JP2009119327A - 軽量耐熱フィルター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】耐熱短繊維と高強力繊維及び熱接着性複合繊維の混繊からなる繊維層を難燃性樹脂バインダーで接着してなる不織布で構成され、目付質量範囲が70g/m2〜200g/m2の軽量で、破裂強力が3.0KPa以上、200℃での初期伸張弾性率が100N/5cm2/100%以上の特性を具備する。
【選択図】 なし
Description
ところが上記提案されている耐熱フィルターは目付量が500g/m2前後と高く、自動車等のエアフィルターとして使用することには問題を有している。
(1)耐熱短繊維と高強力短繊維、熱接着性複合短繊維の混繊からなる繊維層を難燃性樹脂バインダーで接着してなる不織布よりなる、目付質量範囲が70g/m2〜200g/m2の軽量フィルターであって、破裂強度が3.0KPa以上で、200℃での初期伸張弾性率が100N/5cm2/100%以上であること。
(2)耐熱短繊維と高強力短繊維において、耐熱短繊維が15質量%以上で高強力短繊維が25重量%以上からなり、耐熱短繊維と高強力短繊維の全量がバインダーを含む繊維総量に対し、30〜75重量%の範囲であること。
(3)接着性複合短繊維がポリエステル樹脂と変性ポリエステル樹脂からなり、混繊比率がバインダーを含む繊維総量に対し10重量%〜55重量%の範囲であること。
(4)難燃性樹脂バインダーがアクリル変性樹脂に難燃剤が含浸してなり、その固形分付着量がバインダーを含む繊維総量に対し15〜60重量%の範囲であること。
の各条件を特徴とする。
繊度14.4デシテックス、繊維長76mmのメタアラミド繊維(帝人株式会社製:コーネックス、分解開始温度415℃)35重量%と、繊度1.7デシテックス、繊維長51mmのパラアラミド繊維(帝人株式会社製:テクノーラ、強度25cN/デシテックス35重量%と、繊度4.4デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合(低融点ポリエステルの融点:160℃、ユニチカ株式会社製)30重量%とからなる目付80g/m2を均一混繊してカーディング加工を施して均一なウエブを得た。このウエブを深さ11mm、打ち込み本数90本/cm2でニードルパンチ処理を施し、200℃のピンテンター式熱処理機で47秒間熱処理して繊維間の接着をした。引き続き、リン系難燃剤を分散したアクリル系バインダー(濃度21%owf)に浸漬してマングルで絞り熱風乾燥してバインダー付着量45g/m2のバインダー加工を施して、目付質量125g/m2の軽量耐熱フィルターを得た。
実施例2
繊度7.8デシテックス、繊維長76mmのポリフェニレンサルファイド繊維(東洋紡績株式会社製:プロコン融点285)29重量%と、繊度1.7デシテックス、繊維長51mmのパラアラミド繊維(帝人株式会社製:テクノーラ)29重量%と、繊度4.4デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:160℃、ユニチカ株式会社製)42重量%とからなる目付質量65g/m2を均一混繊してカーディング加工を施して均一なウエブを得た。このウエブを深さ11mm、打ち込み本数90本/cm2でニードルパンチ処理を施し、200℃のピンテンター式熱処理機で47秒間熱処理して繊維間の接着をした。引き続き、リン系難燃剤を分散したアクリル系バインダー(濃度21%owf)に浸漬してマングルで絞り熱風乾燥してバインダー付着量40g/m2のバインダー加工を施して、目付質量105g/m2の軽量耐熱フィルターを得た。
実施例3
繊度14.4デシテックス、繊維長76mmのメタアラミド繊維(帝人株式会社製:コーネックス)35重量%と、繊度1.7デシテックス、繊維長51mmのパラアラミド繊維(東レ株式会社製:ケブラー強度20.8cN/デシテックス)35重量%と、繊度4.4デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:160℃、ユニチカ株式会社製)30重量%とからなる目付質量75g/m2を均一混繊してカーディング加工を施して均一なウエブを得た。このウエブを深さ11mm、打ち込み本数90本/cm2でニードルパンチ処理を施し、200℃のピンテンター式熱処理機で47秒間熱処理して繊維間に接着をした。引き続きリン系難燃剤を分散したアクリル系バインダー(濃度21%owf)に浸漬してマングルで絞り熱風乾燥してバインダー付着量45g/m2のバインダー加工を施して目付質量120g/m2の軽量耐熱フィルターを得た。
実施例4
繊度14.4デシテックス、繊維長76mmのメタアラミド繊維(帝人株式会社製:コーネックス)12重量%と、繊度1.7デシテックス、繊維長51mmのパラアラミド繊維(帝人株式会社製:テクノーラ)58重量%と、繊度4.4デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:160℃、ユニチカ株式会社製)30重量%とからなる目付質量69g/m2を均一混繊してカーディング加工を施して均一なウエブを得た。このウエブを深さ11mm、打ち込み本数90本/cm2でニードルパンチ処理を施し、200℃のピンテンター式熱処理機で47秒間熱処理して繊維間の接着をした。引き続きリン系難燃剤を分散したアクリル系バインダー(濃度21%owf)に浸漬してマングルで絞り熱風乾燥してバインダー付着量45g/m2のバインダー加工を施して、目付質量114g/m2の軽量耐熱フィルターを得た。
実施例5
繊度14.4デシテックス、繊維長76mmのメタアラミド繊維(帝人株式会社製:コーネックス)54重量%と、繊度1.7デシテックス、繊維長51mmのパラアラミド繊維(帝人株式会社製:テクノーラ)15重量%と、繊度4.4デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:160℃、ユニチカ株式会社製)31重量%とからなる目付質量74.2g/m2を均一混繊してカーディング加工を施し、200℃のピンテンター式熱処理機で47秒間熱処理して繊維間の接着をした。引き続き、リン系難燃剤を分散したアクリル系バインダー(濃度21%owf)に浸漬してマングルで絞り熱風乾燥してバインダー付着量62.8g/m2のバインダー加工を施して、目付質量137g/m2の軽量耐熱フィルターを得た。
実施例6
繊度14.4デシテックス、繊維長76mmのメタアラミド繊維(帝人株式会社製:コーネックス)34重量%と、繊度1.7デシテックス、繊維長51mmのパラアラミド繊維(帝人株式会社製:テクノーラ)37重量%と、繊度4.4デシテックス、繊維長4.4デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:160℃、ユニチカ株式会社製)29重量%とからなる目付140g/m2を均一混繊してカーディング加工を施して均一なウエブを得た。このウエブを深さ11mm、打ち込み本数90本/cm2でニードルパンチ処理を施し、200℃のピンテンター式熱処理機で47秒間熱処理して繊維間の接着をした。引き続き、リン系難燃剤を分散したアクリル系バインダー(濃度21%owf)に浸漬してマングルで絞り熱風乾燥してバインダー付着量194g/m2のバインダー加工を施して、目付質量194g/m2の軽量耐熱フィルターを得た。
比較例1
繊度14.4デシテックス、繊維長76mmの中空繊維(ユニチカ株式会社製)50重量%と、繊度4.4デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:160℃、ユニチカ株式会社製)50重量%とからなる目付120g/m2を均一混繊してカーディング加工を施して均一なウエブを得た。このウエブを深さ11mm、打ち込み本数90本/cm2でニードルパンチ処理を施し、200℃のピンテンター式熱処理機で47秒間熱処理して繊維間の接着をした。引き続き、リン系難燃剤を分散したポリエステル系バインダー(濃度6.25%owf)に浸漬してマングルで絞り熱風乾燥してバインダー付着量16g/m2のバインダー加工を施して目付質量136g/m2のフィルターを得た。
比較例2
繊度14.4デシテックス、繊維長76mmのメタアラミド繊維(帝人株式会社製:コーネックス)43.0重量%と、繊度1.7デシテックス、繊維長51mmのパラアラミド繊維(帝人株式会社製:テクノーラ)52.0重量%と、繊度4.4デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:160℃、ユニチカ株式会社製)5重量%とからなる目付46.5g/m2を均一混繊してカーディング加工を施して均一なウエブを得た。このウエブを深さ11mm、打ち込み本数90本/cm2でニードルパンチ処理を施し、200℃のピンテンター式熱処理機で47秒間熱処理して繊維間の接着をした。引き続き、リン系難燃剤を分散したアクリル系バインダー(濃度21%owf)に浸漬してマングルで絞り熱風乾燥してバインダー付着量39.5g/m2のバインダー加工を施して、目付質量86g/m2のフィルターを得た。
比較例3
繊度14.4デシテックス、繊維長76mmのメタアラミド繊維(帝人株式会社製:コーネックス)33重量%と、繊度1.7デシテックス、繊維長51mmのパラアラミド繊維(帝人株式会社製:テクノーラ)35重量%と、繊度4.4デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:160℃、ユニチカ株式会社製)32重量%とからなる目付75g/m2を均一混繊してカーディング加工を施して均一なウエブを得た。このウエブを深さ11mm、打ち込み本数90本/cm2でニードルパンチ処理を施し、200℃のピンテンター式熱処理機で47秒間熱処理して繊維間の接着をした。引き続き、リン系難燃剤を分散したアクリル系バインダー(濃度21%owf)に浸漬してマングルで絞り熱風乾燥してバインダー付着量5g/m2のバインダー加工を施して、目付質量80g/m2のフィルターを得た。
比較例4
繊度14.4デシテックス、繊維長76mmメタアラミド繊維(帝人株式会社製:コーネックス)30重量%と、繊度1.7デシテックス、繊度51mmのパラアラミド繊維(帝人株式会社製:テクノーラ)30重量%と、繊度4.4デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:160℃、ユニチカ株式会社製)40重量%とからなる目付47g/m2を均一混繊してカーディング加工を施して均一なウエブを得た。このウエブを深さ11mm、打ち込み本数90本/cm2ニードルパンチ処理を施し、200℃のピンテンター式熱処理機で47秒間熱処理して繊維間の接着をした。引き続き、リン系難燃剤を分散したアクリル系バインダー(濃度21%owf)に浸漬してマングルで絞り熱風乾燥してバインダー付着量80g/m2のバインダーへ加工を施して、目付質量127g/m2のフィルターを得た。
比較例5
繊度14.4デシテックス、繊維長76mmのメタアラミド繊維(帝人株式会社製:コーネックス)35重量%と、繊度1.7デシテックス、繊維長51mmのパラアラミド繊維(帝人株式会社製:テクノーラ)35重量%と、繊度4.4デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:160℃、ユニチカ株式会社製)30重量%とからなる目付34g/m2を均一混繊してカーディング加工を施して均一なウエブを得た。このウエブを深さ11mm、打ち込み本数90本/cm2でニードルパンチ処理を施し、200℃のピンテンター式熱処理機で47秒間熱処理して繊維間の接着をした。引き続きリン系難燃剤を分散したアクリル系バインダー(濃度21%owf)に浸漬してマングルで絞り熱風乾燥してバインダー付着量17g/m2のバインダー加工を施して、目付質量51g/m2のフィルターを得た。
目付質量:g/m2
50cm×50cmの大きさを切り出し、その時の重さを測定し、1m2当たりの重量に換算する。
厚さ:mm
40cm×40cmの大きさを切り出し、20っmφの質量%シックネスゲージで初荷重1.5KPaをかけて、4隅の高さを測定し、その平均値で示す。
見掛け密度:g/cc
目付量と厚さで下式により算出する。
通気度:cc/cm2/sec
JIS L 1096−1999の827.1のA法により測定した。
破裂強さ:KPa〔Kgf/cm2〕
JIS L 1096の8.16.1A法(ミューレン形法)に準拠した。即ち、試料から約15cm×15cmの試験片を5枚採取し、ミューレン形破裂試験機を用い、試験片の表面を上にして、均一な張力を加えてクランプでつかみ、圧力を加えてゴム膜が試験片を突き破る強さ(KPa〔Kgf/cm2〕)及び破断時のゴム膜だけの強さ(KPa〔Kgf/cm2〕)を測り、次の式によって破裂強さ(KPa〔Kgf/cm2〕)を求め、その平均値を算出し、有効数字3桁にまるめる。
但しBs:破裂強さ(KPa〔Kgf/cm2〕)
A:ゴム膜が試験片を突き破る強さ(KPa〔Kgf/cm2〕)
B:破断時のゴム膜だけの強さ(KPa〔Kgf/cm2〕)
常温、高温引張強力の評価
JIS L 1096の6.12.1に記載のA法カットストリップ法に準じて、不織布から切り出した幅5cm及び長さ20cm(つかみ間隔10cm)の試験片を、常温、及び200℃の温度下で定速伸張形引張試験機にて引張速度20cm/分で測定する。
n=3で測定して平均で示す。
強伸度曲線から5%伸度の応力を算出し100%に換算した値で示す。n=3熱面収縮率:%
(1)30cm角に打ち抜いた試料にタテ、ヨコそれぞれ中央線を引き、またタテ、ヨコ両側に端部より2.5cm幅にそれぞれ線を引いて、2.5cm内方に形成された正方形面積を測定し、平均面積(Acm2)を算出する。n=3。
(2)次に200℃の恒温槽に試料を入れて、1時間後、恒温槽から取り出し、常温に冷ました後、(1)と同じ測定をして収縮した平均面積(Tcm2)を測定し(n=3)、下式により求める。
熱収縮率=(T−A)/A×100(%)
濾過性能の評価:
JIS D1612の自動車用エアクリーナー試験法に基づく。
フルライフ清浄効率 (ηf)
塵埃保持量 (DHC)
実験条件
JIS8種塵埃(JIS Z8901)塵埃濃度は1g/m3
試験用エアクリーナーのエレメント 有効面積1000cm2の円板濾材
試験風速 30cm/sec
最終圧損 2940Pa[300mmAq]
ηf 増加抵抗300mmAq時における塵埃除去効率
DHC 増加抵抗300mmAq時における塵埃保持量
耐火炎性
試料を10cmφの枠に張り、ガス炎先端距離10cmに近付け5.0sec間曝す。その時の試料の状態を評価する。
やや変化 △
大きく変化 ×
プリーツ加工性
試料を幅12cmで5cm間隔に折り曲げて山谷をそれぞれ3個ずつ作成した。山々、谷々間隔を2cmとしたプリーツを作成し、その形状と1山に均一に加重を掛け1.0kg/12cm以上を良好として下記評価をした。
3山がやや均一に形成され荷重1.0kg/12cm以上 △
3山が不均一に形成され荷重1.0kg/12cm以下 ×
Claims (4)
- 耐熱短繊維と高強力短繊維及び熱接着性複合短繊維の混繊からなる繊維層を難燃性樹脂バインダーで接着してなる不織布であって、目付質量範囲が70g/m2〜200g/m2で、破裂強力が3.0KPa以上、200℃での初期伸張弾性率が100N/5cm2/100%以上であることを特徴とする軽量耐熱フィルター。
- 耐熱短繊維と高強力短繊維において、耐熱短繊維が15質量%以上で高強力短繊維が25重量%以上からなり、耐熱短繊維と高強力短繊維の全量がバインダーを含む繊維総量に対し、30〜75重量%の範囲である請求項1記載の軽量耐熱フィルター。
- 接着性複合短繊維がポリエステル樹脂と変性ポリエステル樹脂の複合からなり、混繊比率がバインダーを含む繊維総量に対し10〜55重量%の範囲である請求項1および2記載の軽量耐熱フィルター。
- 難燃性樹脂バインダーがアクリル変性樹脂に難燃剤が含浸してなり、その固形分付着量がバインダーを含む繊維総量に対し15〜60重量%の範囲である請求項1、2および3記載の軽量耐熱フィルター。
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2007
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