JP2009126125A - 印刷方法およびカラーフィルターの製造方法およびカラーフィルター - Google Patents
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Abstract
【課題】カラーフィルターにおけるブラックマトリクスと額縁部のように高解像度部と低解像度部とが混在するパターンを、パターン欠落なく一括に精度よく印刷する方法を提供する。
【解決手段】ブランケット上に、インキを塗布し、予備乾燥状態のインキ膜を形成した後、非画像部パターンの凸部と画像部パターンの凹部とが形成された除去版をインキ膜に押圧することにより、ブランケット上に画像部パターンのインキ膜を形成し、その後、ブランケット上のインキ膜を被印刷基材上に転写して、被印刷基材上に画像パターンのインキ膜を形成する印刷法であって、除去版の凹部に予め粉体を配置した後に、除去版を予備乾燥状態のインキ膜に押し当て、粉体を予備乾燥状態のインキ膜上に転移させた後、粉体を含む予備乾燥状態のインキ膜からなる画像パターンを目的の被印刷基材表面上へ転写する。
【選択図】図1
【解決手段】ブランケット上に、インキを塗布し、予備乾燥状態のインキ膜を形成した後、非画像部パターンの凸部と画像部パターンの凹部とが形成された除去版をインキ膜に押圧することにより、ブランケット上に画像部パターンのインキ膜を形成し、その後、ブランケット上のインキ膜を被印刷基材上に転写して、被印刷基材上に画像パターンのインキ膜を形成する印刷法であって、除去版の凹部に予め粉体を配置した後に、除去版を予備乾燥状態のインキ膜に押し当て、粉体を予備乾燥状態のインキ膜上に転移させた後、粉体を含む予備乾燥状態のインキ膜からなる画像パターンを目的の被印刷基材表面上へ転写する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ガラス基材やプラスチックフィルムなどの可撓性基材上へ、高精細パタ−ンを形成する印刷方法に関するものである。また、本発明はその印刷法を用いたカラーフィルターの製造方法であり、さらに、その製造方法によって得られるカラーフィルターに関する。
近年、フラットパネルディスプレイは、省エネルギー、省スペース、可搬性などの点から据え置き型、壁掛け型、携帯型の様々な用途の画像表示装置として利用されている。特に携帯型においては、携帯時に落下させても破損しないような耐衝撃性や、軽量化、薄型化などの点からプラスチック化への要求がある。また、壁掛け型においても円柱状の柱へのディスプレイの設置という点から可撓性のディスプレイへの要求がある。
しかしながら、従来のフラットパネルディスプレイは、何れもガラス基板上に製造された物であり、プラスチック基板上に製造することは難しかった。その理由は、従来のフラットパネルディスプレイの部材の作製には高温での加熱工程とフォトリソ工程が含まれているためである。例えば、液晶ディスプレイ用のカラーフィルターの製造にあたっては、感光性樹脂のパターニングにあたって、現像、洗浄、ベーキングなどの工程があり、プラスチック基板の熱による損傷や伸縮が生じてしまう。
また、フォトリソ工程は、製膜、露光、現像、剥離を材料毎に行うので、製造設備も大掛かりとなり、製造のコストが高い。
以上のことから、プラスチック基材上への精密なパターニングが可能な印刷方法が求められていた。
プラスチック基材上への印刷法の一つとして、インクジェット法が検討されている。インクジェット法は、所定の部分にのみ所定の材料をパターニングできることから材料の利用効率が高く、版も使用しないことから、もっとも簡便なパターニング方法として期待されている。
しかしながら、現状のインクジェットのインク液滴の直径は数十μm程度であり、着弾精度も数μm程度ある。また、インクジェット法を用いて精密なパターニングをするためには、あらかじめ基板上にフォトリソ工程により隔壁を形成しなければならず、カラーフィルターのブラックマトリクスや印刷方式の薄膜トランジスタ配線などの、10μm程度のパターンを形成する方法としては採用することができない。
インクジェット法以外の方法としては、スクリーン印刷法が挙げられる。スクリーン印刷法は、電子部品における配線や、抵抗体、誘電体の印刷などで実用化されている。しかしながら、孔版印刷であることからインキはペースト状の高粘度のものに限られ、また、スクリーンメッシュの精細度から数十μm程度の厚膜の印刷法としては採用できても、やはり10μm程度のパターンを形成する方法としては採用できない。
そこで、インクジェット法およびスクリーン印刷法以外の方法として、反転印刷法が試みられている。
反転印刷法は、特許文献1に開示されている様に、シリンダーに巻き付けたブランケッ
ト上にインキを塗布し、予備乾燥して予備乾燥インキ膜を形成し、その後、非画像部パターンが形成された凸版を予備乾燥インキ膜に押圧することによりブランケット上に画像パターンを形成し、最後に、ブランケット上の画像パターンを被印刷基材上に転写し、被印刷基材上に画像パターンを形成する印刷法である。
ト上にインキを塗布し、予備乾燥して予備乾燥インキ膜を形成し、その後、非画像部パターンが形成された凸版を予備乾燥インキ膜に押圧することによりブランケット上に画像パターンを形成し、最後に、ブランケット上の画像パターンを被印刷基材上に転写し、被印刷基材上に画像パターンを形成する印刷法である。
反転印刷法は、インキ膜厚を調整することが容易である。この印刷法ではインキ剥離性のブランケット上に画像パターンを形成することから、被印刷基材へのインキ転写性が良好である。また、薄膜での微細パターン形成が可能である。
しかしながら、例えば、カラーフィルターにおけるブラックマトリクスの形成のように、表示域ではパターンの線幅が10μm程度の格子状のパターンである高解像度部と、表示域を取り囲むいわゆる額縁部のように線幅が数mmである低解像度部が混在したパターンを一括に形成することは、反転印刷法では困難である。その理由について以下に説明する。
反転印刷法には通常、ガラス製の版を用いるが、ガラス版は基板となるガラスにフォトリソ法にてレジストパターンを形成し、ウェットエッチングを施すことで版とする。
しかしながら、ウェットエッチングは等方的であり、カラーフィルターにおけるブラックマトリクスを印刷するための版を製造しようとした場合、版深を大きくすることに伴ってパターン凹部の開口線幅も大きくなり液晶表示部の高い解像度が得られない。逆に、高い解像度を得ようとすれば版深が小さくなり、額縁部のような低解像度部においては転写時に版の凹部にブランケットが接触することでインキが版の凹部に転移してしまうという、いわゆる版底当たりが起こり、結果としてパターンが欠落して中抜けしてしまうという問題がある。
これを解決すべく、フォトリソ工程、ウェットエッチング工程を2回以上繰り返し、低解像度部のみ版深を大きくする方法があるが、この方法では工程が複雑になり製造コストも高い。
また、特許文献2には低解像度部の凹部領域に複数の凸部を形成し、版底当たりを最小限にする方法が開示されている。
特許第3689536号公報
特開2007‐160769号公報
反転印刷法は、インキ膜厚を調整することが容易で、薄膜での微細パターン形成が可能であるが、高解像度部と低解像度部とが混在するパターンを印刷することは困難であった。また、特許文献2に開示されている方法では、版底当たりの面積を減少させることは可能であるが解消するには至っておらず、部分的にパターンの欠落が発生してしまい精度を欠くため、カラーフィルターの印刷方法には適用できない問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決すべく為されたものであって、その課題とするところは、カラーフィルターにおけるブラックマトリクスと額縁部のように高解像度部と低解像度部とが混在するパターンを、パターン欠落なく一括に精度よく印刷する方法を提供することにある。
本発明の請求項1に係る発明は、シリンダーに巻き付けて固定されたブランケット上に、インキを塗布し、予備乾燥状態のインキ膜を形成した後、非画像部パターンの凸部と画像部パターンの凹部とが形成された除去版を前記予備乾燥状態のインキ膜に押圧することにより、前記予備乾燥状態のインキ膜の前記非画像部パターンを前記凸部へ移行させて除去して、ブランケット上に画像部パターンのインキ膜を形成し、その後、ブランケット上のインキ膜を被印刷基材上に転写して、被印刷基材上に画像パターンのインキ膜を形成する印刷法であって、前記除去版の凹部に予め粉体を配置した後に、前記除去版を前記予備乾燥状態のインキ膜に押し当て、前記粉体を予備乾燥状態のインキ膜上に転移させた後、前記粉体を含む前記予備乾燥状態のインキ膜からなる画像パターンを目的の被印刷基材表面上へ転写することを特徴とする印刷方法である。
また本発明の請求項2に係る発明は、前記粉体がガラスもしくは樹脂からなる球状であることを特徴とする請求項1に記載の印刷方法である。
また本発明の請求項3に係る発明は、前記粉体の表面もしくは内部が着色されていることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷方法である。
また本発明の請求項4に係る発明は、前記粉体の粒径が前記予備乾燥状態のインキ膜の膜厚以上で、且つ、前記除去版凹部の版深の1.25倍以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷方法である。
また本発明の請求項5に係る発明は、前記粉体をインクジェット法もしくはディスペンサー法により、前記除去版凹部に配置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷方法である。
次に本発明の請求項6に係る発明は、前記除去版が、カラーフィルターの画像部パターンを凹部とする版であり、前記除去版の画像部パターンの凹部のうち、カラーフィルターの表示域を取り囲む額縁部をなす凹部に前記粉体を配置することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷法を用いたカラーフィルターの製造方法である。
また本発明の請求項7に係る発明は、請求項6に記載のカラーフィルターの製造方法によって製造されたことを特徴とするカラーフィルターである。
請求項1に係る発明によれば、除去版の凹部に予め粉体を配置した後に除去版を予備乾燥状態のインキ膜に押し当て、粉体を予備乾燥状態のインキ膜上に転移させた後、粉体を含む予備乾燥状態のインキ膜からなる画像パターンを目的の被印刷基材表面上へ転写することによって、いわゆる版底当たりを回避でき、パターンの欠落なく精密なパターンを一括に印刷することが可能となる。
また、請求項2に係る発明によれば、粉体がガラスもしくは樹脂からなる球状であることによって配置する粉体の高さを均一に揃えることが可能となる。
また、請求項3に係る発明によれば、粉体が着色されていることによって、パターンにおける色抜けを防止することが可能となる。
また、請求項4に係る発明によれば、粉体の粒径が予備乾燥状態のインキ膜の膜厚以上且つ版深の1.25倍以下であることによって、高精度にパターン欠落を防止することが可能となる。
また、請求項5に係る発明によれば、粉体をインクジェット法もしくはディスペンサー法により配置することによって、粉体を所定の位置に高精度且つ均一に配置することが可能となる。
また、請求項6に係る発明によれば、除去版がカラーフィルターの画像部パターンを凹部とする版であり、除去版の画像部パターンの凹部のうち、カラーフィルターの表示域を取り囲むいわゆる額縁部をなす凹部に粉体を配置することによって、カラーフィルターにおけるブラックマトリクス部と額縁部とをパターン欠落なく一括に精度よく印刷することが可能となる。
また、請求項7に係る発明によれば、カラーフィルターの表示域を取り囲むいわゆる額縁部に粉体が配置されていることによって額縁部における光抜けのない高品質なカラーフィルターとすることが可能となる。
以下に、本発明の印刷方法を一実施形態に基づいて説明する。図1は本発明の印刷法をカラーフィルターにおけるブラックマトリクスと額縁部の一括形成に適用した一例を説明するための断面図である。(a)はブランケットにインキ液膜を設ける工程、(b)は予備乾燥状態のインキ膜を除去版に押し当てる工程、(c)は予備乾燥状態のインキ膜からなる画像パターンを被印刷基材に転写する工程を示す。また、図2は本発明の一実施形態のカラーフィルターの部分を拡大して模式的に示した断面図である。
本発明に用いるブランケットはオフセット印刷に用いるブランケットとしての公知の材料を用いることが出来る。
ブランケット上へインキ液膜を形成する方法としては、インキの粘度や溶媒の乾燥性によって公知の塗工方法を用いることができる。すなわち、例えばディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等が挙げられる。中でも、ダイコート、ギャップコート、ロールコート、アプリケータは、広い範囲の粘度のインキについて均一なインキ液膜を形成することができ、さらにその中でも可動するブランケット上へ連続的に形成する場合は、ダイコートが最も効率的で好適な形成方法である。
ブランケット202上へダイコートヘッド201よりインキを塗布して、インキ液膜204を形成した後に、インキ液膜を予備乾燥する。この予備乾燥には自然乾燥、冷風または温風乾燥、マイクロ波乾燥、減圧乾燥などを用いることができ、また、紫外線、電子線などの放射線を用いることもできる。
この予備乾燥では、インキ膜の粘度またはチキソトロピー性、脆性を上げることを目的とするもので、インキ膜の完全乾燥はさせない。乾燥が不十分な場合は、後工程で除去版の凸部を押し当ててインキ膜を剥離する際に、インキ膜が断裂し不良が発生する。逆に乾燥が行き過ぎた場合は、除去版の凸部にインキが転写されない。そのため使用するインキの組成によって乾燥状態を調整する。
除去版としては、無アルカリガラス等の低膨張ガラス表面に感光性樹脂を用いてマスクパターンを形成した後、既存のドライエッチング処理やウェットエッチング処理、もしくはサンドブラスト処理を用いて、2μmから30μmの版深を設けたものを用いることができる。しかしながら、前述のように版深はパターン解像度によって制限を受けることとなる。
本発明の印刷方法は、ガラスやプラスチック板などへの印刷に適用できるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのフィルム、シートを用いることもできる。印刷に適用するインキの乾燥条件に合わせて選定すればよく、耐熱性のものとしてはポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミドなどが好適である。また、無機フィラーを樹脂に添加して耐熱性を向上させた材料からなる基材でもよい。フィルムおよびシートは、延伸フィルムでもよく、未延伸フィルムでもよく、また、可撓性基材には必要に応じてガスバリア層や平滑化層、インキ受像層が印刷面または他の面に積層されていても良い。
インキ液膜の材料としては、画像パターン形成材料に溶媒を溶解又は分散させたものを用いることができる。例えば、カラーフィルターにおけるブラックマトリクスを本発明の製造方法により形成する場合、顔料成分と樹脂成分を溶媒中に溶解、分散させることによりインキとなる。
また、ブラックマトリクスに用いられる黒色顔料としては、カーボンブラックやチタンブラックが単独又は混合して用いられる。
樹脂成分には、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂からなる群から選ばれる1つ以上のものが使用される。溶剤には、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤及び炭化水素系溶剤などが使用される。エステル系溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、アルコール系溶剤として、1-ブタノール、3‐メトキシ‐3‐メチル-1‐ブタノール、1‐ヘキサノール、1,3-ブタンジオール、1‐ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、4-メチル‐2‐ペンタノール、エーテル系溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール‐t‐ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、炭化水素系溶剤として、ソルベッソ100、ソルベッソ150(製品名、エクソン化学社製)などが挙げられる。
また、本発明の印刷方法を回路基材の製造に適用する場合には、配線を形成するインキ液膜の材料としては、金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム等の金属微粒子分散液を水やアルコール、グリコール系溶媒に溶解、分散させることによりインキとなる。また、これらのインキには必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、レベリング剤等が添加されてもよい。なお、本発明の印刷方法で用いるインキはこれらに限定されるものではない。
次に、本発明に用いる粉体成分としては公知のものを用いることが出来る。例えば、無機系成分ではガラス、有機系成分としてはアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジビニルベンゼン共重合体、ジビニルベンゼン―アクリルエステル共重合体、ジアクリルフタレート共重合体、アリルイソシアヌレート共重合体等が使用可能である。導電性あるいは、絶縁性を有するパターンを形成する際にはそれらの性質を有した材料を用いることが出来、また、粉体の表面に導電処理や絶縁処理を施すことも出来る。また、着色パターンを形成する際には、色抜けや光抜けを防止するために、必要に応じて粉体の表面を着色するか、もしくは粉体内部に染料や顔料を分散させたものを用いることが出来る。粉体の形状としては、高精度に粉体の高さを揃
えるためには球状であることが好ましい。
えるためには球状であることが好ましい。
また、粉体の粒径としては予備乾燥状態のインキ膜の膜厚以上且つ除去版の凹部の版深の1.25倍以下であることが好ましく、より好ましくは予備乾燥状態のインキ膜の膜厚以上且つ除去版の凹部の版深以下である。粒径が予備乾燥状態のインキ膜の膜厚より小さいと粉体が予備乾燥状態のインキ膜の内部に完全に入り込み版底当たり引き起こし、除去版の凹部の版深の1.25倍より大きいと予備乾燥状態のインキ膜を押し当てる際や、画像パターンを被印刷基材に転写する際に印圧を均一に掛けることが困難になり好ましくない。
粉体をインクジェット法、ディスペンサー法にて除去版の凹部に配置する際には、適当な分散媒に分散させることが考えられる。具体的な分散媒としては、水、エチレングリコール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、必要に応じて適宜混合し、揮発性や粘度、表面張力を調節して用いることができる。また分散媒中の粉体の濃度としては、除去版の凹部に吐出した際に、版底当たりを防止するだけの十分な濃度が必要であるが、濃度が大きすぎると粉体が凝集したり、重なったり、また、ノズル閉塞を引き起こすため好ましくない。
インクジェット法としては、熱エネルギーを用いたものや、ピエゾ方式を用いたインクジェットヘッドを用いた方法を使用することができるが、粉体分散体を除去版の凹部の所定の位置に連続的に安定して吐出できるものであれば、方式に関わらず既存の方法を用いることができる。しかしながら、粉体によるノズル閉塞の防止を考慮すると、限定されるものではないが粉体の径の5倍以上のノズル径を有することが好ましい。
インクジェット装置は公知のものを使用できるが、インクジェットヘッドの方式は、サーマル方式、バブル方式、静電アクチュエータ方式、ピエゾ方式等のいずれでもよい。
本発明において粉体を除去版の凹部に配置する密度は、特に限定されるものではないが1000〜30000個/cm2程度が好ましい。配置密度が1000個/cm2以下であると高精度に版底当たりを防止することが困難になり、逆に30000個/cm2以上であると除去版の凹部で粉体が凝集したり、画像パターンを被印刷基材に転写する際に印圧を均一に掛けることが困難になり好ましくない。
本発明におけるカラーフィルターは額縁部に粉体が配置されているが、粉体の一部は額縁部のパターンに内包されている。したがって、パターンより突出している部分の粉体の高さは、例えば液晶表示装置製造の後工程における液晶層のセルギャップを保持するためのスペーサーの高さ以下であり、スペーサー形成工程に影響を及ぼさない。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
カラーフィルター用黒色インキを次の要領で調製した。下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用い、サンドミルで5時間分散し黒色インキを得た。
<カラーフィルター用黒色インキの組成>
・ポリイミド前駆体・・東レ(株)製:「セミコファインSP−510」 10重量部
・黒色顔料・・・・・・カーボンブラック 7.5重量部・溶媒・・・・・・・・N‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP) 130重量部
・分散剤・・・・・・・銅フタロシアニン誘導体 5重量部・レベリング剤・・・・ビックケミージャパン(株)製「BYK333」 0.5重量部
次にインクジェット法にて配置する粉体を次の要領で分散媒中に分散した。下記の組成の混合物をソニケーターを用いて撹拌し、粉体分散体を得た。
<粉体分散体の組成>
・液晶表示装置用着色(黒色)ビーズスペーサー
(積水化学工業(株)製 ミクロパールKBS−505 5μmφ 1重量部
・分散媒
純水 10重量部
イソプロピルアルコール 10重量部
エチレングリコール 80重量部
ブランケットとして、厚さ2mmのシリコーンゴムを用いた。
カラーフィルター用黒色インキを次の要領で調製した。下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用い、サンドミルで5時間分散し黒色インキを得た。
<カラーフィルター用黒色インキの組成>
・ポリイミド前駆体・・東レ(株)製:「セミコファインSP−510」 10重量部
・黒色顔料・・・・・・カーボンブラック 7.5重量部・溶媒・・・・・・・・N‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP) 130重量部
・分散剤・・・・・・・銅フタロシアニン誘導体 5重量部・レベリング剤・・・・ビックケミージャパン(株)製「BYK333」 0.5重量部
次にインクジェット法にて配置する粉体を次の要領で分散媒中に分散した。下記の組成の混合物をソニケーターを用いて撹拌し、粉体分散体を得た。
<粉体分散体の組成>
・液晶表示装置用着色(黒色)ビーズスペーサー
(積水化学工業(株)製 ミクロパールKBS−505 5μmφ 1重量部
・分散媒
純水 10重量部
イソプロピルアルコール 10重量部
エチレングリコール 80重量部
ブランケットとして、厚さ2mmのシリコーンゴムを用いた。
除去版としては、300mm角、厚さ0.7mmのガラスをウェットエッチングしカラーフィルターにおけるブラックマトリクスのパターンおよびパターンを取り囲む額縁部を設けたものを使用した。尚、得られた除去版のブラックマトリクスパターンは線幅10μm、版深5μm、額縁部は線幅3mm、版深5μmであった。
被印刷基材には厚さ100μmのPETフィルムを用いた。
以上のような材料を用いて以下の要領でカラーフィルターにおけるブラックマトリクス部の一括転写を行った。
初めに、シリンダー203に巻きつけて固定されたブランケット202上にドライ膜厚が1.7μmとなるように、ダイコーターヘッド201を用いて黒色インキを塗布しインキ液膜204を得た。その後、120℃のドライオーブン(図示せず)にて120秒間予備乾燥を行い、予備乾燥状態のインキ膜205を得た。
別途、インクジェット法を用いて粉体分散体を除去版206における額縁部208に吐出した。尚、吐出した液滴一滴あたりの体積は35plであり、液滴中に含まれる粉体は1〜4個であった。その後、120℃のホットプレートにて60秒間乾燥を行った。
次に粉体209を配置した除去版206とブランケット上の予備乾燥状態のインキ膜205とを接触させ転写し、ブランケット上に予備乾燥状態のインキ膜からなる画像パターン210を得た。
次に、画像パターンを形成したブランケットを被印刷基材211のPETフィルムと接触させ転写し、画像パターンをPETフィルム上に転写した。
得られたブラックマトリクスパターンは額縁部のパターン欠落がなく、版底当たりを防止することができた。
本発明の印刷方法は、基材上に高解像度部と低解像部とを併せ持つパターンを精密に形成することができ、種々の用途に利用できるが、とりわけカラーフィルターや導電性インキによる配線パターニングに用いることが出来る。
101・・・基材 102・・・カラー画素 103・・・ブラックマトリクス104・・・額縁 105・・・粉体
201・・・ダイコーターヘッド 202・・・ブランケット
203・・・シリンダー 204・・・インキ液膜
205・・・予備乾燥状態のインキ膜 206・・・除去版
207・・・ブラックマトリクスパターン部 208・・・額縁部
209・・・粉体 210・・・画像パターン 211・・・被印刷基材
201・・・ダイコーターヘッド 202・・・ブランケット
203・・・シリンダー 204・・・インキ液膜
205・・・予備乾燥状態のインキ膜 206・・・除去版
207・・・ブラックマトリクスパターン部 208・・・額縁部
209・・・粉体 210・・・画像パターン 211・・・被印刷基材
Claims (7)
- シリンダーに巻き付けて固定されたブランケット上に、インキを塗布し、予備乾燥状態のインキ膜を形成した後、非画像部パターンの凸部と画像部パターンの凹部とが形成された除去版を前記予備乾燥状態のインキ膜に押圧することにより、前記予備乾燥状態のインキ膜の前記非画像部パターンを前記凸部へ移行させて除去して、ブランケット上に画像部パターンのインキ膜を形成し、その後、ブランケット上のインキ膜を被印刷基材上に転写して、被印刷基材上に画像パターンのインキ膜を形成する印刷法であって、
前記除去版の凹部に予め粉体を配置した後に、前記除去版を前記予備乾燥状態のインキ膜に押し当て、前記粉体を予備乾燥状態のインキ膜上に転移させた後、前記粉体を含む前記予備乾燥状態のインキ膜からなる画像パターンを目的の被印刷基材表面上へ転写することを特徴とする印刷方法。 - 前記粉体がガラスもしくは樹脂からなる球状であることを特徴とする請求項1に記載の印刷方法。
- 前記粉体の表面もしくは内部が着色されていることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷方法。
- 前記粉体の粒径が前記予備乾燥状態のインキ膜の膜厚以上で、且つ、前記除去版凹部の版深の1.25倍以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷方法。
- 前記粉体をインクジェット法もしくはディスペンサー法により、前記除去版凹部に配置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷方法。
- 前記除去版が、カラーフィルターの画像部パターンを凹部とする版であり、前記除去版の画像部パターンの凹部のうち、カラーフィルターの表示域を取り囲む額縁部をなす凹部に前記粉体を配置することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷法を用いたカラーフィルターの製造方法。
- 請求項6に記載のカラーフィルターの製造方法によって製造されたことを特徴とするカラーフィルター。
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KR20110016110A (ko) * | 2009-08-11 | 2011-02-17 | 엘지디스플레이 주식회사 | 박막 패턴의 제조 장치 및 방법 |
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2007
- 2007-11-27 JP JP2007305506A patent/JP2009126125A/ja active Pending
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KR20110016110A (ko) * | 2009-08-11 | 2011-02-17 | 엘지디스플레이 주식회사 | 박막 패턴의 제조 장치 및 방법 |
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