JP2009119402A - 回転霧化頭 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転霧化頭10は、正面の中心部に配された凹部18を有する本体11と、本体11に対し、凹部18の開口部を塞ぐように組み付けられることで塗料を流入させるための塗料流入室34を構成するカバー25とを備えている。本体11とカバー25には、カバー25を本体11に対して組み付け状態に保持する磁力を発生する永久磁石23,33が設けられている。永久磁石23,33の磁力は、ゴムや合成樹脂に比べると経年劣化が生じ難く、遠心力の影響を受けないので、長期間に亘って良好な回転バランスを保つことができる。よって、回転バランスの狂いに起因する塗装不良を防止することができる。
【選択図】図2
Description
Oリングが変形すると、Oリングと溝との係止代が低下して、カバーが本体に対して位置ずれし、その結果、回転霧化頭全体の回転バランスに狂いが生じる虞がある。また、カバーの変形と体積膨張は、回転霧化頭全体の回転バランスが狂う原因となり、さらに、脚部が弾性変形すると、脚部と溝との係止代が低下して、カバーが本体に対して位置ずれする虞があるため、この場合も、回転霧化頭全体の回転バランスが狂うことになる。このような回転バランスの狂いが発生すると、回転霧化頭が軸ブレし、塗料流入室から拡散面への塗料の供給量が周方向において不均一になるため、塗装不良を来すことが懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、回転霧化頭の回転バランスの崩れに起因する塗装不良を防止することを目的とする。
カバーを本体に対して組み付け状態に保持する手段として、永久磁石の磁力を利用しているので、この磁力を上回る力を加えることによって簡単にカバーを本体から外すことができる。永久磁石の磁力は、ゴムや合成樹脂に比べると経年劣化が生じ難く、また、遠心力の影響を受けることもないので、長期間に亘って良好な回転バランスを保つことができる。したがって、回転バランスの狂いに起因する塗装不良を防止することができる。
本体側の永久磁石とカバー側の永久磁石との磁力を利用しているので、本体とカバーのうちの一方のみに永久磁石を設け、他方を保磁力の小さい強磁性体とした場合に比べると、強い磁力が得られる。
本体におけるカバーの取付部とカバーとは円形に形成されているので、周方向においてカバーが本体に対して任意の位置に嵌合させることが可能であるが、この場合、周方向における組付け位置が変化することが原因となって回転霧化頭全体の回転バランスに狂いが生じる虞がある。その点、本発明では、周方向におけるカバーの本体に対する組付け位置は1箇所のみに規定されているので、本体に対してカバーの着脱を行っても、回転霧化頭全体としての回転バランスに狂いが生じる虞がない。
流出孔と永久磁石の位置が径方向に離間しているので、塗料に磁性金属からなる顔料が含まれている場合であっても、その顔料が永久磁石の磁気吸引力によって流出孔内に留まる虞がない。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図7を参照して説明する。尚、塗装ガン40をあらわす図1では、回転霧化頭10を回転駆動するためのタービン機構44を簡略化しているとともに、永久磁石23の図示を省略している。まず、塗装ガン40の概要を説明する。塗装ガン40は、銃身部41の前端部に回転霧化頭10を取り付けて構成され、銃身部41内には、前後方向に延びる塗料供給管42が設けられている。同じく銃身部41の内部には、塗料供給管42を同心状に包囲する形態の円筒形をなす回転軸43が設けられている。回転軸43は、周知のタービン機構44によって一方向へ例えば6,000rpm程度の高速で回転するようになっている。回転軸43における銃身部41から前方へ突出した前端部の外周には、回転霧化頭10を取り付けるための雄ネジ部45が形成されている。また、塗料供給管42の前端部は、回転軸43の前端よりも更に前方へ突出している。
本体11は全体として円筒形をなし、本体11の略前半部分は大径部12となっており、略後半部分は大径部12と同心の小径部13となっている。小径部13には、前後方向に貫通する円形断面の中心孔14が同心状に形成されており、この中心孔14の前端部は、同心状に径が小さくなった小径孔15となっている。同じく小径部13なは、中心孔14を同心状に包囲するような円環状をなし、小径部13の後端面に開口する取付け溝16が形成されており、取付け溝16の外周には雌ネジ部17が形成されている。
カバー25は、本体11に対して前方から凹部18の開口を塞ぐようにして組み付ける。このとき、カバー25の外周のテーパ状をなすガイド面30により、カバー25が本体11に対して径方向に位置決めされる。これにより、取付部27が嵌合溝19に嵌合されるとともに、凹部18の開口が閉塞部26によって閉塞される。カバー25を組み付けた状態では、取付部27が、嵌合溝19に対して隙間なく、且つ径方向へのガタ付きなく嵌合される。そして、閉塞部26によって凹部18の前面の開口が塞がれることにより、回転霧化頭10の内部に塗料流入室34が構成される。また、複数の流出孔28が、凹部18の開口縁(塗料流入室34の外周縁)に沿って配置され、取付部27の前面が拡散面24に対して面一状に連なる。
次に、本発明を具体化した実施形態2〜6を、夫々、図8〜12を参照して説明する。本実施形態2〜6は、いずれも、永久磁石23,33の配置を上記実施形態1とは異なる形態としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では本体とカバーの両方に永久磁石を設けたが、本発明によれば、永久磁石は本体とカバーのうちいずれか一方のみに設け、他方を強磁性体としてもよい。
(2)上記実施形態では本体側の永久磁石とカバー側の永久磁石とを、カバーが本体に対して周方向における唯一の正規位置に組み付けられている状態でのみN極とS極とが対向するように配置したが、本発明によれば、本体に体するカバーの周方向における正規の組付け位置が、複数設定されていてもよい。
(3)上記実施形態では流出孔がカバーを貫通するように形成したが、本発明によれば、流出孔が、カバーの外周縁や凹部の内周を切欠した形態としてもよい。
(4)上記実施形態では凹部とカバーを円形としたが、本発明によれば、凹部とカバーは非円形であってもよい。
(5)上記実施形態では永久磁石を周方向に等角度ピッチで配置したが、本発明によれば、永久磁石を周方向において不等ピッチで配置してもよい。
(6)上記実施形態では本体側の永久磁石とカバー側の永久磁石を同じ数としたが、本発明によれば、本体側の永久磁石の数とカバー側の永久磁石の数とが異なっていてもよい。
(7)上記実施形態では本体側の永久磁石とカバー側の永久磁石とを、回転霧化頭の回転中心軸と平行な向きに当接するように対向配置したが、本発明によれば、本体側の永久磁石とカバー側の永久磁石とを、回転霧化頭の回転中心軸と直角な径方向に当接するように対向配置してもよい。
(8)上記実施形態では本体側の永久磁石とカバー側の永久磁石とを、直接、当接させるようにしたが、本発明によれば、本体側の永久磁石とカバー側の永久磁石とが、クリアランスを空けて対向するようにしてもよい。
(9)上記実施形態ではカバーを非磁性の金属製としたが、本発明によれば、カバーを合成樹脂(例えば、ポリアセタール)製としてもよい。
11…本体
18…凹部
23…永久磁石(磁気保持手段)
24…拡散面
25…カバー
28…流出孔
33…永久磁石(磁気保持手段)
34…塗料流入室
40…塗装ガン
Claims (4)
- 塗装ガンの前端部に回転可能に設けられ、正面の中心に形成された凹部と、正面に前記凹部を包囲するように形成された円環状の拡散面とを有する本体と、
前記本体に対し、前記凹部の開口部を塞ぐように組み付けられることで塗料を流入させるための塗料流入室を構成するカバーとを備えており、
前記塗料流入室から前記拡散面に供給した塗料を、遠心力により微粒化して前記拡散面の外周縁から放出させる回転霧化頭において、
前記本体と前記カバーには、前記カバーを前記本体に対して組み付け状態に保持する磁力を発生する永久磁石を備えた磁気保持手段が設けられていることを特徴とする回転霧化頭。 - 前記本体と前記カバーが非磁性材料からなり、
前記磁気保持手段が、前記本体に取り付けた永久磁石と前記カバーに取り付けた永久磁石とによって構成されていることを特徴とする請求項1記載の回転霧化頭。 - 前記本体における前記カバーの取付部と、前記カバーは円形に形成され、
前記本体側の前記永久磁石と前記カバー側の前記永久磁石とは、前記カバーが前記本体に対して周方向における唯一の正規位置に組み付けられている状態でのみN極とS極とが対向するように配置されていることを特徴とする請求項2記載の回転霧化頭。 - 前記塗料流入室から前記拡散面に連通する流出孔が、前記カバーを貫通する形態で形成され、
前記永久磁石が、前記カバーにおける前記流出孔よりも外周側の位置に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の回転霧化頭。
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