JP2009127770A - 多板式クラッチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチセンタの倒れを防止することができ、クラッチの断接時の精度を向上することができる多板式クラッチ装置を提供する。
【解決手段】多板式クラッチ装置10は、入力部材14に連結されるクラッチアウタ15と、出力軸13に固定されるクラッチインナ16と、クラッチインナ16との間に第1摩擦板17及び第2摩擦板18を軸方向に挟持するプレッシャプレート20と、軸方向においてクラッチインナ16とプレッシャプレート20との間に配置されるクラッチセンタ19と、第1摩擦板17及び第2摩擦板18を圧接方向又は離間方向に移動可能とするように設けられるカム機構40と、を備え、クラッチインナ16に出力軸13と同心となるように形成される円形内周面16cに当接するように円環状部材72を設け、円環状部材72の内周面がクラッチセンタ19の外周面と当接する。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力部材からの駆動力を伝達又は遮断する多板式クラッチ装置に関し、特に、出力軸から入力部材側に逆駆動力が作用することを抑制するカム機構を備える多板式クラッチ装置に関する。
従来の多板式クラッチ装置として、入力部材に連結されるクラッチアウタと、出力部材に固定されるクラッチインナと、クラッチアウタに相対回転不能に係合される複数の第1摩擦板と、各第1摩擦板と交互に配置される複数の第2摩擦板と、各第2摩擦板が相対回転不能に係合されるクラッチセンタと、クラッチインナとの間に第1及び第2摩擦板群を挟むプレッシャプレートと、第1及び第2摩擦板を圧接する側にプレッシャプレートを弾発付勢するクラッチばねと、入力部材から出力部材側への動力をクラッチセンタからクラッチインナに伝達可能とすると共に、出力部材からの逆トルク作用時には、クラッチばねの弾発付勢力に抗してプレッシャプレートをクラッチインナから離間させる側にクラッチセンタを押圧するようにしてクラッチインナ及びクラッチセンタ間に設けられるバックトルクリミッタと、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−308092号公報
ところで、上記特許文献1に記載の多板式クラッチ装置では、クラッチセンタは、軸方向に移動可能に設けられるため、軸又は軸方向に移動不能に設けられる部材に対して摺動可能に設けられる必要がある。そして、クラッチセンタの軸方向の移動をスムーズなものにするためには上記摺動部分にある程度のクリアランスが必要となるが、このクリアランスによりクラッチセンタに倒れ(傾き)が生じる可能性がある。クラッチセンタは複数の摩擦板を回転方向に保持するものであるから、クラッチセンタの倒れにより摩擦板及びクラッチの断接時のフィーリングに悪影響を与えてしまう可能性があり、クラッチセンタの倒れ防止が要望されていた。
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたもので、その目的は、クラッチセンタの倒れを防止することができ、クラッチの断接時の精度を向上することができる多板式クラッチ装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、入力部材に連結されるクラッチアウタと、出力軸に相対回転不能に固定されるクラッチインナと、クラッチアウタに相対回転不能に係合される複数の第1摩擦板と、第1摩擦板と軸方向に交互に配置される複数の第2摩擦板と、クラッチインナとの間に第1摩擦板及び第2摩擦板を軸方向に挟持するプレッシャプレートと、軸方向においてクラッチインナとプレッシャプレートとの間に配置され、第2摩擦板が相対回転不能に係合されるクラッチセンタと、第1摩擦板及び第2摩擦板を軸方向において圧接方向又は離間方向に移動可能とするように設けられるカム機構と、を備える多板式クラッチ装置において、クラッチインナに出力軸と同心となるように形成される円形内周面に当接するように円環状部材を設け、円環状部材の内周面がクラッチセンタの外周面と当接することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、円環状部材は、円筒部と、円筒部から径方向外方に延び且つ周方向に連続して形成される突部と、を有し、突部がジャダースプリングの受け座となることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、円筒部の外周面と突部との間の境界部分に凹部を形成することを特徴とする。
請求項1に記載の多板式クラッチ装置によれば、クラッチインナに出力軸と同心となるように形成される円形内周面に当接するように円環状部材を設け、円環状部材の内周面がクラッチセンタの外周面と当接するため、円環状部材の内周面でクラッチセンタの外周面を案内することにより、クラッチセンタの同心度を向上することができる。これにより、クラッチセンタの倒れを防止することができるので、第1及び第2摩擦板の平行を保持することができ、クラッチ断接時の精度を向上することができる。
請求項2に記載の多板式クラッチ装置によれば、円環状部材は、円筒部と、円筒部から径方向外方に延び且つ周方向に連続して形成される突部と、を有し、突部がジャダースプリングの受け座となるため、クラッチセンタの同心度を向上させる部材とジャダースプリングの受け座とを共用化することができるので、クラッチ装置の生産性の向上、及び軽量化を図ることができる。
請求項3に記載の多板式クラッチ装置によれば、円筒部の外周面と突部との間の境界部分に凹部を形成するため、この境界部分への応力集中を回避することができるので、クラッチ装置の耐久性を向上することができる。
以下、本発明に係る多板式クラッチ装置の一実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る多板式クラッチ装置の一実施形態を説明するための一部切欠断面図、図2は図1のA−A線矢視断面図、図3は図2のB−B線矢視断面図、図4はクラッチインナを示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は(a)に示すカム部材を矢印G方向から見た図、図5は図1のH部拡大図、図6は本発明に係る多板式クラッチ装置の変形例を説明するための要部拡大断面図である。
まず、図1に示すように、不図示のクランクシャフトから出力される駆動力は、不図示のクランクシャフトに設けられるドライブギヤ11と、クランクケース12に回転可能に支持される変速機のメインシャフト13に回転可能に支承され、ドライブギヤ11と噛合するドリブンギヤ14と、ドリブンギヤ14とメインシャフト13との間に設けられる本実施形態の多板式クラッチ装置10と、を経てメインシャフト13に伝達される。
本実施形態の多板式クラッチ装置10は、図1に示すように、入力部材であるドリブンギヤ14に連結されるクラッチアウタ15と、出力軸であるメインシャフト13に相対回転不能に固定されるクラッチインナ16と、クラッチアウタ15に相対回転不能に係合される複数の第1摩擦板17と、第1摩擦板17と軸方向に交互に配置される複数の第2摩擦板18と、クラッチインナ16との間に第1摩擦板17及び第2摩擦板18を軸方向に挟持するプレッシャプレート20と、第2摩擦板18が相対回転不能に係合されると共に、軸方向においてクラッチインナ16とプレッシャプレート20との間に配置され、軸方向に移動可能に設けられるクラッチセンタ19と、第1摩擦板17及び第2摩擦板18を軸方向において圧接方向又は離間方向に移動可能とするように設けられるカム機構40と、を備える。
メインシャフト13及びクランクケース12の間に介設される玉軸受23の内輪23aと、メインシャフト13の一端に螺合されるナット24との間には、ナット24側から順に、第1スペーサ25と、支持筒26のボス26aと、クラッチインナ16の内周部と、第2スペーサ27と、メインシャフト13を同軸に囲繞する円筒状のスリーブ28と、が挟持されており、クラッチインナ16の内周部及び支持筒26のボス26aはメインシャフト13にスプライン嵌合される。即ち、クラッチインナ16及び支持筒26はメインシャフト13に相対回転不能に結合される。また、メインシャフト13と支持筒26の間、及び支持筒26とクラッチセンタ19の間には若干のクリアランスがそれぞれ設けられる。また、ドリブンギヤ14のボス14aは、スリーブ28の外周面に設けられる針状ころ軸受29を介して回転可能に支持される。
クラッチアウタ15は、アルミニウム製で、ドリブンギヤ14との間に環状の滑り板30を介装させる端壁15aをドリブンギヤ14側に有して有底円筒状に形成される。また、クラッチアウタ15の内周面には、複数の第1摩擦板17を係合させるための係合溝15bが軸方向に略等間隔に形成される。
また、クラッチアウタ15の端壁15aの周方向複数箇所に連結ボス15cが突設される。一方、ドリブンギヤ14には、その周方向に間隔をあけた位置で周方向に延びる複数の長孔14bが設けられ、これら複数の長孔14bに連結ボス15cがそれぞれ挿通される。さらに、クラッチアウタ15の連結ボス15cの端面には、端壁15aの反対側でドリブンギヤ14の側面と対向する保持板31が当接されており、この保持板31は、連結ボス15cを貫通するリベット32により連結ボス15cに固定される。また、保持板31とドリブンギヤ14との間には、ドリブンギヤ14及び端壁15aを滑り板30の両面に接触させるように付勢するダイヤフラムばね33が設けられる。
また、ドリブンギヤ14には、複数の長孔14bとは周方向にズレた複数箇所に、周方向に延びる保持孔14cが設けられており、この保持孔14cには、ドリブンギヤ14とクラッチアウタ15との間に介設されるダンパスプリング22が収容される。
クラッチインナ16は、アルミニウム製で、その外周部に受圧板部16aを有して円環状に形成される。
クラッチセンタ19は、浸炭鋼製で、支持筒26に摺動可能に嵌装される内筒部19aと、クラッチインナ16とプレッシャプレート20との間に配置される外筒部19bと、を有するものであり、外筒部19bの外周面には、複数の第2摩擦板18を係合させるための係合溝19cが軸方向に略等間隔に形成される。
プレッシャプレート20は、アルミニウム製で、クラッチセンタ19の外筒部19bに相対回転不能に係合されるようにリング状に形成される。また、ダイヤフラムばねであるクラッチばね21は、プレッシャプレート20の内周のクラッチセンタ19側端部に設けられる鍔部20aと、支持筒26のプレッシャプレート20側端部に設けられる鍔部26bとの間に両端が係合される。そして、クラッチばね21の付勢力によってプレッシャプレート20がクラッチセンタ19を押圧して、交互に配置される第1及び第2摩擦板17,18がクラッチインナ16の受圧板部16a側に付勢される。即ち、本実施形態では、プレッシャプレート20は、クラッチばね21によってクラッチ接続状態となるように常時付勢されている。
プレッシャプレート20には、リフタプレート34の外周部が複数のボルト35で結合されており、リフタプレート34の内周部は、円筒状であるメインシャフト13の一端部にスライド可能に嵌合される円筒状のリフタピース36にレリーズ軸受37を介して回転可能に支持される。また、メインシャフト13内には、不図示のクラッチ操作部材の操作に応じて軸方向に進退するリフタ軸38が挿入されており、このリフタ軸38の一端にリフタピース36が連接される。
そして、リフタ軸38が図1の右方向に移動することによって、リフタプレート34がクラッチばね21の付勢力に抗してクラッチセンタ19から離間する側に移動する。これにより、第1摩擦板17と第2摩擦板18との摩擦係合が解除され、クラッチアウタ15とメインシャフト13との間で伝達する駆動力が遮断される。
カム機構40は、ドリブンギヤ14からの駆動力をクラッチセンタ19からクラッチインナ16に伝達すると共に、メインシャフト13から逆駆動力が作用した時に、クラッチばね21の付勢力に抗してプレッシャプレート20をクラッチインナ16から離間させる側にクラッチセンタ19を介して押圧するものであり、図1〜図3に示すように、クラッチセンタ19側に突出するようにクラッチインナ16に設けられる3個の凸状カム41と、クラッチインナ16側に突出するようにクラッチセンタ19に設けられ、凸状カム41が挿入される3個の凹状カム42と、クラッチセンタ19をクラッチインナ16に近接させる側に付勢するダイヤフラムばね44と、を備え、本実施形態では、凸状カム41は、クラッチインナ16に装着されるカム部材43に一体形成され、凹状カム42は、クラッチセンタ19に一体形成される。
カム部材43は、浸炭鋼製で、図4に示すように、リング状に形成されるものであり、このカム部材43の周方向複数箇所に突設される嵌合凸部43aをクラッチインナ16に設けられる複数の嵌合孔16bに圧入させることによって、カム部材43がクラッチインナ16に装着される。また、凸状カム41は、クラッチインナ16に装着されるカム部材43のクラッチセンタ19側の面に等間隔に形成される。
そして、凸状カム41の周方向外端面には、図3に示すように、周方向に対し同一方向に傾斜する第1傾斜面51及び第2傾斜面52がそれぞれ形成されており、一方の第1傾斜面51は、ドリブンギヤ14から駆動力が作用した時に、凹状カム42と係合してクラッチセンタ19をクラッチインナ16側に移動させ、クラッチ容量を増加させるカム面で、他方の第2傾斜面52は、メインシャフト13から逆駆動力が作用した時に、凹状カム42と当接してクラッチセンタ19をクラッチインナ16から離間する側に移動させ、クラッチ容量を減少させるカム面である。
また、凸状カム41の第1及び第2傾斜面51,52は、図3に示すように、それぞれ軸方向の曲面を形成している。その第1及び第2傾斜面51,52の曲面の曲率R1は、凸状カム41の軸方向幅L1の略10倍に設定され、例えば、L1=5.6mmの場合、R1=50mmに設定される。また、凸状カム41の第1及び第2傾斜面51,52は、ワークと回転工具とを平行軸上で同一方向に回転させて回転工具でワークを断続切削するポリゴン加工により形成される。
ここで、凸状カム41は、第1及び第2傾斜面51,52の曲率R1が凸状カム41の軸方向幅L1の略10倍より小さい場合は、その付け根部分の面積が小さくなり強度が不足してしまう。また、第1及び第2傾斜面51,52の曲率R1が凸状カム41の軸方向幅L1の略10倍より大きい場合は、加工精度のバラツキの範囲内で凹状カム42との接触点がカム面中央から大きくはずれ、力の受け方が不均一になってしまう。
さらに、凹状カム42の周方向内端面には、図3に示すように、周方向に対し同一方向に傾斜する第1傾斜面61及び第2傾斜面62がそれぞれ形成されており、一方の第1傾斜面61は、ドリブンギヤ14から駆動力が作用した時に、凸状カム41の第1傾斜面51と係合してクラッチセンタ19をクラッチインナ16側に移動させ、クラッチ容量を増加させるカム面で、他方の第2傾斜面62は、メインシャフト13から逆駆動力が作用した時に、凸状カム41の第2傾斜面52と当接してクラッチセンタ19をクラッチインナ16から離間する側に移動させ、クラッチ容量を減少させるカム面である。また、凹状カム42の径方向外端側は開放されている。なお、この凹状カム42の開放は、本実施形態では、径方向外端側に設けられるが、径方向内端側に設けられても、径方向両端側に設けられていてもよい。
また、凹状カム42の第1及び第2傾斜面61,62は、図2に示すように、それぞれ径方向の曲面を形成している。その第1及び第2傾斜面61,62の曲面の曲率R2は、凹状カム42の径方向幅L2の略10倍に設定され、例えば、L2=14mmの場合、R2=150mmに設定される。また、凹状カム42の第1及び第2傾斜面61,62は、ドリルなどの切削用工具やワークの動作を座標値によって制御・動作させて切削用工具でワークを切削するNC加工により形成される。
ここで、凹状カム42は、第1及び第2傾斜面61,62の曲率R2が凹状カム42の径方向幅L2の略10倍より小さい場合は、その付け根部分の面積が小さくなり強度が不足してしまう。また、第1及び第2傾斜面61,62の曲率R2が凹状カム42の径方向幅L2の略10倍より大きい場合は、加工精度のバラツキの範囲内で凸状カム41との接触点がカム面中央から大きくはずれ、力の受け方が不均一になってしまう。
また、クラッチセンタ19には、その内筒部19aと外筒部19bとの間にプレッシャプレート20側に突出する円筒部19dが形成されており、この円筒部19dの外端部にはダイヤフラムばね44の一端が当接され、ダイヤフラムばね44の他端は支持筒26の外周に装着される止め輪45に係合される。そして、ダイヤフラムばね44の付勢力によって、クラッチセンタ19がクラッチインナ16側に押圧され、凸状カム41が凹状カム42に確実に挿入される。
そして、本実施形態では、図1及び図5に示すように、クラッチインナ16とクラッチセンタ19の外筒部19bの軸方向内端部との間、及びクラッチインナ16と最もクラッチインナ16側に配置される第2摩擦板18との間にジャダースプリング71及び円環状部材72が配置される。
ジャダースプリング71は、ダイヤフラムばねであり、最もクラッチインナ16側に配置される第2摩擦板18の内側面と、円環状部材72の外端面との間に両端が係合され、第2摩擦板18をプレッシャプレート20側に常時付勢している。
円環状部材72は、浸炭鋼製で、図5に示すように、円筒部73と、円筒部73の軸方向外端部から径方向外方に延び且つ周方向に連続して形成され、ジャダースプリング71の受け座となる突部74と、を有し、クラッチインナ16にメインシャフト13と同心となるように形成される円形内周面16cに当接するように内嵌される。また、本実施形態では、円環状部材72の内周面がクラッチセンタ19の外筒部19bの外周面と当接しており、円環状部材72によりクラッチセンタ19のセンタリングが行われている。
また、本実施形態では、円環状部材72の円筒部73の外周面と突部74との間の境界部分に略円弧状の凹部75が形成される。これにより、この境界部分への応力集中が回避されている。
このように構成された多板式クラッチ装置10では、ドリブンギヤ14から駆動力が作用し、クラッチセンタ19が矢印C方向(図3参照)に回転した場合、凸状カム41の第1傾斜面51と凹状カム42の第1傾斜面61とが点接触で係合して、クラッチセンタ19がクラッチインナ16側(図3の矢印D方向)に移動される。これにより、第1摩擦板17と第2摩擦板18との摩擦係合力が増加されて、クラッチセンタ19に作用する駆動力がクラッチインナ16に効率よく伝達される。
また、メインシャフト13から逆駆動力が作用し、クラッチインナ16が矢印E方向(図3参照)に回転した場合、凸状カム41の第2傾斜面52と凹状カム42の第2傾斜面62とが点接触で当接して、クラッチセンタ19がクラッチインナ16から離間する側(図3の矢印F方向)に移動される。これにより、第1摩擦板17と第2摩擦板18との摩擦係合力が低下されて、クラッチセンタ19に作用する逆駆動力が効果的に抑制される。
また、本実施形態では、凸状カム41の第1傾斜面51と凹状カム42の第1傾斜面61が係合する際に、第1傾斜面51及び第1傾斜面61が点接触され、凸状カム41の第2傾斜面52と凹状カム42の第2傾斜面62が当接する際に、第2傾斜面52及び第2傾斜面62が点接触されるため、凸状カム41及び凹状カム42の加工精度にバラツキが生じたとしても、凸状カム41及び凹状カム42の接触面積が変化することはないので、クラッチ装置10のクラッチ容量の可変特性が一定に確保される。また、凸状カム41及び凹状カム42の加工精度のバラツキが許容されるため、高い加工精度を有する工作機械や、加工後の管理基準を厳しく設定した生産管理体制が不要となるので、クラッチ装置10の製造コストを削減することが可能となる。
さらに、本実施形態では、メインシャフト13と同心で設けられた円環状部材72によりクラッチセンタ19の外筒部19bを案内することによって、クラッチセンタ19のセンタリングが行われ、クラッチセンタ19の同心度が向上される。これにより、クラッチセンタ19の倒れが防止されるので、第1及び第2摩擦板17,18の平行が保持されて、クラッチ断接時の精度が向上されている。
以上説明したように、本実施形態の多板式クラッチ装置10によれば、クラッチインナ16にメインシャフト13と同心となるように形成される円形内周面16cに当接するように円環状部材72を設け、円環状部材72の内周面がクラッチセンタ19の外周面と当接するため、円環状部材72の内周面でクラッチセンタ19の外周面を案内することにより、クラッチセンタ19の同心度を向上することができる。これにより、クラッチセンタ19の倒れを防止することができるので、第1及び第2摩擦板17,18の平行を保持することができ、クラッチ断接時の精度を向上することができる。
また、本実施形態の多板式クラッチ装置10によれば、円環状部材72は、円筒部73と、円筒部73から径方向外方に延び且つ周方向に連続して形成される突部74と、を有し、突部74がジャダースプリング71の受け座となるため、クラッチセンタ19の同心度を向上させる部材とジャダースプリング71の受け座とを共用化することができるので、クラッチ装置10の生産性の向上、及び軽量化を図ることができる。
さらに、本実施形態の多板式クラッチ装置10によれば、円筒部73の外周面と突部74との間の境界部分に凹部75を形成するため、この境界部分への応力集中を回避することができるので、クラッチ装置10の耐久性を向上することができる。
なお、本実施形態の変形例として、図6に示すように、凸状カム41及び凹状カム42の第1傾斜面51,61(クラッチ容量を増加させる側の傾斜面)を曲面に形成し、凸状カム41及び凹状カム42を点接触させると共に、凸状カム41及び凹状カム42の第2傾斜面52,62(クラッチ容量を減少させる側の傾斜面)を平面に形成し、凸状カム41及び凹状カム42を面接触させるようにしてもよい。この場合、第2傾斜面52,62を鍛造で形成して、機械加工の工数を減少することができるので、クラッチ装置10の製造コストを削減することができる。なお、本変形例では、凸状カム41及び凹状カム42の第2傾斜面52,62の両方を平面に形成しているが、どちらか一方を平面に形成するようにしてもよい。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
本発明に係る多板式クラッチ装置の一実施形態を説明するための一部切欠断面図である。 図1のA−A線矢視断面図である。 図2のB−B線矢視断面図である。 クラッチインナを示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は(a)に示すカム部材を矢印G方向から見た図である。 図1のH部拡大図である。 本発明に係る多板式クラッチ装置の変形例を説明するための要部拡大断面図である。
符号の説明
10 多板式クラッチ装置
11 ドライブギヤ
12 クランクケース
13 メインシャフト(出力軸)
14 ドリブンギヤ(入力部材)
15 クラッチアウタ
16 クラッチインナ
16c 円形内周面
17 第1摩擦板
18 第2摩擦板
19 クラッチセンタ
20 プレッシャプレート
21 クラッチばね
40 カム機構
41 凸状カム
42 凹状カム
43 カム部材
71 ジャダースプリング
72 円環状部材
73 円筒部
74 突部(ジャダースプリング受け座)
75 凹部

Claims (3)

  1. 入力部材に連結されるクラッチアウタと、出力軸に相対回転不能に固定されるクラッチインナと、前記クラッチアウタに相対回転不能に係合される複数の第1摩擦板と、前記第1摩擦板と軸方向に交互に配置される複数の第2摩擦板と、前記クラッチインナとの間に前記第1摩擦板及び前記第2摩擦板を軸方向に挟持するプレッシャプレートと、軸方向において前記クラッチインナと前記プレッシャプレートとの間に配置され、前記第2摩擦板が相対回転不能に係合されるクラッチセンタと、前記第1摩擦板及び前記第2摩擦板を軸方向において圧接方向又は離間方向に移動可能とするように設けられるカム機構と、を備える多板式クラッチ装置において、
    前記クラッチインナに前記出力軸と同心となるように形成される円形内周面に当接するように円環状部材を設け、
    前記円環状部材の内周面が前記クラッチセンタの外周面と当接することを特徴とする多板式クラッチ装置。
  2. 前記円環状部材は、円筒部と、前記円筒部から径方向外方に延び且つ周方向に連続して形成される突部と、を有し、
    前記突部がジャダースプリングの受け座となることを特徴とする請求項1に記載の多板式クラッチ装置。
  3. 前記円筒部の外周面と前記突部との間の境界部分に凹部を形成することを特徴とする請求項2に記載の多板式クラッチ装置。
JP2007304570A 2007-11-26 2007-11-26 多板式クラッチ装置 Active JP4858717B2 (ja)

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