JP2009125528A - 内視鏡および内視鏡の製造方法 - Google Patents

内視鏡および内視鏡の製造方法 Download PDF

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芳雅 原口
Toshie Miyauchi
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Abstract

【課題】被写体に照射される光の効率の低下を抑制することが可能な内視鏡を提供すること。
【解決手段】内視鏡は、被写体を撮影するために所定の空間内に挿入される先端部を備えている。この先端部は、被写体に照射される光を発する発光面11aを有する発光素子11と、発光素子11が発する光を先端部の先端側に導く樹脂製の導光部材12とを備えている。導光部材12は、発光面11aが導光部材12の内部に配置されるように、発光素子11と一体成形されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、内視鏡および内視鏡の製造方法に関する。
従来から、人間の消化管内や気管内、あるいは、エンジンの配管内等の狭い空間内を撮影する内視鏡が広く利用されている。この種の内視鏡として、消化管内等の空間内に挿入される先端部を備える内視鏡が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の内視鏡では、被写体に照射される光を発する発光体と、被写体で反射された光を受光する撮像部と、被写体で反射された光を撮像部に結像させるための撮影光学系と、発光体から発せられた光を被写体の方向へ導く導光体とが先端部内に配置されている。
また、特許文献1に記載の内視鏡では、導光体は一端に絞り部を備えた略円筒形状に形成されている。絞り部の底面は、発光体に密着できるような曲面形状に形成されている。すなわち、この絞り部の底面は、発光体に密着しており、発光体から発せられた光の入射部としての機能を果たしている。
特開2005−304812号公報
特許文献1に記載の内視鏡では、光の入射部としての機能を果たす絞り部の底面に発光体が密着してはいるものの、絞り部の底面と発光体との間に微小な空気層が形成されるおそれがある。そのため、空気層の影響で、発光体からの光が導光部材に入射するまでの間に減衰してしまい、その結果、導光体を通過して被写体に照射される光の効率が低下するおそれがある。
そこで、本発明の課題は、被写体に照射される光の効率の低下を抑制することが可能な内視鏡を提供することにある。また、本発明の課題は、被写体に照射される光の効率の低下を抑制することが可能となる内視鏡の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、被写体を撮影するために所定の空間内に挿入される先端部を備える内視鏡において、先端部は、被写体に照射される光を発する発光面を有する発光素子と、発光素子が発する光を先端部の先端側に導く樹脂製の導光部材とを備え、導光部材は、少なくとも発光面が導光部材の内部に配置されるように、発光素子と一体成形されていることを特徴とする。
本発明の内視鏡では、導光部材は、少なくとも発光面が導光部材の内部に配置されるように、発光素子と一体成形されている。そのため、発光面から出射される光はそのまま導光部材の中を通過して先端部の先端側に導かれる。したがって、本発明では、発光素子から発せられ先端部の先端側に導かれる光の減衰を抑制することが可能となり、被写体に照射される光の効率の低下を抑制することが可能になる。その結果、適切な量の光を被写体に照射して被写体を適切に撮影することが可能になる。
本発明において、先端部は、被写体で反射される光を受光する受光面を有する撮像素子を備え、発光素子は、受光面の反対面となる撮像素子の背面側に配置されていることが好ましい。このように構成すると、先端部を径方向で小型化することが可能になる。また、撮像素子の背面側に発光素子が配置されると、被写体に照射される光の効率は低下しやすくなるが、本発明では、先端部の先端側に導かれる光の減衰を抑制して、被写体に照射される光の効率の低下を抑制することが可能になる。
本発明において、先端部は、被写体で反射される光を受光面に結像させるための撮像光学系を備え、導光部材は、撮像光学系を保持する光学系保持部と発光素子を保持する発光素子保持部とを備えていることが好ましい。このように構成すると、導光部材で直接、撮像光学系を保持することが可能になり、撮像光学系を保持するための構成を別途設ける必要がなくなる。そのため、先端部を径方向で小型化することが可能になる。
本発明において、光学系保持部は、撮像光学系を保持するための平行な2つの保持平面を1組以上備え、撮像光学系は、2つの保持平面のそれぞれに当接する平面状の当接面が形成される光学レンズで構成されていることが好ましい。このように構成すると、光学レンズの外周面の一部が曲面状ではなく平面状に形成されるため、先端部を径方向で小型化することができる。
また、上記の課題を解決するため、本発明は、被写体に照射される光を発する発光面を有する発光素子と、発光素子が発する光を被写体へ導くための樹脂製の導光部材とを備える内視鏡の製造方法において、少なくとも発光面が導光部材の内部に配置されるように、真空状態で、導光部材を発光素子と一体成形する成形工程を備えることを特徴とする。
本発明の内視鏡の製造方法では、成形工程で、少なくとも発光面が導光部材の内部に配置されるように、真空状態で、導光部材を発光素子と一体成形している。そのため、この製造方法で製造された内視鏡では、発光面から出射される光は脱気、脱泡された導光部材の中をそのまま通過して先端部の先端側に導かれる。したがって、本発明の製造方法を用いると、発光素子から発せられ先端部の先端側に導かれる光の減衰を抑制することが可能となり、被写体に照射される光の効率の低下を抑制することが可能になる。
本発明において、成形工程前に発光素子の端子に配線を接続する配線接続工程を備えることが好ましい。このように構成すると、成形工程後の端子と配線との接続作業を考慮することなく、成形工程を行うことができる。そのため、作業工程を簡素化することが可能になる。
以上のように、本発明の内視鏡では、被写体に照射される光の効率の低下を抑制することが可能になる。また、本発明の製造方法で製造された内視鏡では、被写体に照射される光の効率の低下を抑制することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(内視鏡の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる内視鏡1を示す斜視図である。
本形態の内視鏡1は、自動車用エンジン等の各種機械の配管の内部を撮影して、配管内の検査を行う工業用の内視鏡である。特に本形態の内視鏡1は、径の非常に小さな配管内の検査に適している。この内視鏡1は、図1に示すように、被写体となる配管内部を撮影するために、所定の空間である配管内に挿入される先端部2と、撮影された映像が表示される表示部3を有する本体部4と、先端部2と本体部4とを接続する接続部5とから構成されている。
本体部4は、上述の表示部3に加え、内視鏡1を使用する際にユーザが掴む握り部7や、内視鏡1の各種の操作を行うための操作部8等を備えている。また、本体部4には、一次電池あるいは蓄電池等の電源や、内視鏡1の各種の制御を行うための制御基板等が内蔵されている。なお、表示部3はたとえば、液晶表示装置である。
接続部5は、可撓性を有する可撓管9と、可撓管9内に配置される各種の配線(図示省略)とを備えている。可撓管9は、たとえば、螺旋状に巻回された薄い金属帯材の外周を可撓性樹脂からなる薄い外皮で被覆して構成された管状部材、または、連続する湾曲駒から構成された管状部材、あるいは、可撓性樹脂のみからなる管状部材であり、柔軟に湾曲する。また、可撓管9内に配置される配線は、本体部4内の制御基板と先端部2とを電気的に接続する機能を果たしている。
先端部2は、接続部5の先端側に取り付けられている。この先端部2の詳細な構成を以下に説明する。
(先端部の構成)
図2は、図1に示す先端部2の斜視図である。図3は、図2の先端部2から外筒17および固定筒18を取り外した状態を示す斜視図である。図4は、図2の先端部2の分解斜視図である。図5は、図2の先端部2の内部構造を説明するための断面図である。図6は、図2に示す導光部材12の内部構造を説明するための断面図である。図7は、図2に示す導光部材12の平面図である。
なお、以下の説明では、図2に示すように、内視鏡1の光軸方向をZ方向、Z方向に直交する方向でかつ図2の上下方向をY方向、Z方向およびY方向に直交する方向をX方向とする。また、Z1方向を前、Z2方向を後(後ろ)、Y1方向を上、Y2方向を下、X1方向を右、X2方向を左とする。さらに、X方向とY方向とから形成される平面をXY平面、Y方向とZ方向とから形成される平面をYZ平面、Z方向とX方向とから形成される平面をZX平面とする。また、本形態では、前側(Z1方向側)が内視鏡1の先端側であり、後ろ側(Z2方向側)が内視鏡1の後端側である。
先端部2は、図2に示すように、段付の略円柱状に形成されている。上述のように、本形態の内視鏡1は、径の非常に小さな配管内の検査に適しており、先端部2の径は非常に小さくなっている。たとえば、先端部2の径は、約3.5mmとなっている。
この先端部2は、図4等に示すように、被写体となる配管内部に照射される光を発する2個の発光素子11と、発光素子11が発する光を先端部2の先端側に導く(すなわち、被写体へ導く)導光部材12と、導光部材12からの光の漏れを防止するための遮光部材13と、被写体で反射された光を受光する撮像素子14と、被写体で反射された光を撮像素子14に結像させるための撮像光学系15とを備えている。また、先端部2は、撮像光学系15を保持する2個のレンズ保持部材16と、導光部材12およびレンズ保持部材16の外周側を覆う外筒17と、外筒17の後端側に取り付けられる固定筒18とを備えている。
発光素子11はたとえば、LED(Light Emitting Diode)である。この発光素子11は、被写体に照射される光を発する発光面11aと、発光素子11に電流を供給するための2個の端子11bとを備えている。発光面11aはXY平面と平行に形成され、発光素子11の前面に配置されている。端子11bは、発光素子11の左右両端側に配置されている。この端子11bには、リード線あるいはフレキシブルプリント基板等の配線(図示省略)が接続されている。また、端子11bの左右方向外側には、端子11bからの磁気漏れを防止するためのシールド部材20が取り付けられている。
後述のように、本形態では、2個の発光素子11は、導光部材12を構成する後述の第2保持部12cの内部に配置されている。具体的には、2個の発光素子11は、上下方向に重なった状態で第2保持部12cの内部に配置されている。
導光部材12は、透明な樹脂で形成されている。また、導光部材12は、図4、図7に示すように、略円柱状の円柱部材の左右方向の中心部が先端から後端側に向かって窪んだ形状となっている。すなわち、導光部材12は、先端側が2つに別れた二股状に形成されており、左右方向に所定の間隔で配置される2本の保持突起12aを先端側に備えている。この2本の保持突起12aは、後述のように、撮像光学系15を保持している。
本形態では、2本の保持突起12aによって、撮像光学系15を保持する光学系保持部としての第1保持部12bが構成されている。また、導光部材12の後端側の内部には、発光素子11が配置されており、導光部材12の後端側は、発光素子11を保持する発光素子保持部としての第2保持部12cとなっている。
保持突起12aは、図4等に示すように、前後方向から見たときの形状が略D形状あるいは略半円状となるように形成されている。具体的には、保持突起12aの外周側は円弧状に形成され、左右方向における保持突起12aの内側はYZ平面に平行な平面状に形成されている。すなわち、第1保持部12bは、撮像光学系15を保持するために、左右方向に所定の間隔で配置される平行な2つの保持平面12dを1組備えている。
保持突起12aの先端12eは、被写体に向けて光を出射する出射部となっている。この先端12eは、図7等に示すように、凹面状に形成されている。そのため、2本の保持突起12aの先端12eから光が出射される場合であっても被写体に対して光を適切に照射することが可能になる。なお、保持平面12dの後端側には、撮像素子14を配置するための凹部12fが形成されているが、撮像素子14の形状によっては、この凹部12fは形成されていなくても良い。
第2保持部12cの上端および下端には、撮像素子14に接続されたフレキシブルプリント基板(FPC)21を配置するための配置平面12gが形成されている。具体的には、第2保持部12cの上端および下端には、ZX平面に平行な配置平面12gが形成されている。また、凹部12fに繋がる第2保持部12cの前面12hは、略U形状の凹面状に形成されている。この前面12hの形状は、発光素子11から発せられる光が効率良く先端側に向かって導かれる形状となっている。
本形態の導光部材12は、図6に示すように、2個の発光素子11が第2保持部12cの内部に配置されるように2個の発光素子11と一体成形されている。すなわち、インサート成形によって2個の発光素子11が内部に配置された状態の導光部材12が形成されている。具体的には、発光面11aがXY平面と平行になるとともに2個の発光素子11が上下方向で重なるように、かつ、2個の発光素子11の全体が第2保持部12cの内部に配置されるように、インサート成形によって導光部材12が形成されている。なお、端子11bが第2保持部12cの外部に配置されるように、導光部材12が形成されても良い。また、図4では、便宜上、発光素子11が導光部材12の外部に配置されている。
遮光部材13は、保持平面12d、凹部12fおよび前面12hに当接して保持平面12d、凹部12fおよび前面12hを覆うように、導光部材12に取り付けられている。この遮光部材13は、保持平面12d、凹部12fおよび前面12hで光を反射させて、導光部材12からの光の漏れを防止する機能を果たしている。
撮像素子14は、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)あるいは、C−MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)である。この撮像素子14は、被写体で反射された光を受光する受光面14aを備えている。また、撮像素子14は、受光面14aが前面に配置されるように、レンズ保持部材16に保持されている。
撮像光学系15は、第1光学レンズ22、第2光学レンズ23および第3光学レンズ24の3枚の光学レンズで構成され、被写体で反射される光を撮像素子14の受光面14aに結像させる。図5等に示すように、第1光学レンズ22、第2光学レンズ23および第3光学レンズ24は、先端側から後端側に向かってこの順番でレンズ保持部材16に保持されている。
第1光学レンズ22の上下端は曲面状に形成され、左右端はYZ平面に平行な平面状に形成されている。この第1光学レンズ22の左右端に形成される平面は、導光部材12の保持平面12dに当接する当接面22aとなっている。同様に、第2光学レンズ23および第3光学レンズ24の上下端は曲面状に形成され、左右端はYZ平面に平行な平面状に形成されている。第2光学レンズ23の左右端に形成される平面は、保持平面12dに当接する当接面23aとなっており、第3光学レンズ24の左右端に形成される平面は、保持平面12dに当接する当接面24aとなっている。
レンズ保持部材16は、全体として略円弧状に形成されている。図5等に示すように、上下方向におけるレンズ保持部材16の内側面が第1から第3光学レンズ22〜24の上端あるいは下端に当接することで、2個のレンズ保持部材16が第1から第3光学レンズ22〜24を保持している。すなわち、本形態のレンズ保持部材16は、導光部材12の第1保持部12bとともに、撮像光学系15を保持する機能を果たしている。
また、2個のレンズ保持部材16は、後端側で撮像素子14を保持している。すなわち、2個の保持部材16は、第1光学レンズ22、第2光学レンズ23、第3光学レンズ24および撮像素子14を、先端側から後端側に向かってこの順番で保持している。
図3、図5に示すように、撮像素子14および撮像光学系15を保持した状態の2個のレンズ保持部材16は、2本の保持突起12aの間に配置されている。具体的には、当接面22a〜24aが保持平面12dに当接するように、撮像素子14および撮像光学系15を保持した状態の2個のレンズ保持部材16が2本の保持突起12aの間に配置されており、撮像光学系15は2本の保持突起12aによって直接、保持されている。なお、2本の保持突起12aの間に配置された撮像光学系15は、保持突起12aに接着されても良いし、接着されなくても良い。
また、撮像素子14が凹部12fに配置されるように、撮像素子14および撮像光学系15を保持した状態の2個のレンズ保持部材16が2本の保持突起12aの間に配置されている。すなわち、本形態では、第2保持部12cに保持される発光素子11は、撮像素子14よりも後端側に配置されている。具体的には、発光素子11は、受光面14aの反対面となる撮像素子14の背面側に配置されている。また、撮像素子14に接続されたFPC21は、図3に示すように、配置平面12gを通過して(すなわち、第2保持部12cの上端側および下端側を通過して)、先端部2の後端側に引き回されている。
外筒17は、円筒状に形成されている。この外筒17は、撮像素子14および撮像光学系15を保持した2個のレンズ保持部材16が2本の保持突起12aの間に配置された状態の導光部材12の外周側を覆っている。
固定筒18は、図4に示すように、段付の円筒状に形成されており、上述のように、外筒17の後端側に取り付けられている。この固定筒18は、先端部2と接続部5とを接続する機能を果たしている。また、発光素子11の端子11bに接続される配線およびFPC21は、固定筒18を通過して、可撓管9内の配線に接続される。なお、端子11bに接続される配線およびFPC21は、固定筒18内に配置される基板を介して、可撓管9内の配線に接続されても良い。
(内視鏡の製造方法)
以上のように構成された内視鏡1の中の先端部2の製造方法を以下、簡潔に説明する。
まず、第1から第3光学レンズ22〜24、レンズ保持部材16、外筒17および固定筒18等をそれぞれ形成する。また、導光部材12を形成する。具体的には、以下のように、導光部材12を形成する。
まず、発光素子11の端子11bに、リード線あるいはフレキシブルプリント基板等の配線(図示省略)を半田付け等によって接続する(配線接続工程)。その後、インサート成形によって、導光部材12を2個の発光素子11と一体成形する(成形工程)。すなわち、配線が接続された2個の発光素子11を所定の金型の中に配置した状態で金型内に樹脂を流し込んで、2個の発光素子11が内部に配置された状態の導光部材12を形成する。この一体成形は、金型を真空中に配置した状態で行う。また、この一体成形は、比較的温度が低い低温下で行う。
その後、FPC21が接続された撮像素子14および第1から第3光学レンズ22〜24を保持した2個のレンズ保持部材16を2本の保持突起12aの間に配置し、FPC21を引き回す。その後、外筒17および固定筒18を取り付けるとともに、端子11bに接続される配線およびFPC21を引き回して、先端部2が完成する。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、2個の発光素子11が第2保持部12cの内部に配置されるように、導光部材12が2個の発光素子11と一体成形されている。特に本形態では、導光部材12を発光素子11と一体成形する成形工程で、金型を真空中に配置しており、真空状態で、導光部材12を発光素子11と一体成形している。そのため、発光面11aから出射される光は脱気、脱泡された導光部材12の中をそのまま通過して先端部2の先端側に導かれ、先端12eから出射される。したがって、本形態では、発光素子11から発せられ先端12eに導かれる光の減衰を抑制することができ、被写体に照射される光の効率の低下を抑制することができる。その結果、本形態では、適切な量の光を被写体に照射して被写体を適切に撮影することが可能になる。
本形態では、インサート成形によって、発光素子11と導光部材12とが予め一体化されている。そのため、先端部2の組立作業が容易になる。また、導光部材12に対する発光素子11の位置ずれを確実に防止することができる。
本形態では、発光素子11が撮像素子14の背面側に配置されている。そのため、先端部2を径方向で小型化することができる。また、撮像素子14の背面側に発光素子11が配置されると、被写体に照射される光の効率は低下しやすくなるが、本形態では、先端部2の先端12eに導かれる光の減衰を抑制して、被写体に照射される光の効率の低下を抑制することができる。
本形態では、導光部材12が撮像光学系15を保持する第1保持部12bを備えており、導光部材12によって直接、撮像光学系15が保持されている。そのため、撮像光学系15を保持するための構成を別途設ける必要がなくなり、先端部2を径方向で小型化することができる。
本形態では、第1から第3光学レンズ22〜24には、導光部材12の保持平面12dに当接する平面状の当接面22a〜24aが形成されている。すなわち、第1から第3光学レンズ22〜24の外周面の一部は、曲面状ではなく平面状に形成されている。そのため、先端部2を径方向で小型化することができる。
本形態では、導光部材12を発光素子11と一体成形する前に、発光素子11の端子11bに配線を接続している。そのため、導光部材12を成形した後の端子11bと配線との接続作業を考慮することなく、導光部材12を成形することができる。したがって、成形工程で使用される金型の形状を簡素化することが可能になり、また、作業工程を簡素化することが可能になる。
(他の実施の形態)
上述した形態では、導光部材12は、先端側が2つに別れた二股状に形成されている。すなわち、第1保持部12bとなる導光部材12の先端側は二股状に形成されている。この他にもたとえば、図8に示す導光部材32のように、導光部材の先端側は4つに別れていても良い。すなわち、左右方向に所定の間隔で配置される一対の保持突起32aと、上下方向に所定の間隔で配置される一対の保持突起32aとによって、第1保持部12bに相当する第1保持部32bが構成されても良い。この場合には、保持平面12dに相当する保持平面32dが保持突起32aの内側に形成される。具体的には、第1保持部32bには、平行な2つの保持平面32dが2組形成される。また、この場合には、第1から第3光学レンズ22〜24の上下両端および左右両端は、平面状に形成される。さらに、この場合には、第1保持部32bのみによって撮像光学系15が保持される。なお、図8では、変形例にかかる先端部2を前面から示している。
また、図9に示す導光部材42のように、導光部材の先端側は円筒状に形成されても良い。すなわち、第1保持部12bに相当する第1保持部42bは円筒状に形成されても良い。この場合には、第1から第3光学レンズ22〜24の全周が曲面状に形成される。また、この場合には、第1保持部42bのみによって撮像光学系15が保持される。なお、図9では、変形例にかかる先端部2を前面から示している。
上述した形態では、導光部材12は、撮像光学系15を保持するための第1保持部12bを備えている。この他にもたとえば、図10に示す導光部材52のように、導光部材が撮像光学系15を保持するための保持部を備えずに、レンズ保持部材56のみによって撮像光学系15が保持されても良い。この場合には、導光部材52は、図10に示すように、前後方向から見たときの形状が略D形状あるいは略半円状となるように形成されても良いし、前後方向から見たときの形状が略矩形状となるように形成されても良い。また、この場合には、発光素子11は撮像素子14の背面側に配置されても良いし、撮像素子14の下方に配置されても良い。
上述した形態では、発光素子11の全体が第2保持部12cの内部に配置されるように、インサート成形によって導光部材12が形成されている。この他にもたとえば、発光面11aのみが第2保持部12cの内部に配置されるように、インサート成形によって導光部材12が形成されても良い。このように、少なくとも発光面11aが第2保持部12cの内部に配置されるように、導光部材12が形成されれば、発光素子11から発せられ先端12eに導かれる光の減衰を抑制することができ、被写体に照射される光の効率の低下を抑制することができるといった上述の効果を得ることができる。
上述した形態では、撮像素子14は、2個のレンズ保持部材16に保持された状態で2本の保持突起12aの間に配置されている。この他にもたとえば、撮像素子14は、インサート成形によって導光部材12と一体で形成されても良い。同様に、撮像光学系15は、2個のレンズ保持部材16に保持された状態で2本の保持突起12aの間に配置されているが、インサート成形によって導光部材12と一体で形成されても良い。これらの場合には、先端部2の組立作業が容易になる。また、導光部材12に対する撮像素子14や撮像光学系15の位置ずれを確実に防止することができる。
上述した形態では、先端部2は2個の発光素子11を備えているが、先端部2が備える発光素子11の数は1個であっても良いし、3個以上であっても良い。また、上述した形態では、撮像光学系15は、第1から第3光学レンズ22〜24の3枚の光学レンズによって構成されているが、撮像光学系15は、1枚または2枚の光学レンズ、あるいは、4枚以上の光学レンズによって構成されても良い。
上述した形態では、工業用の内視鏡を例に本発明の実施の形態にかかる内視鏡1を説明したが、内視鏡1を用いて、人間の消化管や気管等の内部を撮影して、消化管内や気管内の検査を行っても良い。すなわち、内視鏡1は、医療用の内視鏡であっても良い。
本発明の実施の形態にかかる内視鏡を示す斜視図である。 図1に示す先端部の斜視図である。 図2の先端部から外筒および固定筒を取り外した状態を示す斜視図である。 図2の先端部の分解斜視図である。 図2の先端部の内部構造を説明するための断面図である。 図2に示す導光部材の内部構造を説明するための断面図である。 図2に示す導光部材の平面図である。 本発明の他の実施の形態にかかる先端部を前面から示す図である。 本発明の他の実施の形態にかかる先端部を前面から示す図である。 本発明の他の実施の形態にかかる先端部を前面から示す図である。
符号の説明
1 内視鏡
2 先端部
11 発光素子
11a 発光面
11b 端子
12、32、42、52 導光部材
12b、32b、42b 第1保持部(光学系保持部)
12c 第2保持部(発光素子保持部)
12d、32d 保持平面
14 撮像素子
14a 受光面
15 撮像光学系
22 第1光学レンズ(光学レンズ)
22a〜24a 当接面
23 第2光学レンズ(光学レンズ)
24 第3光学レンズ(光学レンズ)

Claims (6)

  1. 被写体を撮影するために所定の空間内に挿入される先端部を備える内視鏡において、
    上記先端部は、上記被写体に照射される光を発する発光面を有する発光素子と、上記発光素子が発する光を上記先端部の先端側に導く樹脂製の導光部材とを備え、
    上記導光部材は、少なくとも上記発光面が上記導光部材の内部に配置されるように、上記発光素子と一体成形されていることを特徴とする内視鏡。
  2. 前記先端部は、前記被写体で反射される光を受光する受光面を有する撮像素子を備え、
    前記発光素子は、上記受光面の反対面となる上記撮像素子の背面側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の内視鏡。
  3. 前記先端部は、前記被写体で反射される光を前記受光面に結像させるための撮像光学系を備え、
    前記導光部材は、上記撮像光学系を保持する光学系保持部と前記発光素子を保持する発光素子保持部とを備えていることを特徴とする請求項2記載の内視鏡。
  4. 前記光学系保持部は、前記撮像光学系を保持するための平行な2つの保持平面を1組以上備え、
    前記撮像光学系は、2つの上記保持平面のそれぞれに当接する平面状の当接面が形成される光学レンズで構成されていることを特徴とする請求項3記載の内視鏡。
  5. 被写体に照射される光を発する発光面を有する発光素子と、上記発光素子が発する光を上記被写体へ導くための樹脂製の導光部材とを備える内視鏡の製造方法において、
    少なくとも上記発光面が上記導光部材の内部に配置されるように、真空状態で、上記導光部材を上記発光素子と一体成形する成形工程を備えることを特徴とする内視鏡の製造方法。
  6. 前記成形工程前に前記発光素子の端子に配線を接続する配線接続工程を備えることを特徴とする請求項5記載の内視鏡の製造方法。
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