JP2009125907A - 締付診断システム及び締付診断方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】締付診断システムは、ボルトの締付けを電動で行うナットランナを、電子制御コントローラによって制御し、ボルトの締付けが正常に行われたかを異常診断コンピュータによって判定する。異常診断コンピュータは、締付トルクPの測定値が所定のクラッチ作動規定値P1になった後、締付トルクPの測定値が、所定の低下規定値以下に所定時間低下した状態が続いたときには、クラッチ機構が正常に動作してボルトの締付けが正常に行われたことを検知する。
【選択図】図8
Description
上記ナットランナは、サーボモータと、
該サーボモータの回転速度を減速する減速機と、
該減速機により減速された回転速度で回転する回転主軸と、
該回転主軸に所定の負荷が加わった後、該回転主軸と上記減速機との係合状態を解除し、該回転主軸に対して該減速機を所定回転量だけ相対的に回転させるためのクラッチ機構と、
上記締付部材を保持すると共に、上記回転主軸の回転を受けて回転する保持ソケットと、
上記回転主軸に加わる締付トルクを測定するトルクセンサと、
上記サーボモータの回転速度を検出する回転速度検出器とを有しており、
上記電子制御コントローラは、被締付対象における被締付部位への締付部材の締付けを開始した後、上記保持ソケットに保持する上記締付部材の頭部が、上記被締付部位における締付面に当接し、上記トルクセンサによる締付トルクの測定値が所定の上昇規定値になるまで、上記サーボモータを高速回転させる移動動作と、上記トルクセンサによる締付トルクの測定値が上記上昇規定値になったとき、上記サーボモータを上記高速回転よりも遅い回転速度で低速回転させる締付動作とを行うよう構成してあり、
上記異常診断コンピュータは、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になった後、該締付トルクの測定値が、所定の低下規定値以下に所定時間低下した状態が続いたときには、上記クラッチ機構が正常に動作して上記締付部材の締付けが正常に行われたことを検知するよう構成してあることを特徴とする締付診断システムにある(請求項1)。
また、クラッチ機構の動作状態を監視することにより、締付部材の締付けが正常に行われているかを監視することができ、締付部材の締付けを安定して行うことができる。
上記ナットランナは、サーボモータと、
該サーボモータの回転速度を減速する減速機と、
該減速機により減速された回転速度で回転する回転主軸と、
該回転主軸に所定の負荷が加わった後、該回転主軸と上記減速機との係合状態を解除し、該回転主軸に対して該減速機を所定回転量だけ相対的に回転させるためのクラッチ機構と、
上記締付部材を保持すると共に、上記回転主軸の回転を受けて回転する保持ソケットと、
上記回転主軸に加わる締付トルクを測定するトルクセンサと、
上記サーボモータの回転速度を検出する回転速度検出器とを有しており、
上記電子制御コントローラは、被締付対象における被締付部位への締付部材の締付けを開始した後、上記保持ソケットに保持する上記締付部材の頭部が、上記被締付部位における締付面に当接し、上記トルクセンサによる締付トルクの測定値が所定の上昇規定値になるまで、上記サーボモータを高速回転させる移動動作と、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になったとき、上記サーボモータを上記高速回転よりも遅い回転速度で低速回転させる締付動作とを行うよう構成してあり、
上記異常診断コンピュータは、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になった後、上記回転速度検出器による回転速度の測定値から積算した上記締付部材の締付角度が、所定の締付正常角度に到達したときには、上記クラッチ機構が正常に動作して上記締付部材の締付けが正常に行われたことを検知するよう構成してあることを特徴とする締付診断システムにある(請求項2)。
そして、本発明の異常診断コンピュータも、トルクセンサによる締付トルクの測定値を監視して、クラッチ機構が正常に動作したかを検出することができる。
なお、締付正常角度は、締付部材の締付けが正常に行われるときの締付角度として設定することができる。
また、クラッチ機構の動作状態を監視することにより、締付部材の締付けが正常に行われているかを監視することができ、締付部材の締付けを安定して行うことができる。
上記ナットランナは、サーボモータと、
該サーボモータの回転速度を減速する減速機と、
該減速機により減速された回転速度で回転する回転主軸と、
該回転主軸に所定の負荷が加わった後、該回転主軸と上記減速機との係合状態を解除し、該回転主軸に対して該減速機を所定回転量だけ相対的に回転させるためのクラッチ機構と、
上記締付部材を保持すると共に、上記回転主軸の回転を受けて回転する保持ソケットと、
上記回転主軸に加わる締付トルクを測定するトルクセンサと、
上記サーボモータの回転速度を検出する回転速度検出器とを有しており、
上記電子制御コントローラは、被締付対象における被締付部位への締付部材の締付けを開始した後、上記保持ソケットに保持する上記締付部材の頭部が、上記被締付部位における締付面に当接し、上記トルクセンサによる締付トルクの測定値が所定の上昇規定値になるまで、上記サーボモータを高速回転させる移動動作と、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になったとき、上記サーボモータを上記高速回転よりも遅い回転速度で低速回転させる締付動作とを行うよう構成してあり、
上記異常診断コンピュータは、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になった後、該締付トルクの測定値が所定の締付完了規定値に到達するまでに要した時間が、所定の締付正常時間以上であるときには、上記クラッチ機構が正常に動作して上記締付部材の締付けが正常に行われたことを検知するよう構成してあることを特徴とする締付診断システムにある(請求項3)。
そして、本発明の異常診断コンピュータも、トルクセンサによる締付トルクの測定値を監視して、クラッチ機構が正常に動作したかを検出することができる。
なお、締付完了規定値は、被締付部位への締付部材の締付状態を維持することができる大きさに設定することができる。
また、クラッチ機構の動作状態を監視することにより、締付部材の締付けが正常に行われているかを監視することができ、締付部材の締付けを安定して行うことができる。
上記ナットランナは、サーボモータと、
該サーボモータの回転速度を減速する減速機と、
該減速機により減速された回転速度で回転する回転主軸と、
該回転主軸に所定の負荷が加わった後、該回転主軸と上記減速機との係合状態を解除し、該回転主軸に対して該減速機を所定回転量だけ相対的に回転させるためのクラッチ機構と、
上記締付部材を保持すると共に、上記回転主軸の回転を受けて回転する保持ソケットと、
上記回転主軸に加わる締付トルクを測定するトルクセンサと、
上記サーボモータの回転速度を検出する回転速度検出器とを有しており、
上記電子制御コントローラは、被締付対象における被締付部位への締付部材の締付けを開始した後、上記保持ソケットに保持する上記締付部材の頭部が、上記被締付部位における締付面に当接し、上記トルクセンサによる締付トルクの測定値が所定の上昇規定値になるまで、上記サーボモータを高速回転させる移動動作と、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になったとき、上記サーボモータを上記高速回転よりも遅い回転速度で低速回転させる締付動作とを行うよう構成してあり、
上記異常診断コンピュータは、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になった後、上記回転速度検出器によって測定する回転速度が、所定の規定時間継続して所定の締付正常回転速度以上に維持されたときには、上記クラッチ機構が正常に動作して上記締付部材の締付けが正常に行われたことを検知するよう構成してあることを特徴とする締付診断システムにある(請求項4)。
そして、本発明の異常診断コンピュータも、トルクセンサによる締付トルクの測定値を監視して、クラッチ機構が正常に動作したかを検出することができる。
なお、締付部材の締付けが終わると(トルクセンサによって測定する締付トルクの測定値が所定の締付完了規定値に到達すると)、回転速度検出器によって測定する回転速度が、締付正常回転速度未満又はゼロに低下する。
また、クラッチ機構の動作状態を監視することにより、締付部材の締付けが正常に行われているかを監視することができ、締付部材の締付けを安定して行うことができる。
上記ナットランナは、サーボモータと、
該サーボモータの回転速度を減速する減速機と、
該減速機により減速された回転速度で回転する回転主軸と、
該回転主軸に所定の負荷が加わった後、該回転主軸と上記減速機との係合状態を解除し、該回転主軸に対して該減速機を所定回転量だけ相対的に回転させるためのクラッチ機構と、
上記締付部材を保持すると共に、上記回転主軸の回転を受けて回転する保持ソケットと、
上記回転主軸に加わる締付トルクを測定するトルクセンサと、
上記サーボモータの回転速度を検出する回転速度検出器とを有しており、
上記電子制御コントローラは、被締付対象における被締付部位への締付部材の締付けを開始した後、上記保持ソケットに保持する上記締付部材の頭部が、上記被締付部位における締付面に当接し、上記トルクセンサによる締付トルクの測定値が所定の上昇規定値になるまで、上記サーボモータを高速回転させる移動動作と、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になったとき、上記サーボモータを上記高速回転よりも遅い回転速度で低速回転させる締付動作とを行うよう構成してあり、
上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になった後、該締付トルクの測定値が、所定の低下規定値以下に所定時間低下した状態が続いたときには、上記クラッチ機構が正常に動作して上記締付部材の締付けが正常に行われたことを検知することを特徴とする締付診断方法にある(請求項8)。
そして、本発明の異常診断方法においては、トルクセンサによる締付トルクの測定値を監視して、クラッチ機構が正常に動作したかを検出することができる。
また、クラッチ機構の動作状態を監視することにより、締付部材の締付けが正常に行われているかを監視することができ、締付部材の締付けを安定して行うことができる。
上記ナットランナは、サーボモータと、
該サーボモータの回転速度を減速する減速機と、
該減速機により減速された回転速度で回転する回転主軸と、
該回転主軸に所定の負荷が加わった後、該回転主軸と上記減速機との係合状態を解除し、該回転主軸に対して該減速機を所定回転量だけ相対的に回転させるためのクラッチ機構と、
上記締付部材を保持すると共に、上記回転主軸の回転を受けて回転する保持ソケットと、
上記回転主軸に加わる締付トルクを測定するトルクセンサと、
上記サーボモータの回転速度を検出する回転速度検出器とを有しており、
上記電子制御コントローラは、被締付対象における被締付部位への締付部材の締付けを開始した後、上記保持ソケットに保持する上記締付部材の頭部が、上記被締付部位における締付面に当接し、上記トルクセンサによる締付トルクの測定値が所定の上昇規定値になるまで、上記サーボモータを高速回転させる移動動作と、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になったとき、上記サーボモータを上記高速回転よりも遅い回転速度で低速回転させる締付動作とを行うよう構成してあり、
上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になった後、上記回転速度検出器による回転速度の測定値から積算した上記締付部材の締付角度が、所定の締付正常角度に到達したときには、上記クラッチ機構が正常に動作して上記締付部材の締付けが正常に行われたことを検知することを特徴とする締付診断方法にある(請求項9)。
そして、本発明の締付診断方法においても、トルクセンサによる締付トルクの測定値を監視して、クラッチ機構が正常に動作したかを検出することができる。
なお、締付正常角度は、締付部材の締付けが正常に行われるときの締付角度として設定することができる。
また、クラッチ機構の動作状態を監視することにより、締付部材の締付けが正常に行われているかを監視することができ、締付部材の締付けを安定して行うことができる。
上記ナットランナは、サーボモータと、
該サーボモータの回転速度を減速する減速機と、
該減速機により減速された回転速度で回転する回転主軸と、
該回転主軸に所定の負荷が加わった後、該回転主軸と上記減速機との係合状態を解除し、該回転主軸に対して該減速機を所定回転量だけ相対的に回転させるためのクラッチ機構と、
上記締付部材を保持すると共に、上記回転主軸の回転を受けて回転する保持ソケットと、
上記回転主軸に加わる締付トルクを測定するトルクセンサと、
上記サーボモータの回転速度を検出する回転速度検出器とを有しており、
上記電子制御コントローラは、被締付対象における被締付部位への締付部材の締付けを開始した後、上記保持ソケットに保持する上記締付部材の頭部が、上記被締付部位における締付面に当接し、上記トルクセンサによる締付トルクの測定値が所定の上昇規定値になるまで、上記サーボモータを高速回転させる移動動作と、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になったとき、上記サーボモータを上記高速回転よりも遅い回転速度で低速回転させる締付動作とを行うよう構成してあり、
上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になった後、該締付トルクの測定値が所定の締付完了規定値に到達するまでに要した時間が、所定の締付正常時間以上であるときには、上記クラッチ機構が正常に動作して上記締付部材の締付けが正常に行われたことを検知することを特徴とする締付診断方法にある(請求項10)。
そして、本発明の締付診断方法においても、トルクセンサによる締付トルクの測定値を監視して、クラッチ機構が正常に動作したかを検出することができる。
なお、締付完了規定値は、被締付部位への締付部材の締付状態を維持することができる大きさに設定することができる。
また、クラッチ機構の動作状態を監視することにより、締付部材の締付けが正常に行われているかを監視することができ、締付部材の締付けを安定して行うことができる。
上記ナットランナは、サーボモータと、
該サーボモータの回転速度を減速する減速機と、
該減速機により減速された回転速度で回転する回転主軸と、
該回転主軸に所定の負荷が加わった後、該回転主軸と上記減速機との係合状態を解除し、該回転主軸に対して該減速機を所定回転量だけ相対的に回転させるためのクラッチ機構と、
上記締付部材を保持すると共に、上記回転主軸の回転を受けて回転する保持ソケットと、
上記回転主軸に加わる締付トルクを測定するトルクセンサと、
上記サーボモータの回転速度を検出する回転速度検出器とを有しており、
上記電子制御コントローラは、被締付対象における被締付部位への締付部材の締付けを開始した後、上記保持ソケットに保持する上記締付部材の頭部が、上記被締付部位における締付面に当接し、上記トルクセンサによる締付トルクの測定値が所定の上昇規定値になるまで、上記サーボモータを高速回転させる移動動作と、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になったとき、上記サーボモータを上記高速回転よりも遅い回転速度で低速回転させる締付動作とを行うよう構成してあり、
上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になった後、上記回転速度検出器によって測定する回転速度が、所定の規定時間継続して所定の締付正常回転速度以上に維持されたときには、上記クラッチ機構が正常に動作して上記締付部材の締付けが正常に行われたことを検知することを特徴とする締付診断方法にある(請求項11)。
そして、本発明の異常診断方法も、トルクセンサによる締付トルクの測定値を監視して、クラッチ機構が正常に動作したかを検出することができる。
なお、締付部材の締付けが終わると(トルクセンサによって測定する締付トルクの測定値が所定の締付完了規定値に到達すると)、回転速度検出器によって測定する回転速度が、締付正常回転速度未満又はゼロに低下する。
また、クラッチ機構の動作状態を監視することにより、締付部材の締付けが正常に行われているかを監視することができ、締付部材の締付けを安定して行うことができる。
第1〜第4の発明は、いずれか2つ以上を組み合わせて採用することもでき、第5〜第8の発明も、いずれか2つ以上を組み合わせて採用することもできる。
例えば、上記異常診断コンピュータは、上記締付トルクの測定値及び締付時間の両方を用いて、上記クラッチ機構の異常判定を行うことができる。
一方、保持ソケットに保持する締付部材の頭部が被締付部位における締付面に当接し、回転主軸に所定の負荷が加わったときには、付勢バネによる付勢力に抗して、一対のクラッチ部材がボールを介して相対的に回転し、減速機を回転主軸に対して所定回転量だけ相対的に回転させることができる。
この場合には、付勢手段により締付部材を被締付部位へ押圧しておくことができ、サーボモータの回転によって、被締付部位へ締付部材を容易に締め付けることができる。
(実施例1)
本例の締付診断システム1は、図1に示すごとく、締付部材としてのボルト85の締付けを電動で行うナットランナ2を、電子制御コントローラ11によって制御し、ボルト85の締付けが正常に行われたかを異常診断コンピュータ12によって判定するよう構成してある。
図2に示すごとく、ナットランナ2は、サーボモータ31、減速機32、回転主軸4、クラッチ機構5、保持ソケット6、トルクセンサ(トルクトランスジューサ)45及び回転速度検出器33を有している。
図1、図3に示すごとく、トルクセンサ45は、回転主軸4の外周に配設してあり、回転主軸4に加わる締付トルクPを測定し、この測定信号を異常診断コンピュータ12へ送信するよう構成してある。回転速度検出器33は、サーボモータ31に連結してあり、サーボモータ31の回転速度Vを検出し、この検出信号を異常診断コンピュータ12へ送信するよう構成してある。
本例のナットランナ2は、2次元又は3次元に移動する移動ロボット(図示略)に取り付けてあり、被締付対象8における複数の被締付部位81へ移動して、複数の被締付部位81へ締付部材としてのボルト85を順次締め付けることができるものである。
図7に示すごとく、本例の被締付対象8は、締付部材としてのボルト85のねじ部852を挿通させる貫通穴81Aを形成した第1部品8Aと、貫通穴81Aに挿通したボルト85のねじ部852を螺合させるねじ穴81Bを形成した第2部品8Bとからなる。
また、移動ロボット及び進退手段7は、種々の制御コンピュータ等によって制御することができる。図1に示すごとく、異常診断コンピュータ12、制御コントローラ等は、同じコンピュータ10内に形成することができ、上位のコンピュータ内に形成することもできる。
また、クラッチ機構5、保持軸部34、減速機32の出力軸321及び回転主軸4の上端部は、クラッチケース54内に収容してある。
また、上側傾斜山部512及び下側傾斜山部522は、それぞれ上側クラッチ部材51及び下側クラッチ部材52の周方向における複数箇所に形成してあり、周方向の複数箇所に形成されたクラッチ空間530内には、それぞれボール53が配置されている。
また、上側クラッチ部材51は、保持軸部34の外周に、上下にスライド可能な状態で配設してある。上側クラッチ部材51は、周方向の複数箇所において、軸方向へ複数個のボールを並べて構成したボールキー55によって、保持軸部34に対して回り止めがなされていると共に、保持軸部34に対して上下にスライドできるようになっている。
次いで、サーボモータ31を回転させる際に、回転主軸4に所定の負荷(付勢バネ342の付勢力による回転摩擦トルクよりも大きな負荷トルク)が加わったときには、図5に示すごとく、クラッチ機構5の原位置係合状態501が解除され、ボール53が、上側原位置隆起部513と下側原位置隆起部523とを乗り越えて、上側傾斜山部512と下側傾斜山部522との間を転がる。そして、図6に示すごとく、ボール53が、上側動作位置隆起部514と下側動作位置隆起部524との間に周方向に挟持されるまで、下側クラッチ部材52に対して上側クラッチ部材51が、付勢バネ342による付勢力に抗して相対的に回転し、動作位置係合状態502が形成される。
トルクセンサ45は、回転主軸4に生じるトルクを測定することができる種々のセンサを用いることができる。例えば、トルクを測定する原理によって、ひずみゲージ式、磁歪効果式、位相差検出方式、機械的反力式等のトルクセンサ45を用いることができる。
まず、制御コンピュータ等によって移動ロボットを制御して、ボルト85を保持させたナットランナ2を、被締付対象8における被締付部位81に対する対向位置まで移動させる(図10のステップS101)。そして、制御コンピュータ等によって、進退手段7を制御し、ボルト85を保持するナットランナ2を、被締付部位81へ接近(前進)させる。
このとき、ボルト85のねじ部852が第1部品8Aの貫通穴81Aに挿通されると共に、ねじ部852の先端部が第2部品8Bのねじ穴81Bに当接する。そして、ナットランナ2をさらに前進させることによって、スプリング41を収縮させながら保持ソケット6が回転主軸4の方向へ引っ込む(図7参照)。
こうして、電子制御コントローラ11は、サーボモータ31を高速回転させる2段階の移動動作A1、A2を行うことにより、保持ソケット6に保持するボルト85を高速で回転させ、被締付対象8における被締付部位81へのボルト85の締付けを高速で行うことができる。これにより、ボルト85の締付けを行う時間を短縮することができる。
そして、異常診断コンピュータ12は、トルクセンサ45による締付トルクPの測定値が、再びクラッチ作動規定値P1以下になったことを検出した後、締付トルクPの測定値が、所定のクラッチ作動完了規定値P2になるまで時間tの計測を継続する(S106)。その後、締付トルクPの測定値が、所定のクラッチ作動完了規定値P2になったときには(S106がYesの場合)、異常診断コンピュータ12は、時間tの計測を終了する(S107)。
一方、異常診断コンピュータ12は、上記計測時間tが所定のクラッチ動作正常時間t1未満である場合には(S108がNoの場合)、クラッチ機構5が正常に動作しなかったことを検出することができる(S110)。
そして、異常診断コンピュータ12は、上記計測時間tが所定のクラッチ動作正常時間t1以上であった場合には、ボルト85の締付けが正常に行われたことを検知することができる(S109)。
また、クラッチ機構5の動作状態を監視することにより、ボルト85の締付けが正常に行われているかを監視することができ、ボルト85の締付けを安定して行うことができる。
本例は、上記実施例1に対して、異常診断コンピュータ12による異常判定の仕方が異なる例である。
本例の異常診断コンピュータ12は、図11に示すごとく、トルクセンサ45による締付トルクPの測定値が所定のクラッチ作動規定値(上昇規定値)P1になった後、回転速度検出器33による回転速度Vの測定値から積算したボルト85の締付角度Rが、所定の締付正常角度R1に到達したときには、クラッチ機構5が正常に動作してボルト85の締付けが正常に行われたことを検知する。一方、本例の異常診断コンピュータ12は、上記ボルト85の締付角度Rが、所定の締付正常角度R1に到達しなかったときには、クラッチ機構5が正常に動作せず、ボルト85の締付けが正常に行われなかったことを検知する。
一方、異常診断コンピュータ12は、上記ボルト85の締付角度Rが所定の締付正常角度R1未満である場合には(S208がNoの場合)、クラッチ機構5が正常に動作しなかったことを検出することができる(S210)。そして、この場合には、異常診断コンピュータ12は、ボルト85の締付けが正常に行われなかったことを検知することができる。また、この場合には、クラッチ機構5に何らかの異常が生じたと考えられ、作業者等は、早期に対策を行うことができる。
また、クラッチ機構5の動作状態を監視することにより、ボルト85の締付けが正常に行われているかを監視することができ、ボルト85の締付けを安定して行うことができる。本例においても、その他の構成は上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
本例も、上記実施例1に対して、異常診断コンピュータ12による異常判定の仕方が異なる例である。
本例の異常診断コンピュータ12は、図13に示すごとく、トルクセンサ45による締付トルクPの測定値がクラッチ作動規定値(上昇規定値)P1になった後、締付トルクPの測定値が所定の締付完了規定値P3に到達するまでに要した時間tが、所定の締付正常時間t2以上であるときには、クラッチ機構5が正常に動作してボルト85の締付けが正常に行われたことを検知する。一方、本例の異常診断コンピュータ12は、上記締付トルクPの測定値が所定の締付完了規定値P3に到達するまでに要した時間tが、所定の締付正常時間t2未満であるときには、クラッチ機構5が正常に動作せず、ボルト85の締付けが正常に行われなかったことを検知する。
一方、異常診断コンピュータ12は、上記計測時間tが所定の締付正常時間t2未満である場合には(S308がNoの場合)、クラッチ機構5が正常に動作しなかったことを検出することができる(S310)。そして、この場合には、異常診断コンピュータ12は、ボルト85の締付けが正常に行われなかったことを検知することができる。また、この場合には、クラッチ機構5に何らかの異常が生じたと考えられ、作業者等は、早期に対策を行うことができる。
また、クラッチ機構5の動作状態を監視することにより、ボルト85の締付けが正常に行われているかを監視することができ、ボルト85の締付けを安定して行うことができる。本例においても、その他の構成は上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
異常診断コンピュータ12は、上記計測時間tが所定の締付正常時間t2以上であって、所定の締付許容時間以下であるときに、ボルト85の締付けが正常に行われたことを検知することができる。すなわち、ボルト85のねじ部852に、ねじ山潰れ、ボルト85の浮き、被締付部位81の締付面811の異常等の問題が生じたときには、ボルト85の締付時間が通常よりも長くかかると考えられる。
また、図示は省略するが、トルクセンサ45が故障した場合には、締付時間と締付角度Rとの関係に時間的なずれが生じると考えられる。そのため、異常診断コンピュータ12は、締付トルクPの波形を監視することにより、トルクセンサ45に生じた異常を検出することも可能である。
本例も、上記実施例1に対して、異常診断コンピュータ12による異常判定の仕方が異なる例である。
本例の異常診断コンピュータ12は、図16に示すごとく、トルクセンサ45による締付トルクPの測定値がクラッチ作動規定値(上昇規定値)P1になった後、回転速度検出器33によって測定する回転速度Vが、所定の規定時間継続して所定の締付正常回転速度V1以上に維持されたときには、クラッチ機構5が正常に動作してボルト85の締付けが正常に行われたことを検知する。一方、本例の異常診断コンピュータ12は、上記回転速度検出器33によって測定する回転速度Vが、所定の規定時間継続して所定の締付正常回転速度V1以上に維持されなかったときには、クラッチ機構5が正常に動作せず、ボルト85の締付けが正常に行われなかったことを検知する。
一方、異常診断コンピュータ12は、上記計測時間tが所定の締付正常時間t2未満である場合には(S408がNoの場合)、クラッチ機構5が正常に動作しなかったことを検出することができる(S410)。そして、この場合には、異常診断コンピュータ12は、ボルト85の締付けが正常に行われなかったことを検知することができる。また、この場合には、クラッチ機構5に何らかの異常が生じたと考えられ、作業者等は、早期に対策を行うことができる。
また、クラッチ機構5の動作状態を監視することにより、ボルト85の締付けが正常に行われているかを監視することができ、ボルト85の締付けを安定して行うことができる。本例においても、その他の構成は上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
本例は、クラッチ機構5が正常に動作してボルト85の締付けが正常に行われた場合と、クラッチ機構5が正常に動作せず、ボルト85の締付けが正常に行われなかった場合とについて、サーボモータ31の回転速度Vの波形と締付トルクPの波形とを示す例である。図17〜図20は、回転速度検出器33によって検出したサーボモータ31の回転速度Vと、トルクセンサ45によって検出した締付トルクPとの時間的変化を示すグラフである。
このことより、上記実施例1〜4に示した締付診断システム1及び締付診断方法によれば、クラッチ機構5の正常又は異常を判定することが容易であることがわかる。
従来のナットランナにおいては、締付部材としてのボルト85の締付けが正常に行われたか否かは、トルクセンサ45による締付トルクPの測定値が、所定の締付完了規定値P3の1/2の大きさになった時点から締付完了規定値P3になるまでの締付時間と締付角度Rとの関係から判定していた。この場合、図24に示すごとく、締付角度Rと締付時間との関係において、クラッチ機構5が正常に動作した場合Gと正常に動作しなかった場合Bとの差が顕著にならなかった。
したがって、上述した実施例1〜4の締付診断システム1及び締付診断方法を用いることにより、クラッチ機構5の動作不良の有無を精度よく判定できると共に、ボルト85の締付不良の有無も精度よく判定できることがわかった。
11 電子制御コントローラ
12 異常診断コンピュータ
2 ナットランナ
31 サーボモータ
32 減速機
33 回転速度検出器
34 保持軸部
4 回転主軸
41 スプリング(付勢手段)
45 トルクセンサ
5 クラッチ機構
51 上側クラッチ部材
52 下側クラッチ部材
53 ボール
6 保持ソケット
61 保持凹部
7 進退手段
8 被締付対象
81 被締付部位
811 締付面
85 締付部材(ボルト)
851 頭部
852 ねじ部
A1 第1段階の移動動作
A2 第2段階の移動動作
B 締付動作
P 締付トルク
P1 クラッチ作動規定値(上昇規定値)
P2 クラッチ作動完了規定値
P3 締付完了規定値
t 時間
t1 クラッチ動作正常時間
t2 締付正常時間
V 回転速度
V1 締付正常回転速度
R 締付角度
R1 締付正常角度
Claims (14)
- ボルト等の締付部材の締付けを電動で行うナットランナを、電子制御コントローラによって制御し、上記締付部材の締付けが正常に行われたかを異常診断コンピュータによって判定するよう構成した締付診断システムにおいて、
上記ナットランナは、サーボモータと、
該サーボモータの回転速度を減速する減速機と、
該減速機により減速された回転速度で回転する回転主軸と、
該回転主軸に所定の負荷が加わった後、該回転主軸と上記減速機との係合状態を解除し、該回転主軸に対して該減速機を所定回転量だけ相対的に回転させるためのクラッチ機構と、
上記締付部材を保持すると共に、上記回転主軸の回転を受けて回転する保持ソケットと、
上記回転主軸に加わる締付トルクを測定するトルクセンサと、
上記サーボモータの回転速度を検出する回転速度検出器とを有しており、
上記電子制御コントローラは、被締付対象における被締付部位への締付部材の締付けを開始した後、上記保持ソケットに保持する上記締付部材の頭部が、上記被締付部位における締付面に当接し、上記トルクセンサによる締付トルクの測定値が所定の上昇規定値になるまで、上記サーボモータを高速回転させる移動動作と、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になったとき、上記サーボモータを上記高速回転よりも遅い回転速度で低速回転させる締付動作とを行うよう構成してあり、
上記異常診断コンピュータは、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になった後、該締付トルクの測定値が、所定の低下規定値以下に所定時間低下した状態が続いたときには、上記クラッチ機構が正常に動作して上記締付部材の締付けが正常に行われたことを検知するよう構成してあることを特徴とする締付診断システム。 - ボルト等の締付部材の締付けを電動で行うナットランナを、電子制御コントローラによって制御し、上記締付部材の締付けが正常に行われたかを異常診断コンピュータによって判定するよう構成した締付診断システムにおいて、
上記ナットランナは、サーボモータと、
該サーボモータの回転速度を減速する減速機と、
該減速機により減速された回転速度で回転する回転主軸と、
該回転主軸に所定の負荷が加わった後、該回転主軸と上記減速機との係合状態を解除し、該回転主軸に対して該減速機を所定回転量だけ相対的に回転させるためのクラッチ機構と、
上記締付部材を保持すると共に、上記回転主軸の回転を受けて回転する保持ソケットと、
上記回転主軸に加わる締付トルクを測定するトルクセンサと、
上記サーボモータの回転速度を検出する回転速度検出器とを有しており、
上記電子制御コントローラは、被締付対象における被締付部位への締付部材の締付けを開始した後、上記保持ソケットに保持する上記締付部材の頭部が、上記被締付部位における締付面に当接し、上記トルクセンサによる締付トルクの測定値が所定の上昇規定値になるまで、上記サーボモータを高速回転させる移動動作と、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になったとき、上記サーボモータを上記高速回転よりも遅い回転速度で低速回転させる締付動作とを行うよう構成してあり、
上記異常診断コンピュータは、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になった後、上記回転速度検出器による回転速度の測定値から積算した上記締付部材の締付角度が、所定の締付正常角度に到達したときには、上記クラッチ機構が正常に動作して上記締付部材の締付けが正常に行われたことを検知するよう構成してあることを特徴とする締付診断システム。 - ボルト等の締付部材の締付けを電動で行うナットランナを、電子制御コントローラによって制御し、上記締付部材の締付けが正常に行われたかを異常診断コンピュータによって判定するよう構成した締付診断システムにおいて、
上記ナットランナは、サーボモータと、
該サーボモータの回転速度を減速する減速機と、
該減速機により減速された回転速度で回転する回転主軸と、
該回転主軸に所定の負荷が加わった後、該回転主軸と上記減速機との係合状態を解除し、該回転主軸に対して該減速機を所定回転量だけ相対的に回転させるためのクラッチ機構と、
上記締付部材を保持すると共に、上記回転主軸の回転を受けて回転する保持ソケットと、
上記回転主軸に加わる締付トルクを測定するトルクセンサと、
上記サーボモータの回転速度を検出する回転速度検出器とを有しており、
上記電子制御コントローラは、被締付対象における被締付部位への締付部材の締付けを開始した後、上記保持ソケットに保持する上記締付部材の頭部が、上記被締付部位における締付面に当接し、上記トルクセンサによる締付トルクの測定値が所定の上昇規定値になるまで、上記サーボモータを高速回転させる移動動作と、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になったとき、上記サーボモータを上記高速回転よりも遅い回転速度で低速回転させる締付動作とを行うよう構成してあり、
上記異常診断コンピュータは、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になった後、該締付トルクの測定値が所定の締付完了規定値に到達するまでに要した時間が、所定の締付正常時間以上であるときには、上記クラッチ機構が正常に動作して上記締付部材の締付けが正常に行われたことを検知するよう構成してあることを特徴とする締付診断システム。 - ボルト等の締付部材の締付けを電動で行うナットランナを、電子制御コントローラによって制御し、上記締付部材の締付けが正常に行われたかを異常診断コンピュータによって判定するよう構成した締付診断システムにおいて、
上記ナットランナは、サーボモータと、
該サーボモータの回転速度を減速する減速機と、
該減速機により減速された回転速度で回転する回転主軸と、
該回転主軸に所定の負荷が加わった後、該回転主軸と上記減速機との係合状態を解除し、該回転主軸に対して該減速機を所定回転量だけ相対的に回転させるためのクラッチ機構と、
上記締付部材を保持すると共に、上記回転主軸の回転を受けて回転する保持ソケットと、
上記回転主軸に加わる締付トルクを測定するトルクセンサと、
上記サーボモータの回転速度を検出する回転速度検出器とを有しており、
上記電子制御コントローラは、被締付対象における被締付部位への締付部材の締付けを開始した後、上記保持ソケットに保持する上記締付部材の頭部が、上記被締付部位における締付面に当接し、上記トルクセンサによる締付トルクの測定値が所定の上昇規定値になるまで、上記サーボモータを高速回転させる移動動作と、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になったとき、上記サーボモータを上記高速回転よりも遅い回転速度で低速回転させる締付動作とを行うよう構成してあり、
上記異常診断コンピュータは、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になった後、上記回転速度検出器によって測定する回転速度が、所定の規定時間継続して所定の締付正常回転速度以上に維持されたときには、上記クラッチ機構が正常に動作して上記締付部材の締付けが正常に行われたことを検知するよう構成してあることを特徴とする締付診断システム。 - 請求項1〜4のいずれか一項において、上記クラッチ機構は、上記係合状態にあるときには、一対のクラッチ部材のクラッチ面同士の間にボールを挟持した状態を付勢バネによる付勢力を受けて維持すると共に、一方のクラッチ部材のクラッチ面に形成した一方の原位置隆起部と、他方のクラッチ部材のクラッチ面に形成した他方の原位置隆起部との間に上記ボールを周方向に挟持しており、
上記係合状態を解除するときには、上記ボールが上記一方の原位置隆起部と上記他方の原位置隆起部とを乗り越えて、当該ボールが、一方のクラッチ部材のクラッチ面に形成した一方の動作位置隆起部と、他方のクラッチ部材のクラッチ面に形成した他方の動作位置隆起部との間に周方向に挟持されるまで、当該ボールを介して上記一方のクラッチ部材と上記他方のクラッチ部材とが上記付勢バネによる付勢力に抗して相対的に回転するよう構成してあることを特徴とする締付診断システム。 - 請求項1〜5のいずれか一項において、上記保持ソケットは、付勢手段を介して上記回転主軸に取り付けてあると共に、当該保持ソケットに保持する上記締付部材を上記被締付部位に締め付ける際に、上記付勢手段による弾性反発力によって上記締付部材を上記被締付部位へ押圧するよう構成してあることを特徴とする締付診断システム。
- 請求項6において、上記ナットランナは、該ナットランナを上記被締付対象における被締付部位へ接近させるための進退手段に取り付けてあり、該進退手段は、上記ナットランナを上記被締付対象における被締付部位まで移動させる移動ロボットに取り付けてあり、
上記進退手段により、上記ナットランナを上記被締付対象における被締付部位へ接近させて、上記付勢手段に反発弾性力を発生させた後、上記電子制御コントローラが上記移動動作を開始するよう構成してあることを特徴とする締付診断システム。 - ボルト等の締付部材の締付けを電動で行うナットランナを、電子制御コントローラによって制御し、上記締付部材の締付けが正常に行われたかを判定する締付診断方法において、
上記ナットランナは、サーボモータと、
該サーボモータの回転速度を減速する減速機と、
該減速機により減速された回転速度で回転する回転主軸と、
該回転主軸に所定の負荷が加わった後、該回転主軸と上記減速機との係合状態を解除し、該回転主軸に対して該減速機を所定回転量だけ相対的に回転させるためのクラッチ機構と、
上記締付部材を保持すると共に、上記回転主軸の回転を受けて回転する保持ソケットと、
上記回転主軸に加わる締付トルクを測定するトルクセンサと、
上記サーボモータの回転速度を検出する回転速度検出器とを有しており、
上記電子制御コントローラは、被締付対象における被締付部位への締付部材の締付けを開始した後、上記保持ソケットに保持する上記締付部材の頭部が、上記被締付部位における締付面に当接し、上記トルクセンサによる締付トルクの測定値が所定の上昇規定値になるまで、上記サーボモータを高速回転させる移動動作と、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になったとき、上記サーボモータを上記高速回転よりも遅い回転速度で低速回転させる締付動作とを行うよう構成してあり、
上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になった後、該締付トルクの測定値が、所定の低下規定値以下に所定時間低下した状態が続いたときには、上記クラッチ機構が正常に動作して上記締付部材の締付けが正常に行われたことを検知することを特徴とする締付診断方法。 - ボルト等の締付部材の締付けを電動で行うナットランナを、電子制御コントローラによって制御し、上記締付部材の締付けが正常に行われたかを判定する締付診断方法において、
上記ナットランナは、サーボモータと、
該サーボモータの回転速度を減速する減速機と、
該減速機により減速された回転速度で回転する回転主軸と、
該回転主軸に所定の負荷が加わった後、該回転主軸と上記減速機との係合状態を解除し、該回転主軸に対して該減速機を所定回転量だけ相対的に回転させるためのクラッチ機構と、
上記締付部材を保持すると共に、上記回転主軸の回転を受けて回転する保持ソケットと、
上記回転主軸に加わる締付トルクを測定するトルクセンサと、
上記サーボモータの回転速度を検出する回転速度検出器とを有しており、
上記電子制御コントローラは、被締付対象における被締付部位への締付部材の締付けを開始した後、上記保持ソケットに保持する上記締付部材の頭部が、上記被締付部位における締付面に当接し、上記トルクセンサによる締付トルクの測定値が所定の上昇規定値になるまで、上記サーボモータを高速回転させる移動動作と、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になったとき、上記サーボモータを上記高速回転よりも遅い回転速度で低速回転させる締付動作とを行うよう構成してあり、
上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になった後、上記回転速度検出器による回転速度の測定値から積算した上記締付部材の締付角度が、所定の締付正常角度に到達したときには、上記クラッチ機構が正常に動作して上記締付部材の締付けが正常に行われたことを検知することを特徴とする締付診断方法。 - ボルト等の締付部材の締付けを電動で行うナットランナを、電子制御コントローラによって制御し、上記締付部材の締付けが正常に行われたかを判定する締付診断方法において、
上記ナットランナは、サーボモータと、
該サーボモータの回転速度を減速する減速機と、
該減速機により減速された回転速度で回転する回転主軸と、
該回転主軸に所定の負荷が加わった後、該回転主軸と上記減速機との係合状態を解除し、該回転主軸に対して該減速機を所定回転量だけ相対的に回転させるためのクラッチ機構と、
上記締付部材を保持すると共に、上記回転主軸の回転を受けて回転する保持ソケットと、
上記回転主軸に加わる締付トルクを測定するトルクセンサと、
上記サーボモータの回転速度を検出する回転速度検出器とを有しており、
上記電子制御コントローラは、被締付対象における被締付部位への締付部材の締付けを開始した後、上記保持ソケットに保持する上記締付部材の頭部が、上記被締付部位における締付面に当接し、上記トルクセンサによる締付トルクの測定値が所定の上昇規定値になるまで、上記サーボモータを高速回転させる移動動作と、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になったとき、上記サーボモータを上記高速回転よりも遅い回転速度で低速回転させる締付動作とを行うよう構成してあり、
上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になった後、該締付トルクの測定値が所定の締付完了規定値に到達するまでに要した時間が、所定の締付正常時間以上であるときには、上記クラッチ機構が正常に動作して上記締付部材の締付けが正常に行われたことを検知することを特徴とする締付診断方法。 - ボルト等の締付部材の締付けを電動で行うナットランナを、電子制御コントローラによって制御し、上記締付部材の締付けが正常に行われたかを判定する締付診断方法において、
上記ナットランナは、サーボモータと、
該サーボモータの回転速度を減速する減速機と、
該減速機により減速された回転速度で回転する回転主軸と、
該回転主軸に所定の負荷が加わった後、該回転主軸と上記減速機との係合状態を解除し、該回転主軸に対して該減速機を所定回転量だけ相対的に回転させるためのクラッチ機構と、
上記締付部材を保持すると共に、上記回転主軸の回転を受けて回転する保持ソケットと、
上記回転主軸に加わる締付トルクを測定するトルクセンサと、
上記サーボモータの回転速度を検出する回転速度検出器とを有しており、
上記電子制御コントローラは、被締付対象における被締付部位への締付部材の締付けを開始した後、上記保持ソケットに保持する上記締付部材の頭部が、上記被締付部位における締付面に当接し、上記トルクセンサによる締付トルクの測定値が所定の上昇規定値になるまで、上記サーボモータを高速回転させる移動動作と、上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になったとき、上記サーボモータを上記高速回転よりも遅い回転速度で低速回転させる締付動作とを行うよう構成してあり、
上記締付トルクの測定値が上記上昇規定値になった後、上記回転速度検出器によって測定する回転速度が、所定の規定時間継続して所定の締付正常回転速度以上に維持されたときには、上記クラッチ機構が正常に動作して上記締付部材の締付けが正常に行われたことを検知することを特徴とする締付診断方法。 - 請求項8〜11のいずれか一項において、上記クラッチ機構は、上記係合状態にあるときには、一対のクラッチ部材のクラッチ面同士の間にボールを挟持した状態を付勢バネによる付勢力を受けて維持すると共に、一方のクラッチ部材のクラッチ面に形成した一方の原位置隆起部と、他方のクラッチ部材のクラッチ面に形成した他方の原位置隆起部との間に上記ボールを周方向に挟持しており、
上記係合状態を解除するときには、上記ボールが上記一方の原位置隆起部と上記他方の原位置隆起部とを乗り越えて、当該ボールが、一方のクラッチ部材のクラッチ面に形成した一方の動作位置隆起部と、他方のクラッチ部材のクラッチ面に形成した他方の動作位置隆起部との間に周方向に挟持されるまで、当該ボールを介して上記一方のクラッチ部材と上記他方のクラッチ部材とが上記付勢バネによる付勢力に抗して相対的に回転するよう構成してあることを特徴とする締付診断方法。 - 請求項8〜12のいずれか一項において、上記保持ソケットは、付勢手段を介して上記回転主軸に取り付けてあると共に、当該保持ソケットに保持する上記締付部材を上記被締付部位に締め付ける際に、上記付勢手段による弾性反発力によって上記締付部材を上記被締付部位へ押圧するよう構成してあることを特徴とする締付診断方法。
- 請求項13において、上記ナットランナは、該ナットランナを上記被締付対象における被締付部位へ接近させるための進退手段に取り付けてあり、該進退手段は、上記ナットランナを上記被締付対象における被締付部位まで移動させる移動ロボットに取り付けてあり、
上記進退手段により、上記ナットランナを上記被締付対象における被締付部位へ接近させて、上記付勢手段に反発弾性力を発生させた後、上記電子制御コントローラが上記移動動作を開始するよう構成してあることを特徴とする締付診断方法。
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