JP2009126945A - ブロック共重合体又はその水添物ペレットの製造方法 - Google Patents

ブロック共重合体又はその水添物ペレットの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009126945A
JP2009126945A JP2007303531A JP2007303531A JP2009126945A JP 2009126945 A JP2009126945 A JP 2009126945A JP 2007303531 A JP2007303531 A JP 2007303531A JP 2007303531 A JP2007303531 A JP 2007303531A JP 2009126945 A JP2009126945 A JP 2009126945A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
extruder
block copolymer
mesh
hydrogenated product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007303531A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5156348B2 (ja
Inventor
Susumu Hoshi
進 星
Yuji Shinjo
裕司 新庄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP2007303531A priority Critical patent/JP5156348B2/ja
Publication of JP2009126945A publication Critical patent/JP2009126945A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5156348B2 publication Critical patent/JP5156348B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】本発明はFEが少なく、生産時のフィルター詰まりによるフィルターの交換頻度も少ないブロック共重合体又はその水添物ペレットの製造方法を提供することにある。
【解決手段】共役ジエン及びビニル芳香族炭化水素からなるビニル芳香族炭化水素含有量が10〜95重量%であるブロック共重合体又はその水添物を、押出機を用いてペレットを製造するに際し、押出機に結合した特定の特徴を有するフィルターを通過するペレットの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィッシュアイ(以後FEと記す。)が少ないブロック共重合体又はその水添物ペレットの製造方法に関する。
共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体又はその水添物は比較的ビニル芳香族炭化水素含有量が少ない場合、透明で加硫をしなくても加硫された天然ゴム或は合成ゴムと同様の弾性を常温にて有し、しかも高温で熱可塑性樹脂と同様の加工性を有することから、履物、プラスチックの改質、アスファルト、粘接着分野等で広く利用されている。
又、比較的ビニル芳香族炭化水素含有量が多い場合は、透明で耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂が得られることから、食品包装容器分野を中心に近年その使用量が増加すると同時に用途も多用化しつつある。
かかるブロック共重合体又はその水添物中にはブロック共重合体或いはブロック共重合体の成分が三次元架橋したゲルが存在し、ブロック共重合体を使用した最終製品に好ましくない影響を及ぼしている。
例えば厚み0.1mm以下の薄いシートの場合は、突起状のゲルがFEとなってシートの外観性を損なう他、印刷時にその部分が印刷されない等の問題が生じてくる。このブロック共重合体中のゲルは重合反応器中で生成する場合、或いは製造プロセス又は成形加工時の押出機中で生成する場合がある。その中で重合反応器中又は製造プロセスの押出機で生成するゲルを低減化する方法がいくつか試みられている。
例えば、重合槽内のゲル生成を防止するため、アニオンリビング重合後に重合停止剤を添加する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、重合体を回収するにあたり、スクリュー先端部とダイ部の間にポンプを設けた2軸ベント押出機を用いて重合体を回収する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。更に、特定の安定剤を添加した後、2軸多段ベント押出機を用いて直接脱溶媒する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。更に、ペレットのゲルが少ないビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体を得るため、ブロック共重合体を脱溶媒する際に特定の押出機とフィルターを組合わせた製造方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかしながら、これらのプロセスで製造されるブロック共重合体中のゲルの減少は十分ではなく、成形品のFEを改良する新たな方法が望まれている。
特開平3−269003号公報 特開昭63−314207号公報 特開平4−175304号公報 特開2000−351808号公報
本発明はFEが少なく、生産時のフィルター詰まりによるフィルターの交換頻度も少ないブロック共重合体又はその水添物ペレットの製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ブロック共重合体又はその水添物を押出機で溶融してペレット化する際に、特定構造の特徴を有するフィルターを通過させることにより、顕著にFEを低減すると共に生産時のフィルター詰まりによるフィルターの交換頻度も少ないことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
[1]共役ジエン及びビニル芳香族炭化水素からなるビニル芳香族炭化水素含有量が10〜95重量%であるブロック共重合体又はその水添物を、押出機を用いてペレットを製造するに際し、押出機に結合した下記のイ)〜ト)の特徴を有するフィルターを通過するペレットの製造方法。
イ)フィルターは、円筒状のフィルターバケット内壁に貼り付けられており、
ロ)フィルターバケットは流入孔(開口部)と複数の穴状の流出孔を有し、
ハ)フィルターバケット内に貼り付けられたフィルターは襞状に突起した形状で、
ニ)フィルターバケットの流入孔断面積は押出機のバレルの開口断面積以下であり、
ホ)フィルターの最小メッシュサイズは200〜800メッシュで、
ヘ)フィルターバケットの内壁面積とフィルターの面積の比が1.5〜8の範囲で、
ト)フィルターバケットが押出機に少なくとも1個以上結合している。
[2]前記[1]記載のフィルターが金網、金属不職布及び焼結金属の少なくとも1種以上から形成することを特徴とする前記[1]記載のペレットの製造方法。
[3]前記[1]記載のフィルターの最大メッシュサイズが10メッシュ以上100メッシュ以下、最小メッシュサイズが200メッシュ以上800メッシュ以下の複数のフィルターから構成することを特徴とする前記[1]又は前記[2]記載のペレットの製造方法。
[4]前記[1]記載のフィルターバケットの形状が円筒形であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載のペレットの製造方法。
[5]前記ブロック共重合体又はその水添物100重量と、a)非ゴム変性スチレン系重合体およびb)ゴム変性スチレン系重合体から選ばれる少なくとも1種のスチレン系重合体0.1〜400重量部とからなる組成物を、押出機を用いてペレットを製造するに際し、押出機に結合した前記フィルターを通過させる、前記[1]記載のペレットの製造方法。
本発明によれば、ブロック共重合体又はその水添物のペレットを、押出機を用いて製造するに際し、特定構造の特徴を有するフィルターを通過させることにより、顕著にFEを低減すると共に、生産時のフィルター詰まりによるフィルターの交換頻度も少なく製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のペレットの製造方法に用いられるブロック共重合体又はその水添物は、ビニル芳香族炭化水素含有量が10〜95重量%の範囲である。ビニル芳香族炭化水素含有量が10重量%未満及び95重量%を超えた場合には、本発明の効果を発揮する用途に用いることが難しいため好ましくない。
本発明に用いられるブロック共重合体又はその水添物とは、少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックとを有するブロック共重合体又はその水添物である。ここでビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックとは、ビニル芳香族炭化水素含有量が50重量%以上含有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体ブロック及び/又はビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロックを示し、共役ジエンを主体とする重合体ブロックとは、共役ジエンを50重量%を超える量で含有する共役ジエンとビニル芳香族炭化水素共重合体ブロック及び/又は共役ジエン単独重合体ブロックを示す。
ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロック或は共役ジエンを主体とする重合体ブロック中にビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのランダム共重合体部分が存在する場合、共重合されているビニル芳香族炭化水素は重合体ブロック中に均一に分布していても、テーパー(漸減)状に分布していてもよい。また、該共重合体部分はビニル芳香族炭化水素が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分が複数個共存してもよい。
本発明に用いられるブロック共重合体(水添物は水添前のブロック共重合体)は基本的には従来公知の手法で製造でき、例えば特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭57−49567号公報、特公昭58−11446号公報などに記載された手法があげられるが、各構成ポリマーは後述する要件を満足するように製造条件を設定しなければならない。上記の公知の手法はすべて、炭化水素溶剤中で有機リチウム化合物等のアニオン開始剤を用い、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素をブロック共重合する手法である。
本発明に用いられるブロック共重合体の水添物は、水添前のブロック共重合体を水素添加することにより得られる。水添触媒としては、特に制限されず、従来から公知である(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩などの遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒が用いられる。具体的な水添触媒としては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報に記載された水添触媒を使用することができる。
本発明に用いられるブロック共重合体組成物の水添物において、共役ジエンに基づく不飽和二重結合の水素添加率は目的に合わせて任意に選択でき、特に限定されない。熱安定性及び耐候性の良好な水添ブロック共重合体を得る場合、水添ブロック共重合体中の共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の70%を越える、好ましくは75%以上、更に好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上が水添されていることが推奨される。また、熱安定性の良好な水添物を得る場合、水添添加率は3〜70%、或いは5〜65%、特に好ましくは10〜60%にすることが好ましい。なお、水添物中のビニル芳香族炭化水素に基づく芳香族二重結合の水添率については特に制限はないが、水添率を50%以下、好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下にすることが好ましい。水添率は、核磁気共鳴装置(NMR)により知ることができる。
本発明に用いられるブロック共重合体又はその水添物のポリマー構造は例えば
A−(B−A)n ,A−(B−A)n −B
B−(A−B)n+1
[(A−B)km+1−X , [(A−B)k−A]m+1−X
[(B−A)km+1−X , [(B−A)k−B]m+1−X
(上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする重合体ブロックである。AブロックとBブロックとの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。nは1以上の整数、一般的には1〜5で、k及びmは1以上の整数、一般的には1〜5である。Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化スズなどのカップリング剤の残基または多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。)で表されるブロック共重合体、あるいはこれらのブロック共重合体の任意のポリマー構造の混合物が使用できる。
本発明に用いるビニル芳香族炭化水素としてはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレンなどがあるが、特に一般的なものはスチレンが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
共役ジエンとしては、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的なものとしては1,3−ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
炭化水素溶媒としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、或はベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等が使用できる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
有機リチウム化合物は、分子中に一個以上のリチウム原子を結合した有機モノリチウム化合物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物である。これらの具体例としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウム等が挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
本発明に用いられるブロック共重合体の数平均分子量は、一般的に5000〜1000000、好ましくは10000〜500000である。本発明のブロック共重合体又はその水添物に、安定剤として2−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−t−アミルフェニルアクリレートをブロック共重合体100重量部に対して0.05〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部添加すること熱安定性を向上する上で好ましい。添加量が0.05重量部未満では熱安定性向上の効果はなく、3重量部を超えても本発明以上の効果は得ることはない。
本発明の製造方法は、前記のブロック共重合体又はその水添物100重量部と、a)非ゴム変性スチレン系重合体、b)ゴム変性スチレン系重合体から選ばれる少なくとも1種のスチレン系重合体0.1〜400重量部とからなる組成物のペレットを製造する際にも適用できる。
ここで使用されるa)非ゴム変性スチレン系重合体は、スチレンもしくはこれと共重合可能なモノマーを重合して得られるものである。スチレンと共重合可能なモノマーとしては、α-メチルスチレン、アクリロニトリル、無水マレイン酸、脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体等があげられる。スチレン系重合体としては、ポリスチレン、スチレン-α-メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル-スチレン共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体等が挙げられるが、特に好ましい非ゴム変性スチレン系重合体としてはポリスチレンをあげることができる。これらの非ゴム変性スチレン系重合体の重量平均分子量は、一般に50000〜500000の重合体を使用できる。
また、b)ゴム変性スチレン系重合体はビニル芳香族炭化水素と共重合可能なモノマーとエラストマーとの混合物を重合することによって得られ、重合方法としては懸濁重合、乳化重合、塊状重合、塊状−懸濁重合等が一般的に行われている。ビニル芳香族炭化水素と共重合可能なモノマーとしてはα-メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、無水マレイン酸等があげられる。又、共重合可能なエラストマーとしては天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム等が使用される。
これらのエラストマーはビニル芳香族炭化水素もしくはこれと共重合可能なモノマー100重量部に対して一般に3〜50重量部該モノマーに溶解して或いはラテックス状で乳化重合、塊状重合、塊状-懸濁重合等に共される。特に好ましいゴム変性スチレン系重合体としては、耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体(HIPS)があげられ。ゴム変性スチレン系重合体は剛性、耐衝撃性、滑り性の改良剤として利用できる。これらのゴム変性スチレン系重合体の重量平均分子量は、一般に50000〜500000の重合体を使用できる。
本発明の製造方法において、ブロック共重合体又はその水添物のペレットは、押出機で170〜260℃に溶融させ、押出機に結合した前記の特徴を有するフィルターを溶融状態で通過させることによって製造することが好ましい。
本発明に使用する押出機は特に制約はないが、一般的にはスクリュー径が10〜500mm、L/D(Lはスクリューの有効長さ、Dはスクリューの直径)が10〜100の単軸或いは二軸押出機が使用される。押出機のベントの有無についても制約はなく、ベント口を1〜5個付属していても良い。押出機のスクリューは目的に応じて、緩圧縮型スクリュー、急圧縮型スクリュー、ベントタイプスクリュー、異径型スクリュー等の種々のスクリューを使用することができる。
本発明の最大の特徴であるフィルターは、襞状に突起した形状であるため、濾過面積を増やすことができ、濾過時の詰まりによる圧力上昇時間を長くする効果が認められる。このため、小サイズのフィルター使用が可能となり、ペレット中のFEを少なくできると共に、フィルターの交換頻度を少なくすることができる。本発明のフィルターバケットとは
、溶融樹脂がフィルターを通過する際に生じる圧力変形、或いは圧力変形による破れからフィルターを保護する、所謂保護カバーを称したものである。フィルターバケットの形状に制約はなく、直方体、立方体、円錐形、円筒形等であっても良いが、円筒形が好適である。
本発明に使用するフィルターの構造の一実施形態を図1及び図2に例として示した。フィルターは円筒状のフィルターバケット内壁に貼り付けられているが、これはフィルターの強度向上を目的としている。
また、フィルターバケットは流入孔(開口部)と円筒側面に複数の穴状の流出孔を有している。流出孔を複数の穴状としているのはフィルターの破れを考慮したものであり、流出孔が大きすぎてはフィルターに破れが生じ、小さすぎては流出面積が小さくなるため、適度な大きさと個数が必要である。更に、バケット内に貼り付けられたフィルターは襞状に突起した形状であるため、濾過面積を大きくすることができ、フィルター詰まりによる圧力上昇時間を長くすることが可能である。この襞は押出機に平行でもよく、捻じれた構造であっても良い。更に、フィルターバケットの流入孔断面積は押出機のバレルの開口断面積以下とすることで、複数のフィルターの装着が可能となるため、更にFEを少なくする効果を得ることができる。更に、フィルターの最小メッシュサイズはFEの低下とフィルター詰まりによる圧力上昇時間のバランスから200〜800メッシュが良く、好ましくは300〜500メッシュがより良好である。本発明のメッシュはJISZ8801に準拠したもので、100メッシュの目開き寸法は149μm、500メッシュの目開き寸法は30μmに相当する。更に、フィルターバケットの内壁面積とフィルターの面積の比は1.5〜8の範囲であることが濾過面積を大きくすることとフィルター詰まりによる圧力上昇時間を長くするために必要である。好ましい内壁面積とフィルターの面積の比は2〜6の範囲である。内壁面積とフィルターの面積の比は、フィルターの襞の高さを高くし、襞数を増やすことで大きくできる。
本発明に使用するフィルターは金網、金属不職布及び焼結金属の少なくとも1種以上から形成することが好ましい。焼結金属フィルターはステンレスと青銅の粉末を使用したパウダーフィルターと金網を何層も重ね合わせた積層金網焼結フィルターのいずれを使用しても良い。パウダーフィルターは粉末冶金特有の多孔質を利用しフィルターの役目をさせたもので、粒度を揃えたパウダーを型に充填及びプレス成形し、雰囲気中又は真空中で高温焼結したものであり、積層金網焼結フィルターは金網を多数枚重ね合わせ真空中で高温焼結したもので、金網のメッシュ、積層数によって濾過孔を調節したものである。本発明に使用するフィルターの装着位置は押出機に結合しており、押出機本体と押出機ダイの中間に装着することが好ましく、押出機本体の下流にギアポンプが結合し、その下流にフィルターが結合し、その下流にダイ部が結合していることが更に好ましい装着位置である。
本発明のペレットの造粒法はとくに制約はないが、シートカット法、ストランドカット法等のコールドカット法及び空中ホットカット法、水中カット法等のホットカット法のいずれを用いても良い。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例によって限定を受けるものではない。
尚、本発明のFEの評価方法は、L/D=30、スクリュー径25mm、樹脂温度220℃の条件で単軸シート押出機を用いて幅100mm、厚さ0,1mmのシート押出を20分間行った後、シート長さ30mのシートを採取して、そのシート中のFE個数を測定した。FEは長径0.2mm以上の個数を目視で計数した。FE個数が少ないほど良好である。また、実施例で使用したブロック共重合体又はその水添物を表1に示した。
[実施例1〜7及び比較例1〜3]
表1に示したブロック共重合体又はその水添物或いはその組成物を表2のフィルターを装着したスクリュー直径70mm、L/D=30の2軸押出機を用いて吐出量700kg/hrでペレットを製造した。フィルターはフィルターバケット側から30メッシュ、表2の最小メッシュ、50メッシュの3層構造で、スポット溶接でフィルターバケット内壁に貼り付けられている。フィルターバケットは厚み1mmのアルミニウム製で、流入孔が直径30mm、長さ130mmの円筒形で側面に直径3mmの円形の流出孔が500個ある構造で、押出機本体とダイの間に6本並列のホルダーに取り付けて装着した。フィルターバケットの内壁面積とフィルターの面積の比は、貼り付けたフィルターの襞の数と襞の突起の高さで調整した。押出機のダイの温度は200℃に設定し、フィルター上流の樹脂圧力が14MPaに達するとフィルターを交換してフィルター目詰まりの経過時間を計測した。ペレット化は水中ホットカットで行った。結果を表2に示した。本発明で規定したフィルターを使用したブロック共重合体又はその水添物は、FEが少なく、フィルター交換時間が長く良好な結果を示している。
Figure 2009126945
Figure 2009126945
本発明の製造方法に係る特定のフィルターでペレット化することによって、ブロック共重合体又はその水添物のFEを低下させると共に、生産時のフィルター詰まりによるフィルターの交換頻度を少なくすることが可能である。
本発明の製造方法の一実施形態に用いるフィルターを一部断面とともに示す側面図である。 図1に示すフィルターの流入孔を示す正面図である。

Claims (5)

  1. 共役ジエン及びビニル芳香族炭化水素からなるビニル芳香族炭化水素含有量が10〜95重量%であるブロック共重合体又はその水添物を、押出機を用いてペレットを製造するに際し、押出機に結合した下記のイ)〜ト)の特徴を有するフィルターを通過するペレットの製造方法。
    イ)フィルターは、フィルターバケット内壁に貼り付けられており、
    ロ)フィルターバケットは流入孔(開口部)と複数の穴状の流出孔を有し、
    ハ)フィルターバケット内に貼り付けられたフィルターは襞状に突起した形状で、
    ニ)フィルターバケットの流入孔断面積は押出機のバレルの開口断面積以下であり、
    ホ)フィルターの最小メッシュサイズは200〜800メッシュで、
    ヘ)フィルターバケットの内壁面積とフィルターの面積の比が1.5〜8の範囲で、
    ト)フィルターバケットが押出機に少なくとも1個以上結合している。
  2. 前記フィルターが金網、金属不職布及び焼結金属の少なくとも1種以上から形成することを特徴とする請求項1記載のペレットの製造方法。
  3. 前記フィルターの最大メッシュサイズが10メッシュ以上100メッシュ以下、最小メッシュサイズが200メッシュ以上800メッシュ以下の複数のフィルターから構成することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のペレットの製造方法。
  4. 前記フィルターバケットの形状が円筒形であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のペレットの製造方法。
  5. 前記ブロック共重合体又はその水添物100重量と、a)非ゴム変性スチレン系重合体およびb)ゴム変性スチレン系重合体から選ばれる少なくとも1種のスチレン系重合体0.1〜400重量部とからなる組成物を、押出機を用いてペレットを製造するに際し、押出機に結合した前記フィルターを通過させる、請求項1記載のペレットの製造方法。
JP2007303531A 2007-11-22 2007-11-22 ブロック共重合体又はその水添物ペレットの製造方法 Active JP5156348B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007303531A JP5156348B2 (ja) 2007-11-22 2007-11-22 ブロック共重合体又はその水添物ペレットの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007303531A JP5156348B2 (ja) 2007-11-22 2007-11-22 ブロック共重合体又はその水添物ペレットの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009126945A true JP2009126945A (ja) 2009-06-11
JP5156348B2 JP5156348B2 (ja) 2013-03-06

Family

ID=40818213

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007303531A Active JP5156348B2 (ja) 2007-11-22 2007-11-22 ブロック共重合体又はその水添物ペレットの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5156348B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012141595A (ja) * 2010-12-15 2012-07-26 Asahi Kasei Chemicals Corp 光学部材用積層表面保護フィルム

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02253812A (ja) * 1989-03-28 1990-10-12 Teijin Ltd フィルター及びそれを用いた成型方法
JPH08193161A (ja) * 1994-11-15 1996-07-30 Asahi Chem Ind Co Ltd 耐衝撃性透明樹脂組成物
JPH11171949A (ja) * 1997-12-11 1999-06-29 Asahi Chem Ind Co Ltd ブロック共重合体の製造方法
JP2000167907A (ja) * 1998-12-02 2000-06-20 Japan Steel Works Ltd:The スクリーン交換装置
JP2000351808A (ja) * 1999-06-14 2000-12-19 Asahi Chem Ind Co Ltd ブロック共重合体の製造方法
JP2007517918A (ja) * 2003-08-26 2007-07-05 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 精製ポリマー材料及びポリマー材料の精製方法
JP2008510060A (ja) * 2004-08-19 2008-04-03 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 精製ポリマー材料及びポリマー材料の精製法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02253812A (ja) * 1989-03-28 1990-10-12 Teijin Ltd フィルター及びそれを用いた成型方法
JPH08193161A (ja) * 1994-11-15 1996-07-30 Asahi Chem Ind Co Ltd 耐衝撃性透明樹脂組成物
JPH11171949A (ja) * 1997-12-11 1999-06-29 Asahi Chem Ind Co Ltd ブロック共重合体の製造方法
JP2000167907A (ja) * 1998-12-02 2000-06-20 Japan Steel Works Ltd:The スクリーン交換装置
JP2000351808A (ja) * 1999-06-14 2000-12-19 Asahi Chem Ind Co Ltd ブロック共重合体の製造方法
JP2007517918A (ja) * 2003-08-26 2007-07-05 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 精製ポリマー材料及びポリマー材料の精製方法
JP2008510060A (ja) * 2004-08-19 2008-04-03 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 精製ポリマー材料及びポリマー材料の精製法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012141595A (ja) * 2010-12-15 2012-07-26 Asahi Kasei Chemicals Corp 光学部材用積層表面保護フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP5156348B2 (ja) 2013-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2007032328A1 (ja) ブロック共重合体及び熱収縮性フィルムの製造方法
EP1916267B1 (en) Block copolymer and method for producing same, composition for resin modification, and modified resin composition and method for producing same
JP2006169522A (ja) 直鎖状スチレン−ブタジエンブロック共重合体の透明混合物
JP6258229B2 (ja) 重合体の製造方法
WO2016034609A1 (en) Blends of styrene-butadiene copolymers
JP5156348B2 (ja) ブロック共重合体又はその水添物ペレットの製造方法
JP5156349B2 (ja) ブロック共重合体又はその水添物のペレットの製造方法
JPH11171949A (ja) ブロック共重合体の製造方法
JP5133289B2 (ja) 熱収縮性フィルム
JP5059459B2 (ja) 組成の異なるブロック共重合体又はその水添物を含む混合物の製造方法
JP5594826B2 (ja) プラスチックダンボール用ブロック共重合体、プラスチックダンボール用樹脂組成物、及びプラスチックダンボール
JP3717213B2 (ja) ブロック共重合体の回収方法
JP5668121B1 (ja) プライスレール
JP4938310B2 (ja) 重合体組成物からなる熱収縮性フィルム
JP3192253B2 (ja) 樹脂組成物
JP4334063B2 (ja) ブロック共重合体の製造方法
JP3663740B2 (ja) ブロック共重合体の回収法
JP5057752B2 (ja) 熱収縮性フィルム
JPH05132606A (ja) 熱可塑性重合体組成物
JP5057753B2 (ja) 熱収縮性フィルム
JP5142359B2 (ja) 組成の異なるブロック共重合体を含む混合物の製造方法
JP6001287B2 (ja) 中空プレート
WO2023249089A1 (ja) 樹脂組成物、成形品、及び積層シート
JP3355245B2 (ja) 透明高耐衝撃性樹脂組成物
JP6681521B1 (ja) 水添ブロック共重合体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121210

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151214

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5156348

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350