JP6228017B2 - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

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本発明は、グラビアオフセット印刷装置とこれを用いた印刷方法に関する。
液状、ペースト状のインクを用いて所定のパターンを様々な物品の表面に印刷する方法は、多様な工業製品を製造するうえで有用である。同じパターンを有する物品を繰り返し製造する場合には、製造コストを抑える効果も大きい。連続するシート状の物品に、同じパターンを繰り返し形成するような場合、特に優れた方法である。
近年、エレクトロニクス分野においても様々な物品を印刷の手法で製造することが実施されている。例えばフィルム上に形成された電子回路、情報表示装置としての各種ディスプレイパネル、太陽電池パネルやその電極など、印刷手法の利用範囲は広い。このような状況の中、印刷の解像度を更に向上させ、より微細なパターンを印刷する方法が強く求められている。
高解像度印刷や微細パターンの印刷に対し、インクジェットによる印刷技術が進歩しているが、それでも例えばドットの平均最大径が20μm以下、且つ、隣り合うドットとの平均間隔が10μm以下であるような微細パターンを印刷することは困難である。また、線幅が20μm以下の極細線を印刷することも困難である。印刷版を用いた場合と同様に、被印刷物に着弾したインク滴がその表面で拡がり、隣り合うドット同士が連結してしまう。これを防止するためにインクの粘度や表面張力を調整するにも、インクジェット印刷の場合はその許容範囲は極めて小さい。
このような状況のなか、グラビア印刷、特にグラビアオフセット印刷が微細パターンの印刷に好適に用いられている。しかしながらグラビアオフセット印刷で用いられるブランケットは、連続印刷中にインキに含まれる溶媒を吸収しつづけ、これにより印刷精度が落ちるという問題があった。このような問題を解決するべく、特許文献1では最外層であるシリコーンゴムと、伸縮性の少ない耐溶剤性にすぐれた高分子材料からなるシートに複数個の孔を開けた補強層と、スポンジ状の圧力吸収層と、心材とで構成したブランケットを提案している。これによれば、シリコーンゴム層が吸収したインキ中の有機溶剤が補強層に形成した複数個の孔を通してスポンジ層に吸収され、シリコーンゴム層の膨潤を抑えることができるとしている。
特許文献2では、転写材(インキに相当)を凹版から受理して被印刷物に転移させるブランケットを、転写材の転移後、次の転写材の受理までの間に溶媒吸収体に回転接触させて、ブランケット表面に吸収されている転写材の溶媒を吸収させる接触手段を具備する溶媒吸収機構を開示している。更に変形例として、溶媒吸収体をブランケットの回転軸に平行な軸の回りに回転できるように支持し、常にブランケットに回転接触させる機構を開示している。
しかしながら、特許文献1に記載のブランケットは、スポンジ層も有機溶剤で飽和されてしまえば、それ以上シリコーンゴム層の膨潤を抑えることができないため、連続印刷には適用できない。特許文献2の機構では連続印刷を中断する必要が生じる。溶媒吸収体を回転接触させる機構の場合には印刷を中断する必要はないが、ブランケット表面の溶媒量を適切にコントロールすることは難しい。ブランケット表面に含まれる溶媒の量は、少ないほど良いというものではなく、印刷品位を確保するための最適な含有量範囲が存在する。したがって、ブランケット表面に含まれる溶媒の量を適切にコントロールすることが求められる。
特許文献3には、被印刷体に転写されたインキパターンの寸法または印刷位置のずれ量を計測するためのインキパターン計測手段と、ブランケットのインキ溶剤濃度を計測するための溶剤濃度計測手段および/またはブランケットの厚み方向におけるインキ溶剤の濃度分布を計測するための濃度分布計測手段とを備え、これらの計測結果に基づいてブランケットに含まれるインキ溶剤を吸収するための溶剤吸収手段を制御するブランケットの管理方法が開示されている。
特開平6−143858号公報 特開2000−158633号公報 特開2007−175977号公報
特許文献3のブランケット管理方法においては溶剤濃度計測手段および/または濃度分布計測手段によって直接ブランケット表面の溶剤濃度および/または溶剤の濃度分布を計測し、計測結果に基づいて溶媒吸収手段を制御し、最適な溶剤濃度を維持できる。計測によって得られた溶剤濃度において、良好な印刷品位が確保できているかどうかを確認するために、インキパターン計測手段が設けられる。
しかしながら、特許文献3の管理方法では、LCRメータや分光エリプソメータといった高価で、複雑な機構を有する溶剤濃度計測手段および/または濃度分布計測手段を必要とする。またインキパターン計測手段には、インキパターンの寸法や位置を計測するためにCCDカメラと画像処理装置とを用いることになるが、被印刷体やインキの光学的な特性によっては、正確な計測ができないという問題がある。たとえばインキが可視光領域において透明である場合、あるいは被印刷体とインキの両方が透明である場合には、インキパターンの寸法や位置を正確に計測するのは困難である。また、被印刷体とインキとが同系色の場合にも正確な計測が困難となる。
本発明のグラビアオフセット印刷装置は、このような課題を解決するものであって、印刷後のフィルム基材について特定波長の光の透過率を測定する透過率測定手段を設けることを特徴とする。
すなわち本発明のグラビアオフセット印刷装置は、透光性を有するフィルム基材に連続的に印刷を行うグラビアオフセット印刷装置であって、印刷後の該フィルム基材について特定波長の光の透過率を測定する透過率測定手段と、インキ中の溶媒成分によって膨潤したブランケットの該溶媒成分の量を調整する溶媒量調整手段と、該透過率測定手段によって得られた透過率データを基に該溶媒量調整手段の動作を制御する制御手段と、を有することを特徴とするグラビアオフセット印刷装置である。
これによれば、あらかじめ良好な印刷状態における印刷後のフィルム基材について特定波長の光の透過率を測定しておき、測定値を基にして制御手段に透過率の許容範囲を設定することで、ブランケット表面の溶媒濃度を直接測定するような高価で複雑な計測装置を必要とせずに、ブランケット表面の溶媒量を適切に制御することが可能となる。その結果、良好な印刷品位を維持しながら連続印刷をすることができる。
更に該フィルム基材に印刷されたインキ中の溶媒成分を除去する乾燥手段を有しており、該透過率測定手段が該乾燥手段よりも上流に設けられることが好ましい。これによれば、透過率測定手段から制御手段へのフィードバックが迅速に行われ、ブランケット表面の溶媒量の調整が速やかに実施される。
本発明の印刷方法は、上記のグラビアオフセット印刷装置を用いて、透光性を有するフィルム基材に連続的に印刷を行うことを特徴とする印刷方法である。
印刷中のブランケット表面における溶媒量を最適に保つことで、高精度の印刷品位を維持しながら連続的な印刷を可能とするグラビアオフセット印刷装置および印刷方法を提供する。
本発明の印刷装置の一例を示す模式図である。
本発明で用いられるフィルム基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、イミド系樹脂、ポリカーボネートなどの材質からなるものを挙げることができる。このうち、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系のフィルムが強度が高く、コストも安いことから、好適に使用され、特にポリエチレンテレフタレートのフィルムが最適である。フィルム基材は、これらの材質からなるシートまたはフィルムとして用いられる。
フィルム基材は特定波長の光について透光性を有することが必要である。透光性を有するとは、必ずしも100%の光透過率を有するものである必要はない。後に記載するインキの光吸収特性との関係において、フィルム基材上に付与されたインキの量やサイズなどに依存する印刷後のフィルム基材としての光の透過率を測定可能な程度に透光性を有していればよい。
フィルム基材の厚みは特に限定されるものではないが、通常は10μm〜1000μm程度、好ましくは50μm〜500μm程度の範囲である。厚みが薄すぎると強度が低くなりすぎ、厚すぎると重量やコストなどの点で実用的でなくなる傾向にあり、連続印刷への適性も落ちる。
本発明で用いられる印刷版は、一般的な印刷版を使用できる。好ましくは銅や鉄等の金属製、樹脂製、セラミック製の凹版が用いられる。また、表面にクロム、セラミック、ダイヤモンドライクカーボン等からなる被膜を形成したものであってもよい。凹版にはエッチング法やレーザー彫刻法等による印刷パターンが彫刻されており、このパターンにインキが充填されるようになっている。凹版はロール状のものが用いられ、大量の印刷物を連続して印刷する用途に適している。
ブランケットは、凹版に充填されたインキを受理する樹脂から成る表面層と、表面層の内側にクッション層を積層した多層構造であってもよい。更には強度を向上するための布帛や樹脂フィルムなどの補強層を内側に積層した構造であってもよい。このようなブランケットは、それを支持するベース部材に取り付けて使用されてもよい。ベース部材は応力による変形が少ない材質であることが好ましく、金属や樹脂、セラミックなどから成り、ベース部材の表面をブランケットで覆うように構成される。
本発明のブランケットの表面層は、樹脂から成り、特に弾性を有するゴムであることが好ましい。ブランケットの表面層の材質としては、例えばニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムおよびこれらの混合物などが挙げられる。なかでも耐溶剤性が高い点や、ぬれ張力が低く溶媒の選択肢がひろがるという点からシリコーンゴムが好適に用いられる。
インキの組成は、印刷の目的によって適宜選択することができるが、液状、ペースト状とするための溶媒を含むものとする。色や柄、模様などを付与する目的で印刷を行う場合には、一般的に顔料や染料を溶媒に溶解させたり分散させたりしたものがインキとして用いられる。フィルム基材を分解、溶解するような物質を溶媒に溶解して印刷をし、フィルム基材の表面をパターン状にエッチングするような場合もある。または、機能性材料をパターン上に付与する目的で印刷を行う場合もあり、その場合、機能性材料をフィルム基材上に強固に保持させる目的でバインダーと呼ばれる樹脂を配合することもできる。
本発明のグラビアオフセット印刷方法で用いられるインキは、上記のようなインキを用いることができるが、溶媒を含むことを必須とする。溶媒は、インキに含まれる他の機能材料に合わせて適宜選択することができる。一般的な溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ブタンジオールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテルなどのグリコール類とその誘導体、グリセリン、トリアセチンなどのグリセリンとその誘導体、メチルアセテート、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、n−プロピルアセテート、ブチルアセテート、シクロヘキサノールアセテートなどの酢酸エステル類、γ−ブチロラクトン、N−メチルメチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、炭酸ジメチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ソルベントナフサ等が挙げられる。溶媒はこれらのうち一種類であってもよいし、複数種類の混合物であってもよい。
上記組成を有する本発明で用いられるインキは、特定波長の光について比較的に高い吸収特性を有することが好ましい。更にいえば、前記フィルム基材が有する光の吸収特性とは異なるものであることが好ましい。つまり、フィルム基材が高い吸光度を示す光の波長とは異なる波長において、インキが高い吸光度を示すことが好ましい。このように設計することで、フィルム基材上に印刷されたインキの量や状態を、透過率測定によって正確に計測し、最適な印刷状態を得るためのデータとして活用することができる。
インキが顔料や染料を溶媒に溶解させたり分散させたりしたものである場合には、一般的にフィルム基材とは異なる色をインキに与えることにより、両者を区別可能とすることが目的である。このような場合には、インキとフィルム基材とで比較的に高い吸収特性を示す光の波長が可視光領域においても異なることとなり、透過率測定の精度が高くなる。一方で、インキに着色をしない場合や、着色したとしても極めて軽微な着色の場合には、可視光以外の領域において光の吸収特性が異なることが望ましい。たとえば紫外線領域や赤外線領域の波長の光について、インキとフィルム基材とで異なる吸収特性を有するように設計することが好ましい。この場合、インキにその物性を阻害しない範囲で、たとえば紫外線吸収剤などを添加し、その光吸収特性を利用して透過率測定の精度を向上させることも可能である。あるいは特定波長の光においてフィルム基材とは区別可能な吸収特性を有する溶媒をインキ成分として選択することも有用である。
上記のように光の吸収特性が異なるインキとフィルム基材の組み合わせにおいて本発明のグラビアオフセット印刷方法が実施される。透過率測定手段によって測定される光の波長については、インキに特有の、あるいはインキとフィルム基材との比較においてインキについて高い吸収特性を示す光の波長が選択される。これによれば、透過率の測定によってフィルム基材上のインキの状態をチェックすることができる。
グラビアオフセット印刷方法において、ブランケットは凹版からインキを受理する際、インキ中に含まれる溶媒のうち幾らかを吸収する。インキから適切な量の溶媒がブランケットに吸収されることにより、インキの流動性が適度に抑えられ、その結果、フィルム基材への転写の際に滲むことなく転写される。もし、ブランケットがインキ中の溶媒を吸収しすぎる場合には、ブランケット上でインキが固形化したり、インキ量が不足したりして正常な転写がなされない。反対に、ブランケットの表面層が既に溶媒で膨潤しきっている場合には、溶媒をそれ以上吸収できないため、インキの流動性が高いままとなる。そのため、転写の際にブランケットとフィルム基材の接触面でインキが広がり過ぎてしまう。このような状態では、微細なパターンの印刷を高い精度で行うことは望めない。
そこで本発明では、ブランケットからインキが転写された後のフィルム基材についてその透過率を測定することで、フィルム基材上のインキの状態をチェックし、その結果に基づいて制御手段により溶媒量調整手段を動作させることとしている。
透過率測定手段としては、分光光度計やバンドパスフィルターを用いる事で単一の波長の透過率を測定出来る透過率測定器を用いることができ、紫外線〜近赤外線領域の波長の光について透過率を測定できるものが好ましい。透過率測定器の例としては、朝日分光株式会社製TLEシリーズが挙げられる。
透過率測定手段によって得られた透過率データは制御手段へと渡される。制御手段はデータの入力部と演算部、記憶部、格納部、出力部を含む。入力部は前記透過率測定手段から透過率データを受け取る。演算部はこの透過率データを記憶部に保存し、格納部に保存された透過率の許容範囲データと比較する。比較の結果を基に演算部は出力部を経由して、溶媒量調整手段に対して制御信号を送り出す。このような制御手段として、汎用のパーソナルコンピュータを用いることができる。
透過率の許容範囲データは、最適な印刷状態でインキが付与されたフィルム基材について、あらかじめその透過率を測定して設定される。このようにして設定された許容範囲データは、制御手段の格納部に保存されて利用される。
溶媒量調整手段としては、溶媒を吸収する機能を有する材料を機械的にブランケットに接触させる方法をとることができる。このような材料としては繊維からなる布帛や樹脂などからなるスポンジ状の材料が用いられる。あるいはブランケットに温風や冷風を吹きつける送風機であることができる。この場合、送風機のモーターをインバータ制御するなどすれば、ブランケット表面の溶媒量をより精密に制御することが可能となる。
本発明のグラビアオフセット印刷装置は、図1に示すように乾燥手段を備えていてもよい。乾燥手段は、インキが付与されたフィルム基材から、インキ中の溶媒成分を除去する目的で設置される。乾燥手段としては、温風乾燥炉など一般的な乾燥装置を用いることができ、特に限定されない。また、透過率測定手段は乾燥手段よりも上流側、すなわち、よりブランケットに近い側に設けられることが好ましい。このようにすることで、溶媒量調整手段へのより迅速なフィードバックが可能となる。また、透過率を測定する光の波長として溶媒成分に特有の吸収波長を選択した場合には、乾燥手段よりも上流において透過率を測定しなければ、インキ状態を正確にチェックすることができない。
[実施例1]
フィルム基材として厚み100μmのポリエステル・フィルム(三菱樹脂株式会社製:ダイアホイル(登録商標)T680)を用いた。このフィルムの一方の面に下記のインキ1を用いて印刷を行った。透過率測定手段としては透過率測定器(朝日分光株式会社製:型番TLE−500−EX2)を用い、測定波長は590nmとした。溶媒量調整手段としては温風送風機を用いた。良品の透過率を測定した結果から、透過率55±5%を許容範囲として制御手段に設定をした。
(インキ1)
カーボンブラック分散体 1600質量部
ブロックイソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製) 200質量部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1000質量部
上記においてカーボンブラック分散体の組成は以下のとおりである。
カーボンブラック(三菱化学株式会社製) 100質量部
分散剤(日本ルーブリゾール株式会社製) 40質量部
非晶性ポリエステル樹脂(東洋紡株式会社製) 60質量部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 100質量部
印刷に用いた版は直径20μmのランダムドットパターンを用いた。ブランケットには住友ゴム工業株式会社製のゴム厚み400μm、クッション層厚み800μmのものを用いた。ブランケットが乾燥した状態(すなわちインキ中の溶媒成分によって膨潤していない状態)から印刷を開始し、30分間は溶媒量調整手段を制御しないで印刷を行った。印刷開始から30分の時点で溶媒量調整手段を作動させて本発明の印刷方法による印刷を30分間行った。印刷速度は5m/分とした。
印刷開始直後の透過率は67.4%(許容範囲外)であった。これはインキ中の溶媒成分がほとんどブランケットに吸収されてしまい、フィルム基材に転写される際にはドットの径が目標値よりも小さくなってしまった状態である。印刷開始から25分後における透過率は47.5%(許容範囲外)であった。これはブランケットがインキ中の溶媒成分によって過剰に膨潤してしまい、フィルム基材にインキが転写される際にドットの径が目標値よりも大きくなり過ぎた状態である。印刷開始から40分後(溶媒量調整手段を作動させてから10分後)の透過率は57.4%であった。これは許容範囲内であり、良好な印刷品位が確保されている状態である。以降、印刷完了まで透過率が許容範囲を外れることはなく、良好な印刷品位が確保された状態が続いた。
[実施例2]
インキ1に変えて下記の組成のインキ2を用いた点、透過率の測定波長を342nmとした点、透過率の許容範囲を49±2%とした以外は実施例1と同様にして印刷を行った。
(インキ2)
非晶性ポリエステル樹脂(東洋紡株式会社製) 100質量部
紫外線吸収剤(BASFジャパン株式会社製) 40質量部
シクロヘキサノン 300質量部
印刷開始直後の透過率は53.3%(許容範囲外)であった。これはインキ中の溶媒成分がほとんどブランケットに吸収されてしまい、フィルム基材に転写される際にはドットの径が目標値よりも小さくなってしまった状態である。印刷開始から25分後における透過率は46.3%(許容範囲外)であった。これはブランケットがインキ中の溶媒成分によって過剰に膨潤してしまい、フィルム基材にインキが転写される際にドットの径が目標値よりも大きくなり過ぎた状態である。印刷開始から40分後(溶媒量調整手段を作動させてから10分後)の透過率は47.1%であった。これは許容範囲内であり、良好な印刷品位が確保されている状態である。以降、印刷完了まで透過率が許容範囲を外れることはなく、良好な印刷品位が確保された状態が続いた。
1 フィルム基材
2 インキ
3 印刷版
4 ドクター
5 ブランケット
6 圧胴
7 分光光度計
8 制御装置
9 温風送風機
10 乾燥炉
11 巻出ロール
12 巻取ロール

Claims (3)

  1. 透光性を有するフィルム基材に連続的に印刷を行うグラビアオフセット印刷装置であって、
    印刷後の該フィルム基材について特定波長の光の透過率を測定する透過率測定手段と、
    インキ中の溶媒成分によって膨潤したブランケットの該溶媒成分の量を調整する溶媒量調整手段と、
    該透過率測定手段によって得られた透過率データを基に該溶媒量調整手段の動作を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とするグラビアオフセット印刷装置。
  2. 更に該フィルム基材に印刷されたインキ中の溶媒成分を除去する乾燥手段を有しており、該透過率測定手段が該乾燥手段よりも上流に設けられることを特徴とする請求項1に記載のグラビアオフセット印刷装置。
  3. 請求項1または2に記載のグラビアオフセット印刷装置を用いて、透光性を有するフィルム基材に連続的に印刷を行うことを特徴とする印刷方法。
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