JP5516611B2 - 太陽電池の製造方法及び太陽電池 - Google Patents
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Description
η={Pmax/(S×I)}×100(%)
が太陽電池の変換効率ηとして定義される。
FF=Pmax/(Isc×Voc)
で定義されるフィルファクタ(曲線因子)により評価でき、該FFの値が1に近いほど出力電流電圧曲線が理想的な角形に近づき、変換効率ηも高められることを意味する。
〔1〕 第一導電型のシリコン基板の受光面側に第一導電型と反対の導電型となる受光面側拡散層を形成し、この拡散層上に反射防止膜となる誘電体膜を形成後、前記拡散層に電気的に接続する受光面電極を形成する太陽電池の製造方法において、
前記拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に、前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬して該シリコン基板表面を処理することを特徴とする太陽電池の製造方法。
〔2〕 前記シリコン基板の受光面と反対側の裏面側に第一導電型と同じ導電型の拡散層を形成する工程を更に有し、前記受光面側拡散層と共に前記裏面側拡散層上に前記誘電体膜を形成することを行う太陽電池の製造方法であって、
前記受光面側拡散層及び裏面側拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に、前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬する前記処理を行うことを特徴とする〔1〕に記載の太陽電池の製造方法。
〔3〕 第一導電型のシリコン基板の受光面と反対側の裏面側に第一導電型と同じ導電型の拡散層を形成し、この拡散層上に誘電体膜を形成後、前記拡散層に電気的に接続する裏面電極を形成する太陽電池の製造方法において、前記拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬して該シリコン基板表面を処理することを特徴とする太陽電池の製造方法。
〔4〕 前記アミン錯体を含む溶液のアミン錯体濃度が0.001〜0.1mol/lであることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
〔5〕 前記アミン錯体がボラン−アミン錯体であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
〔6〕 前記アミン錯体を含む溶液が有機溶媒又は水を含有することを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
〔7〕 〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の太陽電池の製造方法により製造されてなる太陽電池。
また、本発明の太陽電池の製造方法を、図面を用いて説明するが、この説明により本発明が限定されるものではない。
本発明に係る太陽電池の製造方法は、第一導電型(n型)のシリコン基板(基板1)の受光面側に第一導電型と反対の導電型(p型)となる受光面側拡散層(p型拡散層2)を形成し、この拡散層上に反射防止膜となる誘電体膜(誘電体膜4)を形成する太陽電池の製造方法において、前記拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に、前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬して該シリコン基板表面を処理することを特徴とするものである。また、本発明は、前記シリコン基板の受光面と反対側の裏面側に第一導電型と同じ導電型の拡散層(n型拡散層3)を形成する工程を更に有し、前記受光面側拡散層(p型拡散層2)と共に前記裏面側拡散層上に前記誘電体膜(誘電体膜4)を形成することを行う太陽電池の製造方法であって、前記受光面側拡散層及び裏面側拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に、前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬する前記処理を行うことを特徴とするものである。
以下、図1を用いて本実施形態の構成を説明する。
例えば、基板1を水酸化ナトリウム水溶液に浸し、ダメージ層をエッチングで取り除く。この基板のダメージ除去は、水酸化カリウム等の強アルカリ水溶液を用いてもよく、フッ硝酸等の酸水溶液でも同様の目的を達成することが可能である。
次に、ダメージエッチングを行った基板1にランダムテクスチャを形成する。太陽電池は通常、表面に凹凸形状を形成するのが好ましい。その理由は、可視光域の反射率を低減させるために、できる限り2回以上の反射を受光面で行わせる必要があるためである。これら一つ一つの山のサイズは1〜20μm程度が好ましい。代表的な表面凹凸構造としては、V溝、U溝が挙げられ、研削機を利用してこれらの形成が可能である。また、ランダムな凹凸構造を作るには、水酸化ナトリウムにイソプロピルアルコールを加えた水溶液に浸してウェットエッチングや、他には、酸エッチングやリアクティブ・イオン・エッチング等を用いることができる。なお、図中では両面に形成したテクスチャ構造は微細なため省略している。
次に、基板1の裏面にドーパントを含む塗布剤を塗布した後に熱処理を行うことでn型拡散層3を裏面に形成する(図1(B))。ドーパントはリンが好ましい。また、n型拡散層3の表面ドーパント濃度は、1×1018cm-3〜5×1020cm-3が好ましく、5×1018cm-3〜1×1020cm-3がより好ましい。なお、熱処理後、基板1に付いたガラス成分をガラスエッチング等により洗浄除去する。
工程3と同様の処理を受光面で行い、p型拡散層2を受光面全体に形成する(図1(C))。詳しくは、n型拡散層3を形成した裏面同士を合わせて、BBr3による気相拡散により、p型拡散層2を形成する。ドーパントはボロンが好ましい。また、p型拡散層2の表面ドーパント濃度は、1×1018cm-3〜5×1020cm-3が好ましく、更には5×1018cm-3〜1×1020cm-3がより好ましい。
次に、プラズマエッチャーを用い、pn接合分離を行う。このプロセスではプラズマやラジカルが受光面や裏面に侵入しないよう、サンプルをスタックし、その状態で端面を数ミクロン削る。接合分離後、基板1に付いたガラス成分、シリコン粉等はガラスエッチング等により洗浄するとよい。
次に、アミン錯体を含有する溶液に工程5までの処理を行った基板1を浸漬し、基板1の表面(受光面側はp型拡散層2の表面であり、裏面側はn型拡散層3の表面である。)を不活性化させる。
また、このときのアミン錯体含有溶液の温度は常温(15〜25℃)でよい。
次に、CVD装置を用い、図1(D)に示すように、n型拡散層3及びp型拡散層2上に窒化珪素膜である誘電体膜4を堆積する。誘電体膜4の膜厚は70〜100nmが好ましい。また、他の反射防止膜として二酸化チタン膜、酸化亜鉛膜、酸化スズ膜、酸化タンタル膜、酸化ニオブ膜、フッ化マグネシウム膜、酸化アルミニウム膜等があり、代替が可能である。また、形成方法も上記以外にリモートプラズマCVD法、コーティング法、真空蒸着法等があるが、経済的な観点から、上記、窒化珪素膜をプラズマCVD法によって形成するのが好適である。
スクリーン印刷装置等を用い、基板1の受光面側及び裏面側に、例えば銀からなるペーストを、スクリーン印刷装置を用いて誘電体膜4上に印刷し、櫛形電極パターン状に塗布して乾燥させる。最後に、焼成炉において、500〜900℃で1〜30分間の焼成を行い、p型拡散層2及びn型拡散層3と電気的に接続するフィンガー電極5、裏面電極6、及びバスバー電極7を形成する(図1(E))。
なお、図1(E)では、フィンガー電極5及びバスバー電極7がp型拡散層2と接続していないように示され、裏面電極6及びバスバー電極7がn型拡散層3と接続していないように示されているが、前記焼成によりファイヤースルーされ、実際はそれぞれの電極はp型拡散層2、n型拡散層3と接続している。
本発明に係る太陽電池の製造方法は、第一導電型(p型)のシリコン基板(基板1)の受光面側に第一導電型と反対の導電型(n型)となる受光面側拡散層(n型拡散層3)を形成し、この拡散層上に反射防止膜となる誘電体膜(誘電体膜4)を形成する太陽電池の製造方法において、前記拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に、前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬して該シリコン基板表面を処理することを特徴とするものである。
以下、図2を用いて本実施形態の構成を説明する。
例えば、基板1を水酸化ナトリウム水溶液に浸し、ダメージ層をエッチングで取り除く。この基板のダメージ除去は、水酸化カリウム等の強アルカリ水溶液を用いてもよく、フッ硝酸等の酸水溶液でも同様の目的を達成することが可能である。次に、第1の実施形態の場合と同様に、ダメージエッチングを行った基板1にランダムテクスチャを形成する。
基板1の受光面にドーパントを含む塗布剤を塗布した後に熱処理を行うことでn型拡散層3を受光面に形成する(図2(B))。熱処理後、基板1に付いたガラス成分はガラスエッチング等により洗浄する。ドーパントはリンが好ましい。n型拡散層3の表面ドーパント濃度は、1×1018cm-3〜5×1020cm-3が好ましく、5×1018cm-3〜1×1020cm-3がより好ましい。
プラズマエッチャーを用い、pn接合分離を行う。このプロセスではプラズマやラジカルが受光面や裏面に侵入しないよう、サンプルをスタックし、その状態で端面を数ミクロン削る。接合分離後、基板1に付いたガラス成分、シリコン粉等はガラスエッチング等により洗浄する。
次に、アミン錯体を含有する溶液に工程ivまでの処理を行った基板1を浸漬し、基板1の表面(受光面側はn型拡散層3の表面)を不活性化させる。ここで使用するアミン錯体及び条件は第1の実施形態と同じでよい。
次に、CVD装置を用い、図2(C)に示すように、n型拡散層3上に窒化珪素膜である誘電体膜4を堆積する。この誘電体膜4の膜厚は70〜100nmが好ましい。また、他の反射防止膜として二酸化チタン膜、酸化亜鉛膜、酸化スズ膜、酸化タンタル膜、酸化ニオブ膜、フッ化マグネシウム膜、酸化アルミニウム膜等があり、代替が可能である。また、形成方法も上記以外にリモートプラズマCVD法、コーティング法、真空蒸着法等があるが、経済的な観点から、上記のように、窒化珪素膜をプラズマCVD法によって形成するのが好適である。
スクリーン印刷装置等を用い、基板1の受光面側及び裏面側に、例えば銀からなるペーストを、スクリーン印刷装置を用いてn型拡散層3上に印刷し、櫛形電極パターン状に塗布して乾燥させる。また、本実施形態のように基板1にp型シリコン基板を使用する場合は、裏面側にアルミニウム粉末を有機バインダで混合したペーストをスクリーン印刷し乾燥させる。最後に、焼成炉において、500〜900℃で1〜30分間の焼成を行い、前記n型拡散層3と電気的に接続するフィンガー電極5及びバスバー電極7、基板1と電気的に接続する裏面電極6を形成する(図2(D))。
なお、図2(D)ではフィンガー電極5及びバスバー電極7はn型拡散層3と接続していないように示されているが、焼成によりファイヤースルーされ、実際は拡散層と接続している。
図1の手順に従い、以下の条件で太陽電池を作製した。
まず、基板1として結晶面方位(100)、15.65cm角200μm厚、アズスライス比抵抗2Ω・cm(ドーパント濃度7.2×1015cm-3)リンドープn型単結晶シリコン基板を用意し、基板1を水酸化ナトリウム水溶液に浸してダメージ層をエッチングで取り除き、水酸化カリウム水溶液にイソプロピルアルコールを加えた水溶液に浸してアルカリエッチングすることでテクスチャ形成を行った。得られた基板1の裏面に、リンドーパントを含む塗布剤を塗布した後に、900℃,1時間熱処理を行い、n型拡散層3を裏面に形成した。熱処理後、基板1に付いたガラス成分は高濃度フッ酸溶液等により除去後、洗浄した。
引き続き、n型拡散層3を形成した基板1の裏面同士を合わせてBBr3による気相拡散を行い、p型拡散層2を受光面全体に形成した。
次に、プラズマエッチャーを用い、pn接合分離を行った。プラズマやラジカルが受光面や裏面に侵入しないよう、対象をスタックした状態で端面を数ミクロン削った。基板1に付いたガラス成分を高濃度フッ酸溶液等により除去後、洗浄した。
引き続き、ジメチルアミンボラン5質量部をメタノール100質量部に溶解した溶液中に前記基板1を室温で15分間浸漬した。
次に、平行平板型CVD装置を用い、成膜用ガスとしてモノシランとアンモニアと水素の混合ガスを使用して、受光面側p型拡散層2、及び裏面n型拡散層3上に窒化珪素からなる誘電体膜4を積層した。この膜厚は70nmであった。
引き続き、基板1の受光面側及び裏面側にそれぞれ銀ペーストを電極印刷し、乾燥後800℃で3分間の焼成を行い、フィンガー電極5、裏面電極6及びバスバー電極8を形成した。
図2の手順に従い、以下の条件で太陽電池を作製した。
基板1としてp型単結晶シリコン基板を使用し、実施例1同様に、水酸化ナトリウム水溶液に浸してダメージ層をエッチングで取り除き、水酸化カリウム水溶液にイソプロピルアルコールを加えた水溶液に浸してアルカリエッチングすることでテクスチャ形成を行った。得られた基板1の受光面に、リンドーパントを含む塗布剤を塗布した後に、800℃,1時間の熱処理を行い、n型拡散層3を受光面に形成した。熱処理後、基板1に付いたガラス成分は高濃度フッ酸溶液等により除去後、洗浄した。
引き続き、ジメチルアミンボラン5質量部をメタノール100質量部に溶解した溶液中に前記基板1を室温で15分間浸漬した。
次に、平行平板型CVD装置を用い、成膜用ガスとしてモノシランとアンモニアと水素の混合ガスを使用して、受光面側n型拡散層3上に窒化珪素からなる誘電体膜4を積層した。この膜厚は90nmであった。
引き続き、基板1の受光面側及び裏面側にそれぞれ銀ペースト及びアルミニウムペーストを電極印刷し、乾燥後800℃で3分間の焼成を行い、フィンガー電極5、裏面電極6及びバスバー電極7を形成した。
実施例1において、誘電体膜4形成前に行ったアミン錯体含有溶液に基板1を浸漬する工程を省き、それ以外は実施例1と同じ条件で太陽電池を作製した。
実施例2において、誘電体膜4形成前に行ったアミン錯体含有溶液に基板1を浸漬する工程を省き、それ以外は実施例2と同じ条件で太陽電池を作製した。
その結果を表1に示す。なお、表中の数字は実施例及び比較例で試作したセル10枚の平均値である。
2 p型拡散層
3 n型拡散層
4 誘電体膜
5 受光面電極(フィンガー電極)
6 裏面電極
7 バスバー電極
Claims (7)
- 第一導電型のシリコン基板の受光面側に第一導電型と反対の導電型となる受光面側拡散層を形成し、この拡散層上に反射防止膜となる誘電体膜を形成後、前記拡散層に電気的に接続する受光面電極を形成する太陽電池の製造方法において、
前記拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に、前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬して該シリコン基板表面を処理することを特徴とする太陽電池の製造方法。 - 前記シリコン基板の受光面と反対側の裏面側に第一導電型と同じ導電型の拡散層を形成する工程を更に有し、前記受光面側拡散層と共に前記裏面側拡散層上に前記誘電体膜を形成することを行う太陽電池の製造方法であって、
前記受光面側拡散層及び裏面側拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に、前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬する前記処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の製造方法。 - 第一導電型のシリコン基板の受光面と反対側の裏面側に第一導電型と同じ導電型の拡散層を形成し、この拡散層上に誘電体膜を形成後、前記拡散層に電気的に接続する裏面電極を形成する太陽電池の製造方法において、前記拡散層形成後、前記誘電体膜形成前に前記シリコン基板をアミン錯体を含む溶液に浸漬して該シリコン基板表面を処理することを特徴とする太陽電池の製造方法。
- 前記アミン錯体を含む溶液のアミン錯体濃度が0.001〜0.1mol/lであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
- 前記アミン錯体がボラン−アミン錯体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
- 前記アミン錯体を含む溶液が有機溶媒又は水を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法により製造されてなる太陽電池。
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