JP2009128442A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】落下等に対する耐衝撃性が向上し、さらに、耐衝撃構造を有する装置として小型化、組み立て精度向上、組み立て工数削減が可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置であるデジタルカメラ1は、レンズ鏡枠20と、該レンズ鏡枠を収容する筐体であるカメラ前カバー2と、レンズ鏡枠20を前カバー2中に位置決めして支持し、前カバー2が衝撃力を受けたときに、レンズ鏡枠20の前カバー2との相対位置を変化させることが可能なように弾性変形し、該衝撃力が無くなった後に形状復元が可能なように軸方向に切り込まれた摺り割り部5bを有する位置決めピン5とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】撮像装置であるデジタルカメラ1は、レンズ鏡枠20と、該レンズ鏡枠を収容する筐体であるカメラ前カバー2と、レンズ鏡枠20を前カバー2中に位置決めして支持し、前カバー2が衝撃力を受けたときに、レンズ鏡枠20の前カバー2との相対位置を変化させることが可能なように弾性変形し、該衝撃力が無くなった後に形状復元が可能なように軸方向に切り込まれた摺り割り部5bを有する位置決めピン5とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、レンズ鏡枠を内蔵する撮像装置の耐衝撃支持構造に関する。
近年、カメラなどの携帯型の撮像装置は、小型化が望まれている一方、落下などに対する耐衝撃性のより高いものが要求されている。例えば、上記撮像装置に組み込まれるレンズ鏡枠は、落下に作用する衝撃力を受けたときに各部品間で衝突したり、自重で変形し、光学性能が劣化したり、構成部品が破損することなどが発生する可能性があった。そこで上記衝撃力を吸収させるために、緩衝材としてのゴム部材をレンズ鏡枠の支持部に挿入した緩衝支持構造が従来から採用されている。
従来の撮像装置であるデジタルカメラとして、上述した緩衝材としてのゴム部材を適用したレンズ鏡枠緩衝支持構造として図14〜16に示すものが考えられる。図14は、上記従来のデジタルカメラにてゴム部材を緩衝材とする緩衝支持構造の一例を示す分解斜視図である。図15は、図14のC−C断面図であって鏡枠ユニット支持部の断面を示す。図16は、鏡枠ユニット用位置決めピンとゴムリングとの斜視図である。
図14に示すようにこの従来のデジタルカメラ100においては、カメラ筐体であって、後カバー102と接合される前カバー101にレンズ鏡枠ユニットの鏡枠本体103が、後述する緩衝部材を介して支持されている。鏡枠本体103に組み込まれ、レンズ保持枠に保持される撮影レンズからなる光学系は、折り曲げ光学系を形成しており、撮影光軸として被写体から撮影レンズに向かう光軸O1 と光軸O1 から90度折り曲げられた撮像素子に向かう光軸O2 とを有している。光軸O2 と平行なガイド軸131にカム部136により進退可能に支持される第二群レンズ134を保持する第二群枠132および第三群レンズ135を保持する第三群枠133が配されている。第二群枠132,第三群枠133は、ガイド軸131の近傍にあるカムフォロア部が進退駆動用カム部136に当接し、光軸O2 方向(F1 方向,F2 方向)の移動が規制されている。
鏡枠本体103は、筐体支持部として支持孔103a,103bと支持当接面103cを有している。位置決めピン104,105を支持孔103a,103bに貫通させ、ピン先端部を前カバー101の支持穴101a,101bに挿入し、かつ、ピン他端部を押さえ板106,107で軸方向に押圧支持することによって、鏡枠本体103の光軸O2 と平行な面上(O1 直交平面上)の位置決めがなされる。さらに、押さえ板108を支持当接面103cに当接させて光軸O1 方向(前後方向)の固定がなされる。ただし、鏡枠本体103の下方部も図示しない押さえ板を当接せて光軸O1 方向の固定がなされる。なお、押さえ板106,107,108は、それぞれ前カバー101に位置決めされ、ビスにより固定される。
位置決めピン104,105の支持孔103a,103bを貫通する軸部には緩衝部材としてのゴム製スリーブ111が挿入されており(図16)、該スリーブ111は、鏡枠本体103のピン孔103a,103bと位置決めピン104,105との間に介在する(図15)。
上述した構造を有するカメラ100を不用意に落下させ、特に前カバー101の上下が地面や障害物と当接して光軸O2 方向の衝撃力F1 ,F2 が作用した場合、位置決めピン104,105に軟質ゴム製のスリーブ111が挿入されていることから鏡枠本体103が受ける衝撃力が緩和され、第二群枠132や第三群枠133が保護される。
もし、位置決めピン104,105にゴム製スリーブ111が挿入されていない場合は、上記衝撃力F1 ,F2 が鏡枠本体103を介して直接的に第二群枠132,第三群枠133のレンズ保持部に作用し、第二群枠132,第三群枠133の根元の軸受け部(ガイド軸131との嵌合部周辺)には大きな曲げモーメントによる力が加わる。この曲げモーメントにより上記軸受け部が破損する可能性がある。しかし、上述したようにゴム製のスリーブ111を挿入することにより、上記衝撃力が緩和されて、上記軸受け部が破損が防止される。
なお、上述したようなゴム等の緩衝部材を介して鏡枠部を支持する他の構造は、特許文献1等に開示されている。
特開2005−173249号公報
しかしながら図14等で示した従来の携帯型の撮像装置に適用される緩衝支持構造を採用した場合、緩衝材となるゴム製リングを必要とし、部品点数が増え、また、組み立ての手間も増える。また、緩衝効果を上げるにはリングの肉厚を厚くする必要があり、装置の小型化に不利となる。さらに、ゴム製リングの挿入時の厚みのバラツキにより筐体とレンズ鏡枠の取付位置決め精度が悪くなる可能性もあった。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、装置の落下等に対する耐衝撃性が向上し、さらに、耐衝撃構造を有する装置として小型化、組み立て精度向上、工数削減が可能な撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の撮像装置は、レンズ鏡枠と、上記レンズ鏡枠を収容する筐体と、上記レンズ鏡枠を上記筐体中に位置決め支持して、上記筐体が衝撃力を受けたときに、上記レンズ鏡枠の上記筐体との相対位置を変化させることが可能なように弾性変形し、該衝撃力が無くなった後に形状復元が可能なように軸方向に切り込まれた摺り割り部を有する軸部材とを有する。
本発明の請求項2記載の撮像装置は、請求項1記載の撮像装置において、上記軸部材の上記摺り割り部にゴム部材が挿入されている。
本発明の請求項3記載の撮像装置は、レンズ鏡枠と、上記レンズ鏡枠を収容する筐体と、一端が上記筐体内に嵌合し、上記レンズ鏡枠を上記筐体中に位置決めする軸部材と、上記筐体が衝撃力を受けたときに、上記レンズ鏡枠の上記筐体との相対位置を変化させることが可能なように弾性変形し、該衝撃力が無くなった後に形状復元が可能なように上記軸部材の他端を支持する支持部を備えた軸支持部材とを有する。
本発明の請求項4記載の撮像装置は、請求項3記載の撮像装置において、上記軸支持部材は、弾性変形可能な部材からなる板部材である。
本発明の請求項5記載の撮像装置は、請求項3記載の撮像装置において、上記軸部材は、上記筐体が衝撃力を受けたときに、上記レンズ鏡枠の上記筐体との相対位置を変化させることが可能なように弾性変形し、該衝撃力が無くなった後には形状復元が可能なように軸方向に切り込まれた摺り割り部を有する。
本発明によれば、装置の落下等に対する耐衝撃性が向上し、さらに、耐衝撃構造を有する装置として小型化、組み立て精度向上、組み立て工数削減が可能な撮像装置を提供することができる。
以下、図を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態の撮像装置であるデジタルカメラ(以下、カメラと記載する)の分解斜視図である。図2は、上記カメラの前カバーに鏡枠ユニットを取り付けた状態を示す図である。図3は、図2のA−A断面図であって、鏡枠ユニット支持部の断面を示している。図4は、上記カメラの組み込まれる鏡枠ユニットの斜視図である。図5は、上記鏡枠ユニット位置決め用の位置決めピンの斜視図である。図6は、上記位置決めピンにより上記鏡枠ユニットを支持している状態で断面図であって、図6(A)は、衝撃力等の外力が上記前カバーに作用していない状態を示し、図6(B)は、衝撃力が上記前カバーに作用した状態を示す。
本実施形態のカメラは、図1〜4に示すように互いに接合してカメラ筐体を構成する前カバー2および後カバー3と、前カバー2に支持される鏡枠ユニット20と、鏡枠ユニット20を前カバー2上に位置決めするための2本の位置決めピン5と、位置決めピン5を押さえ、かつ、固定するための押さえ板7,8と、鏡枠ユニット20の鏡枠本体4を押え付ける押さえ板9とを有している。
前カバー2には鏡枠ユニット収容部となる凹部2i上の底面部に位置決めピン挿入穴(有底)2a,2cが設けられ、該ピン穴2a,2cにはそれぞれピン回り止め用溝2b,2dが配されている。また、前カバー2の周辺段部2jに押さえ板固定用ビスねじ穴2e,2fと2gと2hが設けられ、該ねじ穴近傍に位置決め用ガイドピンが配されている。
鏡枠ユニット20は、図4に示すように鏡枠本体4と、鏡枠本体4内に配される部材として後述する光軸O2 と平行に支持される2本のガイド軸23,24と、本体4の上部にて光軸O1 上に配され、被写体光束を取り込むための第一群レンズおよび光軸O1 を下方に向けて折り曲げるためのミラー(図示せず)と、該ミラーの下方に配され、上記下方に向けて折り曲げられた光軸O2 に沿って配されるレンズ枠部材(シャッタ枠を含む)25として、第二群レンズを保持する第二群枠26、シャッタ枠27、第三群レンズを保持する第三群枠28、第四群レンズを保持する第四群枠29と、さらに、第四群レンズの下方に配される撮像素子ユニット31と、上記第二群枠26および第三群枠28を光軸O2 方向に進退駆動するカム部32と、さらに、シャッタ駆動モータや鏡枠駆動モータ等を有している。
第二群枠26と第三群枠28とは、その先端部側がガイド軸24により回転規制された状態のもとでカム部32近傍の軸受け部26a,28aにてガイド軸23により光軸O2 に沿って進退移動可能に支持される。また、第二群枠26と第三群枠28の軸受け部26a,28a近傍に一体的に設けられるカムフォロア部(図示せず)は、カム部32のカム面にバネ33の付勢力を受けて当接している。
鏡枠本体4には片側上下(光軸O2 と平行な方向)位置に2本の位置決めピン5が貫通し、嵌入するピン穴4a,4bが設けられ、上部背面には光軸O1 方向の当て付け面4cが配されている。
位置決めピン5は、図5に示すように軸部上方部に鍔部5aと、軸部を上端部から下端部近傍まで切り込んだ摺り割り部5cと、軸部下端部にて外周側に突出する回り止め突起5bとを有している。位置決めピン5の軸部は、摺り割り部5cを設けたことにより摺り割りの向きと直交する方向に弾性変形可能である。
鏡枠ユニット20の前カバー2への取り付けは、鏡枠ユニット20を前カバー2の凹部2i上に載置し、図3に示すように2本の位置決めピン5を光軸O1 と平行な方向に沿って鏡枠本体4のピン穴4a、4bに貫通し、前カバー2のピン穴2a,2cにピン先端部を嵌入させる。位置決めピン5の回り止め突起5cは、ピン穴2a,2cの溝2b,2dに係合させる。その係合嵌入状態で摺り割り部5bの摺り割りの向きは、光軸O2 と直交する方向(左右方向)に向いている。従って、位置決めピン5に光軸O2 方向の力が作用した場合、位置決めピン5は、同方向に弾性変形しやすい姿勢に保持されている。
押さえ板7,8のピン嵌入穴7a,8aに位置決めピン5の軸部上端を嵌入させ、押さえ板7,8を前カバー側ガイドピンで位置決めした状態で前カバー2の段部2jに取り付け、ビス11、12で固定する。また、鏡枠本体4の当て付け面4cに押さえ板9を当て付け、段部2jにガイドピンで位置決めして取り付け、ビス13により固定する。なお、図2に図示していないが鏡枠本体4の下方側も別の押さえ板により前カバー2側に押圧し、固定される。上述した押さえ板11,12,13の装着により鏡枠本体4は、前カバー2に対して光軸O2 と直交する平面上に位置決めされ、かつ、光軸O1 方向に固定された状態で支持される。
上述したカメラ1を使用状態にて万一落下させ、カメラ筐体の上下面、すなわち、前カバー2の上下を障害物に当てた場合、前カバー2は、光軸O2 方向の衝撃力F1 、または、F2 を受ける(図2)。鏡枠ユニット20も光軸O2 方向の力を受けるので位置決めピン5が弾性変形して鏡枠本体4が僅かに移動し、上記衝撃力によるエネルギが位置決めピン5内部で熱エネルギーに変換され、上記衝撃力F1 、または、F2 を吸収する。
図6(B)は、衝撃力F2 を受けた場合の位置決めピン5の弾性変形状態を示している。位置決めピン5の上記弾性変形によって鏡枠本体4に対する衝撃力F2 が吸収されることで鏡枠本体4内部の第二群枠26と第三群枠28のカム側の軸受け部26a,28aが受ける該衝撃による曲げモーメントが減り、軸受け部26a,28aにおける応力集中も減る。従って、第二群枠26と第三群枠28の上記軸受け部の破損や変形が防止され、また、近接する部材との接触による障害も防止される。
図6(B)に示したように位置決めピン5が撓んで摺り割り部5bが当接する状態まで変形した場合は、それ以後、位置決めピン5の変形は極めて少なくなり、鏡枠本体4内の部品同士の干渉も避けられる。
衝撃力が作用した後は、図6(A)に示すように位置決めピン5の上述した変形は復元し、鏡枠本体4は、初期の取り付け位置に戻る。
なお、上記衝撃力が前カバー2の角部に作用した場合、すなわち、カメラ1を斜めに落下させた場合、衝撃力の光軸O2 方向の成分が存在する状態であれば、上述した鏡枠本体4に対する光軸O2 方向の衝撃力の成分は同様に吸収され、該衝撃力成分に対して同様の効果を奏することができる。
また、位置決めピン5は、光軸O2 と直交する方向には撓みが少なく、衝撃緩衝性は少ない。しかし、光軸O2 と直交する方向の衝撃力を受けた場合、その衝撃力は、その作用方向から第二群枠26と第三群枠28に対して大きな曲げモーメントを生じる力にならないので、特に問題とはならない。
以上、説明したように本実施形態のカメラ1によれば、位置決めピン5に軸方向の摺り割りを設けたものを適用することによって、従来のカメラのようにゴム等の緩衝材を不要とし、部品点数を増やすことなく簡単な構成で耐衝撃性を向上させることが可能である。また、組み立ても簡単となる。さらには、形状的にも上記ゴム等の緩衝材を用いたことによる装置の大型化が避けられる。
次に上述した第一の実施形態における位置決めピンの変形例について、図7,8を用いて説明する。
図7は、本変形例の位置決めピンの形状を示す斜視図である。図8は、本変形例の位置決めピンを適用した場合の図1のA−A断面図に相当する図であって、鏡枠ユニット支持部の断面を示す。
図7は、本変形例の位置決めピンの形状を示す斜視図である。図8は、本変形例の位置決めピンを適用した場合の図1のA−A断面図に相当する図であって、鏡枠ユニット支持部の断面を示す。
本変形例の位置決めピン5Aは、図7に示すようにピン自体は、第一の実施形態に適用した位置決めピン5と同様の形状であり、軸部上方部に鍔部5aと、軸部を上端部から下端部近傍まで切り込んだ摺り割り部5bと、軸部下端部にて外周側に突出する回り止め突起5cとを有している。そして、摺り割り部5bには直方体形状の緩衝ゴム41を圧入状態で挿入される。
位置決めピン5A以外の鏡枠本体4の形状や鏡枠ユニット20の他の支持構造等は第一の実施形態の場合と同一である。
本変形例の位置決めピン5Aを適用した場合、第一の実施形態の場合と同様の衝撃吸収効果を奏するが、特に位置決めピン5Aの摺り割り部5bに緩衝ゴム41を挿入しているので、衝撃吸収効果が著しく向上する。さらに、位置決めピン5Aの変形後の復元性もよくなる。
次に本発明の第二の実施形態のカメラについて、図9〜13を用いて説明する。
図9は、本発明の第二の実施形態の撮像装置であるデジタルカメラの前カバーに鏡枠ユニットを取り付けた状態を示す図である。図10は、図9のB−B断面図であって、鏡枠ユニット支持部の断面を示している。図11は、上記鏡枠ユニットの2つの位置決めピン用押さえ板の斜視図であって、図11(A)は、一方の押さえ板を示し、図11(B)は、他方の押さえ板を示す。図12は、上記鏡枠ユニットの位置決めピンの斜視図である。図13は、上記カメラを落下させたときの上記押さえ板の変形状態を示す図である。
図9は、本発明の第二の実施形態の撮像装置であるデジタルカメラの前カバーに鏡枠ユニットを取り付けた状態を示す図である。図10は、図9のB−B断面図であって、鏡枠ユニット支持部の断面を示している。図11は、上記鏡枠ユニットの2つの位置決めピン用押さえ板の斜視図であって、図11(A)は、一方の押さえ板を示し、図11(B)は、他方の押さえ板を示す。図12は、上記鏡枠ユニットの位置決めピンの斜視図である。図13は、上記カメラを落下させたときの上記押さえ板の変形状態を示す図である。
本実施形態のカメラ51は、前述した第一の実施形態のカメラに対して鏡枠ユニット支持構造が異なる。その他の構成は、同様の構成を有しており、同一構成部材に対しては、同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
本実施形態のカメラ51は、図9等に示すように前カバー2や鏡枠ユニット20等の構成は、第一の実施形態の場合と変わらず、押さえ板52,53と位置決めピン54の形状が異なっている。
すなわち、金属板部材からなる軸支持部材である押さえ板52には図11(A)に示すように位置決めピン嵌入穴52aと、2つのビス挿通穴52eと、2つのガイドピン穴52fとが設けられ、さらに、中央部に光軸O2 方向と直交する方向に沿った切り込み52cを入れることによって、位置決めピン支持部となる舌片部52bが形成されている。舌片部52bは、先端部に位置決めピン嵌入穴52aが設けられ、板厚方向と直交する光軸O2 方向に弾性変形可能である。
また、板部材からなる軸支持部材である押さえ板53には図11(B)に示すように位置決めピン嵌入穴53aと、ビス挿通穴53eと、2つのガイドピン穴53fとが設けられ、さらに、中央部に光軸O2 方向と直交する方向に沿った2つの切り込み53c,53dを入れることによって、位置決めピン支持部となる舌片部53bが形成されている。舌片部53bは、先端部に位置決めピン嵌入穴53aが設けられ、板厚方向と直交する光軸O2 方向に弾性変形可能である。
位置決めピン54は、図12に示すように軸部と段部54aとを有している。但し、摺り割りと位置決め突起は不要である。
本実施形態のカメラ51にて鏡枠ユニット20を前カバー2に取り付ける場合、第一の実施形態の場合と同様に2本の位置決めピン54を鏡枠本体4のピン穴4a,4bに貫通させ、先端部を前カバー2のピン穴2a,2cに挿入する。そして、押さえ板52を前カバー2の周辺段部2j(図1)に取り付け、前カバー側ガイドピンをガイドピン穴52fに挿入し、一方の位置決めピン54の軸上端部に位置決めピン嵌入穴52aを嵌入させ、ビス11を前カバー2に螺着して固定する。また、押さえ板53を前カバー2の周辺段部2j(図1)に取り付け、前カバー側ガイドピンをガイドピン穴53fに挿入し、他方の位置決めピン54の軸上端部に位置決めピン嵌入穴53aを嵌入させてビス12を前カバー2に螺着することにより固定する。さらに、第一の実施形態の場合と同様に押さえ板9を鏡枠本体4の前カバー2の上部背面の当て付け面4cに当接させて周辺段部2jに固定し、鏡枠本体4を光軸O1 方向に固定して、支持した状態とする。
本実施形態のカメラ51を使用状態にて万一落下させ、カメラ外装体の上下面、すなわち、前カバー2の上下を障害物に当てて、光軸O2 方向の衝撃力F1 、または、F2 を受けた場合、鏡枠ユニット20が光軸O2 方向の力を受け、2本の位置決めピン54が光軸O2 方向に倒れて、押さえ板52および53の舌片部52b,53bが同方向に弾性変形し、上記衝撃力によるエネルギが押さえ板52内部で熱エネルギーに変換され、上記衝撃力F1 、または、F2 が吸収される。
図13は、衝撃力F2 を受けた場合の押さえ板52および53の舌片部52b,53bの弾性変形状態を示している。押さえ板52および53の舌片部52b,53bの上記弾性変形によって鏡枠本体4に対する衝撃が吸収されるので、第一の実施形態の場合と同様に第二群枠26と第三群枠28のカム側の軸受け部26a,28aが受ける該衝撃による曲げモーメントが減少し、軸受け部26a,28aにおける応力集中も減る。従って、第二群枠26と第三群枠28の上記軸受け部の破損や変形が防止され、また、近接する部材との接触による障害も防止される。
なお、衝撃力が作用した後は、押さえ板52および53の舌片部52b,53bの上述した変形は復元し、鏡枠本体4は、初期の取り付け位置に戻る。
なお、本実施形態においても上記衝撃力が前カバー2の角部に作用した場合、すなわち、カメラ1を斜めに落下させた場合であって、衝撃力の光軸O2 方向の成分が存在する状態であれば、上述した鏡枠本体4に対する光軸O2 方向の衝撃力の成分は同様に吸収され、該衝撃力成分に対して同様の効果を奏することができる。
また、上述のように光軸O2 方向に衝撃がカメラ外装体に加えられると、舌片部52b、53bは同方向に変位すると同時に押さえ板52,53の板厚方向への変位も発生し、衝撃エネルギーの消費を促進する。従って、前カバー2に設けられるピン穴2a,2cは、位置決めピン54の軸部の直径に対してスキマ嵌めの嵌合内径の穴とし、位置決めピン54が傾<ことが可能な状態にしておくと同時に上記板厚方向への変位に対応して位置決めピン54がピン穴2a,2cから抜け出さないないように該ピン穴2a,2cの深さを必要に応じた深さにすることがよい。このため、位置決めピン54のピン穴2a,2cと嵌合する先端部は、球状の形状を施しておけば理想的である。
また、押さえ板52および53の舌片部52b,53bは、光軸O2 と直交する方向には撓みにくく、衝撃緩衝性は少ない。光軸O2 と直交する方向の衝撃力を受けた場合、その衝撃力は、その作用方向から第二群枠26と第三群枠28に対して大きな曲げモーメントを生じる力にならないので、特に問題とはならない。
押さえ板52,53は、金属材料から形成されるものの他に合成樹脂材料から成型されものでその弾性的性質さえ備えていればよい。
以上、説明したように本実施形態のカメラ51によれば、第一の実施形態の場合と同様の効果を奏し、特に位置決めピンとして摺り割りを必要とせず、押さえ板の形状を変えるだけでよいので部品コスト上、有利であり、組み立ても簡単になる。
なお、上述した第一の実施形態における位置決めピン5と第二の実施形態における押さえ板52,53とを併用した鏡枠支持構造をもつ変形例のカメラも提案することができる。すなわち、本変形例においては、鏡枠ユニット20の鏡枠本体4を摺り割り付きの位置決めピン5で支持し、かつ、位置決めピン5の先端部を押さえ板52,53の舌片部52b,53bで支持する。本変形例のカメラが同様に落下等により上下方向の衝撃力を受けた場合、位置決めピン5、および、押さえ板52,53が同時に弾性変形するので鏡枠本体4が受ける衝撃力が第一,第二の実施形態のそれぞれの場合よりもより効果的に吸収され、鏡枠本体4に内蔵される第二群枠26と第三群枠28を上記衝撃力から保護することができる。
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱 しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
本発明による撮像装置は、装置の落下等に対する耐衝撃性が向上し、さらに、耐衝撃構造を有する装置として小型化、組み立て精度向上、組み立て工数削減が可能な撮像装置として利用することができる。
2 …前カバー(筐体)
5,54 …位置決めピン(軸部材)
5b…摺り割り部
20 …レンズ鏡枠ユニット(レンズ鏡枠)
41 …緩衝ゴム(ゴム部材)
52,53…押さえ板(軸支持部材)
52b,53b…舌片部(支持部)
5,54 …位置決めピン(軸部材)
5b…摺り割り部
20 …レンズ鏡枠ユニット(レンズ鏡枠)
41 …緩衝ゴム(ゴム部材)
52,53…押さえ板(軸支持部材)
52b,53b…舌片部(支持部)
Claims (5)
- レンズ鏡枠と、
上記レンズ鏡枠を収容する筐体と、
上記レンズ鏡枠を上記筐体中に位置決め支持して、上記筐体が衝撃力を受けたときに、上記レンズ鏡枠の上記筐体との相対位置を変化させることが可能なように弾性変形し、該衝撃力が無くなった後に形状復元が可能なように軸方向に切り込まれた摺り割り部を有する軸部材と、
を有することを特徴とする撮像装置。 - 上記軸部材の上記摺り割り部にゴム部材が挿入されていることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- レンズ鏡枠と、
上記レンズ鏡枠を収容する筐体と、
一端が上記筐体内に嵌合し、上記レンズ鏡枠を上記筐体中に位置決めする軸部材と、
上記筐体が衝撃力を受けたときに、上記レンズ鏡枠の上記筐体との相対位置を変化させることが可能なように弾性変形し、該衝撃力が無くなった後に形状復元が可能なように上記軸部材の他端を支持する支持部を備えた軸支持部材と、
を有することを特徴とする撮像装置。 - 上記軸支持部材は、弾性変形可能な部材からなる板部材であることを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
- 上記軸部材は、上記筐体が衝撃力を受けたときに、上記レンズ鏡枠の上記筐体との相対位置を変化させることが可能なように弾性変形し、該衝撃力が無くなった後に形状復元が可能なように軸方向に切り込まれた摺り割り部を有することを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
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2007
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