JP2009115240A - 等速自在継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】外輪の開口端部が非円筒形であっても、ブーツの大径端部を外輪の開口端部に周方向で満遍なく密着させて、大径端部のシール性を確保することができる等速自在継手を提供する。
【解決手段】 外輪2の開口端部8が非円筒状をなす等速自在継手1において、ブーツ12の大径端部13の内周面21を外輪2の開口端部8の外周面17に周方向全長で密着させ、ブーツバンド15の内周面22を大径端部13の外周面46に周方向全長で密着させる。大径端部13の内径形状は、外輪2の凹陥部20に密着状態で嵌合する膨出部19を形成することで外輪2の外径形状と合致させる。また、バンド中間部37の内周面40に、大径端部13の外周面46に膨出部19と対応させて形成する凹部23に密着状態で嵌合する突状部29を形成することで、ブーツバンド15の内径形状を大径端部13の外径形状と合致させる。突出部29は、その軸方向幅をバンド中間部37の軸方向幅の1/3倍とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 外輪2の開口端部8が非円筒状をなす等速自在継手1において、ブーツ12の大径端部13の内周面21を外輪2の開口端部8の外周面17に周方向全長で密着させ、ブーツバンド15の内周面22を大径端部13の外周面46に周方向全長で密着させる。大径端部13の内径形状は、外輪2の凹陥部20に密着状態で嵌合する膨出部19を形成することで外輪2の外径形状と合致させる。また、バンド中間部37の内周面40に、大径端部13の外周面46に膨出部19と対応させて形成する凹部23に密着状態で嵌合する突状部29を形成することで、ブーツバンド15の内径形状を大径端部13の外径形状と合致させる。突出部29は、その軸方向幅をバンド中間部37の軸方向幅の1/3倍とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車の駆動軸や各種産業機械に用いられ、回転トルクを伝達する等速自在継手に関するものである。
等速自在継手は固定型等速自在継手と摺動型等速自在継手とに大別される。固定型等速自在継手は角度変位のみを許容し、主に自動車のドライブシャフトにおける車輪側に使用される。一方、摺動型等速自在継手は角度変位および軸方向変位(プランジング)を許容し、主に自動車のドライブシャフトにおけるディファレンシャル側に使用される。
等速自在継手は、継手内部に封入したグリースなどの潤滑成分の外部への漏出および外部からの異物の侵入を防止するためにブーツを備えており、このブーツはブーツバンドにより継手本体に締付固定される。
このようなブーツとブーツバンドを備えた等速自在継手として、摺動型等速自在継手の一つであるトリポード型等速自在継手(TJ)を図7に例示する。
この等速自在継手101は、一端に開口部を有する外輪102と、この外輪102の内部に収容された軸方向移動可能な内部部品106とで主要部が構成されている。
内部部品106は、径方向に突設された三本の脚軸103を有する内輪であるトリポード部材104と、脚軸103に回転自在に支持されると共に外輪102の内周面に形成されたトラック溝107に転動自在に挿入されてトラック溝107に沿って案内されるローラ105とで構成されている。
外輪102の開口部は蛇腹状の樹脂製ブーツ112で覆われている。このブーツ112は、大径端部113と、小径端部114と、大径端部113と小径端部114とを連結する蛇腹部125とから成る。大径端部113は外輪102の開口端部108の外周面117に取り付けられ、小径端部114はトリポード部材104にスプライン嵌合されたシャフト111の外周面118に取り付けられ、それぞれの取り付け部分は、ブーツバンド(115、116)を加締めて固定されている。なお、内部部品106は、外輪102の開口端部108の内周面に形成された嵌合溝109に嵌合されたサークリップ110により、外輪102の内部から抜け出るのが防止されている。
さて、このトリポード型等速自在継手101において、外輪102は、図8に示すように、外輪102の開口端部108の外周面117に軸方向に延びる3つの凹陥部120が円周方向等間隔に形成された形状をなす。この図8に示す外輪102の開口端部108にブーツ112の大径端部113を取付固定した状態の断面図を図9に示す。なお、この図9は、図7に示すブーツバンド115を省略して示している。
ブーツ112の大径端部113は、外輪102の開口端部108の外周面117に周方向全長で密着させて取り付けられる。図9に示すように、大径端部113において、内径形状は、外輪102の凹陥部120に密着状態で嵌合する膨出部119が形成されることで、外輪102の開口端部108の外径形状と合致した形状とされ、外径形状は円状とされる。なお、外輪102の開口端部108の外周面117で凹陥部120を形成しない部位に周方向に沿ってブーツ嵌合溝126が形成されており、このブーツ嵌合溝126と大径端部113で膨出部119を形成しない部位とが凹凸嵌合されて、大径端部113は外輪102の開口端部108の外周面117において位置決めされている。(特許文献1参照)。
図7に示すブーツバンド(115、116)としては、特許文献2に記載のブーツバンドのように、締付力を付与する耳部を備えたものが知られている(特許文献2参照)。
実開平10 − 194号公報
特開2005−61586号公報
さて、特許文献1に記載のトリポード型等速自在継手101の場合、ブーツ112の大径端部113において、膨出部119を形成した部位の肉厚は、膨出部119を形成しない部位、つまり、大径端部113で外輪102のトラック溝107と周方向位置が一致する部位の肉厚よりも厚くなるため、この部位を特許文献2に記載のブーツバンド115で締め付けた場合、この締付力は、大径端部113で膨出部119を形成しない部位をブーツバンド115で締め付けた場合の締付力よりも小さくなる。そのため、大径端部113と外輪102の開口端部108との取付部分では、大径端部の膨出部119を形成した部位と大径端部113の膨出部119を形成しない部位との間で密着度に差が生じ、詳しくは、大径端部113の膨出部119を形成した部位では、大径端部113の膨出部119を形成しない部位よりも外輪102の開口端部108との密着度が小さくなる。これは、大径端部113を外輪102の開口端部108に周方向で満遍なく密着させることができないことを意味しており、これにより、大径端部113のシール性が低下する問題があった。なお、ここでいう「満遍なく密着させる」とは、力の大きさにばらつきなく密着させることを意味し、以下同様とする。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、外輪の開口端部が非円筒形であっても、ブーツの大径端部を外輪の開口端部に周方向で満遍なく密着させて、大径端部のシール性を確保することができる等速自在継手を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明の等速自在継手は、複数の凹陥部が外周面にその周方向に沿って形成された開口端部を有する外側継手部材と、その外側継手部材の内部に収容され、外側継手部材との間で角度変位を許容しながらトルク伝達可能に連結された内側継手部材とを備え、前記外側継手部材の内部を密封するブーツを外側継手部材の開口端部に外嵌させて環状のブーツバンドで締付固定した等速自在継手であって、前記ブーツの固定端部は、前記外側継手部材の凹陥部に密着状態で嵌合する膨出部が形成されることにより前記外側継手部材の開口端部の外径形状と合致した内径形状を有すると共に、外周面に前記膨出部と対応させて凹部が形成された外径形状を有し、前記ブーツバンドは、前記ブーツの凹部に密着状態で嵌合する突状部が形成されることにより前記ブーツの固定端部の外径形状と合致した内径形状を有することを特徴とする。
本発明では、ブーツの固定端部に膨出部を形成することにより、ブーツの固定端部の内径形状と外側継手部材の外径形状を合致させ、膨出部により肉厚が厚くなったブーツの固定端部の外周面に膨出部と対応させて凹部を形成することにより、ブーツの固定端部において、膨出部を形成した部位の肉厚と膨出部を形成しない部位の肉厚との差を小さくし、さらに、ブーツの固定端部の凹部に密着状態で嵌合する突状部をブーツバンドに形成することで、ブーツバンドの内径形状とブーツの外径形状を合致させる。なお、ここでいう「合致させる」とは外形、大きさ共に同じとすることを意味し、以下同様とする。また、「膨出部と対応させて」とは、膨出部と周方向位置を一致させることを意味する。
この場合、ブーツの固定端部の内周面を外側継手部材の開口端部の外周面に周方向全長で密着させ、かつ、ブーツバンドの内周面をブーツの固定端部の外周面に周方向全長で密着させることができるが、ブーツの固定端部は、膨出部を形成した部位の肉厚と膨出部を形成しない部位の肉厚との差を小さくすることから、上述したようにブーツの固定端部の内周面を外側継手部材の開口端部の外周面に周方向全長で密着させた際、ブーツの固定端部の内周面を外側継手部材の開口端部の外周面に周方向で満遍なく密着させることができる。
この作用は、ブーツの固定端部の肉厚を周方向全長で等しくすると、ブーツバンドの締付力が周方向で等しくなるため、顕著になる。
本発明のブーツバンドの突状部は、ブーツバンドに局部的に切り込みを入れて内径方向に突出させることにより形成するのが望ましい。
この場合、突状部を別部品として使用する必要がないため、部品点数を削減してブーツバンドの加工に必要なコストを削減することができる。また、ブーツバンドは、別部品である突状部を貼り付けるなどの加工作業も不要となるため、ブーツバンドの加工作業が容易になって、ブーツバンドの加工性(加工のしやすさやその作業効率を意味する)を向上させることができる。
このようにブーツバンドに突状部を形成する場合、突状部の軸方向幅をブーツバンドの軸方向幅の1/3倍とするのが望ましい。
突状部の軸方向幅がブーツバンドの軸方向幅の1/3倍よりも小さいと、既に述べた突状部の作用および効果が低下することが懸念される。また、突状部の軸方向幅がブーツバンドの軸方向幅の1/3倍よりも大きいと、ブーツバンドの突状部を形成した部位では強度が低下するおそれがある。
さて、これまでに述べた本発明において、ブーツバンドの内周面とブーツの固定端部の外周面との間には、ブーツバンドとブーツとの位置決め部を設けるのが望ましい。
この場合、ブーツの固定端部の外周面にブーツバンドを取り付ける際に、位置決め部により、ブーツバンドがブーツの固定端部の外周面で周方向および軸方向に動くのを規制することができるため、ブーツバンドとブーツの固定端部との位置決めをすることができる。この結果、ブーツバンドをブーツの固定端部に取り付ける作業が容易となる。
上記した位置決め部は、ブーツバンドの内周面とブーツの固定端部の外周面との凹凸嵌合により実現することができる。この凹凸嵌合は、例えば、ブーツバンドの内周面に形成した突起をブーツの固定端部の外周面に形成した窪み部に嵌合させることにより可能となる。
本発明の等速自在継手によれば、ブーツの固定端部の内周面を外側継手部材の開口端部の外周面に周方向全長で密着させ、かつ、ブーツバンドの内周面をブーツの固定端部の外周面に周方向全長で密着させることができる。さらに、ブーツの固定端部は、膨出を形成した部位の肉厚と膨出部を形成しない部位の肉厚との差を小さくすることから、上述したようにブーツの固定端部の内周面を外側継手部材の開口端部の外周面に周方向全長で密着させた際、ブーツの固定端部の内周面を外側継手部材の開口端部の外周面に周方向で満遍なく密着させることができる。この結果、外側継手部材の開口端部が非円筒形であっても、ブーツの固定端部のシール性を確保することができる。
以下に本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
図5に本発明を適用したトリポード型等速自在継手(TJ)を示す。この等速自在継手1は、摺動型等速自在継手の一つであり、一端に開口部を有する外側継手部材である外輪2と、この外輪2の内部に収容された軸方向移動可能な内部部品6とで主要部が構成されている。
内部部品6は、径方向に突設された三本の脚軸3を有する内側継手部材(内輪)であるトリポード部材4と、脚軸3に回転自在に支持されると共に外輪2の内周面に形成されたトラック溝7に転動自在に挿入されてトラック溝7に沿って案内されるローラ5とで構成されている。
外輪2の開口部は蛇腹状の樹脂製ブーツ12で覆われている。このブーツ12は、大径端部13と、小径端部14と、大径端部13と小径端部14とを連結する蛇腹部45とから成り、大径端部13が外輪2の開口端部8の外周面17に取り付けられ、小径端部14がトリポード部材4にスプライン嵌合されたシャフト11の外周面18に取り付けられている。また、それぞれの取り付け部分は、ブーツバンド(15、16)を加締めて固定されている。なお、内部部品6は、外輪2の開口端部8の内周面に形成された嵌合溝9に嵌合されたサークリップ10により外輪2の内部から抜け出るのが防止されている。
ブーツ12の大径端部13の外周面46に取り付けるブーツバンド15は、図2(A)および図2(B)に示すブーツバンド15を環状にしたものであり、図中×印を散りばめた模様で示した内側重なり部33に、図中散点模様で示した外側重なり部32を重ね合わせて図3に示すように環状にする。外側重なり部32の先端側には3つの係止孔28がブーツバンド15を環状にした際に周方向となる方向(以下周方向とする)に等間隔で形成され、内側重なり部33には3つの係止爪27が周方向に等間隔で形成され、ブーツバンド15を環状にする際は、係止爪27と係止孔28とが係合される。
また、図2(B)に示すように、外側重なり部32からバンド中間部37にかけて、ブーツバンド15に切り込みを入れて外径側にアーチ状に盛り上げることにより収容部35が形成され、内側重なり部33の先端側には、軸方向幅を内側重なり部33の軸方向幅よりも小さくした収容端部36が形成され、ブーツバンド15を環状にする場合、図1や図3に示すように収容端部36が収容部35に収容される。なお、外側重なり部32からバンド中間部37は段差部51で連続されている。これにより、図3に示すようにブーツバンド15を環状にした際、ブーツバンド15の内径を周方向全長で等しくすることができる。
さらに、図2(A)および図2(B)に示すように、外側重なり部32において、収容部35と係止孔28との間には、環状にしたブーツバンド15に締付力を付与する耳部24が形成される。この耳部24は、外側重なり部32から垂直に起立した二つの脚部25と、この脚部25を外径側端部で連結する架橋部26とで構成される。ブーツバンド15への締付力の付与は、図3中の白抜き矢印で示すように、脚部25の基部を治具で挟み込むことにより行う。この作業の際に脚部25のみが大きく塑性変形するのを防止するために、耳部24の架橋部26の中央部には周方向に延びる窪み34が形成される。
さて、本発明のトリポード型等速自在継手1(図5参照)において、外輪2の開口端部8は、図6に示すように、その外周面17に軸方向に延びる3つの円弧状の凹陥部20が円周方向等間隔に形成された非円筒状をなす。この図6に示す外輪2の開口端部8にブーツ12の大径端部13を取付固定した状態の断面図を図1に示す。
この図1に示すように、ブーツ12において、外輪2の開口端部8へ取り付ける固定端部、つまり、大径端部13の内周面21は外輪2の開口端部8の外周面17に周方向全長で密着させ、ブーツバンド15の内周面22は大径端部13の外周面46に周方向全長で密着させる。この点について以下に詳説する。なお、外輪2の開口端部8の外周面17で凹陥部20が形成されていない部位に周方向に沿ってバンド嵌合溝50が形成されており、このバンド嵌合溝50と大径端部13で膨出部19を形成しない部位とが凹凸嵌合されて、大径端部13は外輪2の開口端部8の外周面17において位置決めされる。
図1に示すように、大径端部13は、外輪2の凹陥部20に密着状態で嵌合する膨出部19を形成することで、その内径形状を外輪2の開口端部8の外径形状と合致させる。これにより、大径端部13の内周面21を外輪2の開口端部8の外周面17に周方向全長で密着させることができる。なお、ここでいう「合致させる」とは、外形、大きさ共に同じとすることを意味し、以下同様とする。
大径端部13に膨出部19を形成すると、この部位は特別な加工を施さなければ、その肉厚が、大径端部13で膨出部19を形成しない部位の肉厚、つまり、大径端部13で周方向位置が外輪2のトラック溝7と一致する部位の肉厚よりも厚くなることになるが、本実施形態では、大径端部13の膨出部19を形成した部位の外周面46に、この膨出部19と対応させて凹部23を形成するため、大径端部13では、膨出部19を形成した部位の肉厚と膨出部19を形成しない部位の肉厚との差を小さくすることができる。ここで「膨出部19と対応させて」とは、膨出部19と周方向位置を一致させることを意味する。
また、ブーツバンド15の内周面22におけるバンド中間部37の内周面40に、大径端部13の凹部23に密着状態で嵌合する突状部29を形成することで、ブーツバンド15の内径形状と大径端部13の外径形状とを合致させる。このため、ブーツバンド15の突状部29を大径端部13の凹部23に嵌合することにより、ブーツバンド15の内周面22を大径端部13の外周面46に周方向全長で密着させることができる。
このように、本実施形態では、ブーツ12の大径端部13の内周面21を外輪2の開口端部8の外周面17に周方向全長で密着させ、ブーツバンド15の内周面22を大径端部13の外周面46に周方向全長で密着させることができ、さらに、大径端部13は、膨出部19を形成した部位の外周面46に凹部23を形成することで、膨出部19を形成した部位の肉厚と膨出部19を形成しない部位の肉厚との差を小さくするため、大径端部13の内周面21を外輪2の開口端部8の外周面17に周方向全長で密着させた際、大径端部13の内周面21を外輪2の開口端部8の外周面17に周方向で満遍なく密着させることができる。この結果、大径端部13のシール性を確保することができる。なお、上述した本発明の作用および効果は、ブーツ12の大径端部13の肉厚を周方向全長で等しくすることにより顕著になる。
本実施形態において、ブーツバンド15のバンド中間部37の内周面40の突状部29は、ブーツバンド15に切り込みを入れて内径方向に突出させることにより形成する。この場合、突状部29を別部品とする必要がないため、部品点数を削減してブーツバンド15の加工に必要なコストを削減することができる。また、バンド中間部37には、別部品である突状部29を貼り付けるなどの加工作業が不要となるため、ブーツバンド15の加工作業が容易となる。
この突状部29は、その軸方向幅(図2(A)中にAで示す。)を、ブーツバンド15の軸方向幅、詳しくはバンド中間部37の軸方向幅(図2(A)中にBで示す。)の1/3倍とする。突状部29の軸方向幅がバンド中間部37の軸方向幅の1/3倍よりも小さいと突状部29は既に述べた本発明の目的とする作用および効果を十分に発揮しないおそれがある。また、突状部29の軸方向幅がバンド中間部37の軸方向幅の1/3倍よりも大きいと、ブーツバンド15は、突状部29を形成した部位で強度が低下するおそれがある。
ブーツバンド15の内側重なり部33(図中に×印を散りばめた模様で示す)の内周面38とブーツ12の大径端部13の外周面46で凹部23を形成しない部位の外周面41との間に、ブーツバンド15と大径端部13との位置決めをする位置決め部39を設ける。この位置決め部39は、内側重なり部33の内周面38と大径端部13の外周面46で凹部23を形成しない部位の外周面41との凹凸嵌合により構成する。さらにこの凹凸嵌合は、内側重なり部33の内周面38に形成した突起31を、大径端部13の外周面46で凹部23を形成しない外周面41に形成した窪み部30に嵌合することにより行う。
これにより、ブーツバンド15をブーツ12の大径端部13の外周面46に取り付ける際、ブーツバンド15が大径端部13の外周面46で軸方向や周方向に動くのを規制することができるため、ブーツバンド15を大径端部13に取り付ける作業が容易となる。なお、図4に図1に示す位置決め部39の拡大図を示した。
内側重なり部33の内周面38に形成する突起31は、内側重なり部33を局部的に窪ませることにより、内側重なり部33と一体にして形成する。この突起31は、内側重なり部33の内周面38に別体で貼り付けて形成することもできる。しかし、本実施形態のように内側重なり部33と一体にして形成すると、ブーツバンド15の加工が容易となって、ブーツバンド15の加工性を向上させることができる。また、突起31を別部品として使用する必要がないことから、ブーツバンド15の加工に必要なコストも削減することができるため、好ましい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これはあくまで例示であり、本実施形態になんら制限されることはなく、特許請求の範囲に記載の意味および内容の範囲内で任意に変更が可能である。
例えば、ブーツバンドの位置決め部は、内側重なり部の内周面に形成した窪み部に、大径端部の外周面で凹部を形成しない外周面に形成した突起を嵌合させた構造とすることもできる。
1 トリポード型等速自在継手(TJ)
2 外側継手部材(外輪)
4 トリポード部材(内輪)
8 開口端部(外輪)
12 蛇腹状ブーツ
13 大径端部
15 ブーツバンド(ブーツ大径端部側)
17 外周面(外輪の開口端部)
19 膨出部(ブーツの大径端部)
20 凹陥部(外輪)
22 内周面(ブーツバンド)
23 凹部(ブーツの大径端部)
29 突状部(ブーツバンド)
30 窪み部(ブーツの大径端部)
31 突起(ブーツバンド)
39 位置決め部
46 外周面(ブーツの大径端部)
2 外側継手部材(外輪)
4 トリポード部材(内輪)
8 開口端部(外輪)
12 蛇腹状ブーツ
13 大径端部
15 ブーツバンド(ブーツ大径端部側)
17 外周面(外輪の開口端部)
19 膨出部(ブーツの大径端部)
20 凹陥部(外輪)
22 内周面(ブーツバンド)
23 凹部(ブーツの大径端部)
29 突状部(ブーツバンド)
30 窪み部(ブーツの大径端部)
31 突起(ブーツバンド)
39 位置決め部
46 外周面(ブーツの大径端部)
Claims (7)
- 複数の凹陥部が外周面にその周方向に沿って形成された開口端部を有する外側継手部材と、その外側継手部材の内部に収容され、外側継手部材との間で角度変位を許容しながらトルク伝達可能に連結された内側継手部材とを備え、前記外側継手部材の内部を密封するブーツを外側継手部材の開口端部に外嵌させて環状のブーツバンドで締付固定した等速自在継手において、
前記ブーツの固定端部は、前記外側継手部材の凹陥部に密着状態で嵌合する膨出部が形成されて前記外側継手部材の開口端部の外径形状と合致した内径形状を有すると共に、外周面に前記膨出部と対応させて凹部が形成された外径形状を有し、前記ブーツバンドは、前記ブーツの凹部に密着状態で嵌合する突状部が形成されて前記ブーツの固定端部の外径形状と合致した内径形状を有することを特徴とする等速自在継手。 - 前記ブーツの固定端部の肉厚を周方向全長で等しくしたことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
- 前記ブーツバンドの突状部は、前記ブーツバンドに局部的に切り込みを入れて内径方向に突出させることにより形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の等速自在継手。
- 前記突状部の軸方向幅を前記ブーツバンドの軸方向幅の1/3倍としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の等速自在継手。
- 前記ブーツバンドの内周面と前記ブーツの固定端部の外周面との間に、前記ブーツバンドと前記ブーツとの位置決め部を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の等速自在継手。
- 前記位置決め部は、前記ブーツバンドの内周面と前記ブーツの固定端部の外周面との凹凸嵌合により構成されていることを特徴とする請求項5に記載の等速自在継手。
- 前記凹凸嵌合は、前記ブーツバンドの内周面に形成された突起を前記ブーツの固定端部の外周面に形成された窪み部に嵌合させることによりなされていることを特徴とする請求項6に記載の等速自在継手。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2007
- 2007-11-07 JP JP2007289896A patent/JP2009115240A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012237421A (ja) * | 2011-05-13 | 2012-12-06 | Nhk Spring Co Ltd | ブーツバンド |
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