JP2009120713A - 樹脂成形体 - Google Patents

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学 金山
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Abstract

【課題】環境負荷を低減することができると共に、曲げ弾性等の機械的特性に優れ、かつ耐久性を向上させることができる樹脂成形体を提供する。
【解決手段】樹脂成形体は、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート又はポリ(ヒドロキシブチレート−ヒドロキシヘキサノエート)を含む植物由来のポリエステルとフッ素系樹脂とを含有する材料で形成されている基材の表面に、フッ素系樹脂による厚さ5〜200μmのコーティング膜が形成されて構成されている。前記コーティング膜は、フッ素系樹脂とフッ素系溶剤とよりなるフッ素系コーティング剤が塗布されて形成されている。また基材は、植物由来のポリエステルとそれ以外の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイ及びフッ素系樹脂を含有する材料で形成されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えばドアトリム、ピラーガーニッシュ等の自動車用内装部品などとして好適に使用される樹脂成形体に関するものである。
近年における地球温暖化や石油資源の枯渇の問題に対処すべく、植物由来(バイオベース)の樹脂(プラスチック)を使用する検討が盛んに行われている。これは、植物由来の樹脂を使用することにより、石油の使用量を抑えることができると共に、樹脂の使用後に燃焼処理を行ったとき大気中の二酸化炭素(CO)の収支が変化しないというカーボンニュートラルの概念に基づいてその使用が推奨されているためである。また、植物由来の材料の使用に際し、成形体質量のどれだけの割合が植物由来の材料で得られるものであるかを示す指標として「植物度」なる用語が使われ始めており、その度合いが高いほど環境に与える負荷が少ないものとして認識されつつある。その中でもポリ乳酸は、Nature Works社が年産14万トンのプラントを保有し、既に食品トレーやパーソナルコンピュータの筐体等の原料として供給され始めている。このほかにもバクテリアの体内にて合成されるポリヒドロキシブチレートが注目され始めている。ポリヒドロキシブチレートもバクテリアにより糖分や植物油などを出発物質として得られることから、広義の植物由来の樹脂として認知され始めている。
しかし、ポリ乳酸を自動車用内装部品等の厳しい条件が求められる用途において使用する場合には多くの課題がある。まず、ポリ乳酸はその光学純度が高いものは結晶性を有するものの、その結晶化速度が他の結晶性樹脂と比較して非常に遅いことから、通常の成形では低結晶状態となり耐熱性が低いという問題がある。そこで結晶化を促進させるために、金型による成形温度を100℃前後に設定して高価な結晶核剤を用いたり、成形後にアニール処理を施したりすることが試みられている。また、ポリ乳酸は硬くて脆い性質を有していることから、自動車用内装部品等の成形体として使用するためには何らかの改良を行う必要がある。
具体的には、ポリ乳酸を他の樹脂とアロイ化して物性を改良したり、各種添加剤の配合により物性を改良したりする工夫がなされている。一方、ポリヒドロキシブチレートについても生分解速度がポリ乳酸よりも速いことや、ポリ乳酸同様に硬くて脆い性質、加水分解の進行などの点において改良が必要である。この種の改良として、例えばポリ乳酸樹脂にポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂を配合してなる樹脂組成物であって、ポリ乳酸樹脂が分散相で熱可塑性樹脂が連続相となる相構造を有する樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この樹脂組成物によれば、成形性、耐久性及び耐薬品性に優れた成形品を得ることができる。
また、生分解性プラスチックにカルボジイミド化合物を配合してなる生分解性プラスチック組成物が知られている(例えば、特許文献2を参照)。この生分解性プラスチック組成物によれば、生分解速度を安定的に調節することができる。さらに、生分解性を有する樹脂からなる成形基体の表面に装飾用材料を積層した後、シリコーン系コーティング材料からなる保護被膜を形成した成形品が知られている(例えば、特許文献3を参照)。この成形品は、保護被膜によって表面の保護強度を向上させることができる。
特開2006−321988号公報(第2頁及び第3頁) 特開平11−80522号公報(第2頁及び第5頁) 特開2002−19041号公報(第2頁及び第3頁)
しかしながら、特許文献1に記載されている樹脂組成物においては、熱可塑性樹脂が連続相となる相構造を有することから、加水分解の進行を遅らせることはできるが、ポリ乳酸樹脂が分散相として存在することから、高温、高湿下で長期に渡って加水分解の防止を図ることはできなかった。また、特許文献2に記載の生分解性プラスチック組成物では、生分解性プラスチックの加水分解を短期的に抑制することはできるが、この効果は高温、高湿下で長期に渡るほど低下する傾向にあり、耐久性に欠けるという問題があった。さらに、特許文献3に記載の成形品では、シリコーン系コーティング材料による保護被膜で表面保護を図ることができるが、高温、高湿下においては十分な耐久性を発揮することはできなかった。
そこで本発明の目的とするところは、環境負荷を低減することができると共に、曲げ弾性等の機械的特性に優れ、かつ耐久性を向上させることができる樹脂成形体を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1の樹脂成形体は、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート又はポリ(ヒドロキシブチレート−ヒドロキシヘキサノエート)を含む植物由来のポリエステルとフッ素系樹脂とを含有する材料で形成されている基材の表面に、フッ素系樹脂による厚さ5〜200μmのコーティング膜が形成されていることを特徴とする。
請求項2の樹脂成形体は、請求項1に係る発明において、前記コーティング膜は、フッ素系樹脂とフッ素系溶剤とよりなるフッ素系コーティング剤が塗布されて形成されているものであることを特徴とする。
請求項3の樹脂成形体は、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記基材は、植物由来のポリエステルとそれ以外の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイ及びフッ素系樹脂を含有する材料で形成されていることを特徴とする。
請求項4の樹脂成形体は、請求項1から請求項3のいずれか一項に係る発明において、温度65℃及び相対湿度95%の条件で400時間曝露後の曲げ弾性率の保持率が80%以上であることを特徴とする。
請求項5の樹脂成形体は、請求項1から請求項4のいずれか一項に係る発明において、自動車用内装部品に用いられるものであることを特徴とする。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1の樹脂成形体では、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート又はポリ(ヒドロキシブチレート−ヒドロキシヘキサノエート)を含む植物由来のポリエステルとフッ素系樹脂とを含有する材料で形成されている基材の表面に、フッ素系樹脂による厚さ5〜200μmのコーティング膜が形成されている。このように、基材には植物由来のポリエステルが含まれていることから、その分だけカーボンニュートラルの概念により環境に与える負荷を抑えることができる。また、基材に含まれている植物由来のポリエステルにより基材、さらには樹脂成形体の機械的特性などの特性を発現することができる。しかも、基材にはフッ素系樹脂が含まれていると共に、コーティング膜にもフッ素系樹脂が含まれていることから、基材とコーティング膜との間の親和性が高められ、双方の結合力が高められる。その上、フッ素系樹脂のコーティング膜により水蒸気の透過抑制と撥水性とを発現することができる。従って、樹脂成形体は環境負荷を低減することができると共に、曲げ弾性等の機械的特性に優れ、かつ耐久性を向上させることができる。
請求項2の樹脂成形体では、コーティング膜はフッ素系樹脂とフッ素系溶剤とよりなるフッ素系コーティング剤が塗布されて形成されている。このため、請求項1に係る発明の効果に加えて、フッ素系コーティング剤によるコーティングを円滑に行うことができると共に、コーティング膜の膜厚を容易に調整することができる。
請求項3の樹脂成形体では、基材が植物由来のポリエステルとそれ以外の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイ及びフッ素系樹脂を含有する材料で形成されている。このため、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加えて、植物由来のポリエステルとそれ以外の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイに基づいて樹脂成形体の機械的特性を向上させることができる。
請求項4の樹脂成形体では、温度65℃及び相対湿度95%の条件で400時間曝露後の曲げ弾性率の保持率が80%以上である。従って、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、耐久性を向上させることができる。
請求項5の樹脂成形体では、自動車用内装部品に用いられるものであることから、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果に加えて、自動車用内装部品に要求される機械的特性及び耐久性を満足することができる。
以下、本発明の最良と思われる実施形態について詳細に説明する。
本実施形態における樹脂成形体は、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート又はポリ(ヒドロキシブチレート−ヒドロキシヘキサノエート)を含む植物由来のポリエステルとフッ素系樹脂とを含有する材料で形成されている基材の表面に、フッ素系樹脂による厚さ5〜200μmのコーティング膜が形成されているものである。基材として植物由来のポリエステルを含むことによって環境に与える負荷を低減できると共に、基材及びコーティング膜にはフッ素系樹脂が含まれているため、基材とコーティング膜との密着性を向上させ、耐久性の向上を図ることができる。
まず、基材について説明する。この基材は植物由来のポリエステルとフッ素系樹脂とを含有する材料で形成されるが、該材料には樹脂成形体の機械的強度などの特性を高めるための前記植物由来のポリエステル以外の熱可塑性樹脂(石油系熱可塑性樹脂)、無機フィラー、有機繊維、さらには植物由来のポリエステルと熱可塑性樹脂との相溶性を高める相溶化剤などが配合されることが好ましい。加えて、可塑剤、酸化防止剤、加水分解抑制剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤等が必要に応じ、常法に従って所定量配合される。
基材の植物度(植物由来のポリエステルの含有量)は環境に与える負荷を減少させる観点から高い方が好ましいが、具体的には30〜70質量%であることが好ましい。この植物度が30質量%未満の場合、植物由来のポリエステル以外の材料の割合が増大し、環境負荷低減効果が小さくなって好ましくない。その一方、70質量%を超える場合、環境に与える負荷は小さくなるが、樹脂成形体の機械的特性や耐久性が低下する傾向を示す。
前記植物由来のポリエステルは、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート又はポリ(ヒドロキシブチレート−ヒドロキシヘキサノエート)である。ポリ乳酸はその光学純度が高い結晶性のポリ乳酸と、そのような結晶性を有しない非晶性のポリ乳酸とがあり、いずれも使用することができる。結晶性のポリ乳酸は、光学異性体であるL体の割合が3モル%未満又は97モル%を超え、D体又はL体の含有量が極めて高いものである。結晶性のポリ乳酸は、その結晶性に基づいて樹脂成形体の機械的特性や耐久性を向上させることができる点から好ましい。但し、結晶性のポリ乳酸は結晶化速度が遅いため、経時の収縮が発生する傾向があるが、非晶性のポリ乳酸はそのような傾向がない。ポリ乳酸の質量平均分子量は、1万〜50万程度であり、10万〜30万が好ましい。
ポリヒドロキシブチレート(PHB)は、バイオガス(生ごみ等を嫌気性状態で発酵させて得られるガス)や天然ガス中のメタンを原料として微生物により生産される脂肪族ポリエステルであり、廃棄後には微生物によりバイオガスに戻り、リサイクルされる生分解性の樹脂である。このポリヒドロキシブチレートは、ガラス転移温度が室温よりも高い硬質樹脂である。ポリヒドロキシブチレートの質量平均分子量は、1万〜50万程度であり、15万〜25万が好ましい。
ポリ(ヒドロキシブチレート−ヒドロキシヘキサノエート)(PHBH)は、ヒドロキシブチレートとヒドロキシヘキサノエートとの共重合体であり、上記のポリヒドロキシブチレートと同様に微生物によって産生される生分解性の脂肪族ポリエステルである。このポリ(ヒドロキシブチレート−ヒドロキシヘキサノエート)としては、例えばポリ(3−ヒドロキシブチレート−3−ヒドロキシヘキサノエート)などが用いられる。このポリ(ヒドロキシブチレート−ヒドロキシヘキサノエート)は、ガラス転移温度が室温よりも高い硬質樹脂からガラス転移温度が室温よりも低い軟質樹脂まで存在する。ポリ(ヒドロキシブチレート−ヒドロキシヘキサノエート)の質量平均分子量は、10万〜90万程度であり、20万〜50万が好ましい。
基材に含まれるフッ素系樹脂は、フッ素系コーティング剤によるコーティング膜中のフッ素系樹脂に対して親和性を示し、基材に対するコーティング膜の密着性を高めるためのものである。係るフッ素系樹脂としては、炭素数1〜12の(パー)フルオロアルキル基又は(パー)フルオロポリエーテル基を有する(メタ)アクリレート系単量体又はビニル系単量体を50〜95質量%と、フッ素原子を含まない(メタ)アクリレート系単量体、スチレン系単量体、オレフィン系単量体及びその他のビニル系単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体5〜50質量%を共重合してなるフッ素系樹脂が挙げられる。フッ素系樹脂としては、フッ素含有量の高いパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を有するものが好ましい。
フッ素系樹脂としてさらに、パーフルオロオクチルエチルアクリレートの単独重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テトラフルオロエチレンとヘテロ環含有フッ素系単量体との共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキル(メタ)アクリレート重合体、フルオロアルキル(メタ)アクリレートとその他アルキル(メタ)アクリレートとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフロロエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、植物由来のポリエステル以外のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が用いられる。熱可塑性樹脂として典型的にはポリプロピレンが用いられ、ポリ乳酸等の植物由来のポリエステルとポリマーアロイを形成し、得られる樹脂成形体の機械的特性やその耐久性を高めることができる。ポリプロピレンは結晶性の高分子物質で融点が高く、強度等に優れると共に、比重が小さく(0.90〜0.91)、樹脂成形体の軽量化を図ることができ、かつ入手が容易で安価である。
無機フィラーとしては、タルク、ガラス繊維、酸化チタン、マイカ(雲母)、炭酸カルシウム、モンモリロナイト等が用いられる。この無機フィラーを配合する場合には、チタネート系カップリング剤などのカップリング剤を用いることにより、樹脂とフィラー間の親和性を高めることができ、樹脂成形体の機械的特性を向上させることができる。有機繊維としては、ケナフ繊維、竹繊維、ヤシ繊維、パルプ繊維等の植物由来の繊維などが好適に用いられ、このような植物由来の繊維を用いることにより、樹脂成形体の植物度を一層高めることができる。
前記相溶化剤は植物由来のポリエステルと、熱可塑性樹脂とを相溶化(アロイ化)させ、アロイ化によりポリマーアロイを形成し、樹脂成形体の機械的特性及び耐久性を向上させる機能を果たすものである。相溶化剤としては、例えばアミン変性エラストマー(アミン変性熱可塑性エラストマー)等の極性基変性エラストマー、乳酸系ポリエステル共重合体、極性基変性ポリオレフィンなどが好適に用いられる。これらのうち、有機アミンで変性されたアミン変性エラストマーは、カルボキシル基等の他の極性基で変性されたエラストマーに比べて、ポリ乳酸等の植物由来のポリエステルに対する相溶性が優れているため特に好ましい。
相溶化剤として具体的には、極性基変性エラストマーとして旭化成ケミカルズ(株)製の商品名タフテックM1943、乳酸系ポリエステル共重合体として大日本インキ化学工業(株)製の商品名プラメートPD−150、極性基変性ポリオレフィンとして三井化学(株)製の商品名タフマーMP0620等が挙げられる。
また、アミン変性エラストマーとして具体的には、アミン変性のスチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、アミン変性の水添スチレン・ブタジエン共重合ゴム(HSBR)、アミン変性のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、アミン変性のスチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、アミン変性のスチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等が好適に用いられる。具体的には、アミン変性のSEBSとしてJSR(株)製、商品名ダイナロン8630P、アミン変性のHSBRとしてJSR(株)製、商品名ダイナロン4630P等が挙げられる。
これらのアミン変性エラストマーのうち、特にアミン変性のSEBSが好ましい。アミン変性のSEBSは、ドメインとなる植物由来のポリエステルをより微細かつ均一に分散させることができるものと考えられ、マトリックスとなる熱可塑性樹脂との相溶性を一層向上させることができる。
相溶化剤の含有量は、植物由来のポリエステルと熱可塑性樹脂とのアロイ化によってポリマーアロイが形成されるに足る量であればよく、植物由来のポリエステルと熱可塑性樹脂との合計量100質量部当たり0.5〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。相溶化剤の含有量が0.5質量部より少ない場合、植物由来のポリエステルと熱可塑性樹脂との相溶化が不十分となり、樹脂成形体の機械的特性が低下する。その一方、10質量部より多い場合、植物由来のポリエステルと熱可塑性樹脂との相溶化には過剰となり、過剰量の相溶化剤が樹脂成形体の特性に悪影響を及ぼして好ましくない。
前記植物由来のポリエステル、熱可塑性樹脂及びフッ素系樹脂の割合は、ポリマーアロイを形成する植物由来のポリエステルと熱可塑性樹脂との割合及びそれらに対してフッ素系樹脂の割合が決定される。植物由来のポリエステルと熱可塑性樹脂との合計量中における植物由来のポリエステルの含有量は好ましくは30〜70質量%であり、熱可塑性樹脂の含有量は好ましくは70〜30質量%である。植物由来のポリエステルの含有量が30質量%より少ない場合には、植物由来のポリエステルの割合(植物度)が減少し、樹脂成形体の植物度が小さくなって好ましくない。その一方、70質量%より多い場合には、熱可塑性樹脂の含有量が過少となり、樹脂成形体の曲げ弾性等の機械的特性が低下する傾向を示し、樹脂成形体の耐久性が低下する。
フッ素系樹脂の含有量は、植物由来のポリエステルと熱可塑性樹脂との合計量に対して好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜1質量%である。但し、材料中に熱可塑性樹脂が含まれない場合には、フッ素系樹脂は植物由来のポリエステルを基準にして配合される。フッ素系樹脂の含有量が0.01質量%より少ない場合には、コーティング膜の密着性が不十分となり撥水性、水蒸気透過防止性などの機能を十分に発現することができなくなる。一方、10質量%より多い場合には、基材中におけるフッ素系樹脂の分散性が悪化したり、過剰のフッ素系樹脂によって基材の機械的特性が低下する傾向がある。
続いて、基材の製造方法、つまりアロイ化(相溶化)について説明する。すなわち、植物由来のポリエステルと、熱可塑性樹脂と、フッ素系樹脂とを含有する材料を、例えば押出成形法により押出機を使用して混練しながら加熱、溶融して押し出すことにより基材が調製される。押出機としては、2軸押出機等が使用される。また、例えば射出成形法により、前記材料を180〜230℃で溶融し、金型の成形凹部へ射出し、金型温度を任意の温度に保持して実施される〔ポリ乳酸のガラス転移温度(57〜58℃)よりも低い温度で成形を行うこともできる〕。成形法としては、そのほか真空成形法、ブロー成形法などの成形法が採用され、それぞれ常法に従って実施される。基材の形状は、板状、シート状、塊状などのいずれの形状であっても差し支えない。
この製造方法により、相溶化剤のアミノ基等の極性基が植物由来のポリエステル側に作用し、相溶化剤を構成する重合体が熱可塑性樹脂側に作用して基材(ポリマーアロイ)が形成されるものと考えられる。このようにして得られる基材の分散状態は、透過型電子顕微鏡(TEM)で容易に確認することができる。
次に、コーティング膜は、フッ素系樹脂によって厚さ5〜200μmに形成される。このコーティング膜により水蒸気透過防止性と撥水性とを発現することができ、植物由来ポリエステルの加水分解を抑制し、前記基材に基づく曲げ弾性等の機械的特性を維持し、耐久性の向上を図ることができる。コーティング膜の膜厚が5μmより薄い場合にはコーティング膜の機能を十分に発現することができず、200μmより厚い場合にはコーティング膜の膜厚が不均一になったり、基材に対するコーティング膜の密着性が低下したりする不具合を招いて好ましくない。このコーティング膜を形成するフッ素系樹脂としては、前述した基材を形成するフッ素系樹脂を用いることができる。
係るコーティング膜は、フッ素系樹脂とフッ素系溶剤とよりなるフッ素系コーティング剤が基材に塗布されて形成されることが好ましい。この場合、フッ素系コーティング剤を用いて基材にコーティングを行う際のコーティング操作を容易に行うことができ、かつコーティング膜の膜厚を容易に調整することができる。フッ素系コーティング剤としては、好ましくは炭素数1〜12の(パー)フルオロアルキル基又は(パー)フルオロポリエーテル基を有する(メタ)アクリレート系単量体又はビニル系単量体を50〜95質量%と、フッ素原子を含まない(メタ)アクリレート系単量体、スチレン系単量体、オレフィン系単量体及びその他のビニル系単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体5〜50質量%を共重合してなるフッ素系樹脂を主成分とするものである。フッ素系樹脂としては、フッ素含有量の高いパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を有するものが好ましい。
フッ素系溶剤としては、ハイドロフルオロエーテル、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロカーボン等が挙げられる。これらのフッ素系溶剤は、一種のみを単独で使用しても良いし、二種以上を混合して使用しても良い。係るフッ素系コーティング剤においては、コーティング操作を容易に行うと共に、コーティング膜の膜厚調整を容易に行うために、フッ素系樹脂が5〜60質量%及びフッ素系溶剤が40〜95質量%であることが好ましい。
このようにして得られるコーティング膜が基材表面に形成されている樹脂成形体は、曲げ弾性などの機械的特性及びその保持率に優れている。例えば、樹脂成形体について、温度23℃、相対湿度50%での曲げ弾性率が1800〜3200MPa、温度65℃及び相対湿度95%の条件で400時間曝露後の曲げ弾性率の保持率が好ましくは80%以上、より好ましくは90〜100%という優れた特性を発揮することができる。従って、この樹脂成形体をドアトリム、ピラーガーニッシュ等の自動車用内装部品として好適に用いることができる。
さて、本実施形態の作用について説明すると、植物由来のポリエステル、それ以外の熱可塑性樹脂、フッ素系樹脂及び相溶化剤を含有する材料を例えば射出成形機を用いて金型内に射出し、金型温度40℃で成形を行うことにより所望形状の基材が得られる。この基材には植物由来のポリエステルとそれ以外の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイが形成されることから、そのポリマーアロイに基づいて良好な機械的特性を発現することができる。
次いで、得られた基材の表面にフッ素系樹脂とフッ素系溶剤とよりなるフッ素系コーティング剤を塗布、乾燥することにより、基材表面にコーティング膜が形成された樹脂成形体が得られる。フッ素系コーティング剤はフッ素系樹脂がフッ素系溶剤に均一分散されて形成されていることから、基材表面にフッ素樹脂を含むコーティング膜が一定の膜厚で形成される。そのため、係るコーティング膜により、水蒸気としての水の透過が抑えられると同時に、フッ素樹脂に基づいて撥水作用が発現され、基材への水の浸透が回避されて基材中の植物由来ポリエステルの加水分解が抑制される。従って、樹脂成形体は湿熱状態に長期間晒された場合にもその機械的特性を十分に保持することができる。
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 本実施形態における樹脂成形体では、植物由来のポリエステルとフッ素系樹脂とを含有する材料で形成されている基材の表面に、フッ素系樹脂による厚さ5〜200μmのコーティング膜が形成される。基材には植物由来のポリエステルが含まれていことから、その分だけカーボンニュートラルの概念により環境に与える負荷を抑制することができる。また、基材に含まれている植物由来のポリエステルにより基材、さらには樹脂成形体の機械的特性などの特性を発揮することができる。しかも、基材にはフッ素系樹脂が含まれていると共に、コーティング膜にもフッ素系樹脂が含まれていることから、基材とコーティング膜との間の親和性を高め、双方の十分な結合力を得ることができる。その上、フッ素系樹脂のコーティング膜により水蒸気の透過抑制と撥水性とを発揮することができる。従って、樹脂成形体は環境負荷を低減することができると共に、曲げ弾性等の機械的特性に優れ、かつ耐久性を向上させることができる。
・ 前記コーティング膜がフッ素系樹脂とフッ素系溶剤とよりなるフッ素系コーティング剤が塗布されて形成されることにより、フッ素系コーティング剤の粘性を適正にすることができてコーティング操作を円滑に行うことができる。さらに、フッ素系コーティング剤中のフッ素系樹脂の含有量の調整や重ね塗りを行うことにより、コーティング膜の膜厚を容易に調整することができる。
・ 前記基材が植物由来のポリエステルとそれ以外の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイ及びフッ素系樹脂を含有する材料で形成されることにより、植物由来のポリエステルとそれ以外の熱可塑性樹脂との相溶性に優れたポリマーアロイに基づいて樹脂成形体の機械的特性を向上させることができる。
・ 樹脂成形体について、温度65℃及び相対湿度95%の条件で400時間曝露後の曲げ弾性率の保持率が80%以上であることにより、曲げ弾性をはじめとする機械的特性について耐久性を向上させることができる。
・ 上記のような特性を有する樹脂成形体が自動車用内装部品に用いられるものであることにより、自動車用内装部品に要求される機械的特性及び耐久性を満足することができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。
(実施例1〜6及び比較例1〜7)
下記に記載する植物由来のポリエステル〔ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート及びポリ(ヒドロキシブチレート−ヒドロキシヘキサノエート)〕、ポリプロピレン又はポリカーボネート、相溶化剤、無機フィラー(タルク、ガラス繊維)、有機繊維(ケナフ)及びフッ素系樹脂を表1に示す組成(質量部)にて調製し、射出(インジェクション)成形法で基材を作製した。
また、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂又はウレタン樹脂を次のように混合し、コーティング剤を調製した。すなわち、コーティング剤の溶剤として、実施例1〜6、比較例1、2及び7ではハイドロフルオロエーテルのフッ素系溶剤、さらに比較例4では水を用いた。なお、比較例3、5では無溶剤、比較例6ではコーティング剤を使用しなかった。さらに、フッ素系コーティング剤中の樹脂の含有量は、実施例1、3〜5及び比較例1では5質量%、実施例2、6、比較例2及び7では10質量%とした。
そして、基材に対して各コーティング剤をディッピングにて基材表面に塗布した後、乾燥させて表1に示す膜厚のコーティング膜を形成した。
ポリ乳酸:L−乳酸(L体)98モル%及びD−乳酸(D体)2モル%の結晶性ポリ乳酸、質量平均分子量19万5千
PHB:ポリヒドロキシブチレート、質量平均分子量22万1千
PHBH:ポリ(ヒドロキシブチレート−ヒドロキシヘキサノエート)、質量平均分子量24万4千
相溶化剤1:アミン変性HSBR(水添スチレン−ブタジエン共重合体)、JSR(株)製、商品名ダイナロン8630P
相溶化剤2:乳酸系ポリエステル共重合体、大日本インキ化学工業(株)製、商品名プラメートPD−150
基材のフッ素系樹脂:ポリフッ化ビニリデン(PVdF)とヘキサフルオロポリプロピレン(HFP)との共重合体〔Arkema Inc.社製、KYNER PPA〕
フッ素系コーティング剤のフッ素系樹脂(1):パーフルオロオクチルエチルアクリレート85質量%とスチレン15質量%との共重合体〔(株)フロロテクノロジー製、FG−3020〕
フッ素系コーティング剤のフッ素系樹脂(2):パーフルオロオクチルエチルアクリレート80質量%とイソボニルメタクリレート20質量%との共重合体〔(株)フロロテクノロジー製、FG−3030〕
コーティング剤のシリコーン樹脂:無溶媒系シリコーンワニス、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製、トスガード510
コーティング剤のアクリル樹脂:1液タイプアクリル樹脂、(株)マスターマインド製、MIT−777H
コーティング剤のウレタン樹脂:2液タイプウレタン樹脂、三菱化学産資(株)製、ノバレタンKS4000
ここで、比較例1ではフッ素系コーティング剤によるコーティング膜の厚さが5μmより薄い例を示し、比較例2ではコーティング膜の厚さが200μmよりも厚い例を示す。比較例3〜6では、コーティング剤によるコーティング膜がフッ素系樹脂で形成されていない例を示す。比較例7では、基材にフッ素系樹脂が含まれていない例を示す。
そして、得られた各樹脂成形体について、曲げ弾性率、その保持率、基材に対するコーティング膜の密着性及び外観を以下に示す方法により測定し、それらの結果を表1に示した。
〔曲げ弾性率(MPa)及びその保持率(%)〕
曲げ弾性率をJIS K 7171に準拠し、支点間距離64mm、ヘッドスピード2mm/min、温度23℃、相対湿度50%の条件にて測定した。その後、樹脂成形体を温度65℃及び相対湿度95%の条件で400時間曝露後に曲げ弾性率(MPa)を測定した。そして、初期の曲げ弾性率に対する400時間曝露後の曲げ弾性率の割合を百分率で表して保持率(%)とした。
(密着性)
碁盤目剥離試験をJIS K5400の規定に準拠して測定し、評価した。すなわち、コーティング膜に1mm間隔のマス目を100マス形成し、粘着テープを密着させた後剥離した。判定は100マスの内、剥離しないマス目の数で表し、全く剥離しない場合(100/100)を○、それ以外の場合を×として評価した。
(外観)
前記曲げ弾性率の測定において、温度65℃及び相対湿度95%の条件で400時間曝露後の樹脂成形体について外観を目視にて評価し、次の評価基準で評価した。
○:初期の樹脂成形体の外観と同等であった、×:樹脂成形体に割れが発生し、外観が不良であった。
Figure 2009120713
表1に示したように、実施例1〜5の樹脂成形体では、基材が植物由来のポリエステルとポリプロピレン又はポリカーボネートとのポリマーアロイ及びフッ素系樹脂により形成されると共に、その表面にはフッ素系コーティング剤によるコーティング膜が形成されている。また、実施例6では、基材がポリ乳酸にフッ素系樹脂が含まれた材料により形成されると共に、その表面にはフッ素系コーティング剤によるコーティング膜が形成されている。このため、樹脂成形体は曲げ弾性率に優れ、その保持率が90%以上であり、密着性及び外観を良好に維持することができた。
その一方、比較例1ではフッ素系コーティング剤によるコーティング膜の厚さが5μmより薄いことから、コーティング膜で水分の透過が生じたものと考えられ、曲げ弾性率の保持率が52%に低下した。比較例2ではコーティング膜の厚さが200μmよりも厚いため、過剰のフッ素系コーティング剤によりコーティング膜の膜厚が不均一になると共に、割れが発生して外観が悪化した。比較例3〜6では、フッ素系コーティング剤によるコーティング膜がフッ素系樹脂で形成されていないため、コーティング膜の機能発現が不足し、曲げ弾性率の保持率が43〜62%まで低下し、基材に対するコーティング膜の密着性も不良であった。さらに比較例7では、基材にフッ素系樹脂が含まれていないため、コーティング膜の密着性が悪化した。そのため、曲げ弾性率の保持率も67%であった。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 基材を形成するフッ素系樹脂とコーティング膜を形成するフッ素系樹脂として、全く同じフッ素系樹脂を使用するか、又は全く同じフッ素系樹脂を含むように構成することができる。その場合、基材に対するコーティング膜の密着性を向上させることができる。
・ 前記植物由来のポリエステルとして、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート及びポリ(ヒドロキシブチレート−ヒドロキシヘキサノエート)を2種以上組合せて用いることもできる。さらに、その他の植物由来のポリエステル、例えば微生物産生の脂肪族ポリカーボネート、脂肪族ポリエーテル等を配合することも可能である。
・ ポリ乳酸として、非晶性のポリ乳酸を使用したり、結晶性のポリ乳酸と非晶性のポリ乳酸とを適宜の割合で混合して使用したりすることができる。
・ 前記ポリプロピレンに加えて、又はポリプロピレンの一部に代えてその他のポリオレフィンを用いることができる。そのようなポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリブチレンなどが挙げられる。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記ポリマーアロイは、植物由来のポリエステルとそれ以外の熱可塑性樹脂とが相溶化剤によって相溶化されているものであることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の樹脂成形体。このように構成した場合、請求項3から請求項5のいずれかに係る発明の効果に加えて、ポリマーアロイの相溶性を高めることができ、樹脂成形体の機械的特性を向上させることができる。
・ 前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の樹脂成形体。このように構成した場合、請求項3から請求項5のいずれかに係る発明の効果に加えて、樹脂成形体の機械的特性を向上させることができる。
・ 前記基材を構成するフッ素系樹脂及びコーティング膜を構成するフッ素系樹脂は、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を有するものであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の樹脂成形体。このように構成した場合、請求項1から請求項5のいずれかに係る発明の効果に加えて、基材とコーティング膜との親和性並びにフッ素に基づく水蒸気透過防止性及び撥水性を向上させることができる。

Claims (5)

  1. ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート又はポリ(ヒドロキシブチレート−ヒドロキシヘキサノエート)を含む植物由来のポリエステルとフッ素系樹脂とを含有する材料で形成されている基材の表面に、フッ素系樹脂による厚さ5〜200μmのコーティング膜が形成されていることを特徴とする樹脂成形体。
  2. 前記コーティング膜は、フッ素系樹脂とフッ素系溶剤とよりなるフッ素系コーティング剤が塗布されて形成されているものであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形体。
  3. 前記基材は、植物由来のポリエステルとそれ以外の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイ及びフッ素系樹脂を含有する材料で形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の樹脂成形体。
  4. 温度65℃及び相対湿度95%の条件で400時間曝露後の曲げ弾性率の保持率が80%以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の樹脂成形体。
  5. 自動車用内装部品に用いられるものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の樹脂成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021153250A1 (ja) * 2020-01-29 2021-08-05 株式会社カネカ 生分解性ポリエステル溶液およびその利用

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