JP2009123228A - 広告サーバ、広告データ配信方法、制御情報の作成装置、制御情報の作成方法、プログラム、および広告システム - Google Patents

広告サーバ、広告データ配信方法、制御情報の作成装置、制御情報の作成方法、プログラム、および広告システム Download PDF

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Abstract

【課題】広告を配信したい視聴者が広告を視聴すると予測される、そのような予測視聴回数を制御する。
【解決手段】情報提供システムであり、利用者からコンテンツの配信依頼を受け付ける手段と、上記利用者の特性データを参照する手段と、上記特性データを有する利用者に提供される、そのような複数の広告の広告露出順を規定する順序制御情報を参照する手段と、上記順序制御情報に基づき上記コンテンツとともに配信する広告を決定する手段と、上記コンテンツとともに広告を配信する手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、広告の提供技術に関するものである。
マスメディア(テレビ、ラジオ、新聞、または雑誌等)による広告では、広告を広告会社から媒体社(例えば、放送局、新聞社、または雑誌社等)へ事前に提供していた。例えば、従来の放送では、時間軸に沿ってコンテンツと広告とが編成表にしたがい、放送局側で編成され、送出されていた。
したがって、従来、広告は特定の時間帯で提供される番組に付加される形式で放送されていた。また、ビデオオンディマンド(VOD)においては、広告は番組に付加される形式で提供される場合があった。
一方、一般に、広告主は、広告により販売数を増やしたり、ブランド価値を上げる目的で広告を放送している。そして、広告主の広告に対して興味を持つ人に限定して広告配信した方が広告効果を上げることができる。そのため、上記従来の技術では、番組あるいはコンテンツから視聴者を予測し、その予測された視聴者をターゲットとして広告を提供していた。そのため、広告主が広告を配信したい相手に確実に広告を配信することができるとは限らなかった。
そこで、広告の露出に関する条件を設定し、視聴者の属性と広告の露出回数に応じて広告を選択して露出する技術が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この技術においては、広告を配信したい視聴者を個々に識別し、視聴者ごとに配信する広告を制御する配慮がなされていなかった。
また、広告を配信する場合、広告主は、配信したい相手にどの程度の回数視聴させるかに関心がある。視聴回数により広告効果が異なるからである。例えば、広告回数が少ないと効果が少ない場合が多い。そのため、広告主は、媒体社に対して、所定の目標回数を指定して広告を依頼することが多い。
しかし、上記従来技術においては、配信したい相手にどの程度の回数の広告を視聴させるかを正確に制御するような配慮はなかった。
特開2002−56280(要約書)
本発明はこのような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、広告の提供を、広告を配信したい視聴者ごとに制御できる技術を提供することにある。
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、コンテンツを提供するシステムと連携し利用者に広告データを配信する広告サーバであり、
コンテンツの利用者を識別する手段と、
利用者ごとに広告データ提供順を規定した順序制御情報を参照する手段と、
上記順序制御情報に規定された順序で広告データを配信する配信手段とを備えるものである。
このように、本広告サーバによれば、コンテンツの利用者が識別され、利用者ごとに規定された広告データ提供順で広告データが配信される。したがって、広告提供者は所望の利用者に対して所望の順で制御して広告を提供できる。
好ましくは、この広告サーバは、上記広告データを配信すべき配信時点を検知する手段をさらに備え、
上記配信手段は、上記検知された配信時点における規定された順序の広告データを配信してもよい。上記広告データを配信すべき配信時点を検知する手段とは、例えば、広告の呼び出し信号であり、コンテンツを提供するサーバから発信される信号である。したがって、コンテンツを提供するサーバは、どのような広告が提供されるかとは無関係に広告の呼び出し信号とコンテンツとを提供すればよい。
好ましくは、この広告サーバは、上記順序制御情報を更新する手段をさらに備えるものでもよい。順序制御情報を更新する手段により、利用者に提供する広告の順序が広告提供側の都合により自在に変更できる。
また、本発明は、コンテンツを提供するシステムと連携し利用者に広告データを出力する端末であり、
広告データを格納する手段と、
利用者ごとに広告データの出力順を規定した順序制御情報を参照する手段と、
上記順序制御情報に規定された順序で上記広告データを参照して出力する出力手段とを備えるものでもよい。
好ましくは、上記端末は、上記広告データを出力すべき出力時点を検知する手段をさらに備え、
上記出力手段は、上記検知された出力時点における規定された順序の広告データを出力してもよい。
好ましくは、上記広告データまたは上記順序制御情報の少なくとも一方は利用者の操作から保護された保護領域に格納されるようにしてもよい。
好ましくは、上記端末は、利用者の特性データを参照する手段と、
上記順序制御情報を受信する手段と、
受信した順序制御情報から利用者の特性データに適合する順序制御情報を上記保護領域に格納する手段とをさらに備えるものでもよい。
上記端末は、広告サーバから上記広告データまたは上記順序制御情報を事前に配布され、上記保護領域に格納しておけばよい。このような保護領域は、利用者の操作により書き替えることができない領域として確保しておけばよい。これにより、広告提供者は、端末の記憶領域を一部借用して広告を提供できる。
また、本発明は、情報提供システムであり、利用者からコンテンツの配信依頼を受け付ける手段と、
上記利用者の特性データを参照する手段と、
上記特性データを有する利用者に提供される、そのような複数の広告データの提供順を規定する順序制御情報を参照する手段と、
上記順序制御情報に基づき上記コンテンツとともに配信する広告データを決定する手段と、
上記コンテンツとともに広告データを配信する手段とを備えるものでもよい。
この情報提供システムは、利用者からコンテンツの配信依頼を受け付けたときにその利用者の特性データを参照し、その特性データに応じて格納された順序制御情報を参照する。この順序制御情報は、上記特性データを有する利用者に提供されるべき、複数の広告データの広告露出順を規定する情報である。本情報提供システムは、この順序制御情報に基づき上記コンテンツとともに配信する広告データを決定し、上記コンテンツとともに広告データを配信する。このように、本発明によれば、視聴者の特性データに応じて格納された順序制御情報に応じて、広告データが視聴者に提供される。したがって、望ましい視聴者に望ましい順序で広告データを配信することができる。
好ましくは、上記情報提供システムは、所定の広告データについて、その広告データを利用者に視聴させたい規定視聴回数を参照する手段と、
広告データの提供順に対する広告視聴確率を参照する手段と、
上記規定視聴回数と上記広告視聴確率との関係から上記所定の広告データに対して上記規定視聴回数を充足するための順序制御情報を生成する手段とをさらに備えてもよい。
このように、上記順序制御情報は、規定視聴回数と上記広告視聴確率との関係から決定される。したがって、本発明によれば、広告の視聴回数を予測することができる。また、本発明によれば、その予測の範囲において、所定の視聴回数を達成するように提供順を制御することが可能になる。
また、本発明は、配信装置と受信装置とを備え、利用者にコンテンツを配信する配信システムであり、
上記配信装置は、コンテンツとともに広告データ表示のための指示情報を配信する手段を有し、
上記受信装置は、
上記指示情報を検知する手段と、
上記利用者に提供される、そのような複数の広告データの出力順を規定する順序制御情報を参照する手段と、
上記順序制御情報に基づき上記コンテンツとともに広告データを出力する手段と
を有するものでもよい。上記指示情報は、上記受信装置に対し広告データを出力させる指示となる情報である。これにより、配信装置は、受信装置における広告データ出力時点を制御できる。
好ましくは、上記配信装置は、視聴者の特性データに応じて設定される上記順序制御情報をその特性データを識別する情報とともに配信する手段をさらに有し、
上記受信装置は、上記利用者の特性データを参照する手段と、
その特性データに合致する順序制御情報を選択して保存する手段とをさらに有するものでもよい。
また、本発明は、受信装置にコンテンツと広告データとを出力させる配信装置であり、
上記コンテンツとともに広告データを出力させるための指示情報を上記コンテンツに組み合わせる手段と、
上記コンテンツと指示情報とを配信する手段と、
コンテンツ利用者の特性データに応じて設定され、上記受信装置において当該利用者に提供される複数の広告データの出力順を規定する順序制御情報をその特性データを識別する情報とともに配信する手段とを備えるものでもよい。
本発明によれば、出力順を規定する順序制御情報が受信装置に配信される。受信装置は、視聴者の特性データに応じて順序制御情報を選択する。したがって、配信装置は、望ましい視聴者の受信装置に望ましい順序制御情報を配信できる。また、受信装置は、その順序制御情報に基づいて、望ましい順序で広告データを出力できる。
また、本発明は、コンピュータに、以上のいずれかの機能を実現させるプログラムであってもよい。また、本発明は、そのようなプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録したものでもよい。
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体の内コンピュータから取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。
また、コンピュータに固定された記録媒体としてハードディスクやROM(リードオンリーメモリ)等がある。
本発明によれば、広告主が広告を配信したい、そのような望ましい視聴者に対して広告を配信し、その視聴者が広告を視聴する予測視聴回数を制御することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。
《発明の概要》
以下、図1の情報システムを例にして本発明の概要を説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る情報システムのシステム構成図である。この情報システムは、ブロードバンドネットワーク4を通じて視聴者に映像番組等のコンテンツを提供するコンテンツサーバ1と、そのコンテンツとともに配信される広告を提供する広告サーバ2(広告サーバ2をアドサーバともいう)とを有している。
コンテンツサーバ1は、番組を配信するビデオオンディマンド会社(ビデオオンディマンドをVODともいう)により運営されている。
一方、広告サーバ2は、上記ビデオオンディマンド会社により、運営されてもよいし、ビデオオンディマンド会社とは異なる広告業者により運用されてもよい。広告サーバ2は、視聴者ごとに予め規定された順序にしたがって広告を配信する機能を有する。この視聴者ごとの広告配信順序は、例えば、視聴者の特性情報と、経験的に蓄積された過去の広告効果、アンケート結果等により蓄積された視聴者属性と有効な広告との関係等に基づいて決定される。
このように本情報システムの特徴は、各視聴者がVOD会社からコンテンツの提供を受けるとき、その視聴者に対して提供される複数の広告の提供順序が規定されている点にある。この広告方法は、例えば、放送される番組ごとに広告提供主が規定され、配信される広告が決定された従来の放送広告とは本質的に異なる広告方法である。
また、VODのようなコンテンツ提供サービスにおいては、コンテンツごとに事前に決定された広告を付加して視聴者に提供することが行われていた。これは、コンテンツごとに視聴者のカテゴリがある程度推定できるため、コンテンツごとに付加する広告を決定して
おけば、望ましい視聴者に広告を提供できる可能性が高まるからである。
これに対し、本情報システムは、視聴者がいかなる番組を視聴者するか、あるいは、いかなるコンテンツを視聴するか、とは無関係に視聴者ごとに配信する広告の順序を決定しておき、その順序にしたがい、広告を配信する。
図1に示すように、本情報システムでは、コンテンツサーバ1と広告サーバ2とを含むシステムがxDSL(Digital Subscriber Line)、FTTH(Fiber To The Home)、CATV網(Community Antenna TeleVision)等のブロードバンドネットワーク4を介して視聴者の家庭に設置された端末装置6と接続される。この構成では、広告サーバ2がコンテンツを配信するコンテンツサーバ1と連携して、端末装置6に広告を配信する。
この場合、広告サーバ2は、コンテンツサーバ1を経由して端末装置6と接続されてもよい。その場合には、コンテンツサーバ1は、広告サーバ2から提供される広告とともにコンテンツを視聴者に提供すればよい。
端末装置6は、例えば、デジタルテレビ、衛星放送のチューナ、ケーブルテレビのセットトップボックス等である。
図1のターゲットデータベースは、ビデオオンディマンド会社が提供するサービスへの視聴者を識別する情報(加入者情報または会員情報とも呼ばれ、視聴者の登録番号等を有する)を保持する。また、ターゲットデータベースには、視聴者ごとに提供すべき広告の順序が規定されている。
視聴者は、端末装置6の操作パネルやリモートコントローラを操作し、コンテンツサーバ1にアクセスする。このとき、視聴者は、自身を識別する登録番号を入力することにより正規の視聴者であるとの認証を得る。そして、視聴者は、所望のコンテンツ、例えば、映画、テレビドラマ、コンサート等の映像番組を選択する。
コンテンツサーバ1は、視聴者からのアクセスに対して、視聴者から入力された登録番号とターゲットデータベースとの照合により、正規の視聴者を認証する。さらに、コンテンツサーバ1は、ターゲットデータベースにおいて当該視聴者に提供すべき広告の順序を参照する。そして、コンテンツサーバ1は、その順序で広告を広告サーバ2から入手し、コンテンツの前後またはコンテンツ内に広告を挿入し、家庭の端末装置6に配信する。広告を配信することを広告を提供するともいう。また、端末装置6に広告を表示させることを広告を露出するともいう。
ただし、コンテンツサーバ1は、コンテンツの前後またはコンテンツ内に、広告を挿入すべき空白の時間帯設けてコンテンツを配信してもよい。そして、コンテンツサーバ1から広告サーバ2に、広告を挿入するタイミングを報知するための同期信号を送信するようにしてもよい。そして、その同期信号に基づき、広告サーバ2がターゲットデータベースに規定された配信順序の広告を配信するようにしてもよい。
また、端末装置6に、情報を蓄積するための手段、例えば、ハードディスク、DVD(Digital Versatile Disk)を設け、事前に複数の広告と、それらの広告を視聴者に提供する順序を規定した順序制御情報とを端末装置6に提供しておいてもよい。
このような広告データあるいは順序制御情報を記憶する記憶領域は、視聴者が操作することのできない排他領域(保護領域に対応)とすればよい。このような排他領域の構成については、本出願人がすでに特願2000−197186において詳細に提案している。
この技術では、例えば、ハードディスクの記憶領域が、ファイル管理領域と、排他領域と、ユーザ管理領域とに区分される。そして、ファイル管理領域は、ファイル名テーブルと、空きブロックポインタとを、各々、排他的管理領域とユーザ管理領域とに対して有している。このような構成により、利用者は、ユーザ管理領域を操作できるが、排他領域を操作できないようにすることができる。
広告サーバ2は、ブローバンドネットワーク4の空きが多くなる時間帯、あるいは、衛星放送波によるデータ放送カルーセル、オフラインの記録媒体(例えば、DVD)等により、所定のタイミングで広告データあるいは上記順序制御情報を端末装置6に配信しておく。
一方、コンテンツサーバ1は、視聴者からのアクセスに対して、コンテンツの前後またはコンテンツ内に、広告を挿入すべき空白の時間帯を設けてコンテンツを配信すればよい。その場合、広告を挿入すべき空白の時間帯の先頭に、端末装置に対して広告の呼び出しを指示する呼び出し信号を挿入しておく。
端末装置6は、コンテンツ受信時、呼び出し信号を検知し、当該視聴者に対して規定された順序で広告を露出していく。
このように、図1に示したシステムによれば、視聴者を直接ターゲットとして、事前に規定された広告を露出させることができる。このため、視聴者にとっては視聴する番組、利用するコンテンツの種類に関わりなく、広告提供者側(広告サーバ2の運用者あるいは広告主)で規定した順に規定した回数の広告が露出されることになる。
一方、広告主にとっては、視聴者がコンテンツサーバ1からのコンテンツを利用する限り、個々の番組やコンテンツの視聴率とは無関係に、広告を提供したい視聴者を直接のターゲットとして広告を配信できる。
なお、この広告提供順を規定する順序制御情報は固定されたものではなく、所定のタイミングで更新するようにすればよい。
《第1実施形態》
以下、本発明の第1実施形態に係る情報システムを図2から図11の図面に基いて説明する。図2および図3は、本実施形態に係る情報システムのデータフロー図であり、図4は、従来技術と比較した本情報システムの概要を示す図あり、図5は、広告主との契約に基づく広告条件を格納するオーダテーブルのデータ例であり、図6は、広告の露出順序に対する視聴率を格納した視聴確率テーブルのデータ例であり、図7は、視聴者の特性情報と視聴確率テーブルとの関係を示すテーブル間の関連図であり、図8は、コントロールテーブル6により広告の露出順を制御する処理概要を示す図であり、図9は、広告露出順を規定するコントロールテーブル6の生成処理を示すフローチャートであり、図10は、図9に示した広告露出順割当処理(S2)の詳細を示すフローチャートであり、図11は、コントロールテーブル6により広告の露出順を制御する処理を示すフローチャートである。
上記第1実施形態では、視聴者ごとに広告の提供順を事前に規定し、その提供順にしたがって広告を配信するシステムの処理概要を示した。本実施形態では、そのような提供順を制御する情報システムの詳細について説明する。
<システム構成>
図2および図3に本情報システムのデータフローを示す。この情報システムは、ブロード
バンドネットワーク4を通じて視聴者に映像番組等のコンテンツを提供するコンテンツサーバ1と、そのコンテンツとともに配信される広告を提供する広告サーバ2(広告サーバ2をアドサーバともいう)とを有している。
コンテンツサーバ1は、番組を配信するビデオオンディマンド会社(ビデオオンディマンドをVODともいう)により運営されている。コンテンツサーバ1は、ビデオオンディマンド会社の顧客情報を顧客データベース3に有している。顧客情報は、顧客の登録番号、その顧客の住所、氏名、電話番号等の情報ほか、その顧客の属性、例えば、性別、年齢、家族構成、趣味、好みの番組種別等が含まれる。本実施形態では、このような情報を特性情報(特性データに相当)という。
一方、広告サーバ2は、アドプロバイダと呼ばれる広告業者により運用される。広告サーバ2は、視聴者の特性情報に応じて配信すべき広告を選択する機能を有する。この選択は、主として、視聴者の特性情報と、経験的に蓄積された過去の広告効果、アンケート結果等により蓄積された視聴者属性と有効な広告との関係等に基づいて決定される。
図2に示すように、コンテンツサーバ1と広告サーバ2とは、公衆ネットワークまたは専用ネットワークを介して接続されている。
また、コンテンツサーバ1は、xDSL(Digital Subscriber Line)、FTTH(Fiber
To The Home)、CATV網(Community Antenna TeleVision)等のブロードバンドネットワーク4を介して視聴者の家庭に設置されたセットトップボックス5(STB5ともいう)と接続される。なお、本実施形態では、セットトップボックス5を例にして説明するが、視聴者は、上記発明の概要で例示したような他の端末装置6を使用してもよい。
視聴者は、セットトップボックス5の操作パネルやリモートコントローラを操作し、コンテンツサーバ1にアクセスする。このとき、視聴者は、自身を識別する登録番号を入力することにより正規の視聴者であるとの認証を得る。そして、視聴者は、所望のコンテンツ、例えば、映画、テレビドラマ、コンサート等の映像番組を選択する。
すると、コンテンツサーバ1は、その登録番号を基に顧客データベース3にアクセスし、その視聴者の特性情報を抽出する。そして、コンテンツサーバ1は、その特性情報を広告サーバ2に送信する。この特性情報は、視聴者の登録番号、氏名等の固有情報を除く、匿名情報である。
図3に示すように、広告サーバ2は、その特性情報を基に、そのような特性情報を有する視聴者に提供すべき広告を決定する。これをターゲット広告と呼ぶ。そして、広告サーバ1は、そのターゲット広告をコンテンツサーバ1に提供する。コンテンツサーバ1は、ブロードバンドネットワーク4を通じて、コンテンツとともにターゲット広告を視聴者に配信する。
本実施形態では、「広告を視聴者に配信する」ことを「広告を露出する」という。また、「露出された広告を視聴者が実際に視聴する」ことを「広告を視聴する」という。例えば、広告が配信されても、視聴者が表示装置付近にいなかったり、配信された広告を表示させない(例えば、他のチャンネルを視聴したり、配信された広告をカットして録画したり、録画された番組中の広告部分を早送りすることによる)場合には、広告が視聴されないことになる。そこで、本実施形態では、「配信」と「露出」は、ともに実際に視聴者が視聴したか否かを問わないものとし、「視聴」は、実際に視聴者が視聴した場合をいうものとする。
本情報システムでは、広告サーバ2は、視聴者属性ごとに(すなわち、ターゲットごとに)露出すべき広告の順序を決定してコントロールテーブル6の形式で有している。
コンテンツサーバ1は、多数の視聴者からの要求に対して、その特性情報を次々に広告サーバ2に送信する。広告サーバ2は、次々に受信する特性情報に対し、コントロールテーブル6に規定された露出順で次々に露出すべき広告を決定し、コンテンツサーバ1に返す。これにより、多数の視聴者に対して、その特性情報に応じて、所定の露出順で次々に広告が露出されることになる。
このように、本情報システムでは、多数の視聴者に対して視聴者の特性情報を基に、その視聴者に適切な広告を配信する。アドプロバイダ側から見ると、広告サーバ2に蓄積した多数の広告が望ましい視聴者、すなわち、ターゲットに対して望ましい露出順で露出されることになる。
<広告露出順制御の概要>
図4に、広告露出順制御の概要を示す。図4には、従来の広告露出順と比較した本情報システムの広告露出順を制御する処理の概要を示す。
従来の放送広告は、番組が放送される前に放送局が広告とコンテンツ(番組)を時間軸上で編成していた。
したがって、広告主は、決められた時間帯、または決められた時刻で広告を配信できたが、望ましい視聴者に広告を露出できるとは限らなかった。これは、例えば、ビデオオンディマンドシステムにおけるようなコンテンツサーバ1によって番組を配信する場合も同様である。
さらに、広告を提供する広告業者にとっては、広告主所望の視聴者に所望回数広告を露出すれば広告主に対する責任を果たすことになる。しかし、従来は、時間軸上で広告がコンテンツと組み合わせられていたため、広告主所望の視聴者に所望回数広告を露出するという制御が困難であった。このため、便宜的にコンテンツの視聴率をもって視聴者による広告の視聴回数を推定していた。
本情報システムにおいても、コンテンツの配信形態は従来と同様である。すなわち、視聴者からコンテンツサーバ1に番組の配信要求があった場合に、要求されたコンテンツがブロードバンドネットワーク4を通じて配信される。
しかし、本情報システムでは、そのような配信要求があったとき、顧客データベース3からその視聴者の特性情報を参照し、その特性情報に基づき、望ましい広告露出順を選択する。このような視聴者の特性情報ごとの広告露出順は図4に示すコントロールテーブル6に格納されている。
コントロールテーブル6は、例えば、図2または図3に示した広告サーバ2において生成され、参照される。図4に示したコントロールテーブル6は、例えば、20代女性、20代男性、関東在住女性、関東在住女性のような特性情報により、区分されている。そして、各特性情報の区分ごとに、例えば、20代女性に対して、広告A、広告B、広告C等の露出順が、A,B,A,C,B,A...のように、規定される。
このようなコントロールテーブル6が用意されている場合、20代女性がコンテンツサーバ1に配信要求すると、その視聴者に対する第1回の広告露出時には、まず、広告Aが露出される。さらに、その次の広告露出時には、広告Bが表示される。以下、同様に、各広
告露出タイミングにおいて、A,C,B,A...のように、広告が露出される。
このような露出制御の開始は、例えば、広告サーバ2においてコントロールテーブル6の内容が更新されて時点(例えば、週1回の定期的な更新の時点)とすればよい。また、例えば、1回のセッション、すなわち、視聴者がコンテンツサーバ1に視聴者要求した後、その視聴が終了までの期間において上記制御を行ってもよい。
例えば、週1回のコントロールテーブル6の更新時点を区切りとして上記制御を行う場合、単一の広告サーバ2は、次のコントロールテーブル6更新までの1週間、コンテンツサーバ1から要求があるごとに、上記コントロールテーブル6の配信パターン(20代女性に対するA,B,A,C,B,A...等)にしたがって、広告を配信する。
また、複数のコンテンツサーバ1が用意されている場合、各コンテンツサーバ1に対してそのような制御を実行すればよい。例えば、100台のコンテンツサーバ1からの要求に対して、各々個別に上記制御を実行すればよい。
一方、1回のセッションに対して上記制御を行う場合、例えば、1万人の視聴者から要求があった場合、各視聴者からの1回の要求によるコンテンツ配信中において上記制御を実行すればよい。
<データ構造>
図5は、広告主との契約に基づく広告条件を格納するテーブル(オーダテーブルという)のデータ例である。このオーダテーブルの各行には、広告主ごとの広告条件が格納される。オーダテーブルの各行は、広告主、ターゲット年齢、性別、地域、規定視聴回数および期間の各欄を有している。ただし、図5は、オーダテーブルの例であり、本発明の実施がこのようなオーダテーブルの構成に限定されるものではない。
広告主の欄には、広告主を識別する名称が記述される。また、ターゲット年齢の欄には、広告のターゲットとして広告主が希望する年齢層が記述される。例えば、20代(20歳−29歳)等である。
また、性別の欄には、広告のターゲットとして広告主が希望する性別が記述される。また、地域の欄には、広告のターゲットとして広告主が希望する地域が記述される。
また、規定視聴回数は、ターゲットに対して広告を視聴させるべき回数が記述される。また、期間の欄には、最低露出本数を実現する期間が記述される。例えば、規定視聴回数が50万回で、期間が7月中であった場合、7月1日から7月31日の間に50万回視聴者に視聴させるという広告主からのオーダを示している。
図6に、露出順ごとの視聴率を格納する視聴確率テーブルの例を示す。この例では、視聴確率テーブルは、複数の広告を所定の順序で並べて、所定の間隔でコンテンツ内に挿入して放送した場合の各広告の視聴率の経験値を示している。この例では、1番目の広告は、87%、2番目の広告は67%、3番目の広告は26%、4番目の広告は5%、5番目の広告は2%のようになっている。
したがって、このように広告が挿入されたコンテンツを例えば百万回配信した場合、1番目に配信される広告が実際に視聴される回数は87万回、2番目に配信される広告の視聴回数は67万回のように予測できる。
また、例えば、図5に示したB社の場合、規定視聴回数は30万回である。したがって、
広告露出順の先頭にB社の広告が設定された場合、必要な配信回数(放送回数)は、300,000/0.87=344、482回となる。また、オーダテーブルの2番目に設定された場合、必要な配信回数(放送回数)は、300,000/0.67=447、762回となる。なお、このような視聴確率は、すべての視聴者によって必ずしも共通ではなく、特性情報で分類される視聴者ごとに異なる視聴確率となる。
図7は、視聴者の特性情報(特性情報テーブル7)と、その特性情報を有する視聴者の視聴確率(視聴確率テーブル8)との関連図である。図7に示すように、特性情報テーブル6は、性別、年齢、家庭内役割、その他の属性(Q1、Q2、...Qn)および視聴確率テーブルへのポインタを有している。
これにより、性別、年齢、家庭内役割、その他の属性による分類がポインタを介して視聴確率テーブル8のエントリとリンクされる。視聴確率テーブル8には、図6に示した露出順ごとの視聴確率(図7では、P11のように示される)が記述される。これにより、広告サーバ2は、視聴者の特性情報ごとに視聴確率を参照することができ、露出順を制御するコントロールテーブル6を生成できる。
図8は、複数のコントロールテーブル6のローテーションにより広告の露出順を制御する処理概要を示す図である。図8の例では、コントロールテーブル6が601〜610の10個のテーブルで示されている。ここでは、コントロールテーブル6という場合、コントロールテーブル601〜610のいずれかをいうものとする。
本実施形態の情報システムでは、視聴者の特性情報ごとに複数のコントロールテーブル601〜610が設けられ、広告サーバ2は、所定の切り替えタイミングごとにコントロールテーブル601〜610を順次選択する。
例えば、コントロールテーブル6の切り替えタイミングを50000回のコンテンツ配信とした場合を想定する。その場合には、コントロールテーブル6は、1回のコンテンツ配信においてそのコンテンツに挿入される広告の順序を規定することになる。そして、図8によれば、最初の50000回の番組配信において、コントロールテーブル601が使用され、広告A,C,B,D,E,F...の順で広告がコンテンツ(50000回のコンテンツ配信において、コンテンツは同一である必要はない)に挿入され、視聴者に配信されることになる。
また、次の50000回(50001回から100000回)のコンテンツ配信において、コントロールテーブル602が使用され、広告A,C,B,E,D,F...の順で広告がコンテンツに挿入され、視聴者に配信されることになる。
以下、50000回の番組配信ごとに順次コントロールテーブル603、604,...,610のようにコントロールテーブル601〜610が選択され、そのコントロールテーブル601〜610にしたがって、各コンテンツに広告が挿入されることになる。
このように、広告サーバ2は、参照するコントロールテーブル601〜610をローテーションしつつ、露出する広告を決定する。
図8の場合、特定の性別、年齢、家庭内役割、その他の属性による分類に対して、10個のコントロールテーブル6が用意されている。そして、この分類の特性情報に対する視聴確率テーブルの内容は、図6と同一であると仮定する。
図8の例では、コントロールテーブル601〜605において広告Aが先頭(この視聴確
率は図6より0.87)に設定される。また、コントロールテーブル606〜608において広告Aが2番目(この視聴確率は図6より0.67)に設定される。また、コントロールテーブル609〜610において広告Aが先頭(この視聴確率は図6より0.26)に設定される。
したがって、このコントロールテーブル601〜610により、各50000回(50000回の中には同一のコンテンツがあってもいいし、異なるコンテンツがあってもよい)のコンテンツ配信を実行した場合、広告Aについては、
テーブル01〜05:50000×5×0.87=217,500
テーブル06〜08:50000×3×0.67=100,500
テーブル09〜10:50000×2×0.26= 26,000
合計:217,500+100,500+26,000=343,500回のの視聴が期待できる。
本実施形態において、広告サーバ2は、このような視聴回数がオーダテーブルの規定視聴回数を上回るように、各コントロールテーブル6中の露出順を広告ごとに決定する。したがって、各広告が規定視聴回数を達成するように、コントロールテーブル6の数、または、コントロールテーブル6の切り替えタイミング(コンテンツを何回配信したとき、切り替えるか)が設定されることになる。
<コントロールテーブル生成処理フローおよび広告配信フロー>
以下、広告サーバ2において実行される処理のフローを示す。図9は、広告露出順を規定するコントロールテーブル6の生成処理を示すフローチャートである。この処理は、所定の期間ごとに、例えば、1週間ごと、1月ごとにコントロールテーブル6を生成するための処理である。
この処理では、まず、広告サーバ2は、オーダテーブル2より次の広告主の広告を参照する(S1)。そして、広告サーバ2は、その広告主の広告の露出順序割当処理を実行する(S2)。
次に、広告サーバ2は、すべての広告をコントロールテーブル6に割り当てたか否かを判定する(S3)。まだ、コントロールテーブル6に割り当てていない広告がオーダテーブルに残っている場合、広告サーバ2は制御をS1に戻す。
一方、オーダされたすべての広告をコントロールテーブル6に割り当てた場合、広告サーバ2は、制御を終了する。
図10は、図9に示した広告露出順割当処理(S2)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、広告サーバ2は、まず、次のコントロールテーブル6を選択する(S20)。
そして、広告サーバ2は、現在コントロールテーブル6に割り当てようとしている広告(以下、当該広告という)の規定視聴回数をオーダテーブルで参照する(S21)。また、広告サーバ2は、当該広告の配信対象、すなわち、望ましい視聴者の特性情報を参照する(S22)。そして、広告サーバ2は、その配信対象の特性情報にリンクされる視聴確率(図7)を参照する(S23)。
そして、広告サーバ2は、空欄のコントロールテーブル6の空欄のエントリに対応する露出順位のうち、規定視聴回数を超えない範囲で最大の視聴回数となる露出順位決定し、当該空欄のエントリに設定する(S24)。
上記設定により規定視聴回数が充足されるか否かを判定する(S25)。規定視聴回数が充足されない場合、広告サーバ2は、制御をS20に戻す。一方、規定視聴回数が充足された場合、広告サーバ2は処理を終了する。
このように、本情報システムによれば、各広告について規定視聴回数が充足されるようにその広告が複数のコントロールテーブル6の複数の露出順の欄に割り当てられる。
図11は広告ローテーション処理を示すフローチャートである。本処理では、広告サーバ2は、図9、10で生成したコントロールテーブル6をローテーションしつつ、コンテンツサーバ1からの配信要求にしたがい、広告主がターゲットとする視聴者に対して適切な広告を適切な露出順位で提供する。
以下、本実施形態では、図8で例示したように、1つコントロールテーブル6により、1つのコンテンツ(番組)における広告配信の順序を制御する。そして、1つのコントロールテーブル6について、所定数の番組(例えば、図8で示した5万回の番組配信)に対する広告の露出が完了すると、次のコントロールテーブル6が選択され、同様の処理が繰り返される。
この処理では、広告サーバ2は、まず、番組開始数および広告配信回数という2つのパラメータを初期化する(S99)。そして、広告サーバ2は、広告の配信要求待ちの状態になる(S100)。そして、コンテンツサーバ1から広告の配信要求があると、広告サーバ1は、新たなコンテンツ(番組)の配信開始か否かを判定する(S101)。そして、新たなコンテンツの開始の場合、広告サーバ2は、視聴者特性情報によりローテーションするテーブル群を参照する(S102)。さらに、広告サーバ2は、番組開始数をインクレメントする(S103)。
そして、広告サーバ2は、番組開始数が規定回数(例えば、図8の例では5万回)を超えたか否かを判定する(S104)。番組開始数が規定回数を超えた場合、広告サーバ2は、次のコントロールテーブル6を選択する(S105)。このとき、番組開始数が初期設定される。
次に、広告サーバ2は、当該番組での広告配信回数を初期化する(S106)。これにより、コントロールテーブル6の先頭の広告が選択されるようになる。そして、広告サーバ2は、当該コントロールテーブル6での当該配信回数における配信広告を選択し、コンテンツサーバ1に送信する(S108)。その後、広告サーバ2は、制御をS100に戻す。
一方、S101の判定で新たな番組の開始でない場合、すなわち、番組途中での広告の配信要求の場合、広告サーバ2は当該コントロールテーブル6での広告配信回数をインクリメントする(S107)。これにより、コントロールテーブル6中の次の広告が選択されるようになる。そして、広告サーバ2は、制御をS108に進める。以下、上記同様の処理を実行する。
以上述べたように、本実施形態によれば、視聴者からのコンテンツ配信要求時、視聴者の特性情報を参照し、その視聴者の特性情報に適した広告が選択される。これを広告主の立場からは、広告主が希望するターゲットの視聴者に広告を配信することができることになる。
また、本実施形態によれば、過去の経験値から蓄積された、広告露出順における視聴確率
を参照し、各広告の露出順を決定する。このため、単なる広告の露出回数によるのではなく、広告主が希望する視聴回数に近づくように各広告の露出順を制御することができる。
このため、広告主にとってはより確実に広告の視聴回数を達成できる。また、広告業者にとっては、不必要に配信回数(露出回数)を増加させることなく、広告主の希望する視聴回数を達成できる。
<変形例>
上記実施形態では、コンテンツサーバ1と広告サーバ2からなる情報システムにおいて、主として広告サーバ2の処理として、上記機能のような露出順を制御する例を示した。しかし、本発明の実施はこのような構成に限定されない。すなわち、上記広告サーバ2の処理の一部をコンテンツサーバ1で実行してもよい。
例えば、コントロールテーブル6の生成、コントロールテーブル6による広告の選択をコンテンツサーバ1において実行し、広告サーバ2は、コンテンツサーバ1により選択された広告をそのままコンテンツサーバ1に引き渡す処理としてもよい。また、コンテンツサーバ1と広告サーバ2の処理を単一のコンピュータで実行してもよい。
《第2実施形態》
以下、本発明の第2実施形態に係る情報システムを図12および図13の図面に基いて説明する。図12は、本実施形態に係る情報システムのシステム構成図であり、図13は、本情報システムのデータフローを示す図である。
上記第1実施形態では、視聴者ごとに広告の配信順を予め規定し、その広告順に広告を視聴者のセットトップボックス5に配信する情報システムの例を示した。
本実施形態では、事前に広告を受信して内蔵のハードディスクに蓄積しておき、視聴者ごとに事前に規定された順序で蓄積した広告を表示するハードディスク内蔵のセットトップボックスを含む情報システムの例を説明する。他の構成および作用は第1実施形態と同様である。そこで、同一の構成要素については同様の符号を付してその説明を省略する。なお、本実施形態では、ハードディスクを内蔵するセットトップボックスを例にして説明する。しかし、本発明の実施はこのような構成に限定されるものではない。すなわち、視聴者は、発明の概要で例示したような他の端末装置6であって記憶手段を有するものを使用してもよい。記憶手段は、例えば、ハードディスク装置の他、DVD装置等であってもよい。
図12に、本情報システムのシステム構成を示す。この情報システムは、伝送媒体を介して、視聴者の家庭に設置されたハードディスク(HDD)等の蓄積手段内蔵のセットトップボックス5Aをビデオオンディマンド会社に設置されたコンテンツサーバ1および広告業者(アドプロバイダ)が運用する広告サーバ2に接続して構成される。伝送媒体は、例えば、ブロードバンドネットワーク4または人工衛星7による衛星放送波等である。
セットトップボックス5Aは、ハードディスク、DVD等の蓄積手段を内蔵し、広告を構成する広告データを記憶することができる。また、セットトップボックス5Aは、第1実施形態で述べた広告の露出順を規定するコントロールテーブル6を記録する。
このような広告データまたはコントロールテーブル6を蓄積するセットトップボックス5Aの記憶領域は、視聴者が操作することのできない排他領域とすればよい。
本情報システムでは、広告サーバ2は、ブロードバンドネットワーク4または衛星放送波
を通じて事前にセットトップボックス5Aに広告をダウンロードしておく。また、広告サーバ2は、コントロールテーブルをブロードバンドネットワーク4または衛星放送波を通じて事前にセットトップボックス5Aにコントロールテーブル6をダウンロードする。コントロールテーブル6は、第1実施形態と同様、広告主の依頼に基づいて所望の視聴回数が得られるよう所望の視聴者に配信するようにすればよい。その場合、広告およびコントロールテーブル6は、特願2000−197186で提案したようにセットトップボックス5Aの排他領域に格納すればよい。
図13は、そのようなセットトップボックス5Aの排他領域に広告データとコントロールテーブル6を格納しておき、受信するコンテンツとともに排他領域に蓄積された広告データを表示するシステムのデータフローである。
図13の例では、配信されるコンテンツ(番組)には、広告呼び出し信号により指定される広告時間帯が含まれている。広告呼び出し信号は、例えば、デジタル放送のトランスポートストリームで規定される番組配列情報(SI)の規定にしたがい、広告の開始を示す記述子によって指定すればよい。
セットトップボックス5Aは、記憶装置に格納された視聴者の特性情報に合致したコントロールテーブル6を選択しているので、そのコントロールテーブル6にしたがい、広告露出順を参照し、その露出順にしたがい、広告を選択し、空き領域に埋め込んでいく。このようにして、選択した広告が埋め込まれたコンテンツが表示部(セットトップボックス5Aに接続されているディスプレイ)に出力されることになる。
この場合、コンテンツサーバ1または広告サーバ2は、視聴者ごとに個別にコントロールテーブル6を作成し、所定の時間間隔で配信するようにすればよい。コンテンツサーバ1を利用する視聴者は、例えば、コンテンツ配信サービスへの加入者番号で識別される。したがって、例えば、加入者番号N1の視聴者には、広告A、B、C、D等がA,B,A,C,B,Aの順序で露出制御されることになる。また、加入者番号N2の視聴者には、広告D、D、D,C,D,C,Dの順序で露出制御されることになる。この露出制御は第1実施形態の広告サーバ2で行ったものと同様である(図11参照)。
このように、本実施形態の情報システムによれば、各視聴者に対し、予め決められた順序で広告を露出できる。各視聴者は、利用するコンテンツあるいは視聴する番組とは無関係にコントロールテーブル6に規定された順序で広告を視聴することになる。
<変形例>
上記実施形態では、視聴者ごとに個別にコントロールテーブル6が配信された。しかし、本発明の実施はこのような構成および手順には限定されない。例えば、視聴者あるいは視聴者の家庭の特性に応じたコントロールテーブル6を配信するようにしてもよい。
そのためには、セットトップボックス5Aに、視聴者の特性情報(20代女性、20代男性、関東在住の女性、関東在住の女性等)を事前に視聴者が設定しておくようにすればよい。そして、広告サーバ2またはコンテンツサーバ1等から配信されるコントロールテーブル6のうち、当該視聴者の特性情報に合致するコントロールテーブル6を選択して、セットトップボックス5A内に蓄積するようにすればよい。
例えば、コントロールテーブル6の配信時、各コントロールテーブル6がどのような特性情報の視聴者に合致するかを示す識別情報を設定しておけばよい。そして、セットトップボックス5Aに設定された特性情報から決定される識別情報と、各コントロールテーブル6に設定された識別情報が合致するか否かにより、セットトップボックス5Aに蓄積する
か否かを決定すればよい。このような構成とすることで、コントロールテーブル6の配信により、広告主の希望に合致する視聴者に、希望する回数だけ広告を視聴させることができる。
《複数ケーブルテレビ会社における配信を制御する例》
上記実施形態では、1つのVODにおける広告の露出制御について説明した。しかし、これを例えば、複数のケーブルテレビ会社対する広告の露出制御に適用してもよい。
図14にそのような複数のケーブルテレビ会社からなるシステムへの適用例を示す。この例では、広告プロバイダ20の下に、ケーブルテレビ会社A,B,C,D等がリンクしている。
例えば、ケーブルテレビ会社Aは、月10000回のビデオオンディマンド視聴がある。同様に、ケーブルテレビ会社B、C、およびD各々は、月8000、月5000回、および12000回のビデオオンディマンド視聴がある。
したがって、これらを総計すると、月35000回のビデオオンディマンド視聴に対して、上記同様の広告ローテーションを適用できる。その場合、上記実施形態で示した視聴確率に基づく露出順制御を行うことで、広告主に対して、より正確な広告視聴回数を保証できることになる。
例えば、各ビデオオンディマンド会社ごとに固有のコントロールテーブル6で広告ローテーション(図8から図11で示した処理)を実行するようにしてもよい。また、各ビデオオンディマンド会社に契約した利用者ごとに広告ローテーションを実行してもよい。さらに、各利用者がビデオオンディマンド会社に接続したセッションごとに広告ローテーションを実行してもよい。
いずれにしても、広告プロバイダ20は、広告主からの依頼(図5のオーダテーブル)を基に、コントロールテーブル6を作成し、各ビデオオンディマンド会社において露出する広告を制御すればよい。逆に、広告プロバイダ20は、例えば、2000回露出パッケージ、1000回露出パッケージ等、露出回数や視聴回数を規定した広告サービスを広告主に提供すればよい。
このようなサービスは、第1実施形態で示した情報システムと複数組み合わせて提供してもよいし、第2実施形態で示した情報システムと複数組み合わせて提供してもよい。
本発明の概要を示す情報システムの例 本発明の第1実施形態に係る情報システムのデータフロー図(1) 本発明の第1実施形態に係る情報システムのデータフロー図(2) 従来技術と比較した本情報システムの概要を示す図 オーダテーブルのデータ例 視聴確率テーブルのデータ例 視聴者の特性情報と視聴確率テーブルとの関連図 コントロールテーブル6により広告の露出順を制御する処理概要を示す図 コントロールテーブル6生成処理を示すフローチャート 広告露出順割当処理の詳細を示すフローチャート コントロールテーブル6により広告の露出順を制御する処理を示すフローチャート 本発明の第2実施形態に係る情報システムのシステム構成図 セットトップボックスの排他領域に蓄積された広告データを表示するシステムのデータフロー ケーブルテレビへの適用例
符号の説明
1 コンテンツサーバ
2 広告サーバ
3 顧客データベース
4 ブロードバンドネットワーク
5 セットトップボックス
6、601−610 コントロールテーブル
7 特性情報テーブル
8 視聴確率テーブル

Claims (22)

  1. コンテンツを提供するシステムと連携し利用者に広告データを配信する広告サーバであり、
    コンテンツの利用者を識別する手段と、
    利用者ごとに広告データ提供順を規定した順序制御情報を参照する手段と、
    前記順序制御情報に規定された順序で広告データを配信する配信手段とを備える広告サーバ。
  2. 前記広告データを配信すべき配信時点を検知する手段をさらに備え、
    前記配信手段は、前記検知された配信時点における規定された順序の広告データを配信する請求項1に記載の広告サーバ。
  3. 前記順序制御情報を更新する手段をさらに備える請求項1または2に記載の広告サーバ。
  4. コンテンツを提供するシステムと連携し利用者に広告データを出力する端末であり、
    広告データを格納する手段と、
    利用者ごとに広告データの出力順を規定した順序制御情報を参照する手段と、
    前記順序制御情報に規定された順序で前記広告データを参照して出力する出力手段とを備える端末。
  5. 前記広告データを出力すべき出力時点を検知する手段をさらに備え、
    前記出力手段は、前記検知された出力時点における規定された順序の広告データを出力する請求項4に記載の端末。
  6. 前記広告データまたは前記順序制御情報の少なくとも一方は利用者の操作から保護された保護領域に格納される請求項4または5に記載の端末。
  7. 利用者の特性データを参照する手段と、
    前記順序制御情報を受信する手段と、
    受信した順序制御情報から利用者の特性データに適合する順序制御情報を前記保護領域に格納する手段とをさらに備える請求項6に記載の端末。
  8. コンピュータが、コンテンツを提供するシステムと連携し利用者に広告データを配信する広告データ配信方法であり、
    コンテンツの利用者を識別するステップと、
    利用者ごとに広告データ提供順を規定した順序制御情報を参照するステップと、
    前記順序制御情報に規定された順序で広告データを配信する配信ステップとを備える広告データ配信方法。
  9. 前記広告データを配信すべき配信時点を検知するステップをさらに備え、
    前記配信ステップでは、前記検知された配信時点における規定された順序の広告データが配信される請求項8に記載の広告データ配信方法。
  10. 前記順序制御情報を更新する手段をさらに備える請求項8または9に記載の広告データ配信方法。
  11. 利用者の操作から保護された保護領域を有する端末を、コンテンツを提供するシステムと連携させ利用者に広告データを提供させるプログラムであり、
    広告データを前記保護領域に格納するステップと、
    利用者ごとに広告データ提供順を規定した順序制御情報を参照するステップと、
    前記順序制御情報に規定された順序で前記保護領域の広告データを参照して出力する出力ステップとを備えるプログラム。
  12. 前記広告データを出力すべき出力時点を検知するステップをさらに備え、
    前記出力ステップでは、前記検知された出力時点における規定された順序の広告データが出力される請求項11に記載のプログラム。
  13. 利用者の特性データを参照するステップと、
    前記順序制御情報を受信するステップと、
    受信した順序制御情報から利用者の特性データに適合する順序制御情報を前記保護領域に格納するステップとをさらに備える請求項11または12に記載のプログラム。
  14. 利用者からコンテンツの配信依頼を受け付ける手段と、
    前記利用者の特性データを参照する手段と、
    前記特性データを有する利用者に提供される、そのような複数の広告データの提供順を規定する順序制御情報を参照する手段と、
    前記順序制御情報に基づき前記コンテンツとともに配信する広告データを決定する手段と、
    前記コンテンツとともに広告データを配信する手段と
    を備える情報提供システム。
  15. 配信装置と受信装置とを備え、利用者にコンテンツを配信する配信システムであり、
    前記配信装置は、コンテンツとともに広告データ出力のための指示情報を配信する手段を有し、
    前記受信装置は、
    前記指示情報を検知する手段と、
    前記利用者に提供される、そのような複数の広告データの出力順を規定する順序制御情報を参照する手段と、
    前記順序制御情報に基づき前記コンテンツとともに広告データを出力する手段と
    を有する情報提供システム。
  16. 前記配信装置は、利用者の特性データに応じて設定される前記順序制御情報をその特性データを識別する情報とともに配信する手段をさらに有し、
    前記受信装置は、当該利用者の特性データを参照する手段と、
    その特性データに合致する順序制御情報を選択して保存する手段とをさらに有する請求項15に記載の情報提供システム。
  17. 受信装置にコンテンツと広告データとを出力させる配信装置であり、
    前記コンテンツとともに広告データを出力させるための指示情報を前記コンテンツに組み合わせる手段と、
    前記コンテンツと指示情報とを配信する手段と、
    コンテンツ利用者の特性データに応じて設定され、前記受信装置において当該利用者に提供される複数の広告データの出力順を規定する順序制御情報をその特性データを識別する情報とともに配信する手段とを備える配信装置。
  18. 所定の広告データについて、その広告データを視聴者に視聴させたい規定視聴回数を参照する手段と、
    広告データの提供順に対する広告視聴確率を参照する手段と、
    前記規定視聴回数と前記広告視聴確率との関係から前記所定の広告データに対して前記規
    定視聴回数を充足するための順序制御情報を生成する手段とをさらに備える請求項17に記載の配信装置。
  19. コンテンツを受信する手段と、
    複数広告データの出力順を規定する順序制御情報を受信する手段と、
    コンテンツ利用者の特性データを参照する手段と、
    その特性データに合致する順序制御情報を選択して保存する手段と、
    前記順序制御情報を参照する手段と、
    前記順序制御情報に基づき前記コンテンツとともに広告データを出力する手段と
    を備える受信装置。
  20. コンピュータが、利用者からコンテンツの配信依頼を受け付けるステップと、
    前記利用者の特性データを参照するステップと、
    前記特性データを有する利用者に提供される、そのような複数の広告データの提供順を規定する順序制御情報を参照するステップと、
    前記順序制御情報に基づき前記コンテンツとともに配信する広告データを決定するステップと、
    前記コンテンツとともに広告データを配信するステップと
    を備える配信方法。
  21. 配信装置を制御するコンピュータが受信装置にコンテンツと広告データとを出力させる配信方法であり、
    前記コンテンツとともに広告データを出力させるための指示情報を前記コンテンツに組み合わせるステップと、
    前記コンテンツと指示情報とを配信するステップと、
    コンテンツ利用者の特性データに応じて設定され、前記受信装置において当該利用者に提供される複数の広告データの出力順を規定する順序制御情報をその特性データを識別する情報とともに配信するステップを備える配信方法。
  22. 所定の広告データについて、その広告データを利用者に視聴させたい規定視聴回数を参照するステップと、
    広告の提供順に対する広告視聴確率を参照するステップと、
    前記規定視聴回数と前記広告視聴確率との関係から前記所定の広告データに対して前記規定視聴回数を充足するための順序制御情報を生成するステップとをさらに備える請求項20または21に記載の配信方法。
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