JP2009109393A - 干渉計及び波長測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度変化による光路長の変化及び光学接着剤により貼り合わせてなる分岐素子における光学接着剤の厚みのばらつきを補償することにより、安定且つ正確な動作を行うことができる干渉計、及び当該干渉計を備える波長測定装置を提供する。
【解決手段】干渉計1は、入射光L0を分岐光L1,L2に分岐するビームスプリッタ12と、分岐光L1,L2をビームスプリッタ12に向けてそれぞれ反射する直角プリズムミラー13,14と、屈折率温度依存性を有していて温度変化により生ずる分岐光L1,L2の光路長の変化を補償する位相補償器15とを備える。ビームスプリッタ12は、分岐膜12cが形成された透明部材12aと、分岐膜12dが形成された透明部材12bと有し、分岐膜12c,12dが互いに重ならないように透明部材12a,12bの斜面が光学接着剤18により貼り合わせてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、入射光を複数の分岐光に分岐し、異なる光路を介した分岐光を干渉させて干渉縞等を測定する干渉計、及び当該干渉計を備える波長測定装置に関する。
従来から様々な干渉計が提案されているが、干渉計の一種に一方の分岐光に対して他方の分岐光を遅延させて干渉させる遅延干渉計がある。図7は、従来の遅延干渉計の構成を示す図である。図7に示す遅延干渉計100は、入射レンズ101、ビームスプリッタ102、直角プリズムミラー103,104、及び射出レンズ105,106を備えるマイケルソン型の遅延干渉計である。
入射レンズ101は、外部から入射される入射光L100を平行光に変換する。ビームスプリッタ102は、入射レンズ101によって平行光に変換された入射光L100を反射・透過させて所定の強度比(例えば、1対1)を有する分岐光L101,L102に分岐する。また、直角プリズムミラー103,104の各々で反射された分岐光L101,L102を合波して干渉させるとともに、干渉により得られた干渉光を所定の強度比(例えば、1対1)で分岐した干渉光L103,L104を射出する。
図7に示す通り、ビームスプリッタ102は、断面形状が直角二等辺三角形であって、その斜辺を含む斜面に所定の誘電体多層膜102cが形成された三角柱形状の透明部材102aと、断面形状が直角二等辺三角形である三角柱形状の透明部材102bとを、底辺を対面させた状態で光学接着剤107により貼り合わせたものである。かかる構成のビームスプリッタ102は、誘電体多層膜102cが形成された面に対して入射光L100が所定の角度(例えば、45度)をもって入射するように配置される。
直角プリズムミラー103は、直交する2つの反射面を有しており、一方の反射面がビームスプリッタ102で分岐された一方の分岐光L101の光路に対して45度の角度をなすように配置されており、ビームスプリッタ102からの分岐光L101を所定量だけシフトさせてビームスプリッタ102に向けて反射する。直角プリズムミラー104も直角プリズムミラー104と同様に直交する2つの反射面を有しており、一方の反射面がビームスプリッタ102で分岐された他方の分岐光L102の光路に対して45度の角度をなすように配置されており、ビームスプリッタ102からの分岐光L102を所定量だけシフトさせてビームスプリッタ102に向けて反射する。
尚、図7に示す遅延干渉計100においては、分岐光L102の光路長よりも分岐光L101の光路長が所定長だけ長くなるように直角プリズムミラー103,104の位置決めがなされている。射出レンズ105,106は、ビームスプリッタ102で分岐された干渉光L103,L104をそれぞれ集光して外部に出力する。
上記構成において、入射光L101が遅延干渉計100に入射すると、入射レンズ101で平行光に偏向された後にビームスプリッタ102に入射して分岐光L101,L102に分岐される。分岐光L101,L102は直角プリズムミラー103,104でそれぞれ反射されて再びビームスプリッタ102に入射する。ここで、分岐光L101の光路長は、分岐光L102の光路長よりも所定長だけ長いため、分岐光L101は分岐光L102に対して所定の時間だけ遅延する。その後、分岐光L101,L102はビームスプリッタ102で合波されて干渉されることにより、分岐光L102と上記の時間だけ遅延した分岐光L101との位相比較が行われ、その比較結果に応じた強度を有する干渉光が出力光L103,L104として出力される。
尚、以上の遅延干渉計100は、例えば差動位相変調方式(DPSK:Differential Phase Shift Keying)等の変調方式によって変調された光信号を波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)して伝送するWDM光通信システムの復調器に設けられる。尚、上記の差動移動変調方式とは、先行する信号の位相に対する相対的な位相差をとって変調する変調方式をいう。遅延干渉計100を復調器で用いる場合には、分岐光L101が分岐光L102に対して被変調光の変調レートの1ビット分に相当する時間だけ遅延するように各々の光路長を設定し、被変調光を入射光L100として入射させることにより被変調光を復調することができる。
尚、従来の遅延干渉計を備えるWDM光通信システムの復調器の詳細については、例えば以下の特許文献1を参照されたい。
特表2004−516743号公報
ところで、図7に示す遅延干渉計100は、温度変化が生ずると直角プリズムミラー103,104の位置誤差等が生じて分岐光L101,L102の光路長が共に変化し、ビームスプリッタ102に入射する分岐光L101,L102の干渉状態が変化する。このため、遅延干渉計100は、温度変化によって安定且つ正確な動作を行うことができなくなる可能性が考えられる。
また、図7に示す通り、遅延干渉計100が備えるビームスプリッタ102は、誘電体多層膜102cが形成された透明部材102aと透明部材102bとを光学接着剤107により貼り合わせてなるものである。ビームスプリッタ102の誘電体多層膜102cによって分岐された分岐光L101が再び誘電体多層膜102cに入射するまでに光学接着剤107を通過することは無いが、分岐光L102は、分岐されてから再び誘電体多層膜102cに入射するまでに光学接着剤107を2回通過する。このため、温度変化が生じた場合に分岐光L102の光路長が分岐光L101の光路長に比べて大きく変動して分岐光L101,L102の干渉状態が大きく変化し、これにより遅延干渉計100の安定且つ正確な動作が困難になる可能性が考えられる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、温度変化による光路長の変化及び光学接着剤により貼り合わせてなる分岐素子における光学接着剤の厚みのばらつきを補償することにより、安定且つ正確な動作を行うことができる干渉計、及び当該干渉計を備える波長測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様による干渉計は、入射光(L0)を第1分岐光(L1)と第2分岐光(L2)とに分岐するとともに、互いに異なる光路を介した前記第1分岐光と前記第2分岐光とを干渉させる干渉計(1)において、所定の面上に部分的に第1分岐膜(12c)が形成された第1透明部材(12a)と、所定の面上に部分的に第2分岐膜(12d)が形成された第2透明部材(12b)とを有し、前記第1,第2分岐膜が互いに重ならないように前記第1透明部材の前記所定面と前記第2透明部材の前記所定面とを貼り合わせてなり、前記入射光を前記第1分岐膜で反射及び透過させて前記第1分岐光と前記第2分岐光とに分岐するとともに、互いに異なる光路を介した前記第1分岐光と前記第2分岐光とを前記第2分岐膜で干渉させる分岐素子(12)と、前記分岐素子の前記第1分岐膜で分岐された前記第1分岐光を前記分岐素子の前記第2分岐膜に向けて反射する第1反射部材(13)と、前記分岐素子の前記第1分岐膜で分岐された前記第2分岐光を前記分岐素子の前記第1分岐膜に向けて反射する第2反射部材(14)と、前記分岐素子と前記第1反射部材との間における前記第1分岐光の光路、及び前記分岐素子と前記第2反射部材との間における前記第2分岐光の光路の少なくとも一方の光路上に配置され、屈折率温度依存性を有する熱光学効果媒質からなる位相補償器(15)とを備えることを特徴としている。
この発明によると、分岐素子の第1分岐膜に入射光が入射すると第1分岐光と第2分岐光とに分岐され、分岐された第1分岐光は第1反射部材により分岐素子の第2分岐膜に向けて反射されるとともに、分岐された第2分岐光は位相補償器を通過しつつ第2反射部材により分岐素子の第2分岐膜に向けて反射され、第1分岐光及び第2分岐光の双方がそれぞれ第1透明部材と第2透明部材とが接着された接着部を1回ずつ通過した後に、第2分岐膜で干渉される。
また、本発明の第1の態様による干渉計は、前記第1,第2透明部材が、断面形状が直角二等辺三角形である三角柱形状であって、前記第1分岐膜が形成される前記所定の面は、前記第1透明部材の前記直角二等辺三角形の斜辺を含む斜面であり、前記第2分岐膜が形成される前記所定の面は、前記第2透明部材の前記直角二等辺三角形の斜辺を含む斜面であることを特徴としている。
また、本発明の第1の態様による干渉計は、前記分岐素子と前記第1反射部材との間における前記第1分岐光の光路、及び前記分岐素子と前記第2反射部材との間における前記第2分岐光の光路の少なくとも一方の光路上に配置された波長板(41)を備えることを特徴としている。
本発明の第2の態様による干渉計は、入射光(L0)を第1分岐光(L1)と第2分岐光(L2)とに分岐するとともに、互いに異なる光路を介した前記第1分岐光と前記第2分岐光とを干渉させる干渉計(2)において、分岐膜(31c)が形成された第1透明部材(31a)と、当該第1透明部材の前記分岐膜側に貼り合わせた第2透明部材(31b)とを有し、前記入射光を反射及び透過させて前記第1分岐光と前記第2分岐光とに分岐する第1分岐素子(31)と、分岐膜(32c)が形成された第1透明部材(32a)と、当該第1透明部材の前記分岐膜側に貼り合わせた第2透明部材(32b)とを有し、前記第1分岐素子で反射された前記第1分岐光に対する前記第1透明部材と前記第2透明部材との位置関係が、前記入射光に対する前記第1分岐素子の前記第1透明部材と前記第2透明部材との位置関係とは逆になるよう配置され、互いに異なる光路を介した前記第1分岐光と前記第2分岐光とを干渉させる第2分岐素子(32)と、前記第1分岐素子で分岐された前記第1分岐光を前記第2分岐素子に向けて反射する第1反射部材(13)と、前記第1分岐素子で分岐された前記第2分岐光を前記第2分岐素子に向けて反射する第2反射部材(14)と、前記第1,第2分岐素子と前記第1反射部材との間における前記第1分岐光の光路、及び前記第1,第2分岐素子と前記第2反射部材との間における前記第2分岐光の光路の少なくとも一方の光路上に配置され、屈折率温度依存性を有する熱光学効果媒質からなる位相補償器(15)とを備えることを特徴としている。
この発明によると、第1分岐素子に入射光が入射すると第1分岐光と第2分岐光とに分岐され、分岐された第1分岐光は第1反射部材により第2分岐素子に向けて反射されるとともに、分岐された第2分岐光は位相補償器を通過しつつ第2反射部材により第2分岐素子に向けて反射され、第1分岐光及び第2分岐光の双方が第1分岐素子における第1透明部材と第2透明部材とが接着された接着部又は第2分岐素子における第1透明部材と第2透明部材とが接着された接着部を1回ずつ通過した後に第2分岐素子の分岐膜で干渉される。
また、本発明の第1の態様による干渉計は、前記第1,第2分岐素子がそれぞれ備える前記第1,第2透明部材が、断面形状が直角二等辺三角形である三角柱形状であり、前記分岐膜は、前記第1透明部材の前記直角二等辺三角形の斜辺を含む斜面に形成され、前記第1,第2透明部材は、前記斜面同士を貼り合わせてなることを特徴としている。
本発明の波長測定装置は、入射光(L0)の波長を測定する波長測定装置(5)において、上記の波長板を備える第1の態様による干渉計と、前記干渉計で得られる干渉光をその偏光状態に応じて分岐する偏光分岐素子(42、44)と、前記偏光分岐素子で分岐された干渉光を受光する受光素子(43a、43b、45a、45b)とを備えることを特徴としている。
本発明によれば、第1分岐光の光路及び第2分岐光の光路の少なくとも一方の光路上に位相補償器を配置するとともに、第1分岐光及び第2分岐光の双方が第1透明部材と第2透明部材とが接着された接着部を1回ずつ通過するようにしているため、温度変化による光路長の変化及び光学接着剤により貼り合わせてなる分岐素子における光学接着剤の厚みのばらつきが補償され、その結果として安定且つ正確な動作を行うことができるという効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施形態による干渉計及び波長測定装置について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態による干渉計の要部構成を示す図である。図1に示す通り、本実施形態の干渉計1は、入射レンズ11、ビームスプリッタ12(分岐素子)、直角プリズムミラー13(第1反射部材)、直角プリズムミラー14(第2反射部材)、位相補償器15、及び射出レンズ16,17を備えるマイケルソン型の遅延干渉計である。
入射レンズ11は、入射ポートP1から入射される入射光L0を平行光に変換する。尚、入射ポートP1の位置には例えば光ファイバ(図示省略)の射出端が配置されており、この光ファイバの射出端から射出される光が入射光L0として干渉計1の内部に入射される。ビームスプリッタ12は、入射レンズ11によって平行光に変換された入射光L0を反射・透過させて所定の強度比(例えば、1対1)を有する分岐光L1(第1分岐光)と分岐光L2(第2分岐光)に分岐する。また、直角プリズムミラー13,14の各々で反射された分岐光L1,L2を合波して干渉させるとともに、干渉により得られた干渉光を所定の強度比(例えば、1対1)で分岐した干渉光L3,L4を射出する。
図2は、ビームスプリッタ12の分解図である。図2に示す通り、ビームスプリッタ12は、断面形状が直角二等辺三角形である三角柱形状の透明部材12a(第1透明部材)と、断面形状が直角二等辺三角形である三角柱形状の透明部材12b(第2透明部材)とを有する。透明部材12aの上記直角二等辺三角形の斜辺を含む面である斜面には分岐膜12cが部分的に形成されている。具体的には、透明部材12aの斜面には、軸方向に沿って段差部が形成されており、分岐膜12cの表面と分岐膜12cが形成されていない透明部材12aの斜面とがほぼ同一平面に含まれるよう、その段差部に分岐膜12cが埋め込み形成されている。
同様に、透明部材12bの上記直角二等辺三角形の斜辺を含む面である斜面には分岐膜12dが部分的に形成されている。具体的には、透明部材12bの斜面には、軸方向に沿って段差部が形成されており、分岐膜12dの表面と分岐膜12dが形成されていない透明部材12bの斜面とがほぼ同一平面に含まれるよう、その段差部に分岐膜12dが埋め込み形成されている。
尚、図2に示す例では、透明部材12a,12bの斜面に段差部が形成されており、この段差部に分岐膜12c,12dがそれぞれ埋め込み形成されている例について説明するが、図3に示す構成にすることもできる。図3は、ビームスプリッタ12の変形例を示す分解図である。図3に示す例では、透明部材12a,12bの斜面には段差部が形成されておらず、透明部材12a,12bの斜面上に分岐膜12c,12dが部分的にそれぞれ形成されている。
ここで、上記の透明部材12a,12bは、例えばガラスの一種である「BK7」からなり、上記の分岐膜12c,12dは、例えば誘電体多層膜、金属の薄膜、又は誘電体多層膜と金属の薄膜とを組み合わせた薄膜等である。分岐膜12c,12dは同一の構造である。具体的には、分岐膜12c,12dが誘電体多層膜である場合には分岐膜12cの層数と分岐膜12dの層数とが同じであり、また、分岐膜12cの各層の厚みの設計値と、分岐膜12dの対応する各層の厚みの設計値とが同じである。このため、分岐膜12cと分岐膜12dとは、同様の反射・透過特性(好ましくは、同一の反射・透過特性)を有するよう設計・形成される。ビームスプリッタ12は、以上説明した分岐膜12c,12d同士が重ならないように、透明部材12aの斜面と透明部材12bの斜面とを光学接着剤18(図1参照)により貼り合わせてなるものである。
また、ビームスプリッタ12は、分岐光L1に対する分岐膜12d、分岐膜12dが形成された透明部材12b、及び光学接着剤18の位置関係が、入射光L0に対する分岐膜12c、分岐膜12cが形成された透明部材12a、及び光学接着剤18の位置関係とは逆になるように配置される。つまり、ビームスプリッタ12は、入射光L0に対しては、分岐膜12cが形成された透明部材12a、分岐膜12c、及び光学接着剤18の順で透過するように配置されているのに対し、直角プリズムミラー13で反射された分岐光L1に対しては、光学接着剤18、分岐膜12d、及び分岐膜12dが形成された透明部材12bの順で透過するように配置されている。
ビームスプリッタ12の配置を以上の配置にすることで、分岐膜12cで反射された分岐光L1及び分岐膜12cを透過した分岐光L2は、分岐膜12dに入射するまでにそれぞれ1回ずつ光学接着剤18を通過することになる。このため、温度変化が生じた場合であっても、分岐光L1の光路及び分岐光L2の一方の光路長が他方の光路長に比べて大きく変化する事態を防止することができる。
直角プリズムミラー13は、断面形状が直角二等辺三角形である三角柱形状であって、直交する2つの面を反射面とするミラーであり、ビームスプリッタ12で反射された分岐光L1をその光路をシフトさせてビームスプリッタ12に向けて反射する。つまり、ビームスプリッタ12から直角プリズムミラー13に向かう分岐光L1の往路と、直角プリズムミラー13からビームスプリッタ12に向かう分岐光L1の復路は異なる光路となる。
直角プリズムミラー14は、直角プリズムミラー13と同様に、断面形状が直角二等辺三角形である三角柱形状であって、直交する2つの面を反射面とするミラーであり、ビームスプリッタ12を透過した分岐光L2をその光路をシフトさせてビームスプリッタ12に向けて反射する。つまり、ビームスプリッタ12から直角プリズムミラー14に向かう分岐光L2の往路と、直角プリズムミラー14からビームスプリッタ12に向かう分岐光L2の復路は異なる光路となる。
位相補償器15は、ビームスプリッタ12と直角プリズムミラー14との間における分岐光L2の光路上に配置されており、温度変化による分岐光L1の光路長の変化を、分岐光L2の光路長の変化と位相補償器15の屈折率温度依存性とにより相殺(補償)するものである。ここで、位相補償器15は高い屈折率温度依存性を有する光透過性の熱光学効果媒質からなり、例えばSi(シリコン)単結晶で形成される。Si単結晶の屈折率温度係数dn/dTは、およそ1.3×10−4である。
尚、図1に示す遅延干渉計1においては、位相補償器15を通過する分岐光L2の光路長よりも分岐光L1の光路長が所定長だけ長くなるように直角プリズムミラー13,14の位置決めがなされている。射出レンズ16,17は、ビームスプリッタ12で分岐された干渉光L13,L14をそれぞれ射出ポートP2,P3に集光する。尚、射出ポートP2,P3の位置には例えば光ファイバ(図示省略)の入射端が配置されており、この光ファイバの入射端から入射した光が光ファイバ内を伝播して外部に導かれる。
ここで、位相補償器15について詳細に説明する。図4は、位相補償器15の構成例を示す図であって、(a)は位相補償器15の斜視図であり、(b)は位相補償器15の上面図であり、(c)は(b)中のA−A矢視断面図である。これらの図に示す通り、位相補償器15は、外枠部21、梁部22、光透過領域23、及び温度制御用配線24からなる。外枠部21、梁部22、及び光透過領域23は、(100)面のSi単結晶基板を異方性エッチングして、梁部22と光透過領域23の周辺をくりぬくことで形成される。光透過領域23は、梁部22によって外枠部21に支持されており、その外周には温度制御用配線24が形成されている。位相補償器15は、この光透過領域23が分岐光L2の光路に対して垂直になるように配置される。
温度制御用配線24は、例えば白金材料からなる配線であり、図示しない温度制御装置からの電流供給を受けて発熱する。温度制御用配線24の発熱によって光透過領域23は所定の温度に保持される。このように、温度制御用配線24を光透過領域23の外周を覆うように形成することで、光透過領域23内における温度勾配の発生を抑制して光透過領域23を一定の温度に保持している。尚、温度制御用配線24は、例えば白金材料を蒸着法等により光透過領域23の外周に蒸着して形成することができる。
次に、以上の通り構成された遅延干渉計1の設計例について説明する。いま、遅延干渉計1のFSR(分岐光L1,L2を干渉させて得られる干渉光の周波数間隔(Free Spectral Range))を10.71GHzとし、分岐光L1の光路長をLO1、分岐光L2の光路長をLO2とすると、分岐光L1,L2の光路長差ΔLは以下の(1)式で表される。尚、光路長LO1,LO2は以下の(2)式で表される。
Figure 2009109393
Figure 2009109393
尚、上記(1),(2)式中において、cは真空中の光速であり、nは空気の屈折率であり、nはSi単結晶の屈折率であり、tは位相補償器15の厚みである。また、Lは分岐光L1の光路の物理長であり、Lは分岐光L2の光路の物理長であり、Lは物理長L,Lの差(L−L)である。上記(2)式を上記(1)式に代入すると、光路長差ΔLは以下の(3)式で表すことができる。
Figure 2009109393
上記(3)式で表される光路長差ΔLの温度変化を求めると、下記(4)式で表される。
Figure 2009109393
ここで、光路長差ΔLの温度変化(上記(4)式の左辺)を0とすると、下記(5)式のように整理することでができ、分岐光L1,L2の光路の物理長の差Lと位相補償器15の厚さtとの比率を求めることができる。但し、空気の屈折率nはほぼ1である。尚、以下の(5)式において、αは遅延干渉計1の筐体(図示省略)を構成する金属材料の線膨張係数であり、αはSi単結晶の線膨張係数である。また、dn/dTはSi単結晶の屈折率温度係数であり、dn/dTは空気の屈折率温度係数である。
Figure 2009109393
ここで、例えば遅延干渉計1の筐体を構成する金属材料がコバールである場合には、線膨張係数αは例えば以下の値をとる。
α=6×10−6
また、Si単結晶の線膨張係数α、屈折率n、及び屈折率温度係数dn/dT、並びに、空気の屈折率温度係数dn/dTは例えば以下の値をとる。
α=2.4×10−6
=3.5
dn/dT=1.3×10−4
dn/dT=−1.0×10−6
これらの値を上記(5)式に代入すると、分岐光L1,L2の光路の物理長の差Lを14[mm]にした場合には、位相補償器15の厚みtを0.53[mm]にすれば良いことがわかる。つまり、上記のような設計例に基づいて位相補償器15を作製し、分岐光L2の光路上に配置することにより、温度変化によって筐体の膨張が発生した場合であっても、光路長差ΔLの温度変化を補償することができ、遅延干渉計1の特性の安定性を保持することができる。
次に、上記構成における干渉計1の動作について説明する。入射ポートP1から入射された入射光L0は、入射レンズ11によって平行光に変換された後にビームスプリッタ12の分岐膜12cに入射して分岐光L1,L2に分岐される。分岐膜12cで分岐された分岐光L1は、直角プリズムミラー13が配置された方向に射出されて直角プリズムミラー13に入射した後、分岐膜12dに向けて反射される。直角プリズムミラー13で反射された分岐光L1は、透明部材12aを透過した後に光学接着剤18を通過してから分岐膜12dに入射する。
これに対し、分岐膜12cで分岐された分岐光L2は、光学接着剤18を通過してから直角プリズムミラー14が配置された方向に射出されて位相補償器15を通過した後に直角プリズムミラー13に入射して分岐膜12dに向けて反射され、再度位相補償器15を通過した後にビームスプリッタ12に入射する。ビームスプリッタ12に入射した分岐光L2は、透明部材12bを透過した後に分岐膜12dに入射する。このように、本実施形態では、分岐膜12cで分岐されてから分岐膜12dに入射するまでに分岐光L1,L2は光学接着剤18を1度ずつ通過することになる。
分岐膜12dに分岐光L1,L2が入射すると、合波されて干渉光が生成される。そして、この干渉により得られた干渉光が所定の強度比(例えば、1対1)で分岐されて干渉光L3,L4として射出される。干渉光L3,L4は、射出レンズ16,17で集光されて射出ポートP2,P3からそれぞれ射出される。
以上の通り、本実施形態では、ビームスプリッタ12と直角プリズムミラー14との間における分岐光L2の光路上に位相補償器15を配置し、温度変化による分岐光L1の光路長の変化を、分岐光L2の光路長の変化と位相補償器15の屈折率温度依存性とにより相殺(補償)している。このため、温度変化が生じても干渉計1の大幅な特性の変化が生ずることなく安定且つ正確な動作を行うことができる。
また、本実施形態では、分岐膜12cが斜面に部分的に形成された透明部材12aと分岐膜12dが斜面に部分的に形成された透明部材12bとを、分岐膜12c,12d同士が重ならないように、透明部材12aの斜面と透明部材12bの斜面とを光学接着剤18により貼り合わせてなるビームスプリッタ12を備えており、分岐膜12cで分岐されてから分岐膜12dに入射するまでに、分岐光L1,L2の各々が1度ずつ光学接着剤18を通過するようにしている。このため、温度変化が生じた場合に分岐光L1,L2の何れか一方のみの光路長が何れか他方の光路長に比べて大きく変動するといった事態を防止することができ、これにより安定且つ正確な動作を行うことができる。
更に、本実施形態では、ビームスプリッタ12の分岐膜12cで反射された分岐光L1に対する透明部材12bと分岐膜12dとの位置関係が、入射光L0に対するビームスプリッタ12の透明部材12aと分岐膜12cとの位置関係とは逆になるようにビームスプリッタ12が配置されている。このため、入射光L0がビームスプリッタ12の分岐膜12cで分岐される際に分岐光L1,L2間の位相差が生じたとしても、その位相差は分岐光L1,L2がビームスプリッタ12の分岐膜12dに入射することにより補償され、遅延干渉計1の位相が入射光L0の偏光状態によって変化する現象(PDFS:Polarization Dependent Frequenc Shift)も低減される。
〔第2実施形態〕
図5は、本発明の第2実施形態による干渉計の要部構成を示す図である。尚、図5においては、図1に示した部材と同一の部材については同一の符号を付してある。図5に示す通り、本実施形態の干渉計2は、図1のビームスプリッタ12に代えてビームスプリッタ31(第1分岐素子)及びビームスプリッタ32(第2分岐素子)を備えるマイケルソン型の遅延干渉計である。
ビームスプリッタ31は、断面形状が直角二等辺三角形である三角柱形状の透明部材31a(第1透明部材)と、同形状の透明部材31b(第2透明部材)とを有する。透明部材31aの上記直角二等辺三角形の斜辺を含む面である斜面上には分岐膜31cが形成されており、ビームスプリッタ31は、透明部材31bの斜面を透明部材31aの分岐膜31cが形成された斜面に光学接着剤33により貼り合わせてなるものである。このビームスプリッタ31は、図1に示すビームスプリッタ12と同様に、入射光L0を所定の強度比(例えば、1対1)を有する分岐光L1(第1分岐光)と分岐光L2(第2分岐光)とに分岐する。上記の透明部材31a,31bは、例えばガラスの一種である「BK7」からなり、上記の分岐膜31cは、例えば誘電体多層膜、金属の薄膜、又は誘電体多層膜と金属の薄膜とを組み合わせた薄膜等である。
ビームスプリッタ32は、ビームスプリッタ31と同様の構造であり、直角プリズムミラー13,14の各々で反射された分岐光L1,L2を合波して干渉させるとともに、干渉により得られた干渉光を所定の強度比(例えば、1対1)を有する干渉光L3と干渉光L4とに分岐する。具体的に、ビームスプリッタ32は、断面形状が直角二等辺三角形である三角柱形状の透明部材32a(第1透明部材)と、同形状の透明部材32b(第2透明部材)とを有し、透明部材32aの上記直角二等辺三角形の斜辺を含む面である斜面上には分岐膜32cが形成されており、透明部材32bの斜面を透明部材32aの分岐膜32cが形成された斜面に光学接着剤34により貼り合わせてなるものである。
上記の透明部材32a,32bは、ビームスプリッタ31が備える透明部材31a,31bと同様に、例えばガラスの一種である「BK7」からなり、上記の分岐膜32cは、例えば誘電体多層膜、金属の薄膜、又は誘電体多層膜と金属の薄膜とを組み合わせた薄膜等である。尚、ビームスプリッタ32の分岐膜32cはビームスプリッタ31の分岐膜31bと同一の構造を有し、ビームスプリッタ31,32は、同様の反射・透過特性(好ましくは、同一の反射・透過特性)を有する。
ここで、ビームスプリッタ32は、ビームスプリッタ31で反射された分岐光L1に対する透明部材32aと透明部材32bとの位置関係が、入射光L0に対するビームスプリッタ31の透明部材31aと透明部材31bとの位置関係とは逆になるように配置される。つまり、ビームスプリッタ31は、入射光L0が分岐膜31cが形成された透明部材31aを介して分岐膜31cに入射し、次いで分岐膜31cを透過した光(分岐光L2)が光学接着剤34を通過した後で透明部材31bに入射する位置関係に配置されている。これに対し、ビームスプリッタ32は、ビームスプリッタ31で反射された分岐光L1が最初に透明部材32bに入射し、次いで光学接着剤34を通過した後で分岐膜32cに入射して分岐膜32cを通過した光が、光学部材32a(分岐膜32cが形成された光学部材32a)を透過する位置関係に配置されている。
ビームスプリッタ31に対するビームスプリッタ32の配置を上記の配置にしているため、本実施形態の干渉計2は、第1実施形態の干渉計1と同様に、温度変化が生じた場合に分岐光L1,L2の何れか一方のみの光路長が何れか他方の光路長に比べて大きく変動するといった事態を防止することができ、これにより安定且つ正確な動作を行うことができる。また、入射光L0がビームスプリッタ31の分岐膜31cで分岐される際に分岐光L1,L2間の位相差が生じたとしても、その位相差は分岐光L1,L2がビームスプリッタ32の分岐膜32cに入射することにより補償されるため。遅延干渉計2の位相が入射光L0の偏光状態によって変化する現象PDFSも低減することができる。
また、本実施形態においても、ビームスプリッタ12と直角プリズムミラー14との間における分岐光L2の光路上に位相補償器15を配置し、温度変化による分岐光L1の光路長の変化を、分岐光L2の光路長の変化と位相補償器15の屈折率温度依存性とにより相殺(補償)している。このため、干渉計1と同様に、温度変化が生じても干渉計2の大幅な特性の変化が生ずることなく安定且つ正確な動作を行うことができる。
〔波長測定装置〕
図6は、本発明の第1実施形態による干渉計1を備える波長測定装置の要部構成を示す図である。図6に示す通り、本実施形態の波長測定装置5は、図1に示す干渉計1に1/8波長板41を追加するとともに、干渉計1が備える射出レンズ16に代えて偏光ビームスプリッタ42及びフォトダイオード43a,43bを設け、干渉計1が備える射出レンズ17に代えて偏光ビームスプリッタ44及びフォトダイオード45a,45を設けた構成である。
1/8波長板41は、干渉計1が備えるビームスプリッタ12と直角プリズムミラー13との間の分岐光L1の光路上に配置されており、例えば分岐光L1の偏光状態を直線偏光から楕円偏光に変換する。ここで、1/8波長板41は、分岐光L1の往路及び復路の双方に挿入されているため、分岐光L1が光路を往復すると偏光状態が90度変化することになる。
偏光ビームスプリッタ42は、分岐膜12dで得られる干渉光(分岐光L1,L2の干渉光)の一方をその偏光状態に応じて分岐する。具体的には、紙面に平行な偏光状態を有する干渉光と紙面に垂直な偏光状態を有する干渉光とに分岐する。フォトダイオード43a,43bは、偏光ビームスプリッタ42で分岐された干渉光をそれぞれ個別に受光する。同様に、偏光ビームスプリッタ44は、分岐膜12dで得られる干渉光(分岐光L1,L2の干渉光)の他方をその偏光状態に応じて分岐し、フォトダイオード45a,45bは、偏光ビームスプリッタ44で分岐された干渉光をそれぞれ個別に受光する。
上記構成の波長測定装置において、入射ポートP1から入射光L0が入射されると、入射レンズ11によって平行光に変換された後にビームスプリッタ12の分岐膜12cに入射して分岐光L1,L2に分岐される。分岐膜12cで分岐された分岐光L1は、直角プリズムミラー13が配置された方向に射出されて直角プリズムミラー13に入射した後、分岐膜12dに向けて反射される。このとき、ビームスプリッタ12と直角プリズムミラー13との間の光路上には、1/8波長板41が配置されているため、分岐光L1の偏光状態は90度変化する。1/8波長板41を2回通過した分岐光L1は、透明部材12aを透過した後に光学接着剤18を通過してから分岐膜12dに入射する。
これに対し、分岐膜12cで分岐された分岐光L2は、光学接着剤18を通過してから直角プリズムミラー14が配置された方向に射出されて位相補償器15を通過した後に直角プリズムミラー13に入射して分岐膜12dに向けて反射され、再度位相補償器15を通過した後にビームスプリッタ12に入射する。ここで、分岐光L2の光路上には波長板が配置されていないため、分岐光L2の偏光状態は変化しない。ビームスプリッタ12に入射した分岐光L2は、透明部材12bを透過した後に分岐膜12dに入射する。
分岐膜12dには偏光状態が90度変化した分岐光L1と偏光状態が変化していない分岐光L2とが入射して合波されて干渉光が生成される。そして、この干渉により得られた干渉光が所定の強度比(例えば、1対1)で分岐され、一方の干渉光は偏光ビームスプリッタ42に入射し、他方の干渉光は偏光ビームスプリッタ44に入射する。偏光ビームスプリッタ42に入射した干渉光はその偏光状態に応じて分岐されてフォトダイオード43a,43bに入射し、偏光ビームスプリッタ44に入射した干渉光はその偏光状態に応じて分岐されてフォトダイオード45a,45bに入射する。そして、フォトダイオード43a,43b,45a,45bの受光結果から波長の変化が測定される。
以上の通り、本実施形態の波長測定装置は、図1に示した干渉計1と同様に、ビームスプリッタ12と直角プリズムミラー14との間における分岐光L2の光路上に位相補償器15を配置し、温度変化による分岐光L1の光路長の変化を、分岐光L2の光路長の変化と位相補償器15の屈折率温度依存性とにより相殺(補償)している。このため、温度変化が生じても干渉計1の大幅な特性の変化が生ずることなく安定且つ正確な動作を行うことができる。
また、本実施形態の波長測定装置は、図1に示した干渉計1と同様に、分岐膜12cで分岐されてから分岐膜12dに入射するまでに、分岐光L1,L2の各々が1度ずつ光学接着剤18を通過するようにしている。このため、温度変化が生じた場合に分岐光L1,L2の何れか一方のみの光路長が何れか他方の光路長に比べて大きく変動するといった事態を防止することができ、これにより安定且つ正確な動作を行うことができる。
更に、本実施形態では、ビームスプリッタ12の分岐膜12cで反射された分岐光L1に対する透明部材12bと分岐膜12dとの位置関係が、入射光L0に対するビームスプリッタ12の透明部材12aと分岐膜12cとの位置関係とは逆になるようにビームスプリッタ12が配置されている。このため、入射光L0がビームスプリッタ12の分岐膜12cで分岐される際に分岐光L1,L2間の位相差が生じたとしても、その位相差は分岐光L1,L2がビームスプリッタ12の分岐膜12dに入射することにより補償され、遅延干渉計1の位相が入射光L0の偏光状態によって変化する現象(PDFS)も低減される。
以上、本発明の実施形態による干渉計及び波長測定装置について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、図1に示す干渉計1とほぼ同様の構成を備える波長測定装置を例に挙げたが、波長測定装置は図5に示す干渉計2とほぼ同様の構成を備えるものであっても良い。また、叙述した干渉計1,2は、波長測定装置以外に、特許文献1に挙げたWDM光通信システムの復調器(例えば、二つのフォトダイオードからなるバランス型光検出器を備え、差動位相変調(DPSK)信号の復調器等)に設けることも可能である。
また、上記実施形態では、位相補償器15を構成する熱光学効果媒質としてSi単結晶を用いた場合を説明したが、多結晶や非晶質のSi材料を用いても良いし、他の光透過性の半導体材料(GaAsやInP等)を用いても良い。また、高い屈折率温度依存性及び光透過性を有するものであれば、他の熱光学効果媒質を用いても良い。また、上記実施形態では、分岐光L2の光路上に位相補償器15が配置されている構成を例に挙げたが、例えば位相補償器15を構造上厚くする必要がある場合は、分岐光L1の光路上に厚みが薄い位相補償器を挿入し、両者の厚さの差によって温度補償量を決定することも可能である。同様に、図6に示す1/8波長板41についても、分岐光L2の光路上のみに配置しても良く、或いは分岐光L1,L2の双方の光路上に配置しても良い。但し、波長板を分岐光L1,L2の双方の光路上に配置する場合には、分岐光L1,L2の偏光状態が90度だけ異なるよう各々の光路上に配置する波長板の組み合わせを選択する必要がある。
また、分岐光L1に対する分岐膜12d、透明部材12b、及び光学接着剤18の位置関係、並びに、入射光L0に対する分岐膜12c、透明部材12a、及び光学接着剤18の位置関係は図1に示すものには制限されない。例えば、分岐光L1に対する分岐膜12d、透明部材12b、及び光学接着剤18の位置関係と、入射光L0に対する分岐膜12c、透明部材12a、及び光学接着剤18の位置関係とがそれぞれ逆になるようにビームスプリッタ12を配置することもできる。これは、図5に示すビームスプリッタ31,32の関係についても同様である。
本発明の第1実施形態による干渉計の要部構成を示す図である。 ビームスプリッタ12の分解図である。 ビームスプリッタ12の変形例を示す分解図である。 位相補償器15の構成例を示す図である。 本発明の第2実施形態による干渉計の要部構成を示す図である。 本発明の第1実施形態による干渉計1を備える波長測定装置の要部構成を示す図である。 従来の遅延干渉計の構成を示す図である。
符号の説明
1,2 干渉計
5 波長測定装置
12 ビームスプリッタ
12a,12b 透明部材
12c,12d 分岐膜
13,14 直角プリズムミラー
15 位相補償器
18 光学接着剤
31,32 ビームスプリッタ
31a,31b 透明部材
31c 分岐膜
32a,32b 透明部材
32c 分岐膜
33,34 光学接着剤
41 1/8波長板
42,44 偏光ビームスプリッタ
43a,43b フォトダイオード
45a,45b フォトダイオード
L0 入射光
L1,L2 分岐光

Claims (6)

  1. 入射光を第1分岐光と第2分岐光とに分岐するとともに、互いに異なる光路を介した前記第1分岐光と前記第2分岐光とを干渉させる干渉計において、
    所定の面上に部分的に第1分岐膜が形成された第1透明部材と、所定の面上に部分的に第2分岐膜が形成された第2透明部材とを有し、前記第1,第2分岐膜が互いに重ならないように前記第1透明部材の前記所定面と前記第2透明部材の前記所定面とを貼り合わせてなり、前記入射光を前記第1分岐膜で反射及び透過させて前記第1分岐光と前記第2分岐光とに分岐するとともに、互いに異なる光路を介した前記第1分岐光と前記第2分岐光とを前記第2分岐膜で干渉させる分岐素子と、
    前記分岐素子の前記第1分岐膜で分岐された前記第1分岐光を前記分岐素子の前記第2分岐膜に向けて反射する第1反射部材と、
    前記分岐素子の前記第1分岐膜で分岐された前記第2分岐光を前記分岐素子の前記第1分岐膜に向けて反射する第2反射部材と、
    前記分岐素子と前記第1反射部材との間における前記第1分岐光の光路、及び前記分岐素子と前記第2反射部材との間における前記第2分岐光の光路の少なくとも一方の光路上に配置され、屈折率温度依存性を有する熱光学効果媒質からなる位相補償器と
    を備えることを特徴とする干渉計。
  2. 前記第1,第2透明部材は、断面形状が直角二等辺三角形である三角柱形状であって、
    前記第1分岐膜が形成される前記所定の面は、前記第1透明部材の前記直角二等辺三角形の斜辺を含む斜面であり、
    前記第2分岐膜が形成される前記所定の面は、前記第2透明部材の前記直角二等辺三角形の斜辺を含む斜面である
    ことを特徴とする請求項1記載の干渉計。
  3. 前記分岐素子と前記第1反射部材との間における前記第1分岐光の光路、及び前記分岐素子と前記第2反射部材との間における前記第2分岐光の光路の少なくとも一方の光路上に配置された波長板を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の干渉計。
  4. 入射光を第1分岐光と第2分岐光とに分岐するとともに、互いに異なる光路を介した前記第1分岐光と前記第2分岐光とを干渉させる干渉計において、
    分岐膜が形成された第1透明部材と、当該第1透明部材の前記分岐膜側に貼り合わせた第2透明部材とを有し、前記入射光を反射及び透過させて前記第1分岐光と前記第2分岐光とに分岐する第1分岐素子と、
    分岐膜が形成された第1透明部材と、当該第1透明部材の前記分岐膜側に貼り合わせた第2透明部材とを有し、前記第1分岐素子で反射された前記第1分岐光に対する前記第1透明部材と前記第2透明部材との位置関係が、前記入射光に対する前記第1分岐素子の前記第1透明部材と前記第2透明部材との位置関係とは逆になるよう配置され、互いに異なる光路を介した前記第1分岐光と前記第2分岐光とを干渉させる第2分岐素子と、
    前記第1分岐素子で分岐された前記第1分岐光を前記第2分岐素子に向けて反射する第1反射部材と、
    前記第1分岐素子で分岐された前記第2分岐光を前記第2分岐素子に向けて反射する第2反射部材と、
    前記第1,第2分岐素子と前記第1反射部材との間における前記第1分岐光の光路、及び前記第1,第2分岐素子と前記第2反射部材との間における前記第2分岐光の光路の少なくとも一方の光路上に配置され、屈折率温度依存性を有する熱光学効果媒質からなる位相補償器と
    を備えることを特徴とする干渉計。
  5. 前記第1,第2分岐素子がそれぞれ備える前記第1,第2透明部材は、断面形状が直角二等辺三角形である三角柱形状であり、
    前記分岐膜は、前記第1透明部材の前記直角二等辺三角形の斜辺を含む斜面に形成され、
    前記第1,第2透明部材は、前記斜面同士を貼り合わせてなる
    ことを特徴とする請求項4記載の干渉計。
  6. 入射光の波長を測定する波長測定装置において、
    請求項3記載の干渉計と、
    前記干渉計で得られる干渉光をその偏光状態に応じて分岐する偏光分岐素子と、
    前記偏光分岐素子で分岐された干渉光を受光する受光素子と
    を備えることを特徴とする波長測定装置。
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