JP2009117504A - シリコンエッチング液およびエッチング方法 - Google Patents

シリコンエッチング液およびエッチング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
シリコンのエッチング加工、特にMEMS部品の製造工程におけるシリコンの異方性エッチング加工において、ヒドロキシルアミン類を含有するエッチング液に特有な加温継続時のエッチング速度の経時低下を抑制することによって、頻繁に行わざるを得なかったエッチング処理中の加工形状確認操作を大幅に簡略化できる、エッチング液およびエッチング方法を提供する。
【解決手段】
アルカリ化合物、ヒドロキシルアミン類および酸を含有したアルカリ性水溶液であって、単結晶シリコンを異方性に溶解することを特徴としたシリコンエッチング液、且つ該エッチング液を用いるシリコンのエッチング方法。
【選択図】 なし

Description

本発明はシリコンのエッチング加工に関し、特にMEMS部品や半導体デバイスの製造に用いるシリコンエッチング液並びにシリコンエッチング方法に関する。
一般にシリコン単結晶基板を化学薬液にてエッチングする場合には、フッ酸と硝酸等の成分を加えた混合水溶液である酸系エッチング液にてエッチングする方法、または水酸化カリウム(KOH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等の水溶液であるアルカリ系エッチング液にてエッチングする方法が行われている(非特許文献1、2参照)。
酸系エッチング液を用いた場合、硝酸等の酸化作用をもった成分によってシリコン表面が酸化されて酸化ケイ素が生成し、この酸化ケイ素はフッ酸等によってフッ化シリコンとして溶解されることによってエッチングが進行する。酸系エッチング液でエッチングを行った際の特徴は、エッチング対象のシリコンが単結晶、多結晶、非晶質のいずれであっても、エッチングが等方向に進行することにある。このため、パターンマスク等を用いてパターンエッチングを行う際、エッチングを深くすればするほど、その深さと同程度の横方向へのエッチング、即ち、パターンマスク下のアンダーカット(侵食)が進行し、不都合を起こす場合がある。
一方、アルカリ系エッチング液を用いた場合、液中のヒドロキシアニオンによってシリコンはケイ酸のイオンとして溶解し、この際、水が還元されて水素を発生する。アルカリ系エッチング液でエッチングを行うと、酸系エッチング液とは異なり、単結晶シリコンでのエッチングは異方性を有しながら進行する。これはシリコンの結晶面方位ごとにシリコンの溶解速度に差があることに基づいており、結晶異方性エッチングとも呼ばれる。多結晶でも微視的に見れば異方性を保持しつつエッチングが進行するが、結晶粒の面方位はランダムに分布していることから、巨視的には等方性のエッチングが進行するように見える。非晶質では微視的にも巨視的にも等方性にエッチングが進行する。
アルカリ系エッチング液としては、KOH、TMAHの水溶液以外にも水酸化ナトリウム(NaOH)、アンモニア、ヒドラジンなどの水溶液が使用される。これらの水溶液を用いた単結晶シリコン基板のエッチング加工においては、目的とする加工形状や処理を行う温度条件等にもよるが、数時間から数十時間という長い加工時間を要する場合が多い。
この加工時間を少しでも短縮することを目的に、高いエッチング速度を示す薬液が開発されている。例えば、特許文献1にはTMAHにヒドロキシルアミン類を添加した水溶液をエッチング液として使用する技術が開示されている。また特許文献2にはTMAHに鉄、塩化鉄(III)、水酸化鉄(II)などの特定の化合物を添加した水溶液をエッチング液として使用する技術が開示されており、エッチング速度を速くする効果の高さでは、鉄とヒドロキシルアミンを併用するのが特に好適であることが開示されている。また、特許文献3にはKOHにヒドロキシルアミン類を添加した水溶液をエッチング液として使用する技術が開示されている。さらに、特許文献4には、(1)有機アルカリ化合物および(2)ヒドロキシアミン類、リン酸塩類、還元糖類、アスコルビン酸、グリオキシル酸、およびブレンツカテキン並びにそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種からなる異方性エッチング剤組成物に関する発明が開示されているが、本願の (1)アルカリ化合物、(2)ヒドロキシルアミン類、および(3)塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、およびコハク酸から選ばれる少なくとも1種以上である酸を含有したアルカリ性水溶液であることを特徴とするシリコンエッチング液に関する開示はない。
特開2006−054363 特開2006−186329 特開2006−351813 特開2007−214456 佐藤、「シリコンエッチング技術」、表面技術、Vol.51、No.8、2000、p754〜759 江刺、「2003マイクロマシン/MEMS技術大全」、p.109〜114
しかし上記特許文献1〜4に記載の技術においてエッチング速度を促進させるために添加されているヒドロキシルアミン類は自己分解性のある化合物であることから、保存中およびエッチング処理による濃度低下が発生しやすく、特にエッチング液自体を加温状態に維持することによって、その濃度低下はいっそう顕著になる。このヒドロキシルアミン類の濃度低下はエッチング速度の低下を引き起こすため、加温状態に維持している際には、時間の経過とともにエッチング速度は低下してしまう。そのため、ヒドロキシルアミン類を含んだエッチング液を用いてエッチング加工を行う場合、エッチング加工がどの程度の深さまで進行しているかをエッチング加工中に何度も確認するという煩雑な操作が必要であった。
そこで本発明の目的は、ヒドロキシルアミン類を含んだアルカリ性水溶液を用いて、本願のエッチング速度が高いという特長はほとんど損なうことなく、ヒドロキシルアミン類の分解を抑制することで時間の経過にともなうエッチング速度の低下を抑制した、単結晶シリコンを異方性に溶解するシリコンエッチング液並びにシリコンエッチング方法を提供することにある。
本発明者等は上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、アルカリ化合物とヒドロキシルアミン類および酸を添加したアルカリ性水溶液でエッチングを行うことによって、シリコンに対する高いエッチング速度を保持した上で、ヒドロキシルアミン類の分解によるエッチング速度の低下が抑制できることを見出し、本発明を完成するに到った。すなわち本発明は、アルカリ化合物とヒドロキシルアミン類と酸を含有したアルカリ性水溶液であることを特徴とするシリコンエッチング液およびエッチング方法に関するものであり、以下のとおりである。
1.単結晶シリコンを異方性に溶解するシリコンエッチング液であって、(1)アルカリ化合物、(2)ヒドロキシルアミン類、および(3)塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、およびコハク酸から選ばれる少なくとも1種以上である酸を含有したアルカリ性水溶液であることを特徴とするシリコンエッチング液。
2.(1)アルカリ化合物が水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化カリウム、および水酸化ナトリウムから選ばれる1種以上である第1項記載のシリコンエッチング液。
3.(2)ヒドロキシルアミン類がヒドロキシルアミンおよび/またはシュウ酸ヒドロキシルアミンである第1項記載のシリコンエッチング液。
4.(1)アルカリ化合物の濃度が3〜30重量%、(2)ヒドロキシルアミン類の濃度が1〜10重量%であり、(3)酸濃度が(1)アルカリ化合物に対して0.1〜0.8当量である第1項記載のシリコンエッチング液。
5.単結晶シリコンを異方性に溶解するシリコンエッチング方法であって、(1)アルカリ化合物3〜30重量%、(2)ヒドロキシルアミン類1〜10重量%および(3)塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、およびコハク酸から選ばれる少なくとも1種以上である酸を(1)アルカリ化合物に対して0.1〜0.8当量含有したアルカリ性水溶液を用いることを特徴とするシリコンエッチング方法。
6.(1)アルカリ化合物が水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化カリウム、および水酸化ナトリウムから選ばれる1種以上と、(2)ヒドロキシルアミン類がヒドロキシルアミンおよび/またはシュウ酸ヒドロキシルアミン、および(3)酸が塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、およびコハク酸から選ばれる1種以上である第5項記載のシリコンエッチング方法。
本願発明により、ヒドロキシルアミン類を含んだアルカリ性水溶液の特長である高いエッチング速度を維持した上で、ヒドロキシルアミン類の分解を抑制し、エッチング速度の低下を抑制できるような、単結晶シリコンを異方性に溶解するシリコンエッチング液並びにシリコンエッチング方法を提供することができる。よって、従来、ヒドロキシルアミン類を含んだシリコンエッチング液を用いて処理を行う際の頻繁な加工形状確認などの煩雑な操作を大幅に簡略化できるという効果がある。
本発明に用いるアルカリ化合物は、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化カリウム、および水酸化ナトリウムが好ましく、特に水酸化テトラメチルアンモニウムおよび/または水酸化カリウムが好ましい。本発明のアルカリ化合物は、単独で用いても、2種類以上組み合わせて用いても良い。
アルカリ化合物の濃度は、所望のシリコンエッチング速度に応じて適宜決定することが可能であり、好ましくは3〜30重量%の範囲で用いられる。より好ましくは、5〜30重量%であり、更に好ましくは8〜30重量%である。3重量%よりも低い濃度範囲では、エッチングされた面の表面にピラミッド状の微細な突起が多量に生成し、最終的に製品の外観および機能に好ましくない影響を与えてしまう場合がある。また30重量%よりも高い濃度範囲ではヒドロキシルアミン類の添加することによって得られるエッチング速度の向上効果が図れない。なお3〜30重量%の濃度範囲内であっても、処理する環境やエッチングするシリコン自体の不純物濃度にも依存して、ピラミッド状の微細な突起が生成することがある。この突起は上記の濃度範囲内の高濃度側では生成する個数が少なくなる傾向があるため、突起の生成を少なくしたい場合には、高濃度側の領域、例えば10〜30重量%にて使用するのが好ましい。一方、多少の突起の生成が、プロセス上、問題とならないような場合には、3〜30重量%の範囲内において比較的高いエッチング速度が得られる低濃度側の領域、例えば3〜10重量%にて使用することが可能である。このように、アルカリ化合物の濃度は、3〜30重量%の範囲で適宜決定することが可能である。
本発明に用いるヒドロキシルアミン類はヒドロキシルアミンおよび/またはシュウ酸ヒドロキシルアミンであり、特にヒドロキシルアミンが好ましい。
本発明に用いるヒドロキシルアミン類の濃度は、所望のシリコンエッチング速度に応じて適宜決定することが可能であり、好ましくは1〜10重量%の範囲で用いられる。より好ましくは、2〜10重量%であり、更に好ましくは3〜10重量%である。1重量%より低い濃度では、ヒドロキシルアミン類の添加によるシリコンエッチング速度の向上効果が明確に得られない場合がある。1重量%以上であれば、ヒドロキシルアミン類の添加によるエッチング速度の向上効果が明確に得られるようになり、ヒドロキシルアミン類濃度を増加させた際には、これに伴いエッチング速度も向上する傾向が見られる。ただし、濃度が10重量%を超えてヒドロキシルアミン類の濃度を増加させても、エッチング速度の更なる向上効果がほとんど見られない。なお、エッチング液の温度によってはヒドロキシルアミン類の溶解性が不十分になることがあるため、所望のエッチング速度を考慮した上で、アルカリ化合物及びヒドロキシルアミン類濃度を調整すればよい。
本発明に用いる酸は塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、およびコハク酸が好ましく、特に塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、およびプロピオン酸が好ましい。本発明の酸は、単独で用いても、2種類以上組み合わせて用いても良い。
本発明に用いる酸の濃度は、シリコンエッチング速度とエッチング液の安定性を確保するために適宜選択すればよいが、共存するアルカリ化合物の規定度に対して、0.1〜0.8当量の範囲で用いられる。より好ましくは、0.2〜0.8当量であり、更に好ましくは0.3〜0.8当量である。0.1当量より低い濃度では、酸の添加によるヒドロキシルアミン類の安定性とそれに伴うエッチングレートの低下抑制効果が得られない場合がある。0.1当量以上であれば、シリコンエッチング速度の安定化効果が得られるようになり、酸の濃度を増加させればさせるほどエッチング速度の低下は抑制される傾向が見られる。ただし、濃度が0.8当量を超えて酸の濃度を増加させた場合、ヒドロキシルアミン類の安定性自体は向上するものの、中和作用によるフリーのアルカリ化合物濃度の低下が顕著となり、シリコンエッチング速度自体が大きく低下してしまう。エッチング速度自体を低下させることがない濃度範囲内で酸濃度を調整すればよい。
また、本発明のエッチング液には、濡れ性を向上するために界面活性剤を添加してもよく、例えばカチオン系、ノニオン系、アニオン系の何れの界面活性剤を使用しても構わない。さらに着色剤等の一般的な添加剤を加えることもできる。発明のエッチング液はアルカリ性で無ければならず、pH11以上が好ましい。
本発明のシリコンエッチング方法は、通常、加温されたエッチング液中に対象物を浸漬し、所定時間経過後に取り出し、対象物に付着しているエッチング液を水等で洗い流した後、付着している水を乾燥して除去するという方法が行なわれている。エッチング液の使用温度としては、40℃以上沸点未満の温度が好ましく、さらに好ましくは50℃から90℃、特に70℃から90℃が好ましい。エッチング液の温度が40℃未満の場合、エッチング速度が低くなるため、生産効率が著しく低下してしまう。沸点まで温度を上げると液組成変化が著しく、エッチング条件を一定に保つことが難しい。エッチング液の温度を高くすることで、エッチング速度は上昇するが、エッチング液の性能の経時変化を小さく抑えることなども考慮した上で、適宜最適な処理温度を決定すればよい。
本発明におけるエッチング処理の対象物は、単結晶シリコンを含んだ基板または多面体ブロックであり、基板やブロックの全域または一部領域に単結晶シリコンが存在しているものである。なお、単結晶シリコンは単層でも多層に積層された状態でも構わない。これらの基板やブロックの全域または一部領域にイオンドープしたものもエッチング処理の対象物となる。またシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン有機膜等材料やアルミニウム膜、クロム膜、金膜などの金属膜が上記のエッチング対象物の表面や対象物内部に存在しているものについても、本発明におけるエッチング処理の対象物に含まれる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。評価に用いたエッチング対象物は単結晶シリコン(100)(単にシリコン(100)という場合がある)ウェハである。このシリコン(100)ウェハの片側の面は、その全面がシリコン熱酸化膜からなる保護膜によって覆われた状態となっており、もう片側の面ではシリコン熱酸化膜の一部をドライエッチングにより除去し、シリコン面が露出したパターン形状を有している。このシリコン(100)ウェハはエッチング処理をする直前に1%フッ化水素酸水溶液に常温で7分間浸漬し、その後、超純水によるリンスを施し、乾燥を行った。このフッ化水素酸水溶液処理によって、パターン形状のシリコン面が露出した部分の表面に生成しているシリコン自然酸化膜を除去した後に処理を行った。
単結晶シリコン(100)ウェハのエッチング処理方法およびエッチング速度の算出方法
以下の実施例および比較例に示したエッチング液をPTFE製の容器に入れ、この容器を湯浴中に浸してエッチング液の温度を80℃に加温した。エッチング液の温度が80℃に達した後、単結晶シリコン(100)ウェハをエッチング液の中に10分間浸してエッチング処理を行い、その後、ウェハを取り出して超純水によるリンスおよび乾燥を行った。エッチング処理を行ったウェハは、シリコンのエッチングに伴いパターン部分が周囲よりも窪んだ状態になり、エッチングされた部分とエッチングされていない部分との高低差を測定することによって、10分間でのシリコン(100)面のエッチング深さを求めた。このエッチング深さを10で割った値をシリコン(100)面のエッチング速度(単位はμm/分)として算出した。
加熱老化試験方法およびエッチング速度低下率
シリコン(100)面のエッチング速度を測定した後も、このエッチング液を80℃に加温状態を8時間継続し、その後、加温を停止して室温状態にて16時間放置した。8+16=24時間を要した80℃加温と室温放置を連続的に5回繰り返す処理(=加熱老化処理)を行った後、再度80℃におけるシリコン(100)面のエッチング速度を測定し、加熱老化処理前後でのエッチング速度を比較する。加熱老化処理前後のエッチング速度の差を加熱老化処理前のエッチング速度で割って、100をかけた値をエッチング速度低下率という。
加熱老化処理は、あくまでもエッチング液中のヒドロキシルアミン類を意図的に分解させることでシリコン(100)エッチング速度を低下させ、薬液の安定性を評価するために行った処理の一例に過ぎず、加熱する温度を高くするほど、また加熱する時間を長くするほどヒドロキシルアミン類の分解はより顕著になり、エッチング速度の低下もより顕著になるのは言うまでもない。ここでは、エッチング液ごとのシリコン(100)面のエッチング速度の低下度合いを比較・確認できれば良いため、上記の条件にて加熱老化処理を行ったに過ぎない。
実施例1
10重量%(=1.1mol/kg)の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)と10重量%のヒドロキシルアミン、およびTMAHに対して0.70当量(=1.1×0.70÷2mol/kg)の硫酸を含んだ水溶液をエッチング液として調製し、所定のエッチング処理を行った。その結果、シリコン(100)面のエッチング速度は1.48μm/分であった。
加熱老化試験後のシリコン(100)面のエッチング速度を測定したところ、1.33μm/分であった。
この結果から、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は{(1.48−1.33)/1.48}×100=10.1%と計算される。
実施例2
10重量%のTMAHと10重量%のヒドロキシルアミン、およびTMAHに対して0.48当量(=1.1×0.48÷1mol/kg)の塩酸を含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、1.62μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は1.53μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は5.6%となる。
実施例3
10重量%のTMAHと10重量%のヒドロキシルアミン、およびTMAHに対して0.48当量(=1.1×0.48÷1mol/kg)の硝酸を含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、1.35μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は1.16μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は14.1%となる。
実施例4
10重量%のTMAHと10重量%のヒドロキシルアミン、およびTMAHに対して0.48当量(=1.1×0.48÷3mol/kg)のリン酸を含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、1.53μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は1.34μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は12.4%となる。
実施例5
10重量%のTMAHと10重量%のヒドロキシルアミン、およびTMAHに対して0.35当量(=1.1×0.35mol/kg)の酢酸を含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、1.43μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は1.33μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は7.0%となる。
実施例6
10重量%のTMAHと10重量%のヒドロキシルアミン、およびTMAHに対して0.35当量(=1.1×0.35mol/kg)のプロピオン酸を含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、1.50μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は1.35μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は10.0%となる。
実施例7
10重量%のTMAHと10重量%のヒドロキシルアミン、およびTMAHに対して0.35当量(=1.1×0.35÷2mol/kg)のシュウ酸を含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、1.60μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は1.31μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は18.0%となる。
実施例8
10重量%のTMAHと10重量%のヒドロキシルアミン、およびTMAHに対して0.35当量(=1.1×0.35÷2mol/kg)のコハク酸を含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、1.53μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は1.30μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は15.0%となる。
実施例9
10重量%のTMAHと10重量%のヒドロキシルアミン、およびTMAHに対して0.34当量の硫酸を含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、1.61μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は1.31μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は18.6%となる。
実施例10
10重量%のTMAHと10重量%のヒドロキシルアミン、およびTMAHに対して0.24当量の硫酸を含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、1.56μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は1.25μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は19.9%となる。
比較例1
10重量%のTMAHと10重量%のヒドロキシルアミンを含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、1.54μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は1.07μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は30.5%となる。
実施例1〜10および比較例1より、アルカリ化合物であるTMAHとヒドロキシルアミン類の含んだ水溶液中に0.2〜0.8当量の酸を添加することで、酸を含まないアルカリ化合物とヒドロキシルアミン類が同濃度の水溶液と比べて加熱老化試験によるシリコン(100)面のエッチング速度の低下率が抑制されることがわかる。
なお実施例1、9、10を比べれば分かるように、酸の添加濃度が高くなればなるほど加熱老化試験によるシリコン(100)面のエッチング速度低下率が小さくなることが分かる。
実施例11
25重量%のKOHと10重量%のヒドロキシルアミン、およびKOHに対して0.20当量(=4.5×0.20÷1mol/kg)の塩酸を含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、4.36μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は3.54μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は18.8%となる。
実施例12
25重量%のKOHと10重量%のヒドロキシルアミン、およびKOHに対して0.20当量(=4.5×0.20÷1mol/kg)の酢酸を含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、4.52μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は3.84μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は15.0%となる。
比較例2
25重量%のKOHと10重量%のヒドロキシルアミンを含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、4.47μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は3.02μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は32.4%となる。
実施例13
18重量%のNaOHと10重量%のヒドロキシルアミン、およびNaOHに対して0.20当量(=5.0×0.20÷1mol/kg)の塩酸を含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、3.62μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は2.96μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は18.2%となる。
実施例14
18重量%のNaOHと10重量%のヒドロキシルアミン、およびNaOHに対して0.20当量(=4.5×0.20÷1mol/kg)の酢酸を含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、3.75μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は3.19μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は14.9%となる。
比較例3
18重量%のNaOHと10重量%のヒドロキシルアミンを含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、4.03μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は2.76μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は31.5%となる。
実施例11、12、13、14および比較例2、3より、アルカリ化合物のKOHまたはNaOHとヒドロキシルアミン類を含んだ水溶液中に0.2〜0.8当量の酸を添加することで、酸を含まないアルカリ化合物とヒドロキシルアミン類が同濃度の水溶液と比べて加熱老化試験によるシリコン(100)面のエッチング速度の低下率が抑制されることがわかる。
実施例15
10重量%のTMAHと4重量%のシュウ酸ヒドロキシルアミン、およびTMAHに対して0.20当量の塩酸を含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、1.14μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は1.02μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は10.5%となる。
比較例4
10重量%のTMAHと4重量%のシュウ酸ヒドロキシルアミンを含んだ水溶液をエッチング液として調製した。このエッチング液について実施例1と同様な方法でシリコン(100)面のエッチング速度を測定した結果、1.18μm/分であった。
このエッチング液に対して、加熱老化試験を行った後のエッチング速度は0.81μm/分であった。
この結果から計算した、加熱老化試験によるエッチング速度低下率は31.4%となる。
実施例15および比較例4より、アルカリ化合物であるTMAHとヒドロキシルアミン類であるシュウ酸ヒドロキシルアミンを含んだ水溶液中に酸を添加することで、酸を含まない場合と比べて加熱老化処理によるシリコン(100)面のエッチング速度の低下率が抑制されることがわかる。
実施例および比較例の結果を表1に示した。
Figure 2009117504

Claims (6)

  1. 単結晶シリコンを異方性に溶解するシリコンエッチング液であって、(1)アルカリ化合物、(2)ヒドロキシルアミン類、および(3)塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、およびコハク酸から選ばれる少なくとも1種以上である酸を含有したアルカリ性水溶液であることを特徴とするシリコンエッチング液。
  2. (1)アルカリ化合物が水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化カリウム、および水酸化ナトリウムから選ばれる1種以上である請求項1記載のシリコンエッチング液。
  3. (2)ヒドロキシルアミン類がヒドロキシルアミンおよび/またはシュウ酸ヒドロキシルアミンである請求項1記載のシリコンエッチング液。
  4. (1)アルカリ化合物の濃度が3〜30重量%、(2)ヒドロキシルアミン類の濃度が1〜10重量%であり、(3)酸濃度が(1)アルカリ化合物に対して0.1〜0.8当量である請求項1記載のシリコンエッチング液。
  5. 単結晶シリコンを異方性に溶解するシリコンエッチング方法であって、(1)アルカリ化合物3〜30重量%、(2)ヒドロキシルアミン類1〜10重量%および(3)塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、およびコハク酸から選ばれる少なくとも1種以上である酸を(1)アルカリ化合物に対して0.1〜0.8当量含有したアルカリ性水溶液を用いることを特徴とするシリコンエッチング方法。
  6. (1)アルカリ化合物が水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化カリウム、および水酸化ナトリウムから選ばれる1種以上と、(2)ヒドロキシルアミン類がヒドロキシルアミンおよび/またはシュウ酸ヒドロキシルアミン、および(3)酸が塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、およびコハク酸から選ばれる1種以上である請求項5記載のシリコンエッチング方法。
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