JP2009041508A - 燃料噴射ノズル - Google Patents

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Abstract

【課題】可変噴孔式の燃料噴射ノズル1において、インナーニードル5に開閉される噴孔7を、アウターニードル4に開閉される噴孔6よりも先に開放できるようにする。
【解決手段】ノズル1によれば、アウター、インナーニードル4、5の先端側で各々に開弁方向に燃料圧を及ぼす領域に、個別に燃料溜まり23から高圧の燃料が導入される。また、インナーニードル5は、アウターニードル4の後端面31よりも後方に突出する突出部33を有し、突出部33は、径方向に膨出して後端面31よりも後方の領域を軸方向に2室に区画する径方向膨出部32を有する。そして、2室の内で先端側の1室はアウターニードル4の背圧室29をなし、後端側の1室はインナーニードル5の背圧室30をなし、背圧室29、30はオリフィス36を介して連通している。これにより、背圧室30を燃料排出先に開放することで、噴孔7を噴孔6よりも先に開放することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射ノズル、および燃料噴射ノズルを備える燃料噴射弁に関する。
従来より、低回転域での噴霧微粒化や、高回転域での高噴射率化を促進するため、開放する噴孔数を噴射量に応じて可変することができる可変噴孔式の燃料噴射ノズルが考えられている。
従来の可変噴孔式の燃料噴射ノズル100(以下、単にノズル100と呼ぶ)は、例えば図5に示すように、筒状のアウターニードル101と、アウターニードル101の内周側に同軸的に配されるインナーニードル102とを備え、アウター、インナーニードル101、102が軸方向に変位することで、各々の先端部により噴孔103、104を開閉するものである。
すなわち、アウター、インナーニードル101、102の後端側には、燃料供給源から導かれた高圧の燃料が流出入する背圧室が形成され、アウター、インナーニードル101、102は、背圧により閉弁方向に付勢されている。また、アウターニードル101のシート部106の近傍にも高圧の燃料が導かれ、この燃料は、アウターニードル101に対し開弁方向に燃料圧を及ぼしている。
そして、ノズル100のアクチュエータにより、背圧室が燃料排出先に対して開放されると背圧が低下し、この背圧の低下とともにアウターニードル101は先端側で開弁方向に作用する燃料圧により上昇して噴孔103を開放する。また、アウターニードル101の上昇により、インナーニードル102のシート部107の近傍にも高圧の燃料が導かれ、インナーニードル102にも開弁方向に燃料圧が作用するようになる。そして、さらに背圧が低下すると、インナーニードル102も先端側で開弁方向に作用する燃料圧により上昇して噴孔104を開放する。
そして、ノズル100の動作を制御する電子制御装置(ECU)は、エンジンの運転状態に応じて、背圧室を燃料排出先に対して開放する期間の長さを可変し、この期間の長さを指令値としてアクチュエータに出力することで、ノズル100に噴孔103のみを開放させたり、噴孔103、104の両方を開放させたりする(例えば、特許文献1、2参照)。
このように、従来の可変噴孔式のノズル100によれば、アウターニードル101が上昇しなければインナーニードル102に強力な開弁方向の燃料圧が作用しないので、噴孔103のみが開放されたり、噴孔103が先に開放され、後から噴孔104が開放される。つまり、燃料噴射が要求されるときには、必ず噴孔103のみが開放される状態が介在する。
しかし、ノズル100がエンジンに装着されると、噴孔103は噴孔104よりも図示上側かつ外周側に配されて燃焼室109に臨む。このため、噴孔103からの噴霧は、噴孔104からの噴霧よりもエンジンヘッド110の下面やライナー111の内周面に到達しやすく、噴孔104からの噴霧よりも未燃分になる虞が高い。また、同様の理由により、噴孔103からの噴霧は、噴孔104からの噴霧よりもキャビティー部113に広がりにくくスキッシュ部114に広がりやすいので、この点においても、噴孔104からの噴霧よりも未燃分になる虞が高い。
また、噴孔103は、閉鎖時のシート性を高めるために、シート面116においてシート部106の着座位置近傍に開口するように設けられる。このため、シート部106の着座および離座の繰返しに対して噴孔103の近傍のボディ強度を維持するため、噴孔103のL/D(噴孔長さの噴孔径に対する比)を大きくする必要がある。つまり、噴孔103を細長く設けて、噴孔103の近傍のボディ強度をできるだけ高くする必要がある。
これに対し、噴孔104は、シート部107の着座位置から離れて開口するように設けても(例えば、サック室118に開口するように設けても)、高いシート性を維持できるので、噴孔103ほどにL/Dを大きくして噴孔104の近傍のボディ強度を高くする必要がない。
このため、噴孔103は噴孔104よりもL/Dが大きく設定され、噴孔103からの噴霧は噴孔104からの噴霧よりも径方向への貫徹力が強くなる。この結果、噴孔103からの噴霧は、さらに、エンジンヘッド110の下面やライナー111の内周面に到達しやすく、かつ、キャビティー部113に広がりにくくスキッシュ部114に広がりやすいものとなっており、未燃分になる虞が益々高いものとなっている。
このような背景から、可変噴孔式の燃料噴射ノズルでは、インナーニードルに開閉される噴孔を、アウターニードルに開閉される噴孔よりも先に開放できるようにすることが強く望まれるようになっている。
特開2005−320904号公報 特開2006−200535号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、可変噴孔式の燃料噴射ノズルにおいて、インナーニードルに開閉される噴孔を、アウターニードルに開閉される噴孔よりも先に開放できるようにすることにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の燃料噴射ノズルは、筒状のアウターニードルと、アウターニードルの内周側に同軸的に配されるインナーニードルとを備え、アウターニードルおよびインナーニードルが軸方向に変位することで、各々の先端部により噴孔を開閉するものである。
この燃料噴射ノズルによれば、アウターニードルに開弁方向に燃料圧を及ぼす領域と、インナーニードルに開弁方向に燃料圧を及ぼす領域とに個別に燃料供給源から燃料を導入できるように流路形成されている。また、インナーニードルは、アウターニードルの背圧受圧面よりも後方に突出する突出部を有し、突出部は、径方向に膨出してアウターニードルの背圧受圧面よりも後方の領域を軸方向に2室に区画する径方向膨出部を有する。そして、2室の内で先端側の1室はアウターニードルの背圧室をなし、後端側の1室はインナーニードルの背圧室をなし、アウターニードルの背圧室とインナーニードルの背圧室とは絞りを介して連通している。
これにより、後端側のインナーニードルの背圧室を燃料排出先に対して開放すると、インナーニードルの背圧室から燃料の流出が始まり、インナーニードルの背圧が低下を開始する。また、アウターニードルの背圧室の燃料は、絞りを介してインナーニードルの背圧室に向かうので、アウターニードルの背圧は、インナーニードルの背圧よりも遅れて低下を開始する。
一方、アウターニードルおよびインナーニードルには、個別に開弁方向に燃料圧が作用しているので、背圧の低下が先行するインナーニードルが、アウターニードルよりも先に上昇して噴孔を開放することができる。そして、インナーニードルの背圧室から燃料の流出が続くと、さらに、アウターニードルの背圧室の燃料がインナーニードルの背圧室に流出し、アウターニードルの背圧が低下する。この結果、アウターニードルがインナーニードルに遅れて上昇し噴孔を開放することができる。
以上により、可変噴孔式の燃料噴射ノズルにおいて、インナーニードルに開閉される噴孔を、アウターニードルに開閉される噴孔よりも先に開放することができる。
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載の燃料噴射ノズルによれば、絞りは、径方向膨出部の外周縁と、アウターニードルの背圧室およびインナーニードルの背圧室をなす内周壁との間に形成されるクリアランスである。
これにより、絞りを設けるために孔加工を施す必要がなくなるので、より低工数で、インナーニードルの噴孔開放が先行する可変噴孔式の燃料噴射ノズルを製造することができる。
〔請求項3の手段〕
請求項3に記載の燃料噴射ノズルによれば、アウターニードルの背圧室の燃料圧(アウターニードルの背圧)は、絞りを介してアウターニードルの背圧室とインナーニードルの背圧室との間で燃料が流出入することで、インナーニードルの背圧室の燃料圧(インナーニードルの背圧)に追従する。
これにより、インナーニードルの背圧室が燃料排出先に開放されインナーニードルの背圧が低下を開始すると、アウターニードルの背圧もインナーニードルの背圧に遅れて低下を開始する。また、アウターニードルの背圧は、アウターニードルの背圧室からインナーニードルの背圧室に絞りを介して燃料が流出することで低下するので、背圧の低下速度はアウターニードルの方がインナーニードルよりも小さい。このため、インナーニードルの方をアウターニードルよりも先に上昇させることが、さらに容易になる。
〔請求項4の手段〕
請求項4に記載の燃料噴射ノズルによれば、アウターニードルの背圧は、インナーニードルが軸方向に変位してアウターニードルの背圧室が容積変化することで、インナーニードルの背圧に追従する。
これにより、インナーニードルが上昇してアウターニードルの背圧室が拡大すると、アウターニードルの背圧がさらに低下する。このため、インナーニードル上昇後に、容易にアウターニードルを上昇させることができる。
〔請求項5の手段〕
請求項5に記載の燃料噴射弁は、燃料供給源からインナーニードルの背圧室への燃料の流入、およびインナーニードルの背圧室から燃料排出先への燃料の流出を操作することで、燃料噴射ノズルによる燃料噴射を操作するアクチュエータを備える。そして、アクチュエータは、インナーニードルの背圧室と燃料排出先とが連通するとともに燃料供給源とインナーニードルの背圧室とが遮断される開状態と、インナーニードルの背圧室と燃料排出先とが遮断されるとともに燃料供給源とインナーニードルの背圧室とが連通する閉状態とを切り替える3方切替弁である。
これにより、インナーニードルの背圧室からの燃料ロスを1個の切替弁により最小限に抑えることができる。
すなわち、インナーニードルの背圧室に対する燃料の流出入操作は、流出側に2方切替弁を配し、流入側を常に燃料供給源に連通させることでも可能である。しかし、この場合、2方切替弁により流出側を開放すると、燃料供給源が燃料排出先と連通してしまい、燃料供給源から燃料排出先へ無用に燃料が流出して燃料ロスが発生する。
また、インナーニードルの背圧室の流出側および流入側に、各々、2方切替弁を配すれば、このような燃料ロスの発生を防止できるものの、2器の切替弁が必要になる。
そこで、上記のような3方切替弁をアクチュエータに採用することで、インナーニードルの背圧室からの燃料ロスを1個の3方切替弁により最小限に抑えることができる。
最良の形態1の燃料噴射ノズルは、筒状のアウターニードルと、アウターニードルの内周側に同軸的に配されるインナーニードルとを備え、アウターニードルおよびインナーニードルが軸方向に変位することで、各々の先端部により噴孔を開閉するものである。
この燃料噴射ノズルによれば、アウターニードルに開弁方向に燃料圧を及ぼす領域と、インナーニードルに開弁方向に燃料圧を及ぼす領域とに個別に燃料供給源から燃料を導入できるように流路形成されている。また、インナーニードルは、アウターニードルの背圧受圧面よりも後方に突出する突出部を有し、突出部は、径方向に膨出してアウターニードルの背圧受圧面よりも後方の領域を軸方向に2室に区画する径方向膨出部を有する。そして、2室の内で先端側の1室はアウターニードルの背圧室をなし、後端側の1室はインナーニードルの背圧室をなし、アウターニードルの背圧室とインナーニードルの背圧室とは絞りを介して連通している。
また、アウターニードルの背圧室の燃料圧(アウターニードルの背圧)は、絞りを介してアウターニードルの背圧室とインナーニードルの背圧室との間で燃料が流出入することで、インナーニードルの背圧室の燃料圧(インナーニードルの背圧)に追従する。
さらに、アウターニードルの背圧は、インナーニードルが軸方向に変位してアウターニードルの背圧室が容積変化することで、インナーニードルの背圧に追従する。
また、最良の形態1の燃料噴射弁は、燃料供給源からインナーニードルの背圧室への燃料の流入、およびインナーニードルの背圧室から燃料排出先への燃料の流出を操作することで、燃料噴射ノズルによる燃料噴射を操作するアクチュエータを備える。そして、アクチュエータは、インナーニードルの背圧室と燃料排出先とが連通するとともに燃料供給源とインナーニードルの背圧室とが遮断される開状態と、インナーニードルの背圧室と燃料排出先とが遮断されるとともに燃料供給源とインナーニードルの背圧室とが連通する閉状態とを切り替える3方切替弁である。
最良の形態2の燃料噴射ノズルによれば、絞りは、径方向膨出部の外周縁と、アウターニードルの背圧室およびインナーニードルの背圧室をなす内周壁との間に形成されるクリアランスである。
〔実施例1の構成〕
実施例1の燃料噴射ノズル1(以下、ノズル1と呼ぶ)、およびノズル1を備える燃料噴射弁2の構成を、図1を用いて説明する。
なお、燃料噴射弁2は、例えば、燃料を高圧状態で蓄圧するコモンレール3から燃料を受け入れ、受け入れた燃料の圧力を利用してアウター、インナーニードル4、5を駆動して噴孔6、7を開閉し、燃料の噴射開始および噴射停止を行うものであり、さらに、アウター、インナーニードル4、5の駆動過程で排出される燃料を燃料タンク8に戻すものである。
ノズル1は、燃料噴射弁2の先端部分をなし、例えば、エンジンに装着されて燃焼室に直接燃料を噴射するものである。また、ノズル1は、低回転域での噴霧微粒化や、高回転域での高噴射率化を促進するため、噴射量に応じて開放する噴孔数を可変することができる可変噴孔式である。
すなわち、ノズル1は、ボディ12により摺動自在に支持される筒状のアウターニードル4と、アウターニードル4の内周側に同軸的に配されて摺動自在に支持される棒状のインナーニードル5とを弁体として備え、さらに、アウター、インナーニードル4、5に対し、閉弁方向に付勢力を及ぼす復元バネとしての第1、第2スプリング13、14を備える。そして、ノズル1は、アウター、インナーニードル4、5が、各々、軸方向に変位することで噴孔6、7を個別に開閉する。
噴孔6、7は、アウター、インナーニードル4、5の各々の先端部に設けられたシート部16、17およびシート部18がシート面19に離座または着座することで開閉される。すなわち、噴孔6は、シート面19に開口するように設けられ、シート部16、17は、各々、噴孔6の開口部の後端側、先端側のごく近傍でシート面19に離座または着座することで噴孔6を開閉する。また、噴孔7は、シート面19よりも先端側に設けられるサック室20に接続するように設けられ、シート部18は、噴孔7の開口部から比較的大きく離れてシート面19に離座または着座することで噴孔7を開閉する。
ここで、アウターニードル4は、コモンレール3から高圧の燃料を受け入れるための燃料溜まり23を自身の外周側に形成する。このため、シート部16は、燃料溜まり23と噴孔6との間を開閉して、燃料溜まり23から噴孔6への高圧の燃料の流入を断続する。なお、コモンレール3と燃料溜まり23とは、燃料流路24により連通している。
また、アウター、インナーニードル4、5は、アウターニードル4の内周側、かつインナーニードル5の外周側に燃料流路25を形成し、燃料流路25は、アウターニードル4に設けられた連通路26により燃料溜まり23との間を常に連通可能になっている。このため、シート部17は、燃料流路25と噴孔6との間を開閉して燃料流路25から噴孔6への高圧の燃料の流入を断続し、シート部18は、燃料流路25と噴孔7との間を開閉して燃料流路25から噴孔7への高圧の燃料の流入を断続する。
そして、アウターニードル4の先端側の領域では、直接、燃料溜まり23からシート部16の外周側近傍に導かれた高圧の燃料がアウターニードル4に開弁方向に燃料圧を及ぼすとともに、連通路26、燃料流路25を介して燃料溜まり23からシート部17の内周側近傍に導かれた高圧の燃料がアウターニードル4に開弁方向に燃料圧を及ぼす。また、インナーニードル5の先端側の領域では、連通路26、燃料流路25を介して燃料溜まり23からシート部18の外周側近傍に導かれた高圧の燃料がインナーニードル5に開弁方向に燃料圧を及ぼす。
つまり、ノズル1では、アウターニードル4に開弁方向に燃料圧を及ぼす領域と、インナーニードル5に開弁方向に燃料圧を及ぼす領域とに個別にコモンレール3から高圧の燃料を導入できるように流路形成されている。そして、アウター、インナーニードル4、5の各々の背圧室29、30への高圧の燃料の流出入が操作されることで、アウター、インナーニードル4、5の各々に作用する開弁方向および閉弁方向の付勢力の大小関係が調節され、アウター、インナーニードル4、5による噴孔6、7の開閉が実行される。
アウターニードル4の背圧室29は、アウターニードル4の後端面31を背圧受圧面として設けられ、インナーニードル5の径方向膨出部32により後端側を区画されている。すなわち、インナーニードル5は、後端面31よりも後方に突出する突出部33を有し、突出部33は、径方向に膨出する径方向膨出部32を有する。そして、径方向膨出部32は、全外周縁がボディ12の内周面に摺接することで、後端面31よりも後方の領域を軸方向に2室に区画し、2室の内で先端側の1室を背圧室29として区画する。
なお、背圧室29は、先端側において、アウターニードル4の後端部がボディ12に摺動自在に支持され、かつ、インナーニードル5の後端部がアウターニードル4に摺動自在に支持されることで、各々、燃料溜まり23との間、および燃料流路25との間が遮断されている。
インナーニードル5の背圧室30は、径方向膨出部32により区画された2室の内の後端側の1室である。また、背圧室30は、径方向膨出部32を軸方向に貫通するように設けられたオリフィス36により背圧室29に連通し、さらにオリフィス37が設けられた燃料流路38によりアクチュエータ39に通じる。なお、オリフィス36は、オリフィス37よりも流量が小さくなるように設けられている。
アクチュエータ39は、ノズル1の後方に配されてノズル1による燃料噴射を操作するものであり、ノズル1とともに燃料噴射弁2を構成する。アクチュエータ39は、例えば、電圧を印加されて伸長力を発生するピエゾ素子を具備し、このピエゾ素子の伸長力の発生、消滅により動作する3方切替弁である。
ここで、アクチュエータ39の3つのポートは、背圧室30に接続する燃料流路38、燃料溜まり23に接続する燃料流路41、およびオリフィス42を有して燃料タンク8に接続する燃料流路43に接続されている。そして、アクチュエータ39は、燃料流路38、43の間が連通するとともに燃料流路38、41の間が遮断される開状態と、燃料流路38、43の間が遮断されるとともに燃料流路38、41の間が連通する閉状態とを、ピエゾ素子への電圧印加状態に応じて切り替える。
例えば、ピエゾ素子に電圧が印加されると、閉状態から開状態に切り替えられ背圧室30と燃料タンク8とが連通するとともに燃料溜まり23と背圧室30とが遮断される。また、ピエゾ素子への電圧印加が解除されると、開状態から閉状態に切り替えられ背圧室30と燃料タンク8とが遮断されるとともに燃料溜まり23と背圧室30とが連通する。
これにより、燃料溜まり23から背圧室30への燃料の流入、および背圧室30から燃料タンク8への燃料の流出が操作され、さらにオリフィス36を介する背圧室29と背圧室30との間の燃料の流出入が操作される。この結果、アウター、インナーニードル4、5の背圧が増減されてノズル1による燃料噴射が操作される。
なお、ピエゾ素子への電圧印加および電圧印加の解除は、電子制御装置(ECU)45から出力される指令信号に応じて行われる。
〔実施例1の作用〕
実施例1のノズル1および燃料噴射弁2の作用を、図1〜図3を用いて説明する。
まず、アウターニードル4には、背圧(背圧室29の燃料圧)による付勢力および第1スプリング13による付勢力が閉弁方向に作用し、シート部16、17の近傍の燃料圧による付勢力が開弁方向に作用している。また、インナーニードル5には、背圧(背圧室30の燃料圧)による付勢力および第2スプリング14による付勢力が閉弁方向に作用し、シート部18の近傍の燃料圧による付勢力が開弁方向に作用している。
そして、アクチュエータ39が閉状態にあるとき、背圧室30は燃料溜まり23と連通し、背圧室29は背圧室30およびオリフィス36を介して燃料溜まり23と連通しており、アウター、インナーニードル4、5の背圧は両方とも高い状態に維持されている。このため、アウター、インナーニードル4、5は両方とも閉弁方向に作用する付勢力(以下、閉弁側付勢力と呼ぶ)の方が開弁方向に作用する付勢力(以下、開弁側付勢力と呼ぶ)よりも大きいので、アウター、インナーニードル4、5は両方ともシート面19に着座しており、噴孔6、7は閉鎖されている。
このような状態で、ECU45からアクチュエータ39に開弁指令信号が入力され、ピエゾ素子に電圧が印加されると、アクチュエータ39は閉状態から開状態に切り替えられ、背圧室30と燃料タンク8とが連通するとともに燃料溜まり23と背圧室30とが遮断される。
これにより、背圧室30から燃料タンク8への燃料の排出が始まり、インナーニードル5の背圧が低下を開始する。また、背圧室29の燃料は、オリフィス36を介して背圧室30に向かうが、オリフィス36を通過する流量がオリフィス37を通過する流量よりも小さいことから、アウターニードル4の背圧は、インナーニードル5の背圧よりも遅れて低下を開始し、インナーニードル5の背圧よりも低下速度が遅い。
すなわち、インナーニードル5の閉弁側付勢力は先に低下を開始し、アウターニードル4の閉弁側付勢力はインナーニードル5の閉弁側付勢力の低下に遅れて低下を開始し、さらにインナーニードル5の閉弁側付勢力よりも低下速度が遅い。
一方、アウターニードル4のシート部16、17の近傍、インナーニードル5のシート部18の近傍には、個別に開弁方向に燃料圧が作用しているため、アウター、インナーニードル4、5の開弁側付勢力はほとんど変動しない。このため、閉弁側付勢力と開弁側付勢力との大小関係は、インナーニードル5の方が先に逆転し、インナーニードル5がシート面19から離座して上昇し噴孔7を開放する。
この結果、噴孔7からの燃料噴射が先に始まる。また、インナーニードル5の上昇とともに径方向膨出部32も上昇するので背圧室29の容積が拡大し、アウターニードル4の背圧低下が加速する。
そして、背圧室30から燃料の流出が続き、さらに、背圧室29の燃料が背圧室30に流出してアウターニードル4の背圧が低下すると、アウターニードル4でも閉弁側付勢力と開弁側付勢力との大小関係が逆転する。このため、アウターニードル4もシート面19から離座して上昇し噴孔6を開放し、噴孔6からの燃料噴射が遅れて始まる。
やがて、ECU45からアクチュエータ39に閉弁指令信号が入力され、ピエゾ素子への電圧印加が解除されると、アクチュエータ39は開状態から閉状態に切り替えられ、背圧室30と燃料タンク8とが遮断されるとともに燃料溜まり23と背圧室30とが連通する。これにより、燃料溜まり23から背圧室30への高圧の燃料の供給が始まり、インナーニードル5の背圧が上昇を開始する。さらに、オリフィス36を介して背圧室30から背圧室29に高圧の燃料が流入しアウターニードル4の背圧も上昇を開始する。
これにより、アウター、インナーニードル4、5は、各々、閉弁側付勢力と開弁側付勢力との大小関係が再逆転して下降を開始する。そして、アウター、インナーニードル4、5は、各々、シート面19に着座して噴孔6、7を閉鎖し、燃料噴射が停止される。
〔実施例1の効果〕
実施例1のノズル1によれば、アウター、インナーニードル4、5の先端側で各々に開弁方向に燃料圧を及ぼす領域に、個別に燃料溜まり23から高圧の燃料が導入される。また、インナーニードル5は、アウターニードル4の背圧受圧面(後端面31)よりも後方に突出する突出部33を有し、突出部33は、径方向に膨出して後端面31よりも後方の領域を軸方向に2室に区画する径方向膨出部32を有する。そして、2室の内で先端側の1室はアウターニードル4の背圧室29をなし、後端側の1室はインナーニードル5の背圧室30をなし、背圧室29と背圧室30とはオリフィス36を介して連通している。
これにより、後端側の背圧室30を燃料タンク8に対して開放すると、背圧室30から燃料の流出が始まり、インナーニードル5の背圧が低下を開始する。また、背圧室29の燃料は、オリフィス36を介して背圧室30に向かうので、アウターニードル4の背圧は、インナーニードル5の背圧よりも遅れて低下を開始し、インナーニードル5の背圧よりも低下速度が遅い。
一方、アウター、インナーニードル4、5には、個別に開弁方向に燃料圧が作用しているので、背圧低下が先行するインナーニードル5が、アウターニードル4よりも先に上昇して噴孔7を開放することができる。また、インナーニードル5の上昇とともに径方向膨出部32も上昇するので背圧室29の容積が拡大し、アウターニードル4の背圧低下が加速する。そして、背圧室30から燃料の流出が続くと、さらに背圧室29の燃料が背圧室30に流出し、アウターニードル4の背圧が低下する。この結果、アウターニードル4がインナーニードル5に遅れて上昇し噴孔6を開放することができる。
以上により、ノズル1において、インナーニードル5に開閉される噴孔7を、アウターニードル4に開閉される噴孔6よりも先に開放することができる。
また、アクチュエータ39は、背圧室30と燃料タンク8とが連通するとともに燃料溜まり23と背圧室30とが遮断される開状態と、背圧室30と燃料タンク8とが遮断されるとともに燃料溜まり23と背圧室30とが連通する閉状態とを切り替える3方切替弁である。
これにより、背圧室30からの高圧の燃料のロスを1個の切替弁により最小限に抑えることができる。
すなわち、背圧室30の燃料の流出入操作は、流出側に2方切替弁を配し、流入側を常に燃料溜まり23に連通させることでも可能である。しかし、この場合、2方切替弁により流出側を開放すると燃料溜まり23が燃料タンク8と連通してしまい、結果的にコモンレール3から燃料タンク8へ無用に高圧の燃料が流出してロスが大きくなってしまう。
また、背圧室30の流出側および流入側に、各々、2方切替弁を配すれば、このような燃料ロスの発生を防止できるものの、2器の切替弁が必要になる。
そこで、上記のような3方切替弁をアクチュエータ39に採用することで、背圧室30からの燃料ロスを1器の3方切替弁により最小限に抑えることができる。
実施例2のノズル1によれば、オリフィス36に替わり、径方向膨出部32の外周縁と背圧室29、30をなす内周壁との間に形成されるクリアランスにより、背圧室29、30間が連通するとともに背圧室29、30間の燃料の流出入が絞られる。
これにより、径方向膨出部32に孔加工を施す必要がなくなるので、より低工数で、インナーニードル5による噴孔7の開放が先行するノズル1を製造することができる。
燃料噴射ノズルおよび燃料噴射弁の構成図である(実施例1)。 (a)はアクチュエータに与えられる指令信号のタイムチャートであり、(b)はアウターニードルの背圧およびインナーニードルの背圧のタイムチャートである(実施例1)。 (a)はインナーニードルのみにより噴孔が開放された状態を示す燃料噴射ノズルの状態図であり、(b)はインナーニードルおよびアウターニードルの両方により噴孔が開放された状態を示す燃料噴射ノズルの状態図である(実施例1)。 燃料噴射ノズルの構成図である(実施例2)。 燃料噴射ノズルのエンジンへの搭載状態を示す状態図である(従来例)。
符号の説明
1 ノズル(燃料噴射ノズル)
2 燃料噴射弁
3 コモンレール(燃料供給源)
4 アウターニードル
5 インナーニードル
6 噴孔
7 噴孔
8 燃料タンク(燃料排出先)
23 燃料溜まり(燃料供給源)
29 背圧室(アウターニードルの背圧室)
30 背圧室(インナーニードルの背圧室)
31 後端面(アウターニードルの背圧受圧面)
32 径方向膨出部
33 突出部
36 オリフィス(絞り)
39 アクチュエータ

Claims (5)

  1. 筒状のアウターニードルと、このアウターニードルの内周側に同軸的に配されるインナーニードルとを備え、
    前記アウターニードルおよび前記インナーニードルが軸方向に変位することで、各々の先端部により噴孔を開閉する燃料噴射ノズルにおいて、
    前記アウターニードルに開弁方向に燃料圧を及ぼす領域と、前記インナーニードルに開弁方向に燃料圧を及ぼす領域とに個別に燃料供給源から燃料を導入できるように流路形成され、
    前記インナーニードルは、前記アウターニードルの背圧受圧面よりも後方に突出する突出部を有し、
    この突出部は、径方向に膨出して前記アウターニードルの背圧受圧面よりも後方の領域を軸方向に2室に区画する径方向膨出部を有し、
    前記2室の内で先端側の1室は前記アウターニードルの背圧室をなし、後端側の1室は前記インナーニードルの背圧室をなし、
    前記アウターニードルの背圧室と前記インナーニードルの背圧室とは絞りを介して連通していることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射ノズルにおいて、
    前記絞りは、前記径方向膨出部の外周縁と、前記アウターニードルの背圧室および前記インナーニードルの背圧室をなす内周壁との間に形成されるクリアランスであることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料噴射ノズルにおいて、
    前記アウターニードルの背圧室の燃料圧は、前記絞りを介して前記アウターニードルの背圧室と前記インナーニードルの背圧室との間で燃料が流出入することで、前記インナーニードルの背圧室の燃料圧に追従することを特徴とする燃料噴射ノズル。
  4. 請求項1ないし請求項3の内のいずれか1つに記載の燃料噴射ノズルにおいて、
    前記アウターニードルの背圧室の燃料圧は、前記インナーニードルが軸方向に変位して前記アウターニードルの背圧室が容積変化することで、前記インナーニードルの背圧室の燃料圧に追従することを特徴とする燃料噴射ノズル。
  5. 請求項1ないし請求項4の内のいずれか1つに記載の燃料噴射ノズルと、
    前記燃料供給源から前記インナーニードルの背圧室への燃料の流入、および前記インナーニードルの背圧室から燃料排出先への燃料の流出を操作することで、前記燃料噴射ノズルによる燃料噴射を操作するアクチュエータとを備え、
    このアクチュエータは、
    前記インナーニードルの背圧室と前記燃料排出先とが連通するとともに前記燃料供給源と前記インナーニードルの背圧室とが遮断される開状態と、
    前記インナーニードルの背圧室と前記燃料排出先とが遮断されるとともに前記燃料供給源と前記インナーニードルの背圧室とが連通する閉状態とを切り替える3方切替弁であることを特徴とする燃料噴射弁。
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