請求項1に記載の発明は、液体に電圧を印加するための印加電極、前記印加電極に対向する位置に配された対向電極、前記印加電極と前記対向電極との間に高電圧を印加する電圧印加部を有し貯蔵室内に微細ミストを発生させる静電霧化装置と、前記静電霧化装置に液体を供給する水供給手段と、前記静電霧化装置における微細ミストを噴霧する霧化部のオゾン発生量を判定するためのオゾン量判定手段と、前記オゾン量判定手段からの信号によって前記静電霧化装置の制御を行う制御手段とを備えることにより、オゾン発生量を把握することで、微細ミストによる噴霧を行いながら野菜室に対するオゾン濃度が調整できるので、野菜の保鮮性の向上、野菜室の抗菌、除菌性能の向上、および野菜室内の扉開時に生じる臭気による不快感を防止できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記オゾン量判定手段を、前記電圧印加部が放電する時の電流を検出する放電電流検出手段で構成し、前記制御手段が、前記放電電流検出手段によって検知された信号に基づいて前記電圧印加部を制御する制御回路を備えるものであり、放電電流検出手段で検出した電流値からオゾン発生量を判定し電圧印加部を制御することにより、制御回路のみで対応できるので、部品の追加が必要なく、簡単で安価に構成できる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記放電電流検出手段で検出した電流値が、適正範囲の上限値である第一の値より大きくなった場合、前記電圧印加部が前記印加電極と前記対向電極との間に印加する電圧を強制的に減少させ、前記放電電流検出手段で検出した電流値が、適正範囲の下限値である第三の値より小さくなった場合、前記電圧印加部が前記印加電極と前記対向電極との間に印加する電圧を強制的に増加させるものであり、放電電流検出手段で検出した電流値が適正範囲の上限値である第一の値より大きくなった場合は、微細ミストを発生させる印加電極と対向電極との間に印加する電圧を強制的に減少させて、貯蔵室のオゾン発生量・オゾン濃度上昇を防ぎ、安全性を高める。また、放電電流検出手段で検出した電流値が適正範囲の下限値である第三の値より小さくなった場合は、微細ミストを発生させる印加電極部と対向電極との間に印加する電圧を強制的に増加させることにより、貯蔵室のオゾン発生量・オゾン濃度の適正化を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記オゾン量判定手段を、前記電圧印加部が放電する時の電流を検出する放電電流検出手段で構成し、前記制御手段が、前記放電電流検出手段によって検知された信号に基づいて前記水供給手段を制御する制御回路を備えるものであり、放電電流検出手段で検出した電流値からオゾン発生量を判定し水供給手段を制御することにより、制御回路のみで対応できるので、部品の追加が必要なく、簡単で安価に構成できる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記水供給手段が、送水ポンプを有し、前記制御手段が前記送水ポンプの送水量を制御するものであり、送水ポンプにより水量を簡単に調整することが可能であり、また、水をくみ上げることができるので給水タンクなどの水源の位置を静電霧化装置より下に配置することが可能になるので設計の自由度が増加する。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記水供給手段が、水路を開閉する開閉弁を有し、前記制御手段は前記開閉弁の開閉を制御するものであり、水路を開閉する開閉弁により簡単に水量が調整することができると同時に、簡単でかつ安価に構成することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項4から6のいずれか一項に記載の発明において、前記放電電流検出手段で検出した電流値が、適正範囲の上限値である第一の値より大きくなった場合、前記水供給手段により前記静電霧化装置への液体供給量を減少させ、前記放電電流検出手段で検出した電流値が、適正範囲の下限値である第三の値より小さくなった場合、前記水供給手段により前記静電霧化装置への液体供給量を増加させるものであり、放電電流検出手段で検出した電流値が適正範囲の上限値である第一の値より大きくなった場合は、水供給手段により静電霧化装置への液体供給量を減少させ、放電電流検出手段で検出した電流値が適正範囲の下限値である第三の値より小さくなった場合は、水供給手段により静電霧化装置への液体供給量を増加させて、霧化部の水量を適正化し、貯蔵室のオゾン発生量・オゾン濃度の適正化を図ることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項2から7のいずれか一項に記載の発明において、前記放電電流検出手段で検出した電流値が、適正範囲の上限値より所定値大きい第二の値より大きくなった場合、前記静電霧化装置を停止させるものであり、放電電流検出手段で検出した電流値が適正範囲の上限値より所定値大きい第二の値より大きくなった場合は、静電霧化装置を停止させることにより、さらに安全性を高めることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項2から8のいずれか一項に記載の発明において、前記放電電流検出手段で検出した電流値が、適正範囲の下限値より所定値小さい第四の値より小さくなった場合、前記静電霧化装置を停止させるものであり、放電電流検出手段で検出した電流値が適正範囲の下限値より所定値小さい第四の値より小さくなった場合、静電霧化装置を停止させることにより、欠水状態での空気放電によるオゾンの大量発生を防止し、安全性を高めるとともに、消費電力を低減することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記オゾン量判定手段が、前記静電霧化装置の周囲オゾン濃度を検知する前記オゾン濃度検知手段で構成されるものであり、貯蔵室のオゾン濃度状態を判定するために、実際に食品を収納している区画でのオゾン濃度を検知していることから、扉開閉などの影響にも的確に反応することができるので、オゾン濃度制御を適正に行える。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記制御手段が、前記オゾン濃度検知手段によって検知された信号に基づいて、オゾン濃度が所定範囲内に入るように前記電圧印加部または前記水供給手段を制御する制御回路を備えたものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、従来例または先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によって、この発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫を左右に切断した場合の左側の縦断面を示す縦断面図である。図2は、同実施の形態の冷蔵庫における野菜室を左右に切断した場合の左側の縦断面を示す要部拡大断面図である。図3は、同実施の形態の冷蔵庫における静電霧化装置に関連する制御構成を示すブロック図である。
図4は、同実施の形態の冷蔵庫における静電霧化装置により発生するミストの粒子径と粒子個数との関係を示す特性図、図5(a)は、同実施の形態の冷蔵庫におけるオゾン量判定手段の放電電流値とオゾン発生濃度の関係を示す特性図、図5(b)は同実施の形態の冷蔵庫における静電霧化装置の霧化量とオゾン濃度・放電電流値の関係を示す特性図である。
図6(a)は、同実施の形態の冷蔵庫における萎れかけた野菜に対する水分含有量の復元効果とミスト噴霧量の関係及び、野菜の外観官能評価値とミスト噴霧量の関係を示す特性図、図6(b)は、同実施の形態の冷蔵庫におけるビタミンC量の変化を従来例と比較した特性図、図6(c)は、同実施の形態の冷蔵庫における静電霧化装置の農薬除去性能を示す特性図、図6(d)は同実施の形態の冷蔵庫における静電霧化装置の除菌性能を示す特性図である。
図7は、同実施の形態の冷蔵庫における制御を示すフローチャート、図8は、図7のフローチャートにおいてオゾン量判定のステップに移行した場合の制御を示すフローチャートである。
図1、図2、図3において、冷蔵庫101は、箱体本体(断熱箱体)102と、貯蔵室の区画をつくるための仕切り103a,103b,103cと、それら区画を閉空間にするための扉104とにより断熱区画され、上から冷蔵室105、切替室106、野菜室107、冷凍室108の異なる温度の貯蔵空間になっている。その中で、野菜室107は、扉104の開閉がなければ、湿度約80%R.H以上(食品収納時)、4〜6℃に冷却されている。
また、冷蔵庫101を冷却するための冷凍サイクルは、圧縮機111、凝縮器、膨張弁やキャピラリチューブなどの減圧装置(図示せず)、蒸発器112を、配管で順次環状に連接してなり、冷媒が循環するように構成される。
さらに、蒸発器112で生成された低温空気を各貯蔵室空間に搬送、もしくは貯蔵室空間で熱交換された空気を蒸発器112に回収するための風路113があり、風路113は各貯蔵室と仕切り114で断熱されている。
さらに、野菜室107の中には、噴霧手段である静電霧化装置115と、この噴霧手段(静電霧化装置115)に水を供給するための水回収部116、野菜の気孔を制御するための照射手段117が構成されている。
静電霧化装置115は、水回収部116からの水を保持するための霧化用タンク118と、野菜室107に噴霧するためのノズル状になったノズル先端部119と、そのノズル先端部119近傍の水に接するところには印加電極120が構成され、ノズル先端部119の開口部の近傍に一定距離を保つように対向電極121、その対向電極121を保持するための保持部材122が取り付けられている。さらに、高電圧を発生する電圧印加部135の−極側が印加電極120と、+極側が対向電極121とそれぞれ電気的の接続されている。また、静電霧化装置115は、取り付け部材の接続部123により仕切り114もしくは、水回収カバー128に取り付けられている。
ノズル先端部119に供給・付着した液体は、印加電極120と対向電極121との間にかかる高電圧の静電エネルギーにより水滴が微細化され、さらに液滴が帯電しているためレイリー分裂により数nmから数μmの微粒子に霧化され、野菜室107に噴霧される。
水回収部116は、仕切り103bの底部、野菜室108の上部に設置され、アルミやステンレスなどの高熱伝導性金属もしくは樹脂で構成された冷却板125と、冷却板125の一面には例えばニクロム線で構成された加熱ヒータや面状発熱体、PTCヒータなどの加熱手段126が当接される。そして、冷却板125の温度調整するために冷却板温度検知手段127の検知温度により加熱手段126の通電率を決定し、冷却板125の温度制御を行う。そして、その下部には、冷却板125で結露した水を受けるための水回収カバー128が設置されている。
照射手段117は、中心波長が470nmの青色光を含む光を照射する、例えば青色LED133であり、また光の拡散性向上と部品保護のための拡散板134で構成されている。
図3において、静電霧化装置115は、印加電極120と対向電極121との間に電圧印加部135から高電圧が印加される。その印加したときの電流値を信号S1として放電電流検出手段136が検知し、その信号を制御手段である霧化装置制御回路137に信号S2として入力し、オゾン量判定手段138にて霧化状況を把握し、信号S3として電圧印加部135の出力電圧等を調整している。また、この制御手段によって霧化装置制御回路137と冷蔵庫101本体の制御回路139と通信を行い、照射手段117の動作の判定も行う。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず、野菜室107に保存されている野菜や果物の中には、通常、購入帰路時での蒸散あるいは保存中の蒸散によって、やや萎れかけた状態のものが含まれ、その保存環境は、外気温度の変動や扉開閉の影響、冷凍サイクルの運転状態により変動し、さらに保存環境が厳しく、蒸散が促進され萎れやすくなっている。
そこで、静電霧化装置115を運転することにより、微細ミストを野菜室107に噴霧し、庫内をすばやく加湿する。
野菜室107内の余分な水蒸気を冷却板125に結露させ、冷却板125の付着した水滴が成長し、自重により水回収カバー128に滴下し、水回収カバー128を流れて、静電霧化装置115の霧化用タンク118に貯留される。そして、結露水は静電霧化装置115のノズル先端部119から霧化され、野菜室107に噴霧される。
この時、静電霧化装置115のノズル先端部119近傍の印加電極120を負電圧側とし、対向電極121を正電圧側として、電圧印加部135によりこの電極間に高電圧(例えば10kV)を印加させる。このとき、例えば15mmの距離に隔てられた電極間でコロナ放電が起こり、印加電極120近傍のノズル先端部119の先端から霧化し、目視できない約1μm以下の電荷をもったナノレベルの微細ミストと、それに付随してオゾンやOHラジカルなどが発生する。電極間に印加する電圧は、10kVと非常に高圧であるが、そのときの放電電流値はμAレベルであり、入力としては1〜3Wと非常に低入力である。しかし、発生する微細ミストは、1g/h程度であり十分に野菜室107に霧化・高湿化することができる。
さらに、放電電流値が信号S1として放電電流検出手段136に入力されると、この電流値をCPU等で演算しやすいデジタルやアナログの電圧信号S2に変換してオゾン量判定手段138に出力する。次にオゾン量判定手段138では放電電流値をオゾン濃度に換算し(実験的に放電電流とオゾン発生には正の比例があることを見出した)、所定のオゾン発生濃度以下になるように制御信号S3を電圧印加部135に出力する。最後に電圧印加部135では印加する電圧値を変更し、高電圧を発生させる。以降放電電流値を見ながらフィードバック制御を行う。
図4に示すように、ノズル先端部119から噴霧されるミストは数十nmと数μm程度にピークを2つもったミストであり、野菜表面に付着したナノレベルの微細ミストは、OHラジカルなどを多く含んでおり、殺菌、抗菌、除菌などに効果がある他、酸化分解による農薬除去や抗酸化によるビタミンC量などの栄養素の増加を野菜に促し、また、マイクロレベルの微細ミストは、ラジカル量は少ないものの野菜表面に付着し、野菜表面周辺を保湿することができる。
この時、野菜表面は細かい水滴が付着しているが、空気と接する面も存在するため呼吸の障害にならず、水腐れは起さない。よって、野菜室107は高湿度となると同時に、野菜表面の湿度と貯蔵室(野菜室107)内の湿度が平衡状態となり、野菜表面から蒸散は防止することができ、付着したミストは野菜や果物の表面の細胞の隙間から組織内に浸透し、萎れた細胞内に再び水分が供給され、細胞の膨圧によって萎れが解消され、シャキットとした状態になる。
静電霧化装置115が運転しているときは、照射手段117が点灯し、野菜室107内に保存されている野菜や果物に照射する。照射手段117は、中心波長が470nmの青色光を含む光を照射する、例えば青色LED133や青色光のみ透過する材料で覆われたランプなどで、この時に照射される青色光の光量子は約1μmol/(m2・s)の微弱な光である。
微弱な青色光を照射された野菜や果物は、表皮表面に存在する気孔が、青色光の光刺激によって、通常の状態に比べ気孔の開度が大きくなる。これにより、気孔内の空間が膨張し、空間内の見かけ上の相対湿度は減少し、平衡状態がくずれ、水分を吸収しやすい状況になる。そこで、野菜や果物表面に付着したミストが、気孔開孔状態の野菜や果物の表面から組織内に浸透し、水分が蒸散して萎んだ細胞内にさらに水分を供給することにより、野菜がシャキットした状態に復帰し、新鮮さが復活する。
図5(a)に示すように、放電電流値が大きいとき、オゾン発生量は多くなる。オゾンには、低濃度であれば、除菌や殺菌の効果があり、また酸化分解による農薬分解、抗酸化化によるビタミンCなどの栄養素増加が期待できるが、30ppbを越す濃度であれば臭気より人間に不快感を与え、また、貯蔵室を構成する樹脂部品に対して劣化促進の作用があり、その濃度調整が重要である。そのため、放電電流値によりその濃度を制御する。
また、図5(b)に示すように、霧化量が多くなると電流値が増加し、そのため空気放電量が増加することによりオゾン発生量も増加する。また、印加電極120近傍に水がないとき、これもまた空気放電量が増加することによりオゾン濃度が増加する。そのため、霧化用タンク118の水量、霧化量もオゾン濃度と同様に調整することが重要である。
図6(a)は、萎れかけた野菜に対する水分含有量の復元効果とミスト噴霧量の関係及び、野菜の外観官能評価値とミスト噴霧量の関係を示した特性図である。本実験は70リットルの野菜室において行った為、以下の噴霧量はすべて70リットル当たりの噴霧量を示す。
図6(a)より、光照射ありの場合で野菜の水分含有復元効果が50%以上となる範囲は、0.05〜10g/h(1リットル当たり=0.0007〜0.14g/h・l)の範囲であった。
ミストの噴霧量が少なすぎると、野菜が気孔から外部へ放出する水分量を下回ってしまい、野菜内部への水分供給を行うことができなくなる。また、ミストと開孔状態の気孔との接触頻度が低下し、野菜の内部に水が浸透できにくくなると考えられる。
実験では、このような噴霧量の下限値が0.05g/hであることがわかった。
一方、ミストの噴霧量が多すぎると、野菜内部の水分含有許容量を超えてしまい、野菜内部に取り込まれない水分は野菜の外部に付着してしまい、この水分によって野菜表面の一部から水腐れが生じてしまい、野菜が痛んでしまう現象が発生する。
このような野菜表面に余分な水分が付着し、野菜が水腐れ等の品質劣化を起こす範囲は10g/h以上であり、実験としては不適であった。よって、10g/h(1リットル当たり=0.15g/h・l)以上の実験結果については、野菜の品質劣化によって採用できない為、省略する。
光照射ありの場合で野菜の水分含有復元効果が70%以上となる範囲は、0.1〜10g/h(1リットル当たり=0.0015〜0.14g/h・l)であった。このようにミストの噴霧量の下限値が0.1g/h程度以上に多くなると、開孔状態の気孔との接触頻度が十分に多くなり、野菜内部へのミストの浸透が活発に行われると考えられる。
光照射なしの場合については、野菜の水分含有復元効果が50%以上となる範囲はなく、すべての噴霧量で10%未満の水分含有量復元率である。図のように、光照射なしの場合については、気孔が十分に開いていない為、粒子径が十分に小さくないと野菜の内部に水分が浸透しないと考えられる。
図6(b)は、本発明の微細ミストを噴霧したときの投入時のビタミンC濃度を100にしたときのビタミンC量の変化を示した特性図である。本実験は70リットルの野菜室に平均的な野菜量(約6kg、15種類)を収納、3日間保存し、約0.5g/hの微細ミストを噴霧したときのブロッコリーのビタミンC量の変化量を既存冷蔵庫と比較したものである。
一般に冷蔵庫の野菜室の環境下においては、高湿・低温にすれば、ビタミンC量の減少量は抑制できるが、経過日数に比例してビタミンC量は減少する。そのため、ビタミンC量を維持、もしくは増加させるには、抗酸化や光などの刺激を野菜に与える必要がある。
そこで、本発明においては、静電霧化で発生するOHラジカルや低濃度オゾンにより野菜を刺激し、ビタミンC量を増加させた。
図6(b)に示すとおり、従来品では、3日後には、投入時より約6%程度ビタミンC量が減少していたが、本発明品では、3日後には約4%程度、ブロッコリーのビタミンC濃度が上昇している。これより、野菜がOHラジカルやオゾンによる刺激によりビタミンC量が増加していることがわかる。
また、図6(c)は、微細ミストを噴霧したときの農薬除去効果とミスト噴霧量との関係を示す特性図である。この実験にはマラチオンを約3ppm付着させたミニトマト10個を用い、本発明の微細ミストを約0.5g/hで12時間噴霧し、除去処理する。そして処理後の残留マラチオン濃度をガスクロマトグラフィ(GC)にて測定することで、除去率を算出する。
図6(c)より明らかなように、マラチオン除去率を50%程度とするためには、噴霧量は0.0007g/h・L以上である必要があり、農薬除去効果は噴霧量の増加とともに向上している。
また、0.07g/h・Lを超える噴霧量になると、農薬除去効果はあるものの発生するオゾン濃度が0.03ppmを越えるため、家庭用冷蔵庫への適用は人体の安全性の観点から難しい。なお、オゾン濃度0.03ppmとはオゾン臭くないレベルであり、野菜に対する組織損傷などの悪影響を生じることなく、農薬分解効果を持つオゾン濃度の上限値である。このように噴霧量の適正範囲は0.0007g/h・L以上0.07g/h・L以下である。
さらに、図6(d)は、微細ミストを噴霧したときの除菌効果を示す特性図である。この実験には、一定の初発菌数の大腸菌を培養したシャーレをあらかじめ5℃、70Lの容器内にいれ、本発明の微細ミストを1g/h噴霧し、大腸菌数の減少率の経過を測定したものである。なお、比較対象には、超音波霧化装置で同量噴霧した場合の結果を示している。
この図より、明らかに従来品より本発明品の除菌率が高く、7日後には、99.8%滅菌できている。これは、ミストに含まれるオゾンによる除菌効果と考えられる。これにより、野菜および容器などが清潔に維持することが可能である。
これらの動作の詳細について図7と図8の制御フローチャートで説明する。
ステップ501により高湿化モードに入ると、ステップ502で静電霧化装置115をONし、噴霧時間t1を設定、タイマーt2をスタートさせ、野菜室107にミストを噴霧する。次にステップ503の照射手段117をONさせる。これにより青色LED133が点灯し、野菜の気孔開度が増加する。これにより、野菜の表面に付着したミストを気孔や細胞隙から野菜内部に取り込みやくなる。
そして、ステップ504によりタイマーt2が設定時間t1を越えたら静電霧化装置115をOFFし、t2をリセットし、次に停止時間t3を設定し、タイマーt4をスタートさせる。このとき、ステップ506により照射手段117はOFFにする。そしてステップ507によりタイマーt4が停止時間t3を越えたとき、タイマーt4をリセットし、再びステップ502に移行する。
ここで、ステップ504でタイマーt2が噴霧時間t1より少ない場合、図8に示すステップ508のオゾン量判定モードに移行する。
ステップ508に移行すると、始めにステップ509のように検知電流値iを読み込み判定する。検知電流値iがあらかじめプログラムされた第1の値i1以下で第3の値i3以上の場合、ステップ510のように印加電極120近傍にあるノズル先端部119から噴霧される微細ミストにより発生するオゾン発生量は適正値と判断し、Δt秒間待機後、再びステップ509に移行し判定を繰り返す。
もし、このとき、検知電流値iが第3の値i3以上、第1の値i1以下でなければ、ステップ512移行し、印加電極120と対向電極121との間にかかる印加電圧の可変により電流値、入力を制御する。
まず、ステップ512で検知電流値iが第1の値i1より大きいと判定した場合、ステップ513に移行する。このステップ513で検知電流が第2の値i2より小さければ、印加電極120と対向電極121との間にかかる印加電圧をあらかじめ設定していた電圧ΔVだけ低減することにより、電流値、入力を低減し、空気放電を抑えオゾン発生量を抑制する。
また、ステップ513で検知電流値iが第2の値i2より大きい場合は、電流値が大きいため、空気放電が促進され、オゾン発生量が上限を超えたと考えられ、この場合、噴霧量が多い状態か、もしくはノズル先端部119の印加電極120近傍に水がないと考えられ、このまま通電を続けると貯蔵室内のオゾン濃度が急激に上昇し、安全性が低下するとともに野菜室107の食品の劣化があるので、静電霧化装置115および冷蔵庫101の安全性を確保するため印加電極120と対向電極121との間にかかる印加電圧をゼロにし、ステップ516で静電霧化装置115を停止させる。次に、ステップ517で照射手段117を停止し、ステップ505へ移行する。
また、ステップ512で検知電流値iが第3の値i3より小さい場合、ステップ519に移行する。ステップ519で検知電流値iが第4の値i4より小さい場合は、制御回路に断線などのなんらかの異常が発生したと考えられるので、ステップ520より静電霧化装置115、照射手段117を停止させ、ステップ505へ移行する。ただし、この場合、回路内の記憶装置に異常のフラグを書き込み、フラグ書き込みの累積回数が、ある設定回数以上になれば、冷蔵庫本体に取り付けられる報知手段(図示なし)を動作させ、使用者に知らせることを行ってもよい。
ステップ519で検知電流値iが第4の値i4以上であれば、印加電極120と対向電極121との間にかかる印加電圧を増加させ、入力、静電エネルギーを増加させ、オゾン濃度、霧化量を増加させる。これにより抗菌性、殺菌性を高めるとともに、野菜の保鮮の向上ができる。
以上のように、本実施の形態1においては、液体に電圧を印加するための印加電極120、印加電極120に対向する位置に配された対向電極121、印加電極120と対向電極121との間に高電圧を印加する電圧印加部135を有し貯蔵室(野菜室107)内に微細ミストを発生させる静電霧化装置115と、静電霧化装置115に液体を供給する水供給手段(水回収部116)と、静電霧化装置115における微細ミストを噴霧する霧化部(ノズル先端部119)のオゾン発生量を判定するためのオゾン量判定手段138と、オゾン量判定手段138からの信号によって静電霧化装置115の制御を行う制御手段とを備え、オゾン量判定手段138を、電圧印加部135が放電する時の電流を検出する放電電流検出手段136で構成し、前記制御手段を、放電電流検出手段136によって検知された信号に基づいて電圧印加部135を制御する霧化装置制御回路で構成したことにより、霧化部であるノズル先端部119でのオゾン発生量を電流値で把握し、電流値を制御することによりオゾン発生量を適正化できるので貯蔵室(野菜室107)に噴霧する霧化量の安定化、野菜の保鮮性の向上、貯蔵室(野菜室107)および野菜の除菌、さらに野菜表面の農薬の分解、ビタミンCなどの栄養素の増加ができ、また他の検知手段を使わないので小型化、安価にできる。
また、本実施の形態1では、放電電流検出手段136で検出した検知電流値iが、適正範囲の上限値である第1の値i1より大きくなった場合、電圧印加部135が印加電極120と対向電極121との間に印加する電圧を強制的に減少させるので、貯蔵室(野菜室107)のオゾン発生量・オゾン濃度上昇を防ぎ、オゾン発生量を低減でき、安全性を高めることができる。また、放電電流検出手段136で検出した検知電流値iが、適正範囲の下限値である第3の値i3より小さくなった場合、電圧印加部135が印加電極120と対向電極121との間に印加する電圧を強制的に増加させ、オゾン濃度と霧化量を増加させ、適正霧化量を野菜室107に噴霧するとともに抗菌や殺菌能力の向上、農薬分解性能の向上が可能になる。したがって、貯蔵室(野菜室107)のオゾン発生量・オゾン濃度の適正化を図ることができる。
また、本実施の形態1では、放電電流検出手段136で検出した検知電流値iが、適正範囲の上限値である第1の値i1より所定値大きい第2の値i2より大きくなった場合、印加電極120と対向電極121との間に印加する電圧をゼロにして静電霧化装置115を停止させることにより、さらに安全性を高めることができる。
また、本実施の形態1では、放電電流検出手段136で検出した検知電流値iが、適正範囲の下限値である第3の値i3より所定値小さい第4の値i4より小さくなった場合、印加電極120と対向電極121との間に印加する電圧をゼロにして静電霧化装置115を停止させることにより、欠水状態での空気放電によるオゾンの大量発生を防止し、安全性を高めるとともに、無駄な放電を防止し、消費電力を低減することができる。
さらに、本実施の形態1では、結露水を使用しているので水道水などに混入しているミネラルなどは微小であり、ノズル先端部119の目詰まりになる要因が取り除かれており、寿命信頼性が向上する。
なお、本実施の形態1において、扉開閉スイッチを用いて、扉104が開と判定したときは、静電霧化装置115の電源をOFFする。これにより、開放空間でのミスト噴霧がないため、噴霧効率が向上し、また、電位差を発生しないので、安全に食品に触ることができる。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の野菜室を左右に切断した場合の左側の縦断面を示す要部拡大断面図である。図10は、同実施の形態の冷蔵庫の静電霧化装置に関連する制御構成を示すブロック図である。図11は、同実施の形態の冷蔵庫における制御を示すフローチャート、図12は、図11のフローチャートにおいてオゾン量判定のステップに移行した場合の制御を示すフローチャートである。
なお、実施の形態1と同一構成の部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図9において、静電霧化装置115には霧化用タンク118があり、水回収部116の一部である水回収カバー128と霧化用タンク118は、霧化用タンク118送水する量を調整するための電磁弁などの開閉弁154を介して、樹脂などで構成されたパイプ状の流路155で接続されている。
また、図10において、印加電極120と対向電極121との間に電圧印加部135から高電圧が印加される。その印加したときの電流値を信号S1として放電電流検出手段136が検知し、その信号を制御手段である霧化装置制御回路137に信号S2として入力し、オゾン量判定手段138にてオゾン発生量を把握し、信号S3として電圧印加部135の出力電圧等を調整している。また、この制御手段によって霧化装置制御回路137と冷蔵庫101本体の制御回路139と通信を行い、照射手段117、開閉弁154の動作の判定も行う。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作・作用を説明する。
水回収カバー128で回収した水滴は徐々に成長し、水回収カバー128の内面に沿って流水し、流路155に流れる。そして、開閉弁154が開のとき、水回収カバー128に貯留した水は、霧化用タンク118に流れ、霧化部であるノズル先端部119近傍の印加電極120と対向電極121との間に高電圧を印加することにより、微粒化され、さらに水滴は帯電しているので、レイリー分裂によりさらに微粒化され、きわめて細かいナノレベルの粒子をもった微細ミストが野菜室107に噴霧される。この時、開閉弁154は開閉時間の間隔で水量を調整することができるので供給量を調整することができ、オゾン発生量を調整することができる。
野菜室107内には青果物である野菜の中でも緑の菜っ葉ものや果物等も保存されており、これらの青果物は蒸散よってより萎れやすいものである。野菜室107内に保存されている野菜や果物の中には、通常、購入帰路時での蒸散あるいは保存中の蒸散によってやや萎れかけた状態のものが含まれており、霧化された微細ミストによって野菜の表面が潤わされる。
噴霧された微細ミストは野菜室107内を再び高湿にすると同時に野菜室107内に気孔開孔状態の野菜や果物の表面に付着し、気孔より組織内に侵入し、水分が蒸散して、萎んだ細胞内に再び水分が供給され、細胞の膨圧によって萎れが解消され、シャキッとした状態に復帰する。特に、静電霧化により微細ミストはマイナスに帯電しており、通常、野菜はプラスに帯電しているので微細ミストが表面に付着しやすい。また、ナノレベルの粒子も存在するので細胞隙からでも水分を吸収することができる。さらに、1μm以下の粒子であるため非常に軽く、拡散性が向上することにより野菜室全体に微細ミストが広がり、保鮮性が向上し、容器に付着しても目立たないので品位を損ねることがない。
また、照射手段117により微弱な青色光を照射された野菜の気孔が、青色光の光刺激によって、通常の状態に比べ気孔の開度が大きくなる。これにより、野菜や果物表面に付着した微細ミストが気孔開孔状態の野菜や果物の表面から組織内に浸透し、水分が蒸散して、萎んだ細胞内にさらに水分を供給でき、シャキットした状態に復帰し、新鮮さが復活する。
これらの動作の詳細について図11と図12の制御フローチャートで説明する。
ステップ501により高湿化モードに入ると、ステップ551で流路155内にある開閉弁154を開状態にし、水回収カバー128内に貯留されている水を静電霧化装置115へ流す。次にΔt秒後、ステップ502で静電霧化装置115をONし、噴霧時間t1を設定、タイマーt2をスタートさせ、野菜室107に微細ミストを噴霧する。次にステップ503の照射手段117をONさせる。これにより青色LED133が点灯し、野菜の気孔開度が増加する。これにより、野菜の表面に付着した微細ミストを気孔や細胞隙から野菜内部に取り込みやくなる。
そして、ステップ504によりタイマーt2が設定時間t1を越えたら静電霧化装置115をOFFし、t2をリセットし、次に停止時間t3を設定し、タイマーt4をスタートさせる。このとき、ステップ552により開閉弁154を閉状態にし、照射手段117もOFFにする。そして、ステップ507によりタイマーt4が停止時間t3を越えたとき、タイマーt4をリセットし、再びステップ502に移行する。
ここで、ステップ504でタイマーt2が噴霧時間t1より少ない場合、図12に示すステップ508の霧化判定モードに移行する。
ステップ508に移行すると、始めにステップ509のように検知電流値iを読み込み判定する。検知電流値iがあらかじめプログラムされた第1の値i1以下で第3の値i3以上の場合、ステップ561のようにノズル先端部119から噴霧されている微細ミストは適正値と判断し、それによりノズル先端部119から発生しているオゾン発生量も適正値と判断し、開閉弁154は開状態を継続する。
そして、Δt秒間待機後、再びステップ509に移行し判定を繰り返す。もし、このとき、検知電流値iが第3の値i3以上、第1の値i1以下でなければ、ステップ512移行し、オゾン発生量を調整するために霧化用タンク118への送水量を制御する。
まず、ステップ512で検知電流値iが第1の値i1より大きいと判定した場合、ステップ513に移行する。このステップ513で検知電流が第2の値i2より小さければ、ステップ562で静電霧化装置115の運転は継続するものの、開閉弁154は閉に切り替える。これにより、ノズル先端部119から噴霧される霧化量が減少するので、オゾン発生量を抑制することができる。
また、ステップ513で検知電流値iが第2の値i2より大きい場合は、ノズル先端部119からの霧化量が非常に多いと考えられ、このまま通電を続けるとオゾン濃度が非常に高くなり、野菜室107の食品の劣化があるのと同時に貯蔵室の部品劣化の加速、もしくは扉開閉での室内空間にもれ人間に不快感を与える。そのため、ステップ563で静電霧化装置115および冷蔵庫101の安全性を確保するため、印加電極120と対向電極121との間の印加電圧をゼロにし、ステップ516で静電霧化装置115を停止させとともに、開閉弁154も閉に切り替える。次に、ステップ517で照射手段117を停止し、ステップ505へ移行する。
また、ステップ512で検知電流値iがi1より小さい場合、ステップ519に移行する。ステップ519で検知電流値iが第4の値i4より小さい場合は、制御回路に断線などのなんらかの異常が発生したと考えられるので、ステップ564より静電霧化装置115を停止、開閉弁154を閉、照射手段117を停止させ、ステップ505へ移行する。ただし、この場合、回路内の記憶装置に異常のフラグを書き込み、フラグ書き込みの累積回数が、ある設定回数以上になれば、冷蔵庫本体に取り付けられる報知手段(図示なし)を動作させ、使用者に知らせることを行ってもよい。
ステップ519で検知電流値iが第4の値i4以上であれば、開閉弁154の開状態を維持することにより、その野菜室環境も維持する。
以上のように、本実施の形態2においては、液体に電圧を印加するための印加電極120、印加電極120に対向する位置に配された対向電極121、印加電極120と対向電極121との間に高電圧を印加する電圧印加部135を有し貯蔵室(野菜室107)内に微細ミストを発生させる静電霧化装置115と、静電霧化装置115に液体を供給する水供給手段(開閉弁154)と、静電霧化装置115における微細ミストを噴霧する霧化部(ノズル先端部119)のオゾン発生量を判定するためのオゾン量判定手段138と、オゾン量判定手段138からの信号によって静電霧化装置115の制御を行う制御手段とを備え、オゾン量判定手段138を、電圧印加部135が放電する時の電流を検出する放電電流検出手段136で構成し、前記制御手段を、放電電流検出手段136によって検知された信号に基づいて開閉弁154を制御する霧化装置制御回路137および冷蔵庫制御回路139で構成したことにより、霧化部であるノズル先端部119でのオゾン発生量を電流値で把握し、開閉弁154により給水量を適正化し、オゾン発生量を適正化できるので、野菜の保鮮性の向上と同時に抗菌性の向上、ビタミンCなどの栄養素の向上、および野菜室内の結露による水腐れ防止ができる。
また、水路を開閉する開閉弁154により簡単に水量が調整することができると同時に、簡単でかつ安価に構成することができる。
また、本実施の形態2では、放電電流検出手段136で検出した検知電流値iが、適正範囲の上限値である第1の値i1より大きくなった場合、開閉弁154は閉に切り替えて霧化部への水供給量を減少させるので、貯蔵室(野菜室107)のオゾン発生量・オゾン濃度上昇を防ぎ、オゾン発生量を低減でき、安全性を高めることができる。
また、本実施の形態2では、放電電流検出手段136で検出した検知電流値iが、適正範囲の上限値である第1の値i1より所定値大きい第2の値i2より大きくなった場合、印加電極120と対向電極121との間の印加電圧をゼロにし、静電霧化装置115を停止させとともに、開閉弁154も閉にすることにより、さらに安全性を高めることができる。
また、本実施の形態2では、放電電流検出手段136で検出した検知電流値iが、適正範囲の下限値である第3の値i3より所定値小さい第4の値i4より小さくなった場合、印加電極120と対向電極121との間の印加電圧をゼロにし、静電霧化装置115を停止させとともに、開閉弁154も閉にすることにより、欠水状態での空気放電によるオゾンの大量発生を防止し、安全性を高めるとともに、無駄な放電を防止し、消費電力を低減することができる。
また、本実施の形態2では、粒子径が1μm以下の極めて微細なミストであるため、拡散性が向上し、野菜室107内の結露を低減できるとともに部材の削減によるコスト低減にも繋がる。
なお、本実施の形態2において、静電霧化装置115の噴霧方向を水平方向に設置したが、静電霧化装置115を下方向に向けて設置することも可能である。この場合、上方から噴霧するので、均一に微細ミストを拡散することができる。また、貯蔵空間全体に微細ミストを噴霧できるので、ミスト(水分)の潜熱により貯蔵空間内を冷却することができる。これにより、冷蔵温度帯用の冷却器能力を小さくできるので、小型化、低コスト化が可能となる。
(実施の形態3)
図13は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の冷蔵室の給水タンク周辺部から野菜室までを左右に切断した場合の左側の縦断面を示す要部拡大断面図、図14は、同実施の形態の冷蔵庫の静電霧化装置に関連する制御構成を示すブロック図である。図15は、同実施の形態の冷蔵庫における制御でオゾン量判定のステップに移行した場合の制御を示すフローチャートである。
なお、実施の形態1または2と異なる部分についてのみ詳細な説明をし、同一部分については詳細な説明を省略する。
図13、図14において、野菜室107は、野菜ケース160に野菜や果物などの食品を収納しており、その上部には、野菜ケース160内に収納された食品からの蒸散抑制にため、庫内湿度を維持するための蓋161が構成されており、その野菜ケース160と蓋161の隙間に噴霧手段である静電霧化装置115の霧化部であるノズル先端部119が庫内に向けて構成されている。
仕切り103bには照射手段117が取り付けられており、ケース内の食品を照射できるよう蓋161の一部は切りかかれているか、透明な材質で構成されている。
静電霧化装置115の水を供給するために冷蔵室105の中に、給水タンク162が構成され、給水タンク162と静電霧化装置115に備えられた霧化用タンク118は、フィルター164およびステッピングモータやギアやチューブ、圧電などのいずれかを用いた送水ポンプ165を介し、送水ポンプ165前後で流路163aと細管流路163bが構成され、この細管流路163bと霧化用タンクを通じて、ノズル先端部119に水を給水しており、その一部は仕切り103a,103b、114や冷蔵庫箱体102に埋設されている。
静電霧化装置115は、印加電極120での放電電流値を放電電流検出手段136で検知し、霧化装置制御回路137のオゾン量判定手段138の出力を冷蔵庫本体の冷蔵庫制御回路139に通信し、送水ポンプ165や照射手段117の動作を決定する。なお、霧化装置制御回路137と冷蔵庫制御回路139を同一基板上で構成することでもよい。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作・作用を説明する。
給水タンク162に貯水された水は、送水ポンプ165の動作により、静電霧化装置115に流路163から水を供給するか決定する。送水ポンプ165がONのとき、あらかじめ使用者により供給された水が静電霧化装置115に向けて流れる。このとき、流路を流れる水は、あらかじめ設置されたフィルター164に流水することにより、ごみや異物などの不純物が除去し、また、細管流路163bは密閉になっているので静電霧化装置115のノズル先端部119の目詰まりを防止するのと同時にほこり・細菌の侵入を防止でき、衛生を確保できる。
そして、細管流路163bは、仕切り114内などの断熱材の中に埋設され、氷結を防止しながら流れる。なお、ここでは図示しないが、流路外周には、温度を保障するためのヒータを流路に密接してもよい。そして、流路163bから静電霧化装置115の霧化用タンク118に水が供給され、霧化部であるノズル先端部119近傍の印加電極120と対向電極121との間に高電圧を印加することにより、微粒化され、さらに水滴は帯電しているので、レイリー分裂によりさらに微粒化され、きわめて細かいナノレベルの粒子をもった微細ミストが野菜室107に噴霧される。
この時、細管流路163bは流路163aより細くすることにより微量水を制御しやすく、野菜室107の噴霧量の精度向上が可能になる。また、送水ポンプ165を用いることにより、そのステップ数やモータ回転数などの調整が容易にでき、例えば、送水ポンプ165に印加する電圧で送水量を制御でき、野菜室107の噴霧量の精度向上が可能になり、オゾン発生量も制御できる。
これらの動作の詳細について図15の制御フローチャートで説明する。
ミスト噴霧に関して、静電霧化装置115の動作と照射手段117、送水ポンプ165の動作を判定する。
ステップ508で霧化判定を行うとき、始めにステップ509のように検知電流値iを読み込み判定する。検知電流値iがあらかじめプログラムされた第1の値i1以下で第3の値i3以上の場合、ステップ571のようにノズル先端部119から噴霧されている微細ミストによるオゾン発生量は適正値と判断し、送水ポンプ165による静電霧化装置115への給水量は適正だと判断し、その給水量を継続する。
そして、Δt秒間待機後、再びステップ509に移行し判定を繰り返す。もし、このとき、検知電流値iが第3の値i3以上、第1の値i1以下でなければ、ステップ512移行し、送水ポンプ165により給水量を制御し、静電霧化装置115のオゾン発生量を調整する。
まず、ステップ512で検知電流値iが第1の値i1より大きいと判定した場合、ステップ513に移行する。このステップ513で検知電流が第2の値i2より小さければ、ステップ572で静電霧化装置115の運転は継続するものの、送水ポンプ165から流れる水量を低減させる。これにより、霧化用タンク118の水位が下がり、圧力ヘッド差が小さくなるのでノズル先端部119にかかる圧力が減少し、そのため霧化量が減少することから、オゾン発生量が抑制される。
また、ステップ513で検知電流値iが第2の値i2より大きい場合は、霧化量が多いため電流値が上がり、そのため空気放電も多くなり、オゾン発生量も多くなっていると考えられ、このまま通電を続けるとオゾン濃度が非常に高くなり、野菜室107の食品の劣化があるのと同時に貯蔵室の部品劣化の加速、もしくは扉開閉での室内空間にもれ人間に不快感を与える。
そのため、ステップ563で静電霧化装置115および冷蔵庫101の安全性を確保するため、印加電極120と対向電極121との間の印加電圧をゼロにし、ステップ516で静電霧化装置115を停止させとともに、送水ポンプ165の送水も停止する。次に、ステップ517で照射手段117を停止し、ステップ505へ移行する。
さて、ステップ512で検知電流値iがi1より小さい場合、ステップ519に移行する。ステップ519で検知電流値iが第4の値i4より小さい場合は、制御回路に断線などのなんらかの異常が発生したと考えられるので、ステップ574より静電霧化装置115を停止、送水ポンプ165、照射手段117を停止させ、ステップ505へ移行する。ただし、この場合、回路内の記憶装置に異常のフラグを書き込み、フラグ書き込みの累積回数が、ある設定回数以上になれば、冷蔵庫本体に取り付けられる報知手段(図示なし)を動作させ、使用者に知らせることを行ってもよい。
ステップ519で検知電流値iが第4の値i4以上であれば、送水ポンプ165の給水量をあらかじめ設定していた値だけ増加させ、霧化量を増加させるとともにオゾン発生量も増加させ、抗菌性の向上、および農薬分解の促進を図る。
以上のように、本実施の形態3においては、液体に電圧を印加するための印加電極120、印加電極120に対向する位置に配された対向電極121、印加電極120と対向電極121との間に高電圧を印加する電圧印加部135を有し貯蔵室(野菜室107)内に微細ミストを発生させる静電霧化装置115と、静電霧化装置115に液体を供給する水供給手段(送水ポンプ165)と、静電霧化装置115における微細ミストを噴霧する霧化部(ノズル先端部119)のオゾン発生量を判定するためのオゾン量判定手段138と、オゾン量判定手段138からの信号によって静電霧化装置115の制御を行う制御手段とを備え、オゾン量判定手段138を、電圧印加部135が放電する時の電流を検出する放電電流検出手段136で構成し、前記制御手段を、放電電流検出手段136によって検知された信号に基づいて送水ポンプ165の送水量を制御する霧化装置制御回路137および冷蔵庫制御回路139で構成したことにより、霧化部であるノズル先端部119でのオゾン発生量を電流値で把握し、送水ポンプ165の送水量により給水量を適正化し、オゾン発生量を適正化できるので、野菜の保鮮性の向上と同時に抗菌性の向上、ビタミンCなどの栄養素の向上、および野菜室107内の結露による水腐れ防止ができる。
水供給手段が送水ポンプ165であることにより、水量を簡単に調整することが可能であり、また、水をくみ上げることができるので給水タンク162などの水源の位置を静電霧化装置115より下に配置することが可能になるので設計の自由度が増加する。
また、本実施の形態3では、放電電流検出手段136で検出した検知電流値iが、適正範囲の上限値である第1の値i1より大きくなった場合、送水ポンプ165から流れる水量を低減させるので、貯蔵室(野菜室107)のオゾン発生量・オゾン濃度上昇を防ぎ、オゾン発生量を低減でき、安全性を高めることができる。また、放電電流検出手段136で検出した検知電流値iが、適正範囲の下限値である第3の値i3より小さくなった場合、送水ポンプ165の給水量をあらかじめ設定していた値だけ増加させるので、霧化量を増加させて、オゾン濃度と霧化量を増加させ、適正霧化量を野菜室107に噴霧するとともに抗菌や殺菌能力の向上、農薬分解性能の向上が可能になる。したがって、貯蔵室(野菜室107)のオゾン発生量・オゾン濃度の適正化を図ることができる。
また、本実施の形態3では、放電電流検出手段136で検出した検知電流値iが、適正範囲の上限値である第1の値i1より所定値大きい第2の値i2より大きくなった場合、印加電極120と対向電極121との間の印加電圧をゼロにし、静電霧化装置115を停止させとともに、送水ポンプ165の送水も停止させることにより、さらに安全性を高めることができる。
また、本実施の形態3では、放電電流検出手段136で検出した検知電流値iが、適正範囲の下限値である第3の値i3より所定値小さい第4の値i4より小さくなった場合、印加電極120と対向電極121との間の印加電圧をゼロにし、静電霧化装置115を停止させとともに、送水ポンプ165の送水も停止させることにより、欠水状態での空気放電によるオゾンの大量発生を防止し、安全性を高めるとともに、無駄な放電を防止し、消費電力を低減することができる。
また、本実施の形態3では、給水タンク162から送水ポンプ165までの流路断面積より送水ポンプ165から霧化用タンク118までの流路断面積を細くしたことにより、微量水を制御しやすく、野菜室107の噴霧量の精度向上が可能になる。また、送水ポンプ165を用いることにより、そのステップ数やモータ回転数などの調整が容易にでき、例えば、送水ポンプ165に印加する電圧で送水量を制御でき、野菜室107の噴霧量の精度向上が可能になる。
また、本実施の形態3では、送水ポンプ165を用いることにより、その回転数等でリニアに送水量を可変させることにより微量調整が可能であるから、精度のよい噴霧量調整ができる。
また、本実施の形態3では、給水タンク162が野菜室107外にも配置できるので野菜室107の容量が確保でき、食品が十分収納できる。
また、本実施の形態3では、給水タンク162が冷蔵室105に設置されているため、凍結の恐れがなく温度補償用ヒータも必要ない。さらに、製氷タンクとの兼用もできるので冷蔵庫の収納量を減少させることがない。
また、本実施の形態3では、ノズル先端部119より対向電極を上方に設けることにより、ミストが上方に引き寄せられ、噴霧距離が延長すると同時に、ノズル先端部119の食品を避けてミストを噴霧することができる。
なお、本実施の形態3では、対向電極121を静電霧化装置115に付随する構成にしているが、天面の蓋の一部や容器の一部に設けてもよい。この場合、無駄な突起がなくなり、収納容積が増加する。
(実施の形態4)
図16は、本発明の実施の形態4における冷蔵庫の冷蔵室の給水タンク周辺部から野菜室までを左右に切断した場合の左側の縦断面を示す要部拡大断面図、図17は、同実施の形態の冷蔵庫の静電霧化装置に関連する制御構成を示すブロック図である。
なお、実施の形態1から3と異なる部分についてのみ詳細な説明をし、同一部分については詳細な説明を省略する。
図16において、野菜室107は、野菜ケース160に野菜や果物などの食品を収納しており、その上部には、野菜ケース160内に収納された食品からの蒸散抑制にため、庫内湿度を維持するための蓋161が構成されており、その野菜ケース160と蓋161の隙間に噴霧手段である静電霧化装置115の霧化部であるノズル先端部119が庫内に向けて構成されている。
野菜が収納される空間には、オゾン濃度を検知できるオゾン濃度センサー171が設置されており、貯蔵室内のオゾン濃度の状況を検知する。
図17において、オゾン濃度センサー171の検知により信号S2を霧装置制御回路137内にあるオゾン量判定手段138に入力し、そのオゾン発生状況を把握し、信号S3として電圧印加部135の出力電圧等を調整している。また、この制御手段によって霧化装置制御回路137と冷蔵庫101本体の制御回路139と通信を行い、照射手段117、送水ポンプ165の動作の判定も行う。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
静電霧化装置115により微細ミストを発生させるとき、印加電極120と対向電極121との間に高電圧が印加されるため、多少なりとも、空気放電が生じ、空気中の酸素等がオゾンに変化する。そこで、野菜室107内の一部空間、特に食品を収納する空間内もしくは、それと通じる場所、オゾン濃度を検知できる設置することにより、オゾン濃度は測定することができる。
このとき、そのオゾン濃度センサー171で検知された値を信号S2として霧化装置制御回路137にあるオゾン量判定手段138に入力する。それにより、たとえば、オゾン濃度が20ppbを超えたことを検知したとき、信号S3を冷蔵庫制御回路139に入力し、送水ポンプ165の送水量を低減させるような指令を出力し、霧化用タンク118の水位を下げることにより、ノズル先端部119にかかる圧力を低減させ、噴霧量を低減させる。これによりオゾン発生量が低減する。
反対にオゾン濃度が5ppb以下とオゾン濃度センサー171で検知したときは、信号S3を冷蔵庫制御回路139に入力し、送水ポンプ165の送水量を増加させるような指令を出力し、霧化用タンク118の水位を上げることにより、ノズル先端部119にかかる圧力を増加させ、噴霧量を増加させる。これによりオゾン発生量が増加し、貯蔵室内の抗菌性が向上する。
以上のように、本実施の形態4においては、液体に電圧を印加するための印加電極120、印加電極120に対向する位置に配された対向電極121、印加電極120と対向電極121との間に高電圧を印加する電圧印加部135を有し貯蔵室(野菜室107)内に微細ミストを発生させる静電霧化装置115と、静電霧化装置115に液体を供給する水供給手段(送水ポンプ165)と、静電霧化装置115における微細ミストを噴霧する霧化部(ノズル先端部119)のオゾン発生量を判定するためのオゾン量判定手段138と、オゾン量判定手段138からの信号によって静電霧化装置115の制御を行う制御手段とを備え、オゾン量判定手段138を、静電霧化装置115の周囲オゾン濃度を検知するオゾン濃度センサー(オゾン濃度検知手段)171の出力値により判定するものとし、前記制御手段を、オゾン濃度センサー171の出力値に基づいて送水ポンプ165の送水量を制御する霧化装置制御回路137および冷蔵庫制御回路139で構成したことにより、貯蔵室(野菜室107)内のオゾン濃度を直接測定できるので扉開閉などによるオゾン濃度の変化にすばやく対応することができ、送水ポンプ165の送水量により給水量を適正化し、オゾン発生量を適正化できるので、野菜の保鮮性の向上と同時に抗菌性の向上、ビタミンCなどの栄養素の向上、および野菜室107内の結露による水腐れ防止ができる。
また、本実施の形態4では、オゾン濃度センサー171で検知したオゾン濃度が適正範囲の上限値を超えた場合、送水ポンプ165の送水量を低減させて、霧化用タンク118の水位を下げることにより、ノズル先端部119にかかる圧力を低減させ、噴霧量を低減させる。これにより貯蔵室(野菜室107)のオゾン発生量・オゾン濃度上昇を防ぎ、オゾン発生量を低減でき、安全性を高めることができる。また、オゾン濃度センサー171で検知したオゾン濃度が適正範囲の下限値に満たない場合、送水ポンプ165の送水量を増加させて、霧化用タンク118の水位を上げることにより、ノズル先端部119にかかる圧力を増加させ、噴霧量を増加させる。これにより、霧化量を増加させて、オゾン濃度と霧化量を増加させ、適正霧化量を野菜室107に噴霧するとともに抗菌や殺菌能力の向上、農薬分解性能の向上が可能になる。したがって、貯蔵室(野菜室107)のオゾン発生量・オゾン濃度の適正化を図ることができる。
(実施の形態5)
図18は、本発明の実施の形態5における冷蔵庫の静電霧化装置に関連する制御構成を示すブロック図である。
なお、実施の形態1から4と異なる部分についてのみ詳細な説明をし、同一部分については詳細な説明を省略する。
図18において、静電霧化装置115は水回収部116からの水を保持するための霧化用タンク118と野菜室107の噴霧するためのノズル先端部119とその先端部近傍の水に接するところには印加電極120が構成され、ノズル先端部119の開口部の近傍に一定距離を保つように対向電極121、その対向電極121を保持するための保持部材122が取り付けられている。さらに、高電圧を発生する電圧印加部135の−極側が印加電極120と、+極側が対向電極121とそれぞれ電気的の接続されている。また、静電霧化装置115は取り付け部材の接続部124により仕切り114もしくは、水回収カバー128に取り付けられている。
ノズル先端部119に供給・付着した液体は、印加電極120と対向電極121との間にかかる高電圧のエネルギーにより水滴が微細化され、液滴が帯電しているためレイリー分裂により数nmから数μmの微粒子に細分化され、極めて細かい微細ミストが野菜室107に噴霧される。
霧化用タンク118には、その水位を検知するためのフロートスイッチや赤外線センサーや水の導電性を利用した位置検出手段などの水位検出手段181が構成されている。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
静電霧化装置115により微細ミストを発生させるとき、印加電極120と対向電極121との間に高電圧が印加されるため多少なりとも、空気放電が生じ、空気中の酸素等がオゾンに変化する。このとき、印加電極120と対向電極121との間にある水量、すなわち噴霧量がオゾン濃度に影響する。噴霧量は、この場合、霧化用タンク118の水位による影響が大きい。すなわち、ノズル先端部119と水面の高さによる圧力ヘッド差により先端から水の押し出し量が決定している。ただし、ノズル先端部119の孔径が大きすぎると抵抗が少なく、すぐに水がなくなる。また、先端の孔径が小さければ、目詰まりをおこしやすくなるので適当な抵抗をつけられる孔径、直径0.2〜0.5mm程度が望まれる。
そこで、水面とノズル先端部119の距離を測定できるようにフロートスイッチなど水位検出手段181を用い、その水位を調整する。たとえば、水位があらかじめ設定していた値より、低い場合、結露量を増加させ、霧化用タンク118への給水量を増加させる。そのため、冷却板125温度を低下させ、結露量を増加させるように加熱手段126の発熱量を低下させる。これにより、結露量が増加し、霧化用タンク118の水位が規定値に回復する。
また、水位があらかじめ設定していた値より、高い場合、結露量を低下させ、霧化量タンク118への給水量を減少させる。そのため、冷却板125温度を上昇させ、結露量を低減させるように加熱手段126の発熱量を増加させる。これにより、結露量が減少し、霧化用タンク118の水位が規定値に回復する。
以上のように、本実施の形態5においては、静電霧化装置の霧化用タンクの水位を検知する水位検出手段を用いることにより、ノズル先端部119からの噴霧量を一定にすることができうるので、オゾン濃度を一定することができ、また、水位を調整することによりオゾン濃度も変化させることができる。