JP2009124880A - 高電圧電源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電源装置の内部電流及び出力電流を検出する電流検出回路109、111を設け、電源の内部電流のみ過電流または短絡電流を検出した場合は、故障原因が電源内部回路と判別し、電源の内部電流と出力電流が同時に短絡電流を検出した場合は、短絡故障と判断して電源装置100の出力を停止する。所定時間後に電源装置の再起動を行ない、この再起動中に、再度内部電流及び出力電流に過電流もしくは短絡電流が検出されない場合はアーキング現象と判別し、再度内部電流及び出力電流に過電流もしくは短絡電流が検出された場合は負荷短絡故障と判別し、電源装置100の出力を停止するようにする。
【選択図】図1
Description
電子ビーム溶接の際に、電子銃内でカソードとアノードとの間にアーク放電(アーキング現象)が発生した時の負荷電流と、電源装置の後段に設けられるコッククロフトやトランスなどの昇圧回路の故障や、電源装置の出力端子に接続される放電管の短絡故障(負荷短絡故障)の場合の短絡電流はほぼ同じであるため、短絡故障原因の区別がつけにくいという問題があった。
また、負荷短絡故障時に出力半導体素子が破壊しないように、短絡電流を許容できる大容量の半導体素子を出力回路に搭載した高電圧電源装置が使用されるが、この場合でも半導体素子は保護できたとしても故障箇所の特定が困難であった。
例えば、電流検出回路で過電流が検出されても、それが正常状態での一時的なものであるか、電気回路の短絡などによる異常発生によるものかを確認し、その電流値が短時間で定常値に収束するものであるときには主電流通路の半導体素子を遮断しないようにするため、ある回数以下の過電流検出は無視し、ある回数以上の過電流を検出した場合のみ、負荷を電源から切離すようにした過電流遮断回路が知られている。(特許文献1参照)
さらに、この特許文献2の高電圧電源装置には、昇圧トランスの2次側にも出力電流を検出する電流検出回路を設け、半導体素子のスイッチングを制御する制御回路に入力して半導体素子のタイミングを制御し、出力電圧あるいは出力電流を調整するようにしている。
この発明は、電源装置に接続される負荷の短絡故障か、電源装置に接続される負荷の放
電管によるアーキング現象なのかを区別することができる、高電圧電源装置を提供することを目的とするものである。更には電源装置に接続される負荷の短絡故障とアーキング現象の故障の区別に加えて、電源装置の内部回路による故障をも区別することができる、高電圧電源装置を提供することを目的とするものである。
この発明の実施の形態1に係る高電圧電源装置について図面を参照しながら説明する。図1はこの発明の実施の形態1による高電圧電源装置の回路構成図、図2はこの発明の実施の形態1による高電圧電源装置の制御タイムチャート図、図3はこの発明の実施の形態1による高電圧電源装置の全体動作を示す関係図である。
コッククロフト昇圧回路の場合、回路素子の破壊により昇圧回路の段数が減ってしまい、志望の電圧昇圧比が満たせなくなる。この場合、コッククロフト昇圧回路のすべてのコンデンサが充電されてしまい、コッククロフト入力のトランスの二次側電流が制限されるためトランス一次側に過電流が流れることがある。またコッククロフトのコンデンサが短絡故障した場合、トランス二次側に短絡電流が流れるために、トランス一次側に過電流が流れることがある。
制御回路113で判断した故障原因は電源外部の外部回路117や光(ランプ)、音などにより電源外部に故障原因が通知され、監視員が事後の故障原因を取り除く対策が行えるようにしている。
なお、各電流検出回路109、111及び制御回路113における検出値や検出閾値はアナログ値で図を表記しているが、検出値はアナログ、ディジタル値形式を問わない。また、各検出回路109、111及び制御回路113は、コンパレータなどによるアナログ回路、もしくはアナログ回路とディジタル回路をあわせた回路により構成することができる。
図2は異常信号が検出された場合の制御回路113の入出力パターンを示す図であり、内部電流検出値110と過電流出力信号112が制御回路113の入力となり、遮断制御信号114と出力停止信号115が制御回路113の出力となる。
内部電流検出値110により短絡電流と過電流を区別して検出する閾値として、過電流検出閾値118と短絡検出閾値119の2つの閾値を設定する。過電流検出閾値118は電源の仕様により定められ、短絡検出閾値119は過電流検出閾値118よりも大きな値に設定され、出力回路107で使用している半導体素子の定格により定められるものとする。
図3は図2の制御タイムチャートの各時間T1〜T4および短絡電流検出後のソフトスタート再起動中における動作を、各電流検出回路109、111が検出する電流と制御回路113との関係で示したものである。
このソフトスタートによる負荷短絡検出は、誤検出回避のため過電流、もしくは短絡電流値を数回検出した場合、出力停止信号115が出力される等の対応でもかまわない。また、この場合の再スタートは負荷短絡の原因判別のために行うのであり、原因究明のためのソフトスタートの期間は通常のソフトスタートの期間より短く、昇圧回路108からの電圧を外部からの指定電圧まで上昇させなくてもかまわない。
この図3から明らかなように、内部電流検出値110と過電流出力信号112を個別に検出し、過電流や短絡電流の原因が電源の内部回路なのか負荷回路なのかを判別するようにしている。また、電源の内部電流のみ過電流または短絡電流を検出した場合は、故障原因が電源内部回路と判断し、高電圧電源装置100を入力電源系統から切り離すようにしている。また、電源装置100の内部電流検出値の大きさにより短絡電流か過電流かを判断し、内部電流と出力電流が同時に過電流を検出した場合は、過電流と判断し高電圧電源装置100の出力を停止するようにしている。これにより、負荷短絡の場合と過電流の場合を区別することができる。
次にこの発明の実施の形態2に係わる高電圧電源装置について説明する。図4はこの発明の実施の形態2による高電圧電源装置の回路構成図、図5はこの発明の実施の形態2による高電圧電源装置の制御タイムチャート図、図6はこの発明の実施の形態2による高電圧電源装置の全体動作を示す関係図である。
その他の回路構成は実施の形態1と同じにつき同じ符号を付して説明を省略する。
図6は図5の制御タイムチャートの各時間T5〜T7および短絡電流検出後のソフトスタート再起動中における動作を、出力電流検出回路123が検出する出力電流検出値124と制御回路113との関係で示したものである。
再起動時のソフトスタート期間中Tbに、再び出力電流検出回路123の出力する出力電流検出値124が過電流検出閾値118、もしくは短絡電流検出閾値119以上の電流を検出した場合、制御回路113は短絡の原因が出力負荷短絡故障と判断し、出力回路107のスイッチング動作を停止するためのゲート信号121の出力を停止する出力停止信号121aを出力する。こうして制御回路113は短絡の原因が出力短絡と判断した場合、出力回路107のスイッチング動作を停止するための出力停止信号121aを保持し続け、高電圧電源装置100の出力を停止させる。この際制御回路113から外部回路117へは負荷短絡故障信号が出力され、外部信号による出力停止信号121aの解除があるまで短絡信号は保持される。この検出は、誤検出回避のため数回過電流を検出した場合に短絡原因を判断し出力停止するなどの対応でもかまわない。
この図6から明らかなように、出力電流検出回路123の出力電流検出値124の大きさにより短絡電流か過電流かを判断し、過電流と判断した場合は高電圧電源装置100の出力を停止するようにしている。また短絡電流と判断した場合は、高電圧電源装置100の出力を停止し、所定時間後に電源装置の再起動を行なう。再起動の際、再度出力電流に過電流もしくは短絡電流が検出されない場合はアーキング現象と判別し、高電圧電源装置100の出力回路107の出力を停止するようにしている。再起動の際、再度出力電流に過電流もしくは短絡電流が検出された場合は負荷短絡と判別し、高電圧電源装置100の出力回路107の出力を停止するようにしている。これによりアーキング現象なのか昇圧回路故障なのかの区別をすることができる。
なお負荷短絡故障とアーキング現象とを区別するだけであれば、出力電流検出回路123は短絡電流検出閾値のみを検出するようにしてもよい。また電源内部の回路故障を検出する必要がない場合は、遮断機103自身に電流検出機能を有していなくてもよい。
また実施の形態1の発明において、外部指令値106を実施の形態2の発明のように制御回路113に入力し、出力電圧検出回路120を接続して、その電圧を制御回路113に入力するようにしてもよい。この場合、制御回路113より出力回路107へ送られる信号はスイッチング素子のゲート信号121となる。
図7はこの発明の実施の形態3における高電圧電源装置の回路構成を示す図である。図7において、実施の形態2の図4と異なる点は、遮断機103から制御回路113に電源内部故障信号122を出力するようにしていないものである。
即ち、高電圧電源装置100の故障は遮断機103により検出するため、制御回路113にて電源装置の内部故障であるかどうかを知る必要がない場合、遮断機103の開閉状態を遮断器自身から外部に表示できるようなものにおいては、遮断機103から電源内部故障信号122を制御回路113に出力する必要はなく、回路構成も簡単となる。
102:出力端子 103:遮断機
104:整流回路 105:平滑コンデンサ
106:外部指令値 107:出力回路
108:昇圧回路 109:内部電流検出回路
110:内部電流検出値 111:出力電流検出回路
112:過電流出力信号 113:制御回路
114:遮断制御信号 115:出力停止信号
116:ソフトスタート回路 117:外部回路
118:過電流検出閾値 119:短絡電流検出閾値
120:出力電圧検出回路 121:ゲート信号
121a:ゲート信号の出力停止信号 122:電源内部故障信号
123:出力電流検出回路 124:出力電流検出値
Claims (8)
- 半導体素子で構成され外部指令値により出力電圧を調整する出力回路と、この出力回路の出力電流を検出する出力電流検出回路と、この出力電流検出回路が所定値以上の電流を検出した場合に、前記出力回路に停止信号を出力して前記出力回路の動作を停止すると共に、所定時間後に前記停止信号を解除する制御回路とを備え、前記停止信号の解除によって前記出力回路はソフトスタートにより再起動され、前記制御回路は再起動中に前記出力電流検出回路から再度所定値以上の電流を検出した場合は前記出力回路に接続される負荷回路の短絡故障と判別し、前記出力電流検出回路から再度所定値以上の電流を検出しなかった場合は前記出力回路の負荷である放電管のアーキング現象と判別するようにした高電圧電源装置。
- 半導体素子で構成され外部指令値により出力電圧を調整する出力回路と、この出力回路の入力電流を検出する内部電流検出回路と、前記出力回路の出力に接続され所定値以上の過電流を検出した場合に過電流出力信号を出力する出力電流検出回路と、前記内部電流検出回路及び出力電流検出回路の検出結果を受け、これら検出結果より電源の仕様で定められた過電流閾値以上の過電流であるか、もしくは前記過電流閾値よりも大きな値に定められた短絡電流閾値以上の短絡電流であるかを判断する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記2つの電流検出回路の検出結果から、前記出力回路の故障と前記出力回路に接続される昇圧回路の故障と前記出力回路の負荷である放電管のアーキング現象とを判別するようにした高電圧電源装置。
- 前記制御回路は、前記内部電流検出回路及び出力電流検出回路の検出結果のうち、前記内部電流検出回路より過電流もしくは短絡電流が検出され、前記出力電流検出回路からの過電流出力信号が出力されなかった場合、前記出力回路の故障と判別することを特徴とする請求項2記載の高電圧電源装置。
- 前記制御回路は、前記内部電流検出回路及び出力電流検出回路の検出結果のうち、前記内部電流検出回路より短絡電流が検出され、前記出力電流検出回路が過電流出力信号を出力した場合、瞬時に前記出力回路の動作を停止し、所定時間経過後にソフトスタートにより前記出力回路を再起動し、再度短絡電流もしくは過電流を検出した場合は前記出力回路に接続される昇圧回路の故障と判別することを特徴とする請求項2記載の高電圧電源装置。
- 前記制御回路は、前記内部電流検出回路及び出力電流検出回路の検出結果のうち、前記内部電流検出回路より短絡電流が検出され、前記出力電流検出回路が過電流出力信号を出力した場合、瞬時に前記出力回路の動作を停止し、所定時間経過後にソフトスタートにより前記出力回路を再起動し、再度短絡電流もしくは過電流を検出しない場合は前記出力回路に接続される放電管のアーキング現象と判別することを特徴とする請求項2記載の高電圧電源装置。
- 前記出力回路の前段に、外部信号により導通もしくは遮断することができる遮断機を設け、前記制御回路が前記出力回路の故障と判別した際、前記遮断機を遮断し前記出力回路を入力から切り離すようにした請求項2乃至請求項5のいずれか1つに記載の高電圧電源装置。
- 前記出力回路の前段に、電流検出機能を有する遮断機を設け、前記遮断機の電流検出機能が所定値以上の電流を検出した場合に、前記遮断機を遮断して前記出力回路を入力から切り離すようにした請求項1に記載の高電圧電源装置。
- 前記制御回路は、前記出力電流検出回路が検出する電流を過電流検出閾値と前記過電流閾値よりも大きな値の短絡電流検出閾値の2つのレベルで判断し、前記過電流検出閾値以上の電流を検出した場合は前記出力回路の動作を停止して待機し、前記短絡電流検出閾値以上の電流を検出した場合は前記出力回路の動作を停止し、所定時間後にソフトスタートにより前記出力回路を再起動し、この再起動中に再度過電流または短絡電流を検出した場合は前記出力回路に接続される昇圧回路の故障、再度過電流または短絡電流を検出しない場合は前記昇圧回路に接続される放電管のアーキング現象と判別することを特徴とする請求項1または請求項7に記載の高電圧電源装置。
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