JP2009110561A - 磁気記録媒体用基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転時において磁気記録媒体の外周部のたわみを抑えることが可能な磁気記録媒体用基板を提供することを目的とする。
【解決手段】磁気記録媒体用基板1は円板状の形状を有し、基板の中央に貫通孔2が形成されている。磁気記録媒体用基板1の表面に磁性膜を成膜することで磁気記録媒体を作製する。磁気記録媒体用基板1の外周端部から所定距離内側の領域が非記録領域4となっており、それより内側の領域が記録領域3となっている。記録領域3は樹脂で構成され、磁気記録媒体において情報が記録される領域である。非記録領域4は、磁気記録媒体において情報が記録されない領域である。非記録領域4には、記録領域3よりもヤング率が高い樹脂又は金属が用いられる。例えば、非記録領域4には、ヤング率が4〜50[GPa]の樹脂、又はヤング率が40〜500[GPa]の無機材料が用いられる。
【選択図】図1

Description

この発明は、磁気ディスク記録装置の基板に用いられる磁気記録媒体用基板に関し、特に、樹脂製の基板を用いた磁気記録媒体用基板に関する。
コンピュータなどに用いられる磁気ディスク記録装置には、アルミニウム基板やガラス基板が用いられている。そして、この基板上に金属磁気薄膜が形成され、金属磁気薄膜を磁気ヘッドで磁化することにより情報が記録される(例えば特許文献1、特許文献2、及び特許文献3)。
例えばアルミニウム基板を用いる場合、アルミニウム板をプレス成形して円盤状にした後、表面に対して高精度の研削・研磨加工及び洗浄工程を施すことにより、表面を平滑化し、続いて、めっき処理を施すことによりニッケル−リン(Ni−P)合金を基板の表面に形成する。その後、研磨加工、テクスチャー加工を施し、さらにスパッタリングによりCo系合金の磁性層を形成することで磁気記録媒体を製造する。
また、ガラス基板を用いる場合、ガラス素材を溶融し、溶融したガラスをプレス成形し、円盤状のガラス基板を作製する。そして、ガラス基板の表面に対して高精度の研削・研磨加工及び洗浄工程を施すことにより、表面を平滑化した後、アルカリの溶融塩によるイオン交換によって表面を化学強化処理し、精密洗浄工程を経た後、テクスチャー加工を施し、さらにスパッタリングによりCo系合金の磁性層を形成することで磁気記録媒体を製造する。
ところで、磁気記録媒体用基板としてプラスチック基板などの樹脂製基板を採用する試みがなされている。この場合、樹脂製基板上に磁性層を形成することで磁気記録媒体を製造する(例えば特許文献4及び特許文献5)。
特開2003−54965号公報 特開2003−55001号公報 特開2000−163740号公報 特開平10−320762号公報 特開2001−300970号公報
しかしながら、樹脂製基板を磁気記録媒体の基板として用いると、磁気記録媒体の回転時において磁気記録媒体の外周部がたわんでしまい、十分な回転特性が得られなかった。
この発明は上記の問題を解決するものであり、回転時において磁気記録媒体の外周部のたわみを抑えることが可能な磁気記録媒体用基板を提供することを目的とする。
この発明の第1の形態は、円板状の形状を有する基板と、前記基板の中央に形成されて前記基板の厚さ方向に貫通する貫通孔と、を有する磁気記録媒体用基板であって、前記基板は、外周端部から所定距離内側までの領域に記録領域として用いられない第1の非記録部と、前記第1の非記録部と前記貫通孔との間の領域に記録領域として用いられる記録部と、を有し、前記記録部は樹脂で構成され、前記第1の非記録部は前記記録部よりもヤング率が高い樹脂又は無機材料で構成されていることを特徴とする磁気記録媒体用基板である。
この発明の第2の形態は、第1の形態に係る磁気記録媒体用基板であって、前記基板は、前記貫通孔から所定距離外側までの領域に記録領域として用いられない第2の非記録部を更に有し、前記第1の非記録部と前記第2の非記録部との間の領域に前記記録部を有し、前記第2の非記録部は前記記録部よりもヤング率が高い樹脂又は無機材料で構成されていることを特徴とする。
この発明の第3の形態は、第1の形態又は第2の形態のいずれかに係る磁気記録媒体用基板であって、前記記録部は、ヤング率が2〜4[GPa]の樹脂で構成され、前記第1の非記録部は、ヤング率が4〜500[GPa]の樹脂又は無機材料で構成されていることを特徴とする。
この発明の第4の形態は、第2の形態に係る磁気記録媒体用基板であって、前記記録部は、ヤング率が2〜4[GPa]の樹脂で構成され、前記第1の非記録部と前記第2の非記録部は、ヤング率が4〜500[GPa]の樹脂又は無機材料で構成されていることを特徴とする。
この発明の第5の形態は、円板状の形状を有する基板と、前記基板の中央に形成されて前記基板の厚さ方向に貫通する貫通孔と、を有する磁気記録媒体用基板であって、前記基板は、前記貫通孔から所定距離外側までの領域に記録領域として用いられない非記録部と、前記非記録部と外周端部との間の領域に記録領域として用いられる記録部と、を有し、前記記録部は樹脂で構成され、前記非記録部は前記記録部よりもヤング率が高い樹脂又は無機材料で構成されていることを特徴とする磁気記録媒体用基板である。
また、この発明の第6の形態は、第5の形態に係る磁気記録媒体用基板であって、前記記録部は、ヤング率が2〜4[GPa]の樹脂で構成され、前記非記録部は、ヤング率が4〜500[GPa]の樹脂又は無機材料で構成されていることを特徴とする。
この発明によると、記録領域として用いられない第1の非記録部を、記録部よりもヤング率が高い樹脂又は無機材料で構成することで、第1の非記録部の剛性を高めることが可能となる。このように基板の外周端部から所定距離内側の領域の剛性を高めることにより、磁気記録媒体の回転時において磁気記録媒体の外周部のたわみを抑えることが可能となる。
[第1の実施の形態]
この発明の第1実施形態に係る磁気記録媒体用基板について図1及び図2を参照して説明する。図1は、この発明の第1実施形態に係る磁気記録媒体用基板の構成を示す斜視図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る磁気記録媒体用基板の構成を示す断面図であり、図1のII−II断面図である。
磁気記録媒体用基板1は円板状の形状を有し、基板の中央に、基板の厚さ方向に貫通する貫通孔2が形成されている。そして、磁気記録媒体用基板1の表面に磁性膜を成膜することで、磁気ディスク記録装置に用いられる磁気記録媒体を作製する。
磁気記録媒体用基板1の外周端部から所定距離内側の領域が非記録領域4となっており、それより内側の領域が記録領域3となっている。記録領域3は、磁性膜が成膜された磁気記録媒体において、情報の記録に用いられる領域である。一方、非記録領域4は、磁性膜が成膜された磁気記録媒体において、情報の記録に用いられない領域である。なお、非記録領域4がこの発明の「第1の非記録部」の1例に相当する。
例えば、直径が48[mm]である磁気記録媒体用基板1の場合、外周端部から1mm〜3mm内側の領域が非記録領域4となる。
記録領域3には、ヤング率が2〜4[GPa]の樹脂が用いられる。例えば、記録領域3には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は活性線硬化性樹脂の他、様々な樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂の1例として、ポリカーボネート(ヤング率=2.4[Gpa])、ポリイミド(ヤング率=2.9[GPa])、又は、ポリエーテルイミド(ヤング率=3.3[GPa])が用いられる。また、熱硬化性樹脂の1例として、アリルエステル樹脂(ヤング率=3.9[GPa])が用いられる。
非記録領域4には、記録領域3に用いられる樹脂よりもヤング率が高い樹脂又は無機材料が用いられる。例えば、非記録領域4には、ヤング率が4〜50[GPa]の樹脂、又は、ヤング率が40〜500[GPa]の無機材料が用いられる。樹脂の1例として、ガラス繊維強化ポリカーボネート(ヤング率=4〜17[GPa])、高結晶繊維強化ポリイミド(ヤング率=26[GPa])、又は、炭素繊維強化ポリイミド(ヤング率=47[GPa])が用いられる。また、無機材料の1例として、アルミニウム合金(ヤング率=73[GPa])、マグネシウム合金(ヤング率=40[GPa])、又は、セラミックス(SiC)(ヤング率=430[GPa])が用いられる。
磁気記録媒体用基板1の表面上に、スパッタリングなどの成膜方法によってCo系合金などの磁性膜を成膜して磁気記録媒体を作製する。
以上のように、磁気記録媒体用基板1の外周端部から所定距離内側の領域(非記録領域4)を、ヤング率が4〜500[GPa]の樹脂又は無機材料で構成することで、非記録領域4の剛性を高めることが可能となる。このように、磁気記録媒体用基板1の外周端部周辺の剛性を高めることにより、磁気記録媒体の回転時における基板の外周部のたわみを防止することができる。その結果、磁気記録媒体の回転特性を向上させることが可能となる。
[第2の実施の形態]
この発明の第2実施形態に係る磁気記録媒体用基板について図3及び図4を参照して説明する。図3は、この発明の第2実施形態に係る磁気記録媒体用基板の構成を示す斜視図である。図4は、この発明の第2実施形態に係る磁気記録媒体用基板の構成を示す断面図であり、図3のIV−IV断面図である。
磁気記録媒体用基板10は円板状の形状を有し、基板の中央に、基板の厚さ方向に貫通する貫通孔11が形成されている。そして、磁気記録媒体用基板10の表面に磁性膜を成膜することで、磁気ディスク記録装置に用いられる磁気記録媒体を作製する。
磁気記録媒体用基板10の貫通孔11から所定距離外側の領域が非記録領域13となっており、それより外側の領域が記録領域12となっている。記録領域12には、磁性膜が成膜された磁気記録媒体において、情報の記録に用いられる領域である。一方、非記録領域13は、磁性膜が成膜された磁気記録媒体において、情報の記録に用いられない領域である。なお、非記録領域13がこの発明の「非記録部」の1例に相当する。
例えば、直径が48[mm]である磁気記録媒体用基板10の場合、貫通孔11から4mm〜6mm外側の領域が非記録領域13となる。
記録領域12には、第1実施形態に係る記録領域3と同様に、ヤング率が2〜4[GPa]の樹脂が用いられる。また、非記録領域13には、第1実施形態に係る非記録領域4と同様に、ヤング率が4〜500[GPa]の樹脂又は無機材料が用いられる。
磁気記録媒体用基板10の表面上に、スパッタリングなどの成膜方法によってCo系合金などの磁性膜を成膜して磁気記録媒体を作製する。
そして、磁気記録媒体を磁気ディスク記録装置に固定するときには、基台に立設されてモータによって回転可能なスピンドルを磁気記録媒体の貫通孔に挿入する。そして、磁気記録媒体の上面から貫通孔の周辺部を板ばねによって押さえつけ、その状態で、板ばねをスピンドルの先端に固定することで、基台と板ばねとによって磁気記録媒体を挟みこんで磁気記録媒体を固定する。このとき、磁気記録媒体の非記録領域13を板ばねによって押さえつける。
第2実施形態では、磁気記録媒体用基板10の貫通孔11から所定距離外側の領域(非記録領域13)を、ヤング率が4〜500[GPa]の樹脂又は無機材料で構成することで、非記録領域13と記録領域12との接合部に振動減衰作用を付与できる。このように、磁気記録媒体用基板10の内周部周辺に振動減衰作用を付与することにより、磁気記録媒体の回転時における基板の外周部のたわみを防止することができる。その結果、磁気記録媒体の回転特性を向上させることが可能となる。
[第3の実施の形態]
この発明の第3実施形態に係る磁気記録媒体用基板について図5及び図6を参照して説明する。図5は、この発明の第3実施形態に係る磁気記録媒体用基板の構成を示す斜視図である。図6は、この発明の第3実施形態に係る磁気記録媒体用基板の構成を示す断面図であり、図5のVI−VI面図である。
磁気記録媒体用基板20は円板状の形状を有し、基板の中央に、基板の厚さ方向に貫通する貫通孔21が形成されている。そして、磁気記録媒体用基板20の表面に磁性膜を成膜することで、磁気ディスク記録装置に用いられる磁気記録媒体を作製する。
磁気記録媒体用基板20の外周端部から所定距離内側の領域が非記録領域23となっている。また、磁気記録媒体用基板20の貫通孔21から所定距離外側の領域が非記録領域24となっている。そして、非記録領域23と非記録領域24との間が記録領域22となっている。記録領域22は、磁性膜が成膜された磁気記録媒体において、情報の記録に用いられる領域である。一方、非記録領域23と非記録領域24は、磁性膜が成膜された磁気記録媒体において、情報の記録に用いられない領域である。なお、非記録領域23がこの発明の「第1の非記録部」の1例に相当し、非記録領域24がこの発明の「第2の非記録部」の1例に相当する。
例えば、直径が48[mm]である磁気記録媒体用基板20の場合、外周端部から1mm〜3mmの領域が非記録領域23となる。また、貫通孔21から4mm〜6mmの領域が非記録領域23となる。
記録領域22には、第1実施形態に係る記録領域3と同様に、ヤング率が2〜4[GPa]の樹脂が用いられる。非記録領域23と非記録領域24には、第1実施形態に係る非記録領域4と同様に、ヤング率が4〜500[GPa]の樹脂又は無機材料が用いられる。非記録領域23と非記録領域24には、同じ材料を用いても良いし、異なる材料を用いても良い。例えば、非記録領域23にヤング率が4〜50[GPa]の樹脂を用い、非記録領域24にヤング率が40〜500[GPa]の無機材料を用いる。また、非記録領域23にヤング率が40〜500[GPa]の無機材料を用い、非記録領域24にヤング率が4〜50[GPa]の樹脂を用いても良い。
以上のように、磁気記録媒体用基板20の外周端部から所定距離内側の領域(非記録領域23)を、ヤング率が4〜500[GPa]の樹脂又は無機材料で構成することで、非記録領域23の剛性を高めることが可能となる。このように、磁気記録媒体用基板20の外周端部周辺の剛性を高めることにより、磁気記録媒体の回転時における基板の外周部のたわみを防止することができる。その結果、磁気記録媒体の回転特性を向上させることが可能となる。
さらに、磁気記録媒体用基板20の貫通孔21から所定距離外側の領域(非記録領域24)を、ヤング率が4〜500[GPa]の樹脂又は無機材料で構成することで、非記録領域24と記録領域22との接合部に振動減衰作用を付与できる。このように、磁気記録媒体用基板20の内周部周辺に振動減衰作用を付与することにより、磁気記録媒体の回転時における基板の外周部のたわみを防止することができる。その結果、磁気記録媒体の回転特性を向上させることが可能となる。
[磁気記録媒体用基板の製造方法]
次に、この発明の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の製造方法について説明する。磁気記録媒体用基板1、10、20は、インサート成形や2色成形などの複合成形によって製造することができる。ここでは、磁気記録媒体用基板1の製造方法について説明する。磁気記録媒体用基板1は、磁気記録媒体用基板1の形状に対応した形状を有する金型を用いて、射出成形法によって作製することができる。さらに、適宜、成形した基板をカッティング、打ち抜き、又はプレス成形を行って磁気記録媒体用基板1を作製しても良い。
まず、インサート成形による磁気記録媒体用基板1の製造方法について説明し、次に、2色成形による磁気記録媒体用基板1の製造方法について説明する。
[インサート成形による磁気記録媒体用基板1の製造方法]
インサート成形による磁気記録媒体用基板1の製造方法について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、この発明の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための金型の断面図である。図8は、この発明の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための金型の斜視図である。
例えば図7(a)に示すように、磁気記録媒体用基板1を成形するためのディスク成形金型は、第1の金型31と第2の金型33を備え、型締装置によって第1の金型31を第2の金型33に対して接離させることにより、型閉じ、型締め及び型開きを行うようになっている。
第2の金型33には、第1の金型31に対向する表面に平坦な溝部35が形成されている。この溝部35の形状は、成形によって形成すべき磁気記録媒体用基板1の形状に対応している。そして、図7(b)に示すように、溝部35を内側にして第1の金型31と第2の金型33を対向して配置することで、第1の金型31と第2の金型33との間に円形のキャビティ空間36が形成される。また、第2の金型33の溝部35に、リング状の部材42を設置する。例えば、第2の金型33に形成された溝部35の径と、リング状の部材42の外径を等しくすることで、リング状の部材42を溝部35の内面に接した状態で設置する。リング状の部材42の厚さは、成形される磁気記録媒体用基板1の厚さと等しくなっており、部材42の幅は磁気記録媒体用基板1の非記録領域4の幅と等しくなっている。これにより、リング状の部材42が、磁気記録媒体用基板1の非記録領域4を構成することになる。従って、リング状の部材42には、ヤング率が4〜50[GPa]の樹脂、又は、ヤング率が40〜500[GPa]の無機材料が用いられる。
また、第1の金型31には、外部からキャビティ空間36に通じ、キャビティ空間36に樹脂を充填するためのスプルー32が形成されている。このスプルー32は、第1の金型31の厚さ方向に貫通した貫通孔であり、キャビティ空間36の中心軸に沿って第1の金型31に形成されている。
そして、型締め状態において、射出ノズル(図示しない)を第1の金型31のスプルー32に接触させ、その状態で射出ノズルから所定の射出圧で樹脂を射出する。射出ノズルから射出された樹脂はスプルー32を通って、第1の金型31と第2の金型33の間に形成されたキャビティ空間36に充填される。キャビティ空間36に充填された樹脂によって、磁気記録媒体用基板1の記録領域3を形成する。従って、キャビティ空間36に充填される樹脂には、ヤング率が2〜4[GPa]の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は活性線硬化性樹脂が用いられる。
キャビティ空間36に樹脂を充填した後、その樹脂を硬化させて基板形状を成形する。その後、図7(c)に示すように、型を開き、第2の金型33の溝部35に対応した位置に配置された可動部34を突き出すことで、基板原型40を第2の金型33から押し出して、基板原型40を取り出す。
成形された基板原型40は、円板状の形状を有し、平坦な面を有する平端部41と、その平端部41の外周部に設けられた部材42と、第1の金型31のスプルー32の形状に相当する突起部43とを備えている。そして、基板原型40に対して穴空け工程を施すことにより、図1及び図2に示すように、中央に貫通孔2が形成された磁気記録媒体用基板1を作製する。基板原型40の平端部41が磁気記録媒体用基板1の記録領域3に相当し、部材42が非記録領域4に相当する。
以上のように、非記録領域4に相当するリング状の部材42を金型にインサートして成形することで、磁気記録媒体用基板1を作製することができる。
また、図8に示すように、円板状のテーブル50の上に、溝部35を上方に向けて第2の金型33を設置し、さらに、第2の金型33が設置されている面に対向して、第1の金型31を設置しても良い。第1の金型31と第2の金型33とは所定距離を置いて配置する。
円板状のテーブル50は、テーブル50の中心軸Oを回転軸としてテーブル50の円周方向に回転可能となっている。例えば図8に示すように、テーブル50は、矢印A1の方向、又は矢印A1に反対の方向である矢印A2の方向に回転可能となっている。このようにテーブル50が回転可能となっているため、テーブル50を回転させることで、第1の金型31と第2の金型33の位置を一致させたり、位置をずらしたりすることができる。
そして、第2の金型33の溝部35にリング状の部材42を挿入し、テーブル50を矢印A1の方向に回転させて、第2の金型33と第1の金型31の位置を合わせる。その状態で、第1の金型31を第2の金型33に近づけることで、図8(b)に示すように、第1の金型31と第2の金型33を接触させ、型を閉じる。そして、射出ノズル51によって樹脂を射出することで、第1の金型31と第2の金型33とによって形成されるキャビティ空間内に、樹脂を充填する。
キャビティ空間内に充填された樹脂を硬化させた後、第1の金型31を第2の金型33から遠ざけることで、型を開く。そして、テーブル50を矢印A2の方向に回転させ、成形された原型基板を取り出す。
以上のように、テーブル50を用いた手法によって磁気記録媒体用基板1を成形しても良いし、テーブル50を用いずに、第1の金型31と第2の金型33とによって成形を行っても良い。
また、テーブル50の上に、複数の第2の金型33を所定角度の間隔をおいて配置して、連続して磁気記録媒体用基板1を成形しても良い。例えば、2つの第2の金型33を180度の間隔をおいてテーブル50上に配置する。一方の第2の金型33と第1の金型31とによって成形を行っているときに、他方の第2の金型33にリング状の部材42を挿入する。そして、テーブル50を回転させて、次は、他方の第2の金型33と第1の金型31とによって成形を行う。このように、複数の第2の金型33をテーブル50上に設置することで、磁気記録媒体用基板1を効率良く作製することが可能となる。
[2色成形により磁気記録媒体用基板1の製造方法]
次に、2色成形による磁気記録媒体用基板1の製造方法について、図9及び図10を参照して説明する。図9は、この発明の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための金型の断面図である。図10は、この発明の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための金型の断面図である。
この実施形態においては、磁気記録媒体用基板1の非記録領域4を形成し、その後、記録領域3を形成する。
例えば図9(a)に示すように、第1の金型61、第2の金型65、及び第3の金型63を備え、第3の金型63を間にして、型締装置によって第1の金型61を第2の金型65に対して接離させることにより、型閉じ、型締め及び型開きを行うようになっている。
第1の金型61には、キャビティ空間に樹脂を充填するためのスプルー62が形成されている。このスプルー62は、第1の金型61の厚さ方向に貫通した貫通孔である。また、第2の金型65には、第1の金型61に対向する表面に平坦な溝部が形成されている。この溝部の形状は、成形によって形成すべき磁気記録媒体用基板1の形状に対応している。第3の金型63には、第2の金型65に対向する面に突起部64が設けられている。突起部64の径は、第2の金型65の溝部の径よりも小さく、第2の金型65の溝部に挿入される。このように、突起部64の径が第2の金型65の溝部の径よりも小さくなっているため、突起部64を第2の金型65の溝部に挿入すると、溝部の内面と突起部64との間に、溝部の内面に沿って隙間が形成される。その隙間がキャビティ空間67となる。このキャビティ空間67に樹脂を充填して硬化させることで、磁気記録媒体用基板1の非記録領域4を形成する。従って、キャビティ空間67(隙間)の幅が、非記録領域4の幅と等しくなるように、第2の金型65の溝部の幅と、突起部64の幅を調整する。
また、第3の金型63は、第1の金型61に対向する面に平坦な溝部が形成され、突起部64の周辺において、厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されている。そして、図9(a)に示すように、第3の金型63を間にして第1の金型61と第2の金型65を対向して配置することで、第2の金型65の溝部に、第3の金型63の突起部64を挿入し、キャビティ空間67を形成する。
そして、型締め状態において、射出ノズル(図示しない)を第1の金型61のスプルー62に接触させ、その状態で射出ノズルから所定の射出圧で樹脂を射出する。射出ノズルから射出された樹脂はスプルー62を通った後、第1の金型61と対向する面に形成された第3の金型63の溝部を通り、さらに、突起部64の周辺に形成された貫通孔を通って、キャビティ空間67に充填される。キャビティ空間67に充填された樹脂によって、磁気記録媒体用基板1の非記録領域4を形成する。従って、キャビティ空間67に充填される樹脂には、ヤング率が4〜50[GPa]の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は活性線硬化性樹脂が用いられる。
キャビティ空間67に樹脂を充填した後、その樹脂を硬化させることで、リング状の部材72を成形する。その後、図9(b)に示すように、型を開く。第2の金型65の溝部の内面には、キャビティ空間67に対応する位置にリング状の部材72が形成されている。すなわち、リング状の部材72は、第2の金型65の溝部の内面に接した状態で、溝部内に形成されている。また、この成形によって、第1の金型61のスプルー62の形状、及び第3の金型63の溝部と貫通孔の形状に対応する樹脂部材68が成形される。この樹脂部材67は磁気記録媒体用基板1には用いられない。
そして、図9(c)に示すように、第2の金型65の溝部を内側にして第4の金型81と第2の金型65を対向して配置することで、第4の金型81と第2の金型65との間に円形のキャビティ空間69を形成する。
そして、型締め状態において、射出ノズル(図示しない)を第4の金型81のスプルー82に接触させ、その状態で射出ノズルから所定の射出圧で樹脂を射出する。射出ノズルから射出された樹脂はスプルー82を通って、第4の金型81と第2の金型65の間に形成されたキャビティ空間68に充填される。キャビティ空間68に充填された樹脂によって、磁気記録媒体用基板1の記録領域3を形成する。そのために、キャビティ空間68に充填される樹脂には、ヤング率が2〜4[GPa]の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は活性線硬化性樹脂が用いられる。
キャビティ空間68に樹脂を充填した後、その樹脂を硬化させて基板形状を成形する。その後、図9(d)に示すように、型を開き、第2の金型65の溝部に対応した位置に配置された可動部66を突き出すことで、基板原型70を第2の金型65から押し出して、基板原型70を取り出す。
成形された基板原型70は、円板状の形状を有し、平坦な面を有する平端部71と、その平端部71の外周部に設けられた部材72と、第4の金型81のスプルー82の形状に相当する突起部73を備えている。そして、基板原型70に対して穴空け工程を施すことにより、図1及び図2に示すように、中央に貫通孔2が形成された磁気記録媒体用基板1を作製する。基板原型70の平端部71が磁気記録媒体用基板1の記録領域3に相当し、部材72が非記録領域4に相当する。
以上のように、2色成形によって、磁気記録媒体用基板1を作製することができる。
また、図10に示すように、円板状のテーブル90の上に、溝部を上方に向けて2つの第2の金型65を設置して2色成形を行っても良い。テーブル90は、テーブル90の中心軸Oを回転軸としてテーブル90の円周方向(矢印の方向)に回転可能となっている。この実施形態では1例として、円板状のテーブル90の上に、テーブル90の中心軸Oを中心として、180度の間隔を置いて2つの第2の金型65が設置されている。
さらに、第2の金型65が設置されている面に対向して、第1の金型61、第3の金型63、及び第4の金型81が設置されている。第3の金型63は、突起部64を第2の金型65の方向に向けて第1の金型61上に設置されている。また、第1の金型61と第4の金型81は、中心軸Oを中心として、180度の間隔をおいて配置されている。第4の金型81は、第1の金型61と同様に、中心にスプルー82が形成されている。
まず、1次成形を行うためにテーブル90を回転させて、図10に示すように、第1の金型61及び第3の金型63と、第2の金型65の位置を一致させて、それらを対向して配置する。そして、型を閉じることで、図9(a)に示すように、キャビティ空間67を形成する。この状態で、第1の射出ノズル51を第1の金型61のスプルー62に接触させ、その状態で第1の射出ノズル51から所定の射出圧で樹脂を射出する。これにより、キャビティ空間67内に樹脂を充填する。そして、キャビティ空間67内の樹脂を硬化させることで、リング状の部材72を成形する。リング状の部材72を金型から取り出さず、次の2次成形を連続して行う。
2次成形を行うために、型を開き、テーブル90を回転させることで、第2の金型65と第4の金型81を対向して配置する。そして、型を閉じることで、第2の金型65と第4の金型81とによって円形状のキャビティ空間を形成する。そして、型締め状態において、第2の射出ノズル52を第4の金型81のスプルー82に接触させ、その状態で第2の射出ノズル52から所定の射出圧で樹脂を射出する。これにより、円形状のキャビティ空間内に樹脂を充填する。キャビティ空間に樹脂を充填した後、その樹脂を硬化させて基板形状を成形する。これにより、図9(d)に示す基板原型70が作製される。
以上のように、テーブル90を用いた2色成形によって磁気記録媒体用基板1を成形しても良いし、テーブル90を用いない2色成形によって磁気記録媒体用基板1を成形しても良い。
なお、この実施形態においては、製造方法の1例として第1実施形態に係る磁気記録媒体用基板1の製造方法について説明した。第2実施形態に係る磁気記録媒体用基板10と、第3実施形態に係る磁気記録媒体用基板20についても、磁気記録媒体用基板1と同様に、インサート成形や2色成形などの複合成形によって作製することができる。
[実施例]
次に、具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1では、第1実施形態に係る磁気記録媒体用基板1の具体例について説明する。
(磁気記録媒体用基板1)
実施例1では、磁気記録媒体用基板1の非記録領域4に樹脂を用いた。具体的には、基板の材料として、記録領域3にはポリカーボネートを用い、非記録領域4には高結晶繊維強化ポリイミドを用いて、複合成形によって磁気記録媒体用基板1を作製した。この磁気記録媒体用基板1の寸法とヤング率を以下に示す。
外径:1.89インチ(48[mm])
磁気記録媒体用基板1の厚さ:0.8[mm]
非記録領域4の幅(外周端部からの距離):3[mm]
記録領域3のヤング率:2.4[GPa]
非記録領域4のヤング率:26[GPa]
(評価)
実施例1に係る磁気記録媒体用基板1の貫通孔2にスピンドルを挿入し、回転速度を4200[rpm]にして磁気記録媒体用基板1を回転させて、回転中の磁気記録媒体用基板1の振動を測定した。この振動の測定には、レーザードップラー振動計を用いて、回転中の磁気記録媒体用基板1の振動の振幅(基板の厚さ方向の変位)を求めた。具体的には、回転中の磁気記録媒体用基板1の表面にレーザー光(入射光)を照射し、磁気記録媒体用基板1の表面で反射されたレーザー光(反射光)を検出した。そして、入射光とドプラシフトを起こした反射光との周波数差により、磁気記録媒体用基板1の振動の振幅(基板の厚さ方向の変位)を求めた。その結果、実施例1に係る磁気記録媒体用基板1では、振動の振幅は、25[nm]となった。
(実施例2)
実施例2では、第1実施形態に係る磁気記録媒体用基板1の別の具体例について説明する。
(磁気記録媒体用基板1)
実施例2では、磁気記録媒体用基板1の非記録領域4に無機材料を用いた。具体的には、基板の材料として、記録領域3にはポリカーボネートを用い、非記録領域4にはアルミニウム合金を用いて、複合成形によって磁気記録媒体用基板1を作製した。この磁気記録媒体用基板1の寸法とヤング率を以下に示す。
外径:1.89インチ(48[mm])
磁気記録媒体用基板1の厚さ:0.8[mm]
非記録領域4の幅(外周端部からの距離):2[mm]
記録領域3のヤング率:2.4[GPa]
非記録領域4のヤング率:73[GPa]
(評価)
実施例1と同様に、回転速度を4200[rpm]にして磁気記録媒体用基板1を回転させて、レーザードップラー振動計を用いて、回転中の磁気記録媒体用基板1の振動の振幅(厚さ方向の変位)を求めた。その結果、実施例2に係る磁気記録媒体用基板1では、振動の振幅は、20[nm]となった。
(実施例3)
実施例3では、第2実施形態に係る磁気記録媒体用基板10の具体例について説明する。
(磁気記録媒体用基板10)
実施例3では、磁気記録媒体用基板10の非記録領域13に樹脂を用いた。具体的には、基板の材料として、記録領域12にはポリカーボネートを用い、非記録領域13にはガラス繊維強化ポリカーボネートを用いて、複合成形によって磁気記録媒体用基板10を作製した。この磁気記録媒体用基板10の寸法とヤング率を以下に示す。
外径:1.89インチ(48[mm])
磁気記録媒体用基板10の厚さ:0.8[mm]
非記録領域13の幅(貫通孔11からの距離):5[mm]
記録領域12のヤング率:2.4[GPa]
非記録領域13のヤング率:17[GPa]
(評価)
実施例3に係る磁気記録媒体用基板10の貫通孔11にスピンドルを挿入し、回転速度を4200[rpm]にして磁気記録媒体用基板10を回転させて、レーザードップラー振動計を用いて、回転中の磁気記録媒体用基板10の振動の振幅(厚さ方向の変位)を求めた。その結果、実施例3に係る磁気記録媒体用基板10では、振動の振幅は、30[nm]となった。
(実施例4)
実施例4では、第2実施形態に係る磁気記録媒体用基板10の別の具体例について説明する。
(磁気記録媒体用基板10)
実施例4では、磁気記録媒体用基板10の非記録領域13に無機材料を用いた。具体的には、基板の材料として、記録領域12にはポリカーボネートを用い、非記録領域13にはマグネシウム合金を用いて、複合成形によって磁気記録媒体用基板10を作製した。この磁気記録媒体用基板10の寸法とヤング率を以下に示す。
外径:1.89インチ(48[mm])
磁気記録媒体用基板10の厚さ:0.8[mm]
非記録領域13の幅(貫通孔11からの距離):4[mm]
記録領域12のヤング率:2.4[GPa]
非記録領域13のヤング率:40[GPa]
(評価)
実施例3と同様に、回転速度を4200[rpm]にして磁気記録媒体用基板10を回転させて、レーザードップラー振動計を用いて、回転中の磁気記録媒体用基板10の振動の振幅(厚さ方向の変位)を求めた。その結果、実施例4に係る磁気記録媒体用基板10では、振動の振幅は、25[nm]となった。
(実施例5)
実施例5では、第3実施形態に係る磁気記録媒体用基板20の具体例について説明する。
(磁気記録媒体用基板20)
実施例5では、磁気記録媒体用基板20の非記録領域23と非記録領域24に樹脂を用いた。具体的には、基板の材料として、記録領域22にはポリカーボネートを用い、非記録領域23と非記録領域24には高結晶繊維強化ポリイミドを用いて、複合成形によって磁気記録媒体用基板20を作製した。なお、実施例5では、非記録領域23と非記録領域24に同じ樹脂を用いた。この磁気記録媒体用基板20の寸法とヤング率を以下に示す。
外径:1.89インチ(48[mm])
磁気記録媒体用基板20の厚さ:0.8[mm]
非記録領域23の幅(外周端部からの距離):3[mm]
非記録領域24の幅(貫通孔21からの距離):5[mm]
記録領域22のヤング率:2.4[GPa]
非記録領域23と非記録領域24のヤング率:26[GPa]
(評価)
実施例5に係る磁気記録媒体用基板20の貫通孔21にスピンドルを挿入し、回転速度を4200[rpm]にして磁気記録媒体用基板20を回転させて、回転中の磁気記録媒体用基板20の振動を測定した。実施例1と同様に、レーザードップラー振動計を用いて、回転中の磁気記録媒体用基板20の振動の振幅(変位)を求めた。その結果、実施例5に係る磁気記録媒体用基板20では、振動の振幅は、15[nm]となった。
(実施例6)
実施例6では、第3実施形態に係る磁気記録媒体用基板20の別の具体例について説明する。
(磁気記録媒体用基板20)
実施例6では、磁気記録媒体用基板20の非記録領域23と非記録領域24に無機材料を用いた。具体的には、基板の材料として、記録領域22にはポリカーボネートを用い、非記録領域23と非記録領域24にはアルミニウム合金を用いて、複合成形によって磁気記録媒体用基板20を作製した。なお、実施例6では、非記録領域23と非記録領域24に同じ無機材料を用いた。この磁気記録媒体用基板20の寸法とヤング率を以下に示す。
外径:1.89インチ(48[mm])
磁気記録媒体用基板20の厚さ:0.8[mm]
非記録領域23の幅(外周端部からの距離):2[mm]
非記録領域24の幅(貫通孔21からの距離):4[mm]
記録領域22のヤング率:2.4[GPa]
非記録領域23と非記録領域24のヤング率:73[GPa]
(評価)
実施例6に係る磁気記録媒体用基板20の貫通孔21にスピンドルを挿入し、回転速度を4200[rpm]にして磁気記録媒体用基板20を回転させて、回転中の磁気記録媒体用基板20の振動を測定した。実施例1と同様に、レーザードップラー振動計を用いて、回転中の磁気記録媒体用基板20の振動の振幅(変位)を求めた。その結果、実施例6に係る磁気記録媒体用基板20では、振動の振幅は10[nm]となった。
(実施例7)
実施例7では、第3実施形態に係る磁気記録媒体用基板20の別の具体例について説明する。
(磁気記録媒体用基板20)
実施例7では、磁気記録媒体用基板20の非記録領域23と非記録領域24に樹脂を用いた。実施例7では、非記録領域23と非記録領域24とで異なる樹脂を用いた。具体的には、基板の材料として、記録領域22にはポリカーボネートを用い、非記録領域23には高結晶繊維強化ポリイミドを用い、非記録領域24にはガラス繊維強化ポリカーボネートを用いて、複合成形によって磁気記録媒体用基板20を作製した。この磁気記録媒体用基板20の寸法とヤング率を以下に示す。
外径:1.89インチ(48[mm])
磁気記録媒体用基板20の厚さ:0.8[mm]
非記録領域23の幅(外周端部からの距離):3[mm]
非記録領域24の幅(貫通孔21からの距離):5[mm]
記録領域22のヤング率:2.4[GPa]
非記録領域23のヤング率:26[GPa]
非記録領域24のヤング率:17[GPa]
(評価)
実施例7に係る磁気記録媒体用基板20の貫通孔21にスピンドルを挿入し、回転速度を4200[rpm]にして磁気記録媒体用基板20を回転させて、回転中の磁気記録媒体用基板20の振動を測定した。実施例1と同様に、レーザードップラー振動計を用いて、回転中の磁気記録媒体用基板20の振動の振幅(変位)を求めた。その結果、実施例7に係る磁気記録媒体用基板20では、振動の振幅は、20[nm]となった。
(比較例)
次に、上述した実施例1から実施例7に対する比較例として、従来技術に係る磁気記録媒体用基板の具体例について説明する。
(磁気記録媒体用基板)
比較例では、基板の材料として、ポリカーボネートを用い、射出成形によって、中央に貫通孔を有する磁気記録媒体用基板を作製した。この磁気記録媒体用基板の寸法とヤング率を以下に示す。
外径:1.89インチ(48[mm])
磁気記録媒体用基板の厚さ:0.8[mm]
基板のヤング率:2.4[GPa]
(評価)
比較例に係る磁気記録媒体用基板の貫通孔にスピンドルを挿入し、回転速度を4200[rpm]にして磁気記録媒体用基板を回転させて、回転中の磁気記録媒体用基板の振動を測定した。実施例1と同様に、レーザードップラー振動計を用いて、回転中の磁気記録媒体用基板の振動の振幅(基板の厚さ方向の変位)を求めた。その結果、比較例に係る磁気記録媒体用基板では、振動の振幅は、50[nm]となった。
以上のように、実施例1から実施例7によると、比較例と比べて、回転中の磁気記録媒体用基板の振動を抑えることができた。
なお、上述した実施例1から実施例7はこの発明の1例であり、記録領域や非記録領域に、第1実施形態から第3実施形態で説明した樹脂や無機材料を用いても、実施例1から実施例7と同様の効果を奏することが可能である。
この発明の第1実施形態に係る磁気記録媒体用基板の構成を示す斜視図である。 この発明の第1実施形態に係る磁気記録媒体用基板の構成を示す断面図であり、図1のII−II断面図である。 この発明の第2実施形態に係る磁気記録媒体用基板の構成を示す斜視図である。 この発明の第2実施形態に係る磁気記録媒体用基板の構成を示す断面図であり、図3のIV−IV断面図である。 この発明の第3実施形態に係る磁気記録媒体用基板の構成を示す斜視図である。 この発明の第3実施形態に係る磁気記録媒体用基板の構成を示す断面図であり、図5のVI−VI断面図である。 この発明の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための金型の断面図である。 この発明の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための金型の斜視図である。 この発明の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための金型の断面図である。 この発明の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための金型の断面図である。
符号の説明
1、10、20 磁気記録媒体用基板
2、11、21 貫通孔
3、12、22 記録領域
4、13、23、24 非記録領域
31、61 第1の金型
32 スプルー
33、65 第2の金型
34 可動部
35 溝部
36、67、68 キャビティ空間
40 基板原型
50、90 テーブル
51 射出ノズル
63 第3の金型
64 突起部
81 第4の金型
82 スプルー

Claims (6)

  1. 円板状の形状を有する基板と、前記基板の中央に形成されて前記基板の厚さ方向に貫通する貫通孔と、を有する磁気記録媒体用基板であって、
    前記基板は、外周端部から所定距離内側までの領域に記録領域として用いられない第1の非記録部と、前記第1の非記録部と前記貫通孔との間の領域に記録領域として用いられる記録部と、を有し、
    前記記録部は樹脂で構成され、前記第1の非記録部は前記記録部よりもヤング率が高い樹脂又は無機材料で構成されていることを特徴とする磁気記録媒体用基板。
  2. 前記基板は、前記貫通孔から所定距離外側までの領域に記録領域として用いられない第2の非記録部を更に有し、
    前記第1の非記録部と前記第2の非記録部との間の領域に前記記録部を有し、
    前記第2の非記録部は前記記録部よりもヤング率が高い樹脂又は無機材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体用基板。
  3. 前記記録部は、ヤング率が2〜4[GPa]の樹脂で構成され、前記第1の非記録部は、ヤング率が4〜500[GPa]の樹脂又は無機材料で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の磁気記録媒体用基板。
  4. 前記記録部は、ヤング率が2〜4[GPa]の樹脂で構成され、前記第1の非記録部と前記第2の非記録部は、ヤング率が4〜500[GPa]の樹脂又は無機材料で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の磁気記録媒体用基板。
  5. 円板状の形状を有する基板と、前記基板の中央に形成されて前記基板の厚さ方向に貫通する貫通孔と、を有する磁気記録媒体用基板であって、
    前記基板は、前記貫通孔から所定距離外側までの領域に記録領域として用いられない非記録部と、前記非記録部と外周端部との間の領域に記録領域として用いられる記録部と、を有し、
    前記記録部は樹脂で構成され、前記非記録部は前記記録部よりもヤング率が高い樹脂又は無機材料で構成されていることを特徴とする磁気記録媒体用基板。
  6. 前記記録部は、ヤング率が2〜4[GPa]の樹脂で構成され、前記非記録部は、ヤング率が4〜500[GPa]の樹脂又は無機材料で構成されていることを特徴とする請求項5に記載の磁気記録媒体用基板。
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