JP2009121030A - 木造部材の曲げ補強構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】実際の施工現場においては、突然、設備配線や配管の本数・形状が変更することもあるため、現場状況に応じて開口寸法を自由に設定できるようにしておきたいものの、従来の技術では、臨機応変な対応が困難であった。
【解決手段】開口部を有する木造部材の曲げ補強構造であって、該木造部材の該開口部は該木造部材高さの中心位置より縁端側に偏った位置に配置し、補強材は該開口部側の縁端面に配置していることを特徴とする木造部材の曲げ補強構造とすることである。
【選択図】 図1
【解決手段】開口部を有する木造部材の曲げ補強構造であって、該木造部材の該開口部は該木造部材高さの中心位置より縁端側に偏った位置に配置し、補強材は該開口部側の縁端面に配置していることを特徴とする木造部材の曲げ補強構造とすることである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、集成材や木材で構成された梁や桁などの木造部材において、特に開口部を有した木造部材の曲げ補強構造の技術に関するものである。
近年の集成木材の性能向上によって、木造建築物における梁部材に対して集成材の使用が盛んになってきている。そして、集成材を利用する木造建築物においては、梁部材中に開口を設け、その開口内に内装設備の配線や配管を通過させることが多い。その理由は、集成材によって構成された梁部材の場合、設備配線や配管を梁部材下に通過させることが困難なためである。
しかしながら、梁部材に開口を設置した場合、その開口によって生じた断面欠損に起因して、開口部付近の変形量が増大することや破壊荷重が小さくなる。そのため、近年の建築物の強度保証が求められるなか、開口した梁部材においても未開口前の梁部材が保有する強度と同程度の性能が要求されることとなり、つまり、開口した梁部材に対して補強が必要となる。そこで、住宅メーカ等では、鋼板を梁部材の側面にビス止めすることにより補強し、開口付近の強度低下を防いでいる。
このほか、例えば、特許文献1には、梁部材の開口部に対して管状の補強材を挿入することによって、開口による集成材等の強度の低下を防止する技術が開示されている。
特開2006−9481号公報(請求項1、図10)
しかしながら、鋼板を梁部材の側面にビス止めすることにより補強する場合、ビス付近に応力集中が発生することによって、ビス付近の局所的な破壊が進行し、梁部材と鋼板との合成が成り立たなくなるため、未開口の梁部材と同程度の強度に補強することができない。
また、特許文献1のように、補強効果は発揮できるものの、開口位置に円筒状の補強金具を挿入することは、補強金具形状に応じた寸法精度が要求されるため、施工の挿入手間がかかり、施工性が良くない。また、実際の施工現場においては、突然、設備配線や配管の本数・形状が変更することもあるため、現場状況に応じて開口寸法を自由に設定できるようにしておきたいが、該特許文献1では、臨機応変な対応が困難である。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用するものである。すなわち、
(1)開口部を有する木造部材の曲げ補強構造であって、該木造部材の該開口部は該木造部材高さの中心位置より縁端側に偏った位置に配置し、補強材は該開口部側の縁端面に配置していることを特徴とする木造部材の曲げ補強構造。
(1)開口部を有する木造部材の曲げ補強構造であって、該木造部材の該開口部は該木造部材高さの中心位置より縁端側に偏った位置に配置し、補強材は該開口部側の縁端面に配置していることを特徴とする木造部材の曲げ補強構造。
(2)前記開口部は、前記木造部材の縁端面から該木造部材高さの1/3の範囲にある、(1)に記載の木造部材の曲げ補強構造。
(3)前記補強材は、繊維強化プラスチックである、(1)または(2)に記載の木造部材の曲げ補強構造
(4)前記補強材は、鋼材および木材のいずれかである、(1)または(2)に記載の木造部材の曲げ補強構造。
(4)前記補強材は、鋼材および木材のいずれかである、(1)または(2)に記載の木造部材の曲げ補強構造。
本発明の補強方法によれば、木造部材高さの中心位置より縁端面側に偏らせて木造部材の開口部を設置し、さらに補強材を該開口部側の木造部材の縁端面に設置することによって、圧縮領域が増加するように木造部材の中立軸を移動させて木造部材に発生する圧縮抵抗力を増大させ、そして引張抵抗力を補強材に負担させることによって、開口を有する木造部材の曲げ耐力が向上できる。
さらに特別な資材を必要としないので、建築物の施工途中や竣工後に、開口寸法や設備配線や配管の配置が変更となっても、容易に変更に対応でき、開口を有する木造部材の補強ができる。そして、補強材を木造部材の縁端面に設置するだけなので、簡単に施工ができ、また短い工期で施工が可能である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、本発明が、図面に記載の態様に限定されるものではない。
図1は、荷重4が図面上から下に向かってかかる場合の開口部2を有する木造梁部材1に補強材3を設置した斜視図である。図2は、荷重4が図面上から下に向かってかかる場合の開口部2を有する木造梁部材1に補強材3を設置した側面図である。図3、図4、図5は、開口形状の一例を示す図である。
本発明によれば、図1および図2に示すように、開口部2を有する木造梁部材1に対して、開口部2が木造梁部材1の高さhの中心A−Aより下側となるように配置(すなわち、開口部2を、少なくとも該木造梁部材1の下面から該木造梁部材1の高さhの1/2の範囲内に配置)し、補強材3は該開口部2側の縁端面となる木造梁部材1の下面に配置した補強構造である。
該開口部2は木造梁部材1の高さの中心A−Aより下側となるように配置する。開口部2を下側面へ持ってくることによって該木造梁部材1内の圧縮力を負担する圧縮領域を広げることが可能となり、また補強材3を貼付けることによって開口で削られた引張領域を補完することが可能となるため、開口によって失った該木造梁部材1の曲げ耐力を補強することが可能となる。補強材3の剛性によっては、該木造梁部材1の中立軸(すなわち、該木造梁部材1内の圧縮力と引張力のバランスが取れる高さh方向の位置)が該木造梁部材1の高さhの中心位置より下がり、結果満足できる圧縮領域を確保できないケースもある。したがって、どのようなケースでも対応できるような安全側となる開口部1の位置として、該木造梁部材1の下面から該木造梁部材1の高さhの1/3の範囲内とすることが好ましい。
補強材3の材質としては、繊維強化プラスチック、鋼材、集成材等の木材が好ましいが、その中でも強度特性が高く、しかも軽量でハンドリングのよい繊維強化プラスチックがより好ましい。繊維強化プラスチックとしては、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維および100万以上の分子量からなるポリエチレン繊維からなる群から選ばれる少なくとも一種の連続繊維と、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂およびメタクリル(MMA)樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種のマトリックス樹脂とで構成されるのが好ましいが、特に炭素繊維とエポキシ樹脂の組み合わせが強度、生産コスト、取り扱い性のバランスに優れより好ましい。
該開口部2の形状は、例えば図3の半円形、図4の半楕円形に示す形状だけでなく、図5に示すような三角形、そして四角形以上の多角形、円形、楕円形でもよいが、開口面積がとれ、かつ開口高さを低く設定できる半楕円形とすることが好ましい。
該補強材3と該木造梁部材1との接合は、接着剤、釘、ボルト、リベットの少なくともいずれかとするが、2種類以上の併用とすることも可能である。
本発明の補強構造は、開口部を有する木造部材の曲げ補強に用いられるが、その応用範囲は、開口部を有する木造部材の曲げ補強に限られず、開口部を有する鋼部材の曲げ補強にも応用可能である。
1:木造梁部材
2:開口部
3:補強材
4:荷重
A−A:木造梁部材の中心
h:木造梁部材の高さ
2:開口部
3:補強材
4:荷重
A−A:木造梁部材の中心
h:木造梁部材の高さ
Claims (4)
- 開口部を有する木造部材の曲げ補強構造であって、該木造部材の該開口部は該木造部材高さの中心位置より縁端側に偏った位置に配置し、補強材は該開口部側の縁端面に配置していることを特徴とする木造部材の曲げ補強構造。
- 前記開口部は、前記木造部材の縁端面から該木造部材高さの1/3の範囲にある、請求項1に記載の木造部材の曲げ補強構造。
- 前記補強材は、繊維強化プラスチックである、請求項1または2に記載の木造部材の曲げ補強構造。
- 前記補強材は、鋼材および木材のいずれかである、請求項1または2に記載の木造部材の曲げ補強構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007292849A JP2009121030A (ja) | 2007-11-12 | 2007-11-12 | 木造部材の曲げ補強構造 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007292849A JP2009121030A (ja) | 2007-11-12 | 2007-11-12 | 木造部材の曲げ補強構造 |
Publications (1)
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JP2009121030A true JP2009121030A (ja) | 2009-06-04 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2009121030A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102061812A (zh) * | 2010-12-02 | 2011-05-18 | 上海市建筑科学研究院(集团)有限公司 | 粘贴钢板加固木梁的方法 |
JP2018154963A (ja) * | 2017-03-15 | 2018-10-04 | 帝人株式会社 | 接合構造体 |
-
2007
- 2007-11-12 JP JP2007292849A patent/JP2009121030A/ja active Pending
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JP2018154963A (ja) * | 2017-03-15 | 2018-10-04 | 帝人株式会社 | 接合構造体 |
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