JP2009114437A - アミド変性カルボキシメチルセルロースの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アミド変性カルボシキメチルセルロースを簡易なプロセスにより高収率で得ることができ、かつ反応溶媒であるイオン液体を高回収率で回収して再利用することができるアミド変性カルボキシメチルセルロースの製造方法を提供する。
【解決手段】
カルボキシメチルセルロースとイオン液体からなるセルロース溶液もしくは分散液(A)にアミド化剤を加えてカルボキシメチルセルロースをアミド化反応させる工程を含むアミド変性カルボキシメチルセルロースの反応工程;並びに、この反応工程後、有機溶剤を加えてアミド変性カルボキシメチルセルロースを析出させ、これを分離をした後、イオン液体を回収、再利用する後処理工程からなる経済的なアミド変性カルボキシメチルセルロースの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明はアミド変性セルロースの製造方法に関する。より詳細には、イオン液体中でのアミド変性カルボキシメチルセルロースの製造方法および得られたアミド変性カルボキシメチルセルロースに関する。
無置換基のセルロース自体は、分子内のグルコース環単位に存在する3個の水酸基が分子内や分子間で水素結合をすることにより水や一般的な有機溶媒への溶解性が乏しくなっている。このため、溶解性の観点から利用上大きな支障となっていた。
そこで、溶解性を改良する目的で、セルロースに様々な置換基を導入した誘導体化が行われているが、置換基の末端がカルボキシル基であるカルボキシメチルセルロースは、無置換基のセルロースと同様、水や一般的な有機溶媒への溶解性は乏しい。そのため、カルボキシメチルセルロースにアミド基を導入するためには、不均一なままで固液反応を行うか、あるいは出発物質としてカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を用いた上で中間体としてアンモニウム塩を伴う煩雑な多段階反応を行う必要があった(特許文献1)。しかし、これらの製造法では工程時間が長くなり、工業化には不向きであった。
近年、セルロースを溶解する溶解剤が発見されており、ジメチルアセトアミド/塩化リチウムやイオン液体が挙げられる。これらの溶解剤を用いて反応した場合は、比較的高い置換度のものが得られている(特許文献2)。
しかしながら、ジメチルアセトアミド/塩化リチウムを溶解剤として使用した場合は、これらの溶解剤を回収することは非常に困難であり、コストアップの原因となっていた。
また、セルロースを出発原料としてイオン液体中でカルボキシメチル化反応した場合は、イオン液体が水酸化ナトリウムなどの強アルカリとの反応により分解してしまうため、イオン液体の回収率は低くなる。
このため、イオン液体中でセルロースを出発原料としてカルボキシメチル化を経て、アミド基を導入するためには、イオン液体の分解が避けられないため、コストアップの原因となる。
特表平8−508538 国際公開WO2005/054298号パンフレット
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、アミド変性カルボシキメチルセルロースを簡易なプロセスにより高収率で得ることができ、かつ反応溶媒であるイオン液体を高回収率で回収して再利用することができるアミド変性カルボキシメチルセルロースの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、イオン液体にカルボキシメチルセルロースが溶解することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、カルボキシメチルセルロースとイオン液体からなるセルロース溶液もしくは分散液(A)に、炭素数1〜6のアルキルアミンまたはアンモニアであるアミド化剤を加えてカルボキシメチルセルロースをアミド化反応させる工程を含むアミド変性カルボキシメチルセルロースの製造方法;並びに、反応工程後、有機溶剤を加えてアミド変性カルボキシメチルセルロースを析出させ、これを分離をした後、混合液を加熱して、イオン液体を回収、再利用する経済的なアミド変性カルボキシメチルセルロースの製造方法である。
本発明の製造方法によって得られるアミド変性カルボキシメチルセルロースが、簡易なプロセスで高収率で得られる。
さらに、溶解溶媒と反応溶媒を兼ね備えるイオン液体を回収して再利用することも可能であるため、経済的なアミド変性カルボキシメチルセルロースの製造方法である。
本発明のカルボキシメチルセルロース溶液もしくは分散液(A)は、カルボキシメチルセルロース(a)およびイオン液体(b)を含有してなる液であって、このイオン液体(b)がカルボキシメチルセルロースを溶解させる特長を利用することで、完全に溶解した溶液(A1)、もしくは一部は溶解しないで分散した分散液(A2)を調製することができる。
本発明における溶液(A1)とは、媒質が溶媒に完全に溶解した状態のことである。
また、分散液(A2)とは、媒質が溶媒中に分散している液のことであり、媒質が長期的に安定的に分散している状態もしくは経時的に沈降が生じるスラリー状態も含まれる。 すなわち、カルボキシメチルセルロースがイオン液体に完全溶解した溶液、もしくは、未溶解カルボキシメチルセルロースがイオン液体中に混在した分散液を含む。
本発明のカルボキシメチルセルロース(a)は、カルボキシル基の末端がカルボン酸であるカルボキシル基を含むカルボキシメチルセルロースである。
本発明に使用されるカルボキシメチルセルロースは、市販品のみならず、公知の方法でカルボキシメチルセルロースを作成し、それをそのまま本発明の製造方法で使用してもよい。
カルボキシメチルセルロースはセルロースを出発原料とし、このグルコピラノースユニットあたり3個存在する水酸基を、アルカリ条件下でモノクロロ酢酸もしくはモノクロロ酢酸ナトリウムでエーテル化反応させることでカルボキシメチル基を導入して、まず末端カルボキシル基がナトリウム塩型であるカルボキシメチルセルロースナトリウムを得る。次に、これを無機酸で処理し、水洗を行うことでカルボキシル基末端がカルボン酸であるカルボキシメチルセルロースを得ることができる。
通常、カルボキシメチル置換度は0.2〜2.4であり、それらの置換基のうち、末端がカルボン酸であるカルボキシル基と、ナトリウム塩型であるカルボキシメチル基とを混在していてもよい。
本発明のイオン液体(b)としては、以下のカチオン(α)およびアニオン(β)から構成されるイオン液体が挙げられる。
イオン液体(b)を構成するカチオン(α)としては、イミダゾリウムカチオン(α1)、ピリジニウムカチオン(α2)およびアルキルアンモニウムカチオン(α3)などが挙げられる。
イミダゾリウムカチオン(α1)としては下記のものが挙げられる。
例えばN-メチルイミダゾリウム、N-エチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムおよび1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムなどが挙げられる。
ピリジニウムカチオン(α2)としては、N−プロピルピリジニウム、N−ブチルピリジニウム、1,4−ジメチルピリジニウム、1−ブチル−4−メチルピリジニウムおよび1−ブチル−2,4−ジメチルピリジニウムなどが挙げられる。
アルキルアンモニウムカチオン(α3)としては下記のものが挙げられる。トリメチルアンモニウム、エチルジメチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等が挙げられ、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオンが好ましい。
イオン液体(b)を構成するカチオンとしては、(α1)〜(α3)のうちの1種でも、または2種以上の併用でもよい。
これらのカチオンうち、溶解性の観点から好ましいのはイミダゾリウムカチオン(α1)、ピリジニウムカチオン(α2)、さらに好ましいのはイミダゾリウムカチオン(α1)である。
イオン液体(b)を構成するアニオン(β)としては、ハロゲン(β1)、カルボキシレート(β2)、スルホネート(β3)、リン酸(β4)が挙げられる。
ハロゲン(β1)としてはクロライド、ブロマイド、ヨージドなどが挙げられる。
カルボキシレート(β2)としては、炭素数1〜18のモノカルボキシレートおよびジカルボキシレート、例えばホルメート、アセテート、フマレート、オキサレート、ラクテートおよびピルベート等が挙げられる。
スルホネート(β3)としては、スルホン酸、メタンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸およびエイコサンスルホン酸などが挙げられる。
リン酸(β4)としては、リン酸、メチルリン酸モノエステル、エチルリン酸モノエステル、プロピルリン酸モノエステル、ブチルリン酸モノエステル、メチルリン酸ジエステル、エチルリン酸ジエステル、プロピルリン酸ジエステル、ブチルリン酸ジエステルなどが挙げられる。
これらのうち、溶解性の観点から好ましくはハロゲン(β1)、カルボキシレート(β2)であり、更に好ましくはクロライド、カルボキシレートである。
イオン液体(b)のうち、取り扱いの観点から好ましいのは150℃以下で液体であるイオン液体である。さらに好ましいのは、100℃以下で液体であるイオン液体(b)である。
イオン液体(b)のうち、このようなイオン液体としては、例えば、イミダゾリウムカルボキシレート、およびイミダゾリウムクロライドなどが挙げられる。
さらに好ましくは、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムホルメート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムフマレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムラクテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドである。
特に好ましくは、1−エチル3−メチルイミダゾリウムホルメート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドが挙げられる。
カルボキシメチルセルロース溶液もしくは分散液(A)は、イオン液体中にカルボキシメチルセルロースを徐々に投入して、カルボキシメチルセルロースを混合させ、攪拌しながら加熱することでカルボキシメチルセルロースが完全に溶解した溶液もしくは未溶解カルボキシメチルセルロースが混在した分散液を得る。
溶解操作は、通常の攪拌を行えばよいが、特別に高速で攪拌する(例えばホモジナイザーを使うなど)必要はなく、必要により、80〜110℃で加熱させて溶解してもよい。
カルボキシメチルセルロース溶液もしくは分散液(A)中に含まれるカルボキシメチルセルロース(a)およびイオン液体(b)は、(a)/(b)の重量比で1/99〜30/70であることが好ましく、さらに好ましくは1/99〜20/80である。
(a)/(b)の重量比が1/99よりも小さい場合、カルボキシメチルセルロース濃度が低くなってしまい、生産性の観点から好ましくない。また、(a)/(b)の重量比が50/50を超える場合、系中の粘度が上昇するため、生産性の観点から好ましくない。
イオン液体は、一部もしくは全部に、後述の回収イオン液体を使用してもよい。回収イオン液体を使用することにより、経済的な製造ができる。
本発明のアミド化反応工程(I)としては、カルボキシメチルセルロース(a)をイオン液体(b)中で加熱撹拌することで得られた溶液もしくは分散液(A)に、炭素数1〜6のアルキルアミンまたはアンモニアであるアミド化剤(c)を加え得られた混合液を120℃〜160℃で反応させることによりアミド化カルボキシメチルセルロースを得る。
このアミド化剤(c)は、炭素数1〜6のアルキルアミンまたはアンモニアである。
カルボキシメチルセルロースの末端カルボン酸と反応するアルキルアミンとしては、モノアルキルアミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、t−ブチルアミン、へキシルアミンなど)、ジアルキルアミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、シクロヘキシルアミンなど)が挙げられる。
反応性の観点から、アミド化剤(c)としては、モノアルキルアミンが好ましく、特に好ましくは、メチルアミンまたはエチルアミンである。
アミド化剤(c)は、少量ずつを分割投入しても、または一括投入してもよい。
カルボキシメチルセルロースは融点を示す前に熱分解するため、アミド化反応温度はできるだけ低温でアミド化反応を進行させることが好ましい。
アミド化反応温度としては、イオン液体(b)の分解温度以下であることが好ましいため、120℃〜160℃の範囲が好ましく、更に好ましくは130℃〜160℃、特に好ましくは、140℃〜160℃である。
反応の終点は、通常、系内の圧力を測定して確認でき、系内圧力が一定となった時点を終点とすることが好ましい。この工程では、アミド化反応に由来する水が副生する。
カルボキシメチルセルロースとイオン液体の混合物には、アミド化剤の他に、水を混合させてもよい。反応系中に水を混合することによって、希釈効果の観点から反応系の粘度を下げることができるので攪拌効率がよくなり、反応効率を高めることができる。
反応系中に含まれる含水量としては、10%以下が好ましく、さらに好ましくは5〜10%である。
反応系中における含水量が10%を超えると、含有している水に反応生成物の一部が溶解してしまうため、後の精製工程において収率が低下することとなり好ましくない。すなわち、反応生成物は、イオン液体と混和する有機溶剤に投入し、アミド変性カルボキシメチルセルロースを析出させる工程(II)を経て精製される。その際、反応系中の含水量が多い場合、一定量の有機溶剤を加えても、析出量が少なくなってしまい、収率が悪くなってしまう。
また、反応系中の含水率が5%未満の場合、反応系の粘度が高くなるため、反応率が悪くなり、生産性が悪くなってしまう。
アミド変性カルボキシメチルセルロースを反応後の溶液から析出させる工程(II)は、アミド化反応工程(I)で得られた反応混合液を、その3〜50倍量の有機溶剤(d)中に攪拌しながら滴下投入することでアミド変性カルボキシメチルセルロースを析出させる工程である。
ここでイオン液体と混和する有機溶剤(d)としては、イオン液体(b)100重量部に対して200重量部以上と完全に混和する有機溶剤である。
このような混和する有機溶剤の具体例としては、例えば下記のようなアルコール、およびアルコール以外の有機溶剤が挙げられる。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールならびに、前記アルコールに炭素数2〜4のAOを付加した化合物としてエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
アルコール以外の有機溶媒としては、例えば窒素原子含有有機溶媒[N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、ジメチルアセトアミドなど];ケトン系有機溶媒[メチルエチルケトン、シクロヘキサノンおよびジアセトンアルコールなど];エステル系有機溶媒[酢酸エチル、乳酸エチル、乳酸ブチルおよびアセト酢酸エチルなど];およびスルホキシド系有機溶媒[ジメチルスルホキシドおよびジエチルスルホキシドなど]などが挙げられる。
これらの有機溶剤のうち、後述の方法による有機溶剤の除去の観点から、好ましいのは低沸点溶剤のアルコールおよびアルコール以外の有機溶媒であり、更に好ましいのはアルコール、特に好ましいのはメタノール、エタノールおよびイソプロパノールである。
アミド変性カルボキシメチルセルロースが析出する際、イオン液体を内包することを防ぐために高速攪拌機などで析出物を破砕することが好ましい。
高速攪拌機としては、特に限定無く、例えばエバラマイルダー、ラインフローミキサー、スタティックミキサー、ホモジナイザーなどを用いることができる。
工程(I)で得られた混合液を有機溶媒中に投入する際の温度としては、30℃から80℃が好ましく、さらに好ましくは40℃から70℃である。
温度が30℃より低い場合、混合液の粘度が高くなるため、流動性が悪く取り扱いの点で好ましくない。また、温度が80℃よりも高い場合、析出工程時に揮発成分が発生するため、安全の観点から好ましくない。
析出したアミド変性カルボキシメチルセルロースを分離する工程(III)では、析出工程(II)で得られたアミド変性カルボキシメチルセルロースが析出した懸濁液を、固液分離操作を行うことでアミド変性カルボキシメチルセルロースとしての固形分と、イオン液体ならびに有機溶剤(d)からなる混合液とに分離する。
固液分離操作としては、特に限定なく、減圧濾過、遠心分離およびデカンテーションなどを用いることができる。
固形分として分離して得られたアミド変性カルボキシメチルセルロースは、イオン液体と混和する有機溶剤(d)での洗浄を繰り返し行うことでアミド変性カルボキシメチルセルロース中に含まれるイオン液体(b)を有機溶剤中に抽出することにより低減することができる。さらにアミド変性カルボキシメチルセルロースを常圧もしくは減圧下で乾燥させることにより含有する有機溶剤を除去することができる。
分離して得られたイオン液体ならびに有機溶剤(d)からなる混合液は、加熱、攪拌および冷却管を装備した反応糟に仕込み、減圧下で有機溶剤を除去することで、イオン液体の回収をすることができる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
攪拌機、温度計を備えたオートクレーブに、カルボキシメチルセルロースとして「H−CMC」(ダイセル化学工業(株)製、カルボキシメチル置換度=0.8)10g、イオン液体として1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート90gを加え、100℃で1時間攪拌することで、均一に溶解したカルボキシメチルセルロース溶液を得た。
その後、アミド化剤としての40%モノメチルアミン水溶液1.9gを滴下し、150℃で3時間反応させることで粗アミド変性カルボキシメチルセルロース溶液を得た。
50℃に温調した上記の粗アミド変性カルボキシメチルセルロース溶液101.9gをイソプロパノール300g中に投入し、目的物質であるアミド変性カルボキシメチルセルロースを析出させた。
ホモミキサーで10,000rpmで3分間破砕させることで析出物をイソプロパノール中に破砕分散させた後、ヌッチェを用い、減圧濾過することでアミド変性カルボキシメチルセルロースと、イオン液体と有機溶媒からなる混合液とに分離した。
得られた固形物はさらにイソプロパノール200gを加えて30分間撹拌することで洗浄し、上記と同様の方法で固液分離操作を行った。イソプロパノール洗−脱イソプロパノールの操作をさらに3回繰り返し、70℃で24時間減圧乾燥して、アミド変性カルボキシメチルセルロース9.7gを得た。
上記の精製工程で得られた、イオン液体を含有した回収混合物約390gを、加熱、攪拌および冷却管を装備した反応糟に仕込み、減圧下に、100〜105℃で、イソプロパノールが1%以下になるまでトッピングすることで、回収イオン液体 86.4g(回収率96%)を得た。
実施例2〜8、比較例1〜3
下記の表1に記載の、カルボキシメチルセルロース(a)、イオン液体(b)、アミド化剤(c)および水を表1に記載の量使用し、表1に記載の温度で反応したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜8、比較例1〜3の反応および精製を行った。
Figure 2009114437
表1中の記号は以下の通りである。
EMICl:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド
EMIOAc:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート
4MPyCl:N−ブチル−3−メチルピリジニウムクロライド
表1中のアミド変性物の収率は、過剰の仕込量のアミド化剤がカルボキシメチルセルロースと100%反応した場合の重量に対する得られたアミド変性カルボキシメチルセルロースの重量から算出した。
表1で明らかなように、 実施例1〜8は、高収率でアミド変性カルボキシメチルセルロースが得られ、かつ、反応溶媒であるイオン液体を高回収率で回収することができる。
一方、原料のカルボキシメチルセルロースの濃度が高すぎるため非常に溶解しにくい比較例1では、低収率のアミド変性カルボキシメチルセルロースしか得られない。また、溶媒としてイオン液体ではなくトルエンを使用した比較例2では、原料のカルボキシメチルセルロースがほとんど溶解しないため、アミド変性カルボキシメチルセルロースの収率が非常に低い。また、長鎖アルキルアミンをアミド化剤として使用した比較例3も収率が低い。
本発明のアミド変性カルボキシメチルセルロースは、化粧品用途基剤、粘度調製剤、乳化安定剤、バインダーなどに利用できる。

Claims (7)

  1. カルボキシメチルセルロース(a)およびイオン液体(b)を、(a)/(b)の重量比で1/99〜50/50で含有するカルボキシメチルセルロース溶液もしくは分散液(A)に、炭素数1〜6のアルキルアミンまたはアンモニアであるアミド化剤(c)を加えてカルボキシメチルセルロース(a)のアミド化反応させる工程(I)を含むことを特徴とするアミド変性カルボキシメチルセルロースの製造方法。
  2. 該イオン液体(b)を構成するカチオンが、イミダゾリウムカチオンまたはピリジニウムカチオンである請求項1記載のアミド変性カルボキシメチルセルロースの製造方法。
  3. 該イオン液体(b)を構成するアニオンが、カルボキシレートまたはクロライドである請求項1または2記載のアミド変性カルボキシメチルセルロースの製造方法。
  4. 該アミド化反応工程(I)における反応温度が120℃〜160℃である請求項1〜3のいずれか記載のアミド変性カルボキシメチルセルロースの製造方法。
  5. 該カルボキシメチルセルロース溶液もしくは分散液(A)に含まれる水分が10%以下である請求項1〜4のいずれか記載のアミド変性カルボキシメチルセルロースの製造方法。
  6. 該カルボキシメチルセルロース溶液もしくは分散液(A)に含まれる水分が5〜10%である請求項1〜5のいずれか記載のアミド変性カルボキシメチルセルロースの製造方法。
  7. アミド化反応工程(I)の後に、イオン液体(b)と混和する有機溶剤(d)を加えてアミド変性カルボキシメチルセルロースを析出させる工程(II)、および固液分離操作により析出したアミド変性カルボキシメチルセルロースを分離する工程(III)を含む請求項1〜6のいずれか記載のアミド変性カルボキシメチルセルロースの製造方法。
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