JP4334063B2 - ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルエン不溶分ゲルが少ないブロック共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体は比較的ビニル芳香族炭化水素含有量が少ない場合、透明で加硫をしなくても加硫された天然ゴム或は合成ゴムと同様の弾性を常温にて有し、しかも高温で熱可塑性樹脂と同様の加工性を有することから、履物、プラスチックの改質、アスファルト、粘接着分野等で広く利用されている。又、比較的ビニル芳香族炭化水素含有量が多い場合は、透明で耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂が得られることから、食品包装容器分野を中心に近年その使用量が増加すると同時に用途も多用化しつつある。
【0003】
かかるブロック共重合体中にはブロック共重合体或いはブロック共重合体の成分が三次元架橋したトルエン不溶分ゲル(以下ゲルと記載する)が存在し、ブロック共重合体を使用した最終製品に好ましくない影響を及ぼしている。例えば厚み0.1mm以下の薄いシートの場合は、ゲル部分が突起状となってシートの外観性を損なう他、印刷時にその部分が印刷されない等の問題が生じてくる。このブロック共重合体中のゲルは重合反応器中で生成する場合、或いは製造プロセス又は成形加工時の押出機中で生成する場合がある。
【0004】
その中で重合反応器中又は製造プロセスの押出機で生成するゲルを低減化する方法がいくつか試みられている。例えば、特開平3−269003号公報には重合槽内のゲル生成を防止するため、アニオンリビング重合後に重合停止剤を添加する方法が記載され、特開昭63−314207号公報には重合体を回収するにあたり、スクリュー先端部とダイ部の間にポンプを設けた2軸ベント押出機を用いて重合体を回収する方法が記載され、特開平4−175304号公報には特定の安定剤を添加した後、2軸多段ベント押出機を用いて直接脱溶媒する方法が記載されている。
しかしながら、これらのプロセスで製造されるブロック共重合体中のゲルは顕著に減少するものではなく、これらの文献にはそれらを改良する方法に関して何ら開示されておらず、依然として市場での問題点が指摘されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はゲルが少ないブロック共重合体の製造方法を提供するものである。
即ち、▲1▼、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として共役ジエン及びビニル芳香族炭化水素を重合して得た、ビニル芳香族炭化水素含有量が20〜95重量%であるブロック共重合体の溶液から、2軸多段ベント押出機を用いた直脱法によってブロック共重合体ペレットを製造するにあたり、ブロック共重合体溶液を100〜500メッシュサイズのフィルターAを通した後、該押出機のベント部下流に位置した、吸引側圧力が0〜10kg/cm2となるように調整したギアポンプを通し、200〜500メッシュサイズのフィルターBを通過した後、ダイに導入してペレット状とするブロック共重合体の製造方法。▲2▼、▲1▼のフィルターBの式(1)のF値が1.5〜10であることを特徴とする▲1▼記載のブロック共重合体の製造方法。(1) F=4B/πD2 (B:フィルターBの面積(mm2)、D:スクリュー径(mm))▲3▼、重合終了後のブロック共重合体溶液に、安定剤として2−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−t−アミルフェニルアクリレートをブロック共重合体100重量部に対して0.05〜3重量部添加してなる、▲1▼記載のブロック共重合体の製造方法である。その結果、ブロック共重合体を0.1mm以下の薄いシートに加工する場合でもゲルによる印刷不良はなく、シートの外観も良好となった。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
本発明のブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量は20〜95重量%の範囲である。ビニル芳香族炭化水素含有量が20重量%未満及び95重量%を超えた場合には、本発明の効果を発揮する用途に用いることが難しいため好ましくない。本発明で用いるブロック共重合体とは、少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックとを有するブロック共重合体である。ここでビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックとは、ビニル芳香族炭化水素含有量が50重量%以上含有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体ブロック及び/又はビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロックを示し、共役ジエンを主体とする重合体ブロックとは、共役ジエンを50重量%を超える量で含有する共役ジエンとビニル芳香族炭化水素共重合体ブロック及び/又は共役ジエン単独重合体ブロックを示す。
【0007】
ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロック或は共役ジエンを主体とする重合体ブロック中にビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのランダム共重合体部分が存在する場合、共重合されているビニル芳香族炭化水素は重合体ブロック中に均一に分布していても、テーパー(漸減)状に分布していてもよい。また、該共重合体部分はビニル芳香族炭化水素が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分が複数個共存してもよい。
【0008】
本発明で用いるブロック共重合体は基本的には従来公知の手法で製造でき、例えば特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭57−49567号公報、特公昭58−11446号公報などに記載された手法があげられるが、各構成ポリマーは後述する要件を満足するように製造条件を設定しなければならない。上記の公知の手法はすべて、炭化水素溶剤中で有機リチウム化合物等のアニオン開始剤を用い、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素をブロック共重合する手法である。
【0009】
本発明で用いるブロック共重合体のポリマー構造は例えば
A−(B−A)n ,A−(B−A)n −B
B−(A−B)n+1
(上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする重合体ブロックである。AブロックとBブロックとの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。nは1以上の整数、一般的には1〜5である。)で表される線状ブロック共重合体、あるいは一般式、
[(A−B)km+2−X , [(A−B)k−A]m+2−X
[(B−A)km+2−X , [(B−A)k−B]m+2−X
(上式において、A、Bは前記と同じであり、k及びmは1以上の整数、一般的には1〜5である。Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化スズなどのカップリング剤の残基または多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。)
で表されるラジアルブロック共重合体、あるいはこれらのブロック共重合体の任意のポリマー構造の混合物が使用できる。
【0010】
本発明に用いられるビニル芳香族炭化水素としてはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレンなどがあるが、特に一般的なものはスチレンが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。共役ジエンとしては、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的なものとしては1,3−ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
【0011】
炭化水素溶媒としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、或はベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等が使用できる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
有機リチウム化合物は、分子中に一個以上のリチウム原子を結合した有機モノリチウム化合物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物である。これらの具体例としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウム等が挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
【0012】
本発明においては重合速度の調整、重合した共役ジエン部のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)の変更、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素の反応比の調整などの目的で極性化合物やランダム化剤を使用することができる。
極性化合物やランダム化剤としては、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホスホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。
【0013】
本発明の方法においてブロック共重合体を製造する際の重合温度は一般的に−10℃〜150℃、好ましくは40℃〜120℃である。重合に要する時間は条件によって異なるが、通常は10時間以内であり、特に好適には1〜5時間である。また、重合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガスなどをもって置換するのが望ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー及び溶媒を液層に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよく、特に制限されるものではない。更に重合系内には触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば水、酸素、炭酸ガス等が混入しないよう留意する必要がある。
【0014】
この様にして得られたブロック共重合体の重量平均分子量、一般的に5000〜1000000、好ましくは10000〜500000である。またブロック共重合体溶液中の炭化水素の量は、一般にブロック共重合体100重量部に対して50重量部〜2000重量部である。尚、ブロック共重合体の性質によってはブロック共重合体が炭化水素溶媒に不溶で懸濁状態で得られる場合もあるが、本発明においてはこれらもブロック共重合体溶液とよぶことにする。
【0015】
重合終了後のブロック共重合体溶液に、安定剤として2−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−t−アミルフェニルアクリレートをブロック共重合体100重量部に対して0.05〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部添加することがゲルを低減化する上で好ましい。添加量が0.05重量部未満ではゲル低減化の効果はなく、3重量部を超えても本発明以上の効果は得ることができない。2−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−t−アミルフェニルアクリレートは単独で添加しても、他のフェノール系安定剤及びリン系安定剤と併用しても良い。
【0016】
フェノール系安定剤としては、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等が挙げられ、リン系安定剤としては、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,4ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラキス(2,4ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビスフェニレンジフォスファイト、ビス(2,6ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト等が挙げられる。これらの安定剤は、ブロック共重合体100重量部に対して0.05〜3重量部添加することが好ましい。
【0017】
前記ブロック共重合体溶液から2軸多段ベント押出機を用いて脱溶媒する以前に、100〜500メッシュ、好ましくは200〜500メッシュサイズのフィルターAを通過させなければならない。フィルターのメッシュサイズが100メッシュ未満ではペレット中のゲル個数が多くなり好ましくない。また、500メッシュを超えると通過させる際の圧力損失が大きくなるため好ましくない。また、フィルターAの上流にメッシュサイズが100メッシュ未満のフィルターを組み込んで直列に並べて使用しても良い。
【0018】
本発明で脱溶媒する際の好ましい2軸多段ベント押出機としては、2軸エンドレススクリューと後方排気ゾーン及びギアポンプを有する押出機である。本発明の脱溶媒はブロック共重合体溶液を130〜180℃に加熱し、エンドレススクリューの供給ホッパーに導入して供給ゾーンで除圧を生じさせ、溶媒の50〜98重量%好ましくは75〜95重量%を短時間で除去する。この除圧はエンドレススクリューに供給するラインに配置した制御弁によって調整される。
【0019】
ここで、130〜180℃の温度範囲が、後方排気ゾーンで除去される溶媒を適正とするのに好適な温度である。130℃未満の温度では、溶媒の除去が50重量%未満となって、その後の排気ゾーンでエントレが生じて運転に支障をきたすことと溶媒の除去が十分できないため、最終的に得られるブロック共重合体の残存溶媒量が高くなり、好ましくない。また、180℃を超えると供給ライン内の圧力が高くなり、制御弁での調整が難しくなる。
なお、短時間で除去する溶媒量とは、後方排気ゾーンで除去される溶媒量である。ブロック共重合体の最終的に得られるペレット中の好ましい残存溶媒量は1000ppm以下である。
【0020】
次に、後方排気ゾーンでポリマー温度が相当低下するため、前方に位置した排気ゾーンのポリマー温度を150〜260℃の温度になるように再加熱し、バレル内でのスクリューの前進運動と共に排気ゾーン間の少なくとも1箇所に0.5〜2重量%の水の注入によって段階的に漸次、残りの溶媒の2〜50重量%を除去する。ブロック共重合体に対して0.5〜2重量%の水を添加することで、より溶剤除去効率を高めることができる。
【0021】
本発明に使用する2軸多段ベント押出機は、最終ベント部の下流にギアポンプを有する構造のものである。ギアポンプの吸引側圧力がは、0〜10kg/cm2、好ましくは0〜8kg/cm2となるように調整しなければならない。これによって、スクリュー回転数を上げた際に、練りによるポリマー温度の上昇を抑止できるため、ゲル低減化に寄与する。
ギアポンプを通した後、200〜500メッシュサイズ、好ましくは200〜400メッシュサイズのフィルターBを通過させなければならない。フィルターBのメッシュサイズが200メッシュ未満ではペレット中のゲル個数が多くなり好ましくない。また、500メッシュを超えると通過させる際の圧力上昇による発熱及びゲルのすり抜けが生じるため好ましくない。フイルターBの面積は式(1)のF値が1.5〜10、好ましくは2〜7である。F値が1.5未満では、フイルター目詰まりが早くなり、ゲル除去効果が低下するため好ましくない。また、10を超えても本発明以上の効果は得られない。
【0022】
本発明のメッシュはJISZ8801に準拠したもので、100メッシュの目開き寸法は149μ、500メッシュの目開き寸法は30μに相当する。フィルターの材質は現在公知のものであれば特に制限はないが、例えば金属、ガラス繊維、化学繊維、羊毛、木綿、フェルト等が使用できる。フィルタースクリーンを構成する縦線と横線の織り方は特に制限はなく、例えば平織(Plain Weave)、綾織(Twilled Weave)等が使用できる。フィルターAは回転加圧式、静置加圧式のいずれでも良い。フィルターBの材質は金属製のものが好ましく、200〜500メッシュサイズと200メッシュサイズ未満のフィルターを組み合わせて使用しても良い。また、フィルターBの形状は、特に制約はなく、例えば円筒柱を複数個並列に組み合わせる等の方法がある。ダイはアンダーウォーターカット用又はホットカット用のものとし、カッターは必要なペレットサイズに合わせて、2〜12枚刃のものを用いる。
【0023】
本発明に用いる2軸ベント押出機は、排気用のベントゾーンを2〜5個有し、L/D=30〜60(Lはスクリューの長さ、Dはスクリューの外径)程度のもので、かみ合い型同方向2軸ベント押出機が好ましい。図1に本発明における、かみ合い型同方向2軸ベント押出機を用いた工程の例を示した。
図1において、ポリマー溶液は、フィルターAを通過し、フラッシュ塔で濃縮加熱した後、2軸エンドレススクリュー(2)を備えた押出機(1)の供給ホッパ(4)に導入される。押出機内の圧力及び供給速度は制御弁(3)によって制御される。押出機は後方排気ゾーン(5)を備え、この後方排気ゾーンを通って溶媒の大部分が除去される。ポリマーは2軸エンドレススクリュー(2)によって前方に移送される。溶媒の残りを除去するために、多数の排気ゾーン(6)が押出機(1)に配置され、この排気ゾーン間には、溶媒の除去を促進するために水を導入するための導入手段(7)が設けられている。その前方に位置するギヤポンプ(8)を経て、フィルターBを通った後、ダイ(9)を通過し、そしてカッター(10)によってペレット状の形態に切断される。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明を更に詳細に説明するために以下に本発明の実施例を示すが、本発明は、これらの実施例に限定するものでないことは云うまでもない。
なお、本発明のゲル量の評価法は、ペレット重量として50gをトルエン200mlに溶解し、直径70mmの濾紙(厚み:0.2mm、保留粒子径:6μm、捕集効率:65%)で吸引ろ過した後、染料(バイオレット36)で残差を染色して5分放置後、濾紙のゲル量を下記の基準で目視判定した。
◎:大の個数が0個、又は中が10個以下、又は小が30個以下
○:大の個数が0個、又は中が11〜20個、又は小が31〜50個
×:大の個数が1個以上、又は中が21個以上、又は小が51個以上
(小は直径が0.05〜0.2mm未満、中は直径が0.2〜0.5mm、大は直径が0.5mmを超える大きさ)
【0025】
また、実施例で使用したブロック共重合体の活性重合体溶液は次のようにして製造した。得られたブロック共重合体(A)〜(D)の重合体溶液の、重合体と溶媒との重量比はいずれも1:3であった。
[ブロック共重合体(A)]
窒素ガス雰囲気下において、スチレン35重量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.06重量部添加し、75℃で45分間重合した後、更に1,3−ブタジエン17重量部とスチレン10重量部を含むシクロヘキサンを連続的に添加して75℃で30分間重合した。次にスチレン38重量部を含むシクロヘキサン溶液を添加し、75℃で45分間重合した。得られた重合体は、スチレン含有量83重量%のA−B−A構造のブロック共重合体であった。
[ブロック共重合体(B)]
窒素ガス雰囲気下において、スチレン22重量部とテトラヒドロフラン0.3重量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.07重量部添加し、70℃で20分間重合した後、更に1,3−ブタジエン28重量部とスチレン50重量部を含むシクロヘキサンを添加して70℃で50分間重合した。得られた重合体は、スチレン含有量72重量%のA−B−A構造のブロック共重合体であった。
[ブロック共重合体(C)]
窒素ガス雰囲気下において、スチレン77重量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.15重量部添加し、75℃で連続的に添加して60分間重合した後、1,3−ブタジエン23重量部を含むシクロヘキサンを連続的に添加して75℃で40分間重合した。その後、エポキシ化大豆油を5重量部添加してスチレン含有量77重量%のラジアル構造のブロック共重合体を得た。
[ブロック共重合体(D)]
窒素ガス雰囲気下において、スチレン15重量部とテトラメチルエチレンジアミン0.06重量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.06重量部添加し、70℃で1時間重合した後、1,3−ブタジエン70重量部を含むシクロヘキサン溶液を添加して70℃で2時間重合した。その後、スチレン15重量部を含むシクロヘキサンを添加して70℃で1時間重合した。得られた重合体は、スチレン含有量30重量%のA−B−A構造のブロック共重合体であった。
【0026】
【実施例1】
ブロック共重合体(A)を重合後、エタノールをn−ブチルリチウムに対して0.9倍当量、重合器中に添加して反応を停止した。その後、重合体溶液を重合器から他の反応槽へ移送する間に少量の水と炭酸ガスを添加した。この溶液に重合体100重量部に対して2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを0.2重量部、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを0.1重量部加えて均一に混合した後、熱交換器を通して重合体溶液の温度を170℃に昇温し、第一段を50メッシュ、次に400メッシュの円筒型の金網を通過させた。メッシュを通過した重合体溶液量(L/mm2:通過液量/フィルター面積)は0.01であった。
【0027】
次にフラッシュ型濃縮器で溶媒の一部をフラッシュ蒸発させた。濃縮器出口 での温度は、100℃に低下し、濃度は52重量%であった。濃縮された重合体溶液を熱交換器を通して再度160℃に加熱し、2軸ベント押出機にフィードして脱溶媒を行った。使用した押出機は後方排気ゾーンを有するスクリュー外径65mm、L/D=40のかみ合い型同方向2軸3段ベント押出機であり、スクリュー先端とダイの間に、ギアポンプを取り付けたものである。運転条件はスクリュー回転数150rpm、押出量は120Kg/時間で、水は、第2排気ゾーンと最後の排気ゾーン(第3排気ゾーン)の間でポリマーの100重量部に対して1重量部の割合でプランジャー型定量ポンプを用いて添加した。ギアポンプ下流に取り付けたフィルターBは100メッシュを上流側に300メッシュを下流側にして重ねあわせ、F値が2.0となるような円柱状の筒を6本、押出機に並列に取り付けた。
尚、ギアポンプの吸引側圧力は2.0Kg/cm2、ダイ部のブロック共重合体温度は245℃であった。表1に実施例1の主要な運転条件と得られたブロック共重合体のゲル量の結果を示した。
【0028】
【実施例2〜5】
ブロック共重合体(B)、(C)、(D)を用い、表1に示した工程条件でペレット状のブロック共重合体を得た。尚、スクリュー回転数及び押出量は適宜調整し、表1に記載されていない部分の工程条件、押出機仕様等は実施例1と同様に実施した。表1に得られたブロック共重合体のゲル量の結果を示した。
【0029】
【比較例1〜3】
ブロック共重合体(A)、(B)、(D)を用い、表1に示した工程条件でペレット状のブロック共重合体を得た。尚、スクリュー回転数及び押出量は適宜調整し、表1に記載されていない部分の工程条件、押出機仕様等は実施例1と同様に実施した。表1に得られたブロック共重合体のゲル量の結果を示した。
【0030】
【表1】
Figure 0004334063
【0031】
【発明の効果】
本発明の2軸ベント押出機を用いた直脱法によりブロック共重合体をペレット状として製造するに際し、ブロック共重合体溶液を特定メッシュサイズのフイルターを通過し、押出機に設置したギアポンプの吸引圧力を特定の数値に設定し、ダイ上流側のフィルターに特定メッシュサイズを用いることにより、ペレット中のゲルが少ないブロック共重合体を得ることができる。
本発明で得られたブロック共重合体は、その特徴を生かして、シート、フィルム、各種形状の射出成形品、真空成形品、圧空成形品、中空成形品等多種多様の成形品として活用できる。取分け、本発明の方法で得られるブロック共重合体はゲルが少ないため、薄いシート或いはフィルム等の分野に好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における脱溶媒のフロー工程図の一例である。
【符号の説明】
1.押出機
2.2軸エンドレススクリュー
3.圧力及び供給速度の制御弁
4.供給ホッパ
5.後方排気ゾーン
6.排気ゾーン
7.溶媒の除去を促進するために水を導入するための導入口
8.ギアポンプ
9.ダイ
10.カッター

Claims (3)

  1. 炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として共役ジエン及びビニル芳香族炭化水素を重合して得た、ビニル芳香族炭化水素含有量が20〜95重量%であるブロック共重合体の溶液から、2軸多段ベント押出機を用いた直脱法によってブロック共重合体ペレットを製造するにあたり、ブロック共重合体溶液を100〜500メッシュサイズのフィルターAを通した後、該押出機のベント部下流に位置した、吸引側圧力が0〜10kg/cm2となるように調整したギアポンプを通し、200〜500メッシュサイズのフィルターBを通過した後、ダイに導入してペレット状とするブロック共重合体の製造方法。
  2. フィルターBの式(1)のF値が1.5〜10であることを特徴とする請求項1記載のブロック共重合体の製造方法。
    (1) F=4B/πD2
    (B:フィルターBの面積(mm2)、D:スクリュー径(mm))
  3. 重合終了後のブロック共重合体溶液に、安定剤として2−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−t−アミルフェニルアクリレートをブロック共重合体100重量部に対して0.05〜3重量部添加してなる、請求項1記載のブロック共重合体の製造方法。
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