×1020cm-3がより好ましい。
(工程5)pn接合分離
次に、プラズマエッチャーを用い、pn接合分離を行う。このプロセスではプラズマやラジカルが受光面や裏面に侵入しないよう、サンプルをスタックし、その状態で端面を数ミクロン削る。接合分離後、基板1に付いたガラス成分、シリコン粉等はガラスエッチング等により洗浄するとよい。
(工程6)アミン錯体含有溶液浸漬
次に、アミン錯体を含有する溶液に工程5までの処理を行った基板1を浸漬し、基板1の表面(受光面側はp型拡散層2の表面であり、裏面側はn型拡散層3の表面である。)を不活性化させる。
ここで使用するアミン錯体としては、ボラン−アミン錯体が好ましく、ボラン−アミン錯体としては、例えばtert−ブチルアミンボラン、2−メチルピリジンボラン、ボラン−モルホリン錯体、ジメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン等が挙げられる。これらボラン−アミン錯体の中で、取扱性の観点からジメチルアミンボランが好適である。
これらボラン−アミン錯体は、溶剤に希釈され使用される。溶剤としては、アミン錯体を均一に溶解するものが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、グリセロール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族乃至脂環式炭化水素、水、あるいはこれらの混合溶剤を用いることができる。
希釈する濃度としては、アミン錯体濃度が、0.001〜0.1mol/lの範囲が好ましい。アミン錯体濃度が0.001mol/l未満では基板1表面の不活性化が不十分となる場合があり、0.1mol/l超では生産性を悪化させるおそれがある。
また、基板1を上記アミン錯体含有溶液に浸漬する時間としては、3〜30分の範囲が好ましい。浸漬時間が3分未満では基板1表面の不活性化が不十分となる場合があり、30分超では浸漬時間が長すぎて生産性を悪化させるおそれがある。
また、このときのアミン錯体含有溶液の温度は常温(15〜25℃)でよい。
(工程7)誘電体膜形成
次に、CVD装置を用い、図1(D)に示すように、n型拡散層3及びp型拡散層2上に窒化珪素膜である誘電体膜4を堆積する。誘電体膜4の膜厚は70〜100nmが好ましい。また、他の反射防止膜として二酸化チタン膜、酸化亜鉛膜、酸化スズ膜、酸化タンタル膜、酸化ニオブ膜、フッ化マグネシウム膜、酸化アルミニウム膜等があり、代替が可能である。また、形成方法も上記以外にリモートプラズマCVD法、コーティング法、真空蒸着法等があるが、経済的な観点から、上記、窒化珪素膜をプラズマCVD法によって形成するのが好適である。
(工程8)電極形成
スクリーン印刷装置等を用い、基板1の受光面側及び裏面側に、例えば銀からなるペーストを、スクリーン印刷装置を用いて誘電体膜4上に印刷し、櫛形電極パターン状に塗布して乾燥させる。最後に、焼成炉において、500〜900℃で1〜30分間の焼成を行い、p型拡散層2及びn型拡散層3と電気的に接続するフィンガー電極5、裏面電極6、及びバスバー電極7を形成する(図1(E))。
なお、図1(E)では、フィンガー電極5及びバスバー電極7がp型拡散層2と接続していないように示され、裏面電極6及びバスバー電極7がn型拡散層3と接続していないように示されているが、前記焼成によりファイヤースルーされ、実際はそれぞれの電極はp型拡散層2、n型拡散層3と接続している。
以上のように、誘電体膜4を形成する前に、アミン錯体含有溶液に基板1を浸漬することで、アミン錯体のプロトンが基板1表面(受光面側はp型拡散層2の表面、裏面側はn型拡散層3の表面)のダングリングボンドを終端するので、基板1表面のキャリア再結合が低減され、その結果、高変換効率の太陽電池を製造することができる。
〔第2の実施形態〕
本発明に係る太陽電池の製造方法は、第一導電型(p型)のシリコン基板(基板1)の受光面側に第一導電型と反対の導電型(n型)となる受光面側拡散層(n型拡散層3)を形成し、この拡散層上に反射防止膜となる誘電体膜(誘電体膜4)を形成する太陽電池の製造方法において、前記拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に、前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬して該シリコン基板表面を処理することを特徴とするものである。
以下、図2を用いて本実施形態の構成を説明する。
(工程i)シリコン基板(以下、基板と称する。)1としてp型基板を使用する(図2(A))。このシリコン単結晶基板はチョクラルスキー(CZ)法及びフロートゾーン(FZ)法のいずれの方法によって作製されていてもよい。基板1の比抵抗は、高性能の太陽電池を作る点から、0.1〜20Ω・cmが好ましく、0.5〜2.0Ω・cmがより好ましい。
(工程ii)ダメージエッチング/テクスチャ形成
例えば、基板1を水酸化ナトリウム水溶液に浸し、ダメージ層をエッチングで取り除く。この基板のダメージ除去は、水酸化カリウム等の強アルカリ水溶液を用いてもよく、フッ硝酸等の酸水溶液でも同様の目的を達成することが可能である。次に、第1の実施形態の場合と同様に、ダメージエッチングを行った基板1にランダムテクスチャを形成する。
(工程iii)n型拡散層形成
基板1の受光面にドーパントを含む塗布剤を塗布した後に熱処理を行うことでn型拡散層3を受光面に形成する(図2(B))。熱処理後、基板1に付いたガラス成分はガラスエッチング等により洗浄する。ドーパントはリンが好ましい。n型拡散層3の表面ドーパント濃度は、1×1018cm-3〜5×1020cm-3が好ましく、5×1018cm-3〜1×1020cm-3がより好ましい。
(工程iv)pn接合分離
プラズマエッチャーを用い、pn接合分離を行う。このプロセスではプラズマやラジカルが受光面や裏面に侵入しないよう、サンプルをスタックし、その状態で端面を数ミクロン削る。接合分離後、基板1に付いたガラス成分、シリコン粉等はガラスエッチング等により洗浄する。
(工程v)アミン錯体含有溶液浸漬
次に、アミン錯体を含有する溶液に工程ivまでの処理を行った基板1を浸漬し、基板1の表面(受光面側はn型拡散層3の表面)を不活性化させる。ここで使用するアミン錯体及び条件は第1の実施形態と同じでよい。
(工程vi)誘電体膜形成
次に、CVD装置を用い、図2(C)に示すように、n型拡散層3上に窒化珪素膜である誘電体膜4を堆積する。この誘電体膜4の膜厚は70〜100nmが好ましい。また、他の反射防止膜として二酸化チタン膜、酸化亜鉛膜、酸化スズ膜、酸化タンタル膜、酸化ニオブ膜、フッ化マグネシウム膜、酸化アルミニウム膜等があり、代替が可能である。また、形成方法も上記以外にリモートプラズマCVD法、コーティング法、真空蒸着法等があるが、経済的な観点から、上記のように、窒化珪素膜をプラズマCVD法によって形成するのが好適である。
(工程vii)電極形成
スクリーン印刷装置等を用い、基板1の受光面側及び裏面側に、例えば銀からなるペーストを、スクリーン印刷装置を用いてn型拡散層3上に印刷し、櫛形電極パターン状に塗布して乾燥させる。また、本実施形態のように基板1にp型シリコン基板を使用する場合は、裏面側にアルミニウム粉末を有機バインダで混合したペーストをスクリーン印刷し乾燥させる。最後に、焼成炉において、500〜900℃で1〜30分間の焼成を行い、前記n型拡散層3と電気的に接続するフィンガー電極5及びバスバー電極7、基板1と電気的に接続する裏面電極6を形成する(図2(D))。
なお、図2(D)ではフィンガー電極5及びバスバー電極7はn型拡散層3と接続していないように示されているが、焼成によりファイヤースルーされ、実際は拡散層と接続している。
以上のように、誘電体膜4を形成する前に、アミン錯体含有溶液に基板1を浸漬することで、アミン錯体のプロトンが基板1表面(受光面側はn型拡散層3表面)のダングリングボンドを終端するので、基板1表面のキャリア再結合が低減され、その結果、高変換効率の太陽電池を製造することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
図1の手順に従い、以下の条件で太陽電池を作製した。
まず、基板1として結晶面方位(100)、15.65cm角200μm厚、アズスライス比抵抗2Ω・cm(ドーパント濃度7.2×1015cm-3)リンドープn型単結晶シリコン基板を用意し、基板1を水酸化ナトリウム水溶液に浸してダメージ層をエッチングで取り除き、水酸化カリウム水溶液にイソプロピルアルコールを加えた水溶液に浸してアルカリエッチングすることでテクスチャ形成を行った。得られた基板1の裏面に、リンドーパントを含む塗布剤を塗布した後に、900℃,1時間熱処理を行い、n型拡散層3を裏面に形成した。熱処理後、基板1に付いたガラス成分は高濃度フッ酸溶液等により除去後、洗浄した。
引き続き、n型拡散層3を形成した基板1の裏面同士を合わせてBBr3による気相拡散を行い、p型拡散層2を受光面全体に形成した。
次に、プラズマエッチャーを用い、pn接合分離を行った。プラズマやラジカルが受光面や裏面に侵入しないよう、対象をスタックした状態で端面を数ミクロン削った。基板1に付いたガラス成分を高濃度フッ酸溶液等により除去後、洗浄した。
引き続き、ジメチルアミンボラン5質量部をメタノール100質量部に溶解した溶液中に前記基板1を室温で15分間浸漬した。
次に、平行平板型CVD装置を用い、成膜用ガスとしてモノシランとアンモニアと水素の混合ガスを使用して、受光面側p型拡散層2、及び裏面n型拡散層3上に窒化珪素からなる誘電体膜4を積層した。この膜厚は70nmであった。
引き続き、基板1の受光面側及び裏面側にそれぞれ銀ペーストを電極印刷し、乾燥後800℃で3分間の焼成を行い、フィンガー電極5、裏面電極6及びバスバー電極8を形成した。
[実施例2]
図2の手順に従い、以下の条件で太陽電池を作製した。
基板1としてp型単結晶シリコン基板を使用し、実施例1同様に、水酸化ナトリウム水溶液に浸してダメージ層をエッチングで取り除き、水酸化カリウム水溶液にイソプロピルアルコールを加えた水溶液に浸してアルカリエッチングすることでテクスチャ形成を行った。得られた基板1の受光面に、リンドーパントを含む塗布剤を塗布した後に、800℃,1時間の熱処理を行い、n型拡散層3を受光面に形成した。熱処理後、基板1に付いたガラス成分は高濃度フッ酸溶液等により除去後、洗浄した。
引き続き、ジメチルアミンボラン5質量部をメタノール100質量部に溶解した溶液中に前記基板1を室温で15分間浸漬した。
次に、平行平板型CVD装置を用い、成膜用ガスとしてモノシランとアンモニアと水素の混合ガスを使用して、受光面側n型拡散層3上に窒化珪素からなる誘電体膜4を積層した。この膜厚は90nmであった。
引き続き、基板1の受光面側及び裏面側にそれぞれ銀ペースト及びアルミニウムペーストを電極印刷し、乾燥後800℃で3分間の焼成を行い、フィンガー電極5、裏面電極6及びバスバー電極7を形成した。
[比較例1]
実施例1において、誘電体膜4形成前に行ったアミン錯体含有溶液に基板1を浸漬する工程を省き、それ以外は実施例1と同じ条件で太陽電池を作製した。
[比較例2]
実施例2において、誘電体膜4形成前に行ったアミン錯体含有溶液に基板1を浸漬する工程を省き、それ以外は実施例2と同じ条件で太陽電池を作製した。
以上のように、実施例及び比較例で得られた太陽電池を、25℃の雰囲気の中、ソーラーシミュレーター(光強度:1kW/m2,スペクトル:AM1.5グローバル)の下で電流電圧特性を測定した。
その結果を表1に示す。なお、表中の数字は実施例及び比較例で試作したセル10枚の平均値である。
Figure 0005516611
上記のように、実施例1,2の太陽電池は、誘電体膜4形成前にアミン錯体含有溶液に基板1を浸漬することで、基板1表面(実施例1においてはp型拡散層2及びn型拡散層3の表面、実施例2においてはn型拡散層3の表面)が適切に不活性化され、パッシベーション効果に優れ、高い変換効率の太陽電池が得られた。
1 シリコン基板
2 p型拡散層
3 n型拡散層
4 誘電体膜
5 受光面電極(フィンガー電極)
6 裏面電極
7 バスバー電極

Claims (7)

  1. 第一導電型のシリコン基板の受光面側に第一導電型と反対の導電型となる受光面側拡散層を形成し、この拡散層上に反射防止膜となる誘電体膜を形成後、前記拡散層に電気的に接続する受光面電極を形成する太陽電池の製造方法において、
    前記拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に、前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬して該シリコン基板表面を処理することを特徴とする太陽電池の製造方法。
  2. 前記シリコン基板の受光面と反対側の裏面側に第一導電型と同じ導電型の拡散層を形成する工程を更に有し、前記受光面側拡散層と共に前記裏面側拡散層上に前記誘電体膜を形成することを行う太陽電池の製造方法であって、
    前記受光面側拡散層及び裏面側拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に、前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬する前記処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  3. 第一導電型のシリコン基板の受光面と反対側の裏面側に第一導電型と同じ導電型の拡散層を形成し、この拡散層上に誘電体膜を形成後、前記拡散層に電気的に接続する裏面電極を形成する太陽電池の製造方法において、前記拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬して該シリコン基板表面を処理することを特徴とする太陽電池の製造方法。
  4. 前記アミン錯体を含む溶液のアミン錯体濃度が0.001〜0.1mol/lであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  5. 前記アミン錯体がボラン−アミン錯体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記アミン錯体を含む溶液が有機溶媒又は水を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法により製造されてなる太陽電池。
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