JP2009113736A - カメラ取り付け構造、カメラ取り付け方法および車両の外装パネル部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両の外装を構成する外装パネル部品に、車載カメラの取り付けのためのブラケット部を配設する。そして、前記ブラケット部は、前記車載カメラの撮像モジュールが装着固定されるモジュール装着部40と、前記車載カメラのコネクタプラグが装着固定されるコネクタ装着部50と設け、前記モジュール装着部40に前記撮像モジュールが装着固定され、かつ、前記コネクタ装着部50に前記コネクタプラグが装着固定されると、前記車載カメラのコネクタレセプタクルとコネクタプラグとの間の接続が確保されるように構成する。
【選択図】図3
Description
従来の車載カメラは、当該車載カメラのカメラ本体(撮像素子を含むモジュール部分)が、車両の外装を構成する外装パネル部品に、当該カメラ本体を支持する取り付け部材を介して、ネジ等の締結具により装着固定される。そして、カメラ本体で得た撮像信号が、当該カメラ本体に接続するケーブル(ハーネス)を介して伝送されるとともに、これらカメラ本体とケーブルとの間がコネクタによって挿抜可能に接続されるものが一般的である(例えば、特許文献1、2、3参照)。つまり、カメラ本体は取り付け部材にネジ等の締結具で装着固定されるが、当該カメラ本体に接続するコネクタおよび当該コネクタから延びるケーブルについては、これらコネクタおよびケーブルがカメラ本体へ接着剤等で直接固着されたり、例えば図20(a)に示すようにケーブル101と一体成型した剛性のある樹脂部材によるコネクタ102がカメラ本体103にネジ止めされたり、あるいは図20(b)および(c)に示すようにコネクタ104に設けられたラッチタイプ等のロック構造105を利用してカメラ本体103に固定されるようになっており、取り付け部材ではなくカメラ本体103に対して固定されるようになっている。
しかしながら、従来のカメラ取り付け構造では、コネクタおよびケーブルがカメラ本体に対して固定されるので、ある程度の固定強度を得るために、カメラ本体との間に接着スペース、ネジ止めスペース、その他のスペースを十分に確保する必要が生じてしまい、結果として小型化への対応が困難になるおそれがある。
さらには、コネクタおよびケーブルがカメラ本体に対して固定されるので、例えば挿抜作業時や車両装着状態時等にケーブルに過大な負荷が加わると、その影響がコネクタやカメラ本体等にまで及んでしまうおそれがあり、耐負荷強度の点で難がある。この点については、コネクタやカメラ本体等の構成部材の補強や厚肉化等によって対応することも考えられる。ところが、構成部材の補強や厚肉化等は、小型化への対応を困難にする要因となり得ることから好ましくない。
ここで、「車載カメラ」とは、車両に取り付けられた状態で用いられるカメラ装置の総称であり、その用途や取り付け箇所が限定されるものではない。すなわち、車載カメラは、死角センサ用、バックモニタ用、その他の様々な用途のために用いられるものであり、そのために車両のサイド部、フロント部若しくはバック部に取り付けられて用いられるものである。
また、「車両」とは、主に道路交通法上の車、特に4輪自動車のことをいう。ただし、これに限定されるものではなく、汽車や電車等の車体(鉄道車両)、建設機械のうち自走するもの(建設車両)、農業機械のうち自走するもの(農業車両)等についても、ここでいう「車両」に含むものとする。
なお、以下の説明では、バックモニタ用として4輪自動車のライセンスプレート用リアガーニッシュ部分(以下、単に「リアガーニッシュ」という。)に取り付けられたバックカメラを例に挙げて説明する。
車載カメラは、大別すると、図1(a)〜(c)に示す撮像モジュール10と、図1(d)〜(e)に示すケーブル部20と、図示しない信号処理部と、を備えて構成されている。
なお、取り付けに際して、コネクタプラグ21は保持部51の開口部分54から挿入され、撮像モジュール10はリアガーニッシュ30の正面側から挿入されるので、それぞれの挿入方向は互いに直交することになる。つまり、撮像モジュール10をモジュール装着部40に装着する際の装着方向と、コネクタプラグ21をコネクタ装着部50に装着する際の装着方向とは、互いに異なる方向となるように構成されているのである。
これに対して、撮像モジュール10のモジュール装着部40からの抜去については、以下に述べるような治具を用いて行うことが考えられる。撮像モジュール10の装着固定の確実化という観点からは、当該撮像モジュール10が容易に外れる可能性があることは好ましくなく、また撮像モジュール10のメンテナンス時の作業性という観点からは、当該撮像モジュール10の取り外しが困難であることは好ましくないからである。
図7(a)に示すように、モジュール取り外し治具60としては、板状の金属部材をチャンネル状(コの字状)に折り曲げてなり、端縁部分に、案内となる傾斜部61と、爪部13に対応して設けられた切り欠き部62と、を有するものが考えられる。
このようなモジュール取り外し治具60を用いて撮像モジュール10の抜去を行う場合には、先ず、図7(b)および(c)に示すように、リアガーニッシュ30の正面側からモジュール取り外し治具60を挿入する。これにより、モジュール装着部40では、図7(d)〜(f)に示すように、受け部43が外側に向けて押されて撓み(図中矢印A参照)、当該受け部43と撮像モジュール10における爪部13との係合状態が解除されることになる。その状態で、モジュール取り外し治具60を引き抜けば、当該モジュール取り外し治具60と共に、撮像モジュール10がモジュール装着部40から抜去されることになる。
図8〜図12は、リアガーニッシュの要部構成の他の例を示す説明図である。
図に示す構成例では、撮像モジュール10の側に凹形状の受け部15が設けられ(図8中B部参照)、モジュール装着部40の側に当該受け部15と係合する凸形状部分を有する爪部45が設けられている点で(図9中C部参照)、上述した構成例の場合とは異なる。ただし、爪部45と受け部15との係合を利用して撮像モジュール10の装着固定を行う点は、上述した構成例の場合と同様である。
このことから、ブラケット部32におけるコネクタ装着部50には、コネクタプラグ21が挿入される保持部51に、ケーブル22の延出方向に対応した逃げ部55が形成されている(図10参照)。なお、コネクタプラグ21の挿入方向については、上述した構成例の場合と同様である。
図13〜図15は、リアガーニッシュの要部構成のさらに他の例を示す説明図である。
図13に示すように、ここで説明する構成例は、上述した構成例と同様に(例えば図12参照)、撮像モジュール10における凹形状の受け部15と、凸形状部分を有する爪部47との係合を利用して、当該撮像モジュール10の装着固定を行うが、その受け部15と係合する爪部47が、ブラケット部32におけるモジュール装着部40とは別体で設けられている点で、上述した構成例の場合とは異なる。
その一方で、車載カメラの取り付けは、リアガーニッシュ30が装着される全ての車両が必要としているとは限らない。すなわち、当該リアガーニッシュ30が装着された車両の中には、車載カメラの取り付けを必要としないものも存在し得る。
これらのことから、当該リアガーニッシュ30におけるブラケット部32の形成箇所には、以下に述べるような外装カバーを装着することが考えられる。
図例の外装カバー71は、車載カメラの取り付けを行わない場合に、ブラケット部32の形成箇所を塞ぐように覆う、いわゆるメクラ蓋として機能するものである。そのために、当該外装カバー71は、リアガーニッシュ30の外装部分と同色かつ面一となるパネル部分を有するように構成されている。この外装カバー71のリアガーニッシュ30への装着は、当該リアガーニッシュ30への撮像モジュール10の装着固定と同様に、爪部と受け部との係合を利用するスナップ式のラッチ(はずれ止め)を用いてワンタッチで行い得るようにすることが考えられる。
図17は、外装カバーの他の具体例を示す説明図である。
図例の外装カバー72は、車載カメラの取り付けを行う場合に装着するものである。そのために、当該外装カバー72は、撮像モジュール10が有するレンズのみを露出させるための開口73が形成されているとともに、当該開口73以外の部分がリアガーニッシュ30の外装部分と同色に構成されている。このような外装カバー72の装着によって、車載カメラの取り付けを行う場合であっても、当該車載カメラの存在、特に当該車載カメラを構成する撮像モジュール10の存在を、目立たないものとすることが可能となる。なお、この外装カバー72のリアガーニッシュ30への装着は、上述した具体例の場合と同様に、スナップ式のラッチを用いてワンタッチで行い得るようにすることが考えられる。
図18に示すように、変形移動抑止手段としては、外装カバー72の裏面側から突出するように形成されたリブ形状部73が挙げられる。このリブ形状部73は、撮像モジュール10を装着固定するための受け部43に対応するように、例えば四箇所に形成されている。
このようなリブ形状部73を有する外装カバー72をリアガーニッシュ30に装着すると、当該外装カバー72の装着状態では、図19(a)〜(c)に示すように、各リブ形状部73がそれぞれの受け部43に対応して、当該受け部43の外側に位置することになる。すなわち、各リブ形状部73は、受け部43が外側に向けて撓んでしまうのを抑止する位置に配される(図中E部参照)。
したがって、リブ形状部73を有する外装カバー72をリアガーニッシュ30に装着した状態では、図19(d)に示すように、各受け部43が外側に向けて撓もうとしても(図中矢印F参照)、いずれの受け部43についてもリブ形状部73によってその撓みが抑止されることになるので、結果として撮像モジュール10がモジュール装着部40から外れてしまうのが防止されることになる。
したがって、例えばカメラ取り付けの需要増に伴って様々な車種への対応が要求される状況下においても、ブラケット部32が一体成型されたリアガーニッシュ30を車種別に用意すれば、他の取り付け部材等を要することなく、各車種への車載カメラの車両への取り付けを行い得るようになるので、従来のようにカメラ製造側と車両の製造側等とでの重複作業(例えば、車種別の部品設計、製造、管理等)が不要となり、当該重複作業が必要な場合に比べて作業効率が大幅に改善する。しかも、車種別対応についての汎用性確保も容易となる。
つまり、本実施形態で説明したカメラ取り付け構造およびカメラ取り付け方法によれば、これまで車種ごとにデザインされていた車種別の固有取り付け部材等を無くし、カメラ固定(ブラケット部32)機能をリアガーニッシュ30に持たせることで、カメラ固定機能を車両の外装パネル部品に纏めて車載カメラの標準化および簡素化をすることができるので、部品、カメラ生産、流通および取り付け作業の効率化が図れ、車載カメラの取り付け需要増にも適切かつ柔軟に対応することができるようになる。
さらには、本実施形態で説明したカメラ取り付け構造およびカメラ取り付け方法を採用することにより、車両設計初期段階より車載カメラの取り付けスペースを確保することができ、無理なく車載カメラの配置レイアウトをすることが可能となる。その上、車載カメラの標準化を通じて、当該車載カメラの品質の安定化や部品点数削除(=コストダウン)も期待できるようになる。
したがって、本実施形態で説明したカメラ取り付け構造およびカメラ取り付け方法によれば、撮像モジュール10とコネクタプラグ21とを接着やネジ止め等によって固定しなくても、すなわち撮像モジュール10とコネクタプラグ21との間に接着やネジ止め等のためのスペースを確保しなくても、十分なコネクタプラグ21の固定強度が得られるので、当該スペースを必要とする場合に比べて、コネクタ部分の接続構造の簡素化が可能になるとともに、小型化への対応が非常に容易になる。しかも、撮像モジュール10とは別個に、コネクタプラグ21がブラケット部32のコネクタ装着部50に装着固定されるので、例えばそのコネクタプラグ21から延びるケーブル22に過大な負荷が加わっても、これをコネクタ装着部50が受け止めることになり、その負荷の影響が撮像モジュール10等にまで及んでしまうことがなく、ケーブル回りにおける耐負荷強度を十分に確保することができ、さらにはそのことを通じて小型化への対応容易化を一層推進させることも実現可能となる。
つまり、本実施形態で説明したカメラ取り付け構造およびカメラ取り付け方法では、撮像モジュール10のモジュール装着部40への装着固定と、コネクタプラグ21のコネクタ装着部50への装着固定とを別個に行い、それぞれが装着固定されるとコネクタレセプタクル14とコネクタプラグ21との間の電気的接続が確保される、いわゆる二重ロック構造を採っているので、車両の車体内でのケーブル耐負荷強度が当該二重ロック構造を採っていない従来構造に比べて大幅に改善されることになる。また、二重ロック構造を採用することにより、撮像モジュール10からコネクタロック構造を削除することが可能となるため、撮像モジュール10におけるケーブル接続構造部分の小型化、すなわち車載カメラにおける撮像モジュール10本体の小型化が可能となる。
さらには、本実施形態で説明したように、撮像モジュール10のモジュール装着部40への装着固定とは別に、コネクタプラグ21がコネクタ装着部50に装着固定されるように構成すれば、カメラ搭載、非搭載に関わらずにコネクタプラグ21をコネクタ装着部50に装着固定しておくこと、すなわちブラケット部32にケーブル部20を組み込んでおくことが実現可能となり、車載カメラの後付け作業を行う場合であっても、撮像モジュール10の追加と外装カバー71,72の変更のみで対応することができ、その結果として当該後付け作業を簡素化することができる。
例えば、本実施形態では、ブラケット部32がリアガーニッシュ30と一体成型されている場合を例に挙げて説明したが、当該一体成型は必須な構成ではなく、これらが別部品として構成され、ネジ等の締結具を用いて取り付けられる場合であっても、モジュール装着部40の装着固定とコネクタプラグ21の装着固定とをそれぞれ別個に行い、それぞれが装着固定されるとコネクタレセプタクル14とコネクタプラグ21との間の電気的接続が確保される、二重ロック構造を採用することによって、ケーブル回りにおける耐負荷強度確保およびそのことを通じた小型化への対応容易化等を実現することが可能である。
また、本実施形態では、車載カメラとして車両のリアガーニッシュ30に取り付けられるバックカメラを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の外装パネル部品に取り付けられる車載カメラについても、本実施形態の場合と全く同様に本発明を適用可能であることは勿論である。
Claims (6)
- 車載カメラを車両に取り付けるためのカメラ取り付け構造であって、
前記車載カメラは、レンズおよび撮像素子を有してなる撮像モジュールと、当該撮像モジュールに形成されたコネクタレセプタクルと、当該コネクタレセプタクルに対して挿抜可能に形成されたコネクタプラグと、当該コネクタプラグと接続して前記撮像モジュールで得た信号の伝送を行うケーブルと、を備えており、
前記車両の外装を構成する外装パネル部品には、前記車載カメラの取り付けのためのブラケット部が配設されるとともに、
前記ブラケット部は、前記撮像モジュールが装着固定されるモジュール装着部と、前記コネクタプラグが装着固定されるコネクタ装着部と、を有しており、
前記モジュール装着部に前記撮像モジュールが装着固定され、かつ、前記コネクタ装着部に前記コネクタプラグが装着固定されると、前記コネクタレセプタクルと前記コネクタプラグとの間の接続が確保されるように構成されている
ことを特徴とするカメラ取り付け構造。 - 前記撮像モジュールと前記モジュール装着部は、一方に爪部が設けられているとともに、他方に当該爪部と係合する受け部が設けられており、当該爪部と当該受け部との係合によって前記撮像モジュールが前記モジュール装着部に装着固定されるように構成されており、
前記コネクタプラグと前記コネクタ装着部は、一方に爪部が設けられているとともに、他方に当該爪部と係合する受け部が設けられており、当該爪部と当該受け部との係合によって前記コネクタプラグが前記コネクタ装着部に装着固定されるように構成されている
ことを特徴とする請求項1記載のカメラ取り付け構造。 - 前記撮像モジュールを前記モジュール装着部に装着する際の装着方向と、前記コネクタプラグを前記コネクタ装着部に装着する際の装着方向とが、互いに異なる方向となるように構成されている
ことを特徴とする請求項2記載のカメラ取り付け構造。 - 前記ブラケット部並びに当該ブラケット部の前記モジュール装着部および前記コネクタ装着部における前記爪部または前記受け部は、一工程の成型加工で形成し得る形状を有している
ことを特徴とする請求項2記載のカメラ取り付け構造 - 車載カメラを車両に取り付けるためのカメラ取り付け方法であって、
前記車載カメラを、レンズおよび撮像素子を有してなる撮像モジュールと、当該撮像モジュールに形成されたコネクタレセプタクルと、当該コネクタレセプタクルに対して挿抜可能に形成されたコネクタプラグと、当該コネクタプラグと接続して前記撮像モジュールで得た信号の伝送を行うケーブルと、を備えて構成し、
前記車両の外装を構成する外装パネル部品に、前記車載カメラの取り付けのためのブラケット部を配設しておくとともに、
前記ブラケット部を、前記撮像モジュールが装着固定されるモジュール装着部と、前記コネクタプラグが装着固定されるコネクタ装着部と、を有して構成しておき、
前記モジュール装着部への前記撮像モジュールの装着固定と、前記コネクタ装着部への前記コネクタプラグの装着固定とによって、前記コネクタレセプタクルと前記コネクタプラグとが互いに接続されるようにする
ことを特徴とするカメラ取り付け方法。 - 車両の外装を構成する外装パネル部品であって、
レンズおよび撮像素子を有してなる撮像モジュールと、当該撮像モジュールに形成されたコネクタレセプタクルと、当該コネクタレセプタクルに対して挿抜可能に形成されたコネクタプラグと、当該コネクタプラグと接続して前記撮像モジュールで得た信号の伝送を行うケーブルと、を備えて構成される車載カメラの取り付けのためのブラケット部が配設されるとともに、
前記ブラケット部は、前記撮像モジュールが装着固定されるモジュール装着部と、前記コネクタプラグが装着固定されるコネクタ装着部と、を有しており、
前記モジュール装着部に前記撮像モジュールが装着固定され、かつ、前記コネクタ装着部に前記コネクタプラグが装着固定されると、前記コネクタレセプタクルと前記コネクタプラグとの間の接続が確保されるように構成されている
ことを特徴とする車両の外装パネル部品。
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