JP2005088190A - カットオフドライバ - Google Patents
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Abstract
【課題】係止解除クラッチの遮断が、係止解除過程に際して生ぜしめられる加速度パルスを介して無接触式で検出され、延いては機械的なスイッチ操作に基づく故障が回避されるカットオフドライバを提供する。
【解決手段】係止解除クラッチ(22)の遮断時に生ぜしめられる加速度パルスに応答するセンサ(36)をカットオフ装置(26)に設け、このセンサの検出値が予め設定されている規定値を超過した場合、直ちに駆動モ−タ(8)をカットオフまたは制動するようにした。
【選択図】図1
【解決手段】係止解除クラッチ(22)の遮断時に生ぜしめられる加速度パルスに応答するセンサ(36)をカットオフ装置(26)に設け、このセンサの検出値が予め設定されている規定値を超過した場合、直ちに駆動モ−タ(8)をカットオフまたは制動するようにした。
【選択図】図1
Description
本願発明は、カットオフドライバであって、駆動モータ、該駆動モータによって駆動されるドライバ工具取付け部、駆動系において駆動モータとドライバ工具取付け部との間に配置された係止解除クラッチ、並びに駆動系における予め規定されたトルクの到達に基づいた係止解除クラッチの遮断時に、駆動モータをカットオフするためのカットオフ装置が設けられている形式のものに関する。
冒頭で述べた形式のカットオフドライバは、産業、とりわけ自動車産業において、ねじ締結部を予め規定された締付けトルクを以て形成するために使用される。このようなカットオフドライバは、例えば出願人のドイツ連邦共和国特許出願公開第4430186号明細書に開示されている。公知のカットオフドライバは、電動駆動モータとドライバ工具取付け部との間の駆動系に係止解除クラッチを有しており、この係止解除クラッチは、予め規定された締付けトルクに到達すると自動的に遮断して、これにより締付けトルクを効果的に制限する。更に、公知のカットオフドライバにはカットオフ装置が設けられており、このカットオフ装置は、その駆動モータを係止解除クラッチの遮断時にカットオフ若しくは制動する。出願人の比較的新しいカットオフドライバの場合、前記カットオフ装置は係止解除クラッチの領域に配置されたマイクロスイッチを有しており、このマイクロスイッチは、前掲のドイツ連邦共和国特許出願公開第4430186号明細書の係止解除クラッチの場合と同様に、クラッチの遮断時に、可動に支承されたシフトバルブを介して操作される。マイクロスイッチの操作に際して、駆動モータはカットオフ装置によって短絡されるので極めて迅速に制動され、これにより、調節された締付けトルクの超過が防止される。但し、係止解除クラッチの遮断時に発生する、50g以上の大きな加速度に基づいて、時間が経過するにつれてマイクロスイッチの損傷延いてはカットオフドライバの故障を招く恐れがあるということが判った。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第4430186号明細書
本発明の課題は、公知の欠点を回避することにある。
この課題を解決するために本発明では、カットオフ装置が、係止解除クラッチの遮断時に生ぜしめられる加速度パルスに応答するセンサを有しているようにした。
請求項1の特徴部に記載の構成を有する本発明によるカットオフドライバは、係止解除クラッチの遮断が、係止解除過程に際して生ぜしめられる加速度パルスを介して無接触式で検出され、延いては機械的なスイッチ操作に基づく故障が回避されるという利点を有している。更に、係止解除クラッチの遮断時に生ぜしめられる加速度パルスは、比較的強く、これによりカットオフドライバ中どこでも検出可能である一方で、カットオフドライバの回転軸に関して半径方向及び軸方向の加速度成分から構成されているので、加速度パルスの検出に役立つセンサは、任意の向きで任意の位置に、殊にカットオフドライバのケーシング内に配置されてよい。更に、係止解除クラッチの遮断時に生ぜしめられる加速度パルスは、50g以上の範囲内延いては自動車事故に際して発生する加速度と同様の範囲内に位置するので、センサとしては、事故時の自動車の搭乗者保護システムをトリガするために開発された、市場で廉価に手に入る加速度センサが使用されてよい。
本発明の有利な構成では、センサは専用の電源供給無しで済み且つ応答時に電圧信号を発生する能動的なセンサである。前記電圧信号は、場合によっては前もって増幅された後で、駆動モータをカットオフするためのカットオフ装置によって利用されてよい。このような能動的な加速度センサのための有利な1例が、圧電センサである。圧電センサの場合、係止解除クラッチの遮断時に生ぜしめられた加速度パルスが、慣性に基づく加速度質量の移動及びこの移動によって惹起される圧電結晶の変形を生ぜしめ、この変形によってもやはり、測定可能な電圧信号が形成される。
本発明の別の有利な構成では、カットオフ装置がマイクロコントローラを有しており、このマイクロコントローラにおいて、加速度センサによって生ぜしめられた電圧信号が評価されて、予め規定された限界値を超過した際に、カットオフドライバの駆動モータがカットオフ若しくは制動される。
加速度センサは、係止解除クラッチの遮断時に生ぜしめられる軸方向又は半径方向の加速度パルスにだけ応答するような向きを有することができ、有利には、当該の加速度センサがカットオフドライバの加速度の半径方向成分と軸方向成分の両方を検出するように組み込まれている。
有利には、加速度センサは50g又はそれ以上の加速度パルスに応答し、この場合、センサによって生ぜしめられる電圧信号は、有利には0.5V以上である。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面につき詳しく説明する。
図示のカットオフドライバ2は、予め規定された最大締付けトルクを以て締め付けられるのが望ましいねじ締結部を形成するために役立つ。このようなカットオフドライバ2は、一般に各自動車において多数のねじ締結部が同一の最大締付けトルクで以て形成されねばならない自動車製作において、特に頻繁に使用される。
図1に示したように、カットオフドライバ2は主として、グリップ部分6を備えたケーシング4、このケーシング4に収納された、電子制御装置10と減速ギヤ装置12とを備えた電動モータ8、グリップ部分6の下端部に取外し可能に係止された、回路とは無関係に電動モータ8に直流を供給するためのバッテリパック14、ケーシング4を越えて突出している、ドライバ工具(図示せず)を挿入するためのドライバ工具取付け部16、カットオフドライバ2の駆動系において減速ギヤ装置12の出力軸18とドライバ工具取付け部16の伝動軸20との間に配置され、予め調節可能なトルクを超過した場合に前記出力軸18と伝動軸20との間で遮断される係止解除クラッチ(Ueberrastkupplung)22、電動モータ8を接続するための手動操作可能なスイッチ24及び係止解除クラッチ22の遮断時に電動モータ8をトルクに関連してカットオフ若しくは制動するための、無接触式で作動する自動カットオフ装置26とから成っている。
係止解除クラッチ22は、主としてクラッチリング28から成っており、このクラッチリング28は、工具取付け部16と相対回動不能に結合された伝動軸20に沿って軸方向で摺動可能であり且つ予負荷された圧縮コイルばね30によって、後方に向かって出力軸18の方向で押圧される。クラッチリング28及び出力軸18の互いに対向位置する2つの端面の間には、複数の係止ボール32が配置されており、これらの係止ボール32は、前記両端面に設けられた対応する数の凹面状の収容ポケットに係合して、予め調節された締付けトルクに到達する前に、出力軸18からクラッチリング28延いては伝動軸20への力伝達のために働く。
クラッチリング28とは反対の側の端面において、圧縮コイルばね30は伝動軸20の前端部に設けられた調節リング34に支持されており、この調節リング34は、圧縮コイルばね30の予負荷を変化させるため延いては形成しようとするねじ締結部の予め調節された締付けトルクを変更するために、適当な調節工具(図示せず)によって外部から移動される、つまり、伝動軸20に沿って軸方向で移動され得る。係止解除クラッチ22の可能な構成に関する詳細は、冒頭で述べたドイツ連邦共和国特許出願公開第4430186号明細書に記載されており、当該明細書を参照されたい。
駆動系18,20におけるトルクが増大するにつれて、クラッチリング28は圧縮コイルばね30の力とは逆方向で、次第に軸方向前方に向かって出力軸18から離反して摺動する。この場合、係止ボール32は、これらの係止ボール32が最終的に、圧縮コイルばね30のその時々の予負荷に基づいて予め規定された締付けトルクの超過に際して、クラッチリング28若しくは出力軸18のそれぞれ隣接した収容ポケット内へ衝撃的に運動するまで、次々先へ収容ポケットから運動する。この係止解除過程において、係止解除クラッチ22が遮断され、出力軸18から伝動軸20へのトルクの伝達が中断される。同時に、係止解除過程では、作業者が知覚可能な著しい半径方向及び軸方向の加速度パルスがカットオフドライバ2内に生ぜしめられ、この加速度パルスは、加速度センサによって無接触式で、即ち非機械式で検出されて、電動モータ8のカットオフ若しくは制動を作動させるために利用され得る。
図2には、この目的に適した、カットオフ装置26に組み込まれた加速度センサ36の1例が示されている。図2に示した加速度センサ36は、とりわけ事故に起因する自動車の減速度を検出するために使用されるような、いわゆるクラッシュセンサである。加速度センサ36は、片側をホルダ38に締め込まれた、バイモルプレートによって形成された圧電式の撓みバー40を有しており、この撓みバー40は、図2に破線で示したように、その慣性に基づいて加速度パルスに際して矢印Pの方向で撓む。圧電式の撓みバー40の変形は、この撓みバー40の締め込まれた端部における負荷変動を生ぜしめ、この負荷変動は、チャージアンプリファイヤ42を介して加速度センサ36のアウトプット44において電圧信号に変換される。
図3に示したように、係止解除過程において、出願人の市販のカットオフドライバ2で発生した軸方向の加速度パルスaは、100〜250g(1g=重力加速度)の強さを有しており、このことは、加速度センサ36のアウトプット44で生ぜしめられる、1.06V〜2.65Vの電圧信号Uに相当する。
加速度センサ36のアウトプット44において生ぜしめられたこの電圧信号は、電動モータ8の電子制御装置10に供給される。この電子制御装置10は、マイクロコントローラ(図示せず)を有しており、このマイクロコントローラは、前記電圧信号の強さを予め規定された限界値(例えば0.5V)と比較して、この限界値を超過した場合は、直ちに電動モータ8のカットオフ若しくは制動を指示する。
加速度センサ36を備えたカットオフ装置26が、図1に示したカットオフドライバ2では電子制御装置10と一緒にケーシング4の後部に描かれているにもかかわらず、加速度センサ36は、基本的にカットオフドライバ2の任意の位置に、任意の向きで組み込まれてもよい。それというのも、半径方向及び軸方向の加速度パルスはどこでも感知可能であり且つ互いに重畳するからである。
2 カットオフドライバ、 4 ケーシング、 6 グリップ部分、 8 電動モータ、 10 電子制御装置、 12 減速ギヤ装置、 14 バッテリパック、 16 ドライバ工具取付け部、 18 出力軸、 20 伝動軸、 22 係止解除クラッチ、 24 スイッチ、 26 カットオフ装置、 28 クラッチリング、 30 圧縮コイルばね、 32 係止ボール、 34 調節リング、 36 加速度センサ、 38 ホルダ、 40 撓みバー、 42 チャージアンプリファイヤ、 44 アウトプット
Claims (9)
- カットオフドライバであって、駆動モータ、該駆動モータによって駆動されるドライバ工具取付け部、駆動系において駆動モータとドライバ工具取付け部との間に配置された係止解除クラッチ、並びに駆動系における予め規定されたトルクの到達に基づいた係止解除クラッチの遮断時に、駆動モータをカットオフするためのカットオフ装置が設けられている形式のものにおいて、
カットオフ装置(26)が、係止解除クラッチ(22)の遮断時に生ぜしめられる加速度パルスに応答するセンサ(36)を有していることを特徴とする、カットオフドライバ。 - センサが、応答時に電圧信号を発生する能動的なセンサ(36)である、請求項1記載のカットオフドライバ。
- センサ(36)が圧電センサである、請求項2記載のカットオフドライバ。
- センサ(36)が軸方向の加速度パルスに応答する、請求項1から3までのいずれか1項記載のカットオフドライバ。
- センサ(36)が半径方向の加速度パルスに応答する、請求項1から4までのいずれか1項記載のカットオフドライバ。
- センサ(36)が、半径方向及び軸方向の加速度成分を有する加速度パルスに応答する、請求項1から5までのいずれか1項記載のカットオフドライバ。
- センサ(36)が50g以上、殊に100g以上の加速度パルスに応答する、請求項1から6までのいずれか1項記載のカットオフドライバ。
- カットオフ装置(26)が、センサ(36)によって生ぜしめられる電圧信号を評価するためのマイクロコントローラを有している、請求項1から7までのいずれか1項記載のカットオフドライバ。
- マイクロコントローラが、電圧信号を予め規定された限界値と比較して、該限界値を超過した場合、直ちに駆動モータ(8)のカットオフ若しくは制動をトリガする、請求項8記載のカットオフドライバ。
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