JP2009109071A - 乾燥装置 - Google Patents

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陽二 西本
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Abstract

【課題】乾燥ムラの跡が形成されるのを防ぐ。
【解決手段】乾燥ユニット60内に、比較的大きな径を有するセンターローラと、センターローラの径よりも小さな径を有しており、センターローラの周面との間で印画紙2を挟持しつつ搬送する11本のニップローラ68とで構成されるターン部を含むローラ式搬送機構を設ける。各ニップローラ68には、その軸方向に沿って比較的大きな径を有する大径部68aと、大径部68aよりも小さな径を有する小径部68bとを交互に複数形成する。さらに、11本のニップローラ68は、軸方向に関するいずれの位置においても、印画紙2の搬送方向に沿っていずれかのニップローラ68の大径部68aが位置するように配置する。そして、印画紙2の各ニップローラ68と当接する側の面に吹き出し部から熱風を吹き付け、印画紙2を乾燥させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、媒体を搬送しつつ乾燥させる乾燥装置に関する。
特許文献1には、現像処理が施された印画紙を、一旦下方に向かって搬送した後に搬送方向を変更して上方に向かって搬送しつつ、熱風を吹き付けることで乾燥させる写真乾燥装置が開示されている。かかる写真乾燥装置において印画紙の搬送方向を変更するターン部は、1つのセンターローラと、センターローラの径よりも小さな径を有する複数の串状ローラとで構成されている。複数の串状ローラは、その回転軸がセンターローラの回転軸と平行になっていると共に、その周面がセンターローラの周面に対向するように配置されている。そして、ターン部においては、センターローラと複数の串状ローラとの間で印画紙を挟持しつつ搬送する。ここで、串状ローラは、比較的径が大きい大径部と大径部よりも径が小さい小径部とを有している。これにより、串状ローラには、その軸方向に沿って印画紙に当接する当接箇所と当接しない非当接箇所とが交互に複数形成される。
特開2007−183504号公報(図3、4)
上述のように、写真乾燥装置において複数の串状ローラが該串状ローラに対向する面との間で印画紙を挟持しつつ搬送する場合には、印画紙における串状ローラと当接しない箇所にのみ熱風が吹き付けられる。したがって、印画紙が上記ターン部において搬送される際に、印画紙にいずれの串状ローラとも当接しない領域がある場合には、当該領域には常に熱風が吹き付けられることとなり、乾燥ムラが生じる。その結果、当該領域に筋状の跡が形成されてしまう。
そこで、本発明の目的は、乾燥ムラの跡が形成されるのを防ぐことができる乾燥装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の乾燥装置は、媒体を搬送しつつ乾燥させる乾燥装置であって、回転軸が互いに平行となるように配置された複数のニップローラ、及び前記各ニップローラの周面に対向する対向面を有する1又は複数の対向部材を備えており、前記ニップローラの周面と前記対向面との間で媒体を挟持しつつ搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって搬送される媒体の前記ニップローラに接する一方の面に熱風を吹き付ける吹き出し部とを備えている。そして、前記ニップローラには、その周面が媒体に当接する複数の大径部及び前記大径部よりも小さな径を有する複数の小径部が回転軸に沿って交互に形成されており、互いに隣接する前記ニップローラが、一方の前記ニップローラにおける隣接する前記大径部に挟まれた領域に、他方の前記ニップローラの前記大径部が位置するように配置されており、複数の前記ニップローラが、回転軸方向に関するいずれの位置においても、前記搬送機構による媒体の搬送方向に沿って複数の前記ニップローラの少なくとも1つの前記大径部が位置するように配置されている。
この構成によると、搬送機構で媒体が搬送される際に、媒体における熱風が吹き付けられる面の全面が、複数のニップローラのいずれかと少なくとも一度は当接する。したがって、媒体に常に熱風が吹き付けられる箇所ができてしまうのを避けることができるので、乾燥ムラが生じるのを防ぐことができる。
本発明の乾燥装置では、前記対向部材が、前記ニップローラの回転軸と平行な回転軸を有しており、その周面が前記各ニップローラの周面に対向する前記対向面となっているセンターローラであってもよい。
この構成によると、センターローラの周面に沿って媒体をターンさせることができる。このようなターン部においては、大きな搬送力が必要となる。ここで、上述のように、本発明の搬送機構は、互いに隣接するニップローラが、一方のニップローラにおける隣接する大径部に挟まれた領域に、他方のニップローラの大径部が位置するように配置されているので、媒体の搬送方向に関するニップローラの媒体との当接箇所の間隔が、大径部の直径よりも短い。したがって、かかる搬送機構においては、媒体に対して比較的大きな搬送力を付与することができる。よって、比較的大きな搬送力を媒体に付与することができる本発明に上記構成を適用することは有用である。
本発明の乾燥装置では、前記搬送機構が、5本以上の前記ニップローラを備えており、n(n:自然数)番目の前記ニップローラの前記大径部の位置が、n+1番目及びn+4番目の前記ニップローラの前記大径部の位置と回転軸方向に関して重なっておらず、且つn+2番目及びn+3番目の前記ニップローラの前記大径部の位置と回転軸方向に関してそれぞれ部分的に重なり合っており、n+5番目の前記ニップローラの前記大径部の位置と回転軸方向に関して一致していることが好ましい。
この構成によると、ニップローラにおける大径部の配置パターンが5本で一周期となるような単純な構成で、回転軸方向に関するいずれの位置においても、媒体の搬送方向に沿って複数のニップローラの少なくとも1つの大径部が位置するような構成を実現することができる。
以下、本発明の好適な一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる乾燥ユニット(乾燥装置)が備えられた写真処理装置の概略構成を示す図である。
写真処理装置1は、図1に示すように、レーザビームによるデジタル走査露光方式が採用された写真処理装置であって、画像入力部20、プリントユニット50、及び乾燥ユニット60を主に備えている。なお、プリントユニット50及び乾燥ユニット60においては、後述するように印画紙2を一方向に搬送しつつ、露光処理や乾燥処理などの各種処理を次々と施す。以下の説明においては、プリントユニット50及び乾燥ユニット60内における印画紙2の搬送方向の上流側及び下流側を単に「上流側」及び「下流側」と称する。
画像入力部20では、現像されたフィルムの各コマに記録された画像の読み取り処理及び読み取られた画像データに対するデジタル変換処理、フラッシュメモリ等の画像記録媒体に記録されたデジタル画像データの読み取り処理などの各種処理が行われる。そして、読み取られた画像データは、プリントユニット50に送信される。プリントユニット50では、画像入力部20から受信した画像データに基づいて、主に印画紙(媒体)2に対して露光処理、現像処理、漂白定着処理等の処理が施され、乾燥ユニット60に送られる。乾燥ユニット60では、プリントユニット50から排出された印画紙2に対して乾燥処理が施される。乾燥ユニット60において乾燥された印画紙2は、排出口62から装置外に排出され、コンベア56で搬送された後、ソータ(図示せず)によってオーダー単位に振り分けられる。
画像入力部20は、図1に示すように、モニタ21、キーボード22、マウス23、コンピュータユニット30、及びスキャナ40を有している。
モニタ21は、各種制御のためのGUI(Graphical User Interface)や処理対象の画像などを表示することによって、写真処理装置1に関する様々な情報をオペレータに告知する。キーボード22及びマウス23は、写真処理装置1に対する入力操作を行うために用いられる。
コンピュータユニット30には、モニタ21、キーボード22、及びマウス23が接続されており、キーボード22及びマウス23からオペレータによって入力された指示に基づいて、スキャナ40及びプリントユニット50に含まれる各部の動作、及び画像の入出力の制御を行う。また、コンピュータユニット30は、メモリカード、CD−R等の画像記録媒体に収納された画像データをメディアリーダ(図示せず)を介して読み取ることができる。
スキャナ40では、現像されたフィルムの各コマに記録された画像の読み取り処理及び読み取られた画像データに対するデジタル変換処理等が行われ、読み取られた画像データはコンピュータユニット30に送信される。
プリントユニット50は、図1に示すように、2つの印画紙マガジン51、シートカッター52、バックプリント部53、プリント露光部54、チャッカー式搬送機構58、プロセッサ55、及びスクイズラック59を主に備えている。
2つの印画紙マガジン51は、プリントユニット50の内部に備えられており、ロール状の印画紙2を1個ずつ収容している。かかる印画紙マガジン51に収容された印画紙2は、適宜必要な量だけ搬送ローラ対57によって引き出される。シートカッター52は、印画紙マガジン51から印画紙2を引き出す複数の搬送ローラ対57の下流側に配置されており、印画紙マガジン51から引き出された印画紙2を所望のプリントサイズに切断する。
バックプリント部53は、シートカッター52の下流側に配置されており、シートカッター52で所望のプリントサイズに切断された印画紙2の裏面側に、色補正情報、及びコマ番号等のプリント処理情報を印刷する。
プリント露光部54は、バックプリント部53の下流側に配置されるチャッカー式搬送機構58と隣接するように配置され、所望のプリントサイズに切断された印画紙2の表面側に、画像の露光を行う。チャッカー式搬送機構58は、所望のサイズに切断された印画紙2の下流側(先端側)の端部を摘むようにしつつ、様々な処理に対応した搬送速度で搬送する。
プロセッサ55は、プリント露光部54の下流側に配置される複数の搬送ローラ対57に隣接するように配置され、発色現像処理液を貯留する発色現像槽55aと、漂白定着処理液を貯留する漂白定着槽55bと、安定処理液を貯留する安定処理槽55cとを有している。そして、露光が行われた印画紙2が、これらの発色現像槽55a、漂白定着槽55b、及び安定処理槽55cをこの順で経由しながら搬送されることで、所望の画像が印画紙2の表面に形成される。
スクイズラック59は、プロセッサ55と乾燥ユニット60との間に配置されており、プロセッサ55において搬送される際に付着した印画紙2の表面の水分を取る機能を有している。
乾燥ユニット60はプロセッサ55の下流側に配置されており、その内部には、スクイズラック59を通過した印画紙2をローラで挟持しつつ、一旦下方に搬送した後に上方に向かって搬送するローラ式搬送機構61が設けられている。そして、ローラ式搬送機構61によって上方に向かって搬送される印画紙2の一方の面に、後述するヒーター74(図2及び図3参照)によって熱せられた空気を吹き付け、乾燥処理が行われる。なお、乾燥ユニット60において乾燥された印画紙2は、排出口62からコンベア56上へと落下搬送され、ソータの方向へ搬送される。
次に、乾燥ユニット60の構成について、図2及び図3を参照してより詳細に説明する。図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。図3は、図1のIII-III線に沿う断面図である。
図2に示すように、乾燥ユニット60内には、上述のローラ式搬送機構61に加えて、ヒーター74、送風機75、及び加熱室76が設けられている。加熱室76は、ローラ式搬送機構61によって上方に搬送される印画紙2の一方の面に対向するように設けられている。そして、該印画紙2の一方の面に対向し且つ加熱室76を画定する壁77には、図3に示すように、加熱室76内の加熱された空気を印画紙2に吹き付ける吹き出し部79となる複数の開口がマトリクス状に形成されている。
送風機75とヒーター74とは、乾燥ユニット60の一側部(ローラ式搬送機構61によって搬送される印画紙2の幅方向一端部側)に配置されている。送風機75は、図3に示すように、装置縦方向に沿って配置され、乾燥ユニット60内全域に熱風が送られるように配置されている。そして、ヒーター74は、送風機75によって吸引される空気を効率良く加熱し、且つその吸引された空気のほとんどがヒーター74を通過するように、送風機75の吸引側の上流部に配置されている。また、ヒーター74は、送風機75とほぼ同等の長さであり、送風機75によって吸引されるほとんどの空気を加熱して熱風にできるようになっている。
図2に示すように、加熱室76の送風機75及びヒーター74が配置されている側の一側部には、送風機75及びヒーター74とほぼ同等の長さを有する取込口78が形成されている。取込口78は、送風機75の排出側の下流部に位置している。したがって、送風機75から排出された熱風は、取込口78から加熱室76内に取り込まれる。なお、加熱室76は、その断面積が送風機75から遠ざかるに従って小さくなるように形成されている。これによって、加熱室76内の風圧が均一となり、吹き出し部79を通過する熱風の流量を均等にすることができる。
次に、図4〜図6を参照しつつ、ローラ式搬送機構61の構成についてより詳細に説明する。図4は、図1に示す乾燥ユニットにおける下部の拡大図である。図5は、図4に示す複数のニップローラを該複数のニップローラの周面に接する面が平面となるように描いた図である。図6は、図5に示すニップローラの大径部の配置パターンを説明するための図である。
ローラ式搬送機構61は、図4に示すように、乾燥ユニット60の下部に配置されるターン部65を含んでいる。ターン部65は、比較的大きな径を有する対向部材としてのセンターローラ67と、センターローラ67の径よりも小さな径を有する複数のニップローラ68とを有している。なお、本実施の形態においては、ニップローラ68は11本配置されている。各ニップローラ68は、その回転軸がセンターローラ67の回転軸と平行となっており、その周面がセンターローラ67の周面に対向するようにそれぞれ配置されている。そして、ターン部65においては、センターローラ67の周面と各ニップローラ68の周面との間で印画紙2を挟持しつつ搬送する。これにより、ターン部65においては、センターローラ67の周面に沿って印画紙2を送ることで、印画紙2の搬送方向を変更することができる。
さらに、ローラ式搬送機構61は、複数の搬送ローラ対63を備えている。そして、図4中左方に位置する搬送ローラ対63によって挟持されつつ下方に搬送される印画紙2は、ターン部65においてその搬送方向が上方に変更され、図4中右方において装置縦方向に複数配置された搬送ローラ対63に次々挟持されつつ、上方に向かって搬送される。
また、各ニップローラ68には、図5に示すように、比較的径が大きい大径部68aと大径部68aよりも径が小さい小径部68bとが、軸方向に沿って交互に複数形成されている。すなわち、ターン部65においては、印画紙2は、ニップローラ68の大径部68aの周面とセンターローラ67の周面との間で挟持される。なお、図4に示すように、印画紙2のニップローラ68と当接する側の面が、加熱室76に面しており、この面に吹き出し部79から吹き出された熱風が吹き付けられる。
そして、複数のニップローラ68は、互いに隣接するニップローラ68が、一方のニップローラ68における隣接する大径部68aに挟まれた領域に、他方のニップローラ68の大径部68aが位置するように配置されている。ここで、例えば、複数のニップローラ68が小径部68bを有しておらず、軸方向に沿って均一な径を有している場合には、互いに隣接するニップローラ68同士の間隔は、ニップローラ68の直径よりも大きくなる。しかしながら、上述のように、本実施の形態のニップローラ68には大径部68a及び小径部68bが形成されており、互いに隣接するニップローラ68同士の間隔が大径部68aの直径よりも小さいので、印画紙2の搬送方向に沿うニップローラ68と印画紙2との当接箇所の間隔が比較的小さくなっている。これにより、印画紙2に対して比較的大きな搬送力を付与することができる。
より詳細には、各ニップローラ68の大径部68aは等間隔で形成されており、且つその幅(軸方向に沿う長さ)は、小径部68bの幅に比べて短くなっている。なお、大径部68a及び小径部68bの幅は、いずれのニップローラ68においても等しくなっている。ここで、11本のニップローラ68を上流側から順番に、第1ローラ、第2ローラ、・・・、第11ローラとする。図5に示すように、各ニップローラ68における軸方向に関する大径部68aの配置パターンは、5本毎に一致している。すなわち、第1ローラ、第6ローラ、及び第11ローラにそれぞれ形成されている大径部68aは、印画紙2の搬送方向に沿う同一領域(例えば、図5中斜線で示す領域)内に位置している。同様に、第2ローラ及び第7ローラ、第3ローラ及び第8ローラ、第4ローラ及び第9ローラ、並びに第5ローラ及び第10ローラにおける軸方向に関する大径部68aの位置は、互いに一致している。
ここで、図6を参照しつつ、ニップローラ68における大径部68aの配置パターンをより詳細に説明する。図6は、11本のニップローラ68のうち、隣接して配置される6本のニップローラ68、すなわち第nローラ、第n+1ローラ、・・・、及び第n+5ローラ(nは自然数)における大径部68aのみを抜き出して描いた図である。
図6に示すように、第nローラ及び第n+5ローラの大径部68aは、いずれも斜線で示す印画紙2の搬送方向に沿う領域内に位置している。すなわち、第nローラ及び第n+5ローラは、センターローラ67との間で印画紙2を挟持しつつ搬送する際に、印画紙2の同一箇所に当接する。つまり、印画紙2における上流側に位置する第nローラと当接した箇所は、その後下流側に位置する第n+5ローラとも当接する。
上述のように、各ニップローラ68における大径部68aの配置パターンは5本で一周期となっていると共に、互いに隣接するニップローラ68における大径部68aの位置は、軸方向に関して重ならない。すなわち、第n+1ローラ及び第n+4ローラの大径部68aの位置は、いずれも第nローラ及び第n+5ローラの大径部68aが配置されている斜線で示す領域と重なっていない。
一方、第n+2ローラ及び第n+3ローラの大径部68aの位置は、いずれも斜線で示す領域と部分的に重なっている。すなわち、第nローラの大径部68aの位置は、第n+2ローラ及び第n+3ローラの大径部68aの位置と軸方向に関してそれぞれ部分的に重なり合っている。より詳細には、図6に示すように、第n+2ローラの大径部68aの右側部分は、斜線で示す領域の左側縁部近傍に重なっており、第n+3ローラの大径部68aの左側部分は、斜線で示す領域の右側縁部近傍に重なっている。
同様に、図6に示すように、第n+1ローラの大径部68aにおける左側部分は、第n+3ローラの大径部68aにおける右側部分と軸方向に関して重なり合っており、第n+1ローラの大径部68aにおける右側部分は、第n+4ローラの大径部68aにおける左側部分と軸方向に関して重なり合っている。さらに、第n+2ローラの大径部68aにおける左側部分は、第n+4ローラの大径部68aにおける右側部分と回転軸方向に関して重なり合っており、第n+2ローラの大径部68aにおける右側部分は、上述のように、第n+5ローラ(第nローラ)の大径部68aにおける左側部分と軸方向に関して重なり合っている。
すなわち、11本のニップローラ68は、軸方向に関するいずれの位置においても、印画紙2の搬送方向に沿っていずれかのニップローラ68の大径部68aが位置するように配置されている。各ニップローラ68における大径部68aが上述のようなパターンで配置されていることによって、ターン部65を通過する印画紙2の全面が、いずれかのニップローラ68と当接することとなる。
以上のように、本実施の形態の写真処理装置1における乾燥ユニット60には、回転軸が互いに平行となるように配置されており、その軸方向に沿って比較的大きな径を有する大径部68aと、大径部68aよりも小さな径を有する小径部68bとが交互に複数形成された11本のニップローラ68を備えたローラ式搬送機構61が設けられている。11本のニップローラ68は、軸方向に関するいずれの位置においても、印画紙2の搬送方向に沿っていずれかのニップローラ68の大径部68aが位置するように配置されている。そして、印画紙2は、複数のニップローラ68の周面とセンターローラ67の周面とによって挟持されつつ搬送される。また、乾燥ユニット60には、印画紙2のニップローラ68と当接する側の面に熱風を吹き付ける吹き出し部79が設けられている。したがって、ローラ式搬送機構61で印画紙2が搬送される際に、印画紙2の熱風が吹き付けられる面の全面が、11本のニップローラ68のいずれかと少なくとも一度は当接する。よって、印画紙2に常に熱風が吹き付けられる箇所ができてしまうのを避けることができるので、乾燥ムラが生じるのを防ぐことができる。
また、本実施の形態の写真処理装置1における乾燥ユニット60では、11本のニップローラ68は、それらの周面が、ニップローラ68の径よりも大きな径を有するセンターローラ67の周面と対向するように配置されている。すなわち、センターローラ67及び11本のニップローラ68は、印画紙2の搬送方向を変更するターン部65を構成している。ここで、本実施の形態においては、印画紙2の搬送方向に沿うニップローラ68と印画紙2との当接箇所の間隔が比較的小さく、印画紙2に対して比較的大きな搬送力を付与することが可能となっている。したがって、比較的大きな搬送力が必要となるターン部65において、好適に印画紙2の搬送を行うこうとができる。
さらに、本実施の形態の写真処理装置1における乾燥ユニット60では、第nローラにおける大径部68aの位置が、第n+1ローラ及び第n+4ローラにおける大径部68aの位置と軸方向に関して重なっていない。また、第n+2ローラ及び第n+3ローラにおける大径部68aの位置と軸方向に関してそれぞれ部分的に重なり合っている。加えて、第n+5ローラにおける大径部68aの位置と軸方向に関して一致している。したがって、ニップローラ68における大径部68aの配置パターンが5本で一周期となるような単純な構成で、軸方向に関するいずれの位置においても、印画紙2の搬送方向に沿って11本のニップローラ68のいずれかの大径部68aが位置するような構成を実現することができる。
以上、本発明の好適な一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。例えば、上述の実施の形態では、ニップローラ68が11本設けられている場合について説明したが、ニップローラ68の本数は5本以上であればよい。
また、上述の実施の形態では、ニップローラ68が、その周面とニップローラ68の径よりも大きな径を有するセンターローラ67の周面との間で印画紙2を挟持しつつ搬送し、印画紙2の搬送方向を変更するターン部65を構成する場合について説明したが、これには限定されない。例えば、ニップローラ68が、その周面と2本の駆動ローラの間に架け渡された無端状の搬送ベルトの外周面との間で印画紙2を挟持しつつ搬送するような構成であってもよい。さらに、各ニップローラ68と対になる複数のローラが設けられており、複数のローラ対で搬送するような構成であってもよい。
加えて、上述の実施の形態では、各ニップローラ68における大径部68aの配置パターンが5本で一周期である場合について説明したが、これには限定されず、6本以上で一周期となっていてもよい。
本発明の実施の形態にかかる乾燥ユニット(乾燥装置)が備えられた写真処理装置の概略構成を示す図である。 図1のII-II線に沿う断面図である。 図1のIII-III線に沿う断面図である。 図1に示す乾燥ユニットにおける下部の拡大図である。 図4に示す複数のニップローラを該複数のニップローラの周面に接する面が平面となるように描いた図である。 図5に示すニップローラにおける大径部の配置パターンを説明するための図である。
符号の説明
1 写真処理装置
2 印画紙(媒体)
60 乾燥ユニット(乾燥装置)
61 ローラ式搬送機構(搬送機構)
67 センターローラ(対向部材)
68 ニップローラ
68a 大径部
68b 小径部
79 吹き出し部

Claims (3)

  1. 媒体を搬送しつつ乾燥させる乾燥装置であって、
    回転軸が互いに平行となるように配置された複数のニップローラ、及び前記各ニップローラの周面に対向する対向面を有する1又は複数の対向部材を備えており、前記ニップローラの周面と前記対向面との間で媒体を挟持しつつ搬送する搬送機構と、
    前記搬送機構によって搬送される媒体の前記ニップローラに接する一方の面に熱風を吹き付ける吹き出し部とを備えており、
    前記ニップローラには、その周面が媒体に当接する複数の大径部及び前記大径部よりも小さな径を有する複数の小径部が回転軸に沿って交互に形成されており、
    互いに隣接する前記ニップローラが、一方の前記ニップローラにおける隣接する前記大径部に挟まれた領域に、他方の前記ニップローラの前記大径部が位置するように配置されており、
    複数の前記ニップローラが、回転軸方向に関するいずれの位置においても、前記搬送機構による媒体の搬送方向に沿って複数の前記ニップローラの少なくとも1つの前記大径部が位置するように配置されていることを特徴とする乾燥装置。
  2. 前記対向部材が、前記ニップローラの回転軸と平行な回転軸を有しており、その周面が前記各ニップローラの周面に対向する前記対向面となっているセンターローラであることを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
  3. 前記搬送機構が、5本以上の前記ニップローラを備えており、
    n(n:自然数)番目の前記ニップローラの前記大径部の位置が、n+1番目及びn+4番目の前記ニップローラの前記大径部の位置と回転軸方向に関して重なっておらず、且つn+2番目及びn+3番目の前記ニップローラの前記大径部の位置と回転軸方向に関してそれぞれ部分的に重なり合っており、n+5番目の前記ニップローラの前記大径部の位置と回転軸方向に関して一致していることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥装置。
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