JP4394536B2 - 半硬質ポリ乳酸系樹脂フィルム及びその製造方法 - Google Patents

半硬質ポリ乳酸系樹脂フィルム及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、生分解性を有するポリ乳酸系樹脂フィルム及びその製造方法に関するものであり、詳しくは、耐衝撃強度、引裂き強度及び破断伸びが大きく、適度の柔軟性を有する半硬質ポリ乳酸系樹脂フィルム及びその製造方法に関するものである。
近年、廃棄後速やかに分解され、自然環境下で蓄積されることのない製品が望まれており、各種生分解性樹脂が市販されている。Tダイ押出機によりフィルム成形できる生分解性樹脂として、脂肪族ポリエステル系樹脂が知られているが、例えば、ポリ乳酸は透明性に優れているものの柔軟性に乏しく、耐衝撃性が低い。そのためポリ乳酸に可塑剤を配合してフィルムに柔軟性を付与することが試みられている(例えば、特許文献1参照)が、可塑剤の配合量を調節して適度の柔軟性をもたせた半硬質ポリ乳酸フィルムは耐衝撃性が未だ十分でない。
一方、ポリ乳酸フィルムの耐衝撃性を向上させるため、可塑剤以外に他の生分解性樹脂や耐衝撃性改良剤を配合することについて、種々の提案がなされている(例えば、特許文献2〜4参照)。
特開2003−12834号公報 特開2002−327107号公報 特開2002−173520号公報 特開2003−268088号公報
特許文献1には、結晶性の乳酸系樹脂と可塑剤とからなり、フィルム中の乳酸系樹脂成分が特定の結晶化熱量と融解熱量を有する生分解性軟質フィルムが開示されているが、半硬質フィルムについては具体的な開示がなく、特許文献2には、ポリ乳酸と生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとの混合樹脂に比較的少量の可塑剤を配合した半硬質フィルムが開示されているが、このフィルムは透明性が十分でなく、また、特許文献3及び特許文献4には、特定の耐衝撃性付与剤を配合したポリ乳酸組成物が開示されているが、比較的少量の可塑剤を配合した柔軟性のある半硬質フィルムについては開示がない。
本発明は、上記の従来技術では達成できなかった、適度の柔軟性をもち、耐衝撃性の優れた半硬質ポリ乳酸系樹脂フィルム及びその製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、D体濃度が比較的高い低結晶性乃至非結晶性のポリ乳酸単独、又はこれにD体濃度が比較的低い高結晶性ポリ乳酸を適量配合したポリ乳酸系樹脂に適量の可塑剤を配合するとともに、製膜したフィルムを結晶化処理することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、D体濃度7〜20%の低結晶性乃至非結晶性ポリ乳酸50〜100重量%とD体濃度0〜6%の高結晶性ポリ乳酸0〜50重量%からなるポリ乳酸系樹脂100重量部あたり、可塑剤が9重量部以上15重量部未満及び耐衝撃性改良剤1〜25重量部配合された混合物を成形して熱処理を施したフィルムであって、結晶化熱量が2J/g以下であり、融解熱量が3〜20J/gであることを特徴とする半硬質ポリ乳酸系樹脂フィルムにある。
130℃未満の温度領域に現れるD体濃度7〜20%の低結晶性乃至非結晶性ポリ乳酸に由来する部分の融解熱量は0.1J/g以上であることが好ましく、前記高結晶性ポリ乳酸のD体濃度は0〜5%であることが好ましく、前記フィルムは前記ポリ乳酸系樹脂100重量部あたり滑剤0.01〜2重量部を含有することが好ましい。
本発明によれば、ポリ乳酸に配合する可塑剤の量を単に調節したり、耐衝撃性改良剤を配合することでは達成できない、適度の柔軟性をもち、かつ、耐衝撃性の優れた半硬質ポリ乳酸系樹脂フィルムが得られる。
本発明において主に用いられるポリ乳酸は、L−乳酸又はその環状二量体であるラクチドとD−乳酸又はラクチドとをモノマーとして用い、縮合重合又は開環重合してなる共重合体であり、本発明においては、D体濃度(L−乳酸単位とD−乳酸単位から構成される共重合体に占めるD−乳酸単位の組成比率)7〜20%、好ましくは9〜18%、さらに好ましくは10〜15%の低結晶性乃至非結晶性ポリ乳酸単独、又はこれにD体濃度0〜6%、好ましくは0〜5%の高結晶性ポリ乳酸との混合物、すなわち、前記低結晶性乃至非結晶性ポリ乳酸50〜100重量%と前記高結晶性ポリ乳酸0〜50重量%からなるポリ乳酸系樹脂が用いられる。
ポリ乳酸系樹脂における前記高結晶性ポリ乳酸の配合比率が50重量%を超えるとフィルムの柔軟性を損なうので好ましくない。
上記共重合ポリ乳酸には、乳酸のみからなる重合体のみならず、乳酸に少量のヒドロキシカルボン酸を共重合成分として配合したものも含まれる。このようなヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などが挙げられる。
本発明に用いられるポリ乳酸の分子量は特に制限されるものではないが、フイルム強度や成形加工性などの観点から、重量平均分子量が1万〜100万程度が適当であり、特に、3万〜50万程度が好ましい。
本発明においてポリ乳酸系樹脂に混合される可塑剤としては、ポリ乳酸に好適に使用することのできる可塑剤であればよく、特に限定されるのものではないが、例えば、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの脂肪族アルコール系可塑剤、アセチルクエン酸トリブチル、グリセリンモノラウリルジアセテート、乳酸エステルなどの脂肪族エステル系可塑剤、エステルの変性物としてエポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等が挙げられ、好ましくは、モノ又はポリグリセリン酢酸エステル系可塑剤が挙げられる。
可塑剤の配合量はポリ乳酸系樹脂100重量部あたり9重量部以上15重量部未満であり、可塑剤の配合量が9重量部未満では可塑化効果が十分でなく、15重量部以上では適度の半硬質性が得られない。
本発明においては、低結晶性乃至非結晶性ポリ乳酸を結晶化させるため、樹脂組成物に結晶核剤を含有させることが好ましい。結晶核剤としては、タルク、カオリナイト、モンモリロナイトなどの珪酸塩化合物、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの各種無機系結晶核剤、その他に各種有機結晶核剤が挙げられ、その配合量については、ポリ乳酸系樹脂100重量部あたり0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
本発明においては、フィルム成形時のフィルムのロール離れを良好ならしめるため、フィルムに滑剤を含有させることが好ましい。滑剤としては、ポリエチレンワックス、脂肪酸アミド、ステアリン酸などが挙げられ、その配合量については、ポリ乳酸系樹脂100重量部あたり0.01〜2重量部、好ましくは0.1〜1.5重量部である。
本発明のフィルムにおいては、耐衝撃性改良剤を配合することが望ましい。
耐衝撃性改良剤の好ましい具体例としては、各種ゴム重合体からなるコア部に、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、スチレンなどのビニル単量体がグラフト重合されてシェル部が構成された多層構造のゴム粒子からなるアクリルゴム系、ジエンゴム系、オレフィンゴム系及びアクリル−シリコーン系のものを挙げることができる。
上記コア部を構成するゴム重合体は、アクリルゴム系改良剤においては、ブチルアクリレートのようなアクリル酸エステルと少量の架橋性モノマーとを重合させたアクリル系ゴムであり、ジエンゴム系改良剤においては、ブタジエン−スチレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどのジエン系ゴム重合体であり、オレフィンゴム系改良剤においては、エチレン−プロピレン系ゴム、ジエン系ゴムの水素添加物などのオレフィン系ゴム重合体であり、また、アクリル−シリコーン系改良剤においては、アクリル系ポリマーとポリオルガノシロキサンとの複合ゴムである。
上記の各種耐衝撃性改良剤は、ポリ乳酸系樹脂100重量部に対して、1〜25重量部、好ましくは1.5〜20重量部の範囲で用いられる。耐衝撃性改良剤の添加量が1重量部未満では耐衝撃性の向上効果が不十分であり、20重量部を超えるとフィルムの表面性が低下する。
また、本発明においては、成形時にフィルムが金属ロールに粘着したり、フィルム同士がブロッキングするのを防ぐために、フィルムに無機化合物の微粒子を含有させてもよい。無機化合物としては、長石、シリカ、あるいは前記結晶核剤として用いられるタルク、カオリンなどが挙げられ、微粒子の平均粒径は1〜7μm、配合量はポリ乳酸系樹脂100重量部あたり0.01〜2重量部、好ましくは0.1〜1.5重量部である。配合量が0.01重量部未満では、溶融フィルムの加工ロールへの粘着とフィルム同士のブロッキングを改善する効果が乏しく、2重量部を超えるとフィルムの透明性を損なう。
本発明において用いられるポリ乳酸系樹脂には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、他の成分を添加することができる。このような添加成分としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、帯電防止剤、熱安定剤、粘着付与剤、顔料、染料などを挙げることができる。また、同様にポリ乳酸と相溶性のある他の生分解性樹脂を少量配合することを妨げない。
本発明の製造方法によって製造される半硬質ポリ乳酸系樹脂フィルムは、単層又は2層以上の積層フィルムであり、フィルム全体の厚さは通常10〜300μm、好ましくは20〜200μmの範囲内にある。
本発明の半硬質ポリ乳酸系樹脂フィルムの製造方法においては、先ずフィルムを構成する樹脂組成物の混練を行うが、その方法は通常用いられる混練方法による。具体的には、ペレットや粉体、固体の細片等をヘンシェルミキサーやリボンミキサーで乾式混合し、単軸や2軸の押出し機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどの溶融混練機に供給して溶融混練することができる。例えば、先ず樹脂組成物をタンブラーにいれて10分〜20分攪拌混合する。次いで、単軸或いは2軸押出機等により140〜210℃の温度で溶融混練を行い、樹脂組成物のペレットにすることができる。
次いで樹脂組成物のペレットを押出機に供給し、Tダイ押出成形やインフレーション成形によってフィルム状に成形する。
本発明の製造方法においては、上記のようにして成形したフィルムを結晶化処理してポリ乳酸を結晶化させる。
結晶化処理は、通常、フィルムを高温下に一定時間置くことによって熱処理する方法によるが、フィルムの加熱手段としては、上記手段以外に、例えばマイクロ波をフィルムに直接照射する手段などが考えられる。熱処理温度は、通常、処理前フィルムのガラス転移温度以上であり、溶融開始温度以下であるが、20〜100℃程度が適当である。適正な処理時間は処理温度によって異なるが、例えば処理温度が60℃の場合、6時間程度処理すれば本発明の目的を達成することができ、それ以上の時間を費やしても結晶化は徐々にしか進まない。
このような結晶化処理を行うことにより、可塑化が促進され、ガラス転移温度領域の幅が広がった結果、適度の柔軟性をもち、耐衝撃性、引裂き強度及び破断伸びが良好な半硬質ポリ乳酸系樹脂フィルムが得られる。このような作用効果を奏する理由は、結晶化処理を行った結果、フィルムの内部に少量の微細な結晶が均一に生じ、配合した可塑剤が微細な結晶間に捕捉されたためと考えられる。
結晶化処理による結晶化の進行度合いと結晶化度は、後述する試験法により測定した結晶化熱量と融解熱量の多少により判別することができる。
本発明において、製膜した半硬質ポリ乳酸系樹脂フィルムの結晶化処理は、結晶化熱量が少なくとも2J/g以下、好ましくは0J/gになるような条件で行う必要があり、結晶化処理されたポリ乳酸フィルムの結晶化度については、融解熱量が3〜20J/gであることを要し、130℃未満の温度領域に現れるD体濃度7〜20%の低結晶性乃至非結晶性ポリ乳酸に由来する部分の融解熱量は0.1J/g以上であることが望ましい。結晶化熱量と融解熱量が上記の範囲外である場合、半硬質ポリ乳酸系樹脂フィルムの耐衝撃性、柔軟性、引裂き強度及び破断伸びにおいて、所望の効果が得られない。
以下、本発明の実施例を挙げるが、本発明はかかる実施例によって何ら限定されるものではない。また、本発明においては、フィルムの耐衝撃性、柔軟性、引裂き強度、破断伸び及び結晶化処理による結晶化の進行度合い(結晶化熱量)と結晶化度(融解熱量)は、以下に示す試験方法により測定、評価した。
(1)耐衝撃性
フィルムインパクトテスター(東洋精機社製)を用いて試料フィルムの衝撃強度を測定し、以下の基準で評価した。
○ 衝撃強度1.0J/mm以上
× 衝撃強度1.0J/mm未満
(2)柔軟性
試料フィルムのヤング率を測定し、以下の基準で評価した。
○ ヤング率500〜1400MPa(適度の柔軟性と剛性がある)
R ヤング率1400MPa超(柔軟性が乏しく硬い)
S ヤング率500MPa未満(剛性が乏しく柔らかい)
(3)引裂き強度
JIS K 7128に準拠してエレメンドルフ引裂き試験法により試料フィルムの引裂き強度を測定し、以下の基準で評価した。
○ 引裂き強度10N/mm以上
× 引裂き強度10N/mm未満
(4)破断伸び
試料フィルムの破断伸びを測定し、以下の基準で評価した。
○ 破断伸び200%超
△ 破断伸び50〜200%
× 破断伸び50%未満
(5)結晶化熱量と融解熱量
試料フィルムを30℃、12時間減圧乾燥した後、4.0mg秤量して試料とした。パーキンエルマー社製DSC7示差走査型熱量計を用い、窒素ガス流通下、20℃/分の昇温速度で−50℃から200℃まで昇温しDSC曲線を得た。DSC曲線のチャートに現れた結晶化ピーク及び融解ピークの面積から試料1g当たりの結晶化熱量と融解熱量(J/g)を計測した。
実施例1〜5、比較例1〜9
フィルム成形用樹脂及び配合剤として、D体濃度がそれぞれ1%及び12%であり、重量平均分子量が約19万である2種のポリDL乳酸、ポリグリセリン酢酸エステル系可塑剤(理研ビタミン社製「リケマールPL−710」)及び滑剤(エルカ酸アマイド)を用意し、表1に示す各実施例及び各比較例の配合組成に従って、7種の樹脂組成物を調製した(数字は各配合成分の重量部数を示す。)。7種のすべての樹脂組成物において、ポリ乳酸系樹脂100重量部あたり滑剤0.5重量部を配合した。
次いで、押出機に各組成物を供給し、シリンダー温度140℃、ダイ温度135℃の条件でインフレーション成形し、厚さ100μmの7種のフィルムを得た。
得られた7種の各フィルムを60℃の温度に保った室内で6時間養生し、ポリ乳酸の結晶化を促進した。なお、結晶化処理に際しては、フィルム同士が接触しないよう、フィルム間に薄紙を挟んで処理した。このように結晶化処理した7種のフィルム(実施例1〜5及び比較例6及び8)と未処理の7種のフィルム(比較例1〜5、7及び9)、計14種の各フィルムについて、結晶化熱量と融解熱量を測定するとともに、耐衝撃性、柔軟性、引裂き強度及び破断伸びの各評価試験を行い、測定値と評価結果を表1に示す。
なお、表1に示す融解熱量aは、DSC曲線のチャートにおいて、130℃未満の温度領域に現れる低結晶性乃至非結晶性ポリ乳酸に由来する融解ピークの熱量の値を表し、同様に、融解熱量bは、130℃以上の温度領域に現れる高結晶性ポリ乳酸に由来する融解ピークの熱量の値を表す。
Figure 0004394536
また、実施例2で得られたフィルムのDSC曲線のチャートを図1に示し、比較例2について同様のチャートを図2に示す。
未処理フィルムのDSC曲線を示す図2のチャートにおいては、ポリ乳酸の結晶部分の融解ピークが現れず、ガラス転移温度領域にピークが認められるが、熱処理したフィルムのDSC曲線を示す図1のチャートにおいては、低結晶性乃至非結晶性ポリ乳酸に由来する融解ピークが130℃未満の温度領域に現れており、また、ガラス転移温度領域はその幅が広がり、ピークも消失している。なお、未処理フィルムにおいても結晶化ピークは現れていない。
表1に示すとおり、各比較例においては、可塑剤の配合量が比較的少なくて結晶化処理していないもの(比較例1、2、4、5及び9)は、いずれも耐衝撃性、柔軟性、引裂き強度及び破断伸びのすべてにおいて不良ないし不適当であり、可塑剤量を多くし、また、さらに結晶化処理したもの(比較例3、6及び7)は、幾つかの特性が改善されるものの、いずれかの特性が不良ないし不適当であった。
これに対し、各実施例においては、適当量の可塑剤と結晶化処理により、半硬質ポリ乳酸系樹脂フィルムとしての上記特性のすべてにおいて良好かつ適当であった。
本発明の半硬質ポリ乳酸系樹脂フィルムは、農業用フィルム、食品包装用フィルム、その他の包装用フィルム、保護用フィルムなどに使用することができる。さらに、使用目的により、他のフィルムと複合化して使用することも可能である。
実施例フィルムの示差走査型熱量計によるDSC曲線を示すチャートである。 比較例フィルムの示差走査型熱量計によるDSC曲線を示すチャートである。

Claims (4)

  1. D体濃度7〜20%の低結晶性乃至非結晶性ポリ乳酸50〜100重量%とD体濃度0〜6%の高結晶性ポリ乳酸0〜50重量%からなるポリ乳酸系樹脂100重量部あたり、可塑剤が9重量部以上15重量部未満及び耐衝撃性改良剤1〜25重量部配合された混合物を成形して熱処理を施したフィルムであって、結晶化熱量が2J/g以下であり、融解熱量が3〜20J/gであることを特徴とする半硬質ポリ乳酸系樹脂フィルム。
  2. 130℃未満の温度領域に現れるD体濃度7〜20%の低結晶性乃至非結晶性ポリ乳酸に由来する部分の融解熱量が0.1J/g以上である請求項1に記載の半硬質ポリ乳酸系樹脂フィルム。
  3. 前記高結晶性ポリ乳酸のD体濃度が0〜5%である請求項1に記載の半硬質ポリ乳酸系樹脂フィルム。
  4. 前記ポリ乳酸系樹脂100重量部あたり滑剤0.01〜2重量部を含有する請求項1に記載の半硬質ポリ乳酸系樹脂フィルム。
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