JP2009121402A - 可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁 - Google Patents

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文浩 奥村
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【課題】 第1の噴孔群からの噴霧を高拡散低貫徹力の噴霧とするとともに、低拡散高貫徹力の噴霧とすることができ、これにより未燃燃料の排出の抑制とエンジンの出力性能の確保との両立を図ることができる可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁、及びさらには第2の噴孔群から先に燃料噴射を行う場合に噴射実圧も確保できる可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】 ボディ105と、第1の噴孔群103を開閉するアウタニードル206と、第2の噴孔群104を開閉するインナニードル207とを有して構成される燃料噴射弁200Aであって、アウタニードル206のリフト状態に応じて、アウタニードル206及びインナニードル207間の流路F1を流通する燃料の流量を絞る状態と、絞らない状態との間で状態が切り替わる流路構造を備える。この流路構造は凸部206aと凹部207aとで構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁に関する。
従来、異なる噴孔群を段階的に開放する可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁が知られている。図13は可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁の一例として、可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁100(以下、単に燃料噴射弁100と称す)の要部を模式的に示す図である。燃料噴射弁100は、第1及び第2の噴孔群103、104が形成されたボディ105と、ボディ105に摺動自在に収容され、噴孔群103を開閉する筒状のアウタニードル(請求項記載の第1のニードルに相当)106と、アウタニードル106に摺動自在に挿通され、第2の噴孔群104を開閉するインナニードル(請求項記載の第2のニードルに相当)107と、第1の噴孔群103を閉止する方向にアウタニードル106を付勢するアウタニードルセットスプリング108と、第2の噴孔群104を閉止する方向にインナニードル107を付勢するインナニードルセットスプリング109とを有して構成されている。
燃料噴射弁100は単一の背圧室110を有しており、この背圧室110に連通する燃料流路は、電磁弁で実現された背圧制御手段111によって切り換えられる。背圧制御手段111が背圧室110と供給側流路113とを連通すると、高圧燃料が背圧室110に導入され、この結果、アウタニードル106及びインナニードル107は背圧により閉孔方向に付勢される。一方、背圧制御手段111が背圧室110と排出側流路112とを連通すると、背圧室110からの高圧燃料の排出が始まる。この結果、アウタニードル106及びインナニードル107にかかる背圧が低下し、背圧に基づく付勢力も低下する。さらにこの付勢力とアウタニードルセットスプリング108の弾性力(付勢力)との和が噴射用に供給される燃料の燃圧に基づく付勢力よりも小さくなると、まずアウタニードル106が第1の噴孔群103を開放する方向に移動を始め、第1の噴孔群103からの燃料噴射が始まる。続いてアウタニードル106の係合部がインナニードル107の係合部に係合すると、インナニードル107が開孔方向に移動を始め、第2の噴孔群104からの燃料噴射が始まる。なお、この燃料噴射弁100は、噴射用に供給される燃料の燃圧を切り替えることでアウタニードル106よりも先にインナニードル107をリフトさせることもでき、これにより第2の噴孔群104から先に燃料噴射を行うこともできる。
可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁に関する技術は、例えば特許文献1で提案されている。
特開2007−71093号公報
可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁では、通常、第1の噴孔群(103)からの噴霧は貫徹力が強くなりがちで、これがエンジン軽負荷域での未燃燃料の排出の原因となる。しかしながら、第1の噴孔群からの噴霧につき、貫徹力が一律に弱まるようにした場合には、エンジン中高負荷域での煤の排出量の増加や、全負荷性能の低下を招いてしまう。すなわち、可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁では、第1の噴孔群からの噴霧を、未燃燃料の排出抑制とエンジンの出力性能との両立を図ることができる噴霧とすることが課題となっており、未燃燃料の排出を抑制するためには第1の噴孔群からの噴霧を高拡散低貫徹力の噴霧とし、エンジンの出力性能を確保するためには第1の噴孔群からの噴霧を低拡散高貫徹力の噴霧とすることが必要とされる。
また可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁では、例えば排気エミッション低減の観点から機関運転状態によっては、第1の噴孔群よりも先に第2の噴孔群から燃料噴射を行ったほうが好ましい場合がある。この点、第1の噴孔群よりも先に第2の噴孔群から燃料噴射を行う場合、燃料は第1及び第2のニードル間の流路(以下、単にニードル間流路とも称す)を流通して第2の噴孔群に到達するところ、第2のニードルは径が小さく流路面積も小さいことから、噴射実圧が低下し易い。このため可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁は係る点に配慮し、第2の噴孔群から先に燃料噴射を行う場合に、さらに噴射実圧も確保できるものであることが望ましい。
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、第1の噴孔群からの噴霧を高拡散低貫徹力の噴霧とするとともに、低拡散高貫徹力の噴霧とすることができ、これにより未燃燃料の排出の抑制とエンジンの出力性能の確保との両立を図ることができる可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁、及びさらには第2の噴孔群から先に燃料噴射を行う場合に噴射実圧も確保できる可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は第1及び第2の噴孔群が形成されたボディと、当該ボディに摺動自在に収容され、前記第1の噴孔群を開閉する筒状の第1のニードルと、当該第1のニードルに摺動自在に挿通され、前記第2の噴孔群を開閉する第2のニードルとを有して構成される可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁であって、前記第1のニードルのリフト状態に応じて、前記第1及び第2のニードル間の流路を流通する燃料の流量を絞る状態と、絞らない状態との間で状態が切り替わる流路構造を備えることを特徴とする。
ここで、図1を用いて第1の噴孔群に流入する燃料の流動態様について説明する。図1(a)に示すように、第1及び第2のニードル間の流路を流通した燃料は、第1の噴孔群に下側から流入する。この下側から流入する燃料は噴孔で向きが急変しない。一方、図1(b)に示すように、第1の噴孔群に上側から流入する燃料は噴孔で向きが急変する。このため、上側から流入する燃料は入口部で大きく剥離し、貫徹力が低下する。
本発明はこのような第1の噴孔群に流入する燃料の流入態様に着目してなされたものであり、本発明によれば、流路構造が第1及び第2のニードル間の流路を流通する燃料の流量を絞る状態になることで、下側から流入する燃料の割合を小さく、上側から流入する燃料の割合を大きくすることができ、以って第1の噴孔群に係る噴霧を高拡散低貫徹力の噴霧とすることができる。このため本発明によれば、適宜のリフト状態で第1の噴孔群に係る噴霧を高拡散低貫徹力の噴霧とすることで、未燃燃料の排出を抑制できる。また本発明によれば、流路構造が第1及び第2のニードル間の流路を流通する燃料を絞らない状態になることで、下側から流入する燃料の割合を大きく、上側から流入する燃料の割合を小さくすることができ、以って第1の噴孔群に係る噴霧を低拡散高貫徹力の噴霧とすることができる。このため本発明によれば、適宜のリフト状態で第1の噴孔群に係る噴霧を低拡散高貫徹力の噴霧とすることで、エンジンの出力性能も確保できる。
また本発明は前記流路構造が、前記第1のニードルが低リフト状態にあるときに、前記流路を流通する燃料の流量を絞る状態になるとともに、前記第1のニードルが高リフト状態にあるときに、前記流路を流通する燃料の流量を絞らない状態になってもよい。未燃燃料の排出を抑制するにあたっては、具体的には例えば本発明のように第1のニードルが低リフト状態にあるときに、流路構造が第1及び第2のニードル間の流路を流通する燃料の流量を絞る状態となるようにし、これにより第1の噴孔群からの噴霧を高拡散低貫徹力の噴霧とすることが好ましい。また出力性能も確保するにあたっては、具体的には例えば本発明のように第1のニードルが高リフト状態にあるときに、流路構造が第1及び第2のニードル間の流路を流通する燃料を絞らない状態となるようにし、これにより第1の噴孔群に係る噴霧を低拡散高貫徹力の噴霧とすることが好ましい。
また本発明は前記流路構造が、前記第1のニードルの内周部または前記第2のニードルの外周部のうち、いずれか一方に設けられた凹部と、当該凹部とオーバラップすることで屈曲する流路を形成する他方に設けられた凸部とで構成されており、前記第1のニードルが低リフト状態であるときに、前記凹部と前記凸部とがオーバラップしないことで、前記流路を流通する燃料の流量を絞る状態になるとともに、前記第1のニードルが高リフト状態であるときに、前記凹部と前記凸部とがオーバラップすることで、前記流路を流通する燃料の流量を絞らない状態になってもよい。また流路構造は、具体的には例えば本発明のように構成することができる。
また本発明は前記流路構造が、前記第1のニードルが着座した状態で、且つ前記第2のニードルが着座していない状態であるときにも、前記凸部とオーバラップする追加凹部をさらに備えてもよい。本発明によれば、第2の噴孔群からの燃料噴射を先に行う場合には、第1及び第2のニードル間の流路を流通する燃料の流量が絞られないので、さらに第2の噴孔群から先に燃料噴射を行う場合に噴射実圧も確保できる。
本発明によれば、第1の噴孔群からの噴霧を高拡散低貫徹力の噴霧とするとともに、低拡散高貫徹力の噴霧とすることができ、これにより未燃燃料の排出の抑制とエンジンの出力性能の確保との両立を図ることができる可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁、及びさらには第2の噴孔群から先に燃料噴射を行う場合に噴射実圧も確保できる可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁を提供できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
図2は本実施例に係る可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁(以下、単に燃料噴射弁と称す)200Aの要部を模式的に示す図である。燃料噴射弁200Aはアウタニードル106の代わりにアウタニードル206を、インナニードル107の代わりにインナニードル207Aを備えている点以外、図13に示す燃料噴射弁100と実質的に同一のものとなっている。アウタニードル206には連通孔206cが形成されている。連通孔206cはニードル間流路F1とアウタニードル206の外側にある燃料流路F2とを連通している。燃料はこの連通孔206cを通じてアウタニードル206の外側にある燃料流路F2からニードル間流路F1に供給される。ニードル間流路F1はA−A断面で図示のように形成されている。
アウタニードル206は凸部206aを、インナニードル207Aは凹部207aを夫々備えている。アウタニードル206は、その内周部に凹状の燃料溜まり部206bを備えている。凸部206aは内周部のうち、具体的にはこの燃料溜まり部206bに一周に亘って形成されている。一方、凹部207aはインナニードル207Aのうち、アウタニードル206の内周部と対向する外周部に一周に亘って形成されている。また凸部206aと凹部207aとは互いにオーバラップすることで、断面コの字状に屈曲する流路を形成するように形成されている。本実施例では流路構造がこの凸部206aと凹部207aとで実現されている。
図3はアウタニードル206が低リフト状態にあるとき(以下、単に低リフト時とも称す)の燃料噴射弁200Aの要部を拡大して模式的に示す図である。凸部206aと凹部207aとは、低リフト時には互いにオーバラップしないように配置されている。このとき凸部206aはインナニードル207Aの外周部に対向するとともに、凸部206aとインナニードル207Aの外周部との間隔を摺動クリアランスと同等のごく狭いものとするように形成されている。このように低リフト時に凸部206aと凹部207aとがオーバラップしないことで、ニードル間流路F1を流通する燃料の流量を絞る状態が実現される。この状態でアウタニードル206は第1の噴孔群103を開放するので、第1の噴孔群103からは燃料が噴射される。
なお、凸部206aとインナニードル207Aの外周部との上記間隔は凸部206aの高さにより適宜設定することができ、これにより絞りを適宜の度合いに設定することができる。また凸部206aの断面形状は図示のような四角形であることに限られず、絞りの度合いや製造容易性などといった観点から例えば台形や三角形であることなど適宜の形状に設定されてよい。同様に凹部207aの断面形状も図示のような四角形であることに限られず、オーバラップ時に凸部206aとともに形成する屈曲した流路を流通する燃料の流通性や製造容易性などといった観点から適宜の形状に設定されてよい。
図4はアウタニードル206が低リフト状態にあるときの第1の噴孔群103周辺部を拡大して模式的に示す図である。低リフト時にはニードル間流路F1を流通する燃料の流量が絞られるので、第1の噴孔群103に下側から流入する燃料の割合が小さくなり、これに伴い燃料流路F2を通じて上側から流入する燃料の割合が大きくなる。上側から流入する燃料は噴孔で向きが急変して剥離するが、その割合が大きくなっているので剥離の影響も大きくなる。この結果、図5に示すように第1の噴孔群103から噴射される燃料の噴霧は、高拡散低貫徹力の噴霧(θが大きく、Lが短い噴霧)となる。
一方、アウタニードル206が高リフト状態にあるとき(以下、単に高リフト時とも称す)には以下のようになる。図6はアウタニードル206が高リフト状態にあるときの燃料噴射弁200Aの要部を拡大して模式的に示す図である。凸部206aと凹部207aとは、高リフト時にはオーバラップするように配置されている。凸部206aと凹部207aとは互いにオーバラップすることで断面コの字状に屈曲する流路を形成する。このように高リフト時に凸部206aと凹部207aとが互いにオーバラップし、屈曲する流路を形成することで、ニードル間流路F1を流通する燃料の流量を絞らない状態が実現される。
図7はアウタニードル206が高リフト状態にあるときの第1の噴孔群103周辺部を拡大して模式的に示す図である。高リフト時にはニードル間流路F1を流通する燃料の流量が絞られないので、低リフト時と比較して第1の噴孔群103に下側から流入する燃料の割合が相対的に大きくなり、これに伴い燃料流路F2を通じて上側から流入する燃料の割合が相対的に小さくなる。この場合、上側から流入する燃料は噴孔で向きが急変して剥離するところ、その割合が小さくなっているので剥離も小さくなる。この結果、図8に示すように第1の噴孔群103から噴射される燃料の噴霧は、低拡散高貫徹力の噴霧(θが小さく、Lが長い噴霧)となる。
このように燃料噴射弁200Aは、第1の噴孔群103からの噴霧を低リフト時に高拡散低貫徹力の噴霧とすることで未燃燃料の排出を抑制でき、また高リフト時に低拡散高貫徹力の噴霧とすることでエンジンの出力性能も確保できる。
図9は本実施例に係る燃料噴射弁200Bの要部を拡大して模式的に示す図である。燃料噴射弁200Bは、インナニードル207Aの代わりにインナニードル207Bを備えている点以外、燃料噴射弁200Aと実質的に同一のものとなっている。インナニードル207Bは追加凹部207bをさらに備えている点以外、インナニードル207Aと実質的に同一のものとなっている。この追加凹部207bはアウタニードル206の内周部と対向する外周部に一周に亘って形成されており、アウタニードル206及びインナニードル207Bが着座した状態であるとき(以下、単に無噴射時と称す)に、凸部206aとオーバラップするように配置されている。
図9は無噴射時の燃料噴射弁200Bの状態を示しており、燃料噴射弁200Bでは無噴射時に追加凹部207bが凸部206aとオーバラップすることで、断面コの字状に屈曲した流路を形成する。これによりニードル間流路F1が絞られないことから、燃料噴射弁200Bでは連通孔206cからニードル間流路F1に燃料を供給することで、無噴射時に安定した圧力を供給することができる。
このため燃料噴射弁200Bは燃料噴射弁200Aと比較して、無噴射時に安定した圧力が供給されない結果、燃料噴射を行う毎に燃料噴射がばらつくことをさらに防止或いは抑制できる。
図10は本実施例に係る燃料噴射弁200Cの要部を拡大して模式的に示す図である。燃料噴射弁200Cは、インナニードル207Aまたは207Bの代わりにインナニードル207Cを備えている点以外、燃料噴射弁200Aまたは200Bと実質的に同一のものとなっている。インナニードル207Cは追加凹部207bの代わりに以下に示すように形成された追加凹部207cを備えている点以外、インナニードル207Bと実質的に同一のものとなっている。この追加凹部207cはアウタニードル206が着座した状態で、且つインナニードル207Cが着座していない状態であるときにも、凸部206aとオーバラップし、凸部206aとともに屈曲した流路を形成するように、アウタニードル206の内周部と対向する外周部に一周に亘って形成されている。
このように形成された追加凹部207cを備えた燃料噴射弁200Cでは、図10(a)に示すように無噴射時に追加凹部207cと凸部206aとが互いにオーバラップする。このため燃料噴射弁200Cは、燃料噴射弁200Bと同様に燃料噴射がばらつくことを防止できる。また追加凹部207cと凸部206aとが無噴射時に互いにオーバラップするため、ニードル間流路F1を流通する燃料の流量は、少なくともインナニードル207Cのみがリフトを開始した直後に絞られることもない。
一方、図10(b)はニードル間流路F1で絞りが始まるとした場合の燃料噴射弁200Cの状態を示している。なお、燃料噴射弁200Cでは、実際にはインナニードル207Cのみがリフトすることで絞りが始まることはなく、この状態は説明の便宜上のものである。ここで、アウタニードル206のリフト量をx1、インナニードル207Cのリフト量をx2とし、ニードル間流路F1で絞りが始まるとした場合のこれらの差(x1−x2)をH2とする。インナニードル207Cのみがリフトする場合にはx1はゼロであることから、インナニードル207Cのリフト量x2とH2の大きさとは等しくなる(式:x2=−H2。但しH2<0)。このH2の大きさは図10(a)に示す箇所(無噴射時の凸部206aの下端と追加凹部207cの下端との間の距離)の寸法を示すことになる。
インナニードル207Cのみがリフトした状態で、追加凹部207cが凸部206aと常にオーバラップするためには、インナニードル207Cのみがフルリフトした状態であっても、追加凹部207cが凸部206aとオーバラップする必要がある。このように追加凹部207cを形成するためには、H2の大きさをインナニードル207Cの最大リフト量x2maxよりも大きくする(式:x2max<−H2)必要がある。これに対して燃料噴射弁200Cでは、H2の大きさがインナニードル207Cの最大リフト量x2maxよりも大きくなるように追加凹部207cが形成されている。これにより、アウタニードル206が着座した状態で、且つインナニードル207Cが着座していない状態であるときにも、追加凹部207cを凸部206aとオーバラップさせることができる。
このため燃料噴射弁200Cによれば、燃料噴射弁200A、または200Bと比較してさらに第2の噴孔群104から先に燃料噴射を行う場合の噴射実圧も確保できる。
本実施例に係る燃料噴射弁200Dはアウタニードル206及びインナニードル207Cがフルリフトしたときに、凸部206aと凹部207a(または追加凹部207c)とが互いにオーバラップするとともに、屈曲した流路を形成するようにアウタニードル206及びインナニードル207Cの最大リフト量が設定されている点以外、燃料噴射弁200Cと実質的に同一のものとなっている。図11は燃料噴射弁200Dの要部を拡大して模式的に示す図である。このうち、図11(a)はアウタニードル206が先にリフトした場合にニードル間流路F1で絞りが始まるときの燃料噴射弁200Dの状態を、図11(b)はアウタニードル206が先にリフトした場合にニードル間流路F1で絞りが終了するときの燃料噴射弁200Dの状態を、図11(c)はアウタニードル206及びインナニードル207Cがともにフルリフトしたときの燃料噴射弁200Dの状態を夫々示している。
図11(a)に示すように、アウタニードル206のリフト量をx1、インナニードル207Cのリフト量をx2とし、ニードル間流路F1で絞りが始まるときのこれらの差(x1−x2)をH2とする。また図11(b)に示すように、アウタニードル206のリフト量をx1、インナニードル207Cのリフト量をx2とし、ニードル間流路F1で絞りが終了するときのこれらの差(x1−x2)をH3とする。また図10(c)に示すように、フルリフトしたときのアウタニードル206の最大リフト量をx1max、インナニードル207Cの最大リフト量をx2maxとし、これらの差(x1max−x2max)をH4とする。
このH4をH3よりも大きく設定すれば(H4>H3)、フルリフト時の状態を図11(b)に示す状態から凸部206aを凹部207a側に移動させた状態とすることができる。このためH4をH3よりも大きく設定すれば、アウタニードル206及びインナニードル207Cがフルリフトしたときに、凸部206aを凹部207aとオーバラップさせることができる(図11(c)に示すアウタニードル206を実線で描いた状態参照)。この点、燃料噴射弁200DではH4がH3よりも大きく設定されている。なお、同様の設定は燃料噴射弁200Aや200Bに対しても行うことができる。
またH4をH2よりも小さく設定すれば(H4<H2)、フルリフト時の状態を図11(a)に示す状態から凸部206aを追加凹部207c側に移動させた状態とすることができる。このためH4をH2よりも小さく設定すれば、アウタニードル206及びインナニードル207Cがフルリフトしたときに、凸部206aを追加凹部207cとオーバラップさせることができる(図11(c)に示すアウタニードル206を破線で描いた状態参照)。すなわち、燃料噴射弁200Dでは、このようにH4をH2よりも小さく設定することもできる。なお、同様の設定は燃料噴射弁200Bに対しても行うことができる。
この燃料噴射弁200Dによれば、燃料噴射弁200Cと比較してさらにアウタニードル206及びインナニードル207Cがフルリフトしたときに燃料噴射量を確保することができる。したがって燃料噴射弁200Dによれば、燃料噴射弁200Cと比較してさらにフルリフト時にもエンジンの出力性能を確保することができる。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。例えば燃料噴射弁は燃料噴射弁200に限られず、図12に示すような燃料噴射弁300であってもよい。この燃料噴射弁300はアウタニードル206、インナニードル207D毎に背圧室310a、310bを夫々有しており、これに伴いインナニードルセットスプリング109を廃止するとともに、インナニードル207Aの代わりにインナニードル207Dを備えている。背圧室310aに連通する燃料流路は電磁弁で実現されている背圧制御手段311aによって、背圧室310bに連通する燃料流路は電磁弁で実現されている背圧制御手段311bによって夫々切り換えられるようになっている。また燃料流路はこれら背圧室310a、310bに接続されるアウトオリフィス315a、315bを3位置固定の背圧制御手段310a、310bで入れ替えることができるように形成されている。また背圧室310a、310bには高圧燃料を供給するための燃料流路も接続されており、このように燃料流路を構成することで、背圧制御手段311a、311b夫々は一つの系統で燃料の噴射とオリフィスの切り換えとを制御できるようになっている。
燃料噴射弁300では、流量の大きなアウトオリフィス315bが背圧室310aに接続されるように背圧制御手段311aを制御するとともに、流量の小さなアウトオリフィス315aが背圧室310bに接続されるように背圧制御手段311bを制御することによって、インナニードル207Dよりも先にアウタニードル206をリフトさせることができる。また流量の大きなアウトオリフィス315bが背圧室310bに接続されるように背圧制御手段311bを制御するとともに、流量の小さなアウトオリフィス315aが背圧室310aに接続されるように背圧制御手段311aを制御することによって、アウタニードル206よりも先にインナニードル207Dをリフトさせることができる。
第1の噴孔群に流入する燃料の流動態様を模式的に示す図である。 燃料噴射弁200Aの要部を模式的に示す図である。 アウタニードル206が低リフト状態にあるときの燃料噴射弁200Aの要部を拡大して模式的に示す図である。 アウタニードル206が低リフト状態にあるときの第1の噴孔群103周辺部を拡大して模式的に示す図である。 アウタニードル206が低リフト状態にあるときに第1の噴孔群103から噴射される燃料の噴霧を模式的に示す図である。 アウタニードル206が高リフト状態にあるときの燃料噴射弁200Aの要部を拡大して模式的に示す図である。 アウタニードル206が高リフト状態にあるときの第1の噴孔群103周辺部を拡大して模式的に示す図である。 アウタニードル206が高リフト状態にあるときに第1の噴孔群103から噴射される燃料の噴霧を模式的に示す図である。 燃料噴射弁200Bの要部を拡大して模式的に示す図である。 燃料噴射弁200Cの要部を拡大して模式的に示す図である。 燃料噴射弁200Dの要部を拡大して模式的に示す図である。 燃料噴射弁300の要部を模式的に示す図である。 燃料噴射弁100の要部を模式的に示す図である。
符号の説明
100、200、300 燃料噴射弁
103 第1の噴孔群
104 第2の噴孔群
105 ボディ
106、206 アウタニードル
107、207 インナニードル
108 アウタニードルセットスプリング
109 インナニードルセットスプリング
110、310 背圧室
111、311 背圧制御手段
315 アウトオリフィス

Claims (4)

  1. 第1及び第2の噴孔群が形成されたボディと、当該ボディに摺動自在に収容され、前記第1の噴孔群を開閉する筒状の第1のニードルと、当該第1のニードルに摺動自在に挿通され、前記第2の噴孔群を開閉する第2のニードルとを有して構成される可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁であって、
    前記第1のニードルのリフト状態に応じて、前記第1及び第2のニードル間の流路を流通する燃料の流量を絞る状態と、絞らない状態との間で状態が切り替わる流路構造を備えることを特徴とする可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁。
  2. 請求項1記載の可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁であって、
    前記流路構造が、前記第1のニードルが低リフト状態にあるときに、前記流路を流通する燃料の流量を絞る状態になるとともに、
    前記第1のニードルが高リフト状態にあるときに、前記流路を流通する燃料の流量を絞らない状態になることを特徴とする可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁。
  3. 請求項2記載の可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁であって、
    前記流路構造が、前記第1のニードルの内周部または前記第2のニードルの外周部のうち、いずれか一方に設けられた凹部と、当該凹部とオーバラップすることで屈曲する流路を形成する他方に設けられた凸部とで構成されており、
    前記第1のニードルが低リフト状態であるときに、前記凹部と前記凸部とがオーバラップしないことで、前記流路を流通する燃料の流量を絞る状態になるとともに、
    前記第1のニードルが高リフト状態であるときに、前記凹部と前記凸部とがオーバラップすることで、前記流路を流通する燃料の流量を絞らない状態になることを特徴とする可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁。
  4. 請求項3記載の可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁であって、
    前記流路構造が、前記第1のニードルが着座した状態で、且つ前記第2のニードルが着座していない状態であるときにも、前記凸部とオーバラップする追加凹部をさらに備えることを特徴とする可変噴孔ノズル式の燃料噴射弁。
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