JP2009117198A - 固体酸化物形燃料電池及びその製造方法 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料極とセパレータとの間の電気抵抗をより低減する。
【解決手段】燃料極102とセパレータ101との間に、集電体層105に加えて電気伝導性粉体層106を設ける。電気伝導性粉体層106は、電気導電性を備えた粉体(粉末)より構成されたものである。例えば、電気伝導性粉体層106は、電気伝導性を備えた粉体の焼結体である。従って、電気伝導性粉体層106は、例えば単セルとセパレータ101とを接続する製造過程において塑性及び延性を備えた状態となっており、単セルの反り,セパレータ101の表面凹凸,及び燃料極102の表面凹凸が、電気伝導性粉体層106により吸収される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、セラミックスなどの酸化物よりなる電解質層から構成された単セルを重ねて用いる固体酸化物形燃料電池及びその製造方法に関するものである。
近年、規模の大小にかかわらず高い効率が得られることから、次世代のコジェネレーションシステムに用いられる発電手段として、燃料電池が注目されている。燃料電池は、酸素などの酸化剤ガスと水素などの燃料ガスとの化学反応を利用した電池であり、燃料極と空気極とが電解質を介して配置され、水素をはじめとする燃料を燃料極に供給し、空気をはじめとする酸化剤を空気極に供給することにより発電を行う。燃料電池は、燃料極,電解質,及び空気極よりなる一組のセル(単セル)で得られる電圧は、高々1V程度であるが、複数の単セルを重ね合わせて用いることで、所望とする電圧の供給が可能である。
このような燃料電池には、高分子材料を電解質層に用いる固体高分子形や、セラミックスなどの酸化物を電解質層に用いる固体酸化物形がある。この中で、固体酸化物形燃料電池は、作動温度が〜1000℃と高温であり、発電効率が45%以上と高いという特徴を備えている。このため、複数の単セルを組み合わせたスタック構造の固体酸化物形燃料電池は、タービン発電などを組み合わせてより高い効率のコジェネレーションシステムが構築できるという利点を有し、発電所としての用途などが期待されている。
上述したような固体酸化物形燃料電池では、前述したように、実用上十分な発電電力を得るために、複数個の単セルを接続して用いることが必要となる。このように、複数の単セルを重ね合わせてスタック接続させるときは、各単セルの燃料極側に供給される燃料ガスと、空気極側に供給される酸化剤ガスとを分離し、各単セルの燃料極に燃料ガスを供給し、空気極に酸化剤ガスを供給し、この状態で、各単セルが電気的に接続された状態としている。このように燃料ガスと酸化剤ガスとの混合を防いだ状態で単セル間を電気的に接続するために、伝導性が高い材料から構成されてガスが透過しないセパレータが用いられている。
固体酸化物形燃料電池では、動作温度が1000℃と高温になるものあり、一般に、セパレータは、ランタンクロマイトなどの導電性を有するセラミックスから構成されている。これに対し、近年、800℃程度の温度でも発電動作が行える固体酸化物形燃料電池が開発され、フェライト系ステンレス鋼など、より安価に用いることができる耐熱合金を主体とするセパレータが利用できるようになっている。フェライト系ステンレス鋼などの耐熱合金製のセパレータは、導電性セラミックスのセパレータに比較して安価であり、また、加工性がよく、加えて電子伝導性が高いという利点を有している。
ところで、セパレータを介して複数の単セルを接続する場合、単セルの反りと各極の表面凹凸のために、電気的な接続に有効な接触面積が小さく、これを主要因とした単セルとセパレータとの接触抵抗のために生じる発電損失が大きいという問題があった。
この問題を解消するために、発明者らは、単セルとセパレータとの間の接続に関する検討を進め、集電体を用いることで接触抵抗を低減することを提案している(特許文献1,2参照)。また、特に空気極とセパレータ(インターコネクタ)との間に関しては、空気極を構成する材料をエタノール及びトルエンなどの有機溶媒に混合したペーストを空気極に塗布し、この塗布面にセパレータを接合し、これらを1400〜1500℃で1〜10時間熱処理することで、空気極とセパレータとを低コストで確実に接合する方法が提案されている(特許文献3,非特許文献1参照)。また、発明者らは、ガラスフリットを添加した導電性ペーストを塗布した状態で、空気極とセパレータとを接合する接続方法を提案している(特許文献4参照)。
特開2006−324024号公報 特開2006−324025号公報 特許第2774227号公報 特開2006−190593号公報 K. Huang, et al., "Characterization of iron-based alloy interconnects for reduced temperature solid oxide fuel cells", Solid State Ionics, 129, pp.237-250, 2000.
ところで、燃料極が金属的電気伝導性を備えているという技術的な観点より、燃料極とセパレータとの間の電気的な接続に関しては、空気極とセパレータとの間よりも問題になりにくいと考えられており、検討があまりされていなかった。実際には、燃料極とセパレータとを直接接触させ、また、燃料極とセパレータとの間に変形可能とされている集電体を配置する程度のことにより、燃料極とセパレータとを接続していた。
しかしながら、燃料極とセパレータとの接続抵抗の低減も、重要な課題であることが明らかになってきた。一般に、固体酸化物形燃料電池の燃料電極は、Niとジルコニアの混合体(サーメット)で構成されていることが多く、これは、電気伝導性セラミックスで構成されている空気極よりも電気伝導性が大きい。従って、例えば、集電体を配置する程度では、燃料極とセパレータとの接触抵抗があまり低減されない。このように、従来の技術では、燃料極とセパレータとの間の電気抵抗を低減させることが容易ではないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、燃料極とセパレータとの間の電気抵抗をより低減することを目的とする。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池は、燃料極,この燃料極の上に配置された電解質層,及びこの電解質層の上に配置された空気極から構成されて積層された複数の単セルと、隣り合う単セルの間に配置された導電性材料からなるセパレータと、燃料極とセパレータとの間に配置された接続層とを少なくとも備え、接続層は、金属及び導電性を有する金属酸化物の少なくとも1つの粉体よりなる粉体層を備えるようにしたものである。
上記固体酸化物形燃料電池において、接続層は、多層構造とされていてもよい。例えば、接続層は、粉体層に加えて集電体の層を備えていてもよい。
上記固体酸化物形燃料電池において、粉体層は、粉体の焼結体から構成されたものである。例えば、粉体は、Fe,Ni,Cu,Ag,Au,及びPtの中より選択された金属の粉体であればよい。また、粉体は、チタンと2価の元素とを少なくとも含む金属酸化物の粉体であると良い。この場合、金属酸化物は、(Sr1-xLax)TiO3及びSr(Ti1-yy)O3の中より選択されたものであり、Mは、Fe,Nb,Sc,及びMgの中より選択されたものであるとよい。
また、本発明に係る固体酸化物形燃料電池の製造方法は、まず、燃料極,この燃料極の上に配置された電解質層,及びこの電解質層の上に配置された空気極から構成された単セルを形成し、次に、金属及び導電性を有する金属酸化物の少なくとも1つからなる粉体よりなる粉体層を有機溶剤よりなる分散媒体に分散したペーストを、単セルの燃料極及びセパレータのいずれか一方に塗布してペースト層を形成し、次に、ペースト層を介して燃料極及びセパレータが対向するように単セル及びセパレータを積層し、燃料極及びセパレータがペースト層を介して接続された状態とし、この後、積層された単セル,ペースト層,及びセパレータを加熱してペースト層を焼結させて粉体層が形成され、燃料極及びセパレータが粉体層を含む接続層を介して接続された状態とするようにしたものである。
以上説明したように、本発明によれば、単セルの燃料極とセパレータとが、金属及び導電性を有する金属酸化物の少なくとも1つからなる粉体よりなる粉体層を含む接続層を介して接続されているようにしたので、燃料極とセパレータとの間の電気抵抗をより低減できるようになる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における固体酸化物形燃料電池の構成を示す断面図である。図1では、固体酸化物形燃料電池の部分断面図を示している。
本実施の形態における固体酸化物形燃料電池は、まず、燃料極102、電解質層103、空気極104からなる複数の単セルを備える。また、単セルの間には、セパレータ101が配置され、セパレータ101と燃料極102との間には、集電体層105及び電気伝導性粉体層106を備える。なお、単セル及びセパレータ101は、平面視円形に形成されている。本例では、集電体層105及び電気伝導性粉体層106から接続層を構成している。また、セパレータ101の燃料極102の側には、燃料ガス流路101aが設けられ、図示していないが、セパレータ101の燃料極102の側にも、酸化剤ガスの流路が設けられている。これら各流路は、セパレータ101に形成された溝から構成されている。
図2に示すように、セパレータ101の燃料極102の側には、凹部201が設けられ、凹部201内に単セルが収容されている。また、燃料ガス供給系のマニホールド202に接続されている燃料ガス供給配管202より水素などの燃料ガスが導入され、導入された燃料ガスは、セパレータ101の内部に設けられた配管204を経由し、燃料極102に供給される。また、燃料極102に対向しているセパレータ101の面に設けられた燃料ガス流路101a(図2には示さず)により、導入された燃料ガスが、燃料極102の全域により均一な状態で供給されるようになる。
同様に、酸化ガス供給系のマニホールド205に接続されている酸化剤ガス供給配管206により、空気などの酸化剤ガスが導入され、導入された酸化剤ガスは、セパレータ101の内部に設けられた配管207を経由し、空気極104に供給される。また、空気極104に対向しているセパレータ101の面に設けられた酸化剤ガス流路(不図示)により、導入された燃料ガスが空気極104の全域に均一な状態で供給されるようになる。
また、燃料ガスの排ガスは、燃料極102とセパレータ101との間に密閉された空間から、セパレータ101の内部の設けられた配管208及び燃料ガス排気配管209を経由し、排気系のマニホールド210に排気される。一方、酸化剤ガスの排ガスは、単セルの側部とセパレータ101との間(隙間)より外部に排出される。なお、図2には、集電体層105及び電気伝導性粉体層106は示していない。
上記構成において、セパレータ101は、例えばクロムが16〜25%程度含まれているフェライト系合金などの耐熱合金から構成されていればよい。
燃料極102は、例えば、ニッケル−イットリア安定化ジルコニアサーメット(Ni−YSZ),ニッケル−スカンジア安定化ジルコニア(Ni−ScSZ)などの、後述する電解質層103を構成する酸化物材料に金属ニッケルが混合された電子伝導性を有する金属−酸化物混合体(サーメット)、もしくは、白金などの貴金属より構成された、電子伝導性を有する材料から構成されていればよい。
電解質層103は、酸化スカンジウム(Sc23)及び酸化アルミニウム(Al23)安定化ZrO2(SASZ),イットリア安定化ジルコニア(YSZ),スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ),サマリア安定化ジルコニア(SSZ)などのジルコニア材料や、コバルト及びマグネシウム添加ランタンガレート系酸化物(LSGMC)などの電子伝導性が小さく、酸素イオンの伝導特性が高いセラミックス材料から構成されていればよい。
また、空気極104は、高温酸化雰囲気下で安定し、触媒性が高く、かつ高い電子伝導性を有する材料から構成されていればよく、例えば、ランタンストロンチウムマンガネート((La,Sr)MnO3:LSM),ランタンニッケルフェライト(La(Ni,Fe)O3:LNF),ランタンストロンチウムコバルタイト((La,Sr)CoO3:LSC),ランタンストロンチウムフェライト((La,Sr)FeO3:LSF),サマリウムストロンチウムコバルタイト((Sm,Sr)CoO3:SSC)などの、電気導電性を有する金属酸化物の焼結体から構成されたものであればよい。また、空気極104は、銀や白金などの金属から構成されていてもよい。
また、集電体層105は、白金,銀,金,パラジウム,イリジウム,ロジウムなどの金属やフェライト系耐熱合金の細線からなるメッシュや不織布、エキスパンドメタル、また、発泡金属から構成されていればよい。例えば、ニッケルの発泡体である発泡ニッケルを配置して用いるようにしてもよい。
また、図2では、燃料極102を支持基板とする燃料極支持型の単セルを例として説明したが、これに限るものではない。例えば、図3に示すように、電解質層303を支持基板とし、この一方の面に空気極304が形成され、他方の面に燃料極302が形成された電解質支持型の単セルであっても同様である。
本実施の形態では、上述した構成とした単セルの燃料極102とセパレータ101との間に、集電体層105に加えて電気伝導性粉体層106を設けるようにしたところに特徴がある。電気伝導性粉体層106について説明すると、電気伝導性粉体層106は、電気導電性を備えた粉体(粉末)より構成されたものである。例えば、電気伝導性粉体層106は、電気伝導性を備えた粉体の焼結体である。従って、電気伝導性粉体層106は、例えば単セルとセパレータ101とを接続する製造過程において、塑性を備えた状態となっている。
このため、本実施の形態によれば、電気伝導性粉体層106を燃料極102とセパレータ101との間に設けることで、単セルの反り,セパレータ101の表面凹凸,及び燃料極102の表面凹凸が、電気伝導性粉体層106により吸収される。この結果、セパレータ101と電気伝導性粉体層106との界面、及び燃料極102と電気伝導性粉体層106との界面では、接触面積が増大し、接触抵抗が低減された状態となり、燃料極とセパレータとの間の電気抵抗をより低減することが可能となる。また、電気伝導性粉体層106は、粉体から構成しているので、粉体の各粒子間には空間が形成されて多孔体となっており、燃料ガスの流通を阻害することがない。
ここで、固体酸化物形燃料電池における燃料極について説明すると、前述したように、燃料極はニッケルを含んでおり、単セルを製造した初期の状態では、NiOの状態となっている。この状態より、単セルを積層してスタックを形成して発電状態とすると、800℃程度の高温状態とされて燃料ガスが供給されることになり、NiOが還元されてNiに戻る。このように、固体酸化物形燃料電池の燃料電極は、発電動作において高い電気伝導性を備える状態となり、燃料電極とセパレータとは、金属−金属間の接触により電気的な接続が形成されている。
ところが、一般に、セパレータは変形しにくい耐熱合金より構成されているため、ここに直接燃料電極を接触させた状態では、単セルの反り,及び各表面の凹凸により、実効的な接触面積があまり大きくならない。このため、電気伝導度が十分に大きく変形しやすい集電体層を挿設することで、セパレータと燃料極との間の接続抵抗を低減させるようにしている。
このような従来技術に対し、本実施の形態の固体酸化物形燃料電池では、上述した集電体層より変形しやすく、かつ、集電体より密度の高い状態の電気伝導性粉体層106を用いるようにしたので、従来に比較して、さらに良好な電気的接続が得られるようになる。
本実施の形態における電気伝導性粉体層106は、例えば、Fe,Ni,Cu,Ag,Au,及びPtなどの金属の粒子からなる粉体から構成されていればよい。これらの金属の中で、Au,Ptは、このペーストを焼成することで電気伝導性粉体層106とした場合でも特性に変化が無く、電気伝導度が高く、特に良好な電気的接続が得られるが、高価である。また、Agは、融点が燃料電池の動作温度と近いため、長時間用いると粉体の焼結が進行し、最終的にはガスの透過(流通)が妨げられる場合があり、適用させる固体酸化物形燃料電池の動作温度を考慮して用いる必要がある。
また、Cu,Feは、安価であるが酸化されやすいため、燃料極側の酸素分圧(酸素量)高くなる状態では性能(高い電気伝導性)の維持が容易ではない。これに対し、Niは、燃料極にも用いられており、電気伝導性粉体層106にはより理想的な材料である。しかし、電気伝導性粉体層106を形成(製造)する段階で酸化されると、所望とする特性が得られにくくなるため、固体酸化物形燃料電池として作製した後の処理に配慮が必要となる。なお、上述した金属の粒子の粒径は、例えば、0.1〜50μmの範囲であればよい。ここで、粒径は、よく知られているレーザー回折散乱法による光強度分布パターンの測定から得られた平均粒子径である。例えば、堀場製作所株式会社製レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910を用いることで、粒径の測定が可能である。
また、本実施の形態における電気伝導性粉体層106は、上述した金属に限らず、電気伝導性の金属酸化物の粒子からなる粉体から構成されていてもよい。例えば、基本的な組成が(Sr1-xLax)TiO3で示されるTiを含む金属酸化物は、還元性雰囲気においても良好な電気伝導度を示し、電気伝導性粉体層106の材料として好適である。特に、x=0.4とした(Sr0.6La0.4)TiO3の組成の金属酸化物は、固体酸化物形燃料電池の動作温度(約800℃)付近での電気伝導度が1000S/cmを越える良好な電気的特性を備え、電気伝導性粉体層106の材料として好適である。
なお、(Sr1-xLax)TiO3で示されるTiを含む金属酸化物は、xが0に近くなると電気伝導度が小さくなり、実用上の電気伝導度が得られる範囲は、0.2≦xである。また、(Sr1-xLax)TiO3で示されるTiを含む金属酸化物は、xが0.5を越えると、酸化雰囲気での構造の安定性が損なわれる。これらのことより、(Sr1-xLax)TiO3で示されるTiを含む金属酸化物を電気伝導性粉体層106に用いる場合、0.2≦x<0.5、好ましくは0.2≦x≦0.4とすればよい。
ところで、(Sr1-xLax)TiO3で示される金属酸化物は、熱膨張係数が単セルを構成するYSZやNi−YSZなどと近いため、熱サイクルにおける劣化が抑制できるという特徴も備えている。この点からは、前述した金属の粉体を用いる場合より、好ましい。
また、Tiを含む金属酸化物としては、(Sr1-xLax)TiO3に限らず、例えば、Sr(Ti1-yy)O3(Mは、Fe,Nb,Sc,及びMn)で示されるものでもよい。
なお、電気伝導性粉体層106に適用可能な金属酸化物は、上述した材料に限るものではなく、電気伝導性を備える他の金属酸化物を用いるようにしても良い。ただし、電気伝導性粉体層106は、還元性雰囲気で使用されるため、固体酸化物形燃料電池を長期にわたって動作させるという観点では、還元性雰囲気で構造的に安定な材料を用いた方がよい。中でも、上述したSrなどの2価の元素を含むチタン酸化合物は、還元性雰囲気でも構造的に安定して高い電気伝導度が維持されるので、電気伝導性粉体層106に用いる材料として有望である。さらに、例えば、ランタンクロマイト系金属坂物を用いることも可能であるが、電気伝導度の点では、Tiを含む金属酸化物の方が好適である。
ここで、上述した金属酸化物の組成を示す化学式において、元素記号の右下に付けている数字(1の場合は記載しない)は、元素の数を示すものであるが、これは、化学量論組成のときの状態を示しており、実際の化合物では、この数字で示す組成からある程度ずれたものも存在することは、言うまでもない。
次に、本実施の形態における固体酸化物形燃料電池の製造方法例について簡単に説明する。まず、Ni−YSZよりなる板状の燃料極102を用意し、この上に、SASZよりなる板状の電解質層103を載置し、この上に、LSMの焼結体から構成された板状(円盤)の空気極104を載置し、これらで単セルが構成された状態とする。
次に、平均粒径1〜3μmの(Sr0.6La0.4)TiO3の粉体(金属酸化物粉体)をテルピネオールやテレピン油などの有機溶媒に混合して分散させ、金属酸化物ペーストを作製する。粉体と有機溶媒との割合は、例えば重量比で8:2とすればよい。次いで、作製した金属酸化物ペーストを、形成した各々の単セルの燃料極102の上に塗布し、燃料極102の上に金属酸化物ペースト層が形成された状態とする。
次に、1段目のセパレータ101の上に上述した1つの単セルが載置された状態とする。このとき、下端のセパレータ101の燃料ガス流路が形成されている面に、集電体層105が配置された状態とし、この上に、金属酸化物ペースト層が形成された単セルの燃料極102が配置された状態とする。
次に、空気極104の上に、酸化剤ガス流路が形成されている面が当接するように、次の2段目のセパレータ101が載置された状態とする。次いで、2段目のセパレータ101の燃料ガス流路が形成されている面の上に、集電体層105が配置された状態とし、この上に、前述同様に次の単セルが積層された状態とする。
上述したように複数のセパレータ及び単セルを積層した状態で、まず、最上段のセパレータ101の上から下端のセパレータ101にかけて荷重を加え、各単セルに圧力が加わった状態とする。この状態で、固体酸化物形燃料電池を所定の電気炉内部に配置し、固体酸化物形燃料電池を例えば800℃にまで加熱する。次いで、燃料ガス供給系のマニホールド202及び燃料ガス供給配管202を経由して燃料極102の側に水素を供給し、酸化ガス供給系のマニホールド205及び酸化剤ガス供給配管206を経由して空気極104の側に空気を供給すれば、発電状態とすることができる。また、上述した加熱により、金属酸化物ペースト層は加熱され、金属酸化物ペースト層の分散媒体が除去されると共に、金属酸化物粉体が焼結され、本実施の形態における電気伝導性粉体層106が形成された状態が得られる。
上述した電気伝導性粉体層106は、用いる材料,単セルの反り,セパレータ101の表面凹凸,及び燃料極102の表面凹凸の状態に応じ、適宜最適な厚さに形成する。また、電気伝導性粉体層106を構成する粉体の粒径は、電気伝導性粉体層106を用いて作製した固体酸化物形燃料電池の発電特性を測定し、この結果が最も良い状態となるように、適宜設定して用いればよい。
なお、上述では、接続層を、集電体層105及び電気伝導性粉体層106の積層(多層)構造体としたが、これに限るものではなく、例えば、集電体層105を用いず、電気伝導性粉体層106のみで接続層としても良い。また、セパレータ101の側に集電体層105を配置し、燃料極102の側に電気伝導性粉体層106を配置して接続層としたが、これに限るものではなく、燃料極102の側に集電体層105を配置し、セパレータ101の側に電気伝導性粉体層106を配置してもよい。また、電気伝導性粉体層106を構成している電気導電性を備えた粉体が、メッシュ状の集電体層105の開口内に進入していても良い。また、電気伝導性粉体層は、金属の粉体と電気伝導性の金属酸化物の粉体とが混合されたものであっても良い。
また、前述した製造方法の説明では、金属酸化物ペースト層を燃料極102の側に形成したが、これに限るものではなく、セパレータ101の側に形成しても良い。本実施の形態の固体酸化物形燃料電池の製造方法としては、上記金属酸化物ペーストを、単セルの燃料極102及びセパレータ101のいずれか一方に塗布して金属酸化物ペースト層を形成し、金属酸化物ペースト層を介して燃料極及びセパレータとが対向するように単セル及びセパレータを積層し、積層された単セル,金属酸化物ペースト層,及びセパレータ101を加熱して金属酸化物ペースト層を焼結させて電気伝導性粉体層106が形成され、燃料極とセパレータとが電気伝導性粉体層106を介して接続された状態とすればよい。
また、上述では、金属からなるセパレータの場合を例にしたが、金属酸化物から構成されたセパレータをなど、導電性材料から構成されたセパレータを用いる場合であれば、本発明が適用できることは言うまでもない。
本発明は、複数の単セルをスタック(積層)している固体酸化物形燃料電池に好適である。
本発明の実施の形態における固体酸化物形燃料電池の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態における固体酸化物形燃料電池の構成を示す構成図である。 単セルの構成例を示す断面図である。
符号の説明
101…セパレータ、101a…燃料ガス流路、102…燃料極、103…電解質層、104…空気極、105…集電体層、106…電気伝導性粉体層。

Claims (8)

  1. 燃料極,この燃料極の上に配置された電解質層,及びこの電解質層の上に配置された空気極から構成されて積層された複数の単セルと、
    隣り合う前記単セルの間に配置された導電性材料からなるセパレータと、
    前記燃料極と前記セパレータとの間に配置された接続層と
    を少なくとも備え、
    前記接続層は、金属及び導電性を有する金属酸化物の少なくとも1つの粉体よりなる粉体層を備える
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  2. 請求項1記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記接続層は、多層構造とされている
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  3. 請求項2記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記接続層は、前記粉体層に加えて集電体の層を備える
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記粉体層は、前記粉体の焼結体から構成されたものである
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記粉体は、Fe,Ni,Cu,Ag,Au,及びPtの中より選択された金属の粉体である
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記粉体は、チタンと2価の元素とを少なくとも含む金属酸化物の粉体である
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  7. 請求項6記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記金属酸化物は、(Sr1-xLax)TiO3及びSr(Ti1-yy)O3の中より選択されたものであり、
    前記Mは、Fe,Nb,Sc,及びMgの中より選択されたものである
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  8. 燃料極,この燃料極の上に配置された電解質層,及びこの電解質層の上に配置された空気極から構成された単セルを形成する工程と、
    金属及び導電性を有する金属酸化物の少なくとも1つからなる粉体よりなる粉体層を有機溶剤よりなる分散媒体に分散したペーストを、前記単セルの燃料極及びセパレータのいずれか一方に塗布してペースト層を形成する工程と、
    前記ペースト層を介して前記燃料極及び前記セパレータが対向するように前記単セル及び前記セパレータを積層し、前記燃料極及び前記セパレータが前記ペースト層を介して接続された状態とする工程と
    積層された前記単セル,前記ペースト層,及び前記セパレータを加熱して前記ペースト層を焼結させて粉体層が形成され、前記燃料極及び前記セパレータが前記粉体層を含む接続層を介して接続された状態とする工程と
    を少なくとも備えることを特徴とする固体酸化物形燃料電池の製造方法。
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