JP2009118567A - 配電盤 - Google Patents

Abstract

【課題】外部操作機構を別途設けることなく、正面扉を閉じたままで移動形機器を外部から移動させたり操作したりすることが可能な配電盤を提供する。
【解決手段】配電盤の移動形機器１を収納するユニット室２の正面扉１５には、移動形機器１に設けられた操作部１ｂおよび取手１ｃの少なくとも一部を外部に突出させる開口部５ａを形成し、移動形機器１に設けられた操作部１ｂおよび取手１ｃの少なくとも一部が突出した状態で開口部５ａを覆う防塵用の保護カバー６を正面扉１５に装着する。
【選択図】 図１

Description

本発明は配電盤に関し、特に、移動形機器（または引出形機器）を配電盤内で移動させることにより、電源側断路部と負荷側断路部との間が開閉される構造に適用して好適なものである。

高圧受配電設備などに使用される配電盤では、遮断機などの開閉器が搭載された移動形機器を単位ユニットとして上下方向に１段または多段積みにして配電盤に収納する方法がある（特許文献１）。このような配電盤では、運転位置と断路位置との間で移動形機器を配電盤の奥行き方向に移動させることにより、電源側断路部および負荷側断路部と移動形機器の間が開閉される。そして、移動形機器が運転位置と断路位置との間を移動できるようにするため、正面扉と移動形機器の間にスペースが形成されるように配電盤の寸法が設定される。そして、移動形機器の引出または挿入操作を行う場合、正面扉を開放した状態で移動形機器を移動させ、移動形機器の引出または挿入操作が完了すると、正面扉を閉じるのが一般的である。

一方、配電盤の操作時の安全性を向上させるため、正面扉を閉じた状態で運転位置と断路位置との間で移動形機器を移動させたり操作したりすることができる外部操作機構を設ける方法もある。
図４（ａ）は、従来の配電盤に搭載された移動形機器を運転位置に移動させた時の概略構成を示す断面図、図４（ｂ）は、図４（ａ）の配電盤に搭載された移動形機器を断路位置に移動させた時の概略構成を示す断面図である。

図４において、配電盤には、移動形機器１を収納するユニット室２が設けられ、ユニット室２には、移動形機器１が単位ユニットとして１段または多段積みにして収納される。ここで、ユニット室２はユニットテーブル２ａにて上下方向に区画され、ユニットテーブル２ａ上に移動形機器１が支持されている。また、ユニット室２には、断路位置２ｃと運転位置２ｄとの間の移動距離４ｂに対応したスペースが奥行き方向２ｂに形成され、ユニット室２の前面には、開閉可能な正面扉５が設けられている。

また、ユニット室２の奥には、負荷側に断路を形成する負荷側断路部１３ａおよび電源側または母線側に断路を形成する電源側断路部１３ｂが設けられ、負荷側断路部１３ａおよび電源側断路部１３ｂは、ブッシング３ａ、３ｂにてそれぞれ絶縁されながら保持されている。
そして、移動形機器１には正面パネル１ａが設けられ、正面パネル１ａの前面には、インターロックや位置ロックなどを行う操作部１ｂが設けられるとともに、移動形機器１を引き出したり押し込んだりする取手１ｃが形成されている。また、移動形機器１の底面には、ユニットテーブル２ａ上で移動形機器１を移動させる車輪１１ｃが設けられている。さらに、移動形機器１の後方には、負荷側断路部１３ａとの間で電路を形成する負荷側接触端子１１ａおよび電源側断路部１３ｂとの間で電路を形成する電源側接触端子１１ｂが設けられている。

そして、内部操作方式の場合、図４（ａ）に示すように、正面扉５を開放した状態で移動形機器１を運転位置２ｄに移動させることで、負荷側断路部１３ａと負荷側接触端子１１ａとを接触させ、負荷側断路部１３ａと負荷側接触端子１１ａとの間で電路を形成するとともに、電源側断路部１３ｂと電源側接触端子１１ｂとを接触させ、電源側断路部１３ｂと電源側接触端子１１ｂとの間で電路を形成することができる。

また、図４（ｂ）に示すように、正面扉５を開放した状態で移動形機器１を断路位置２ｃに移動させることで、負荷側断路部１３ａと負荷側接触端子１１ａとを離間させ、負荷側断路部１３ａと負荷側接触端子１１ａとの間の電路を切断するとともに、電源側断路部１３ｂと電源側接触端子１１ｂとを離間させ、電源側断路部１３ｂと電源側接触端子１１ｂとの間の電路を切断することができる。

そして、移動形機器１の引出または挿入操作が完了すると、正面扉５を閉じることで、移動形機器１の操作を不能とすることができる。
一方、外部操作方式の場合、正面扉５を閉じた状態で運転位置２ｄと断路位置２ｃとの間で移動形機器１を移動させたり操作したりすることで、負荷側断路部１３ａと負荷側接触端子１１ａとの間での電路の形成や切断を行ったり、電源側断路部１３ｂと電源側接触端子１１ｂとの間での電路の形成や切断を行ったりすることができる。
特開平６−２５３４２４号公報

しかしながら、従来の配電盤において内部操作方式を採用した場合、移動形機器の引出または挿入操作を行うために正面扉を開放する必要があり、断路位置２ｃと運転位置２ｄとの間で移動形機器１を移動させるためのスペースをユニット室２に確保する必要があることから、配電盤の奥行きが大きくなるという問題があった。
一方、従来の配電盤において外部操作方式を採用した場合、移動形機器１を外部から移動させたり操作したりする外部操作機構が必要となることから、配電盤のコストアップを招くとともに、外部操作機構を収納するためのスペースが余分に必要になるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、外部操作機構を別途設けることなく、正面扉を閉じたままで移動形機器を外部から移動させたり操作したりすることが可能な配電盤を提供することである。

上述した課題を解決するために、請求項１記載の配電盤によれば、電源側断路部および負荷側断路部が設けられたユニット室と、前記ユニット室内を奥行き方向に移動することで、前記電源側断路部および前記負荷側断路部との間で電路をそれぞれ形成する移動形機器と、前記ユニット室の正面に設けられた正面扉と、前記正面扉に形成され、前記移動形機器に設けられた操作部および取手の少なくとも一部を外部に突出させる開口部とを備えることを特徴とする。

また、請求項２記載の配電盤によれば、前記移動形機器に設けられた操作部および取手の少なくとも一部が突出した状態で前記開口部が覆われるように前記正面扉に装着される脱着自在の防塵用の保護カバーを備えることを特徴とする。
また、請求項３記載の配電盤によれば、前記移動形機器に設けられた操作部および取手の少なくとも一部が突出した時に前記開口部との間に形成される隙間を塞ぐパッキンを備えることを特徴とする。

以上説明したように、本発明によれば、移動形機器に設けられた操作部または取手を外部に突出させる開口部を正面扉に形成することにより、外部操作機構を別途設けることなく、正面扉を閉じたままで移動形機器を外部から移動させたり操作したりすることが可能となり、コストアップを抑制しつつ、配電盤のコンパクト化を図ることが可能となる。

以下、本発明の実施形態に係る配電盤について図面を参照しながら説明する。
図１（ａ）は、本発明の一実施形態に係る配電盤に搭載された移動形機器を運転位置に移動させた時の概略構成を示す断面図、図１（ｂ）は、図１（ａ）の配電盤に搭載された移動形機器を断路位置に移動させた時の概略構成を示す断面図、図２は、図１の配電盤の正面扉に保護カバーを取り付ける方法を示す斜視図である。なお、図４の構成と同一部分については同一符号を付し、詳細な説明は省略する。

図１において、配電盤には、移動形機器１を収納するユニット室２が設けられ、ユニット室２の前面には、開閉可能な正面扉１５が設けられている。なお、正面扉１５の開閉方式は、回転式であってもよいし、前後に移動可能な引き出し式であってもよいし、上下に移動可能なシャッタ式であってもよい。
そして、正面扉１５には、移動形機器１に設けられた操作部１ｂおよび取手１ｃの少なくとも一部を外部に突出させる開口部５ａが形成されている。また、正面扉１５には、移動形機器１に設けられた操作部１ｂおよび取手１ｃの少なくとも一部が突出した状態で開口部５ａを覆う防塵用の保護カバー６が脱着自在に装着されている。ここで、保護カバー６には、正面扉１５に保護カバー６を装着するための取り付け金具６ａが設けられている。

そして、図１（ａ）に示すように、正面扉１５を閉じた状態で保護カバー６を外し、開口部５ａを介して移動形機器１を外部から操作しながら、移動形機器１を運転位置２ｄに移動させることで、負荷側断路部１３ａと負荷側接触端子１１ａとを接触させ、負荷側断路部１３ａと負荷側接触端子１１ａとの間で電路を形成するとともに、電源側断路部１３ｂと電源側接触端子１１ｂとを接触させ、電源側断路部１３ｂと電源側接触端子１１ｂとの間で電路を形成することができる。

また、図１（ｂ）に示すように、正面扉１５を閉じた状態で保護カバー６を外し、開口部５ａを介して移動形機器１を外部から操作しながら、移動形機器１を断路位置２ｃに移動させることで、負荷側断路部１３ａと負荷側接触端子１１ａとを離間させ、負荷側断路部１３ａと負荷側接触端子１１ａとの間の電路を切断するとともに、電源側断路部１３ｂと電源側接触端子１１ｂとを離間させ、電源側断路部１３ｂと電源側接触端子１１ｂとの間の電路を切断することができる。

そして、移動形機器１を断路位置２ｃに移動させると、図２に示すように、正面扉１５に保護カバー６を装着し、取り付け金具６ａにて正面扉１５に保護カバー６を固定することができる。
これにより、外部操作機構を別途設けることなく、正面扉１５を閉じたままで移動形機器１を外部から移動させたり操作したりすることが可能となり、コストアップを抑制しつつ、配電盤のコンパクト化を図ることが可能となる。

また、開口部５ａを覆う保護カバー６を正面扉１５に装着することにより、操作部１ｂと開口部５ａとの間に隙間５ｂが形成された場合においても、防塵効果を得ることが可能となるとともに、操作部１ｂの誤操作を防止することができる。
なお、操作部１ｂと開口部５ａとの間の隙間５ｂを塞ぐために、操作部１ｂと開口部５ａとの間の隙間５ｂにパッキンを設けるようにしてもよい。この場合、正面扉１５の開閉方式は、前後に移動可能な引き出し式が望ましい。

図３は、図１の配電盤の正面扉にパッキンを取り付けた構成を示す斜視図である。
図３において、正面扉１５の開口部５ａの周囲にはパッキン１７が設けられている。ここで、パッキン１７は、操作部１ｂが開口部５ａに挿入された時に操作部１ｂに対して摺動自在に構成されている。なお、パッキン１７は、ゴムなどの弾力性のある材料で構成することができる。そして、パッキン１７は、押さえ板１９を介してボルト１８にて正面扉１５に固定されている。
これにより、操作部１ｂと開口部５ａとの間に隙間５ｂが形成された場合においても、保護カバー６を取り付けることなく、操作部１ｂと開口部５ａとの間に隙間５ｂを塞ぐことが可能となり、防塵効果を得ることが可能となる。

図１（ａ）は、本発明の一実施形態に係る配電盤に搭載された移動形機器を運転位置に移動させた時の概略構成を示す断面図、図１（ｂ）は、図１（ａ）の配電盤に搭載された移動形機器を断路位置に移動させた時の概略構成を示す断面図である。 図１の配電盤の正面扉に保護カバーを取り付ける方法を示す斜視図である。 図１の配電盤の正面扉にパッキンを取り付けた構成を示す斜視図である。 図４（ａ）は、従来の配電盤に搭載された移動形機器を運転位置に移動させた時の概略構成を示す断面図、図４（ｂ）は、図４（ａ）の配電盤に搭載された移動形機器を断路位置に移動させた時の概略構成を示す断面図である。

符号の説明

１ 移動形機器
１ａ 正面パネル
１ｂ 操作部
１ｃ 取手
２ ユニット室
２ａ ユニットテーブル
２ｂ 奥行き方向
２ｃ 断路位置
２ｄ 運転位置
３ａ、３ｂ ブッシング
４ 移動距離
５ａ 開口部
５ｂ 隙間
６ 保護カバー
６ａ 取り付け金具
１１ａ 負荷側接触端子
１１ｂ 電源側接触端子
１１ｃ 車輪
１３ａ 負荷側断路部
１３ｂ 電源側断路部
１５ 正面扉（外部操作）
１７ パッキン
１８ ボルト
１９ 押さえ板

Claims (3)

1. 電源側断路部および負荷側断路部が設けられたユニット室と、
   前記ユニット室内を奥行き方向に移動することで、前記電源側断路部および前記負荷側断路部との間で電路をそれぞれ形成する移動形機器と、
   前記ユニット室の正面に設けられた正面扉と、
   前記正面扉に形成され、前記移動形機器に設けられた操作部および取手の少なくとも一部を外部に突出させる開口部とを備えることを特徴とする配電盤。
2. 前記移動形機器に設けられた操作部および取手の少なくとも一部が突出した状態で前記開口部が覆われるように前記正面扉に装着される脱着自在の防塵用の保護カバーを備えることを特徴とする請求項１記載の配電盤。
3. 前記移動形機器に設けられた操作部および取手の少なくとも一部が突出した時に前記開口部との間に形成される隙間を塞ぐパッキンを備えることを特徴とする請求項１記載の配電盤。

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