JP6494206B2 - ヒドロゲル化剤 - Google Patents
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Description
そのようなゲル化剤としては、特許文献1及び2に記載されたようなスクアリン酸誘導体が知られているが、このスクアリン酸によれば、塩の水溶液、酸性及びアルカリ性の水溶液のいずれの水溶液、又は有機溶剤もゲル化をすることができる。
しかしながら、特許文献1において実施例として確認される限り、スクアリン酸は塩の水溶液に対して最低ゲル化濃度が5wt%、塩酸水溶液に対して2wt%であり、水酸化ナトリウム水溶液に対してはスクアリン酸の濃度が20wt%でゲル化が確認されるにすぎず、多くのヒドロゲル化剤を必要としていた。
また特許文献2では有機溶媒に対してゲル化剤を最低でも5wt%使用してゲル化させる例が示されているにすぎない。
特許文献4には、N−アシルアミノ酸を有効成分とするゲル化剤であって、金属イオンに対してゲル化能を有し、実施例として、ゲル化剤に水酸化ナトリウム水溶液を加えたものを、カルシウム、銅、亜鉛、ニッケルのイオン水溶液に加えて、これらの金属イオン水溶液をゲル化することが記載されている。
特許文献5には、長鎖オキシアミノポリオール型ゲル化剤を用いて、水、塩酸水溶液、エタノール、オリーブ油、トルエン等をゲル化させる例が記載されている。
本発明は、塩を含む水や酸性水溶液、およびアルカリ性水溶液のいずれの溶液をも対象として、より少量でゲル化できるヒドロゲル化剤を提供することを課題とする。
1.下記式(1)又は(2)であるヒドロゲル化剤。
式(1):
式(2):
2.R1が炭素原子数11−21の飽和脂肪族炭化水素基である1に記載のヒドロゲル化剤。
3.mが2−4、nが6−10である1又は2に記載のヒドロゲル化剤。
4.R2が炭素原子数12−18の飽和脂肪族炭化水素基である1に記載のヒドロゲル化剤。
5.nが2−10である1又は4に記載のヒドロゲル化剤。
6.液体組成物を1〜5のいずれかに記載のヒドロゲル化剤によりヒドロゲル化する方法。
7.1〜5のいずれかに記載のヒドロゲル化剤によりヒドロゲル化された液体組成物。
この結果、広範囲にわたる各種の水溶液、水と有機溶剤を含有する液体組成物を対象としてゲル化を行うことができるヒドロゲル化剤を得る。
本発明のゲル化剤は、下記式(1)及び(2)にて示される。
式(1)
上記のゲル化剤において、R1は飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましく、さらに炭素原子数が11−21であることが好ましい。
また、mが2−4、nが6−10であることがさらに好ましい。
式中、R2は炭素原子数6−30の脂肪族炭化水素基、nが2−12であるヒドロゲル化剤。
上記のゲル化剤において、R2は飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましく、さらに炭素原子数が12−18であることが好ましい。
また、nが2−10であることがさらに好ましい。
本発明の式(1)で示されるヒドロゲル化剤は、例えば以下のようにして得ることができる。
本発明の上記の2種のゲル化剤を使用してゲル化される対象となる液体組成物としては、水、又は、水と、メタノール、エタノール、プロパノール、グリセリン等のアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル、酢酸エチル等のエステル、アセトニトリル等の親水性有機溶媒との混合物でも良い。混合物である場合には、有機溶媒よりも水を多量成分とすることが望ましい。
このときの酸性成分として、塩化水素、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸等の有機酸であって広範囲の酸性成分を使用できる。
本発明のゲル化剤を使用して、このような酸性成分を溶解した液体組成物をゲル化するとき、その酸性成分の濃度は1.0Mまでの濃度でも良く、好ましくは0.5Mまで、さらに好ましくは0.1Mまでの濃度である。
本発明のゲル化剤を使用して、このような塩基性成分を溶解した溶媒をゲル化するとき、その塩基性成分の濃度は1.0Mまでの濃度でも良く、好ましくは0.5Mまで、さらに好ましくは0.1Mまでの濃度である。
本発明のヒドロゲル化剤は、上記の溶媒や溶液の液体組成物に、0.1wt%以上となるように添加して、液体組成物をゲル化させる。そして本発明のヒドロゲル化剤の濃度は0.5wt%以上とすることが好ましく、1.0wt%以上とすることがさらに好ましい。
なお、ゲル化時において、ゲル化される液体組成物の温度を30〜90℃程度に加熱することができる。このような温度とすることにより、ゲル化を促進することができる。
また、液体組成物にヒドロゲル化剤を混合させるときには、70〜90℃の温度に加熱し、混合後に放冷しながらゲル化を進めることもできる。
例1:式(1)で表されるアミドアミンオキシドの合成
[下記化合物1の合成]
セバシン酸ジメチル(25g、108.6mmol)及びN−メチルピペラジン (6.53g、65.2mmol)を120℃で18時間撹拌した。反応後メタノールに溶解し、水を加え、ヘキサンで原料のセバシン酸ジメチルを除き、水を加え、クロロホルムで抽出した。有機溶媒を減圧留去後、減圧乾燥し、下記化合物1を得た。 (12.8g、42.8mmol、収率66%)
ミリスチン酸メチル(50g、206.3mmol)及びエチレンジアミン (49.5g、825mmol)を140℃で18時間撹拌した。反応後メタノールを加え析出した結晶を濾過し、有機溶媒を減圧留去後、残渣にヘキサンを加え加熱し、冷却後結晶を濾過し、得られた結晶を減圧乾燥し、下記化合物2を得た。(28.4g、105mmol、収率51%)
化合物1(8g、26.8mmol)及び化合物2(7.25g、26.8mmol)をトルエンに溶解し、48時間還流した。有機溶媒を減圧留去後、アセトンを加え加熱し、冷却後結晶を濾過し、得られた結晶を減圧乾燥し、下記化合物3を得た。(8.4g、15.6mmol、収率58%)
化合物3(7g、13.0mmol)を2−プロパノールに溶解し、30%過酸化水素水(7.36g、65mmol)を加え、50℃で4時間撹拌した。反応液にPd/Cを少量加え、濾過したのち、有機溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(メタノール、クロロホルム)で精製し、下記化合物Aを得た。(3.6g、6.5mmol、収率50%)
上記化合物Aの濃度が1wt%となるように、蒸留水、0.1MのHCl水溶液、0.1MのNaOH水溶液、0.1MのNaCl水溶液に混合し、80℃の湯浴で溶解を確認後、室温まで放冷しゲル化を確認した。サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちないことをゲル化の基準とした。
[下記化合物4の合成]
ドデカン二酸ジメチル(25g、96.7mmol)及びN−メチルピペラジン (6.4g、63.9mmol)を120℃で18時間撹拌した。反応後メタノールに溶解し、水を加え、ヘキサンで原料のドデカン二酸ジメチルを除き、水を加え、クロロホルムで抽出した。有機溶媒を減圧留去後、減圧乾燥し、下記化合物4を得た。 (13.5g、41.4mmol、収率65%)
化合物4(5g、15.3mmol)及びミリスチルアミン(3.27g、15.3mmol)をトルエンに溶解し、48時間還流した。有機溶媒を減圧留去後、ヘキサンを加え加熱し、冷却後結晶を濾過し、得られた結晶を減圧乾燥し、下記化合物5を得た。(7.2g、14.2mmol、収率93%)
化合物5(6.3g、12.4mmol)を2−プロパノールに溶解し、30%過酸化水素水(2.81g、24.8mmol)を加え、50℃で4時間撹拌した。反応液にPd/Cを少量加え、濾過したのち、有機溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(メタノール、クロロホルム)で精製し、下記化合物Bを得た。(5.0g、9.5mmol、収率77%)
上記化合物Bの濃度が1wt%となるように、蒸留水、0.1MのHCl水溶液、0.1MのNaOH水溶液、0.1MのNaCl水溶液に混合し、80℃の湯浴で溶解を確認後、室温まで放冷しゲル化を確認した。サンプル管を倒置しても溶液が流れ落ちないことをゲル化の基準とした。
Claims (7)
- 下記式(1)又は(2)であるであるヒドロゲル化剤。
式(1):
(式中、R1は炭素原子数5−29の脂肪族炭化水素基、mが2−6、nが4−12)
式(2):
- R1が炭素原子数11−21の飽和脂肪族炭化水素基である請求項1に記載のヒドロゲル化剤。
- mが2−4、nが6−10である請求項1又は2に記載のヒドロゲル化剤。
- R2が炭素原子数12−18の飽和脂肪族炭化水素基である請求項1に記載のヒドロゲル化剤。
- 式(2)中のnが2−10である請求項1又は4に記載のヒドロゲル化剤。
- 液体組成物を請求項1〜5のいずれかに記載のヒドロゲル化剤によりヒドロゲル化する方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のヒドロゲル化剤によりヒドロゲル化された液体組成物。
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